中国防衛軍(防衛)

2019.9.26-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/191226/wor1912260009-n1.html
中国国産空母「山東」が台湾海峡を北上

【台北=田中靖人】台湾の国防部(国防省に相当)は26日、中国初の国産空母「山東」が同日、護衛の艦艇を随伴し、台湾海峡を南側から北側に通過したと発表した。台湾の中央通信社は、来月11日に投開票される総統選を前にした行動で「北京が台湾の選挙に介入しようとする態勢がますます明確になった」との安全保障関係者の見方を伝えた。
 中央通信社によると、山東は多数の艦艇を随伴し、甲板上に戦闘機「殲(J)15」を並べており、「準空母戦闘群」の状態だったという。立法院(国会)の外交・国防委員会の王定宇(おう・ていう)委員長(民主進歩党)は同社の取材に「中国軍の行動には必ず政治目的があり、台湾の民心への干渉は明らかだ」と述べた。
 山東は11月17日、台湾海峡を北から南に通過して海南島に進出し、今月17日に同地で就役していた。南シナ海を担当する南海艦隊の所属とみられていた。


2019.12.17-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191217/k10012218581000.html
中国初の国産空母が就役 南シナ海管轄の艦隊に配備か

中国で初めてとなる国産の空母が17日、就役しました。
  中国軍では2隻目の空母で南シナ海を管轄する南海艦隊に配備されたとみられ、海軍力の急速な増強にアメリカをはじめ各国が警戒を強めています。国営の中国中央テレビは中国として初めての国産の空母「山東」が南シナ海に面する海南島三亜の軍事基地で海軍に引き渡され、正式に就役したと伝えました。
  現地で17日午後、開かれた式典には習近平国家主席が出席し、軍の関係者5000人とともに就役を祝ったということです。
  中国軍は7年前の2012年、1隻目の空母「遼寧」を配備しましたが、この空母はウクライナから購入した船体を改修したもので、国産の空母としては「山東」が初めての就役となります。
  中国メディアによりますと、「山東」は排水量が6万トン級の通常動力型で、「遼寧」に比べて甲板の面積を拡張して、より多くの艦載機を積載する能力を持つということです。
  「山東」は周辺国と領有権の争いがある南シナ海の海域を管轄する南海艦隊に配備されたとみられ、さらに3隻目の建造も進めれているとされていて、海軍力の急速な増強にアメリカをはじめ各国が警戒を強めています。
中国の空母建造計画とは
中国は「世界一流の海軍の構築」を掲げ、将来的に少なくとも4隻の空母の保有を計画しているとみられています。
  中国軍は1隻目の空母としてウクライナから購入して改修した「遼寧」を7年前の2012年に就役させ、今回の「山東」に続く3隻目の空母を現在、上海で建造していると伝えられています。
  中国軍は空母の作戦能力の向上にも力を入れていて、東シナ海や南シナ海で「遼寧」を航行させ、艦載機の発着艦などの実戦を想定した訓練を繰り返しています。
  また大手の国有企業は去年、初の原子力空母の開発を進める計画も明らかにしていて、将来的には中東やアフリカなど中国から離れた遠洋での権益の確保と影響力の拡大をねらっているとみられています。
南シナ海の軍事拠点化に懸念も
中国は南シナ海のほぼ全域の主権を主張して、人工島などに軍事関連の施設の整備を進めていて、アメリカや周辺国は軍事拠点化への懸念を強めています。
  中国は2014年以降、南沙諸島=英語名・スプラトリー諸島に人工島を造成し、滑走路やレーダー設備、兵舎とみられる建物などさまざまな施設の整備を進めています。
  アメリカのシンクタンクの分析では、対艦ミサイルや対空ミサイルも配備されたと指摘され、長距離巡航ミサイルを搭載できるとされる爆撃機「H6K」を格納できる格納庫も完成させたとしています。
  また中国が実効支配する西沙諸島=英語名・パラセル諸島でも、岩礁で情報収集用とみられる新たな設備の建設が確認され、付近を航行する艦船の電波などを収集する軍事的な目的があると分析されています。
  さらに西沙諸島では複数の爆撃機の離着陸訓練が確認されるなど、中国軍は南シナ海での航空機や艦船による演習や訓練を活発化させています。
  これらの指摘に対して、中国政府は「必要な防御施設を建設している」として防衛目的だと主張していますが、アメリカは南シナ海の軍事拠点化を進めていると批判しています。「空母は核搭載した原潜の活動を保障」
中国軍の元大佐で軍事専門家の岳剛氏がNHKのインタビューに応じ、「空母の配備により制海権と制空権を保持することができ、領土からの防衛ラインを遠方に引けるためより安全になる」と述べ、中国が主権を主張する南シナ海などの海域にアメリカ軍を寄せつけないようにするねらいがあると指摘しました。
  さらに、「空母を展開することで原子力潜水艦が効果的に行動するための後ろ盾となる。原子力潜水艦は中国が核ミサイルで報復するために必要な武器だ」などと述べ、空母の配備は核弾頭を搭載したミサイルを発射できる原子力潜水艦の活動を保障することになると強調しました。
  また、「中国は台湾の問題を解決して国家の統一を完成させなければならないほか、各国と島の領有権をめぐる問題も抱えており軍事力を持つことで駆け引きの道具にもできる」と述べ、増強する軍事力を背景に中国の主張を強めていくねらいがあると指摘しています。


