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中国の問題-2022年7月16日~11月30日


2022.11.30-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221130/k10013908731000.html
中国 江沢民元国家主席 死去 96歳 新華社通信が伝える

  中国国営の新華社通信は、1989年の天安門事件のあとに共産党のトップに抜てきされ、市場経済化を推進した江沢民元国家主席11月30日、白血病などのため、上海で死去したと伝えました。96歳でした。

  江沢民氏は、1989年6月の天安門事件のあと、当時の最高実力者のトウ小平氏によって、中国共産党トップの総書記に抜てきされました同じ年の11月には、軍のトップの中央軍事委員会主席のポストをトウ氏から引き継ぎ、1993年には国家主席にも就任して、権力基盤を固めていきました。
  江氏は「社会主義市場経済」を掲げて共産党による一党支配のもとでの市場経済化を推進し、2001年にはWTO=世界貿易機関への加盟を果たすなど、のちにGDP=国内総生産で世界2位の経済大国となる基礎を築きました。
  1997年には香港返還の式典に出席して中国の主権回復を国内外に宣言したほか、2001年には7年後の北京オリンピック招致を成功させました。
  また、愛国教育にも力を入れ、1998年に日本を訪問した際には、歴史認識をめぐって強硬な発言を繰り返すなどして結果的に日中両国の互いの国民感情が悪化する一因を作ったとも指摘されています。
  江氏は、労働者階級を代表するとしてきた共産党に民間企業の経営者の入党も認める「3つの代表」という理論を打ち出し、これが2002年の党大会で、重要思想として党規約に盛り込まれ、毛沢東、トウ小平と並ぶ指導者の地位を確立しました。
  江氏は、この党大会で総書記を退任し、2004年には軍のトップも譲って第一線から退きましたが、その後も最高指導部の人事などに影響力を持っていたとされます。
  3年前には、建国70年の祝賀行事に出席し、健在ぶりを示したものの、去年開かれた共産党創立100年の式典や10月の共産党大会を欠席するなど、最近は動静が伝えられることもまれになっていました。
  新華社通信によりますと、江氏は、白血病と多臓器不全のため、現地時間の11月30日午後0時すぎ、上海で死去しました。96歳でした。
葬儀委員会が公告を発表 新華社通信
  中国国営の新華社通信は、習近平国家主席を主任とする葬儀委員会が公告を発表し、30日から追悼大会が行われるまでの間、首都・北京にある天安門や人民大会堂などで半旗を掲げると伝えました。
  一方、外国の政府や政党、それに中国と友好的な代表団については、これまでの慣例に従って追悼行事には招待しないということです。
中国中央テレビ 特別番組を放送
  国営の中国中央テレビは日本時間の午後7時、現地時間の午後6時から特別番組を放送しました。番組の冒頭、江氏の遺影がおよそ1分間映し出されたあと、黒いネクタイを締めたアナウンサーが、江氏が30日、死去したと伝えました。番組では江氏の経歴や業績がおよそ25分にわたって読み上げられ、このうち江氏が上海市トップの書記を務めていた際に起きた1989年の天安門事件について「深刻な政治的な騒ぎの中で、江沢民同志は、動乱に反対し、社会主義国家の政権を守るという党中央の正しい決定を支持し、実行した」と伝えました。
  そして「中華民族の偉大な復興は、江沢民同志を含む、何世代もの共産党員の心血と奮闘が凝縮したものだ」としたうえで「この道を進む上では習近平同志を核心とする党中央の強力な指導のもと、団結し、奮闘しなければならない」と強調しました。
岸田首相「心から哀悼の意を表する」
  岸田総理大臣は、総理大臣官邸を出る際、記者団の問いかけに対し「江沢民元国家主席が、逝去されたとうかがった。心から哀悼の意を表する。すでに私の方から哀悼のメッセージを発出した」と述べました。
  また岸田総理大臣は、習近平国家主席らに対し弔意を表すメッセージをおくりました。この中で、岸田総理大臣は「江沢民元国家主席のご逝去の報に接し、深い悲しみに堪えません。江沢民元国家主席は、改革開放政策を推進し、中国の発展に貢献されたのみならず、1998年には、中国の国家主席として初めてわが国を公式訪問されるなど、日中関係において重要な役割を果たされました。ここに謹んでご冥福をお祈りするとともに、ご遺族、中国政府および国民に衷心より、哀悼の意を表します」としています。
自民 二階元幹事長「両国の友好協力関係の増進に大きな役割」
  自民党の二階元幹事長は「江沢民・元国家主席は、中国の発展に大きく貢献し、1998年に初めて日本を訪れて『日中共同宣言』を発出するなど両国の友好協力関係の増進に大きな役割を果たした。私が運輸大臣を務めていた2000年に画家の平山郁夫氏を団長とする5200人の日中文化交流使節団とともに訪中した際には、人民大会堂で暖かく迎えて頂いたことをきのうのことのように思い出す。江氏の功績をしのびつつ、謹んでご冥福を祈り、遺族にお悔やみ申し上げる」というコメントを発表しました。
立民 小沢一郎氏「果断に行動された けうな指導者」
  1996年に当時の新進党の党首として中国を訪れて江沢民 元国家主席と会談した立憲民主党の小沢一郎衆議院議員は「1つの時代の終わりを感じる。親しくお話しさせていただいた時のことが懐かしく思い出される。中国経済を発展させ、中国国民の生活を豊かにしたいという強い思いをもって果断に行動された、けうな指導者だった。責任ある大国として、まだまだ後輩にアドバイスをお願いしたかった。心からご冥福をお祈り申し上げる」というコメントを発表しました。
公明 山口代表「中国の発展の礎を築いた」
  公明党の山口代表は、NHKの取材に対し「天安門事件のあと、社会主義における資本主義化を進めて、今日の中国の発展の礎を築いた。20年ほど前に中国を訪れた際、体格のがっちりした、堂々たる風格を遠くから拝見したが、大きな影響力を示して発展を導き出した役割は大きかったと思う。日本を訪問した際には、不興を買うような発言もあったが、次の胡錦涛時代につながる、日本企業の中国進出の道を開いた。96歳という年齢を考えると、天寿を全うされたのではないか」と述べました。
江沢民氏が訪れた宮城県 村井知事「宮城にも思い寄せてくれた」
  かつて江沢民氏が訪れた宮城県の村井知事は「県にも思いを寄せていただき惜しい方を亡くした」と述べ、その死を悼みました。
  中国の江沢民元国家主席は1998年に宮城県を訪れていて県によりますと、当時の知事や仙台市長と交流したほか、文豪・魯迅が学んだ東北大学も訪問したということです。宮城県の村井知事は30日夜、記者団に対し「中国の発展に大変貢献した方だ。宮城県にも思いを寄せて、魯迅の学んだ場所ということで足を運んでいただいた。そういう意味では、大変惜しい方を亡くしたと思っている」と述べ、その死を悼みました。
日本の外務省幹部「哀悼の意 伝えることになるだろう」
  外務省幹部は記者団に対し「政府としての公式な反応については検討中だ。歴史認識をめぐり、日本に強硬な発言を繰り返すなどあつれきもあったが、しっかりと哀悼の意を伝えることになるだろう」と述べました。
海外メディアも死去を一斉に速報で伝える
  海外メディアも江沢民元国家主席の死去を一斉に速報で伝えています。このうち、アメリカの有力紙、ニューヨーク・タイムズは「中国を世界市場へと導いた指導者が亡くなった」というタイトルで死去を伝えていて、「江沢民氏のもとで中国は先進国の経済的なライバルとして台頭してきた」とか、「国家主席を退いたあとも政治的な影響力を持ち続け、習近平国家主席の人選に大きな影響力を与えた」などと伝えています。
  また、ロイター通信は「天安門事件のあと、中国共産党のトップに抜てきされ、その後、国を外交的な孤立から解き放ったほか、アメリカとの関係を修復し前例のない経済成長を見届けた」などと伝えています。
  イギリスの公共放送BBCは「ここ数十年の中国史における主要な人物の一人で中国が急速な成長を遂げた時代をリードした。江沢民氏の指揮のもと強固な経済基盤が築かれ共産党の支配が強まり、中国は世界の大国になった」などと伝えている一方、「江沢民氏の死は新型コロナ対策への反対デモという天安門事件以来、深刻な抗議活動のさなかに起きた」とも伝えています。
台湾メディアは
  台湾のメディアも江沢民氏の死去を大きく伝えています。各メディアは、江氏が国家主席に就任した1993年、中国と台湾の窓口機関のトップどうしによる初めての会談が行われたと振り返っています。
  また1996年、台湾で初めて行われた総統の直接選挙に影響を与えようと、ミサイルの発射などによる「台湾海峡危機」を引き起こしたとも指摘しています。
中国 市民の反応
  江沢民元国家主席は上海市トップの書記を務めるなど長年、経済都市・上海の実力者として力を振るってきました。江氏の死去について、上海の観光業の男性は「高齢だったので、亡くなられてもおかしくない。江沢民氏の時代は利益を上げることができたいい時代でした」と話し、江氏をしのんでいました。
  また、上海の60代の男性は「本当に驚いていますし、上海にとってとても悲しいことです。江沢民同志は国家建設に貢献しましたし、上海市トップとしても都市建設や人々の暮らしに大きな貢献をしました。ただ江氏が亡くなってもそれほど影響はないでしょう」と話していました。
  北京の20代の男性は「中国の発展のためにとても貢献してくれた指導者で哀悼の意を表します。1997年の香港返還が印象に残っています」と話し、香港返還当時の指導者だった江氏をしのんでいました。
  また、40代の女性は「国と人民にしてくれたすべてのことに一般市民として感謝しています。江元主席はトウ小平氏の理念と思想を受け継ぎ、それをきちんと実行に移した指導者だったと思います」と話していました。


2022.11.29-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/1074aa9dc735176a53702c9048c9eb0baab3c191
林外相、中国「海外派出所」に懸念伝達「主権侵害認めない」
(広池慶一)

  林芳正外相は29日の記者会見で、中国警察が日本を含む国外に展開する「海外派出所」について、外交ルートを通じて中国政府に懸念を伝えたことを明らかにした。

  「仮にわが国の主権を侵害するような活動が行われているということであれば、断じて認められない旨の申し入れを行っている」と述べ、関係省庁とも連携して対応する考えを示した。
   海外派出所は中国の公安当局が在外中国人向けに設けた組織で、日本や欧州、アジアなど30カ所の連絡先リストが中国メディアを通じ公表されている。スペインの人権団体が9月、反体制派の亡命中国人を監視し、帰国を迫る拠点になっていると報告書で指摘し、閉鎖要求や実態調査に乗り出す国が相次いでいる。
  日本外務省によれば、スペインの人権団体による報告書発表後に中国に懸念を伝え、中国側は「独自の説明」を行ったという。
  国外務省報道官は10月末の記者会見で「在外中国人を助けるサービスセンターに過ぎない」と主張しており、日本側にも同様の説明を行ったとみられる。
  日本政府が仮定の事案について「断じて認められない」と牽制したことを明らかにするのは異例。中国司法の出先機関が日本国内で活動を行えば、日本の主権侵害に当たることから、強硬な姿勢を示したとみられる。
  中国では新型コロナウイルス禍で国民に厳しい行動制限を強いる「ゼロコロナ」政策に反対する動きが各地に広がり、習近平国家主席の退陣を求める異例のデモが発生。デモは日本在住の中国人にも広がっているとされ、中国当局の監視対象になる可能性がある。
  外務省幹部は派出所について「実態はよく分からないが、先進7カ国(G7)で『あれはひどい』と主張する国もあり、根拠がない話ではない」と述べ、動向を注視する考えを示した。(広池慶一)


2022.11.29-Yahoo!Japanニュース(TBS NEWS DIG.)-https://news.yahoo.co.jp/articles/cba2f0309e406c1f04cc461563f3ff71a769965b
記者が警察に取り囲まれ…中国で抗議デモ“白色革命”ゼロコロナ政策に抗議
-TBS NEWS DIG Powered by JNN

  厳しいゼロコロナ政策に対する中国政府への抗議として白い紙を掲げる“白色革命”などと呼ばれる動きが各地に急拡大しています。批判の矛先は習近平指導部にも向きつつあるなど異例の事態となっています。こうした中、28日、北京市内で取材をしていた記者が警察官に囲まれる場面も。
【写真を見る】記者が警察に取り囲まれ…中国で抗議デモ“白色革命”ゼロコロナ政策に抗議

