露-ロシア問題-1



2023.06.30-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20230630-YF3V2CRIKBP5TJPBPTNIPFQ5HU/
ワグネルの秘密メンバーか 拘束情報の露空軍司令官 米報道、高官30人が登録

  米CNNテレビは29日、ウクライナ侵攻でロシア軍の副司令官を務めるスロビキン航空宇宙軍総司令官が、武装反乱を起こした民間軍事会社ワグネルの秘密のVIPメンバーだったと報じた。

  英シンクタンク、ドシエセンターが入手した文書で、スロビキン氏を含む30人以上の軍や情報当局の高官が、VIPとして登録されていたことが判明したという。
  スロビキン氏は、ワグネルとの関係を巡って拘束情報が出ている。米ブルームバーグ通信は、スロビキン氏がロシア軍の捜査部門に数日にわたり事情聴取されたと報道。米紙はワグネルの反乱の動きを事前に把握していたと報じている。
  CNNはVIPメンバーについて、利益供与の有無や特別な権限を持つかどうかは不明としている。(共同)


2023.06.29-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230629-RSZYFNNGH5M2XJJOR43CRJ22GE/
ワグネル反乱、アフリカに影響 独自の資金源も豊富

  【キーウ(キエフ)=佐藤貴生】ロシアの民間軍事会社ワグネルとプーチン政権の対立は、ワグネルが暗躍してきたアフリカ諸国の情勢にも影響しそうだ。ワグネルは露軍の「別動隊」としてアフリカ諸国の内戦に介入するなどしてきたが、今後はプーチン政権の後ろ盾を失い、活動が難しくなる可能性がある。その半面、ワグネルは各国で地下資源の利権を有しており、独自の資金源で活動を続けられるとの見方もある。

  ロイター通信などによると、ワグネルはこの10年間で、アフリカの少なくとも8カ国と強固な関係を築いた。ワグネルは2020年と21年にクーデターが起きたマリで、政権を握った軍政と親密な関係を築いた。現地の政治評論家はロイターに、ワグネルとプーチン政権が対立すれば「マリは安全保障面で打撃を受ける」との懸念を示した。
  中央アフリカでは、政府と武装勢力が入り乱れる形で内戦状態が続いた。ワグネルは18年以降、軍事顧問団などの名目で推定1500人規模の部隊を政権側に派遣した。リビア内戦でも19年頃から、東部を拠点とするハフタル司令官の側で最大約2千人とされる雇い兵が戦闘に加わった。
  スーダンで4月に起きた軍と準軍事組織の戦闘でも、ワグネルは後者の側を支援してきたとされる。
  プーチン大統領は27日、ワグネルの給与や報奨金に巨額の国費が投じられてきたと明らかにした。また、アフリカ諸国で活動するワグネル部隊には物資輸送や武器供与の面で露国防省の大きな支援があった。ワグネルのトップ、プリゴジン氏の武装反乱を受け、プーチン政権がワグネル支援を縮小する可能性はある。
  ラブロフ露外相は26日、マリと中央アフリカの治安維持への協力に変化はないと発言。その半面、マリと中央アフリカには「軍事会社(ワグネル)との関係だけでなく、露政権との公式の接触もある」と述べ、今後のワグネルの活動には含みを残した。
  マリには金、中央アフリカにはダイヤモンドやウラン、リビアには石油が豊富にあるワグネルによる各国への軍事介入にはこうした地下資源を獲得する側面もあった。ワグネルが今後、政権の意向を離れて行動することも考えられ、プリゴジン氏自身が最終的にアフリカを拠点にするとの観測も根強い


2023.06.27-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230627-HCBKXART6BPDPHPVDNOE4JQEJ4/
プーチン氏、プリゴジン氏に激怒か 厳しい報復措置も

  ロシアで武装反乱を起こした露民間軍事会社「ワグネル」トップのプリゴジン氏が26日夕、自身の行為について「正当な抗議で、多くの国民に支持された」とする声明を発表した。プリゴジン氏は事実上、露国防省への対抗を続ける意思を示した形だ。プリゴジン氏の声明を受け、プーチン露大統領は同日夜に演説し、強い怒りをにじませた。プリゴジン氏に対して露政権側が厳しい報復措置に出る可能性も残されている。

  各国メディアは26日、プリゴジン氏が反乱収束から2日ぶりに声明を出したことを速報した。だが、タス通信やロシア通信といった露国営通信社は同日、プリゴジン氏による新たな声明発表を一切報じなかった。プーチン政権にとってプリゴジン氏の声明が予想外で、不都合だったことの表れといえる。
  プリゴジン氏は、対立してきたショイグ国防相やゲラシモフ参謀総長ら露軍上層部の刷新を求める意図から、「正義の行進」と称した反乱に着手したとみられる。しかし24日、プーチン露大統領から「裏切りの責任を取らせる」と厳しく非難され、同日中に「行進」の中止を表明した。
  ペスコフ露大統領報道官は24日、反乱を受け露軍上層部の更迭などは検討されなかったと説明。プリゴジン氏がロシアを離れベラルーシに行くとも説明した。さらにプリゴジン氏は24日以降、消息不明となり、拘束や軟禁された可能性も指摘されるなど、プリゴジン氏は表舞台から姿を消すとの見方が強かった。
  ところが、プリゴジン氏が26日に声明を出した上、従来と同様の露軍批判を展開したことで、こうした観測には疑義が深まった
  2014年に勃発したウクライナ東部紛争で親露派武装勢力を率いた露連邦保安局(FSB)元大佐のイーゴリ・ギルキン被告=マレーシア航空機撃墜事件の主犯格として露国外で訴追=も26日、プリゴジン氏の声明について「反乱の続行を訴えたものだ」と指摘しつつ、同氏が露国防省を批判する情報を発信できたことに「驚いた」と交流サイト(SNS)で述べた。
  プーチン氏は当初、プリゴジン氏のこれまでの功績を考慮し、刑事責任を免除してベラルーシで謹慎することで決着を図った可能性がある。しかし、プリゴジン氏がプーチン氏の意図に反したとすれば、プーチン氏が厳しい処罰に乗り出す可能性も否定できない


2023.06.27-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230627/k10014110181000.html
ワグネルのプリゴジン氏 SNSで新たなメッセージ 居場所は不明

  武装反乱を起こしたあと消息が分からなくなっていたロシアの民間軍事会社ワグネルの代表プリゴジン氏は、日本時間の26日夜、新たなメッセージをSNSで発表しました。部隊を撤退させた理由について、「ロシアで血は流したくなかった」などと述べましたが、発信した場所はわかっておらず、どこにいるかは依然として不明です

  プリゴジン氏は、日本時間の26日夜11時40分すぎ新たな音声メッセージをSNSで発表しました。この中で、武装反乱を起こしたもののその後、一転して部隊を撤退させた理由について、「モスクワまでおよそ200キロのところまで近づいた時、立ち止まった。多くの血が流されることは明らかだった」としたうえで、「ロシアで血は流したくなかった。われわれは抗議デモを行うつもりだった。政権転覆の意図はなかった」と述べ、流血の事態を避けるためだったと主張しました。
  一方で、「一日で780キロを移動した。ロシア国内の各都市を通過したとき、市民はロシア国旗とワグネルの旗を手に迎えてくれた」と述べ、自分たちは受け入れられていたと強調しました。
  プリゴジン氏がSNSに投稿するのは、日本時間の25日未明に部隊を引き返させるとする音声メッセージを発信したあと初めてです。
  ただ、発信した場所はわかっておらず、どこにいるかは依然として不明です。


2023.06.26-日刊スーポツ-https://www.nikkansports.com/general/news/202306260000218.html
プリゴジン氏めぐりロシアとベラルーシ首脳が協議、丸1日所在不明 米長官「深刻な亀裂」と指摘

  ロシアで武装反乱を起こし、首都モスクワに向かって進軍した民間軍事会社ワグネルの創設者エフゲニー・プリゴジン氏(62)が、進軍停止を表明後、1日以上も消息不明となった。ペスコフ大統領報道官は、プリゴジン氏は罪に問われず、同盟国ベラルーシに向かうと説明していた。事態は収拾に向かったが、動静などを巡って臆測も飛び交い、なお緊張が続いている。

  プリゴジン氏は25日午前2時半(日本時間)前にモスクワへの進軍停止を表明したのを最後に、頻繁に繰り返してきた発信が途絶えた。一時制圧した南部ロストフナドヌーの軍管区司令部から撤収する映像が報じられたが、その後は26日午後(日本時間)時点でも消息不明。プリゴジン氏の報道担当者はロシアメディアに、連絡が取れていないと認めていた。
  プーチン大統領とベラルーシのルカシェンコ大統領が電話会談し、プリゴジン氏の動向や処遇を巡って意見交換したとの情報もある。ロシアメディアは、検察当局者の話として、プリゴジン氏への捜査が続いていると報じた。
  ワグネルの存続についても不透明感が増している。ロシア下院の国防委員長はロシアメディアに、民間軍事会社を規制する法律は必要としつつ、「NATOやウクライナへのプレゼントになる」とし、ワグネルの活動を禁じる必要はないと主張した。
  一方、ロシア国防省は26日、ショイグ国防相が侵攻の前線指揮所を訪問したとする動画を公開した。訪問の日付は不明。プリゴジン氏はこれまで、ショイグ氏とゲラシモフ参謀総長を激しく非難。今回もショイグ氏の解任を要求したとされる。反乱の間、ショイグ氏の動静は途絶えていた。プーチン氏はプリゴジン氏の要求を拒否したのか-、この映像公開の意図も注目されている。
  ブリンケン米国務長官は、米メディアに対し、今回の反乱について、ロシア国内に「非常に深刻な亀裂が生じている」との見方を示した。プーチン氏が侵攻の失敗に加え、内憂も抱え込んだとし「ウクライナに一層有利になる」と述べた。


2023.06.25-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230625-JSLRJEN3NZMXPKN5LP54UEPSJA/
ワグネル撤収を発表 プリゴジン氏はベラルーシへ

  ロシアのプーチン政権に対して反乱を起こした露民間軍事会社「ワグネル」トップのプリゴジン氏は24日夜、流血の事態を回避するためとして、首都モスクワまで約200キロの距離に到達していたワグネル部隊を野営地に引き返させると交流サイト(SNS)で表明した。ウクライナに戻るとみられる。これに先立ち、露同盟国ベラルーシのルカシェンコ大統領がプリゴジン氏と会談し、ワグネル部隊の移動を停止させることで合意したと発表した。

  露タス通信は24日、露司法当局がプリゴジン氏への刑事訴追手続きを停止し、同氏はベラルーシに向かうと報じた。
  露メディアによると、ワグネル部隊は24日夜、占拠していた南部ロストフ州などから撤退を始めた。露正規軍との大規模な衝突が起きる事態は回避された。
  プリゴジン氏は、ウクライナ侵略を巡って対立を深めたショイグ国防相ら露軍上層部の刷新をプーチン大統領に求める意図で行動を起こしたとみられている。ただ、プーチン氏はプリゴジン氏の行為を「裏切り」だと非難し、「責任を問う」と表明。プリゴジン氏はプーチン氏の同意を取り付けるのは困難とみて蜂起を断念した可能性がある。
  プリゴジン氏は声明で「23日に『正義の行進』を開始して以来、ワグネル戦闘員に一滴の血も流れていない。だが、今は血が流れうるときが来ている」と述べ、ワグネル部隊の帰還は露軍との衝突を回避するための決定だと強調した。
  ベラルーシ国営ベルタ通信によると、プリゴジン氏との合意を受け、ルカシェンコ氏は24日夜、プーチン氏と電話会談を実施。プーチン氏はルカシェンコ氏の調停努力に謝意を示した。