2019.12.14-msnニュース-
「米国と競争する気持ちない」 中国初の宇宙飛行士、楊利偉氏インタビュー

中国人初の宇宙飛行士、楊利偉(よう・りい)氏(54)が14日、東京都内で産経新聞の単独インタビューに応じ、有人月探査などの計画で競合する米国との関係について「競争する気持ちはない」とし、今後の宇宙開発で日本を含む他国との協力関係に前向きな姿勢を強調した。
 米国は月を周回する有人基地を国際協力で2020年代に建設する計画だ。一方、中国は20年代に単独で有人月面着陸を目指している。これについて楊氏は「米国は法的に中国の協力に対し制限をかけているが、中国は全ての国に開放する姿勢を持っている」と述べ、国際協調を否定しない姿勢を示した。
 また、米露などが運用する国際宇宙ステーション(ISS)とは別に、中国は地球を周回する独自の宇宙ステーションを計画。楊氏は来年末にも建設が始まるとした上で、「中国の宇宙開発はあくまで自国のニーズに応じてやっている。可能性があればいろいろな国と協力関係を築きたい」と述べた。
 今後の宇宙開発で世界一を目指すのかとの問いには「比べて競うのではなく、自国の必要に応じて発展していく」と強調。宇宙ステーションの設計を例に挙げ「そんなに大きなサイズにしていない」と説明した。
 宇宙探査の意義については「宇宙への理解を深めることで人類の未来を考え、地球への認識も深められる。人間の居住環境がどうすればよくなるか考えさせられる」と話した。
 初来日した楊氏はこの日、都内で開かれたイベントに参加。日本の宇宙開発について「主に国際協力で努力し、世界一流だと思う」と評価。日中の協力については「複雑な要素もたくさんあるが、時代やニーズが変化していくし協力する可能性はある。これから一緒に手を携えて努力していくべきだ」と述べた。
 2003年の自身の飛行を振り返り「窓から眺めて、百トンの宇宙船を宇宙に届けられる人類の素晴らしさを実感した。宇宙飛行は異なる視点から人類の生存を眺めるチャンスをもたらしてくれる」と語った。
 会場の参加者に「地球は人類のゆりかごだが、私たちはゆりかごにずっととどまることはないと思う。科学の発展を通じて生活空間を無限に拡大し、文明も拡大する。宇宙開発は人類の生存に新たなものをもたらす。これは科学からの恩恵だ」と呼びかけた。
 終了後、自国の宇宙ステーションで行う実験を募集した結果、東京大などの計画が選定されたことも明らかにした。
    (◇楊利偉(よう・りい)氏(54) 1965年、中国遼寧省生まれ。空軍パイロットを経て98年に宇宙飛行士の訓練を開始。2003年に「神舟5号」で中国人初の宇宙飛行。現在は有人宇宙飛行部門の幹部で、人民解放軍の少将。)


2019.9.24-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/190924/wor1909240035-n1.html
中国「DF41」初公開を示唆 10月1日の軍事パレード 対米抑止の新型ICBM

【北京=西見由章】中国中央軍事委員会連合参謀部作戦局副局長の蔡志軍少将は24日、建国70年を迎える10月1日の閲兵式・軍事パレードについて記者会見し、中国軍が対米抑止力の切り札と位置づける移動式の新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「東風(DF)41」の初公開を示唆した。
 蔡氏は「DF41などの新型装備の公開」について、「期待して待ってほしい。記者の皆さんを失望させることはないだろう」と述べた。
 蔡氏によると、軍事パレードは将兵ら約1万5千人と航空機160機余り、車両など580台が参加し、約80分間行う。「過去数回の閲兵式で最大規模」になるといい、過去最大級の規模となることを認めた。陸海空軍やロケット軍、戦略支援部隊の最新兵器を公開する。
 また軍事パレードでは「揺るぎなく核心(の習近平共産党総書記)に忠誠を尽くし、核心を推戴(すいたい)し、核心を擁護する決意」を示すとした。