■「自由でなければ死んだほうがいい」 中国全土に広がる“白色革命”
  山本恵里伽キャスター :「11月28日午後6時半過ぎ、中国大使館の近くです。たくさんの若者が集まって大きな声をあげています。手には白い紙、そして花を持っている人もいます」   :抗議の声 「共産党退陣! 封鎖はいらない、必要なのは自由だ
  28日夜、都内で行われた中国人たちによる抗議活動。ほとんどが20代の若者たちです。 デモに参加した上海出身の学生(20代) 「中国の厳しすぎるゼロコロナ政策によって、たくさんの人が苦しい生活をしていて、代わりに声を出したい」 抗議する人たちが掲げている白い紙。言論統制への抗議の意味が込められているといいます。
  デモ主催者 「自由と民主の生活が欲しい。言論とか自由に話したい
  山本キャスター 「自由が欲しいと?」 デモ主催者 「そうですね。人権の一番重要なことです」 中国国民の不満が爆発しています。
  中国・北京のデモ隊 「PCR検査はいらない。自由が欲しい」 自由を訴える大勢の人たち、若者の姿が目立ちます。 ・・・デモ隊 「新疆(しんきょう)を解放して! 新疆を解放して!」 白い紙を掲げる抗議活動は「白色革命」などと呼ばれ、中国全土に広がっています。
   四川省・成都市のデモ隊 「自由でなければ死んだほうがいい」 厳しいゼロコロナ政策を続ける、中国政府への抗議活動。・・・ 記者 「上海の中心地とは思えないほど、物々しい雰囲気となっています。大勢の警官が動員されています」 警察官が厳重に警戒するなか、花を持った男性が何か訴えています。
  すると… 記者花を持ってきた男性が警察に連れていかれます」 抗議活動は、夜まで続きます。 ・・・記者 「危ない、危ない。また警察が前進してきました」 警察官が集まった市民らを排除し、身柄を拘束。抗議の様子を取材していたイギリスBBCの記者も… BBC記者 「領事館に連絡してくれ」 ことの発端は、新疆ウイグル自治区のマンションで起きた10人が死亡する火災でした。ゼロコロナ政策による封鎖などで、消火が遅れたとの指摘が相次いだのです。 しかし、ネット上ではそういった情報は次々と削除。それに不満を持った若者が声を上げました。
  中国・上海のデモ隊共産党退陣しろ、習近平退陣しろ」 中国・北京 清華大学に集まったデモ隊 「表現の自由、民主、法治」 習近平国家主席の母校・清華大学では、数百人以上の学生が集まり… 清華大学に集まった・・・デモ隊逮捕されるのを恐れて、声を上げないでいると後悔する」 北京大学では、28日も抗議する学生とみられる姿が…しかし、すぐに連行されてしまいました。 学生とみられる男性 「自由がないなら死んだ方がましだ」
(2)
■今後「天安門事件のような事態にならないとは…」
  28日夜、北京市内へ出てみると… 記者 「デモを行うと予告された28日午後6時を回りました。デモ隊の姿はなく警察官の姿だけが目につきます」 取材をしていると突然、警察官に囲まれました。
   警察官 「パスポートを持っていますか?今撮影していますか?一度カメラを止めてもらえますか?」 職務質問を終えても… 記者 「たくさんの警察官が我々の後をついてきます。警察官は何も答えてくれません」 厳しい行動制限や封鎖措置を行うゼロコロナ政策。
  寧夏回族自治区 青いベストの男性 「壁に向かって立て。警告する」 封鎖された建物から出てきた男性に対して、過剰な対応も。
  青いベストの男性 「なぜ外に出てきた?」 拘束された市民 「薬を買いたい」 重慶市では… 男性 「我々はただの風邪に振り回されている!それはなぜか。政府が間違っているからだ」 政府批判が厳しく制限される中国で、習近平指導部への抗議は極めて異例のこと。
  中国政府は、デモ隊が習主席の退陣を求めていることについて質問されると… 中国 外務省報道官 「あなたには答えた。あなたが言及した状況は知りません」
  中国に詳しい専門家は、これまでとは違った抗議活動だといいます。
  東京大学(中国研究) 阿古智子教授 「抑えきれないほど人数が増えていることもありますし、抑えてしまうと逆に反発でまた悪循環になるかもしれないので、当局側も様子を見ているところがあると思います」 懸念されるのは… 阿古教授 「今は嵐の前の静けさだとすればすごく怖いので、天安門事件のような、急に弾圧が加速するような事態がないとは言えないですね。軍事的な弾圧だとか、そういったことが生じかねない。そのことを懸念しています」
TBS NEWS DIG Powered by JNN


2022.11.16-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221115/k10013892741000.html
中国 広州で大規模抗議活動 「ゼロコロナ」不満か

  中国南部の広東省では14日、新型コロナウイルスの厳しい感染対策に対して住民の抗議活動が起きました。習近平指導部が、行動制限などを伴う「ゼロコロナ」政策を継続する方針を示す中、住民の不満が表面化した形です。

  香港メディアによりますと、大規模な抗議活動が起きたのは広東省広州の海珠区で、ロイター通信が配信した映像では14日夜、大勢の住民が、外出を制限するためのバリケードをなぎ倒しながら「封鎖を解除しろ」などと抗議の声を上げる様子が映されています。
  海珠区では先月下旬から新型コロナの感染が広がり、地区によっては2週間以上にわたって外出制限が続いています
  NHKの取材に応じた住民は、厳しい措置のため、病気になっても病院に行けなくなったり、生活物資が届かなかったりしていたと話していて、住民の不満が蓄積していたとみられます。
  14日抗議活動を行った人の多くは、ほかの省から来た出稼ぎ労働者とみられ、地元政府は出身地に送り返すなどの対応をとっているということで、15日は外出制限がとられている地区から住民とみられる人たちを乗せた大型バスが次々と出発していく様子が確認できました。
  習近平指導部が行動制限などを伴う「ゼロコロナ」政策を継続する方針を示す中、住民の不満が表面化した形で、中国政府は対応に神経をとがらせているものとみられます。


2022.11.08-Yahoo!Japanニュース(日テレ Nwes)-https://news.yahoo.co.jp/articles/2449eb216d3729c9d4eded49efaa6cd747d397c0
「ゼロコロナ政策」続きトラブル相次ぐ 市民が次々と転倒「群衆雪崩」のような状況も 中国

  中国で厳しいゼロコロナ政策が続く中各地でトラブルが相次いでいますあわや大惨事という事態も発生しました

   6日に上海市中心部の公園で撮影され、中国のSNSに投稿された映像には、あわや大惨事という場面が捉えられていました。 公園の中にいた大勢の人が一斉に外に出ようとして出口に押し寄せると、次の瞬間、出口を出たところで数人の市民が転倒。さらに、後ろから人が押し寄せて次々と転倒し、「群衆雪崩」のような危険な状況に陥っていたことが確認できます。
  中国メディアによると、この時、公園に新型コロナウイルスの感染者や濃厚接触者などが立ち寄ったことが判明。公園が封鎖されることを恐れた市民が、出口に殺到したのです。当局は、「けが人はいなかった」と発表しています。
   一方、山東省で7日に撮影され、Twitterに投稿された映像では、防護服を着た大勢のスタッフが路上で住民を取り囲み、引きずる様子が確認できます。 そこに別の男らも入り、殴る蹴るの暴行を加え…さらに、女性とみられる人が突き飛ばされるような様子も映っていました。しかし、そばにいる警察官が止める様子はありません。 この映像がSNSなどで出回ると、当局の対応に批判が高まり、地元警察は8日、“一連の暴行に加わった防疫スタッフら7人を拘束した”と発表しました。暴行の理由は明らかになっていませんが、SNS上には、「封鎖の解除について住民が問い合わせた際、トラブルになった」との情報もあります。
   新型コロナ感染が再拡大する中、中国では行動制限が厳しさを増しており、封鎖された地域などでは、住民らと防疫スタッフの衝突も相次いでいます。


2022.11.03-Yahoo!Japanニュース(現代ビジネス)-https://news.yahoo.co.jp/articles/625d2eb268d157fa8081c6faba580e95f26707a2?page=1
まさか習近平は「人事と引き換え」に「台湾早期奪取」を長老達に約束したのか
田 輝(ジャーナリスト)
(1)
  中国共産党第20回党大会が終わった。多くのチャイナウォッチャーとほぼ同様、筆者の政治局常務委員人事の予想も習近平・王滬寧・丁薛祥の3人しか当てられず、中国という国の動向を読むことの難しさを再認識させられた。

  もっとも今回の党大会人事は江沢民や胡錦濤の時代と比べて当局による情報管理が格段に厳しかったようで、かつては大会の少し前に香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」が7人なら7人の政治局常務委員をすべて当てる予想記事を出していたものだが、今回は党大会の最中でも同紙は確定的な予想を打つことができず、「ウォールストリート・ジャーナル」が7人中6人まで当てる卓越した情報力を示したが、それでも北京市党委員会書記から昇格した蔡奇の名前までは載せられなかった。  中国政府系の関係者によると、習近平時代になってから、アメリカのCIAが以前のように情報を取れなくなったという。そういえば日本人でもこのところ中国当局にスパイ容疑で勾留されるケースが相次ぎ、懲役何年というケースも出ている。くわばらくわばら。
胡錦濤退席、飛び交う憶測
  さて今回の人事は「習一強」がさらに進んだことが特徴なのは言うまでもないが、最終日の「胡錦濤事件」ほど様々な憶測を呼んだ事案は珍しいので、この件から振り返りたい。
  閉幕式にあたって、会場の人民大会堂で待機させられていた外国メディアが当局の指示で中に入れるようになった直後、そのトラブルは起きた。
  当初はがなぜ退席したのか分からず、新華社が「体調不良」との説明をする中、そういう可能性もあるのかと思っていたが、翌日以降、シンガポールのメディアなどが公開した詳細の映像が拡散され、それを見るとは通常の「体調不良」とは全く異なる様子で隣の栗戦書との間で書類を取り合うようなしぐさをしており、明らかに何らかの“異変”が起きていた。
  この「胡錦濤事件」については、大きく2つの異なる見方があるようだ。中国共産党に批判的な立場からの見方としては、「習近平一派に恥をかかせ、習派の力を見せつけるための精密に計画された事件」というものがある。  例えば「馮睎乾十三維度」氏がフェイスブック上で10月25日頃に公開した 「胡錦濤被逐之謎解開了」馮睎乾十三維度 | Facebook(胡錦濤が追い出された謎が解けた)では、スペインのABC Internationalが公表した4枚の写真を基に、「から隠す必要があった書類の内容はいったい何か」「そもそも見られたくない書類がなぜ卓上に置いてあったのか」という謎は残るとしつつ、写真を見る限り胡が習近平の書類に手を伸ばしたのも認知症を患っているからではなく、栗戦書に書類を取り上げられたからであり、これは栗が「秘密の命令」を受けて行った行為であり、胡錦濤事件全体が『「習家軍精心設計的表演』(習派が入念に設計した劇)との見方を示している。
   一方、中国共産党に近い立場からの見方として一般的なのは「が認知症やパーキンソン病を患っている」というもので、中には「会議が始まるまで開けてはいけないことになっている書類を開けて中を見ようとした」というのルール違反説まであった。
(2)
恥をかかせるためだったのか
  まず前者の習派陰謀説だが、面白いものの現実味に欠ける感がある。そもそも「習派の力を見せつける」ために「に恥をかかせる」必要があるのかが疑問だ。すでには過去の人であり、習は人事案で100点満点の結果を出したのだから、あえて「水に落ちた犬を打つ」必要はないはずである。
   もちろん、「それが中国の文化だよ」という議論はありうるが、仮に「習派の力を見せつける」目的があったとして、その対象が誰なのかというと、本来は外国人である以上に国内つまり中国人に見せるべきものではなかろうか。
   ところがこの「胡錦濤事件」は映像どころか途中退席の事実さえ全く報道されず、国内向けには隠したままで、新華社による「体調不良」原稿も英語版のみで、中国語版では出稿されていない。
   また、中国もしくは中国共産党の文化と言うことで言えば、党大会という超重要イベントは、最初から最後までなんのハプニングもなく、シャンシャンで終わらなければいけないもの(中国語で「勝利閉幕」)であり、ごたごたの様子が外国メディアに映像で撮られてしまうなどというのは、メンツ丸つぶれの事態に他ならない。ごたごたの最中のの様子も、勝ち誇ったというよりは不愉快そうな顔にしか見えなかった。
「恩知らずで儒教道徳にもとる人間」
  次に認知症説だが、は79歳の老人なので、部分的に認知症が始まっていても別におかしくはない。問題は、仮にそうだったとしても、の言動は映像を見たところ全くのぼけ老人とは違ってしっかりした様子であり、認知できなくなっているのは「シャンシャン大会で異論をぶつようなことは厳禁ですよ」という「中国共産党のお作法」についてではなかったのかということだ。
   特に習近平政権になってからそうなのだが、中国共産党の天下においては、自由な言論は普通の人、特に将来のある人にはタブーであり、強いて言論の自由がある人がいるとすれば、老い先短い老人くらいのものだ。
   儒教の影響が強い中国では老人への虐待は倫理的に極めて問題である。従って、8月に河北省の北戴河に長老が集まって開かれる会議が注目されるのも、長老たちなら習近平に本音を言える人がいるのではないかという期待があることが大きい。
   結局、「胡錦濤事件」の真相は現時点ではまだ不明の点が多いが、一つ言えそうなのは、今回の事件を何らかの形で知ることになった中国人の多くは、習近平が「恩知らずで儒教道徳にもとる人間」だとの評価をするだろうということだ。
(3)
権力集中の理由としての「アメリカの圧力」
  次に、習近平政権の今後について考えたい。
  習は今回の党大会人事で本人にとっては100点満点の結果を出せたわけだが、手にできなかったものも若干ある。主なものの一つは「党主席」のポストで、もう一つは「習近平思想」という言葉である。
  これはまさに習近平が毛沢東の座に追いつこうとしてまだ追いつけなかった部分である。「思想」の方については、「習近平新時代中国特色社会主義思想」という言葉がすでにできているが、「毛沢東思想」と比べ冗長な感じは否めず、「党主席」と合わせ、普通の中国人は習近平がまだ毛沢東に並んでいないとみなすだろう(これは普通の中国人の見方であって、筆者は一貫して毛沢東=暴君と評価している)。
   しかし見方を変えると、中国の長老の党幹部などがまさに「習は毛に並ぶ業績をまだ上げていない」と思っているからこそ、この2つは棚上げされたはずで、習が今後の5年もしくは10年以上先かもしれないが、この2つを獲得するために「台湾奪取」を狙ってくるのは想像に難くない。  実際、今回中央委員ですらなかった前東部戦区司令員の何衛東が2段飛びで政治局委員兼中央軍事委員会副主席に任命されたのは、何が福建省に本拠を置く第31集団軍の出身で、習近平と古くから関係があると見られることに加え、習が将来の台湾攻略に備えた布陣と見るのが一般的である。
   特に気になるのは、習が今回のような人事面での全面勝利を収めた背景には、ペロシ訪台で一挙にレベルが上がったアメリカとの対立激化があり、習は「アメリカの圧力に打ち勝つためには権力の集中が不可欠」との論法を使ったと想定されることである。
   その際にもし習が老幹部たちに対し、「早ければ5年以内、遅くとも10年以内に台湾を必ず統一する」などといった約束をしていたとすれば、事は重大である。アメリカが最近、中国の台湾統一への動きが早まっているとの情報を流していることも、こうした想像を掻き立てる