  プーチン氏は同日午前にもルカシェンコ氏と電話会談しており、調停を依頼していた可能性がある。
  露タス通信によると、ペスコフ露大統領報道官は24日夜、露司法当局が開始していたプリゴジン氏に対する刑事訴追手続きについて「停止されるだろう」と表明。プーチン氏の決定として「プリゴジン氏はロシアを去り、ベラルーシに行くだろう」とも述べた。
  プリゴジン氏は23日、露軍がワグネルの野営地を攻撃し、多数の戦闘員を殺害したと非難。「露軍上層部を罰する。クーデターではなく正義の行進だ」とし、モスクワに向けてワグネル部隊を出発させた。ワグネルの前進を阻止しようとした露軍と局所的な戦闘が起き、24日までにワグネルは露軍のヘリコプター3機を撃墜したとされる。
  プリゴジン氏はワグネルを通じてウクライナ侵略に参戦し、東部ドネツク州バフムトの制圧を宣言した。ただ、露軍からの弾薬供給不足や軍事戦略を巡ってショイグ氏やゲラシモフ参謀総長ら露軍上層部をたびたび批判。露軍上層部もワグネルの影響力を排除する動きを進めており、双方の対立が深まっていた。


2023.06.25-Yahoo!Japanニュース(TBS NEWS DIG.)-https://news.yahoo.co.jp/articles/c66bb15f74f0903cede783318b9b589c1b474c2c
ワグネル・プリゴジン氏が一転…進軍→撤退 翻意の背景に何らかの“条件交渉”があったか

  プリゴジン氏が態度を一転した背景には何があるのでしょうか。 プリゴジン氏は24日、モスクワへの進軍停止を表明した際、「国防省側がワグネルを解体しようとした」と反乱の動機を語っていました。

  プリゴジン氏の翻意の背景には、自分たちの安全の保証だけでなく、何らかの条件交渉があったものとみられます。 ロシアの有力軍事ブロガーらは、プリゴジン氏が批判してきたショイグ国防相について、反乱の中で動静が不明だとして、今後、人事が行われるのではとの見方も示しています。
   一方、プーチン政権にとっては、反乱を防げなかったことで統制が効いていないことが露わとなった形で、ウクライナ侵攻を続けるにあたり大きな打撃になるとみられます。


2023.06.24-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230624-UWZ2DHR3QJJ6FLEEA4CJLZ3RTY/
露、動乱の時代に突入 反攻作戦と連動し流動化も 乱立する派閥、軍事会社

  ロシアの民間軍事会社(PMC)「ワグネル」のトップ、プリゴジン氏が起こした武装反乱は、ウクライナ侵略戦争で蹉跌(さてつ)をきたしているロシアが動乱の時代に突入したことを印象づける。プリゴジン氏の動きがどう帰着するかは予断を許さないが、強力な私兵部隊を持つ有力者が公然とプーチン政権に反旗を翻した影響は大きいウクライナの反攻作戦と連動し、露国内の情勢が流動化に向かう可能性もある。

  露南部ロストフ州などで部隊を進めたプリゴジン氏は、露国防省がプーチン大統領を欺いて侵略戦争を始めたと述べた。プーチン氏を名指しで批判することは避けつつも、プーチン氏が始めた侵略戦争の根幹にある「大義」を否定した。
  プリゴジン氏は「戦争はショイグ(国防相)が元帥になるために必要だった。(プーチン氏が侵攻の目的とした)ウクライナの非軍事化と非ナチス化に戦争は必要なかった」と断じた。
  プリゴジン氏は元来、ワグネルを使ってプーチン政権のハイブリッド戦争や「汚れ仕事」を水面下で担う黒子だった。ウクライナ侵攻後は、プリゴジン氏とワグネルが大手を振って行動するようになり、ウクライナ東部バフムトの激戦ではワグネルが囚人らを肉弾戦に大量投入した。
  プリゴジン氏は「政治的野心」(露観測筋)から、大量の犠牲を厭(いと)わずにバフムトで戦果をあげようと考えたようだ。しかし、バフムトの重要性については軍事専門家の間でも見解が分かれるところで、この頃から国防省とプリゴジン氏の確執が表面化した。
  プリゴジン氏は「弾薬を回さない」としてショイグ氏やゲラシモフ参謀総長を公然と罵倒するようになり、今日の武装反乱に至った。露軍内の不満分子がプリゴジン氏を支持しているとの見方もある。


2023.06.24-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230624-VLWLXTREEJJNRLIGV2LQYMO4WM/
プーチン氏、反逆のワグネル部隊全員を「処罰」

  ロシアの民間軍事会社ワグネルの部隊が露南部ロストフ州に入ったのを受け、ロシアのプーチン大統領は24日、テレビ演説を行い、「反逆者として武装反乱を準備し、テロリストの手段をとった者は全員が処罰される」と述べた。ワグネル創設者のプリゴジン氏やワグネル戦闘員に対して「犯罪行為」を中止するように呼び掛けたものだ。

  プーチン氏は、首都モスクワを含めて「反テロ」の備えを固めていると主張。ワグネル部隊が入ったロストフ州の州都ロストフナドヌーの状況を安定させるため「断固とした行動」に出ると語った。


2023.06.24-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20230624-5227CHCX3BOEZLNVRTG6P47EEE/
露、ワグネル創設者を捜査 「正義の行進」武装反乱呼びかけ疑い

  ロシアの国家テロ対策委員会は23日、民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン氏が「武装反乱を呼びかけた」疑いで、連邦保安局(FSB)が捜査に着手したと発表した。ロシア主要メディアが伝えた。プリゴジン氏は24日にかけて、ウクライナ侵攻に参加するワグネル部隊をロシア軍が攻撃したと主張し「反乱ではなく正義の行進」を行うと宣言。部隊をロシア南部ロストフ州入りさせたと明らかにした。

  プリゴジン氏はウクライナ東部で戦果を出す一方、国防省を激しく非難し対立。7月1日までに全ての義勇兵に軍との契約を求める命令にも従っていなかった。
  プリゴジン氏は通信アプリへの音声投稿で、ロシアのショイグ国防相がヘリコプターやミサイルでワグネル部隊に向けて攻撃させたと主張。「多くの兵士を殺した者たちは罰せられる」と訴え「軍指導部の悪の阻止」を呼びかけた。(共同)


2023.06.24-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230624-VRYJYIUDTRPYBN3FDI5Y2GKE4Y/
ワグネルが反乱か 正規軍と衝突の恐れ モスクワも警戒強化

  ウクライナ侵略にロシア軍側で参戦している露民間軍事会社「ワグネル」トップのプリゴジン氏は23日夜、交流サイト(SNS)を通じ、ワグネルの宿営地が露軍のミサイル攻撃を受け、多数の戦闘員が死亡したとする声明を発表した。その上で「露軍上層部がもたらす悪を止め、正義を回復すると決めた。戦闘員や何万もの露軍兵の命を奪った者は罰せられる。抵抗する者は破壊する。これは軍事クーデターではなく、正義の行進だ」と述べた。

  プリゴジン氏は具体的にどのような行動に出るかは明言していないものの、武力を背景に露軍上層部を刷新することを示唆した形。プリゴジン氏は24日未明、ウクライナとの国境に近い露南部ロストフ州に「ワグネル部隊が入った。われわれを止めようとする者は破壊する」と表明した。
  プリゴジン氏は宿営地への攻撃をショイグ露国防相が主導したと主張した。これに先立つ23日午前、プリゴジン氏は「プーチン露大統領をだまして戦争を始めさせた」とショイグ氏を非難する声明を出していた。
  プリゴジン氏を巡っては、以前からショイグ氏やゲラシモフ参謀総長ら露軍上層部との対立が指摘されており、ワグネル部隊と露正規軍の衝突に発展する可能性がある。一方で、プーチン氏が双方の仲裁に乗り出す可能性もある。
  タス通信によると、露国防省は23日、宿営地への攻撃を否定。露司法当局は、プリゴジン氏の声明が「武装蜂起」の呼び掛けに当たるとし、同氏に対する刑事訴追手続きを開始した。ペスコフ露大統領報道官は23日、プーチン氏が全ての状況に関して報告を受けていると明らかにした。
  また、首都モスクワでは警戒態勢が強化され、路上に装甲車両などが配備された。ロストフ州の州都ロストフナドヌーなどでも装甲車両などが配備された。
  ワグネルはウクライナ東部ドネツク州バフムトを巡る攻防で露軍側の主力を担当。プリゴジン氏は5月下旬、バフムト制圧が完了したとし、ワグネル部隊をバフムトから撤退させ、休養させると表明していた。


2023.06.24-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230624-TZMCT3OY5JJUNO7DA6CC3EJFWM/
「プーチンのコック」異名のプリゴジン氏 政権との蜜月から一転

  ロシアの民間軍事会社「ワグネル」トップのプリゴジン氏(62)露北西部レニングラード(現サンクトペテルブルク)出身で、1990年代に飲食業を通じて財界に進出した。2000年に同郷のプーチン氏が大統領に就任すると、政権主催の行事に料理を手配するケータリング事業を通じてプーチン氏に接近し、「プーチンのコック」との異名を取った。

  10年代にワグネルを創設し、14年に勃発したウクライナ東部紛争に戦闘員を派遣した。シリア内戦やリビア内戦にも部隊を送ったワグネル系組織は露諜報機関と連携し、国際的なサイバーテロ事件にも関与してきたとされる。
  ロシアでは雇い兵行為は違法だが、ワグネルは露政権との深い関係に加え、露軍の事実上の別動隊として他国の紛争に介入できる存在として、超法規的に活動を容認されてきたという。
  プリゴジン氏は22年2月のウクライナ侵略の開始以降、従来は否定してきたワグネルとの関係を認め、露軍の作戦を支えるための部隊を派遣してきた。


2023.06.21-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230621-LJKCNGB5VNO7NHBV2ESKX6ZFNM/
ロシア、犯罪者も正規軍に動員へ 法案成立の見通し

  ウクライナ侵略を続けるロシアの下院は20日、刑事訴追されている国民や受刑中の囚人が軍に動員されたり、軍と契約を結んだりした場合、除隊後などに刑を免除すると定めた法案を可決した。法案は今後、露上院での承認を経て、プーチン大統領の署名により近く成立する見通し。ロシアは犯罪者を軍に動員し、ウクライナ侵略で損耗した兵力を補う思惑だとみられる。

  法案によると、動員や軍人契約の対象となるのは、軽度~中程度の罪を犯した国民で、テロやスパイ行為など重大な罪を犯した国民は対象外となる。除隊後に加え、軍で褒章を受けた場合も刑が免除される。
  ロシアではこれまでも民間軍事会社「ワグネル」が囚人を勧誘。法的根拠が不明確なまま、刑免除を条件に戦場に送り込んでいた。だが、ロシアは正規軍の損耗拡大を背景に、軍への犯罪者の編入を合法化し、国民の反発を招いた昨年9月の「部分的動員」の再開を避けつつ兵力を確保する狙いだとみられる。
  囚人勧誘に関し、ワグネルトップのプリゴジン氏は今月18日、勧誘した囚人5万人のうち戦死を免れた3万人超が露国内に戻ったと交流サイト(SNS)で表明した。帰還後の囚人を巡っては、これまでも殺人などを犯した例が伝えられ、露国内では治安の悪化が懸念されているが、プリゴジン氏は「再犯率は通常の釈放後より圧倒的に低い」と主張した。
  一方、露国営メディアが「露軍のミサイル攻撃で重傷を負った」と報じていたウクライナ国防省情報総局のブダノフ局長は20日、地元テレビに出演し、露メディアの報道は「フェイク」だとし、自身は健在だと述べた。ウクライナのジャパロワ外務次官も同日、自身とブダノフ氏、松田邦紀・駐ウクライナ大使が並んで立つ写真をSNSに投稿し、「これは加工画像ではない。みな健在だ」と書き込んだ。
  露国営メディアは15日、露治安当局筋の話として、ブダノフ氏が負傷したとする記事を配信。ウクライナ側は当初からブダノフ氏の負傷を否定したが、これまで同氏の姿は公の場では確認されていなかった。


