露-ロシア問題-1


2024.03.24-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240324-NH57NGLJOVI2RD65275N3YAJNQ/
ロシア、銃乱射テロをウクライナに結び付け 信用失墜狙いか ゼレンスキー氏「責任転嫁だ」

  ロシアが首都モスクワ郊外のコンサート施設で起きた銃乱射テロ事件をウクライナに結びつけようとする動きを強めているロシアは国民のウクライナに対する敵意をあおりつつ、ウクライナの信用を失墜させたい思惑だとみられる。事件への関与を否定しているウクライナのゼレンスキー大統領は「責任転嫁だ」とロシアを非難した。

  タス通信によると、露連邦保安局(FSB)は23日、事件後に現場から逃走して西部ブリャンスク州で拘束された実行犯4人について「ウクライナ国境を越えようとしていた。ウクライナ側と接触していた」と主張。プーチン露大統領も23日、事件を受けた国民向け演説で「実行犯4人とウクライナ側の間に、国境を越えるための窓口が用意されていた」と述べた。
  露国営メディア「RT」トップのシモニャン氏も23日、事件の首謀者は犯行声明を出したイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)ではなく、ウクライナなのは明白だと主張した。
  独立系露語メディア「メドゥーザ」は23日、露国営メディア関係者らの証言として「露大統領府が事件へのウクライナの関与を示唆する報道をするよう各メディアに通達を出した」と伝えた。
  一方、事件発生直後から、複数のウクライナ高官は自国の関与を強く否定。米国もウクライナ関与の形跡はないとした
  ゼレンスキー氏は23日のビデオ声明で「ロシアのやり方はいつも同じだ。他人に罪を転嫁しようとする」と指摘。プーチン氏が事件発生から1日近く沈黙していたのは「事件をどうウクライナに結びつけるか考えていたからだ」と述べた。


2024.03.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240319-H23GK2PHJNLCPERLID6O74E3G4/
「核を使用」と恫喝のロシアと核戦力増強の中国、米国の二国間対話を拒否-平田 雄介

  【ニューヨーク=平田雄介】上川陽子外相が主宰し、核軍縮・不拡散を議論した18日の国連安全保障理事会閣僚級会合では、「核を使用するとの威嚇」を繰り返してウクライナを侵略するロシア、核戦力を急速に増強する中国に対する批判や懸念を表明する国が相次いだ露中は反論し、米国が呼びかけた二国間対話を拒否する姿勢をみせた

  会合で、グテレス国連事務総長は「宇宙やサイバー空間、人工知能(AI)といった領域の新興技術がこれまでにないリスクを生み出している」と訴え、核保有国間の対話を促した。フランス代表は、プーチン露大統領が2023年2月に履行停止を表明した米国との新戦略兵器削減条約(新START)への「復帰」を米露に促した。米代表は「前提条件なし」で露中との軍備管理協議に応じる姿勢をみせた。ただ、露代表は「核保有は戦略的均衡を維持する重要な要素」と語った。中国代表も「米国が核兵器を削減し、軍縮プロセスの状況を整えるべきだ」と応じなかった
  非核保有国のスロベニアとスイスなどの代表は、核保有国が非核国に対して核兵器を使用しないと保証した1995年の安保理決議を想起し、ウクライナの現状に懸念を表明した。
  韓国代表は、弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮の核ミサイル開発への懸念を表明した。モザンビーク代表は「アフリカに核保有国はない」と述べ、核戦争に巻き込まれるとすれば「とても不公平だ」と訴えた。


2024.03.18-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240318-5XJDJKLQAFKCZOA7YRFCZDAKBY/
プーチン氏が大統領選勝利宣言 ナワリヌイ氏釈放計画の存在認める

  17日に開票されたロシア大統領選(任期6年)勝利が確実になったプーチン大統領は17日深夜、モスクワの選対本部を訪れ、「選挙結果は国民の信頼と期待の表れだ」と勝利を宣言した。また、「ロシア人は一つの家族だ」国民の団結を強調した。ウクライナ侵略を「ロシアの主権を守る戦い」だと正当化し、記録的となった高い投票率は有権者がそれを理解していたためだとも主張した。

  プーチン氏はまた、報道陣との質疑応答で、2月に露北極圏の刑務所で反体制派指導者ナワリヌイ氏が急死したことについて「悲しい出来事だ」と発言。ナワリヌイ氏と、欧米側に収監されているロシア人の囚人を交換する計画がナワリヌイ氏の死去前に合意に達していたとも主張した。
  囚人交換によるナワリヌイ氏の釈放計画の存在は、ナワリヌイ氏の死去後の2月下旬、ナワリヌイ氏の陣営幹部が公表。プーチン氏に近いオリガルヒ(新興寡占資本家)のアブラモビッチ氏らが仲介役となり、ドイツで収監されている露連邦保安局(FSB)元大佐と、ロシアで収監されているナワリヌイ氏と米国人2人の身柄を交換する計画が進んでいたという。


2024.03.15-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240315-4YARXK4CKNK3LCZ5K77UF3OOGA/
ウクライナ東・南部での露大統領選 占領地で「偽りの選挙」米が非難

  米国務省のミラー報道官は14日、ロシアが一方的に併合を宣言したウクライナ東部・南部4州でも大統領選を実施することを非難「偽りの選挙の正当性や結果を決して認めない」と述べた。

  ミラー氏は「ウクライナ人の自由意思を反映するものではない」と指摘した。ロシア大統領選の投票は極東を皮切りに15日に始まった。(共同)


2024.03.13-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240313-FZ7RIROF5BJZ5OVXYX5KX2BRN4/
ナワリヌイ氏の側近、何者かに襲撃され負傷 ハンマーで殴打 バルト三国リトアニア

  ロシアの刑務所で2月に急死した反体制派指導者ナワリヌイ氏広報担当者、ヤルミシュ氏は12日、ナワリヌイ氏の側近ボルコフ氏が同日夜、自宅近くで何者かに襲撃され、負傷したとX(旧ツイッター)で発表した。警察や救急隊が駆け付け、命に別条はないという。ナワリヌイ氏の盟友ジダノフ氏も、顔が腫れて足から血を流したボルコフ氏の写真をXに投稿した

  ボルコフ氏はプーチン政権の弾圧を逃れるため露国外に滞在中で、ヤルミシュ氏やジダノフ氏はボルコフ氏が襲撃された場所について言及を避けた。ただ、露独立派ジャーナリストのパルホメンコ氏は12日、ボルコフ氏がバルト三国リトアニアの首都ビリニュス郊外に滞在していたと指摘。リトアニアメディアも、ボルコフ氏がビリニュス郊外で襲撃されたことを同国警察当局が確認したと報じた。
  ヤルミシュ氏によると、ボルコフ氏が12日夜に車で帰宅したところ、複数の襲撃犯がハンマーで車の窓ガラスを割り、ボルコフ氏の顔に催涙スプレーを噴射した上で、ハンマーで殴打した。ボルコフ氏は抵抗したといい、襲撃犯は逃走したとみられる。
  ナワリヌイ氏は生前、15~17日に行われる露大統領選を巡り、有権者に17日正午に一斉にプーチン大統領への反対票を投じるよう呼び掛けていた。ナワリヌイ氏の死後はボルコフ氏ら側近らが「ナワリヌイ氏の遺志」として同様の呼びかけを行っていたが、今回の襲撃との関連は不明。


2024.03.12-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240312-ULTYAIEAN5LDRJU653NJG2WXOE/
ロシア治安当局、韓国人男性をスパイ容疑で拘束 史上初

  ロシア国営タス通信は11日、消息筋の話として、露治安当局がスパイ容疑で韓国人男性を拘束していたと伝えた。男性の身分や容疑の詳しい内容は不明。タスによると、ロシアでスパイ容疑により韓国人が拘束されたのは初だという。

  拘束されている男性はペク・ウォンスン氏。ペク氏は今年初めに露極東ウラジオストクで拘束され、2月に首都モスクワの留置施設に移送された。モスクワの裁判所は3月11日、捜査のためにペク氏を6月15日まで留置することを認めた。
  タスによると、治安当局筋は「ペク氏はロシアの国家機密を外国の情報機関に手渡した」と説明。また、ペク氏に関する事件資料には「極秘」との記載があるとした。
  ウクライナ侵略後、ロシアは対露制裁を発動したとして、日本や欧米諸国などとともに韓国を「非友好国」に指定している。


2024.03.11-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240311-IXF3BKCWVFIZPEHIY7CM2BY3CQ/
ロシア、海軍総司令官を解任 メディア報道 相次ぐ軍艦喪失で更迭か

  複数のロシアメディアは10日、消息筋の話として、露海軍のエフメノフ総司令官が解任され、後任は露北方艦隊のモイセエフ司令官に決まったと伝えた。露メディアは解任の理由に言及していない。ただ、黒海海域では最近、ウクライナ軍による露軍艦艇の撃沈報告が相次いでおり、エフメノフ氏は艦艇喪失の責任を問われて更迭された可能性がある。

  露メディアによると、海軍総司令官の交代は当局内で既に通知された。消息筋は「交代は近く公式発表されるだろう」と述べた。 一方、ウクライナ軍は10日朝に黒海海域で活動している露軍艦艇は確認されていないと発表した。黒海海域で露軍艦艇の活動が確認されないのは5日連続となった。
  ウクライナ軍は5日には黒海海域で露黒海艦隊の哨戒艦「セルゲイ・コトフ」を水上ドローン(無人艇)「マグラV5」を使った攻撃で撃破したと発表していた。露海軍はさらなる損害拡大を警戒し、活動を控えている可能性がある。
  ウクライナ軍は最近、黒海海域で露軍艦艇の撃破を相次いで報告。先月1日と14日にも、露ミサイル艇「イワノベツ」と大型揚陸艦「ツェーザリ・クニコフ」をマグラV5でそれぞれ撃沈したと報告した。
  ウクライナ軍はミサイル攻撃やドローン攻撃により、全面侵攻前に70隻超で編成されていた露黒海艦隊の艦艇の3分の1に当たる30隻弱を無力化したとしている。


2024.03.10-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240310-ZBVIN7IFDFNDTAMOGBUW2S6YRQ/
ロシア西部に砲撃、1人死亡 国境付近で無人機攻撃続く

  ロシア西部クルスク州のスタロボイト知事は10日、ウクライナからの砲撃で同州西部の民家が破壊され女性1人が死亡、夫がやけどを負ったと通信アプリで明らかにした。また同州内の石油関連施設が無人機で攻撃され、火災が発生したという。