(4)
暴走への抑止力が低下したことは確か
  習が今後5~10年のうちに本当に台湾攻略戦に踏み切るかというと、リスクが極めて大きいので常識的にはその可能性が高いとは言いにくいのだが、少なくとも軍備を一層増強して台湾に統一交渉への圧力を強めるのは間違いないし、新しい政治局常務委員会が従来の「7人」から、「1人+ロボット6台」に変わってしまったことも、習の暴走への抑止力が低下したことへの懸念を呼び起こす。
   特に共産党の人事が公表された後、香港などで株価が急落したことに見られるように、李克強や汪洋が引退したことで共産党の新指導部の経済運営には懸念を示す見方が多いのだが、中国経済が不動産バブルの崩壊などでさらに悪化する事態になれば、国民の不満をそらすためにこれまで以上に対外的に強硬な政策をとる可能性がある。それは本来ウクライナを侵略したプーチンの失敗から学ぶべき習が何も学べなかったことを意味する。
   日本も中台間で軍事衝突が起きれば経済的な衝撃が避けられないばかりか、台湾に深く根付いた「民主」が危機にさらされ、アジア全体にジョージ・オーウェルの小説「1984年」の世界が現実的な脅威として迫ってくることにもなりかねない。
   この問題について日本は、すべてをアメリカに任せているわけにはいかない。中台戦争勃発を阻止するために日本として何ができるのか、どういう動きをすべきなのか、すべての日本人が深く考えなければならない課題になったと言えよう。


2022.11.03-Yahoo!Japanニュース(NewsWeek)-https://news.yahoo.co.jp/articles/8b59755b1317d131b885a0960ba528a6ddc544d4
世界の港を次々と支配する中国...国有「海運」企業が、遂に「正体」を露わにし始めた
ディディ・キルステン・タトロブ(本誌米国版・国際問題担当シニアリポーター)

(1)
<貨物だけでなく共産党員や軍事委員を大量に乗せた中国国有企業の商船が、中国マネーが投じられてきた世界の港に解き放たれる>


  北海からエルベ川に入り、ドイツ最大の港ハンブルクを目指す大型貨物船リブラ号。甲板には色とりどりのコンテナがレゴのブロックのように積まれている。その姿は、世界の海や川を行き交う大型貨物船と何も変わらないように見える。
  だが、リブラ号は単なる商船ではない。中国の国有企業・中国遠洋海運集団(コスコ・グループ)が運航するこの船は、貨物だけでなく、中国共産党の下部組織や軍事委員も乗せている。
  船員も党に忠誠を誓い、国の経済力や国力の増進に努めることになっている。 中国自身も、リブラ号のような船を「浮かぶ要塞」と呼び、世界の海運と物流の支配をもくろむ長期戦略の最前線に位置付けている。

  これに対して欧米の一部諸国は、これらの船から展開されるスパイ活動や経済的脅迫行為、デジタル支配、軍事拡張努力に神経をとがらせている。 現在、コスコ・グループのように中国政府の息がかかった海運会社は、世界全体で100近くの港の権益を保有している。
  アメリカも例外ではない。今や5つの港(マイアミ、ヒューストン、ロングビーチ、ロサンゼルス、シアトル)の運営に中国資本が入っている
  「貿易は地球の循環器系のようなものだ」と、米海軍大学のアイザック・カードン助教は言う。「港はそのノード(節)の役割を果たす中国が世界各地の港湾に投資していることについて、世界最大の輸出国なのだから商業的に合理的な行為だと擁護する声もあれば、これは政治的、経済的、軍事的な利益を兼ねた行為であり、いつか軍事力を行使するときに利用される恐れがあると懸念する声もある
  実際、中国資本が入った港の約3割は、中国海軍の艦艇を受け入れている
  ■党の指示に従い、祖国のために航行 本誌の取材とコスコ・グループの社内資料によると、中国共産党は同社内で活発に活動している。対外的には現代的なビジネスを展開しているように見えるが、国内では「党の指示に従い、祖国のために航行する」と明言しているのだ。
  中国の海洋プレゼンスを補強する役割を果たす企業はほかにもあるが、コスコ・グループはその中で最大だ世界の港湾の買収に関わっている中国企業は約30社あり、そのほとんどが国有だ。最大手はコスコ・グループと、中国の港湾運営大手の招商局集団。3番目は香港系の民間企業ハチソン・ポートだが、やはり中国政府の影響下にある。 「コスコ・グループは中国で唯一の海運会社と言っていい」と、独キール世界経済研究所のロルフ・ラングハマー教授は語る。
  このため同社は、中国の輸出業者や外国の港湾に対して著しく大きな影響力を持つ世界の貿易に占める中国のシェアは約15%(アメリカは約8%)。「だからコスコ・グループは、『おたくの港の運営に関わらせてくれないなら、中国からの商品を別の港に届けてもいいんだけど』と脅すことができる。これは国有企業だからできることだ」と、ラングハマーは語る。
(2)
船内に「共産党特別委員会」
  コスコ・グループは2016年、世界の貿易で中国が圧倒的な地位を獲得するための「大掛かりな戦略的措置」として、複数の国有企業を合併して設立された持ち株会社だ。
  中国は世界貿易の「強力な重力場」でなければならないと、李克強(リー・コーチアン)首相は21年に語っている。
  国有企業だから、経営幹部は中国共産党の人事を担当する中央委員会組織部によって任命される。実際、許立栄(シュー・リーロン)会長は同社の党委員会書記でもある。 表紙に「内部資料」と書かれたコスコ・グループの船員向け小冊子(約70ページ)からは、船内での党活動を垣間見ることができる。
  船内の「党特別委員会」には、軍事委員とさまざまなレベルの船員が属している。船内各所には党の理念や規律が記された小冊子が常備されており、テレビ画面には中国指導部のメッセージが映し出される。
  本誌の調べでは、コスコ・グループで党委員会が設置されている船舶は40隻ある。また、リークされた党員名簿によると、ギリシャのピレウス港を運営する党委員会には64人、ニューヨーク港に23人、アフリカに52 人、インドネシアのスラバヤ港には24人のメンバーが在籍している。
  中国共産党は、世界の海でも港でも積極的な活動を展開しているのだ。 コスコ・グループの船員管理会社である中遠海運船員管理の場合、船員に約1万人の一般党員のほか、150人の特殊党員がいると、同社の党委員会書記を務める韓超(ハン・チャオ)会長は19 年の報告書で明らかにしている。
  例えばコスコ・グループのコンテナ船ローズ号では、「船の党委員会が、党の最新の理論的成果を船員たちに教育している」と、報告書にはある。
  さらに、あれこれ抽象的なドグマを並べた上で、ローズ号党委員会は「大衆を結束させる中核であり、困難を乗り越えるためのとりで」だと、報告書は締めくくっている。
  「(海外の港にいる間)船員は外国の敵対勢力による工作を阻止し、自分の権利と利益を守らなければならない」と韓は述べ、政府の「外交に関する規律」に従うことを船員に求めた。
  チェコの首都プラハのシンクタンク、シノプシスの設立者マルティン・ハラは「党員は党の規律に縛られ、党の求める任務を遂行しなければならない」と説明する。
  中国国民は情報機関への協力が義務付けられているが、「これはそうした義務付けを一歩推し進めた形」と彼は言う。 コスコ・グループはハンブルク港に狙いを定め、港内にあるトレロー・コンテナ埠頭の運営権の35%を買い取ると提案。
  独ショルツ内閣は10月26日、反対の声も強いなかで、24.9%の権益取得を承認した。
  ヨーロッパには中国企業の出資を受ける港が、ギリシャのピレウスからポーランドのグディニャまでネックレスのように連なる。ここにハンブルクが加われば、コスコ・グループは経済大国ドイツの商業の大動脈への影響力を強めるだろう
(3)
情報流出や人権侵害の懸念も
  「コンテナ埠頭を押さえるのは戦略的側面が強い」と、ハンブルク大学ビジネススクールのヤン・ニンネマン教授は指摘する。
  コスコ・グループは船舶の出入りや荷積み・荷降ろしに関して発言権を持つことになると、ニンネマンは言う。
  情報への影響を指摘するアナリストもいる。デジタル化が進むサプライチェーンにおいて、港湾や物流の運営者は企業、輸送、個人の情報を大量に扱う。中国の運営企業はサプライチェーンを管理するために中国製の通信技術を採用し、地方の行政機関にアクセスするかもしれない。
  中国企業が港を買収するのは異なる種類の力が合流する「戦略拠点」を築くためだと、米海軍大学のカードンは言う。
  コスコ・グループの子会社である中遠海運港口(コスコ・シッピング・ポーツ)とハンブルク港を管理するハンブルガー・ハーフェン・ウント・ロギスティクAG(HHLA)の間で、出資をめぐる合意ができたのは昨年の秋だった。
  HHLAがそれまで海運業者によるコンテナ埠頭の所有を拒否していたことを考えれば、大きな方針転換だ。 「ハンブルクはヨーロッパの物流の中枢で、大いに発展が見込める」とコスコ・シッピング・ポーツの張達宇(チャン・ターユィ)会長は言い、同市への経済効果を約束した。
   明るい話だけではない。昨年9月、ドイツ製ヘリコプターを積んだリブラ号がハンブルクから上海に向けて出港した。中国語の報道によればヘリは「パトロール」に使用でき、浙江省麗江市で実際にそうした使い方をされている。
  中国の公安部は大規模な監視活動を行っていると、人権擁護団体は警鐘を鳴らすドイツのロベルト・ハベック経済・気候保護相は、中国資本の受け入れに反対を表明。ドイツでは港が重要インフラと定義されており、EUは中国を「体制的ライバル」と呼んで警戒したこともある
  信頼できる筋によれば、EUの幹部も戦略的懸念から反対だという。 「トレローの埠頭はハンブルク港の一角にすぎない」と、ハベックは9月に述べた。「しかし中国は、戦略拠点を確立してヨーロッパとドイツの通商政策を動かそうとしている。そんなことを許すべきではない」 一方、市の海運界と実業界は受け入れに賛成で、政府筋によればオーラフ・ショルツ首相府と財務省も商業にプラスになると前向きに捉えている。
  実業界の関係者によればコスコ・グループは、嫌ならポーランドに話を持っていくと政府に脅しをかけたという。 だが世界3位の輸出大国ドイツも、拡大し続ける中国の港湾ネットワークの中では一つの点にすぎない。
  カードンらによる研究によれば、ネットワーク拡大の半分以上は習近平(シー・チンピン)国家主席による一帯一路構想の一環として、過去10年間に実現した。ヨーロッパ、アジア、アフリカと中国を海運、鉄道、デジタル通信網でつなぐ一帯一路は、今やアメリカ大陸まで延びている
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「スパイ活動を妨げるものはない」
  18年12月、パナマを訪れた習はマウスをクリックして装置を起動し、太平洋と大西洋を結ぶパナマ運河の水門を開けてコスコ・グループのローズ号を通した。
  パナマには、中国企業が権益を持つ港が3つある。 習はローズ号の船長に無線で「わが国の海運業を促進し、世界貿易を繁栄させてほしい
」と話しかけ、激励した。
  コスコ・グループによれば、パナマ運河を通過する同社の船舶は年間300隻に上るという。 ほかにもコスコ・グループは19年、ペルーのチャンカイ港の埠頭を運営する会社に60%の出資を行った。チャンカイ港は首都リマのカヤオ港の広大な流通センターに隣接している。
  アメリカでは5つの港の運営に関わっているが、中国の国有企業が重要インフラを所有あるいは運営することへの懸念から、これ以上の拡大はないとカードンは予想する。
  18年にコスコ・グループが香港の海運会社、東方海外国際(オリエント・オーバーシーズ・インターナショナル)を買収した際、米国土安全保障省と司法省は安全保障に関する協定に基づき、東方海外国際が米西海岸のロングビーチで所有していたコンテナ埠頭を売却させた。 大西洋の東側では、さらに活発な動きが見られる。
  中国企業はアフリカの30カ国で61の港湾施設に出資している。地域の沿岸や島嶼部で、中国が所有権を持つ港湾インフラがない国はわずか8カ国。モロッコ、エジプト、サウジアラビア、イラク、アラブ首長国連邦、オマーン、そしてアメリカの同盟国であるイスラエルにも中国の港湾利権が点在する。
  コスコ・グループは16年に、ギリシャ最大の港ピレウスの運営会社の株式の51%を取得した。以来、ピレウス港は商業的に目覚ましい成功を収めている。
  中国の利権をめぐる懸念は誇張されがちで、中国の企業が国外で港湾や物流施設を手に入れたいと思うのは普通のことだという反論もある。
  しかし、経済、政治、軍事が融合した中国のシステムを考えれば、港湾でのプレゼンスはスパイ活動のリスクを伴うと、オーストラリア陸軍のある元情報将校は指摘する。
  ハンブルクから西に約130キロの海軍の町ウィルヘルムスハーフェンでは20年に、国有企業の中国物流(チャイナ・ロジスティクス)が新しいコンテナ埠頭「ヤーデ・ウェザー・ポート」の99年間のリース契約を締結。中国から船や物資が来るようになった。
  埠頭から堤防に囲まれた低地を5キロほど南下すると、ヘッペンザー・グローデン海軍基地がある。ここはドイツ海軍最大の要衝で、艦船の建造と修理が行われ、潜水艦が立ち寄り、NATO同盟国との緊密な通信や合同演習の拠点にもなる。
  今年2月、ドイツ海軍のフリゲート艦バイエルンが7カ月の航海を終えて同基地に帰還した。ドイツ艦船の西太平洋派遣は20年ぶりで、オーストラリアや日本に寄港し、共同訓練などに参加した。台湾を中心に地域の緊張が高まるなか、中国に対するメッセージでもあった。
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「貿易ボイコット」という武器も
  バイエルンは帰還時にヤーデ・ウェザー・ポートのすぐそばを航行した。先の元情報将校によると、通過する際に戦略的な軍事資産の信号を遮断するように助言されたはずだ。 「ウィルヘルムスハーフェンでは、商業港から海軍基地に向けたスパイ活動を妨げるものはない」と、米シンクタンク、ヘリテージ財団元シニアリサーチフェローのディーン・チェンは指摘する。
  チェンによると、アメリカは例えば、軍事拠点の近くから中国の華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)の携帯電話基地局を撤去する方針だ。 中国企業と港湾ハブのリース契約を結んでいるドイツの2つの州政府は「一帯一路」の一環として1億ドルの投資のプロジェクトを売り込んできた。
  ウィルヘルムスハーフェンがあるニーダーザクセン州に契約の詳細を尋ねたが、返答はなかった。ヤーデ・ウェザー・ポートは機密保持を理由に詳細を明らかにしなかった。
   ドイツ国防省はメールで、一般に個々の軍事安全保障上の問題にコメントはしないが、「われわれは事態を常に注視しており、必要に応じて調整も行っていると考えてもらって構わない」と述べている。
  中国はデジタル分野にも進出している。中国交通運輸省が提供する交通・運輸・物流の公共情報プラットフォーム「LOGINK」は、グローバルな物流を管理する貨物データの総合ネットワークで、少なくとも20の港と多くの企業が参加している。 米中経済安全保障検討委員会は最近の報告書で、LOGINKの膨大なデータ収集能力に対し、安全保障上の懸念を示している。
  また、コスコ・グループは中国の電子商取引大手アリババと提携して、ブロックチェーン技術など高度な世界貿易決済システムを開発している。 これは長期的な戦略ゲームの一部だと、キール世界経済研究所のラングハマーは言う。
  中国としては、ウクライナ侵攻後にロシアが科されたような経済制裁から自分たちを守るために、国際社会で強固な地位を築きたい。中国は長年、台湾を侵略すると脅し続けている。 一方で、中国も貿易を武器にしてきた。
  日本や台湾、リトアニア、ノルウェーなどは、中国の非公式な貿易ボイコットで報復された経験がある。最近もオーストラリアが新型コロナウイルスの起源について独立機関の調査を要求すると、ワインや大麦など多くの対中輸出が差し止められた。
  チェンは次のように語る。 「『あなたの国に投資したい』という礼儀正しさも見せるが、『あなたの国に多額の投資をしているのだから、私たちが撤退したり、あなたを傷つけたりしてほしくないだろう?』という強硬さも併せ持つ」