2023.06.10-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230610-JTNHZ3PW6VJDXI75PFWFO62ODM/
米 ロシアのイラン製ドローン調達経路を公表 来年には露国内で工場稼働か

  【ワシントン=坂本一之】バイデン米政権は9日、ロシアがイランからウクライナ攻撃に使うドローン(無人機)数百機を受け取っていると指摘し、具体的な調達経路を公表した。
  イランの首都テヘランで製造されたドローンはカスピ海に面するアミラバードから、ロシア南部のマハチカラに海上輸送される。その後、ウクライナの北部と東部に近いロシア領内の各拠点に運ばれ、首都キーウ(キエフ)への攻撃に使われているという。

  米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は9日、「ロシアはここ数週間、キーウへの攻撃にイラン製ドローンを使っている」と指摘。イランが「ロシアの残虐な戦争」を支援しているとして、両国の軍事協力拡大を非難した。
  またカービー氏は、ロシアとイランが露国内でのドローン製造でも協力していると批判。ロシアはドローン製造工場に必要な資材をイランから受け取っており、来年初めに工場が本格稼働する可能性があるとしている。工場はモスクワ東方の経済特別区にあり、衛星写真も公表した。
  ロシアによるイラン製ドローンの調達は、国連安全保障理事会決議に違反しているとも指摘。ドローンを含むイラン製兵器のロシア移転に関する制裁を継続していくと強調した。


2023.06.10-Yahoo!Japanニュース(TBS NEWS DIG.)-https://news.yahoo.co.jp/articles/4f932e44a2ba7777dc3fb4975f469872076ccce8
追い詰められるロシア 総動員しないのは戦場に送る武器と食料がないから…【報道1930】
(BS-TBS 『報道1930』 6月5日放送より)TBS NEWS DIG Powered by JNN
(1)
■「ロシア軍の兵器の配備状況は本来配備すべき数の50~60%程度だ」
  ロシアが総動員をかけたら兵士の数では圧倒的になる…これまではそうみられてきた。そしてロシアが総動員を躊躇している理由は、前回の部分動員でのロシア国内での動揺と反発が大きかったことが原因と言われてきた。
  だが、それだけではないようだ。番組がインタビューしたゼレンスキー大統領の“最側近”のひとりは『ロシアが総動員しないのは兵士を増やしても武器がないからだ』と語る。特に戦車不足は深刻だという…。 【写真を見る】追い詰められるロシア 総動員しないのは戦場に送る武器と食料がないから…【報道1930】
  元ウクライナ大統領府長官顧問 アレストビッチ氏 「侵略が始まったときロシア軍は3400両の戦車を投入した。だが今、我々が破壊したり戦利品にした戦車の数はそれよりも多い。
  ロシア軍の兵器の配備状況は本来配備すべき数の50~60%程度だ。つまり本来は31両の戦車を有する戦車旅団に12~15両の戦車しかない。こちらが戦車を標的にしているので戦車が不足しているのだ」 ロシアの戦車被害は3848両とされる。もちろん被害は戦車だけではない。
  ロシア軍の被害(6月5日まで) 兵の死傷者数…21万350人 装甲戦闘車…7523台 燃料タンク車両…6312台 大砲システム…3567基 あくまでもウクライナ参謀本部発表の数字だが、尋常な数ではない。

  朝日新聞 駒木明義 論説委員 「(ロシアの兵器製造)能力がかなり衰えているのは確かなようです。戦車にしても月に1台しか生産できないとか…。半導体が手に入らないから、そういう状況に陥ってる…」
  英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)日本特別代表 秋元千明氏 「イギリス国防省の発表を聞いても、動員して人を集めてもそこに十分に行き渡らせるだけの武器が無いと。自動小銃にしても古い錆びついたようなものを渡すしかなくなりつつある。動員だけしても戦争はできない。武器が無ければ…。ミサイルの生産能力もかなり落ちていて、私が聞いたところでは巡航ミサイル『Kh‐101』ってやつは月産29発。船から発射する『カリブル』っていう巡航ミサイル、これが月に15発しか生産できない。実際にロシアが発射したミサイルの部品を拾って見てみると登録ナンバーがあっていつ作ったやつかわかるんですが、基本的に直近に作ったやつをすぐに使ってる。大規模な兵器に関してはかなり生産能力が落ちている」
(2)
■「アメリカ軍は、コンパクトレーションが充実しているから強い」
  ロシアが動員をかけられない、兵士を増やせない理由として、兵器の不足以外にアレストビッチ氏は意外な点を指摘した。
   元ウクライナ大統領府長官顧問 アレストビッチ氏 「ロシアの中国への要請の中に“30万人分の食料(軍用食料キット)”という項目があった。これは兵士のための食料すらないということ。兵士のための食料はスーパーでは買えない。軍人専用のものが必要だ。
  ロシアは2024年2月までに大規模な作戦を行う能力を失うと思う」 食料については兵站の補給路の問題は語られてきたが、兵士の食べるものが足りないことなどこれまで話題に上がることはなかった。
  だが、戦争が長引く中で確かに最重要課題かもしれない。 国際情報誌『フォーサイト』元編集長 堤伸輔氏 「例えば戦車が無い、あるいは銃が無い…、これは確かに戦力に関わるわけですが…。食料というのは、兵士という名の武器を動かす燃料なわけです。
  戦場でコンパクトレーションというんですけれど兵士用の食料というのは最も重要。アメリカ軍なんかは、コンパクトレーションが充実してるから強いといわれる。例えば、保存性が高くなければいけない、カロリーが高くなければいけない。必ずチョコレートなんかも入ってる。国によっては嗜好品も届けていて、例えばイタリアなんかはワインが入ってる。暑い時期でもすぐには悪くならない、それで美味しい…。 なのでロシアが食品製造業を転換してコンパクトレーションを作らせようとしても簡単にはできない」
   アレストビッチ氏は2024年2月にロシアが大規模作戦能力を失うと期限を明言したが、その意味は… 朝日新聞 駒木明義 論説委員 「”2月までに”っていうのは政治的な発言だと思います。2024年3月にロシアの大統領選があるので、“そこまで持たないよ”って言いたい気持ちが伺えました…」
■「49か国に対し、初めての全面取材禁止」
  5月25日にモスクワで旧ソ連構成国が集まって開かれた「ユーラシア経済同盟首脳会議」。そこでプーチン氏の言葉を遮り、アルメニアとアゼルバイジャンが領土を巡り罵り合った。かつてロシアでは考えれられない光景だった。
  プーチン氏の威光の揺らぎはこれだけではない。アルメニアの首相は6月2日にチェコのテレビ局のインタビューに「ウクライナとの戦争において我々はロシアの同盟国ではない」と明言するほどだ。さらにプーチン氏を尻目に、アルメニアとアゼルバイジャンの中を取り持つ役目として西側が動き、ゼレンスキー大統領はアゼルバイジャンの大統領と首脳会談を行う…。このところプーチン氏の株が下がってきているように見えるのだ
(3)
  ロシアの弱体化…さらに最近こんなことも…。 毎年年1回開かれる『サンクトペテルブルク国際経済フォーラム』。これは1997年から開催され、ロシア版ダボス会議ともいうべきもので、ロシアの友好国や経済的結びつきが強い国が参加してきた。
  2018年には当時の安倍総理も参加している。そしてウクライナ侵攻後も取材は自由だった。去年は西側メディアもいる前で「西側の制裁は失敗だ」とプーチン氏は胸を張った。
  ところが、今年は非友好国のメディアに取材許可は出さないとした。対ロ制裁を科している欧米、日本など49か国に対し、初めての全面取材禁止だ。
  朝日新聞 駒木明義 論説委員 「これ非常にバタバタなんです。私も取材記者登録したんですが、1回は許可が出たんです。で、わずか1日後に”やっぱり駄目です”って。最初私個人が出入り禁止なんだと思ったんですけど、すぐ報道が出て、ペスコフ大統領報道官が、今回はそういう決定をしたと…。
  経緯から見ても非常に切羽詰まって対応した。反転攻勢は切迫する中、会期と重なってしまう。そんな時に欧米の記者をいてるのはまずいと…」 アレストビッチ氏が言うように来年2月に戦争の行方がウクライナに傾いていたとすればプーチン氏の大統領再選はかなり厳しくなる。今回の措置は、兵器や食料の足りなさだけでなくプーチン氏の精神にも余裕がなくなっていることの証左なのかもしれない。
(BS-TBS 『報道1930』 6月5日放送より)TBS NEWS DIG Powered by JNN
















2023.06.06-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230606-SBZGCVFFDVJ5ZPHWT4ZWTFQ4SE/
ロシア人義勇兵組織、露西部の集落を制圧か

  ウクライナ侵略を続けるロシアのプーチン政権の打倒を掲げ、ウクライナ軍と共闘しているロシア人義勇兵組織「ロシア義勇兵軍団」は5日、露西部ベルゴロド州の集落ノーバヤタボルジャンカを支配下に置いたと交流サイト(SNS)で発表した。

  国営ロシア通信によると、同州のグラトコフ知事も同日、「われわれは現在、ノーバヤタボルジャンカに入れない」と述べ、集落の支配権を失ったことを暗に認めた。ロシア人義勇兵組織はこれまでに同州への越境攻撃を複数回にわたり実施。4日にも越境作戦を行い、複数の露軍兵を捕虜にしたと発表した。
  一方、露国防省は5日、「ノーバヤタボルジャンカへの越境攻撃を撃退した」と発表しており、ロシア人義勇兵組織は露国防省の主張に反論した形。ロシア人義勇兵組織の越境作戦は、露軍部隊を露本土防衛にも分散させ、ウクライナ軍の反攻作戦を容易にすることを目的としたウクライナ軍との共同作戦だとの見方が強い。
  また、ロシア人義勇兵組織とウクライナ国防省情報総局は5日、ノーバヤタボルジャンカでの戦闘で露軍の現地部隊の上級将校を戦死させたとも発表した。


2023.06.04-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230605/k10014089871000.html
ロシア ナワリヌイ氏釈放求める抗議活動 24都市で 100人超拘束

  ロシアでプーチン政権を批判する急先ぽうとして知られ、刑務所に収監されている反体制派の指導者、アレクセイ・ナワリヌイ氏釈放を求める抗議活動が国内各地で行われ、100人を超す支持者が拘束されました。

  抗議活動は4日、ナワリヌイ氏の47歳の誕生日にあわせて、支持組織の呼びかけで行われました。支持者らは「ナワリヌイ氏に自由を」などと書かれた紙を手に釈放を訴えましたが、治安部隊に次々と拘束され、ロシアの人権団体によりますと、日本時間の5日6時の時点で首都モスクワなど24の都市で、あわせて100人以上が拘束されたということです。
  ナワリヌイ氏は4日、SNSで「ロシアで真実を語り、正義を貫くことが当たり前のこととして危険でなくなる日が必ず来る」と訴え、政権側の抑圧とたたかう姿勢を改めて示しました。
  ナワリヌイ氏はプーチン政権を批判する急先ぽうとして若者たちを中心に一定の支持を集め、おととし過去の経済事件を理由に逮捕され刑務所に収監されたあとも政権批判を続けています。
  また、ウクライナ侵攻を繰り返し非難しロシア軍の即時撤退と政権交代の必要性を強く訴えていて、プーチン政権はナワリヌイ氏への支持の広がりに神経をとがらせているものとみられます。


2023.05.30-中日新聞-https://www.chunichi.co.jp/article/699668
モスクワに無人機攻撃か 住宅損傷、迎撃で爆発音も