  隣のベルゴロド州にも同日、無人機2機が飛来し、グラトコフ知事によるとトラックが炎上した。ほかに砲撃も複数回あったという。クルスク州では今月6日にも、燃料貯蔵施設への無人機攻撃で火災が起きた。
  ウクライナ国境に近いロシア南部と西部には9日にも多数の無人機攻撃があった。ロシア国防省によると9日未明に南部ロストフ州に41機、ボルゴグラード州に3機、クルスク州に2機、ベルゴロド州に1機が飛来。同国防省はいずれも防空システムで撃墜したとしている。(共同)


2024.03.04-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240304-HP4WR3VGBZKCLAZI2T367TMFFQ/
「ウクライナはロシア」とメドベージェフ露前大統領 無条件降伏させるまで侵攻続ける意向

  ロシアのメドベージェフ安全保障会議副議長(前大統領)は4日、「ウクライナは言うまでもなくロシアだ」と述べ、ゼレンスキー政権を無条件降伏させるまで侵攻作戦を続けると述べた。ロシア通信が伝えた。

  各国の若者を集めてロシア南部ソチで開かれているフォーラムに参加したメドベージェフ氏は「ドニエプル川の両岸とも、分かつことのできないロシアの戦略的・歴史的国境の一部だ。これを力ずくで変更する試みは粉砕される」と主張。現在ロシアが制圧している東部・南部4州にとどまらず、ウクライナ全体を支配下に置く必要があるとの考えを示唆した。
  さらに「われわれは自らの領土を決して放棄しない」と強調。ゼレンスキー政権に代わる新たな政権と外交交渉に入っても、一方的に併合を宣言した4州などは返還しない考えを示した。(共同)


2024.03.01-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240301-WLQPSGNRW5M4THVCVOC72B55DI/
ナワリヌイ氏告別式に市民結集 「国を変えるため必要だった」 当局は厳戒警備 通信遮断

  ロシアの刑務所で死亡した反体制派指導者、ナワリヌイ氏告別式が1日、首都モスクワ南東部の教会で営まれた。当局が厳重な警備態勢を敷き、拘束される可能性も指摘される中で、教会の周囲には多くの市民らが集まった。ナワリヌイ氏の遺体は付近の墓地に埋葬された。

  ナワリヌイ氏の遺体は2月16日に露当局が急死を発表した後、24日までに母リュドミラさんに引き渡されたが、当局側は大規模な告別式は行わないよう圧力をかけていた。 教会周辺では当局側が通信を遮断し、電話やインターネットが不通になった。当局側は多数の市民が口コミで教会に集まり、デモなどに発展する事態を警戒したとみられる。 教会周辺に集まった市民らは花束を手にするなどし、到着した霊柩車(れいきゅうしゃ)からナワリヌイ氏の棺(ひつぎ)が教会に運び込まれる際には「ナワリヌイ! ナワリヌイ!」とのシュプレヒコールが上がった。
  教会を訪れたアントンさん(28)は「拘束が怖くないといえば噓になる」としつつ、「ナワリヌイ氏は僕の希望だった。国を変えるためには彼が必要だった」とその死を惜しんだ。
  アリーナさん(25)は「拘束は怖くない。私が政治に興味を持てたのは彼のおかげだ」と涙をぬぐった。ラリサさん(65)は「彼は迫害されてきたが、自分の血で国の罪を洗い流した。自分の息子のように誇りに思っている」と語った。


2024.02.28-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240228-WQ3IBC6QDBJKHOMIBJB2BRY4WU/
ロシア外務省局長、日独などは「便利なばか」 G7声明を批判

  ロシア外務省のザハロワ情報局長は27日に発表した声明で、ロシアにウクライナからの無条件完全撤退を求め、対露制裁の強化を表明した先進7カ国(G7)首脳声明を「ロシアへの不当な要求」と批判、米英両国が反露的な政策実行のために日本やドイツなど他のG7の指導者を「便利なばか」として利用しているとこき下ろした。

ザハロワ氏は、米英がG7をロシアとの闘争の本拠に変質させたと指摘。日独やフランス、イタリアなどは米英に利用されているとし、これらの国はG7への参加が本当に国益にかなうのか再考すべき時だと主張した。
11月の米大統領選を念頭に、バイデン米大統領の任期は近く終わる可能性があり、他のG7のリーダーたちも安泰ではないと指摘。岸田文雄首相が「1人で剣を振り回し続けることはないだろう」と皮肉った。(共同)


2024.02.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240219-HS73OOQSEJOKXHNJYHQSCQBX5I/
ロシア市民5万人超、ナワリヌイ氏の遺体引き渡し求める 当局側に請願提出

  ロシア当局が反体制派指導者、アレクセイ・ナワリヌイ氏の死亡を発表した問題で、遺族への遺体の引き渡しを求める市民らが19日までに約5万5千件の請願を当局側にオンラインで送った。請願をとりまとめている露人権監視団体「OVDインフォ」が発表した。

  当局側は16日にナワリヌイ氏の死亡を発表したが、18日時点で遺族への遺体の引き渡しに応じていない。同氏の広報担当者、ヤルミシュ氏によると、当局側は「死亡に事件性はない」としつつ、詳細な検視が終わるまで遺体は引き渡せないと主張。ヤルミシュ氏は、当局側が犯罪の痕跡を隠そうとしている可能性があるとの見方を示した。
  一方、独立系露語メディア「ノーバヤ・ガゼータ欧州」は18日、消息筋や救急隊員の話として、遺体に銃で撃たれた痕跡などはなく、心臓マッサージ時についたとみられるあざなどがあったと報道。なぜ心臓が停止したかは不明だとした。また、遺体は解剖待ちの状態だとし、これが死因の発表や遺体引き渡しが行われていない理由だとみられると伝えた


2024.02.18-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240217-V2NZZYP4UVI35CEUBWGYW3FBMY/
露各地でナワリヌイ氏追悼 治安当局、350人超拘束

  ロシア刑務当局が反体制派指導者、アレクセイ・ナワリヌイ氏(47)の死亡を発表した翌日の17日も、露各地で市民らが政治弾圧犠牲者の記念碑に献花するなど、ナワリヌイ氏の死を追悼する動きが続いた。治安当局が取り締まりに乗り出し、露人権監視団体「OVDインフォ」によると、17日までに首都モスクワや第2の都市サンクトペテルブルクなどで359人が拘束された。

  ただ、ナワリヌイ氏の死を受けた大規模デモなどは発生しておらず、ウクライナ侵略後、反政権的な行動への抑圧が極度に強まった露社会の現状が改めて示された。ナワリヌイ氏が2021年1月に拘束された直後には、2回にわたり各地で計10万人以上が参加する抗議デモが起きていた
  露外務省は16日、欧米は死因などが未確定な段階でロシアを非難しているとし、「彼らは偽善や冷笑主義、不道徳を再び露呈した」と反発した
  露反体制派の象徴的存在だったナワリヌイ氏について、露刑務当局は16日、収監先の北極圏ヤマロ・ネネツ自治管区の刑務所で急死したと発表。露メディアによると、司法当局は16日、死因などを確認する調査委員会を設置し、要員を現地に派遣した。ナワリヌイ氏の母親は死亡を正式に通知されたという。


2024.02.16-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240216-XX36ULU2VVIATEGTR3CRPGFMZY/
ロシア民主派さらに退潮も、ナワリヌイ氏死亡と発表 「プーチン政権恐れるな」訴え続け

  ロシア刑務当局が16日に死亡を発表した露反体制派指導者、アレクセイ・ナワリヌイ氏長年、プーチン政権の強権統治の打破を訴え、「反プーチン」の象徴的存在となってきた。2020年8月に毒殺未遂に遭い、21年2月からは収監されていたが、ナワリヌイ氏はそうした境遇にも屈せず「政権を恐れるな」と国民に呼びかけ続けてきた

  ナワリヌイ氏の死亡で、プーチン政権に異議を唱える露国内の民主派勢力はさらに退潮に追い込まれるとみられる。ナワリヌイ氏の収監を「政治弾圧」として非難してきた欧米諸国とロシアの関係がさらに悪化するのも確実だ。
  露独立系メディアによると、ナワリヌイ氏は死亡前日の15日、自身に関連する裁判にオンライン出廷し、元気な様子だったという。ナワリヌイ氏は3月の露大統領選でもプーチン大統領以外の候補者に投票するよう呼びかけていた。死亡は刑務所という「密室」で起きており、当局側による死因究明がどこまで客観的に行われるかは不透明だ
  交流サイト(SNS)上では、ナワリヌイ氏の盟友で露国外在住のボルコフ氏らが「政権が彼を殺した」などと非難の声を上げた。
  ナワリヌイ氏は2000年代からプーチン政権の強権統治を批判。11年の大規模反政権デモで指導者の一人になり、13年のモスクワ市長選では2位となった。18年の大統領選に出馬を予定したが、刑事罰を科されて資格を失った。
  19年のモスクワ市議会選では有力な非与党系候補に投票を集中させる「賢い投票」を有権者に呼びかけ、与党議席を減少させた
  20年8月に毒殺未遂に遭い、その後、拘束。法廷では「政権の狙いは私一人の投獄で多数の人々を萎縮させることだ。恐れれば政権の思うつぼだ。恐れるな」と国民に訴えた。昨年までに合計で約30年に及ぶ禁錮刑を言い渡された。


2024.02.14-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240214-AE6L7IAE7FIFFHIBSNAUF2J2UQ/
ロシア、占領地維持を条件に米国にウクライナ停戦を非公式打診も米は拒否 ロイター報道

  ロシアによるウクライナ侵略で、ロイター通信は13日、ロシアが昨年、既存の占領地域を維持する条件でウクライナと停戦することを米国に非公式に打診したが、米国はウクライナ抜きでの停戦協議には応じられないとして拒否したと伝えた。これを受け、ロシアは米国との接触は無意味だと判断し、軍事作戦の継続を決めたという。ロシア側消息筋3人の話としている。