  ディディ・キルステン・タトロブ(本誌米国版・国際問題担当シニアリポーター)


2022.10.28-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20221028-GZ6IQTLPRJJMDMH3N7USKSJKLE/
中国各地でコロナ規制強化 チベットでは抗議デモ発生か

  【北京=三塚聖平】中国各地で新型コロナウイルスの感染者が拡大し、行動制限など規制を強化する都市が増えている。22日に中国共産党大会が閉幕し「ゼロコロナ政策が緩和されるという期待も一部にはあったが、その兆しは見られない。庶民の不満は高まっており、チベット自治区ではロックダウン(都市封鎖)に反対する異例の抗議活動が起きたとの情報もある。

  中国国家衛生健康委員会は28日、中国本土で27日に新たに確認された感染者は、空港検疫などを除き1337人(無症状を含む)だったと発表した。4日連続で1000人を上回っており、ゼロコロナ政策をとる中国では高水準に入る。
  各地の当局は感染対策を強化している。中国メディアによると、中部の湖北省武漢市の一部では26日から30日まで居住区の出入りを禁じる封鎖措置を実施。南部の広東省広州市の一部でも封鎖措置がとられているほか、北京市でも感染者が立ち寄ったビルの閉鎖などが相次いでいる。
  一方、米政府系のラジオ自由アジア(RFA)によると、チベット自治区のラサ市で26日、厳格な感染対策に反発した市民による大規模な抗議活動が発生した。数百人の抗議参加者が、警備当局者とにらみ合ったというチベットでは独立の動きなどを警戒して厳しい監視、管理体制が敷かれており、デモが行われるのは異例だ。
  ラサでは8月ごろから封鎖状態が続いており、生活必需品の入手困難が起きているという。中国メディアは抗議活動について報じていない。中国の交流サイト(SNS)には「ラサが封鎖されて約3カ月になる。ラサから出るのは海外に行くのと同じくらい難しい」といった厳しい措置への不満を記した投稿もあるが、次々と削除されている。


2022.10.28-JIJI.COM-https://www.jiji.com/jc/article?k=2022102701028&g=int
習氏、党規約改正で譲歩か 個人崇拝へ反発強く、人事優先―中国

  【北京時事】中国共産党大会で採択された改正党規約は、3期目入りした習近平総書記(国家主席)の権威を高めたものの、明記されるとみられていた習氏への忠誠を誓うスローガン「二つの確立」が盛り込まれなかった3期目指導部を自身の側近で固めることを優先した習氏が、党規約改正では一定の譲歩をしたとみられている。習氏への権力集中や個人崇拝を思わせる動きに対し、党内で反発が根強い実態が改めて浮き彫りとなった

  国営新華社通信は26日、党規約改正の経緯を伝えた。5月末に作業グループを立ち上げて以降、党員の意見を反映させながら何度も修正を重ねたと強調。最終的に50カ所の改正に至ったと説明した。作業グループの責任者は新華社記者に対し「党内で既に共通認識を形成している内容だけを修正する」と述べた。
  党が26日に公表した全文では、習氏の地位と権威を守る二つの擁護を新たに党員の義務と定めた一方、習氏の地位と思想を確固たるものにする、より強い意味合いの「二つの確立は入らなかった
  かつて建国の父、毛沢東に使われた「領袖(りょうしゅう)」という呼称の習氏への適用や、党主席制の復活も見送られた。「習近平新時代の中国の特色ある社会主義思想」の表現を短縮し、「毛沢東思想」に並ぶ「習近平思想に格上げすることもなかった
  党内では、長老らを中心に習氏への過度な権力集中に対する不満があるとされる。習氏は今回、党規約では「二つの擁護」の明記にとどめ、最高指導部を側近で固める人事で権力基盤を盤石にする「実」を取ったと指摘される。
  党規約は約9700万人の党員が守るべき最高規則。党の憲法とも呼ばれ、5年に1度の党大会でのみ改正することができる。4期目にも意欲的とされる習氏が、5年後に改めて党規約改正に臨む展開もありそうだ。
  ただ、習氏は「核心」の地位獲得や国家主席の任期撤廃などで権力を固めてきたが、毛沢東や改革開放を推進したトウ小平に比べ、実績に乏しい。歴史的指導者として長期政権を正当化する実績を残そうと、習氏が台湾統一に向け具体的に動きだすという観測もある。


2022.10.25-J Cast会社ウオッチhttps://www.j-cast.com/kaisha/2022/10/25448824.html?p=all
「習近平独裁国家」世界経済最大リスクに! エコノミスト警告...「忠誠・忖度合戦競う『子飼い』だけで固めた政権が暴走するリスク怖い」

  歴史の歯車が大きく逆回転し、中国は毛沢東時代の「個人崇拝」の時代に戻ろうとしているのか。中国共産党は2022年10月24日、党大会で習近平(シー・ジン・ピン)総書記(69)の3期目就任を決めた。
     最高指導部の7人は習氏とその側近だけで固められ、習氏の地位と思想への「忠誠」が大会決議に盛り込まれた。習氏に権力が集中、誰も異論をはさめない体制が確立した。

   こんな巨大独裁国家の誕生によって、世界経済はどうなるのか。エコノミストの緊急分析を読み解くと――

中国に「巨大独裁国家」誕生、ニューヨークの中国株が暴落
   米国の複数の経済メディアによると、習近平総書記が異例の3期目入りを果たした10月24日、米株式市場では中国企業の株価が全体で25%も急落した。下落を牽引したのは、インターネット関連大手のアリババグループとJDドットコム、バイドゥ、そして、テクノロジー大手のピンドォドォなど。それぞれ12%~25%下落した。
    この下落が200社以上ある米国上場の中国企業株全体に及び、特に中国株65銘柄で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン・チャイナ指数は前週比で14.4%下落。時価総額は約930億ドル(約13兆8600億円)が消失した。
    金融市場に、中国で経済と市場に対する統制を強める政策が何年も続くことへの懸念が広がったのだ。特に不信を買ったのが、共産党大会開催中の10月18日に国家統計局が発表するはずだった2022年7~9月期の国内総生産(GDP)をはじめ、多くの経済統計の発表が何の説明もなく延期されたことだ。
  ブルームバーグ通信(10月24日付)は、ヘッジファンドのライトハウス・インベストメント・パートナーズでアジア債・通貨を取引しているブライアン・クアルタロロ氏のこんなコメントを紹介した。
  習氏に「忖度」するあまり、重要な経済指標を発表しないような独裁政治体制では、統計内容さえ信用できず、リスクが大きすぎると、市場が嫌気したのだった。
  共産党大会終了直後に発表されたGDPは前年同期比プラス3.9%だが、これは年間の経済成長率は政府目標の5.5%前後には遠く及ばないことが確実な数字だった。習氏の3期目の花道に水を差すと、中国政府当局者が恐れたのか。あるいは、習氏が発表を止めさせたのか
上海ロックダウンで経済に打撃を与えた人物が、経済政策の舵取り役?
  こうした事態をエコノミストはどう見ているのか
  「習近平氏の習近平氏による習近平氏のための」政治体制を確立するための共産党大会だった、と指摘するのは第一生命経済研究所主席エコノミストの西濵徹氏だ。
    西濵氏のリポート「中国・習近平政権3期目は『側近だらけ』、党大会閉幕で経済指標も一気に公表」(10月24日付)では、経済政策をリードしてきた「改革派官僚」が一斉に姿を消し、統制色が強まることが「世界経済のリスク要因になる」可能性は高いと懸念する
    特に、経済政策面では、以下の人事が今後大きな問題になるという。
(1)最高幹部である党中央政治局常務委員の中に、習氏に諫言できる人物が1人もいない。習氏を含む7人中5人が「子飼い」で、また後継者と目される実務に長けた若手もおらず、習氏の「長期独裁」が続く可能性がある
(2)経済政策で「ゼロコロナ」に固執する習氏と一定の距離を保ってきた李克強首相らが退任。代わりに李強氏(上海市党委書記)や何立峰氏(国家発展改革委員会主任)らが習政権3期目の経済政策を担う。
  李強氏は上海市長として習近平氏の「ゼロコロナ」を忠実に守って上海市のロックダウンを強引に進め、中国経済が頭打ちになる要因を作り、政策運営に疑問符がつく。何氏は習近平氏の福建省時代からの腹心の部下といわれるが、手腕が未知数だ。
(3)改革派官僚とされる易鋼氏(中国人民銀行総裁)や郭樹清氏(中国銀行保険管理委員会主席)が今後の経済政策運営から離れる。
   ところで、共産党大会直前に突然、「人民経済」という概念がSNSなどを通じて拡散、今後の中国経済のあり方をめぐって論争を呼んでいた。そのこともあり、西濵氏はこう結んでいる。