  ロシアの首都モスクワのソビャニン市長は30日、同日朝に複数の住宅に無人機(ドローン)攻撃があり、複数の建物が損傷したと通信アプリで明らかにしたどこから飛来したのかなど詳細は不明だが、ウクライナによる攻撃の可能性がある。付近住民を避難させ、当局が調査している。

  ソビャニン氏は重傷者はいないとしており、住民に平静を呼びかけた。負傷者が出ているとの情報もある。
  首都郊外のモスクワ州のボロビヨフ知事も通信アプリで、州内で複数の爆発音が聞こえたのは数機の無人機を迎撃したためだと説明し、落ち着いて行動するよう求めた。


2023.05.25-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20230525-3OJWLIAZ65I6HKR7IEUSIKDKKQ/
ワグネル「バフムト撤退」 ロシア軍に陣地引き継ぎ

  ロシア民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン氏は25日、ロシアが制圧を発表したウクライナ東部ドネツク州の激戦地バフムトから撤退を始めたとする動画を通信アプリに投稿した。真偽は不明。プリゴジン氏は、全ての陣地をロシア軍に引き継ぐとした。ただ、軍に困難が生じるようなら、一部部隊を残すと述べた。

  また、ワグネル部隊は6月1日までに前線から完全撤退し、休養して部隊を再編した上で新たな任務に就くことになるとも説明した。
  一方、プリゴジン氏は25日までのインタビューで、バフムトでワグネル部隊の約2万人が戦死したと表明した。1979年から約10年間続いたアフガニスタン侵攻では旧ソ連側で約1万5千人が戦死したとされており、事実ならこれを上回る犠牲を出したことになる。(共同)


2023.05.24-zaqzaq by 夕刊フジ-https://www.zakzak.co.jp/article/20230524-3AR5L3UOQJJF5BGAH7XWVX6JLE/
〝打倒プーチン〟ロシア人義勇兵が反乱! 祖国と戦う4000人がウクライナ軍と共闘「ウクライナの勝利とロシアの自由のため戦う」

(1)
  ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に対し、ロシア人義勇兵による「反乱」が起きている。プーチン政権の打倒を掲げ、ウクライナ側でロシア軍と戦うロシア人義勇兵団体が22日、通信アプリに、ウクライナと国境を接するロシア西部ベルゴロド州の一部を「解放した」と投稿したのだ。報道によると、ロシア人義勇兵は約4000人で、3つの部隊が存在している。ロシア人のプーチンへの抵抗はついに、「戦闘」という形にまで発展した。

  ロシア主要メディアは、ベルゴロド州に22日、ウクライナの破壊工作グループが侵入し、国境付近の町で住宅や工場など数カ所を銃撃したと伝えた。これに対し、ロシア軍や連邦保安局(FSB)が合同で掃討作戦を実施したとされている。
  英国防省の分析によると、19日から22日にかけて、ベルゴロド州内の少なくとも3カ所でロシアの治安部隊と破壊工作グループが衝突した可能性が非常に高いという。グループについては「正体は確認されていないが、ロシアの反体制派が実行を主張している」と説明した。
  ベルゴロド州での交戦について、ウクライナ政府は「状況を注視しているが、ウクライナは関係ない」と関与を否定している。ただ、「解放した」と宣言したのは、ウクライナサイドに立ってロシア軍と戦うロシア人義勇兵団体「自由ロシア軍」と「ロシア義勇軍」だった。
(2)
  ウォロディミル・ゼレンスキー大統領率いるウクライナが今後、ロシアへの大規模反攻に出る見込みのなか、祖国との戦闘という形で「反プーチン」の姿勢を示す義勇兵団体はどんな存在なのか。
  24日付の産経新聞は、義勇兵らの取りまとめ役とされるロシアの元下院議員、イリヤ・ポノマリョフ氏への取材をもとにロシア人義勇兵団体の詳細を伝えている。
  ポノマリョフ氏によると、義勇兵は約4000人おり、「自由ロシア軍」「ロシア義勇軍」「国民共和国軍」の3団体が存在する。3団体は昨年8月末、キーウ近郊のイルピンで、ウクライナ軍と共闘するとの宣言に署名。宣言では「ウクライナは勝たなければならない。プーチン政権を崩壊させる」とうたった。
  ロシア軍兵士が自軍の略奪や性犯罪といった戦争犯罪に嫌気がさしたり、もともとウクライナにいたロシア人が義憤にかられたりして、義勇兵になるケースが多いという。ポノマリョフ氏は「ウクライナの勝利とロシアの自由のため、ロシア人部隊は全力で戦う」と語っており、今後さらに義勇兵団体の動向が注目されそうだ。


2023.05.12-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20230512-CVCFP7HQHFJR7OA7QONQES5QKI/
ロシア軍、受刑者の活用強化 強制動員の回避狙いか

  英国防省は11日、ロシア国防省が今年に入りウクライナでの戦闘要員として受刑者の活用を強化し、4月だけで最大1万人が入隊契約をしたとみられるとの分析を明らかにした。国民に不人気な強制的動員の導入を回避しながら、兵力を増強する取り組みの一環との見方を示した。

  英国防省によると、昨年夏以降、受刑者はロシアの民間軍事会社「ワグネル」がウクライナでの作戦を拡大するために重要になっていた。だがワグネルとロシア国防省との確執が表面化した今年2月から、ワグネルは受刑者を取り込めなくなった可能性が高いという。(共同)


2023.05.09-AFP BB News-https://www.afpbb.com/articles/-/3463080
ロシア、キルギスの軍事施設「開発」へ

  【5月9日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は8日、首都モスクワを訪問した中央アジア・キルギスサディル・ジャパロフ大統領会談し、キルギス国内のロシア軍事施設を「開発」することで合意した。ロシア大統領府が発表した。

  ロシアは、旧ソ連圏の同盟国であるキルギスの国内に空軍基地や海軍施設などを保有している。ジャパロフ氏は、9日にモスクワで予定されている対ドイツ戦勝記念日の軍事パレードに出席する予定。(c)AFP


2023.05.08-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230508-FGO2SVV4PNMX5MZL4VFQWMEVHE/
ロシア、軍事パレード中止で損耗隠蔽か 9日に対独戦勝記念日

  ロシアは9日、第二次大戦の対ドイツ戦勝記念日を迎える。ウクライナ侵略を続ける中、首都モスクワなど各地で行われる恒例の軍事パレードは今年、少なくとも20都市以上で中止が決定されたと伝えられる。3日に起きたクレムリン(露大統領府)への無人機攻撃などを踏まえた安全対策が理由とされる一方、侵略による人員や兵器の損耗を隠すためだとの見方も出ている。
  プーチン大統領は当日、モスクワで行われる式典で演説する予定。軍事パレードとともに国民の愛国心を鼓舞し、団結を内外に誇示する機会としたい思惑だ。
  ショイグ国防相が3月に説明したところでは、モスクワ中心部の「赤の広場」での軍事パレードには軍人1万人超と戦車など125の地上兵器が参加する予定だ。将兵1万2千人と190の兵器が参加したウクライナ侵略前の2021年より小規模だが、昨年とはほぼ同じ規模となる。
  ただ、例年は事前にパレードに加わる兵器が発表されるが、今年は7日時点でも明らかにされていない。航空部隊の参加の有無も公表されていない
  軍事パレードについてショイグ氏は3月時点で、22年と同数の「28都市」で実施すると表明していた。しかし露独立系メディア「ビョルストカ」は今月3日、4月下旬~5月上旬に少なくとも21都市でパレードの中止が決定されたと伝えた。ロシアが実効支配するウクライナ南部クリミア半島や同国国境に近い都市だけではなく、国境から数千キロ離れた複数の都市も含まれるという。
  米シンクタンク「戦争研究所」は4日、各地での軍事パレード中止について、「安全対策」を名目にウクライナ侵略による露軍戦力の損耗を覆い隠そうとしている可能性が高いと指摘。自作自演説が指摘されるクレムリンへの無人機攻撃も、パレード中止を正当化する口実と分析する。

  今年は、第二次大戦に従軍した親族の遺影を掲げて各地の市民が行進する政権側主導の行事「不滅の連隊」の開催も見送られた
  戦争研究所は行進の中止に関して「ウクライナ侵略での戦死者の遺影を掲げて多数の市民が行進し、ロシア社会に反戦機運が高まる事態を政権が危惧していることの表れだろう」と分析。英国防省も6日、ウクライナ侵略への抗議の場となることを警戒して「不滅の連隊」を中止した可能性があると指摘した。


2023.05.08-REUTERS-https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-idJPKBN2WY0EJ
ワグネル、バフムト撤退方針転換か 「武器供給約束された」

  [7日 ロイター] - ロシア民間軍事会社ワグネル創設者のエフゲニー・プリゴジン氏は7日、ロシア政府がさらなる武器供給を約束したとして、ウクライナ東部ドネツク州の要衝バフムトからの撤退方針を転換し攻撃を継続する可能性を示唆した。

  ワグネルはロシアによるバフムトでの攻撃を主導してきたが、プリゴジン氏は5日、弾薬が不足し「無駄で不当な」損失を被っているとして、10日に部隊をバフムトから撤退させると表明していた。
  しかし、7日にテレグラムに投稿された音声メッセージでは「われわれはさらなる作戦を継続するために必要なだけの弾薬と武器を約束されている。敵がわれわれを(物資から)遮断するのを防ぐのに必要なもの全ての配備が約束されている」と述べた。
  ロシア国防省報道官はコメント要請に応じていない。
  ウクライナ東部軍の広報担当官、セルヒー・チェレバティ氏はプリゴジン氏の発言に関するロイターの質問に対し、ロシアの部隊は「十分すぎるほど」弾薬を持っていると指摘。プリゴジン氏の発言はワグネルがかなり多くの兵力を投入して受けた大きな損失から目をそらさせるのが狙いだと述べた。


2023.05.06-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230506-EDFW73YU3FNYNMAKU67Q2DKEZU/
露民族派の車爆発、運転手死亡 当局「ウクライナのテロ」

  ロシアの民族派政治活動家で作家、ザハル・プリレピン氏の乗った乗用車が6日、露西部ニジニノブゴロド州で爆発した。この爆発で運転手が死亡。プリレピン氏も負傷したが、命に別条はないという。露捜査当局は同日、爆発に関与した疑いで男を拘束した。タス通信が伝えた。

  露捜査当局は車に爆発物が仕掛けられていたとし、テロ事件として捜査を開始した。プレリピン氏はロシアによるウクライナ侵略を支持していた。メドベージェフ露国家安全保障会議副議長やザハロワ露外務省報道官は同日、爆発について「ウクライナ側によるテロだ」と一方的に主張した。
  露国内では昨年8月、民族派思想家、ドゥーギン氏の娘が車の爆発で死亡。今年4月にも軍事ブロガー、フォミン氏がカフェでの爆発で死亡した。ロシアは両事件ともウクライナが主導したと主張している。


2023.05.05-朝日新聞-https://www.asahi.com/articles/ASR4X0G2XR4WUHBI03J.html
ロシアがモスクワなど約40の地域でドローン飛行を禁止

  ロシアの首都・モスクワの中心部クレムリンに、ウクライナのドローン2機が攻撃を試みたが墜落したと、ロシア大統領府が発表しました。

  プーチン大統領の暗殺を狙ったと主張しています。プーチン氏は不在で、けが人もいなかったといいます。ただし、ウクライナ側は、攻撃に関与したことを否定しています


2023.05.04-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/681b226c3c345baa7b3da52396fed5a8a3c73049
「無人機攻撃」は露の自作自演か 反体制勢力が関与との見方も