  ロイターによると、ロシアは中東地域の第三国などを仲介役として停戦案を米国に提示。昨年末~今年初めに関係者の協議が行われた。ロシア側の提案は米国のサリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)やバーンズ中央情報局(CIA)長官、ブリンケン国務長官らに伝達された。
  ロシアはサリバン氏とウシャコフ露大統領補佐官の間で停戦に向けた調整を進める構想を立てていたが、サリバン氏は1月にウシャコフ氏に電話し、「ウクライナを除外して停戦を協議することはできない」などと伝えたため、米露の接触は破綻したという。
  ロイターは米ホワイトハウスと国務省、CIA、露大統領府にコメントを要請したが、いずれも拒否されたとした。ある米当局者がロシアとの非公式接触自体を否定したとも伝えた。
  一方、独立系の露語メディア「メドゥーザ」は、ロイター報道へのコメント要請に対し、ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問が「フェイクであり、ロシアのプロパガンダだ」と述べたと伝えた。


2024.02.03-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240203-UNADWF3O7VIN5LHBTGHJFGTIZQ/
ロシア、米国のイラク、シリア報復空爆を非難

  ロシア外務省は3日、ヨルダンの米軍施設で米兵3人が死亡した無人機攻撃への報復として米軍が実施したイラク、シリア両国内への空爆を「主権国家に対する許されない侵略行為」だと非難する声明を発表した。

  声明は、攻撃が中東地域での紛争をたきつける目的で行われたことは明らかだと主張。「米国は中東での問題解決を追求せず、対立継続を望んでいる」と批判し、国連安全保障理事会の緊急会合開催を求めると表明した。(共同)


2024.01.29-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240129-XFBNTUZHRJO2LBTKUMY3TXFESM/
ロシアのタンカー、流氷で動けず救助要請 北海道枝幸沖

  北海道オホーツク海側の枝幸(えさし)町から約24キロ沖合で、ロシア籍のタンカー「オストロフ・サハリン」(総トン数1万1423トン)が流氷に阻まれて航行できず、第一管区海上保安本部に救助を求めていることが分かった。船体や乗組員19人の健康に問題はなく、油漏れなどもないという。

  稚内海上保安部によると、「オストロフ・サハリン」は重油107・5トンと軽油58・8トンを積載し、ロシア極東のペトロハブロフスク・カムチャツキーから沿海地方のナホトカに向かっていた。
  29日午前3時40分ごろ、第1管区海上保安本部に無線で「流氷により航行ができない」などと救助要請があった。27日から流氷に阻まれて動けなくなっていたという。
  羅臼(らうす)海上保安署所属の砕氷巡視船「てしお」が現場に向かっていたが、夜間航行が危険なため日没後は網走市の沖合で待機中。日の出を待って救助を再開する
  稚内海上保安部によると、ロシア側からもコルサコフから砕氷船が救助に向かっているという。



2023.12.27-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20231227-KPE6BJPIZBMELLWY4KVLAQKPGI/
露活動家「北極圏にいる」 刑務所移送、大統領批判

  ロシア北部ヤマロ・ネネツ自治管区の刑務所に移送された反政権活動家ナワリヌイ氏は26日、フェイスブックで「北極圏にいる」との声明を発表した。23日夜に到着し、長い移動で疲れているが「元気だ」と説明した。

  ナワリヌイ氏は2021年からモスクワ東方ウラジーミル州の刑務所に収監され、今月に所在不明となった。広報担当者は25日、弁護士が移送先の刑務所で面会したと明らかにした。永久凍土帯の過酷な環境で、通信も困難という。
  ナワリヌイ氏陣営は今月、大統領選に向けてプーチン氏以外の候補者への投票を訴えるキャンペーン「プーチンなきロシア」を始めた。政権側は警戒し、陣営への締め付けを強めている。ナワリヌイ氏は声明で「(新年休暇明けの)1月半ばまで発見されないと思った」とし、弁護士来訪に「驚いた」と記して支援者に感謝した。(共同)


2023.12.26-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231226-RPYGLJ477RJATAU3YO2JJITN3Y/
<独自>三井物産が露LNG事業の出向者を引き揚げへ 米制裁で先行き暗雲

  来年の稼働開始を予定するロシア北極圏での液化天然ガス(LNG)開発事業「アークティック(北極)LNG2」に合弁会社を通じて参画してきた三井物産が、出向させていた全社員の日本への引き揚げを決めたことが26日、複数の関係者への取材で分かった。ロシアのウクライナ侵略を巡って11月に米国の制裁対象となった同事業の先行きが不透明になっていることを改めて示した。

  三井物産は、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)と設立した合弁会社「Jアーク」を通じて、アークティック2に参画している。アークティック2の権益は露天然ガス大手ノバテクが60%、Jアークと仏企業1社、中国企業2社の計4社が10%ずつ持っている
  関係者によると、三井物産はJアークへの社員数人の出向を解除した。米国の制裁から出向者を守る意図もあるという。出向者の引き揚げは日本側の事業撤退を即座には意味せず、Jアークの権益は維持される見通し。JアークにJOGMECからの出向者はいない
  一方、露経済紙コメルサントは25日、Jアークを含め、アークティック2の権益を持つ外国企業全4社が制裁を理由に事業参画の凍結をロシア側に通知したと報じた。
  ロイター通信は今月、これに先立ち、制裁の影響によってアークティック2のLNGを予定通りに供給するのは不可能になったとノバテクが関係先に通知したと報じていた。三井物産はJアークへの出向解除や事業参画の凍結について、産経新聞の取材に「コメントは差し控える」とした。
  アークティック2への制裁問題では、これまでも日本を含む各国がLNG購入の見直しを迫られる可能性が指摘されてきた。ただ、同事業が縮小した場合、日本の出資が不良債権化する恐れもあり、日本政府は必要に応じて米国と制裁への対応を協議する方針
  アークティック2は最大で年間約2000万トンのLNGを生産する計画。日本は2019年にLNGの安定確保や供給源の多角化のほか、日露平和条約交渉への好影響も視野に参画を決定した。


2023.12.22-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20231222-GXYVWVVZQRKL5IRILCQMBMSMGQ/
露原油輸出がウクライナ侵攻前を上回る 米欧制裁下で中印向け拡大

  ロシアのベロウソフ第1副首相は21日、ロシアの今年の原油輸出量がウクライナ侵攻前の2021年水準を7%上回り、約2億5千万トンに達したと政府の会議で述べた。タス通信が伝えた。22年2月から侵攻を続けるロシアに日米欧が制裁を強める中、友好国の中国やインドなどに向けた輸出が大幅に伸び高水準を維持している。

  ロシアは原油生産量世界3位で、輸出収益は侵攻を支える財源になっている。ベロウソフ氏は「エネルギー輸出額も21年水準にほぼ達し、政府予算や企業にとり快適な水準を維持している」と強調した。
  先進7カ国(G7)などは22年12月、ロシア産原油に上限価格を設定する制裁を導入した。「非友好国」向け輸出は21年比で約7割減り、欧州連合(EU)向けは約8割減になった。非友好国であっても液化天然ガス(LNG)の輸出が一部で続いているとした。(共同)


2023.12.20-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20231220-BYXUMGLXEBL6VK6M7NI25T7JEY/
中国への原油輸出1億トンに 制裁回避でロ、対印も急増

  ロシア国営石油パイプライン会社トランスネフチのトカレフ社長は20日、今年の中国への原油輸出が約1億トンに、インドへの輸出が7千万トンになり、前年より大幅に増えたと述べた。タス通信などが伝えた。

  ウクライナ侵攻を続けるロシアへの日米欧の制裁を受け、主要輸出品である原油の輸出先として、ロシアが中国とインドへの依存を強めていることが裏付けられた
  トカレフ氏はまた、エジプトやモロッコ、ミャンマー、パキスタンなどが新たな輸出先に加わったと述べた。タスによると、2022年のロシアの対中原油輸出は8900万トン、対インドは4100万トンだった。
  先進7カ国(G7)などは22年12月、ロシアの戦費調達を妨げる目的で、同国産原油に上限価格を設定する制裁を導入した。中国やインドは加わっていない。(共同)


2023.12.17-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20231217-FMW6OCLBEZKSVCKE2XYLI3YONA/
露兵器の部品、米国製が74% 日本製も多数 ウクライナ分析

  ウクライナ国家汚職防止庁は17日までに、ロシアの無人機やミサイルなど76の兵器に使用されていた2453個の部品を分析したところ、米国企業が製造したものが74%に当たる1813個に上ったとの調査結果を公表した。

  日本や欧州、台湾の部品も多数見つかった。ウクライナメディア「ウクラインスカ・プラウダ」が報じた。対露経済制裁に参加している欧米や日本の部品がロシアに流入している実態が改めて明らかになった。
  他に多かったのはスイス製が119個、日本製が96個。中国製は87個だった。露製は13個にとどまった。攻撃で多用されている巡航ミサイル「カリブル」や極超音速ミサイル「キンジャル」からはロシア製部品は見つからず、米国製が大多数を占めた。
  ウクライナ政府のホームページによると、日本製部品で見つかったのは集積回路(IC)やエンジン、カメラなど。企業名や部品の写真とともに使用されていた兵器も公表している。
  対露制裁の発動後は、欧米などからロシアへの直接の輸出は途絶えたが、中国や香港、トルコ経由などでロシアへの流入が続いているとの見方も出ている。企業が意図しない形で、使われたケースが多いとみられる。(共同)


2023.12.14-読売新聞-https://www.yomiuri.co.jp/world/20231214-OYT1T50217/
2年ぶり「国民と対話」、プーチン大統領に質問280万件…「政府の仕事の失敗」と謝罪も

  ロシアのプーチン大統領は14日、モスクワ市内で開かれた年末恒例の記者会見と国民との直接対話の合同イベントに参加した。昨年2月に開始したウクライナ侵略について「ロシアの目的が達成されれば、平和が訪れる」と語った上で、ウクライナ軍の反転攻勢は失敗したと主張し、軍事侵攻継続の姿勢を強調した。

  「今年の総括 プーチンと共に」と題されたイベントは、露メディアのほか一部の外国メディアも参加。プーチン氏は全国各地の住民からの質問にも答えた。記者会見も国民対話も、ウクライナ侵略を始めた昨年は開かれなかったため、2年ぶりの開催となった。
  プーチン氏は、ウクライナ侵略の目的をウクライナの「非軍事化」「非ナチ化」だと改めて強調した。「武器を手に祖国を守ろうとする露軍兵士の数は減っていない」と述べ、「今のところ(新たな)動員の必要はない」とも語った。現在、ウクライナとの戦闘に参加している兵士は61万7000人いるとも明かした。
  プーチン氏は「ほぼ全ての前線で我々の軍は、控えめに言っても優位に立っている」と述べる一方で、ウクライナ軍は兵器を「ほぼ何も生産せず、すべて輸入しているが、(西側の供与は)いつかは終わる」とも断言した。ロシアの優勢を印象づけ、自らが出馬を表明した3月の大統領選に向け、国民の支持を取り付ける意図があるとみられる。
  米欧など西側諸国の批判も展開した。「ウクライナを北大西洋条約機構(NATO)に加盟させるという欲望が悲劇を招いた」などと一方的に主張した。
  ロシア経済については堅調さを訴える場面が目立った。記録的な失業率の低さや対外債務の減少などを挙げ、欧米の経済制裁に対しても「露経済は 強靱きょうじん だ」と主張した
  プーチン氏は約4時間にわたるイベントで67の質問に答えた。露メディアによると、国民からの質問は280万件に上った。日常生活に関する質問にも丁寧に答える姿勢をアピールし、高騰する鶏卵の値段に関する質問には「政府の仕事の失敗だ」と謝罪する場面もあった