「市場経済の後退を示唆する『人民経済』という言葉に注目が集まる動きもみられるなど、高い経済成長の実現を後押しした改革開放路線は、掛け声とは裏腹に逆行の度合いを強めることも考えられる。2000年代以降の世界経済は中国経済の高い成長におんぶに抱っことなることで、その成長を享受することが出来たものの、今後はそうした構図が完全にリスク要因となる可能性に注意が必要と言える」
忖度・忠誠合戦...習氏の意図を超えて、暴走するリスクに
  「習近平氏は社会主義的な志向が強く、暴走するリスクをはらむ」と懸念するのが大和総研主席研究員の齋藤尚登氏だ。
  齋藤氏は、リポート「習近平氏一強の中国はどこへ向かうのか」(10月24日付)の中で、「習一強の独裁政権」誕生のショックをこう表現した。

  「筆者(=齋藤氏)は、さまざまな背景・立場の政治家が政策を練り上げていくことが可能な、ある程度のバランスが取れた新指導部体制となることが望ましい、と考えていたが、その期待はすべて打ち砕かれた」・・・そして、こう続ける。
  「『一強体制』では、習近平氏が一度始めた政策がたとえ誤りであったとしても途中での軌道修正が難しくなる。さらに、忖度・忠誠合戦は政策の立案・遂行が習近平氏の意図を超えて、あるいは意図に反して暴走するリスクをはらむ」
  「習近平氏は社会主義的な志向が強く、今後はこうした政策が強化される可能性が高い。経済・産業・企業に対する共産党・政府によるコントロール強化がキーワードになろう。昨年来のアリババ、テンセントなどへの規制強化や、民営デベロッパーをターゲットにした中国版総量規制の導入など、こうした動きは既に顕在化している。これでは経済や市場、企業の活力は失われ、閉塞感が強まりかねない」
  さらに、経済面でも西側諸国との軋轢が深まる可能性が高い、と指摘する。
  「習近平総書記による党大会『報告』の経済に関わる部分では、質の高い発展やイノベーション重視などが重点に掲げられた。たとえば、中国が製造強国・品質強国・宇宙開発強国・交通強国・インターネット強国・『デジタル中国』の建設を加速すれば、米国との対立・軋轢はより深刻化する。当然、この問題は日本も避けて通れない」
半導体をめぐる米国VS中国の経済対立のゆくえ
   米国と中国の経済対立でいえば、10月7日、米政府が中国に対する半導体分野の追加規制措置を発表し、金融市場に衝撃を与えた。
    米国は従来から、中国の先端半導体を使ったハイテク企業や半導体製造企業へ、ピンポイントで輸出規制を行ってきたが、対象を広げて先端の半導体を使った製品や製造設備の輸出そのものを幅広く規制対象とした。
    こうした動きに中国はどう対抗しようとしているのか。
  日興アセットマネジメントホンコンリミテッド副社長の山内裕也氏のリポート「米国の新たな対中規制」(10月21日付)によると、「米国の措置は市場に衝撃を与えたが、中国国内の投資家は半導体産業全般になお弱気ではない」という。いったい、どういうわけか。
山内氏は、こう説明する
  「外資系企業が中国で先端設備に投資することも難しくなる。TSMCやサムスンが中国で有する半導体工場も対象となるため、(中略)今後は中国での投資内容を再考せざるを得ないだろう。中国の半導体企業に米国籍技術者は少なからずおり、技術の向上に貢献していると見られるが、これも今回米国政府は禁止した。人も物も引き上げる、徹底した措置である」
しかし、中国はこれを成長のチャンスととらえるかもしれないというのだ
  「中国については、国が先頭に立って半導体産業育成に資源を投入してくることはよく知られている。(中略)この『国産技術の強化』というテーマの影響力は、強くなっていく可能性が大きい。今回発表された共産党の党大会報告において、『セキュリティ』はかなり重要なキーワードだった。ここには、外国の政策により中国の科学技術の発展が妨げられない、という『セキュリティ』の確保も含まれる」
  「先端技術の獲得のため、中国政府はこれまで以上に力を入れてくる可能性は高い。また、中国企業の成長を阻む原因の一つは強力な欧米企業の存在だが、それが中国に入ってないなら、競争環境は改善するとの考え方もある。中国の半導体市場規模は世界有数であることからも、中国企業が成長するチャンスは必ずあるはずだ、との見方は根強い」
   実際、米国による半導体規制の発表後、いったん大きく下げた半導体セクターの株価も、先週の後半(10月中旬)にはかなり戻した。山内氏は、中国側のしたたかさをこう指摘する。
  「厳しい環境の中でも、中国の半導体産業が、なお投資家の支持を得ている背景には、このような見方が支えになっているのではないか」
誰も中国発「デフォルト」リスクを止められない...
   ところで、仮に「半導体問題」は乗り越えられても、中国経済の大きなリスクになっているのが不動産バブル崩壊だ。中国の深刻な不動産不況が世界経済の大きなリスクになりかねないと警告するのが、野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストの木内登英氏だ。
   木内氏のリポート「深刻な不動産不況が続き逆風が強まる中国経済」(10月20日付)によると、10月第1週の中国主要都市70都市における新築住宅販売は前年比マイナス44%の大幅減、不動産分野の社債のデフォルト(債務不履行)が世界金融市場の大きなリスクになっている。
  「JPモルガンによると、新興国の高利回り社債の年初来のデフォルト率は、10.3%に達している。ロシアでのデフォルト増加を主因に欧州新興国のデフォルト率は21.7%に上昇する一方、中国の不動産企業の経営悪化でアジア全体のデフォルト率も12.8%に達した。
  さらに、デベロッパーが大半を占める中国のドル建てジャンク債の価格は、足元で最安値を更新している。ブルームバーグ社の指数によると、中国のドル建てジャンク債は額面1ドルに対して、17日には55.7セントの水準にある」
    この住宅不況をさらに深刻化させたのが、習氏が打ち出した社会主義的な平等を追求する「共同富裕」の理念に基づく政策だった。
  「(経営破綻した)デベロッパーを政府が直接救済すれば事態は改善するだろうが、それでは従来の政策方針を修正し、それが誤りだったと認めることになってしまう。
  デベロッパーへの統制強化は、不動産価格を高騰させ個人の住宅購入を難しくさせるとともに、巨額の利益を上げる経営を改めさせることが目的だ。これは、習近平国家主席の『共同富裕』の理念に基づく政策と考えられる」
  「共同富裕」は、共産党大会で習氏の政治的地位とともに思想的地位も確立され、「忠誠」の対象になった。その思想のもとで行われてきた政策が修正されることは一層難しくなる。それだけに、木内氏は、こう警告する。
  「デベロッパーや関連業種の経営不振が住宅不況をより深刻にさせ、中国経済への逆風が長引くのではないか。それ以外にも、習近平国家主席が主導してきたと考えられる  ゼロコロナ政策IT産業・教育産業への統制強化  なども継続し、経済の逆風が続くことになるのではないか。
  さらに、来年にかけては世界が景気後退入りする可能性もある。また、中国の人口減少、米国の対中デカップリング政策の影響なども加わるのである。習近平国家主席が異例の3期目入りを果たすタイミングで、中国経済はまさに歴史的な逆風に晒されることになるだろう」


2022.10.24-Yahoo!Japanニュース(NEWSWEEK-https://news.yahoo.co.jp/articles/5b85c61a59cf43e67da1c12d89596fc043f29f75
東京にもある、中国警察の「派出所」は何をやっているのか?-ジョン・フェン

  <欧州26都市、北南米6都市、アジア5都市で中国警察が展開する「海外110」により、今年7月までに約23万人の在外中国人が「帰国の説得」に応じているという。人権侵害と国際法違反の「派出所」の狙いとは?>

  スペインを拠点とする人権団体セーフガード・ディフェンダーズは9月に発表した報告書「海外110番」で、中国警察当局が世界各地に「派出所」を開設していると指摘した。
  これまで30カ国の42都市に計54カ所を設けているという(報告書タイトルの「110番」は中国で警察に通報する際の電話番号)。
  福建省福州と浙江省青田県の公安局が設置したこれらの派出所は、国境を越えた犯罪、特にオンライン詐欺を取り締まるという名目で開設された。
  報告書は、中国警察当局の手法に問題があると指摘する。当局が標的にした在外中国人が「帰国の説得」に応じたという体裁を取り繕い、中国で法の裁きを受けるよう仕向けているという。 その過程で、標的の人物が帰国しなければ母国の子供たちから教育の機会を奪うとか、「連座制」の名目で家族や親族を処罰するなどと告げて、家族側から本人に帰国を「説得」するよう誘導している。
  こうした方法によって昨年4月から今年7月までの短い期間に実に約23万人の在外中国人が「帰国の説得」に応じたと、中国当局が公表した。
  彼らは中国で処罰の対象になったと、報告書は述べている。 報告書によると派出所は、北米ではニューヨークに1カ所、トロント(カナダ)に3カ所。南米では、リオデジャネイロ(ブラジル)やブエノスアイレス(アルゼンチン)など6都市に設置されている。 地域別で最も多いのは欧州で、16カ国の26都市。なかでもスペインが4都市・9カ所で最多だ。アジアでは、東京やウランバートル(モンゴル)など5都市にある。
  報告書によれば、これらの数字は福州と青田県の警察当局との関連が確認されたものだけ。実際には、中国の他の主要都市の警察と関係している派出所が数多く設置されている可能性があるという。
   さらに報告書によれば、派出所は運転免許証の更新などの行政サービスを行うという理由で、在外中国人コミュニティーに組み込まれている場合も多い。
  だがより懸念すべきなのは、派出所が反体制活動家など、帰国すれば弾圧を受けそうな人々を標的にしていることだと、報告書は指摘する。「帰国の説得」に応じたという体裁のため、公正な裁判の保証などの法的手続きを省くことができるという。 「こうした活動は2国間の警察・司法の公式協力を回避し、国際法に違反し、他国の領土の保全の原則を侵しかねない」と、報告書は批判する。「適正な法手続きや推定無罪の原則を無視し、中国にいる家族に対しては連座制を掲げて脅しをかけている」 その上で報告書は「標的に定めた個人や中国に暮らすその家族に対して、不適切な手段で帰国を強いることは、適正な法手続きや容疑者の最も基本的な人権を損なう行為」だと結論付けている。
  10月に入ってスペインのエルコレオ紙は、報告書の内容の一部を裏付ける中国人外交官(匿名)の次の発言を報じた。 「2国間協力は非常に面倒だし、欧州各国は中国への容疑者引き渡しを嫌がる。裁きを受けるよう犯罪者に圧力をかけて何が悪いのか」 セーフガード・ディフェンダーズは1月にも別の報告書を発表したが、中国外務省は「中国の司法執行機関は国際ルールを厳守し、司法に関する他国の主権を全面的に尊重している」と反論。報告書は「臆測と嘘に満ちている」と批判していた。
ジョン・フェン


2022.10.22-産経新聞-https://www.jiji.com/jc/article?k=2022102200348&g=int
習氏、3期目へ権威確立 李首相は最高指導部退く―中国共産党大会が閉幕

  【北京時事】中国共産党の第20回党大会は22日、北京の人民大会堂で、習近平総書記(国家主席)の権威を確立する文言を盛り込んだ党規約改正案を採択して閉幕した。今後5年の指導部を構成する中央委員に習氏を含む205人を選出。これにより、習氏の3期目入りが確実となった。李克強首相は同委員から外れ、最高指導部を退くことが決まった。次期最高指導部は、23日の第20期中央委員会第1回総会(1中総会)で発足する。

  李氏は、来年3月に任期切れで首相を退任した後も別のポストで最高指導部にとどまるという観測が出ていた。完全引退せず、名誉職などに就く可能性は残っている。
  党規約改正案の説明では、習氏の地位と思想に忠誠を誓うスローガン「二つの確立」について、「党が新時代に収めた重要な政治的成果」と強調。全党がその決定的意義を把握しなければならないと指摘しており、新たな党規約に盛り込まれるという見方が強い。また、党規約に「『台湾独立』に断固反対し、食い止める」と明記することも決まった。
  党規約全文は後日、公表される。かつて建国の父、毛沢東に使われた呼称「領袖(りょうしゅう)」を習氏に適用したり、習氏の思想を「毛沢東思想」に並ぶ形で「習近平思想」に格上げしたりする案は見送られたもようだ。個人崇拝につながるという批判が強く、習氏が譲歩したことも考えられる。


2022.10.16-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221016/k10013860291000.html
習国家主席 台湾統一のためには武力行使も辞さない姿勢示す

  中国で、政策の基本方針などを決める5年に1度の共産党大会が16日から始まり、習近平国家主席が党トップの総書記として報告を行いました。この中で習主席は、幅広い分野で実績をあげたと誇示するとともに、台湾統一のためには武力行使も辞さない姿勢を示しました。