  ロシア大統領府が所在する首都モスクワ中心部の宮殿クレムリンへの「無人機攻撃」について、プーチン露政権はウクライナが攻撃を試みたと主張している。この「攻撃」を巡っては、ウクライナ侵略を正当化するためのロシアの自作自演だとする見方も出ているほか、露反体制派勢力が関与した可能性も指摘されるなど、ロシアの主張の信憑(しんぴょう)性には疑問も呈されている。

  ウクライナのゲラシチェンコ内相顧問は3日、無人機がクレムリンの建物上で爆発した瞬間を撮影したとされる動画内で、建物の屋根に2人の人物が映っていると指摘。「爆発が起きる前なのに、なぜ彼らは屋根に登っているのか」と疑問を呈した。
  無人機攻撃はロシアの自作自演だとする考えを示唆した形だ。 一方で、ロシアはクレムリンが無人機2機による攻撃を受けたとしており、この動画は時間的に2機目の攻撃を撮影したもので、映っている2人は1機目の攻撃後に状況を確認するため屋根に登った可能性があるとも指摘されている。別の観点から自作自演説を疑う声もある。
  仮にウクライナの攻撃であれば、無人機は両国国境から約500キロ先のクレムリンまで撃墜されずに飛行したことになる。米シンクタンク「戦争研究所」は3日、「ロシアはモスクワを含めた国内に強固な防空体制を敷いており、クレムリンへの無人機攻撃は容易ではない」と指摘。露国内でウクライナへの敵意をあおるためロシアが攻撃を「演出」した可能性があるとした。
  自作自演でない場合でも、モスクワに近い露国内から何者かが無人機を発射した可能性が指摘されている。
  露独立系メディア「SOTA」は3日、反プーチン政権派の元露下院議員で、現在は露国外に滞在しているポノマリョフ氏が「詳細は明かせないが、攻撃には自分の知っている組織が関与している」と明かしたと報道。
  SOTAは、実在は確認されていないものの反プーチン政権派の地下組織とされる「国民共和国軍」にも言及し、露国内の反体制派組織が攻撃に関与した可能性を示唆した。 米CNNテレビは4日、ポノマリョフ氏がインタビューに対し、「攻撃は露国内のパルチザンが実行した」と述べたと伝えた。


2023.05.03-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230503-DQ4QOV7YV5O3NOQB267FHRVP54/
露「大統領府に無人機攻撃」主張 ウクライナは関与否定

  ロシア大統領府は3日、同日未明に首都モスクワ中心部の宮殿クレムリンを狙ってウクライナが無人機2機で攻撃したが、露軍が阻止したと主張する発表を行った。同所には大統領府がある。付近に無人機の破片が落下したが、死傷者はなかったとしている。露大統領府は「プーチン大統領の命を狙った計画的なテロ行為だ」とした上で、「ロシアは必要な時期と場所で報復措置をとる権利を留保する」と表明した。

  インターネット上で、飛来した無人機がクレムリン上空で爆発した様子を撮影したとする動画が拡散したが、真偽は不明。
  ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は3日、「キーウ(キエフ)は無関係だ」と関与を否定した。自身のツイッターでも「ウクライナは防衛戦の最中で露国内を攻撃していない。クレムリン上空をウクライナの無人機が飛ぶことはない」と強調。露反体制勢力の関与や、ウクライナ民間人への攻撃を正当化するためロシアが攻撃を捏造(ねつぞう)した可能性を指摘した。
  ウクライナ当局は、キーウなど複数の地域で空襲警報を発令し、シェルターへの避難を呼びかけた。ロシアが今後、報復を口実にウクライナ国内へのミサイル攻撃などを激化させる恐れがある。
  一方、露南部クラスノダール地方のコンドラチェフ知事は3日、州内の燃料タンクで火災が発生したと交流サイト(SNS)上で発表した。タス通信は「燃料タンクが無人機攻撃を受けた」とする緊急事態当局者の話を伝えた。
  4月29日には、ロシアの実効支配下にあるウクライナ南部クリミア半島セバストポリでも燃料タンクの火災が発生。ロシア側は無人機攻撃だと主張し、ウクライナ側も自身が攻撃したことを事実上認めた


2023.04.22-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20230422-7ZCS3BANZNO7ZM466PRQLUPK24/
露、独の反戦感情高める 支援抑制へ政治介入か

  米紙ワシントン・ポスト電子版は21日、ロシア政府がドイツ国内の反戦感情を高めウクライナへの支援を抑え込むための工作をしていたと報じた。欧州の情報機関が入手したロシア関連文書に基づく情報で、ドイツへの直接的な政治介入の試みだと指摘した。

  ドイツを含む北大西洋条約機構(NATO)は、ロシアが侵攻するウクライナへの軍事支援の中心を担っている。ロシアはドイツの世論に働きかけることで対ロ包囲網の切り崩しを狙ったとみられる。
  文書によると、ロシア政府の指示を受けた政治戦略家は、ドイツの右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」と左派党が「反戦連合」を結成するよう仕向けていた。ウクライナ支援を続けるドイツ政府に反対する過激な右派と左派の抗議活動も支援していた。
  同紙の取材によると、AfDの複数の政治家や左派党の関係者がロシア政府当局者と接触していたという。文書にはロシア側とドイツの両政党とのやりとりは記されていなかった。(共同)


2023.04.15-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230415-BOXHFLN7LVM7XHNLJHYYJYBFJ4/
ワグネルトップ「停戦すべき時が来た」 露軍の敗北にも言及

  ロシアによるウクライナ侵略で、露軍側で参戦している露民間軍事会社「ワグネル」トップのプリゴジン氏は14日、「プーチン政権は軍事作戦の終了を宣言すべき時だ」とする声明を交流サイト(SNS)上で発表した。同氏はまた、露軍は「東部ドネツク州全域の制圧」とする主目標を達成できそうもない上、ウクライナ軍の反攻で敗北する可能性があるとも警告した。

  ワグネルの部隊は最激戦地の東部ドネツク州バフムトを巡る攻防で露軍側の主力を担当。プリゴジン氏は、露軍側の戦力低下を認識し、作戦の終結を求めた可能性がある。ただ、プーチン政権は「軍事作戦は目標達成まで続ける」としており、現時点で停戦に動く可能性は低いとみられる。
  プリゴジン氏は声明で、ロシアはウクライナ領の重要地域を占領し、露本土と実効支配するクリミア半島を結ぶ陸路も確保するなど十分な「戦果」を達成したと指摘。侵攻開始から1年に当たる今年2月24日時点の前線を停戦ラインとすべきだと主張した。停戦しない場合、露軍はウクライナ軍の反攻で占領地域を奪還され、威信も失う恐れがあると指摘。「ウクライナはかつてロシアの一部だったかもしれないが、今は国民国家だ」とも述べ、「ウクライナはロシアの一部だ」とするプーチン露大統領の持論に暗に異を唱えた。
  一方、ドネツク州のキリレンコ知事は14日、同州の中心都市スラビャンスクの集合住宅などに露軍のミサイルが着弾し、2歳の子供を含む民間人8人が死亡したと交流サイト(SNS)上で発表した。ウクライナのゼレンスキー大統領は「邪悪な国家が再びその本性を表した」と非難。「ウクライナは国内にロシアの痕跡を一つも残さない。全ての敵を罰さずにはおかない」と表明した。


2023.04.12-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230412-7QCBJ3AZYVPRRJMB6EPWPPW7KY/
露、徴兵令状を電子化 対象者の出国も禁止 「再動員の準備」観測も

  ロシア下院は11日、従来は紙面で徴兵対象者に直接交付されていた招集令状を電子形式や郵送形式でも交付できるようにするとともに、令状を交付された国民の出国を禁止する一連の法改正案を可決した。これを受け、露上院も12日に法案審議を開始するが、可決は確実。法案はその後、プーチン大統領の署名を経て施行される見通しだ。

  ウクライナ侵略での露軍の苦戦を背景に、プーチン氏が昨年9月、30万人規模の予備役を招集する「部分的動員」を発動した際は、令状の受け取りを避けようと行方をくらましたり、国外に脱出したりする動きが露国民の間で広がった。政権側は法改正でこうした事態を防ぐ思惑とみられる
  徴兵制を採用しているロシアでは、徴兵は成人男性の義務とされており、今回の法改正も「徴兵作業の円滑化」が目的だと説明されている。しかし、国内には「追加の動員に向けた準備ではないか」との観測が拡散。ペスコフ露大統領報道官は11日、「追加動員の予定はない」とし、国民の疑念の打ち消しを図った。
  タス通信によると、法改正により、招集令状は対象者の自宅への郵送や露政府サイト上の国民各自のページへの送付が可能になる。郵送や電子送付がなされた時点で令状は交付されたとみなされ、徴兵当局に出頭するまで出国が認められなくなる。交付から一定期間内に出頭しない場合、自動車の運転や不動産登記、ローンの借り入れなどが認められなくなる。


2023.04.11-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230411-KPUP4K4NGBNPJJJYQQO2BKZENA/
露軍、バフムトで焦土作戦 精鋭も投入 ウクライナ軍発表

  ロシアによるウクライナ侵略で、激戦が続く東部ドネツク州バフムトの戦況について、ウクライナ軍東部方面部隊の高官は10日、露軍が現在、苦戦を打開するためにシリア内戦で使用したのと同じ空爆と砲撃で都市を焦土化させる戦術を展開しているほか、精鋭の特殊部隊や空挺(くうてい)部隊も投入していると明らかにした。その上で「状況は困難だが、制御されている」とし、同市の早期陥落を否定した。ウクライナメディアが伝えた。

  一方、ドネツク州の親露派武装勢力トップ、プシリン氏は10日、バフムトを訪問し、市中心部で撮影したとする動画を交流サイト(SNS)に投稿。「都市の解放が続いている」と述べた。
  プシリン氏は同日、露国営テレビにも出演。露軍が市の4分の3を支配下に置いたと主張した上で「(ウクライナ軍が保持する)市内西部で激しい戦いが続いている」と指摘した。
  バフムトでは昨年夏ごろから戦闘が激化。露軍はバフムトを掌握し、全域の制圧を狙うドネツク州の中心部方面への進出路を確保したい考えウクライナはバフムトで露軍を足止めして損耗させた上で、反攻に転じる方針を示している。


2023.04.03-Rakuten inhoseek News(時事通信社)-https://news.infoseek.co.jp/article/230403jijiX451/?tpgnr=world
カフェ爆発、女を拘束=「ウクライナと反体制派の仕業」―ロシア発表

  ロシア第2の都市サンクトペテルブルクで2日に起きたカフェ爆発事件で、治安当局は3日、死亡した軍事ブロガーに「プレゼント」と称して爆発物を渡した疑いで、女を拘束したと発表した。

  軍事ブロガーは、ロシアが侵攻するウクライナ東部で活動。プーチン政権や民間軍事会社「ワグネル」を支持し、カフェでイベントを開いていた。
  治安当局は声明で、「ウクライナ情報機関が計画した上で(反体制派指導者)アレクセイ・ナワリヌイ氏率いる反汚職基金の協力者と共に実行した」と主張した。ウクライナ政府高官とナワリヌイ氏の側近は関与を否定している。 [時事通信社]


2023.04.01-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230401-2PIIPOSYWZNHROSMPVB5SMH3SE/
露、外交文書を7年ぶり更新 「米欧敵視」前面

  ロシアのプーチン大統領は3月31日、外交の基本方針を定めた文書「露外交政策の概念」を更新する大統領令に署名した。この文書の更新は2016年以来、7年ぶり。ウクライナ侵略で米欧との関係が決定的に悪化したのを受け、米欧との対決姿勢を鮮明にした。「米欧諸国による反露政策の打破」「非欧米諸国との連携強化」などを前面に打ち出している。