2023.12.13-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231213-7BIIMLVRNBKKVJRKKTCDCXL7XY/
露反体制派ナワリヌイ氏、モスクワに移送か 露報道

  ロシアで収監中の反体制派指導者、ナワリヌイ氏が所在不明となった問題で、露オンラインメディア「BAZA」は12日、ナワリヌイ氏が新たな刑事事件に関する捜査のため、首都モスクワに移送されたと報じた。複数の消息筋の話としている。ナワリヌイ氏はこれまでに過激派組織を創設した罪などで計30年以上の禁錮刑を言い渡されている。

  ナワリヌイ氏を巡り、広報担当者のヤルミシュ氏は11日、収監先の西部ウラジーミル州の刑務所から所在不明になったと発表。支援者や米政府などから安否を気遣う声が上がっていた。


2023.12.07-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231207-WMCIKWMYTFKQBFANLVFAMMDOAY/
親露派の元議員、露国内で射殺 ウクライナが関与か

  ロシアの首都モスクワ近郊のホテルで6日、元ウクライナ最高会議(議会)議員で、現在はロシアに滞在していたイリヤ・キバ氏(46)が頭を撃たれ死亡しているのが見つかった。露捜査当局は殺人容疑で捜査を開始した。タス通信が伝えた。一方、複数のウクライナメディアは6日、治安機関「ウクライナ保安局(SBU)」関係者の話として、SBUが裏切りに対する粛清のためにキバ氏を拳銃で殺害したと報じた。

  ウクライナ国防省情報総局高官のユソフ氏も6日、地元テレビで、キバ氏の殺害にウクライナ側が関与したことを認めた
  報道によると、キバ氏は親露派の政治家として知られ、ロシアによるウクライナ侵略が始まる直前の昨年1月にウクライナを出国。ロシアに滞在し、侵略も支持していた。ウクライナ当局はキバ氏を指名手配するとともに、国家反逆罪などで訴追。昨年11月、ウクライナの裁判所はキバ氏不在のまま同氏を禁錮14年とすることを決定していた。
  ウクライナ当局が関与したと指摘される露著名人らの殺害事件はこれまでも起きてきた昨年8月、ロシアの民族派思想家であるドゥーギン氏の娘ダリアさんが運転する乗用車がモスクワ郊外で爆発し、ダリアさんが死亡。今年4月には露著名軍事ブロガー、フォミン氏が露北西部サンクトペテルブルクのカフェで起きた爆発で死亡した。7月にも露南部クラスノダール市で露黒海艦隊の潜水艦の元艦長が射殺された。


2023.12.06-読売新聞-https://www.yomiuri.co.jp/world/20231206-OYT1T50204/
ロシア軍にアジアやアフリカ諸国から傭兵、国籍や報酬求めたか…少なくとも254人死亡

  英BBCロシア語版は5日、ウクライナ侵略を続けるロシア軍にネパール、ウズベキスタン、ソマリアといったアジアやアフリカの国々から人々が雇い兵として参戦していると報じた。露軍はウクライナで多くの戦死者を出しており、ロシア国籍や高額報酬と引き換えに外国人を露軍に勧誘し、穴埋めを図っている模様だ。

  BBCは露独立系メディアと協力して資料を収集し、露軍として戦った外国人254人の死亡を確認した。実際の戦死者は「はるかに多い」と推定されるという。
  最多はウズベキスタンの61人だった。6人の死者が確認されたネパール政府は、遺体の返還と全ネパール人雇い兵を帰国させるようロシア政府に要請している。学生ビザや労働ビザでロシアに滞在するネパール人がロシア国籍を取得するため、軍に入隊するケースが多いという。数か月軍務につけば、母国での数年分の収入を得られることも動機になっているようだ。
  露政府は、戦闘に加わった外国人が円滑にロシア国籍を取得できる措置を取っている。 BBCによると、ソマリアのラジオ局は4日、ベラルーシ在住のソマリア人の情報として、欧州への亡命を希望してロシアやベラルーシに不法入国し、拘束されたソマリア人60人以上が露軍に加わるよう勧誘されていると報じた。これまでに8人が同意したという。


2023.11.25-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231125-2N2L3NN4QZKD5CRXH3VIF6FFZU/
露の「ハイブリッド攻撃」非難 フィンランド、検問所閉鎖

  フィンランド政府は24日、北欧諸国への亡命希望者がロシアから流入するのを防ぐため、ロシアとの国境の検問所を、1カ所を除き全て閉鎖した。オルポ首相は、ロシアは「(移民らを意図的に送り込み政治や社会に揺さぶりをかける)ハイブリッド攻撃」をやめるべきだと非難した。ロイター通信が報じた。

  フィンランドでは最近、中東やアフリカ出身者らの不法越境が急増。政府は先週「ロシアが適正な書類を所持しない人々の移送を手助けしている」として、国境の検問所4カ所を閉鎖した。24日にさらに3カ所を閉鎖し、オルポ氏は「ロシアに明確なメッセージを送りたい」と訴えた。
  フィンランドは昨年2月のロシアのウクライナ侵攻を受け、今年4月に北大西洋条約機構(NATO)に加盟した。(共同)


2023.11.25-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20231125-7OP553LJT5KY7ABPCMOZS6SNPQ/
露軍、長距離兵器による被害大 英分析、一度に数十人死亡

  英国防省は24日、ウクライナ軍の長距離兵器による攻撃でロシア軍が大きな被害を受けていると分析した。10日に南部ヘルソン州のドニエプル川東岸フラドキウカでロシア兵70人以上が死亡した可能性があると指摘。19日には東部ドネツク州クマチョボで式典会場が攻撃を受け、ウクライナ側はロシア兵25人が死亡したと主張している。

  それぞれ前線や支配地域の境界から数十キロ離れた場所で、長距離兵器が使われたとみられる。ロシアメディアによると、クマチョボでは兵士慰問のため訪れていた著名な俳優も死亡した。
  ウクライナ側でも今月に入り、ロシア軍の弾道ミサイルによる攻撃で一度に19人の兵士が死亡した。
  英国防省は、標的とならないよう兵力を分散する必要がある一方、士気を維持するためには部隊を集結させなければならず、軍司令官は深刻なジレンマに直面しているとの見方を示した。(共同)


2023.11.16-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20231116-WMAWOYBNDNMBJJVPFOCQESBINU/
「ロシア義勇軍団」指導者に終身刑 モスクワの裁判所、本人不在のまま判決

  モスクワの軍事裁判所は16日、今年3月にウクライナからロシア西部ブリャンスク州に侵入し、銃撃などで住民2人を死亡させたとして、反プーチン政権の武装集団「ロシア義勇軍団」を率いるデニス・ニキーチン氏に対し、テロなどの罪で本人不在のまま終身刑を言い渡した。タス通信が報じた。

  ニキーチン氏は本名カプースチン。テロのほか、国家反逆などの疑いでロシア当局から国際手配されている。
  義勇軍団は3月2日にウクライナと国境を接するブリャンスク州に侵入して集落などを攻撃、2人が死亡し、2人が負傷した。(共同)


2023.11.11-読売新聞-https://www.yomiuri.co.jp/world/20231110-OYT1T50188/
兵器不足のロシア、エジプトに売却武器の返還要請か…引き換えに支払いの遅れ免除・穀物支援

  米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは8日、ウクライナ侵略を続けるロシアがエジプトなど複数の国に対して、これまでに売却した軍事兵器や部品の返還を求めたと報じた。戦闘の長期化に伴う兵器不足を補う狙いがあるとみられる。

  関係者と元露情報機関職員の情報として報じた。報道によると、エジプトは12月にも、軍用ヘリコプター「Mi8」と「Mi17」のエンジン約150個のロシアへの引き渡しを始める
  ロシアがエジプトにエンジンの返還を要請し、今年7月に西部サンクトペテルブルクで開かれたロシア・アフリカ首脳会議で、アブドルファタハ・シシ大統領がプーチン露大統領に応じる意向を伝えたという。
  引き換えとして、露側はエジプトの支払いの遅れを免除するほか、穀物を支援するとしている。エジプトは、航空機やミサイルなど兵器の輸入をロシアに依存している。
  ロシアは、パキスタン、ブラジル、ベラルーシにも同様の申し入れをしたが、ブラジルは断り、ベラルーシは応じたという。


2023.11.07-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20231107-ULVF5WA6WRNHTKSLXCBUJ2NWME/
露、ウクライナで鉄道着工 軍の補給に活用

  ロシア通信は6日、ロシア当局が同国南部からウクライナ東部や南部の占領地を通ってクリミア半島に至る鉄道の建設工事に着手したと報じた。軍の補給や穀物などの輸送に活用する。ロシアが一方的に併合を宣言したウクライナ南部ザポロジエ州のロシア側行政府のバリツキー知事は6日、「地域経済の発展に大きな影響を与える」と述べた。

  ロシア南部ロストフ州ロストフナドヌーからアゾフ海沿いのウクライナ東部ドネツク州マリウポリやザポロジエ州ベルジャンスクを通ってクリミア半島に達するルート。同州の拠点都市メリトポリ近郊などで建設が始まっているという。
  ウクライナ軍は6日、ロシア軍がミサイルや無人機で南部を5日夜~6日未明に攻撃し、世界遺産に登録されたオデッサ市中心部の歴史地区にある文化施設や高層住宅が被害を受けたと発表した。住民5人が負傷したとしている。(共同)


2023.10.31-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231031/k10014214521000.html
【随時更新】ロシア ウクライナに軍事侵攻

  ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる31日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは7時間の時差があります)