  中国共産党大会は、およそ2300人の党員の代表などが参加して北京の人民大会堂で始まり、習近平国家主席が党のトップの総書記として、およそ1時間45分にわたって報告を行いました。ただ終了後に会場で配布された報告の原稿は、およそ3時間半に及んだ前回、5年前の党大会の報告より4ページ多い72ページあり、習主席が読み上げたのは半分ほどの短縮版だったとみられます。
  この中で習主席は、最重要課題の1つに掲げてきた農村部の貧困層をなくすという目標を達成したほか、新型コロナウイルスの感染拡大について「『ゼロコロナ』政策を揺るぎなく堅持して感染拡大との闘いを展開し、人々の命と健康を最大限に守った」などとして、幅広い分野で実績をあげたと誇示しました。
  一方、台湾をめぐっては「『平和統一、一国二制度』の方針は両岸の統一を実現する最善の方法だ」として、香港やマカオで導入されている「一国二制度」による台湾統一の方針を改めて強調しました。
  そのうえで「最大の誠意と努力で平和的な統一を堅持するが、決して武力行使を放棄せずあらゆる必要な措置をとるという選択肢を残す」と述べ、統一のためには武力行使も辞さない姿勢を示しました。
  また、外交政策については、対立を深めるアメリカを念頭に「冷戦思考と個別の国への内政干渉に反対する」とけん制しました。
  今回の党大会では、現在69歳の習主席が「68歳で引退する」という慣例を破って党トップとして異例の3期目入りするのは確実とみられ、党大会閉会翌日の23日にも新たな指導部が発足する見通しです。
約1時間45分にわたった「報告」の詳しい内容は?
●台湾統一のためには武力行使も辞さない姿勢示す
  習近平国家主席は、台湾情勢をめぐってこれまでの実績を誇示した中で「われわれは、国の主権と領土の一体性を守り台湾独立に反対するという固い決意と強大な能力を示した」と述べました。
  また、今後の方針を示した中では「『平和統一、一国二制度』の方針は両岸の統一を実現する最善の方法だ」として、香港やマカオで導入されている「一国二制度」による台湾統一の方針を改めて強調しました。
  そして「われわれは最大の誠意をもって、最大の努力を尽くして平和的な統一の未来を実現しようとしているが、決して武力行使を放棄せずあらゆる必要な措置をとるという選択肢を残す」と述べ、統一のためには武力行使も辞さない姿勢を示しました。
  さらに「その対象は、外部勢力による干渉と極めて少数の『台湾独立』分裂勢力と、分裂活動に対してであり、決して多くの台湾同胞に対するものではない」と述べ、アメリカなどを念頭にけん制しました。加えて「祖国の完全な統一は必ず実現しなければならないし必ず実現できる」と強調しました。
●香港については中国が統制を強化する姿勢
  報告のなかで習主席は、香港について「われわれは憲法と基本法に基づいて、愛国者による統治の原則を実行し、香港の情勢は混乱から安定した状態へと大きく転換した」として、抗議活動が相次いでいた香港に安定をもたらしたと強調しました。
  また「一国二制度を揺るぐことなく貫徹する。全面的な中央による管轄統治権を着実に実行する。香港が国家の発展にいっそう融合することを支持する」と述べ、引き続き中国が香港への統制を強めていくとしています。
●“2035年までに経済力や科学技術力を大幅に向上”
  また2035年までに経済力や科学技術力を大幅に向上して1人あたりのGDP=国内総生産を中程度の先進国の水準に引き上げることが掲げられました。
  習近平国家主席は「国内と国外の2つの循環が相互に促進し合う新たな発展の形の構築を加速させる」と述べ、対外開放を進める姿勢に変わりはないことを強調しつつ、国内経済を主体とする方針を示しました。
  内需の拡大や国内産業の高度化で質の高い発展を目指すというもので、アメリカとの対立の長期化を念頭に、サプライチェーン=供給網の強じん性や安全性を高めることなども掲げています。
  そのうえで「イノベーションがけん引する発展戦略の実施を加速し、高いレベルの科学技術の自立自強の実現を加速する」と述べて、製造業や宇宙、デジタル化などの分野で科学技術の育成をさらに強化していく考えを示しました。
●すべての人が豊かになる「共同富裕」目指す姿勢
  さらに習主席は、貧富の格差を是正し、すべての人が豊かになる「共同富裕」という目標の実現を目指す姿勢を示しました。
  この中で習主席は「『共同富裕』を着実に推し進める。収入分配を規範化し、富を築く仕組みを規範化する」と強調しました。
  習指導部は「貧困問題を解決した」とする一方、経済成長に伴って拡大した貧富の格差解消には至っていないことから、富裕層や大手民間企業からの富の再分配に取り組むことを改めて示した形です。
  また、習主席がみずから掲げた巨大経済圏構想「一帯一路」について「『一帯一路』の共同建設の質の高い発展を推し進め、多角的で安定した国際経済の構造や経済貿易関係を維持する」と述べ、推進する方針を改めて示しました。
●アメリカを念頭に“冷戦思考と内政干渉に反対する”
  習主席は「中国の特色ある大国外交を全面的に推し進め、真の多国間主義を実践するとともに、あらゆる覇権主義と強権政治に反対し、いかなる1国主義や保護主義にも揺るぐことなく反対してきた」と述べました。
  そのうえで「新型コロナ対策において、国際協力を全面的に展開し、国際社会から幅広い称賛を勝ち取り国際的な影響力が著しく高まった」と強調しました。
  そして、強い国が弱い国を虐げたりゼロサムゲームを行ったりする覇権やいじめによって人類はかつてない試練に直面しているなどとしたうえで「冷戦思考と内政干渉に反対する。中国は永遠に覇を唱えず、拡張することもない」と述べ、対立を深めるアメリカを念頭にけん制しました。
●「農村部の貧困層なくすという目標」については
  習主席は、最重要課題の1つに掲げてきた農村部の貧困層をなくすという目標について「人類史上最大規模の貧困をなくす闘いに打ち勝った。絶対的な貧困問題を歴史的に解決し、地球上の貧困を減らすことに大きく貢献した」と誇示しました。
  そして「今世紀の中ごろまでに、中国を豊かで強く、民主的で文明的な調和のとれた美しい社会主義現代化強国をつくりあげる」と述べ、これからの5年が肝心な時期だとして、経済の質を高めて新たな発展を実現することや都市と農村の居住環境を大きく改善することなどを訴えました。
  幹部の汚職を摘発する「反腐敗」について「過去に例がないような反腐敗闘争を展開し、圧倒的な勝利をおさめた。党と国家、それに軍の内部に存在する深刻なリスクを取り除いた」と述べました。そのうえで共産党は反腐敗という「自己革命」によって党が決して変質したり、堕落したりしない状態になったと強調しました。
●国防については「世界一流の軍隊を早期に作り上げる」
  国防政策について「われわれは新時代の強軍目標を確立して国防、軍の改革を断行し、軍の体制や構造を一新させた」と強調しました。
  そして「世界一流の軍隊を早期に作り上げることは、社会主義現代化強国を建設する上での戦略的な要請だ。訓練と戦備を全面的に強化し軍が勝つための能力を高め、実戦的な軍事訓練を推し進めなければならない」と述べました。
  報告では、国防に関する科学技術力を強化し、国境、領海、領空の近代的な国防力の整備を推し進めるなどとして、引き続き軍事力を強化する方針を示しました。
江沢民元国家主席や朱鎔基元首相の姿はなし
  共産党大会には、病気で欠席した39人を除く党員の代表など2340人が出席したとしています。
  会場には、歴代の最高指導部メンバーも姿を現し、習近平国家主席の隣には、胡錦涛前国家主席が着席したほか、温家宝前首相も出席しました。
  一方、96歳の江沢民元国家主席や、朱鎔基元首相の姿はありませんでした。
  また、改革開放の重要性を訴えているとされる長老で、105歳の宋平氏も出席し健在ぶりを示していました。
  このほか去年、有名な女子テニス選手が性的関係を迫られたことを告白したとされる文書が、SNS上で公開され注目を集めた張高麗前副首相も出席しました。
会場周辺では厳重な警戒態勢
  中国共産党大会の会場となっている北京の人民大会堂の周辺では、大勢の警察官などが配置され、厳重な警戒態勢が敷かれています。
  会場から500メートルほど離れた歩道では、警察官が通行人一人一人のIDカードを確認するため、臨時のテントが設けられていました。
  また、NHKの取材班が会場周辺の様子を車内から撮影していた際には、警察官から呼びとめられ、取材の趣旨を質問されるなど、当局が神経をとがらせていることがうかがえます。
中国でNHKの放送が一時中断
  中国では、NHKの海外向けテレビ放送「ワールドプレミアム」で、16日正午のニュースのなかで共産党大会について伝えた際、カラーバーとともに「信号の異常」などと表示され、放送が一時中断されました。
  中国では、国内で放送される外国のテレビ局の放送内容も当局に監視されていて、中国共産党や政府にとって都合の悪い内容は放送が中断されることがたびたびあります。
  当局が党大会をめぐる動きや習近平国家主席の党トップとしての異例の続投に関する見方など、外国メディアの報道について神経をとがらせていることがうかがえます。
台湾総統府は「領土と主権で譲歩せず」と反発
  習主席の報告について、台湾総統府の報道官はコメントを発表し「台湾の民意の主流は一国二制度を断固拒否する意思をはっきりと示している。領土と主権で譲歩せず、民主主義と自由で妥協せず、台湾海峡の間で武力衝突は選択肢にならないというのが、台湾人民の共通認識だ」と反発しました。
  そして「理性をもって、対等に、互いを尊重しながら、台湾海峡の平和と安定を維持するため、双方にとって受け入れ可能な方法を探りたい」とした今月10日の蔡英文総統の演説を引用し、交流や対話による緊張の緩和を中国に呼びかけました。
台湾の専門家の見方は
  中国共産党に詳しい台湾の淡江大学の張五岳副教授は、習主席の報告について、前回5年前の報告との最大の違いは、2018年から激化した米中対立を背景として、外部勢力の干渉への反対と、統一に関して武力行使の放棄を約束しないと、言及したことだと指摘しました。
  そして「北京は台湾と国際社会に対し、統一は絶対に必要で、平和的な方法か武力を使うかは選んでもよいが、統一を拒否することはできないと言いたいのだ」と述べました。
  次の5年間の習主席の出方について、張副教授は「ロシアによるウクライナ侵攻の現状から、北京が台湾統一のために武力を行使することは基本的にないだろう」と述べました。
  そのうえで「習氏が武力でも平和的にも2027年までに台湾を統一するのは不可能だが、統一問題で歴史的な進展を必要とするだろう」として、台湾に適用しようという一国二制度のプランの具体化を進めることなどが考えられるという見方を示しました。


2022.10.14-Yahoo!Japanニュース(日テレニュース)-https://news.yahoo.co.jp/articles/83890d3218b5ced24160a83b87d6511b25f4b213
「独裁」「国賊」異例、習政権批判の横断幕…背景に何が

  中国・北京で13日、習近平国家主席を批判する横断幕が掲げられました。こうした形で政権への不満があらわになるのは異例のことです。
  13日、北京では「独裁」「国賊」と習氏を痛烈に批判する横断幕が掲げられ、衝撃が広がりました。横断幕には、また「PCR検査は要らない。飯を食わせろ」と生活への不満も記されていました。

  地方の農村から出稼ぎにきた人が多く住み“都市の中の村”とも呼ばれています。于さんも生活苦から北京に出てきました。 河南省から出稼ぎに来た于さん(48)「(生きるには)食べていかないといけない。子どもの学校もある。いま仕事を辞めて実家に戻ったら何もできない」 ビル清掃の仕事で月収はおよそ6万円、その半分近くを家賃に取られます。
  コロナの影響でその仕事も減っているといいます。 河南省から出稼ぎに来た于さん(48)「人口の多い中国にはそれだけ貧しい人もたくさんいる。全員が豊かでゆとりのある社会にはなっていない」 国民全てが豊かになる「共同富裕」を掲げる習政権ですが広がる格差への市民の不満はくすぶっています。


2022.09.11-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220911/k10013813731000.html
「海上民兵」乗船か 中国漁船の一部 尖閣周辺でも航行 NHK分析*

  中国が海洋進出を強めるなか、アメリカの研究機関が「海上民兵」が乗っている可能性があると特定した中国漁船の一部が、東シナ海でも活動し、沖縄県の尖閣諸島周辺の海域を航行していたことがNHKの分析でわかりました。中国漁船に実際、「海上民兵」が乗っていたかどうかは分かりませんが、海上保安庁も漁船の動きを把握していて、活動を注視しています。