Jan 30 2019-NewSphrer(https://newsphere.jp/world-report/20190130-2/)
中国軍、「コピーのコピー」で急速に近代化 陸軍重視の脱却ともない

中国人民解放軍(PLA)の近代化が新兵器と組織改編によって着々と進んでいる。アメリカ国防情報局(DIA)が今月発表した年間報告書は、「これまでになく高い対応力と柔軟性、力を獲得した」と、99式戦車、J-20ステルス戦闘機、2隻目となる国産空母・001A型などの新兵器に象徴されるPLAの成長ぶりを強調。一部の兵器は、アメリカを含む競争相手を上回っていると評価している。
◆開発中の新兵器も続々・・・ PLA最大のライバル、アメリカのメディアも、戦力分析に余念がない。CNNは、米軍の脅威となりそうな中国のさまざまな
     最新鋭兵器を特集。そのいくつかを紹介しよう。
・大規模爆風爆弾兵器「全ての爆弾の母」…アメリカ空軍が開発した大規模爆風爆弾兵器の中国版が開発中だと、今月、中国メディアが報じた。
     「The mother of all bombs(MOAB=全ての爆弾の母)」の異名を持つこの爆弾は、通常兵器としては史上最大の破壊力を持つとされ、
     米軍は2017年にアフガニスタンの洞窟地帯で実戦使用した。中国版はより小型軽量で、一般的な爆撃機で簡単に投下できるようになるという。
・地対艦ミサイル「グアム・キラー」…1月10日に米海軍が南シナ海にミサイル駆逐艦を派遣すると、中国国営メディアは、PLAが「中・大型艦を叩く力がある」
     というDF-26弾道ミサイルを展開したと報じた。2015年に北京で行われた軍事パレードでお披露目されたDF-26は、約5500kmの射程距離を持つ
     車載型の地対艦ミサイル。米海軍のグアム基地をも射程に収めることから、米専門家は「グアム・キラー」と呼ぶ。
◆組織改編や新兵器運用訓練も進行中・・・PLAの近代化の動きは、1991年の湾岸戦争で、イラク軍が機械化された巨大戦力を持ちながらアメリカの
     最新鋭兵器に脆くも完敗したのを契機に始まった。中国経済の成長とともに軍事予算も急増。2000年から2016年にかけては、経済成長率を上回る
     平均10%ペースで伸びた(米防衛誌ナショナル・インタレスト)。
  2017年からは防衛支出の伸び率は5〜7%程度に落ち、兵員を30万人削減し、200万人体制となった。これでもまだ兵員数では世界最大の軍隊ではあるが
     現在は「量から質」へと方針を変えてきている。同年から、組織改編に着手し、陸軍中心の編成から、陸・海・空軍を対等に運用する形に改めた。
     さらに、新たにロケット軍と戦略支援部隊を創設。ロケット軍は、米本土に届く長距離弾道弾・核を含む1000発以上のミサイルを擁するミサイル部隊で、
     戦略支援軍は人工衛星の打ち上げ・運用と敵の衛星の破壊任務に加え、敵防衛システムへのハッキング攻撃を行う。軍全体の指揮系統も
     再整備され、5地区の軍管区方式となった。これにより、現場の判断でより柔軟に対応できるようになったとナショナル・インタレスト誌は評価する。
  最新鋭兵器の配備が進む一方で、PLA全体の兵器の約40%は、59式戦車、J-7戦闘機などの1950年代の骨董品級だとされる。それらに慣れた兵たちが、
     99式戦車などをまだ使いこなせていない現実もあるようだ。昨年夏に内モンゴル自治区の演習場で行われた大規模演習では、最新鋭99A式戦車
     を擁する部隊が敗れるという波乱があった。デジタル化・相互リンクされた99式は遠くから敵を叩くことが可能だが、旧来の価値観で戦車部隊
     を前線にむやみに突進させたのが敗因だとされる。中国共産党系英字紙グローバルタイムズは、こうした反省のもと、PLA全体で今、
     新兵器を運用する兵員の訓練・戦術の練り直しが進んでいると報じている。
◆低コストという「後発のアドバンテージ」・・・これらの戦力強化は、中国の巨額の軍事予算があってこそだが、それでもアメリカの防衛支出に比べれば
     1/3以下だ。しかし、これをもって米中のパワーバランスを単純比較することはできない。DIAの報告書は、装備のコストや人件費が米軍よりも
     ずっと低い点を「後発のアドバンテージ」に挙げる。
  「中国は、(海外兵器の)直接購入、改良、知的財産の盗用により、各国の軍隊で最も効率的な基盤をルーティン化させた」と、DIAは分析する。
     その顕著な例が空母だ。2012年に就役した中国初の空母「遼寧」は、旧ソ連製の建造途中の空母をウクライナから購入し、改良を加えたもの。
     今春にも就役すると言われる2隻目の001A型は、初の純国産空母と謳われているが、実際のところは「遼寧」の改良型で、
     発展的な「コピーのコピー」だと言える。
  1927年に中国共産党の私兵集団として誕生した人民解放軍は、国民党軍との内戦を経て、事実上中国の正規軍として、長年国内の防衛を主任務
     にしてきた。しかし、2000年代以降は、活動範囲を世界に広げつつあり、先制攻撃を含む予防的防衛任務を新たなドクトリンに掲げている。
     2017年にはアフリカ北東部のジブチに初の海外基地を建設。パキスタン、カンボジア、スリランカでも基地開設準備を進めている。
  「現在のPLAの戦略目標は国土の防衛から、東アジアと西太平洋の支配、さらにはインド洋への進出に拡大した。北京の最終目標は、グアム、沖縄
     の基地と韓国・日本との同盟に象徴されるペンタゴンの東アジアの足がかりを削ぎ、その防御力を排除することだ」(ナショナル・インタレスト誌)。
     日本が人民解放軍の主要攻撃目標の一つであることは、紛れもない事実だ。