ロシア軍 ウクライナ東部拠点に戦力を集中 激しい攻防続く
  ロシア軍は10月に入って、東部ドネツク州のウクライナ側の拠点、アウディーイウカの掌握をねらって攻勢を強めています。
  アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は29日「ロシア軍はアウディーイウカ周辺におよそ4万人を配置し、追加の兵員も送っている」として、多くの戦力を集中させていると分析しました。一方、ウクライナ軍は30日、アウディーイウカの戦闘でロシア軍のスホイ戦闘機などこれまでに6機の軍用機を撃墜したと発表するなど、ロシア側にも多くの死傷者が出ていると指摘されていて、激しい攻防が続いています。
  領土奪還を目指すウクライナ軍は、南部の州で引き続き反転攻勢に出ています。このうちヘルソン州では、州内を流れるドニプロ川でロシア側が占領する東岸に部隊が渡り、作戦を展開しているとみられています。
  こうした中、ロシアの複数のメディアは29日、ロシア軍がヘルソン州方面で指揮をとる現地の司令官を交代させ、精鋭とされる空てい部隊のテプリンスキー司令官が新たに任命されたとみられると伝えました。
  これについて、ロシア国防省などは発表していませんが、「戦争研究所」「クレムリンやロシア軍の指導部は、ヘルソン州でウクライナ側の反転攻勢に対応できていないと懸念している可能性がある」と分析しています。


2023.10.27-朝日新聞-https://www.asahi.com/articles/ASRBW313PRBWUHBI00P.html
「ロシア軍は命令に従わない兵士を処刑」米高官が指摘 逃亡も対象か

  米国家安全保障会議のカービー戦略広報担当調整官は26日、ホワイトハウスでの記者会見で「ロシア軍は命令に従わない兵士を実際に処刑しているという情報を持っている」と述べた。 また、ロシア軍司令官ウクライナ軍の砲弾から逃れようとする部隊全体を処刑すると脅しているという情報もある、と主張した。

  戦況については、ウクライナ東部ドネツク州のアウジーイウカやリマン、北東部ハルキウ州のクピャンスクなどでロシア軍が攻勢をかけているが、ウクライナ側は防衛していると説明。アウジーイウカ周辺では11日以降、ロシア軍は少なくとも125台の装甲車両と1個大隊分以上の装備を失うなど、大きな損失を被っていると指摘した。
  ただ、ロシアは攻撃能力を残しており「今後数カ月で、戦術的な利益を得るかもしれない」とも警告した。装備や訓練が不足した人員を使った人海戦術を続けていると、米国はみている。


2023.10.26-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231026-N4G6I25XCFI2DOFLLRV2KTQ7LE/
ロシア、核ミサイル演習を実施 ウクライナや欧米威圧

  ウクライナ侵略を続けるロシアは25日、プーチン大統領の指揮の下、戦略核兵器を運用する露軍部隊によるミサイル発射演習を行った。ロシアは核戦力を誇示することで、ウクライナに抗戦を断念させたり、欧米諸国にウクライナ支援を躊躇(ちゅうちょ)させたりする思惑だとみられる。

  露国防省の発表によると、北西部プレセツク宇宙基地から大陸間弾道ミサイル(ICBM)「ヤルス」を極東カムチャツカ半島の試験場に向けて発射。バレンツ海では原子力潜水艦「トゥーラ」が潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)「シネワ」を発射した。長距離戦略爆撃機「ツポレフ95MS」による巡航ミサイルの発射も行われた。ショイグ国防相はプーチン氏への報告で「敵による核攻撃への報復」を想定した演習だと主張した。
  ロシアはウクライナ侵略開始後、核兵器開発と運用態勢の強化を加速させてきた。ロシアは2月、米露間の新戦略兵器削減条約(新START)の義務履行を一時停止すると表明。プーチン氏は今月5日、新型ICBM「サルマト」や原子力推進式巡航ミサイル「ブレベスニク」の量産を近く開始する方針を示した。露上下両院も25日までに包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准をロシアが撤回すると定める法案を可決。法案はプーチン氏の署名を経て近く発効する見通しだ。
  ロシアの動きに対し、ウクライナや日米欧などは「核による恫喝(どうかつ)」だと批判している。


2023.10.21-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20231021-6GVCN6KJJFOXFNHGU6RW42QP7U/
ロシア外務省、靖国参拝批判 「再軍備計画放棄を」

  ロシア外務省のザハロワ情報局長は20日、靖国神社の秋季例大祭に合わせて岸田文雄首相が供物を奉納したり閣僚らが参拝したりしたことを「強く非難する」とのコメントを発表した。靖国神社は「忌まわしい日本軍国主義の象徴」だとし、敗戦の歴史を踏まえ「再軍備計画を放棄すべきだ」と主張した。

  閣僚らの参拝は「第2次大戦の結果と、日本が起こした侵略と流血に対するアジアの人々への責任を否定する日本政府の政治方針を示している」とも指摘した。(共同)


2023.10.15-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20231015-IFJSMBVBPZJHFPVZDP62L2NWCI/
ロシア黒海艦隊、戦力を移動 東方向、防御強化か ウクライナ、クリミア攻撃拡大の構え

  英国防省は14日、ウクライナに侵攻するロシアの黒海艦隊が8、9月のウクライナの攻勢を受け、防御態勢を強化しているとみられるとの分析を発表した。ミサイル艦や潜水艦などの戦力を、司令部があるクリミア半島セバストポリからロシア南部ノボロシースクなど東に移動させているという。

  ウクライナは無人機(ドローン)やミサイルによる攻撃などで黒海の北西部では主導権を握ってきた。英国防省は、黒海艦隊が巡航ミサイルでウクライナを攻撃しており、今後も黒海の東部からミサイル攻撃を継続するとみられると指摘した。
  ウクライナは、ロシアの兵力供給の拠点となってきたクリミア半島への攻撃を拡大する構えだ。ウクライナメディアによると、今月13日にはロシアのミサイル艦を水上ドローンで攻撃した。11日にも哨戒艦を攻撃していた。(共同)


2023.10.13-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20231013-IXDKIUYDKNKXJC5E63XETX3MGA/
ナワリヌイ氏の弁護士拘束 「過激派参加」で家宅捜索

  ロシアの反政府活動家ナワリヌイ氏の陣営幹部ジダーノフ氏は13日、ナワリヌイ氏の弁護士3人が治安当局による家宅捜索を受け、うち1人が拘束されたとX(旧ツイッター)で明らかにした。「ナワリヌイ氏を完全に孤立させるための措置だ」と非難した。独立系メディアによると、「過激派団体への参加に関連している」との理由で捜索された。

  2021年から収監されているナワリヌイ氏は今年8月、過激派団体を創設したとして懲役19年の判決を受け、9月に刑が確定していた。
  ナワリヌイ氏は政府高官の汚職疑惑を告発してプーチン政権と対立。20年にロシアで毒殺未遂に遭い、療養先のドイツから21年に帰国し逮捕され、過去の経済事件に絡んで懲役2年6月の判決を受けた。22年には自身の「反汚職闘争基金」の寄付金詐取などを理由に懲役9年を言い渡された。(共同)


2023.10.11-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231011-2BOPPKFROJJ5HMHKAYGV6MZ4MA/
露、国連人権理復帰に失敗 理事国選で落選
(ニューヨーク 平田雄介)

  国連総会(193カ国)は10日、スイス・ジュネーブの人権理事会で来年1月から3年間の任期を務める新理事国の選挙を行った。ウクライナでの民間人虐殺などを理由に昨年、人権理を追放されたロシアが立候補していたが、落選した。

  ロシアが当選を目指していたのは今年末に任期が切れるウクライナとチェコの枠。競合していたブルガリアとアルバニアが当選した。当選には全加盟国の過半数97票を獲得したうえで、上位2カ国に入る必要があった。ロシアの得票は83票にとどまった。人権理を追放された後もウクライナでの人権侵害を重ねるロシアに対し、国際社会が批判的な態度を維持していることが確認された。(ニューヨーク 平田雄介)


2023.10.08-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231008-AN5J6XHDRZPEPI4TDEORHAAEWM/
露、パレスチナ情勢で停戦要求 ウクライナはハマス非難

  イスラム原理主義組織ハマスとイスラエルの軍事衝突で、ロシアのラブロフ外相は7日、エジプトのシュクリ外相と電話会談し、即時停戦と対話による情勢の正常化が必要だとする認識で一致した。露外務省が発表した。タス通信によると、ボグダノフ露外務次官(中東・アフリカ担当)も即時停戦を求めた。ロシアはパレスチナ情勢でこれまでも中立的な立場を見せてきた。

  ロシアはハマスを支持するイランと友好関係にあり、ウクライナ侵略で武器供与を受けている。ロシアは他方でイスラエルにも影響力を保持。イスラエルが欧米主導の対露制裁やウクライナ軍事支援から一定の距離を置く要因となっている。
  イスラエルはロシア系住民を多く抱えている。また、隣国シリアに構築された敵対国イランの軍事拠点を攻撃するためには、シリアの後ろ盾であるロシアの許可を得る必要があるとされる。
  一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は7日のビデオ声明で、今回の衝突の直接的引き金となったハマスによる攻撃を「テロだ」と非難。「イスラエルには身を守る権利がある」とし、反撃は正当だとする認識を示した。衝突でウクライナ国民1人が死亡したとの情報もあるとした。
  ゼレンスキー氏はイスラエルに防空システムの供与などウクライナ支援の強化を求めてきた。


2023.10.05-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231005-YIUMJD3BENJRBL5ADQZ5QRNNVE/
機雷で民間船標的の恐れ ロシアが黒海で、英政府

  英政府は4日、ロシアが黒海経由のウクライナ産穀物輸出を阻止するためウクライナの港周辺に機雷を敷設し、民間商船を標的にする可能性があるとの情報分析を公表した。

  ロシアは7月に黒海経由の輸出合意を破棄。ウクライナは独自に臨時回廊を設置し輸出継続を目指すが、船舶の安全確保が課題となっている。
  英政府は、ロシアは民間船舶へのあからさまな攻撃を避け、責任をウクライナに押しつけようとしていると指摘。「ロシアの戦術を暴露し、このような事態の発生を抑止するため」に情報分析を公表したとしている。(共同)


2023.10.04-読売新聞-https://www.yomiuri.co.jp/world/20231004-OYT1T50240/
ロシアのテレビで反戦訴えた女性、禁錮8年6月判決…「プーチンは人殺し」ポスター掲げる