  10年前の9月11日、日本政府が尖閣諸島を国有化して以降、周辺の海域では、中国当局の船が、領海侵入や日本漁船への接近を繰り返しています。
  こうした中、アメリカのシンクタンク、CSIS=戦略国際問題研究所が注目するのが、軍事的な訓練を受けた「海上民兵」と呼ばれる人員が乗り組む中国の大型漁船です。
  これらの漁船は、通常の漁業活動に加えて、海域に居座る示威活動や偵察・監視などを担っているとされています。
  南シナ海では、中国と領有権をめぐって対立するフィリピン政府が、自国の排他的経済水域とする海域で、去年3月、200隻を超える中国漁船が停泊し続け、アメリカ国務省は、漁船に「海上民兵」が乗り組んでいるという見方を示していました。
  この際、中国外務省の報道官は、「中国側の漁船の作業は合法だ」などと正当性を主張したうえで、「中国の漁民をいわゆる『海上民兵』と呼ぶ理由がわからない。下心と悪意がある」と反発していました。

  今回、NHKでは、CSISが中国側の公開情報などをもとに、南シナ海で活動し、「海上民兵」が乗っている可能性があると特定した漁船、122隻について、船の位置情報を発信するAIS=船舶自動識別装置のデータをもとに分析しました。
  その結果、去年1年間でこのうちの10隻余りが、尖閣諸島から200キロ以内の東シナ海でも活動していたことがわかりました。中には尖閣諸島の領海や接続水域を航行した船も確認できました。
  中国漁船に実際、「海上民兵」が乗っていたかどうかは分かりませんが、海上保安庁も、こうした東シナ海での動きを把握していて、その活動を注視しています。
  CSISのグレゴリー・ポーリング上級研究員は、「海上民兵を活用し、平時から圧力をかけ続けることで、監視・警戒する海上保安庁に負荷をかけている」と分析しています。
「海上民兵」表向き漁業 軽武装で特別な訓練受ける
  アメリカのシンクタンク、CSIS=戦略国際問題研究所によりますと「海上民兵」は軽武装をしているほか、特別な訓練を受けたり、中央政府から燃料代や船の改修のための補助金が支給されたりしているということです。表向き漁業をしていますが、国の政治的や軍事的な目的を達成するためにさまざまな活動をするとされています。
  CSISは去年11月に発表した報告書で、中国側の公開情報などをもとに広東省や海南省を母港とし、南シナ海で活動する合わせて122隻の漁船を、海上民兵の船として特定し、それらの船のリストを公表しています。
  CSISの分析では、これらの漁船は領有権を争う海域などに大量に出航して居座る示威活動のほか、体当たりなどの妨害、監視や偵察の活動を担っているということです。
  海上保安庁などによりますと、中国政府は「民兵」については、法律などで武装力として位置づけていますが、「海上民兵」については公式な見解を示していないということです。
中国は南シナ海で「海上民兵」を活用 米研究所指摘
  アメリカのCSIS=戦略国際問題研究所は、中国漁船の動きが領有権争いが続く南シナ海で、近年、活発となっていると指摘します。
  CSISによりますと、中国は、南シナ海の南沙諸島、英語名・スプラトリー諸島で、2016年に人工島を建設して以降、平時の活動を通して実効支配を進める動きを強め、「海上民兵」の漁船を積極的に活用しているとしています。
  アメリカ海軍の司令官は、2016年5月、中国が造成する人工島の周辺などにアメリカ軍の艦艇を派遣した際、艦艇が海上民兵が乗り組む船に取り囲まれるケースが相次いだことを明らかにしました。
  最近では、去年3月、中国と領有権をめぐって対立するフィリピン政府が、自国の排他的経済水域とする南シナ海の海域で、中国の漁船およそ220隻が停泊しているのが確認され、一部の漁船はおよそ2か月もとどまり続けました。
  フィリピン政府やアメリカの国務省は、これらの漁船に「海上民兵」が乗り組んでいるという見方を示していました。
  この際、中国外務省の報道官は「中国側の漁船の作業は合法だ」などと述べ、正当性を主張したうえで、「中国の漁民をいわゆる『海上民兵』と呼ぶ理由がわからない。下心と悪意がある」などと反発していました。
南シナ海から東シナ海に向かう複数の漁船を確認
  CSISが「海上民兵」が乗っている可能性があると特定した漁船122隻は、去年1年間、どのような動きをしていたのか。
  まず、多くの漁船が、中国がフィリピンやベトナムなどと領有権を争う南シナ海を航行しています。しかし、7月末以降、南シナ海から東シナ海に向かって行く複数の漁船が確認できます。
  日本が主張するEEZ=排他的経済水域の付近を航行し、一時とどまるなどして、再び、南シナ海の方向へ戻っていました。さらに、詳しく見ると、少なくとも1隻は、尖閣諸島の領海や接続水域に入り、航行していることが確認できました。(※航跡を地図上の赤い点で示しています)
  この船は、南西から北東に移動し、尖閣諸島の領海や接続水域を通過。その後、今度は北東から南西に向かって再び尖閣諸島付近を航行し、南シナ海に戻っていました。
  去年1年間で確認されたこれらの漁船は10隻余りで、CSISのポーリング上級研究員によりますと、海南島の三亜市から出港した船が多く、より訓練を受けた漁船とみられると指摘しています。
米専門家 中国の目標は尖閣諸島周辺と南シナ海の実効支配
  アメリカのシンクタンク、CSIS=戦略国際問題研究所のグレゴリー・ポーリング上級研究員は、今回、東シナ海で確認された漁船について、何らかの移動のため航行していたか、軍やほかの海上民兵との共同訓練に参加していた可能性もあると指摘したうえで、活動や意図についてさらなる分析が必要だとしています。
  ポーリング上級研究員は、「中国側としては、海上民兵を活用し、平時から圧力をかけ続けることで、監視、警戒する海上保安庁に負荷をかけている」と分析しています。
  その上で、「中国の目標は、尖閣諸島周辺と南シナ海全体を実効支配することだ。軍事力には及ばない海警局の船と民兵船を利用し続け、南シナ海と同じように尖閣諸島周辺もゆっくりと、着実に支配を強めていることに対して、日本側としてどう対応していくか考えなくてはならない」と指摘しました。
  また、中国の海洋政策を研究している筑波大学の毛利亜樹助教は「尖閣諸島をめぐっての緊張は、国力を増大させてきた中国とアメリカの優位をめぐる競争という大きな対立構造の一部だ。中国の挑戦を直視しつつ、複合的な対応をしていく冷静さと視野の広さが日本には必要だ。軍事衝突へのきっかけを日本側から作ることは大きな失敗だ。現場海域では海上保安庁がいまやっているように中国を静かに押し返しつつ、外交で国際社会を味方につける対応に尽きる」と指摘しています。


2022.09.10-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220910-GGJ3DB2RXNNOFFSASCXDIZCJ7U/
中国、中秋節連休にコロナ対策強化 党大会控え警戒増す

  【北京=三塚聖平】中国で10日、中秋節の3連休が始まった。秋の観光シーズンだが、新型コロナウイルスの感染が各地でじわじわと広がっており、当局は旅行の自粛を呼び掛けている。習近平国家主席が最高指導者として異例の3期目入りを目指す中国共産党大会が10月16日から開催予定で、当局は感染拡大を防ぐため警戒を強めている。

  中国メディアによると、南部の雲南省当局は連休前、居住地で祝日を過ごすよう市民に求めた。こうした呼び掛けは、東部の江蘇省南京市や、東北部の黒竜江省牡丹江市など全国各地に及んでいるという。
  中国本土で9日に新たに確認された感染者は空港検疫などを除き1233人(無症状を含む)日本と比べれば少ないが、「ゼロコロナ」政策をとる中国では感染対策が強化されている。今夏の旅行シーズンに南部の海南省をはじめとした人気観光地で感染が拡大したため、当局は旅行を通じた流行を警戒している。

  特に厳しいのは党大会を控えた北京だ。北京市政府は8日の記者会見で、市内の党・政府機関と国有企業の職員に対し、重要な公務を除き北京から出ることを禁止すると表明。市民にも市外への移動を控えるよう求めた。過去7日間に感染者が1人でも確認された地域に滞在歴がある人間が北京に入ることを厳しく制限しており、北京で働く50代の男性運転手は「市外に出れば自宅に戻れない可能性があるので、連休は市内で過ごす」と話した。


2022.08.23-REUTERS-https://jp.reuters.com/article/
中国・香港株式市場・大引け=中国上昇、利下げを好感

  [上海 22日 ロイター] - 中国株式市場は上昇して引けた中国人民銀行(中 央銀行)は22日、銀行貸出金利の指標となる最優遇貸出金利(ローンプライムレート、 LPR)を引き下げた引き下げ幅は住宅ローン金利の基準となる期間が長めの金利を大きくした

  先週に続 く金融緩和措置で、不動産危機や新型コロナウイルスの感染再拡大に見舞われている景気 を下支えする。
  香港株は下落。金融引き締めで景気が鈍化するとの懸念で他のアジア株に連れ安した 。

  上海総合指数終値は19.7159ポイント(0.61%)高の3277. 7943。上海と深センの株式市場に上場する有力企業300銘柄で構成するCSI30 0指数終値は30.323ポイント(0.73%)高の4181.397。 ハンセン指数終値は116.05ポイント(0.59%)安の1万9656. 98。ハンセン中国企業株指数(H株指数)終値は24.59ポイント(0.3 7%)安の6695.29。 1年物LPRは5ベーシスポイント(bp)引き下げて3.65%とし、5年物LP Rは15bp下げて4.30%となった。 I

  NGの大中華圏担当チーフエコノミスト、アイリス・パン氏は「大半の住宅ローン は5年物LPRに連動している。今回の利下げは明らかに借り手の負担を軽減することに なる」と指摘。
  「同時に、一部の地方政府は未完成物件の建設を続行できるよう不動産デ ベロッパーへの融資を始めている。この二つの措置で既存の住宅ローンの借り手を巡る懸 念を緩和できる」と述べた。
  不動産株は0.1%高。前営業日は利下げ期待で2.7%値上がりして いた。 北京を拠点とするファミリーオフィス、ノベム・アルカエ・テクノロジーズのChen J iahe氏は、5年物LPRの引き下げが、不動産だけでなく、インフラなど金利敏感セクタ ーの支援材料にもなると指摘。
  非対称的な利下げで「インフラ、再生可能エネルギーなど 長期プロジェクトへの投資意欲が強まる」と述べた。 エネルギー株が1.8%高、資源株が2.9%高、非鉄金属株 が3.9%高。 新エネルギー車株と自動車株はともに3%上昇。 インベスコのアジア太平洋(日本を除く)部門グローバル・マーケット・ストラテジ スト、デービッド・チャオ氏は「今後、不動産市場の問題を解決する追加の政策措置を予 想する」と述べた。
  猛暑が続いている中国南西部の地域は22日、電力需要が急増する一方で水力発電の 出力が落ちているため、電力消費制限を拡大した。 一部の企業が影響を受けているが、フィッチは夏が終われば気温が下がるため、電力 制限が秋以降も長期化することはないとの見方を示した。 香港上場の本土デベロッパー株は1.3%高。香港上場のハイテク大手<.HS TECH>は1%安。


2022.08.19-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/b80a0758ab8318c5be5a52ed176bdf3c835ea6ac
中国、カナダ籍の富豪に懲役13年 傘下企業には罰金1・1兆円

  【北京=三塚聖平】中国の上海市第1中級人民法院(地裁)は19日、香港で行方不明になっていた中国出身でカナダ国籍の富豪、肖建華氏に対し、違法資金運用罪や贈賄罪などで罰金650万元(1億3000万円)と懲役13年の実刑判決を言い渡した。中国国営中央テレビが伝えた。肖氏が率いる投資会社の明天控股にも約550億元(約1兆1000億円)の罰金を命じた。

  同法院は、肖氏と明天控股が違法な手段で資金を集めたほか、金融当局の監督を免れるために政府関係者らに株、不動産、現金など計6億8000万元(約136億円)相当の賄賂を渡したと認定
  「金融管理の秩序を深刻に破壊し、国家の金融安全に重大な危害を与えた」と指摘した。
   肖氏は、2017年に滞在していた香港の高級ホテルから行方不明になっていたが、今年7月になって在中国カナダ大使館が肖氏の裁判が始まったと明らかにしていた。
   肖氏は、中国共産党幹部との関係が密接だったことで知られていた。そのため失踪は、習近平指導部が、肖氏とつながりのある「反習派」の高官を反腐敗運動で粛清するために行ったとささやかれていた。


2022.07.28-Yahoo!Japanニュース(日テレNEWS)-https://news.yahoo.co.jp/articles/3458ab234eef278d7208852dbf02f845f0cfb47f
習近平氏「偉大な変革」演説で10年間の成果アピール 中国共産党会議

  中国の習近平国家主席は27日まで開かれた中国共産党の会議で演説し、自らがトップを務めた過去10年間の成果を「偉大な変革」とアピールしました。

  習主席は党の最高幹部らを集めた会議で演説し、自らがトップを務めた過去10年間について、「偉大な変革が中国や党の歴史において一里塚の意義があった」と自賛しました。 また、習主席が主導してきたいわゆるゼロコロナ政策については「世界の中で最も優れた成果を挙げた」と述べたほか、香港の民主派弾圧も業績としてアピールしました。
  さらに、ことし秋以降に予定されている共産党大会について「今後の党や国のあり方を左右する」と意義を強調しました。
  習主席は次の党大会で異例の3期目続投を目指していますが、これまでの実績を強調することでその正当性をアピールする狙いがあるとみられます。