  文書は、アジアやアフリカ諸国などの台頭により、世界が米欧中心でない「多極的世界」に移行しつつあると指摘。しかし、既存の国際秩序維持を望む米欧が現実を受け入れようとせず、このことが「世界に破壊的な影響」を与えているという。
  文書によれば、米欧はロシアについて、自らの覇権に抵抗する存在と考えている。そこで米欧はロシアの弱体化政策を展開し、その一環としてウクライナを支配下に置こうとした。「ロシアを追い込み、対ウクライナ戦に踏み切らせたのは米欧側だ」という。
  その上で文書は、ロシアは対露制裁と距離を置く中国やインド、中東、アフリカ、南米、東南アジア諸国などとの関係を強化していくと宣言。米欧については、反露政策を取りやめれば関係修復に動く用意があるとした。
  文書は、他国がロシアの主権や領土保全を脅かした場合、「対称的、あるいは非対称的な措置をとる」と警告ナチス・ドイツや日本の「軍国主義」を再評価することなど、第二次世界大戦の結果を改変することは容認しないとも述べている。


2023.03.29-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230329-MFY6672SQJNR5J6FUKZNMJRRWI/
露、アルメニアに警告 ICC加盟でプーチン氏拘束を危惧

  ロシアと軍事同盟を結ぶ南カフカス地方の旧ソ連構成国、アルメニアの憲法裁判所が最近、国際刑事裁判所(ICC、本部=オランダ・ハーグ)の管轄権を定めた「ICCローマ規定」に同国が加盟することは合憲だと判断した。今後、アルメニア議会がICC加盟の是非を検討する。これに対し、露外務省は27日までに「プーチン大統領に逮捕状を出したICCの管轄権をアルメニアが認めることは容認できず、両国関係に重大な結果をもたらす」とアルメニアに警告した。

  露外務省筋の話としてタス通信や国営ロシア通信が伝えた。ロシアはアルメニアがICCに加盟した場合、同国訪問時などにプーチン氏が拘束される可能性があるとみて、同国のICC加盟を阻止する思惑だとみられるICCは17日、ウクライナの子供の連れ去りに関与した疑いでプーチン氏に逮捕状を出した
  タス通信によると、アルメニア政府は、係争地「ナゴルノカラバフ自治州」を巡って2020年に大規模紛争が起きた隣国アゼルバイジャンの戦争犯罪を追及する目的で、ICCへの加盟を検討。昨年末、アルメニア政府はICC加盟の合憲性に関する審査を同国憲法裁に求めた。憲法裁は今月24日、ICC加盟は合憲だと判断憲法裁の判断は取り消し不可能だという。
  今回の憲法裁の判断には、ロシアに対するアルメニアの不満が反映された可能性がある。20年の紛争で、アルメニアとアゼルバイジャンはロシアの仲介で停戦に合意。ただ、アルメニアは同自治州の実効支配地域の多くを失う形となり、以降、ロシアへの不満をたびたび表明してきた。アゼルバイジャンとの間で昨年9月に再び衝突が発生した際も、アルメニアは自身が加盟する露主導の軍事同盟「集団安全保障条約機構(CSTO)」に介入を求めたが、CSTOは事実上拒否した。
  ロシアはウクライナ侵略で余力がないことに加え、友好関係にあるアゼルバイジャンや同国の後ろ盾であるトルコと敵対する事態を避けたとの見方が強い。
  アルメニアのパシニャン首相は昨年11月、同国の首都エレバンで開かれたCSTO首脳会議で、プーチン氏の面前でロシアの対応を批判し、共同宣言への署名を拒否した。パシニャン氏は今年1月にも、アルメニアで今年に予定されたCSTOの合同軍事演習を受け入れないと表明した。


2023.03.27-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230327-3DRUJYV4IRKGBOBKW325VBTUJY/
露、核配備でベラルーシを「前線化」 米欧から強い非難

  ロシアのプーチン大統領が同盟国ベラルーシに戦術核兵器を配備する方針を表明したことについて、米欧からは強い非難が上がっているロシアはベラルーシを取り込んでウクライナ侵略の「前線」とし、「核の恫喝(どうかつ)」によって米欧のウクライナ支援をやめさせる思惑だとみられている。

「レッドライン踏み越えた」と主張
  プーチン氏は、25日に放映された露国営テレビのインタビューでベラルーシへの核配備を表明した。26日に放映されたインタビューの残り部分でも、米欧のウクライナ支援が「レッドライン(越えてはならない一線)」を踏み越えていると主張した。プーチン氏は以前から、米欧が一線を越えればロシアは「あらゆる措置」をとりうると警告している。
  プーチン氏は核配備について、ルカシェンコ・ベラルーシ大統領の要請に応じたものだと説明した。ロシアは従来、同盟国であっても外国への核配備に慎重だったため、方針を転換した形だウクライナ侵略戦争へのベラルーシの関与を強化させ、露軍の苦戦が続く戦況を打開したい思惑があるとみられる。
米欧は対露圧力強化へ
  米欧やウクライナはロシアを非難するとともに、プーチン氏の表明は脅しだとみて対露圧力をさらに強める構えだ。米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は26日、「ロシアが核を使用する兆候は見られていない」と指摘。NATOのルンゲスク報道官も同日、「核に関するロシアの言辞は危険かつ無責任だ」と非難しつつ、「ロシアの核戦力態勢に変化は起きていない」と指摘した。欧州連合(EU)のボレル外交安全保障上級代表は「ベラルーシに核が配備された場合、EUは制裁を強化する」と表明した。
核使用の可能性「極めて低い」
  ウクライナは国連安全保障理事会に臨時会合の開催を要請。EUと先進7カ国(G7)に対し、ベラルーシへの圧力を強めて核配備を断念させるよう求めた。ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は26日、「ベラルーシへの核配備表明により、プーチン氏は敗北を恐れていることを認めた。彼にできるのは脅迫の戦術だけだ」と指摘した。
  米シンクタンク「戦争研究所」は25日、「プーチン氏は核戦争の恐怖をあおることで米欧を脅そうとしている。実際に核を使用する可能性は極めて低い」と指摘。ベラルーシへの核配備表明は、ウクライナの戦意をくじき、米欧の軍事支援を弱めるための「情報戦」だと分析した。


2023.03.26-REUTERS-https://jp.reuters.com/article/russia-defence-nuclear-idJPKBN2VS01L
ロ大統領、戦術核配備でベラルーシと合意 「国際条約違反せず」

  [25日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領は25日、隣国ベラルーシに戦術核兵器を配備すると発表した。ロシアが国外に戦術核を配備するのは1990年代半ば以来となる。これについて米政府高官は、ロシアとベラルーシが過去1年間協議してきたと指摘し、ロシアが核兵器の使用を計画している兆候はないと述べた。

  プーチン氏は国営テレビに対し、ベラルーシのルカシェンコ大統領が以前から同国への戦術核兵器配備に関する問題を取り上げてきたと指摘。「米国は何十年も前から戦術核兵器を同盟諸国に配備している」とし、同様の措置を取ることでベラルーシと合意したと説明した。核拡散防止条約に違反しないとの認識も示した
  具体的な配備時期には言及しなかった。ベラルーシは北大西洋条約機構(NATO)加盟国のポーランド、リトアニア、ラトビアと国境を接する。
  米国科学者連盟の核情報プロジェクト責任者、ハンス・クリステンセン氏は「NATOを威嚇しようとするプーチン氏のゲームの一環だ。ロシアは国内にこれらの兵器と部隊を多く持っており、ベラルーシへの配備よる軍事的効用はない」と述べた。合意の一環として、ロシアは7月1日までにベラルーシで戦術核兵器の貯蔵施設を建設する予定。
  プーチン氏は配備する戦術核兵器について「譲渡はしない。米国は同盟国に譲渡していない。われわれは基本的に彼らが10年間行ってきたのと同じことをしようとしている」と述べた。また、ベラルーシに戦術核兵器を搭載できる航空機を10機配備したと明らかにした。核兵器を発射できる戦術ミサイルシステム「イスカンデル」をすでに同国に配備しているとも述べた。


2023.03.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230319-SHAKIRAWIJNCVETF6A32VYDHVE/
ワグネルトップ「兵士3万人増員」 損耗裏付け

  ロシアによるウクライナ侵略で、露軍側で参戦している露民間軍事会社「ワグネル」トップのプリゴジン氏は18日、交流サイト(SNS)上で「5月中旬までにワグネルの兵士を3万人増やす計画だ」と述べ、勧誘活動を進めているとする声明を発表した。声明は、東部ドネツク州バフムトなどでの戦闘で多数の兵士を失っているとされるワグネルの損耗を裏付けた。

  ワグネルに関し、米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は2月、露刑務所で勧誘した4万人の囚人を含む5万人をウクライナに派遣していると指摘した上で「3万人以上の死傷者が出ている」とする推計を公表。英国防省も同月、「戦線に投入した囚人の半数以上が死傷した」との分析を示した。
  一方、プリゴジン氏は同月、「囚人の勧誘を停止した」と表明。囚人の勧誘を許可していたとされる露国防省とワグネルの対立の強まりに加え、勧誘可能な囚人の減少などが要因だとする観測が出ていた。
  前線の戦況に関し、ウクライナ軍は今月18日、「バフムトで露軍は消耗し、攻勢が徐々に弱まっている」との見方を示した。ウクライナメディアが伝えた。


2023.03.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230319-HPH54PUIUFI5HBUSK5JTEYRJFM/
プーチン氏、ウクライナ東部を初訪問 「犯罪者は現場に行く」とウクライナ

  ロシア大統領府は19日、プーチン大統領が、昨年9月にロシアが一方的に併合を宣言したウクライナ東部ドネツク州マリウポリを訪問したと発表した。タス通信によると、プーチン氏の東部ドンバス地域(ドネツク、ルガンスク両州)訪問は初めて昨年2月のウクライナ侵略の開始後に露軍が占領した地域へのプーチン氏の訪問も初とみられる。プーチン氏は実効支配の強まりを誇示し、併合の既成事実化を図る思惑だ。

  露大統領府やタス通信によると、プーチン氏はウクライナ南部クリミア半島の併合宣言から9年となった今月18日、クリミア南部の軍港都市セバストポリを訪問し、文化施設などを視察。その後、ヘリコプターでマリウポリに移動し、18日夜から19日未明にかけ同市に滞在した。同市では自身で乗用車を運転して建設現場などを視察。プーチン氏は地元住民らと面会し、「新しい住宅地の建設を拡大する」と表明した。
  ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は19日、「犯罪者は常に犯行現場に引き寄せられる」とツイッターでプーチン氏の同市訪問を皮肉った。国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状を出されたプーチン氏を「何千人もの家族を死亡させた戦争の指示役」だとし、「廃虚や墓地の視察に訪れた」とも指摘した。
  マリウポリはウクライナ侵略の開始から間もなく露軍が包囲し、砲撃などで市街地が損傷。多数の市民が死傷したとされる。2カ月以上にわたって両国軍の激しい戦闘が続いた末、昨年5月に露軍が制圧した。
  露大統領府によると、プーチン氏はまた、ウクライナ国境に近い露南部ロストフナドヌーも訪れ、ウクライナでの軍事作戦の指揮所を視察。軍事作戦の露軍総司令官、ゲラシモフ参謀総長らから戦況報告などを受けたとしている。


2023.03.17-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20230317-74OR2SHP7RNALCUZOBKEEBLEIM/
ロシア軍、中国製無人機使用か ウクライナ東部 米報道

  米CNNテレビは16日、ロシア軍が中国製の商用無人機(ドローン)を改造し、ウクライナの前線で使っている可能性があると伝えた。中国福建省アモイ市に拠点を置く企業の製造で、CNNがウクライナ東部で同国軍に撃墜された無人機を確認した。