  露軍に関する「虚偽情報」を拡散した罪に問われたロシアの元テレビ局職員マリーナ・オフシャンニコワさんに対し、モスクワの地方裁判所は4日、禁錮8年6か月の実刑判決を言い渡した。

  オフシャンニコワさんは、ロシア国営テレビ「第1チャンネル」のニュース番組の放送中、露軍のウクライナ侵略に抗議し、反戦を訴えた昨年7月、クレムリンの対岸で「プーチン(大統領)は人殺しだ」などと書かれたポスターを掲げたとして、起訴されていた
  弁護士によると、オフシャンニコワさんは約1年前、自宅軟禁から逃れて欧州に出国し、裁判は欠席したという。
  ロシア政府は昨年2月のウクライナ侵略開始直後、露軍に関する「意図的な虚偽情報」を広めたと見なした場合、記者らに対して、最大15年の禁錮刑を科せるよう刑法を改正した。


2023.09.30-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230929/k10014194551000.html
【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(29日の動き)

  ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いていますウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる29日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります

ロシア軍 参謀本部 秋の徴兵に関する計画を発表
  ロシア軍の参謀本部は29日、毎年2回、春と秋に行われる徴兵のうち、秋の徴兵に関する計画について発表しました。秋の徴兵は、10月1日から行われるということで、発表したロシア軍参謀本部の高官は、徴集される兵士は1年間の兵役期間中、ウクライナヘの軍事侵攻に参加することはなく、一方的に併合したウクライナの東部や南部に派遣されることはないと強調しました。
  さらに「追加の動員活動を行う計画はないことを強調したい。特別軍事作戦の任務を遂行するのに、十分な契約兵や志願兵がいる」などと発表し、長期化するウクライナ侵攻で兵員不足解消のため追加の動員があるのではという国民の間でくすぶる不安の払拭に努めています。
  一方、ロシア国営のタス通信は、今回の徴兵は、去年、一方的に併合したウクライナの東部や南部の4つの州の占領地域の住民も初めて徴集の対象に含まれると伝えています。
プーチン大統領 ワグネル元幹部に志願兵の組織化を指示
  ロシア大統領府は29日、プーチン大統領がワグネルの幹部だったトロシェフ元司令官と28日に大統領府で会談したと発表しました。ロシア大統領府のペスコフ報道官によりますと、トロシェフ元司令官は現在は、ロシア国防省に所属しているということです。会談で、プーチン大統領は、トロシェフ元司令官に対し「あなた自身も、部隊で1年以上戦ってきた。戦闘を最も成功する方法で進めるために事前に解決すべき課題についても知っている」と述べたうえで、ウクライナへの軍事侵攻に参加する志願兵の部隊の組織化を指示しました。プーチン大統領としては、ことし6月、ワグネルの代表だったプリゴジン氏が反乱を起こし、8月には航空機の墜落で死亡した後も、ワグネルの戦闘員らが政権の管理下にあることを示すねらいもあるとみられます。
  一方、これに先立ってウクライナ軍の報道官は27日、ワグネルの元戦闘員、数百人が東部ドネツク州の激戦地バフムトで戦闘に参加していると明かしていました。
  ウクライナ軍の参謀本部は29日、バフムトなどで反転攻勢を続けていると発表し、ロシア側に占領された地域を少しずつ解放していると強調しています。
  戦況を分析しているイギリス国防省は、ワグネルの戦闘員について「再配置された人員の正確な状況は不明だがロシア国防省の部隊かほかの民間軍事会社に移籍した可能性が高い」と指摘したうえで「多くは昨年の冬、同じ地形で戦ったため、現在の前線とウクライナの戦術に精通しているだろう」という見方を示しています。
米国防総省「ウクライナのパイロットへの英語研修開始」
  アメリカ国防総省のシン副報道官は28日、記者会見で「ウクライナのパイロット数人に対する英語の研修が始まった」と述べ、アメリカでもF16戦闘機を操縦するうえで必要な専門用語を身につけるための英語研修が始まったことを明らかにしました。
  バイデン政権は、来月には西部アリゾナ州の基地で飛行訓練を開始する計画で、できるだけ早くF16戦闘機を投入できるようにすることで、ウクライナ軍の反転攻勢を後押ししたい考えです。ただ、アメリカの連邦議会では、政府の予算案をめぐる協議が難航していて、30日中に「つなぎ予算」が成立しなければ政府機関の一部が閉鎖される懸念が高まっています。
  仮に政府機関が閉鎖となっても軍人は無給で働くことになっていますが、ウクライナ軍のパイロットへの訓練には民間人も関わっており、給与の支払いが滞れば影響がでることも懸念されています。
NATO事務総長 英仏国防相がキーウ訪問
  反転攻勢を続けるウクライナにNATO=北大西洋条約機構の事務総長やイギリスとフランスの国防相などが相次いで訪れ、支援を継続する姿勢を強調しました。NATOのストルテンベルグ事務総長は28日、ウクライナの首都キーウを訪れ、ゼレンスキー大統領と会談しました。
  共同会見でストルテンベルグ事務総長はウクライナに対し、口径が155ミリの砲弾や主力戦車の弾薬の供与などの軍事支援を続けることを明らかにしました。これに対しゼレンスキー大統領は、冬を前にインフラ施設などへのロシア軍の攻撃が強まることを念頭に、ミサイルなどを撃ち落とす防空能力の重要性を強調し、支援に謝意を示しました。
  また、イギリスのシャップス国防相も28日、就任後はじめてキーウを訪問してゼレンスキー大統領と会談したほか、フランスのルコルニュ国防相もキーウでゼレンスキー大統領と会談し、ヨーロッパの各国が支援を継続する姿勢を強調しました。
ロシア アフリカと関係強化で欧米側に対抗
  一方、ロシアのプーチン大統領は28日、首都モスクワで南スーダンのキール大統領と会談し、エネルギーや経済面での関係を強化する考えを示し、結束を強調しました。ロシアはアフリカなどグローバル・サウスと呼ばれる新興国や途上国との関係強化を図っているほか、来月にはプーチン大統領が中国を訪問して習近平国家主席と会談する見通しで、欧米側に対抗して外交活動を活発化させようとしています。


2023.09.26-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230926/k10014207401000.html
ロシア黒海艦隊司令官に死亡説もメディア「国防省会議に出席」

  ウクライナ軍は、ロシアが一方的に併合した南部クリミアにあるロシア黒海艦隊の司令部への攻撃で、黒海艦隊を率いる司令官が死亡したと主張しています。しかし、黒海艦隊は攻撃能力を維持し、ウクライナ側への報復が懸念されるとの見方も出ています。

  ウクライナ軍は25日、南部クリミアの軍港都市セバストポリにあるロシア海軍の黒海艦隊の司令部に対する22日の攻撃で、黒海艦隊を率いる司令官を含む34人の幹部が死亡したと主張しています。これに対し、これまでにロシア側の公式な反応はありませんが、ロシアメディアは国防省の関係者の話として、「偽の情報だ」などと否定的に伝えています。
  アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は25日、司令官死亡の確証はまだないとしつつも、「死亡が報告されれば、ロシア黒海艦隊の指揮統制に大きな混乱を引き起こすだろう」と指摘しています。
  一方、イギリス国防省は26日、ロシア黒海艦隊への攻撃が激しくなっているとしたうえで、「司令部への攻撃による物理的な損傷は大きいが、局所的だ。黒海艦隊は巡航ミサイルによる攻撃や警戒監視といった中核となる任務の遂行能力を維持している」と指摘しました。
  そのうえで、「ウクライナ軍の攻撃はロシアに反動的な姿勢を強いることになりそうだ」として、一連の攻撃に対するロシアによる報復も懸念されるとの見方を示しています。
死亡情報の司令官 “国防省の会議出席” ロシアメディア
  ロシア国防省は26日、ショイグ国防相が軍の司令官などと開いた会議の映像を公開し、この中にロシア海軍の黒海艦隊のビクトル・ソコロフ司令官とみられる人物がオンラインで参加している様子が映し出されています。
  これについてロシアのメディアは「ウクライナ側はソコロフ司令官が死亡したと主張しているが、司令官は国防省の会議に出席している」などと伝え、ソコロフ司令官は健在だとしています。
  また、ロシア大統領府のペスコフ報道官は26日、ウクライナ側が司令官が死亡したと主張していることについて、記者団に対し、「国防省からの情報はない。何も言うことはない」としています。


2023.09.24-読売新聞-https://www.yomiuri.co.jp/world/20230924-OYT1T50085/
ゼレンスキー氏の和平案、ロシア・ラブロフ外相「完全に実現不可能だ」…国連本部で記者会見

  ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は23日、米ニューヨークの国連本部で記者会見を行い、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が提唱する「10項目の和平案」について「完全に実現不可能だ」と断言した。「ウクライナと西側諸国がそれに固執するなら、紛争は戦場で解決されるだろう」とも述べた。

  10項目の和平案は、ウクライナ側が露軍の完全撤退や全領土の返還などを求めているもので、ゼレンスキー氏が20日の国連安全保障理事会の演説でも説明した。ラブロフ氏は、ウクライナとの協議について「用意はあるが、停戦の提案は検討しない」と語った。
  このほかラブロフ氏は、今月行われたプーチン大統領と北朝鮮の 金正恩キムジョンウン 朝鮮労働党総書記の首脳会談を受け、10月に平壌を訪れ、交渉を継続するとも述べた。
  これに先立ち、ラブロフ氏は国連総会の一般討論演説に臨んだ。ウクライナを支援する欧米諸国などを「世界を民主主義と専制主義に分断し、自分たちの新植民地主義的なルールだけを全ての人に指示している」と非難。国際的な議論の議題を「ウクライナ化」する試みは「西側の利己主義」だと指摘した。
  日米韓や日米豪印の枠組み「クアッド」(Quad)などの連携が「新たな地政学的な緊張を生み出す危険性がある」とも批判した。
  また、ナゴルノ・カラバフ自治州を巡るアゼルバイジャンとアルメニア系住民との対立について、「双方が信頼を築く時が来た。ロシアの平和維持部隊はこのプロセスを全面的に支援する」と語った。


2023.09.22-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230922-DDHPECGVEJPXHKMZZ2DBAKV4YU/
露黒海艦隊本部、ミサイル攻撃で損傷 防空網弱体化か