2022.07.22-Yahoo!Japanニュース(幻冬舎-OLD ONLINE)-https://news.yahoo.co.jp/articles/dc85431e92b180887210a938a70d4e1b05aa627c
中国、厳格な「ゼロコロナ政策」に固執する指導部の思惑
金森 俊樹
(1)
  2022年3月初旬から4月中旬、中国では31省市区のうち西蔵を除く全ての省市区で新型コロナの感染が確認された。国務院(政府)が経済への影響を警戒する一方、習近平氏を始めとする党指導部の思惑について、様々な憶測がある。3~6月初にかけ、中国語ネットワークで観察された様々な動きや情報を通じ、中国における本問題の政治・経済・社会面の意味合いを複数回に分けて探る。第1回の今回は、指導部が「ゼロコロナ政策」に固執する背景を読む
新型コロナ感染再拡大で当局の対応は?
  中国では2022年3月初から新型コロナ感染が再び急増し、各地で厳格なゼロコロナ(清零)政策が復活した。特に上海の動向は、進出外国企業や世界全体のサプライチェーンにも影響する話で各国メディアも連日報道。
  日系進出企業の間でも部品調達が滞るなど、一昨年の武漢封鎖の時以上に経営への影響は深刻という声が聞こえた。
  上海から脱出するという意味の「潤学」(潤の中国語発音表記はrun)が流行し、ネットの検索ワードで「カナダ移民条件」が急増。
  5月に移民管理局が「不必要な出国を厳禁」とする方針を出し、潤学は大きな打撃を受けるとの不安が高まった。
  4月末~5月初の労働節5連休期間(五一假期)直前、上海は感染状況の深刻な順に地区を「封控区」「管控区」「防範区」に分類し、市人口の約6割を占める「防範区」から徐々に制限を緩和し始め、6月1日、「全市で正常な生産、生活を回復する」と宣言

  ただ封鎖解除(解封)とは言っておらず、メディアに対してもそうした用語を使用しないよう指示。あくまで「一時停止キーを押したもの(按暫停鍵)」と受け止められており、当局が言う「社会面清零」、つまり市中感染者ゼロが長く続かず、再び規制が強化されるのではないかとの不安がくすぶっている。
  前日には、清零政策に不満を持つ上海の起業家や投資家が「清零には何もしない(躺平〈タンピン〉清零)、仕事は再開するが生産再開はしない(復工不復産)、秋に開催予定の第20回党大会(20大)を見守る(静観)」とし、20大で経済が政治の犠牲になっている状況を改善する政治改革をすべきとした公開状が出回った。

  「躺平」は「寝そべって何もしない」ことを意味する近年の中国ネット流行語だが、中国当局はこれに批判的だ。
  他方、北京でも4月下旬以降、感染増加を受け行動制限、PCR検査が常態化。6月初時点、感染減少が見られる地区で行動制限が緩和され始めたが、状況はなお不透明。特に5月25日から3週間、天安門参観の当日予約ができなくなり、この間に6月4日(1989年同日に天安門事件が発生。「六四」と呼ばれる微妙な日)が入ることから、複雑な反応が起きた。
(2)
習近平氏が「清零政策」に固執する理由
  中国では3月初~4月中旬、31省市区のうち西蔵を除く全ての省市区で感染が確認され、経済規模100大都市のうち87が何らかの制限措置、上海も含め少なくとも28が「全域静態管理」を導入(4月20日付地元経済誌21世紀経済網他)。
  中国当局は厳密には都市封鎖(封城)ではなく、「全域静態管理」という用語を使用している。習近平国家主席が3月政治局常務委員会で「最小の代償で最大の感染防止効果を図ること」と指示した頃から、「ダイナミックゼロコロナ(動態清零)」という用語も使用し始めた。
   国家衛生健康委の専門家は、「全域での封鎖管理をできるだけ避けることが動態清零の目的の1つ」と説明しているが、具体的政策面での変化は判然としない。

  そもそも習氏が清零政策に固執するのはなぜか。反習筋から、西側と異なる価値観を持つ中国の指導者にとって国民の幸福はどうでもよく、自らの権力を誇示することが最大の関心事であること、とりわけ上海については、「党は上海を必要としているが、上海は党を必要としていない」という上海人の優越感を砕き、上海が「天龍国(台湾で経済的に豊かだという優越感を示す表現として使われている)」になることを阻止するためなどの見方がある。
  2021年、第3の歴史決議の採択で自らを毛沢東に並ぶ歴史的指導者に位置付けようとしたかに見える習氏だけに(関連記事 『中国・第3の「歴史決議」採択に漂う、習近平続投への「微妙なニュアンス」』 参照)、まったくの的外れではないかもしれない。
  これら見方の当否は別にして、慢性的な医療資源不足で感染者が急増すると医療体制が対応できなくなることへの不安が強いことは間違いない(世界集中治療医学会議によると、コロナ感染前の10万人当たりICU病床数は独24.6床、加13.5床に対し、中国5床。日本は厚生労働省が国際比較のため調整した数値で13.5床)。

  5月政治局常務委は、感染防止対策は「水の流れに逆らって舟を進める、進まなければ後退するだけ(逆水行舟、不進則退)」「今が決定的な鍵となる(関鍵)時期」「清零を歪曲・疑問視・否定する一切の言動と断固闘う」と動態清零堅持を繰り返し、その根拠として、人口大国で老齢人口が多いこと、地区間の発展水準不均衡、医療資源総量不足から、感染防止対策を緩めると大規模の感染拡大が起り、経済社会と人民の命に深刻な影響が及ぶことを挙げている。
  人民日報系の官製メディア環球網は5月1日、「“躺平”に出口はなく、“動態清零”が正しい道」と題する論評を掲載。「感染防止で躺平の国があるが、これは感染防止をする意志がないためではなく、その能力がないため。こうした西側国家には強力な核心となる指導者がおらず、人々に一致協力して困難を克服する志(衆志成城)がないことから、理想的な感染防止対策を見つけられず、躺平を選択している。
  しかしそれは感染がないことを偽装し、強者だけが生き残ることを意味する」として、動態清零政策を正当化。環球網はその後も動態清零を支持する論評を連日のように掲載。感染防止対策は各国の実情を踏まえ実施すべきもので「標準型」は存在しないなどとして欧米諸国を批判。
  新華社や中央電視台(CCTV)など、多くの官製メディアが同様の主張を展開している
(3)
ネット上に出回る冷笑話
  旧ソ連がそうだったが、社会が統制的であるほど、人々の率直な感情、当局に対する皮肉・揶揄、そして一面の真理を突いた小話が多く聞かれる。
  上海封城では例えば、ネット上で次のような素直には笑えない笑話(冷笑話)が出回っている。
◆溺れかけた者のひらめき
  PCR検査会場の庭で池に落ちて溺れかけた者が、通りを歩く検査員に必死に助けを求めるが、検査員はみな知らぬ顔をして通り過ぎていく。そこで、彼は突然ひらめき叫んだ。「俺は陽性だ!」検査員は驚き、直ちに彼を池から引き上げた。
◆感染防止説明会
  上海市幹部が市民に感染防止の説明会を行っている。 幹部「日用品、医薬品など重要物資を上海へ運ぶ物流はすでに確保されている」 市民「うちの高齢者はすでに3日も薬を飲んでいない。家には何もない」 幹部「すでに浙江から100トンの野菜、新疆から10トンの羊肉が届いている」 市民「うちの地区はもう2週間も封鎖され、食料は何も残っていない」 幹部「同志よ。家に何があるか見るのを止め、もっと人民日報のような官製報道を見ることだ」
◆アダムとイブ
  美術館に一枚のアダムとイブの絵が飾られている。 英国人「これは間違いなく英国人だ。男がうまそうなものを持ち、女と分け合っている」 フランス人「これは間違いなくフランス人だ。男女が裸で散歩している」 上海人「いや上海人だ。食べるものがなく、着るものもない。おまけに隔離されている」
◆猫背を直す医者
  昔、猫背を直す医者が2枚の板を使い、患者に圧力を加えて治療。その結果、猫背は治ったが、患者は死んでしまった。患者の家族が医者に質したところ、医者の言い分にはそれなりの理屈があった。 「自分の仕事は猫背を直すことだ。患者の生死は自分にとってどうでもよいこと(干我何事)」

※人民日報海外版傘下のブログサイトが機械的な感染防止対策は問題とする中で、古代の笑話として紹介。人民日報系だけに注目された。 ◆朝陰区 北京中心部の朝陽区はPCR 検査での陰性を確保するため、「朝陰区」に改名すべき。 次回は「ゼロコロナ政策」で経済がどのような影響を受けているかを探る。
金森 俊樹


2022.07.16-Yahoo!Japanニュース(REUTRES)-https://news.yahoo.co.jp/articles/175e7942f2b29cede0917ab9e5ef2d4febaf9c18
アングル:終わらぬ中国「ゼロコロナ」政策、経済への影響長期化
(Tony Munroe記者)

  [北京 14日 ロイター] - 中国は新型コロナウイルスを巡り、厳格に感染を抑止する「ダイナミックゼロ」政策を小幅に修正しているものの脱却する兆しは見えず、ワクチン接種でも遅れを取っている。このことは中国経済に暗い影を落とし続けそうだ。

  政府はダイナミックゼロ政策脱却に向けた工程表を示していない。こうした政策は来年も続くと予想されており、住民と企業を覆う不透明感は長引く見通しだ。 最近も感染が散発して一部都市ではロックダウン(都市封鎖)が実施された上、感染力の強い新型コロナ変異種「BA.5」が登場したため、懸念はさらに強まっている。
  ロックダウンの影響に加え、くすぶり続ける不動産市場の問題と世界経済の不確実性が中国経済に重くのしかかる。

  今週は、上海の住民2500万人に新型コロナの集団検査が義務付けられた。野村の推計では、11日現在、31都市が全面的もしくは部分的なロックダウンを実施中。これらは国内総生産(GDP)の4分1に寄与する地域であり、約2億5000万人が影響を受けている。
  諸外国がコロナとの共生を図っているのとは対照的に、中国の習近平国家主席は厳格な対策によって救われた命を強調する。 現在はワクチンによって新型コロナの致死率が大幅に下がったにもかかわらず、中国は過去の感染抑止策の成功に捕らわれ続けている、との指摘もある。

  みずほの首席アジアFXストラテジスト、ケン・チョン氏は13日、「世界の他の国々が活動を再開し、サプライチェーン(供給網)が正常化する中、中国のゼロコロナ政策は輸出受注と生産を諸外国にシフトさせるだろう」と記した。
   欧州連合(EU)商工会議所のJoerg Wuttke会頭は「世界は中国が集団免疫を高めるのを待っていられない」と述べた。 
<自国製ワクチンに不信感>
  中国は感染拡大と死者数の増加を食い止めた裏返しとして、集団免疫の獲得が遅れている。 それでも積極的なワクチン接種策には乗り出していない。北京市は、人混みの多い場所に入る際にワクチン接種を義務化する計画を立てたが、インターネット上で強い反発に遭って先週撤回した。

  しかも中国は、より有効性の高い「メッセンジャーRNA(mRNA)」ワクチンの輸入を承認しておらず、自力での開発も十分に進んでいない Wuttke氏は「制限措置が解除されるのは高齢者へのワクチン接種が完了した後だろう。2023年秋以降になるかもしれない」と言う。 中国は人口14億1000万人の90%近くにワクチンを接種し、56%近くは3回目の接種も終えた。それでも高齢者約3000万人がまだ接種していない

  米カリフォルニア大学ロサンゼルス校の疫学教授、ジャン・ゾーフェン氏は、中国製ワクチンは安全性とオミクロン変異株に対する有効性についてのデータが不足しているため、政府も国民もこのワクチンへの信頼感が低いと指摘。
  「中国が自国製ワクチンを信頼していて、国民の接種率が高ければ、今ごろは感染根絶を目指す姿勢から重症化や死亡の抑制へと焦点を移していたはずだ」と語った。
<制限を一部緩和>
  中国が、より精度の高いコロナ対策へと移行しつつあるのは事実で、上海で2カ月もロックダウンが続いた時のような悪夢が再来するとは予想されていない。 中央政府は地方政府に対し、不必要に任意の制限措置を実施しないよう指導している。
  エコノミストによると、対策の洗練度が上がったため、4、5月のようにロックダウンが世界のサプライチェーンを大混乱させる可能性も減った。 例えば最近は、入国者の隔離期間を7日間に短縮し、国内でも最近の旅行履歴の調査を軽減した。
  今年の共産党大会で前代未聞のトップ3期目入りを確実にしたい習近平氏は、新型コロナの感染者・死者急増を防ぎつつ経済の急下降も避けるという、微妙な舵取りを迫られている。 習氏は先月、新型コロナが最初に発生した武漢で、ゼロコロナ政策は「正しく、有効」だったと述べ、一時的な経済への影響の方が、命が奪われるよりはましだと強調した。
  上海政法学院の元准教授、チャン・ダオイン氏は「習氏は、コロナに対する最終的な勝利を成し遂げると明言した」と述べた。 (Tony Munroe記者)







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