中国人民解放軍
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


中国人民解放軍は、中国共産党が指導する中華人民共和国軍隊である。(中国人民解放軍の中華人民共和国における公的・法的位置については後述の
     「#法的規定」を参照すること。)単に、日本などでは「中国軍」、中国国内では「解放軍[1]と略されて呼ばれている。
      陸軍海軍空軍ロケット軍戦略支援部隊の5軍を軍種とする。また、正規軍たる人民解放軍とは別に、中国民兵中国人民武装警察部隊
     中国共産党および中華人民共和国の武装力量に定められている。
兵力
 中国人民解放軍の人員・装備数・組織構成等は、中国政府あるいは人民解放軍自身が情報公開に積極的でないために、外部の者は推定によりその趨勢を
     把握する外はない。各国政府の情報機関のように人的物的資源が潤沢であるならば確度の高い情報を得ることも可能かもしれないが、そうでない者は
     民間シンクタンクあるいは各国政府機関が公開する文書から得る以外にない。
 イギリス国際戦略研究所が発行した『2013年ミリタリーバランス』によると、2012年11月時点の人民解放軍の人員数は、現役兵は228万5千人、予備役51万人
     と推定されており、このことから世界最大の常備軍とされている。この他に準軍事組織の人民武装警察(武警)が66万人と推定されている。これらの数
     は2000年の値と比較すると現役兵は2万5千人減、予備役は+1万~-9万人である。武警は84万人減であった。1982年に現在の武警が設置されてまもない
     時期は、人民解放軍が大規模な人員数の削減を行った頃と一致する。武警は、削減された人民解放軍兵士を受け入れ、一時は人員が増加したものの、
     その後に隊員の定年が進み自然減になったものと推察する。準軍事組織には他に中国民兵があり、2011年の中国共産党の発表によると過去には
     3000万人が所属しており、削減された2011年においても人員800万人を誇る[2]
 なお2013年4月に中国国務院は『中国国防白書:中国の武装力の多様な運用』を発表して、陸軍機動作戦部隊が85万人、海軍23万5千人、空軍39万8千人
     とする兵員数の概要を公表した。陸軍機動作戦部隊は、18個集団軍および軍区直轄の独立諸兵科連合師団(旅団)に該当し、国境警備部隊
     海岸防衛部隊・軍事施設警備部隊は含まないとしている。陸軍機動作戦部隊に該当しない前記の各部隊の兵員数は公表されず、したがって
     現役陸軍全体の兵員数は明らかにされていない。また第二砲兵、予備役の兵員数も公表されず、したがって人民解放軍全体の現役・予備役を含めた
     総兵員数も本国防白書では明らかにされていない。
装備
 中国政府は湾岸戦争アフガニスタン戦争イラク戦争などでのアメリカ合衆国軍による軍事的成果に影響されて、近年は軍事兵器や軍事システムや
     戦闘スタイルの革新に力を入れ、通常兵器による軍事力も強力になりつつある。ロシアの専門家によれば2015年頃には第5世代戦闘機が配備される
     のではないかと指摘している[3]。また、ロシアの兵器輸出企業の重役によれば中国はインドとは違い陸上兵器の近代化が進んでいるため、陸上兵器
     は地対空ミサイル以外はほとんど輸入してくれないと語っている[4]。そして新式装備の絶対数は多く、Su-27/Su-30MKKシリーズは300機以上ある。
     これは日本や韓国のF-15保有機数を凌駕している。また、空軍兵器の取引においては完成した機体を購入する時代は終わり、エンジンやレーダー
     などのような装備単位で買う段階になったと言われている。その象徴がJ-10である[5]
軍事予算
 2013年3月5日に、中国国務院財政部は第12期第1回全人代に提出され審議された2012年支出実績と2013年度予算案を公表した[6]。その後支出実績と
     予算案は全人代に承認された。それによれば2012年度(1 - 12月)軍事支出実績額は6506億300万人民元であった。2013年度の国防予算は