  ロシア国防省は22日、ロシアが実効支配するウクライナ南部クリミア半島セバストポリの露黒海艦隊本部ウクライナ軍のミサイル攻撃で損傷したと発表した。ミサイル5発を撃墜したが、攻撃で軍人1人が死亡したとしている。ウクライナ軍は最近、クリミアや周辺で複数の露防空システムを破壊したとされ、今回の攻撃は露軍の防空網の弱体化を示唆した。

  本部施設の損傷の度合いは不明だが、タス通信は「多数の救急車が現場に向かった」と伝えた。交流サイト(SNS)上には市内で黒煙が上がる様子を撮影したとする複数の写真が投稿された。
  報道によると、ウクライナ軍は8月以降、クリミアに配備された露最新鋭防空システム「S400」2基を破壊露軍がレーダーを設置していた黒海上の石油・天然ガス掘削施設も奪還した。
  同時期にウクライナ軍はクリミアの露軍施設や艦艇を標的としたミサイルや水上ドローン(無人艇)による攻撃を激化9月13日にはセバストポリの船舶修理施設をミサイルとドローンで攻撃し、大型揚陸艦と潜水艦を損傷させた。20日にも同市近郊の露黒海艦隊の指揮施設への攻撃に成功したと発表していた。
  ウクライナは自国へのミサイル攻撃や黒海封鎖を続ける露黒海艦隊に打撃を与え、制海権の回復につなげる思惑だとみられている。


2023.09.14-読売新聞-https://www.yomiuri.co.jp/world/20230914-OYT1T50026/
金正恩氏「ロシアは聖戦に立ち上がった」…プーチン氏と首脳会談で軍事協力合意か

  【ソウル=小池和樹】ロシアのプーチン大統領と北朝鮮の 金正恩 朝鮮労働党総書記は13日、露極東アムール州のボストーチヌイ宇宙基地で会談した。正恩氏は冒頭で、ウクライナ侵略を続けるプーチン氏の「全ての決定を支持する」と強調。会談では、宇宙開発でロシアが北朝鮮を支援することで合意した。軍事協力も議題となり、北朝鮮からロシアへの武器供与などで合意があった可能性が高い

  プーチン氏は会談で「経済協力や人道問題、地域情勢について話し合う必要がある」と述べた。正恩氏はウクライナ侵略を念頭に「ロシアは国家の主権や安全を守る聖戦に立ち上がった」と主張し、ロシアとの関係強化が「我が国の最優先事項」だと語った。
  会談は両国外相や国防相らが同席した拡大会合に続き、通訳だけを交えた1対1の形式でも行われ、計約2時間に及んだ。露政府によると、セルゲイ・ラブロフ外相が10月に北朝鮮を訪問することでも合意した。
  ドミトリー・ペスコフ大統領報道官は会談後、軍事協力についても協議したと記者団に明らかにした。北朝鮮がウクライナ侵略で使う大量の弾薬などを提供する見返りに、軍事分野の技術支援などを得る合意があったかが焦点となる。北朝鮮から武器提供を受けるのは国連安全保障理事会の決議に違反するため、合意を公表しない可能性がある。
  ボストーチヌイ宇宙基地は露国内の宇宙開発の主要拠点だ。会談に先立ち、プーチン氏は正恩氏をロケット発射施設などに案内した。
  ロシア通信によると、プーチン氏は記者団から北朝鮮の人工衛星の開発を支援するのか問われ、「それがここに来た理由だ。北朝鮮の指導者はロケット技術に大きな関心を示しており、彼らは宇宙開発を試みている」と述べ、支援すると認めた。北朝鮮は軍事偵察衛星の開発を急いでいる。
  両氏の会談は、極東ウラジオストクで行った2019年4月以来となる。


2023.09.13-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230913-DYKIGTMW5JN3LNB3X3ZIAJMROI/
プーチン氏「新原理の兵器開発」と演説 軍事力誇示し欧米を威圧

  ロシアのプーチン大統領は12日、極東ウラジオストクで開催中の国際会議「東方経済フォーラム」の全体会合で演説し、「ロシアは新しい物理原理に基づく兵器(の開発)に取り組んでいる」と述べた。プーチン氏は詳細には言及しなかったが、タス通信は、新しい物理原理に基づく兵器とは一般に、レーザー兵器や音波で物体に影響を与える音響兵器を指すと伝えた。

  ロシアは近年、米ミサイル防衛(MD)網を突破できると主張する新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)や極超音速兵器の開発を進めてきた。ロシアは自国の兵器開発力の高さを誇示し、敵対する欧米諸国を威圧する思惑だとみられる。
  プーチン氏は演説後、司会者との質疑応答で、ロシアが侵略を続けるウクライナ情勢にも言及。ウクライナ軍の反攻は「大損害を出しつつも成果がない」と主張した。停戦にはウクライナが反攻作戦を中止し、対露交渉を禁じた法令を取り消すことが前提との従来の持説を繰り返した。欧米側による米製戦闘機F16や劣化ウラン弾などの対ウクライナ供与は「戦況に影響を与えず、戦闘を長引かせるだけだ」とも述べた。
  プーチン氏は演説や質疑応答で欧米批判も展開。欧米は対露制裁などで「自身が築き上げた金融・貿易システムを自ら壊している」と主張した。欧米は中国の発展を妨害しようとしているが「欧米側にそれはできない。手遅れだ。(中国の発展という)列車は出発した」とも述べた。


2023.09.07-毎日新聞-https://mainichi.jp/articles/20230907/k00/00m/030/024000c
ロシア、兵員増強を加速 1カ月で5万増か 高額報酬、市民権約束も
【山衛守剛】

  ロシアは、ウクライナで続ける「特別軍事作戦」の長期化に伴い、軍の兵員増強の動きを進めている。メドベージェフ安全保障会議副議長(前大統領)は、今年初めから9月初旬までに約28万人が新規入隊したと言及した。事実なら直近1カ月で約5万人の増員となる。高額の報酬を支給したり、入隊希望の外国人移民に市民権付与を約束したりするなど、あの手この手で前線で戦う契約兵の増員を図る動きも指摘されている。

  メドベージェフ氏は3日、極東サハリン州での会議で「国防省のデータによると、1月1日以降、約28万人が(契約兵として)軍に採用された」と語った。通信アプリ「テレグラム」で会議の動画を公開した。タス通信によると、同氏は8月初旬時点では今年の入隊者は「23万1000人」と述べていた。
  ロシアは8月の法改正で、来年1月以降、徴兵対象者の上限年齢を現行の27歳から30歳に引き上げると決めた。下限は18歳で変わらないが、兵役(通常1年間)の対象者が広がることになる。
  徴兵は契約兵と異なって戦場には派遣されない決まりがあるが、戒厳令下や戦時には軍と1年間の契約を結んで契約兵に身分変更できるとの新規定も設けられた。今後のウクライナでの戦況次第では、徴兵を契約兵に切り替えて前線に投入する可能性がありそうだ。
  一方、英国防省は8月下旬に公表した分析で、ロシア軍が兵員増強のため、契約兵を給与面で厚遇していると指摘した。「特に貧困地域の出身者にとって、(厚遇は)入隊の強い動機付けになっている可能性が高い」とみる。この分析によると、ウクライナでの軍務に就く露軍契約兵には、下級兵であってもロシア国内の平均給与の3倍近い月給20万ルーブル(約30万円)が支払われているという。
  また、英国防省は3日公表の分析で、ロシアがウクライナでの戦闘参加者を募集する広告を旧ソ連諸国の国民に向けてウェブ上で掲示していると言及。ロシアは5月以降、契約兵への採用を希望する中央アジアからの移民に、迅速な露市民権の取得と最高4160米ドル(約61万円)相当の手当を約束しているという。英国防省の分析は、「ロシアは外国人を補充兵として利用し、国内で不人気な動員を避けたいのだろう」と指摘している。【山衛守剛】


2023.09.05-読売新聞-https://www.yomiuri.co.jp/world/20230905-OYT1T50121/
ロシア軍大尉、ヘリでウクライナ亡命…情報機関が脱出手助け

  【ロンドン=尾関航也】ウクライナ国防省情報総局は3日、ロシア軍のヘリコプター操縦士が、ヘリでウクライナに亡命し、ウクライナ当局に保護されたと明らかにした。ウクライナの主要メディアは、国防省が公開した操縦士のインタビュー映像を一斉に報じた。

  報道によると、保護されたのは露陸軍のマクシム・クズミノフ大尉(28)で、8月23日にロシア製Mi―8軍用ヘリでロシアを脱出し、ウクライナ領内の飛行場に着陸した。
  半年以上前にウクライナ側に亡命の意思を伝え、ウクライナ軍の情報機関が脱出を手助けしたという。本人がインタビューで語ったところによれば、当日は低空飛行で国境を越え、露側に察知されることはなかった。家族も別途ロシアを出国して無事だという。
  クズミノフ大尉はインタビューで、戦争犯罪に加担したくなかったと語るとともに、「ここにはナチスもファシストもいない。それが真実だ」と述べ、露軍将兵に亡命を呼びかけた


2023.09.05-読売新聞-https://www.yomiuri.co.jp/world/20230905-OYT1T50127/
ワグネル反乱後に消息不明、ロシア軍上級大将がモスクワ滞在か…SNSに写真投稿

  英BBCなどによると、6月のロシアの民間軍事会社「ワグネル」による反乱以降、消息不明となっている露軍のセルゲイ・スロビキン上級大将とされる人物の写真が4日、SNSに投稿された。写真では帽子をかぶったスロビキン氏とされる男性が夫人とみられる女性と歩いている。写真を投稿したロシア人ジャーナリストのクセニヤ・サプチャク氏は「スロビキン氏は元気で、家族とモスクワの自宅にいる」と指摘した。写真に写っている男性がスロビキン氏かどうかは公式に確認されていない。

  スロビキン氏は反乱計画を事前に知っていたとされ、反乱後に航空宇宙軍の司令官とロシアのウクライナ侵略作戦の副司令官を解任されたと報じられている。


2023.09.04-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/fe07b4b02c7c3a00555e9ce49ccea82a5024aa91
ロシア、北朝鮮に中朝露演習実施を公式提案 韓国情報機関分析

  【ソウル=時吉達也】韓国の情報機関、国家情報院は4日、ロシアのショイグ国防相が7月に金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記と面会した際、中朝露3カ国による共同演習の実施を公式に提案したとの分析を国会情報委員会で報告した。出席議員が明らかにした。

  ショイグ氏は7月下旬、朝鮮戦争(1950~53年)の休戦協定締結70年の記念式典出席に伴い訪朝した。国情院はこれまでに、ショイグ、金正恩両氏が「大きな枠組みの軍事協力」に合意したとも明らかにしていた。