  東部ルガンスク州の親ロシア派は1月、ウクライナ側から飛来した中国製無人機を撃墜したと主張。専門家は、こうした中国製無人機の使用に関して「ロシア、ウクライナ双方が行っている」とし、短い期間で改造したようだと指摘した。
  CNNによると、この無人機の価格は高くても1万5千ドル(約200万円)で、中国の通販サイトで購入可能という。重さ約20キロの爆弾を搭載できるように改造され、別の専門家は「非常に粗雑」な方法だと述べた。
  製造元の企業のホームページによると、無人機はカーボンファイバー製で長さ3・5メートル、両翼含め幅5メートル。同企業はCNNの取材に、無人機の軍事利用について「看過できない。最大限阻止しようとしている」と答えたという。(共同)


2023.03.13-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/292d4f6f4d56e96466740187b363fe4fe8d92577
ロシア、モルドバに情報戦強化 ウクライナ軍弱体化、政情不安狙いか

  東欧の旧ソ連構成国、モルドバに対し、ロシアが情報工作を強めているもようだ。ロシアは先月、ウクライナ軍がモルドバ国内の親露分離派地域「沿ドニエストル」に侵攻を企てていると主張し、「挑発には対処する」と警告。

  モルドバ国内の親露派勢力も動きを活発化させている。ロシアには、沿ドニエストルからのウクライナ攻撃を示唆して同国軍の戦力を分散させる狙いや、モルドバに政情不安を起こして親欧米派サンドゥ政権を弱体化させる思惑があるとみられる。
  露国防省は2月23日、「ウクライナ軍が沿ドニエストルに駐留する露軍部隊からの攻撃をでっち上げ、それを口実に侵攻を準備している」と一方的に主張した。
  ウクライナのゼレンスキー大統領はロシアの主張を否定。モルドバも「ウクライナ軍による侵攻の兆候はない」と反論した。
  2月21日にはプーチン露大統領が、外交方針を定めた2012年の大統領令を無効にすると決定。大統領令には「ロシアはモルドバの主権と領土の一体性を尊重する」との一節が含まれていた。それを無効化することはモルドバへの威嚇だとする見方も出た。
  今月9日には分離派地域の自称「沿ドニエストル・モルドバ共和国」の国家安全保障省が「ウクライナ保安局(SBU)が計画したテロ攻撃を未然に防いだ」と主張。SBUは事実無根だと反論した。
  12日にはモルドバの首都キシナウで光熱費高騰を巡る大規模な反政府デモが起きたが、ロシアの諜報機関の関与が指摘された。 ウクライナは現在、東部や南部の前線でロシアの侵略に対処しており、西隣の沿ドニエストル方面に戦線を開く余裕はない。
  一方のロシアにも実際に沿ドニエストルから侵攻する余力はない可能性が高い。このため、ロシアは沿ドニエストルでの危機を故意に演出し、ウクライナの戦力分散を狙う「陽動作戦」を展開しているとの見方が強い。
  ロシアには、対ロシアで協調しているモルドバとウクライナの間に疑心暗鬼を生じさせたり、サンドゥ政権の足元を揺さぶったりすることで、両国を離間させる狙いもあるとみられる。
  モルドバでは20年にサンドゥ政権が成立したが、ロシアはその後も同国の親露派勢力を支援しているとされる。サンドゥ大統領は今年2月、「ロシアがモルドバで政権転覆を計画した」と非難。サンドゥ氏は沿ドニエストルの露駐留軍の撤収も求めており、ロシアとの緊張が続いている


2023.03.06-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230306-NBRN3CAOMNNYHAI44WPW6767K4/
露、FSB元職員を指名手配 露西部「侵入」に関与の疑い

  ウクライナの「妨害工作部隊」がロシア西部ブリャンスク州に侵入し、民間人を殺傷したとロシアが主張している問題で、国営ロシア通信は5日、侵入に参加した疑いで、露内務省が露連邦保安局(FSB)元職員、イリヤ・ボグダノフ氏を指名手配したと報じた。これに先立ち、露国営メディア「RT」は「妨害工作部隊」が同州で撮影したとする動画にボグダノフ氏が映っていると伝えていた。

  問題は2日に発生。ロシアは、ウクライナから越境した数十人の妨害工作部隊が民間人3人を死傷させたと主張した。これに対し、ウクライナ侵略に反発するロシア人らで構成し、ウクライナ側で参戦している「ロシア人義勇兵部隊」は同日、動画を通じて声明を発表。「私たちは妨害工作部隊ではなく、プーチン政権の支配下からロシアの解放を目指す解放軍だ」と越境を認めるとともに、民間人殺傷は否定した。越境した理由については「露国民に政権と戦えることを示すためだ」と説明した。
  RTは、動画内で声明を出した兵士の一人がボグダノフ氏だと指摘。同氏はロシアがウクライナ南部クリミア半島の併合を一方的に宣言した2014年にウクライナに亡命したという。
  一方、焦点化している東部ドネツク州バフムトの戦況を巡り、ウクライナ軍東部方面部隊のチェレバティ報道官は5日、ウクライナ軍が防衛線を保持し、補給路も確保していると説明した。地元テレビでの発言を同国メディアが伝えた。同国のゼレンスキー大統領は5日のビデオ声明で、バフムトなどで「困難な闘いが続いている」と述べた。
  露国防省は5日、東部ハリコフ州やドネツク州で多数のウクライナ軍の装備を破壊したほか、同国軍に計500人規模の損害を与えたと主張した。