     7201億6800万人民元であり、2012年度支出実績に比べ10.7%増である。
  このような「公表額」に対して、世界各国の政府や軍事研究機関は、「中国政府が、いわゆる中国脅威論によって軍備拡張が抑え込まれることを警戒して、
     軍事支出が小さく見えるように操作している」との見解を持っている。ストックホルム国際平和研究所の推定による、2012年度の中国の軍事支出実績額
     は為替レートベースで1660億ドル[7]で、アメリカ合衆国に次いで世界で2位(世界シェア9.5%)であり、2003年 - 2012年の10年間で175%増加した。また
     購買力平価ベースでは軍事支出実績額は2490億ドルで世界第2位である。 中国の軍事支出を国際比較する場合、時価為替レートベースと
     購買力平価ベースでは相対関係が異なってくる。物価の安い国は同等の予算金額で物価の高い国の数倍の軍備が購入可能という問題を指す。
     例えば、日本の陸上自衛官1人の給与金額で中国兵20人が雇用可能であり、物価の相違を修正せずに単純に金額を比較しても実際の
     単年度軍事資産購入量と乖離してしまう。CIAの各国国力・GDP分析は購買力平価で比較されている。
  中国の軍事支出が明確でないという見解の論拠の一般論としては、民主的政治制度が確立している国では、政府の収入と支出の予算案も、立法過程も、
     可決された予算も、予算の執行も、今年度および過去年度も含めて書籍とウェブで公表され、誰でも閲覧できるが、独裁政権が統治している国は、
     民主国家と比較して政府の情報公開度が低く、公開された情報には隠蔽・歪曲・誇張された情報が含まれているので、公開された情報の信用性は低い
     ということが指摘される。
  2000年代に入ってからアメリカやイギリス、日本などは中国に対して国防予算の内訳の透明性を向上させることを求めている。2008年(平成20年)3月4日
     には、日本の町村信孝官房長官が中国の国防予算について「とても周辺の国々、世界の国々には理解できない。その中身がはっきりせず、透明性の
     欠如は大きい」とし、さらに「五輪を開き、平和的に発展していこうというお国であるならば自らの努力で(中身を)明らかにしてもらいたい」と批判した。
     また、2009年(平成21年)3月4日には河村建夫官房長官が「発表されたものは依然として不透明な部分があり、国防政策、軍事力の透明性を一層
     高めていただくことが望ましい」と中国の国防予算の内訳について透明性の向上を求めた。
  中国人民解放軍には他国の軍隊には見られない「自力更生」と呼ばれる独特のシステムが存在した。これは要するに、「国家などの公的予算に頼らず軍が
    自分で自分の食料や装備を調達する」ということである。元々は軍人が自力で耕作して食料を調達して戦闘に従事し続けたことを意味するが、1980年代
    になると軍事費の削減によって「軍事費は軍自らが調達する」という方針を共産党が打ち出したことにより、改革開放政策による国の近代化資本主義
    経済の導入が開始されたことにあわせ、軍の近代化に伴う人員削減で必然に出る失業対策も含めて、各部隊が幅広く企業経営へ乗り出していた。
    これは1998年に中国共産党が人民解放軍の商業活動を禁止するまで続いた。実際には現在も一般人も利用できる又は一般人向けの各種学校、食堂や
    クラブなどの飲食店、射撃場など娯楽施設、病院、宿泊施設、食品加工や機器製造等の工場、農牧場、養殖場、炭鉱など鉱山、出版社などあらゆる企業、
    施設、設備を運営している。イギリスBBCの報道によると、「食料の90%を外部からの調達に依存している」ということである。人員規模を考慮すると、
    およそ20万人以上の食料を自給できているということであり、他の軍隊に見られない驚異的な特徴の一つとなっているといえる。







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