民間軍事会社
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


  民間軍事会社とは、直接戦闘要人警護や施設、車列などの警備軍事教育兵站などの軍事サービスを行う企業
  PMCPMFPSCPMSC複数形はPMSCs などと様々な略称で呼ばれる。2008年9月17日にスイス・モントルーで採択されたモントルー文書でその地位や法的責任などが定義されている。
概要
  1980年代後半から1990年代にかけて誕生し、2000年代の「対テロ戦争」で急成長した。国家を顧客とし、人員を派遣、正規軍の業務を代行したり、支援したりする企業であることから、新手の軍需産業と定義されつつある。
  主な業務としては軍隊や特定の武装勢力・組織・国に対して武装した社員を派遣しての警備・戦闘業務、武装勢力に拘束された人質の救出や窮地に陥った要人の逃亡支援など救助・救援業務、兵站整備訓練等の後方支援など、戦闘一辺倒だった旧来型の傭兵と異なり提供するサービスは多岐に渡る。
  軍の増派がたびたび政治問題化していることや、より多くの正規兵を最前線に送るために後方支援や警備活動の民間委託が進んだこと、民間軍事会社の社員の死者は公式な戦死者に含まれないなどの理由で活用が進んでいる。イラクやアフガニスタンでは、従来であれば正規軍の二線級部隊が行ってきた警備や兵站、情報収集など後方業務を外注する民間組織として正規軍の後方を支える役目を担い、多い時で約26万人の民間人が米国政府の業務に関わった。
  その一方で軍人民間人傭兵のどれにも当てはまらない曖昧な存在であることや、需要が増大し急速に規模が拡大したため、管理が行き届かず多くの不祥事(2007年にブラックウォーター社が引き起こした民間人虐殺事件など)を起こした事などが問題になっている。2004年3月、民間軍事会社の要員が民衆に惨殺され、町を引きずり回された後に焼却、橋に吊るされるという事件が発生。これが原因となりファルージャで多国籍軍と武装勢力が軍事衝突し(ファルージャの戦闘)、4月と11月の戦闘を合わせて多国籍軍側100人以上、武装勢力と民間人にそれぞれ1000人以上の死者が出た。2019年末には保釈中のカルロス・ゴーンの国外逃亡を支援するなど、報酬次第では明白な違法行為を行う者も存在する。
  2008年9月、スイスの国際会議においてアメリカや欧州諸国、中国、イラク、アフガニスタンなど17カ国は民間軍事会社に国際法を順守させるため、各国に対して適切な監督・免許制度の導入、採用時の審査の厳格化、戦時の民間人保護を規定した国際人道法や人権法に関する社員教育の強化など適切な監督を求める具体的な指針を盛り込んだモントルー文書を採択した。
名称
  日本では民間軍事会社民間軍事請負企業などと呼称される。民間軍事会社について報道機関や文献によって異なる名称が使用されており、PMC(private military company または private military contractor)、PMF(private military firms)とさまざまで、アメリカ国防総省や民間軍事会社の管理組織であるIPOAやBAPSCはPMSCの語を使用している。
  国際政治学者のP・W・シンガーは『戦争請負会社』(邦訳版:日本放送出版協会 (2004/12)原著:Cornell University Press (July 2003))でPMFと表記している。
歴史
 登場以前
   近代に入り民間企業が巨大化すると、鉱山で起きたストライキの鎮圧など警備員では対処できない事態を素早く解消するため、それまで手配師などに頼っていた傭兵の募集に代わり、会社の一部門として武装組織(会社軍)を編成するようになった。これらは退役した士官などの経験者を指揮官として迎え、グルカ兵やヨーロッパ人などの傭兵を兵としていた。構成は歩兵、騎兵、砲兵からなるヨーロッパの伝統的な陸軍を簡略化した組織であったが、資金力を背景に武装に関しては最新の兵器を揃えており、最新の軍事教育を受けたヨーロッパの将校を指導教官として雇用することもあった。
   ジョン・ロックフェラー鉱山や工場で発生したストライキを鎮圧するため積極的に会社軍を派遣していたが、コロラド燃料製鉄会社のストライキを鎮圧するため30人以上を射殺したことでヘレン・ケラーが新聞で非難記事を連載したことや、社長となっていたロックフェラー2世が対話路線に転向したことでアメリカ国内では交渉で解決し、武力が必要な場合は州兵に任せるべきという風潮となった。また私企業が武力を保有することは次第に問題視されるようになり、欧米では国内での行動に制約が課されるようになった。
   国外において、西洋列強東インド会社のような植民地を統治する勅許会社の会社軍に対し、反乱の鎮圧のみならず周辺にある国を植民地にするための戦争(第二次シク戦争など)を許可していた。自国の軍隊のアウトソーシングであり、これにより遠方に軍隊を派遣する必要がなくなり、低コストで植民地を防衛することが可能となった。特にインドではヴァンディヴァッシュの戦いプラッシーの戦いのように会社軍同士の戦闘が度々発生した。植民地の会社軍はスィパーヒーなど地元の傭兵が中心で兵の質はまちまちだったが、イギリスはこれらの戦いで活躍したグルカ兵に注目し、イギリス東インド会社軍で積極的に雇用するようになった。
   ロシア帝国の勅許会社である露米会社ニコライ・レザノフの部下で軍人のニコライ・フヴォストフが会社の武装勢力を指揮し、日本を襲撃している(文化露寇)。
   これらの会社軍は指揮官は社員、傭兵はパートタイムで雇用して指揮下に置いているが、第三者へ兵力を提供することはなく、それまで領主が抱える私兵のような自力救済の延長か、政府が植民地を間接的に統制するための組織であった。
 民間軍事会社の登場
   第二次世界大戦後には各国で法が整備され会社軍のような存在は規制がかかり、治安が不安定な地域での操業する鉱山や油田の警備に支障を来すようになった。 そこで警備会社という名目で設立し、かつて会社軍が担当していた軍事サービスを他の企業に提供する会社が登場した。代表的な会社としてはダインコープSAS創始者のデビッド・スターリングが経営するウォッチガード・セキュリティがあり、これには自国企業を保護したいイギリス政府も出資していた。民間企業でも自社で直接雇用するのに比べ、必要なときに必要な数の人員を確保できるためメリットは大きかった。
   コンゴ動乱ローデシア紛争などでは傭兵が戦闘や護衛にも関わっていたが、1991年ソビエト連邦の崩壊に伴う冷戦の終結により、アメリカ合衆国を中心とした各国は肥大化した軍事費と兵員の削減を開始し、数多くの退役軍人を生み出した。冷戦終結以降の世界では超大国同士がぶつかりあう大規模な戦闘の可能性は大幅に少なくなったものの、テロリズムや小国における内戦民族紛争など小規模な戦闘や特定の敵国が断定できない非対称戦争が頻発化、不安定な地域で行動する民間人を護衛する需要も増加した。
   優秀な軍歴保持者は有り余り、軍事予算の大幅な削減に伴い軍隊のコスト面での効率化が求められ、そして小規模の紛争が頻発する。この3つの要素が民間軍事会社を生み出す土壌を与える事となった。まさに戦争のアウトソーシングである。 こうして、民間軍事会社の元祖とも言える「エグゼクティブ・アウトカムズ」が誕生し、既存の軍関連会社も次々と民間軍事会社化していった。
 1990年代
   1989年南アフリカ共和国で誕生したエグゼクティブ・アウトカムズ(Executive Outcomes,略称EO)社は、フレデリック・ウィレム・デクラークネルソン・マンデラ政権下で行われたアパルトヘイト政策の廃止や軍縮によって職を失った兵士を雇用することで、優秀な社員を多数有する会社となった。
   特に第32大隊などの精鋭部隊に所属していた黒人兵士を多く雇用していたが、彼らはアンゴラ内戦で家族や財産を失い、逃げ延びた先の南アフリカでは白人達に周辺国への軍事介入や同じ黒人の弾圧に動員され、アパルトヘイト廃止後行き場を失った者達だった(EO社の解体後はポムフレットなど辺境の町で貧しく暮らしている)。
   EO社はアンゴラ内戦中の1993年アンゴラ政府と契約を結び、正規軍の訓練と直接戦闘を実行。結果アンゴラ全面独立民族同盟(UNITA)に壊滅的被害を与えることに成功し、20年続いた内戦をわずか1年で終結させた。その後、国際社会の圧力でアンゴラ政府はEO社との契約を打ち切り、国連が平和維持を行うことになったが平和維持部隊は任務に失敗し、アンゴラは内戦に逆戻りした。
   また、シエラレオネ内戦では、残虐な行動と少年兵を利用することで知られた反政府勢力革命統一戦線(RUF)の攻勢で、先に展開したグルカ・セキュリティー・サービス社は司令官であったロバート・C・マッケンジーが殺害されるなど大きな被害を出し撤退、首都フリータウンも陥落寸前の状態であったが、EO社はわずか300人の部隊でRUFに壊滅的被害を与え、RUFが占拠していたダイヤモンド鉱山を奪還することで和平交渉の席に着かせることに成功した。しかし、こちらもアンゴラと同様に内戦に逆戻りした。
   EO社は次第に肥大化し、戦闘機攻撃機攻撃ヘリコプターなどの航空兵器や、戦車歩兵戦闘車のような強力な陸上兵器、負傷者輸送用のボーイング707なども運用するようになったが、危機感を抱いた南アフリカ政府によって1998年に解体された。しかし、内戦の戦局をも変えてしまう民間軍事会社の登場は世界に衝撃を与えた。
   パプアニューギニアでは、ブーゲンビル紛争において、政府が同国のパプアニューギニア国防軍よりも民間軍事会社のサンドライン・インターナショナルを重用したため、国軍によるクーデターが発生している。(詳細は「w:Sandline affair」を参照)
 2000年代
   1990年代に登場した民間軍事会社は、その後急速に業務を拡大していき、2001年アメリカ同時多発テロ事件以降からはイラクアフガニスタンでの活動が注目を集めるようになった。しかし、急速な組織拡大から法規の作成が追いつかず、管理する法律も組織も無い無法状態が続いたため、殺人や虐待など数々の不祥事を起こしてきた。
   2001年にはアメリカで民間軍事会社の管理組織であるInternational Peace Operations Associationが発足、2006年にはイギリスでアメリカとは異なる民間軍事会社管理組織であるBritish Association Of Private Security Companiesが発足した。イギリスの場合はアメリカよりも非常に厳格で、民間軍事会社にISOやBSの取得を義務付けておりプレゼンテーションにおいてもイギリスの民間軍事会社はアメリカのそれとは違うことを強調している。
   イラクにおける管理組織は連合国暫定当局が行ってきたが解体にともない2004年8月に連合国暫定当局から分離したNPO法人としてPrivate Security Company Association of Iraqが発足した。イラクでは連合国暫定当局が最後に発行したCPA Order17という規定に基づいて行動していたが、この規定は大変に問題のあるもので、民間軍事会社はイラクの法律に従う必要が無く、あらゆる免責特権を認め、税金も免除するなど民間軍事会社を完全に治外法権化する物であった。
   2007年9月にはブラックウォーターUSAのコントラクターがイラクで輸送部隊の護衛中に市中で無差別発砲を行いイラク人を17人射殺するという事件が起きると、イラク政府も厳しい措置を取らざるを得なくなり、2009年1月1日でCPA Order17の無効を宣言し、民間軍事会社から免責特権を剥奪した。これ以降、民間軍事会社はイラクの国内法に従う義務が生じPrivate Security Company Association OF Iraqは2009年現在は実質的に活動していない。
   このような無法状態を改善しようとする動きもあり、2008年9月17日にスイスモントルーで17ヶ国によって採択されたモントルー文書で初めて国際的な規制が出来た。指針であり条約ではないため、国際法としての拘束力は無いが、新たな条約締結へ向けた活動が行われている。
 2010年代
    イラク戦争後、民間軍事会社は各地の小規模紛争に派遣されるようになった。リビア内戦においては、イスラエルのグローバルCSTが主にアフリカ系からなる警備要員や東欧・中東系の戦闘機パイロットなど多数の要員を派遣して非武装市民への殺傷を含む過剰な業務を行い、シリア内戦では、アメリカの民間軍事会社が自由シリア軍など反アサド派を訓練するためにトルコで活動していた。一方、シリア政権側もロシア系の民間軍事会社の先駆けで香港を拠点とするスラヴ軍団から同様の支援を受けていた。アフリカではブラックウォーター社の設立者だったエリック・プリンスらが中国政府系の香港企業フロンティア・サービス・グループで中国の国家戦略である一帯一路を警備面から支援していた
    また2014年以降の騒乱下にあるウクライナにおいても西欧の民間軍事会社の要員らしき外国人が多数確認されたという証言がある。
    2015年にはイエメンで、アメリカのスピアー・オペレーションズ・グループがアラブ首長国連邦の依頼により、イエメンにいる政敵の暗殺作戦を実行していた。
 2020年代
    2022年ロシアのウクライナ侵攻にて、ロシアのワグネル・グループがロシア正規軍と並んで主要な軍事力として機能している。 ワグネルは元正規軍兵士だけでなくロシア国内の刑務所で囚人を戦闘員として参加させ[11]、生還した者には恩赦を与えていた。
    これに対しウクライナ側も外国人義勇兵を多く募集した他、ウクライナ軍への訓練及び人命救助活動を実施するため、米軍の元将兵などで編成されたモーツァルト・グループという民間軍事会社が活動を行っている。
従業員
 人員数
    1991年の湾岸戦争時には全兵士における民間軍事会社従業員の比率は100:1と言われていたが、2003年のイラク戦争時はおよそ10:1と言われている。イラクに駐留する民間軍事会社の人員は、一説にはアメリカ人が3千人から5千人。イギリスなどのヨーロッパ人南アフリカ人では7千人から1万人。貧困国の出身者では1万5千人から2万人。イラク現地で雇用された者が2万5千人から3万人と言われている。また、受注した会社がさらに他の会社に仕事を丸投げしたり再発注しており、イラクに駐留する民間軍事会社の正確な社員数を把握する事の障害にもなっている。
    1994年のルワンダ紛争においてはエグゼクティブ・アウトカムズ社はいつでも1500人規模の部隊を展開出来る準備を整えていた(これはアフガニスタン侵攻時のアメリカ海兵隊の先行侵攻部隊と同規模である)。作戦期間は4週間を計画しており、1日あたりの費用はおよそ60万ドルと見積もっていたが、結局依頼する組織が無かったため実行されることはなかった。
経歴
  アメリカ人イギリス人など欧米圏の社員を雇用する際には、正規軍の兵士経験者(特にデルタフォースDEVGRUといった有名特殊部隊に所属する元兵士を優遇する)を雇用することが主体であるが、社内の基準を満たしていれば(厳格な選抜試験を受けさせる会社もあれば、契約書にサインすれば誰でも入れる会社もある)、警察官や軍隊経験のない一般市民を雇用することもある。
  進国の人員だけを雇用して警備などをしては、限られた人件費が高騰することや素早く効率的に人材を供給できないという事情から、フィジーネパールフィリピンコロンビアなどの、近年まで内戦や紛争状態にあり、実戦経験者が豊富な貧困国から元兵士が送られている割合が多い。アメリカのブラックウォーター社においては貧困国の出身者が警備要員の4割、「トリプル・キャノピー社」に至っては8割を占めている。トリプル・キャノピー社は設立当初実態のない会社でありながらも大型契約を取得し、チリ人やフィジー人と少数のアメリカ人を雇って、イラク全土にある13ヶ所の連合暫定施政当局に1000人もの警備員を派遣した。
  また、イラク現地では多くのイラク人が雇用されている。G4Sの場合は英国人2名にイラク人6人で身辺警護小隊を編成しており、欧米人の将校下士官に現地人の兵士という構成が取られている。このような雇用方式は「エリニュス社」や「アーマー・グループ」など、他の英国系民間軍事会社でも用いられる方針である。イラク人は警備員だけではなく、空港の荷物チェック係といった非戦闘員としても雇用されている。
  リクルートに関しては、ピンからキリまでが実態であり、貧困国の新聞に警備要員と称して募集広告をかけ、戦場に送り込むといった粗っぽい手口を講じる会社も存在する。
報酬
  元有名特殊部隊所属の肩書きを持つ人材は1日で1000ドル程度の収入が見込めるが、ネパールのグルカ兵が民間軍事会社で働いた場合の給料は月給1000ドル程度である。ただ、ネパールの公務員の平均年収が1300ドルであることから考えると月給1000ドルという給料は彼らの所得水準から見ると大変に高額である。このため、貧困国の兵士にとっては民間軍事会社のコントラクターになって得る給料は普通に働く場合の10倍以上にもなり、一攫千金を夢見るに十分な額である。
  逆に日本などの先進国の国民から見れば一般企業の賃金と大差の無い、もしくはそれ以下の給与水準であり、危険性に比して薄給で、日本人が民間軍事会社で就労しても大金を稼げるとはいえない。実際にイラクで死亡した日本人コントラクターの年収は四百数十万円程度で、軍歴が長く下士官であったことから考えれば先進国の正規軍と変わらない報酬である。このため、民間軍事会社の給与は裕福な先進国の国民から見れば安く、貧困国の国民から見れば高給ということになっている。また、軍隊と比べると遺族補償、軍人恩給、褒賞といった福利厚生面は手薄だったり制度自体がない事も多い。
  なお、民間軍事会社においても兵士は兵士、下士官は下士官で終わりという点に(多少の例外はあるものの)変化はなく、たとえ入社前に歴戦の勇士でも、入社後にどれだけ実績を重ねても、入社前に幕僚課程や上級士官課程を取得していない者は現場指揮官以上に昇進できない。
民間軍事会社・関連企業一覧
 米国   ・ATAC ・ダインコープ・インターナショナル ・アカデミ(旧:ブラックウォーターUSA) ・トリプル・キャノピー ・ドラケン・インターナショナル
 イギリス   ・G4S ・エリニュス・インターナショナル
 カナダ   ・ガルダ・ワールド
 イスラエル   ・グローバルCST
 ロシア   ・ワグネル・グループ ・コンボイ
 ウクライナ ・モーツァルト・グループ
 南アフリカ   ・エグゼクティブ・アウトカムズ







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