2023.08.30-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/0892cf411ad716ccbbb3a0c14873fc1b900cc10c
プリゴジン氏死去でワグネル解体進む 墜落1週間

  ロシアで武装反乱を起こした民間軍事会社「ワグネル」トップのプリゴジン氏が乗っていたジェット機の墜落から30日で1週間となった。プーチン露政権は墜落と前後して、ワグネルの持つ利権を政権側に移し、その戦闘員も露軍に取り込む動きに着手。プリゴジン氏の死で、反乱後に露政権が進めてきたワグネルの解体が加速するのは確実だとみられている。

  プリゴジン氏の葬儀は29日、出身地の露北西部サンクトペテルブルクで非公開で執り行われた。複数のワグネル系メディアが伝えた。 23日に起きた墜落について、ロシアは「プリゴジン氏排除のためプーチン大統領が指示したのではないか」との欧米の見方を否定。露当局が今後発表する墜落の調査結果も政権の関与を否定するものになるのは確実だ。
  ロイター通信によると、墜落したジェット機のメーカーがあるブラジルの航空当局に対し、ロシア側は「国際ルールに基づく調査は当面行わない」と通告したという。
  ブラジル側の不参加で、露当局による調査の不透明性は一層高まる。 ただ、反乱後にワグネルの弱体化を図った政権側に抵抗してきたプリゴジン氏の死が、結果的に政権に「利益」をもたらしたことは間違いない
  実際、ワグネル系メディアは23日、露軍参謀本部情報総局(GRU)がアフリカでのワグネルの請負業務を露軍の管轄に移す計画を進めており、「プリゴジン氏は強く反発していた」と報道。同氏が墜落直前、アフリカとロシアを行き来していたのはこの問題に対処するためだったと伝えた。
  露政権はワグネルの影響力排除と並行し、ワグネル戦闘員の露軍への取り込みも進める構えだ。 プーチン氏は墜落から2日後の25日、露正規軍とは別枠で軍務に携わる民間軍事会社の戦闘員や義勇兵に対し、「国家への忠誠」や「命令服従」を露国旗の前で宣誓することを義務付ける大統領令に署名。ワグネル戦闘員も対象となる。
  この大統領令には背景がある。プーチン氏は反乱後の6月末、ワグネル戦闘員に露正規兵となることやプリゴジン氏とは別の指揮官の下で仕事を続けることを提案したが、プリゴジン氏は拒否した。同氏はさらに、ベラルーシにワグネルの拠点を作る動きや、アフリカでワグネルの活動を続ける意向を示すなど、独立組織として存続させる構えを見せていた。
  米シンクタンク「戦争研究所」は24日、プリゴジン氏らの死で「ワグネルは準独立組織として存続できなくなる」と分析。ベラルーシに移動したワグネル戦闘員がロシアへの帰国準備を始めた情報もあるとした。


2023.08.30-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20230830-AJOYLQ6AIVMSLPCQ5GNBFHNW2Q/
プリゴジン氏の葬儀終わる 非公開、露北西の出身地で

  ロシア民間軍事会社ワグネルの情報を発信してきた通信アプリは29日、ワグネル創設者で、23日の搭乗機墜落で死亡したプリゴジン氏葬儀が出身地のロシア北西部サンクトペテルブルク市郊外で、非公開の形で行われたと投稿した。

  ロシアメディアによると、葬儀は29日午後、市東部のポロホフスコエ墓地で行われた。遺族の希望に従ったという。タス通信によると、遺族や親しい友人だけが参列した。
  ウクライナ侵攻を巡って軍と対立したプリゴジン氏は6月23日に反乱を起こしたが、翌24日に中止した。今月23日、モスクワからサンクトペテルブルクに向かう小型機がトベリ州内で墜落し、死亡した。(共同)


2023.08.25-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20230825-L4WTSYOZERJ4RIMEANSP7QSBMI/
プーチン大統領がプリゴジン氏に哀悼の意 「大きな貢献、われわれは忘れない」

  ロシアのプーチン大統領24日、墜落した小型機に乗っていたとされる民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン氏について「家族に哀悼の意を表したい」と述べ、死亡したとの見方を示した。インタファクス通信などが報じた。

  プーチン氏はプリゴジン氏について「才能ある人物で、有能なビジネスマンだった」と回顧。ウクライナ侵攻に参加したワグネルのメンバーらが「大きな貢献をしたことを、われわれは忘れない」と述べた。モスクワの大統領府で、併合を宣言したウクライナ東部ドネツク州の親ロシア派行政府トップとの会談で語った。
  プリゴジン氏は23日にモスクワから出発し墜落した小型機に乗っていたとみられている。(共同)


2023.08.24-Yahoo!Japan(毎日新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/6e41aebe0d31a4ff10cb047c56076e024cc9bf9d
プリゴジン氏の死亡は確定的 搭乗機墜落、ミサイル発射の痕跡と報道

  ロシアの民間軍事会社ワグネル創設者、エフゲニー・プリゴジン氏の反乱宣言から2カ月となる23日、プリゴジン氏の名前が乗客名簿にある同氏の所有機が墜落した。事故の詳細は依然不明だが、プーチン政権は「裏切り者」を許さないと言われており、プリゴジン氏が「粛清」されるとの見方は根強くあった。

  プリゴジン氏のジェット機は、モスクワから北西部のトベリ州で墜落した。ロシアの独立系メディアによると、同機は高度8500メートルを飛行中、突然、墜落したという。
  ロシアの航空当局は、プリゴジン氏が搭乗していたと発表。乗員3人を含む搭乗者10人は死亡したと発表されており、プリゴジン氏の死亡は確定的な状況だ。
  ワグネルに近いテレグラムチャンネル「グレーゾーン」は、地対空ミサイルが発射された痕跡があるとして、「撃墜された」と報じた。まだ事故の真相は不明だが、プリゴジン氏については、反乱失敗後から、いずれ「粛清される」との見方が欧米を中心に根強くあった。
  プーチン政権は「裏切り者は絶対に許さない」と広く考えられているからだ。プリゴジン氏は6月23日に反乱を宣言。ロシア南部の軍司令部を占拠し、同24日にモスクワに向けて進軍を始めた。
   プリゴジン氏はウクライナ侵攻の指揮が的確でないとして、ショイグ国防相やゲラシモフ参謀総長を厳しく批判。反乱は両氏の解任が目的で、プーチン氏への「忠誠」は変わらなかったとされる。
   だが、プーチン氏は同24日のテレビ演説で、「直面しているのは裏切りであり、過ぎた野心と私利私欲が反逆につながった」とプリゴジン氏を強く非難。ベラルーシのルカシェンコ大統領によると、プリゴジン氏と連絡を取るのを嫌がり、ルカシェンコ氏が仲介することになったという。
   ルカシェンコ氏が「安全を保証する」と約束し、プリゴジン氏は反乱を中止して撤退。その後はベラルーシに逃れるとみられていた。だが、その後は消息不明となり、モスクワや地元サンクトペテルブルクなどを所有ジェット機で移動しているとの情報も出ていた。
   一方、プーチン政権については、これまでも政権側から「寝返った」人物への攻撃に関与したと批判されてきた。
   プーチン氏の出身母体である旧ソ連国家保安委員会(KGB)の元情報将校でありながら、政権を批判したアレクサンドル・リトビネンコ氏は2006年、亡命先のロンドンで放射性物質のポロニウムによって毒殺された。
   18年には、ロシアの元スパイのセルゲイ・スクリパリ氏が英南部で、娘とともに神経剤で襲われた。英国はロシア軍参謀本部情報総局(GRU)の将校による犯行だと断定した。同氏は、欧州で活動中のロシア情報機関員の身元情報を英対外情報部(MI6)に流したとして06年に有罪判決を受け、米ロ間の「スパイ交換」により英国に渡っていた


2023.08.24-Yahoo!Japanニュース(毎日新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/9b2e7a3df974a31658fe510e853bc5ce88adde31
プリゴジン氏死亡報道 ウクライナ幹部「プーチン氏は待っていた」
【ブリュッセル岩佐淳士】

  ロシアの民間軍事会社「ワグネル」創設者のプリゴジン氏が死亡したとみられる飛行機墜落を巡り、ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は23日、ソーシャルメディアに「彼(プーチン露大統領)が時期を待っていた」と投稿し、プーチン氏が関与した暗殺の可能性を示唆した。

  ポドリャク氏は真相解明には「戦争(ロシアによるウクライナ侵攻)の霧が晴れるのを待つべきだ」としつつ、「プーチンが6月に自らを無力化しようとした獣のような恐怖を誰にも許さないのは明らかだ」と、ワグネルによる6月の反乱に言及した。
  また、「プリゴジンが(プーチン氏との仲介役となって反乱を収束させたベラルーシ大統領の)ルカシェンコの奇妙な『保証』とプーチンのばかげた『正直な言葉』を信じた瞬間に、自ら死刑執行命令書に署名したことも明らかだ」と主張。今回の事態は、2024年3月のロシア大統領選を前に、「忠誠を尽くさなければ死ぬ」という「ロシアのエリートたちへのシグナルだ」と指摘した。【ブリュッセル岩佐淳士】


2023.08.22-REUTERN-https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-russia-britain-airplane-idJPKBN2ZX1US
ロシアの超音速爆撃機、無人機攻撃で破壊された可能性高い=英軍

  [22日 ロイター] - 英軍情報部門は22日、ロシア飛行場への週末のドローン(無人機)攻撃により、核兵器の搭載が可能な超音速長距離爆撃機「TU-22M3」1機が破壊された可能性が高いとの認識を示した。

  ウクライナ政府によると、ロシアは通常弾薬でウクライナを爆撃するために同機を使用。西側の軍事専門家は、ロシアが同機を約60機保有していると分析している。
  ロイターが確認した衛星画像によると、今回の攻撃を受けてロシアは他の同型機を同飛行場から別の基地に移動させた。
  ロシア国防省は、19日にノブゴロド州の軍事飛行場の一つがウクライナの無人機によって攻撃され、1機が損傷したと発表。それ以上の詳細は明らかにしていない。ウクライナ側からは、今のところコメントを得られていない。


2023.08.22-読売新聞-https://www.yomiuri.co.jp/world/20230822-OYT1T50178/
「ワグネル」プリゴジン氏が動画投稿、アフリカで撮影か銃を手に迷彩服姿…背景には戦闘員

  【ヨハネスブルク=笹子美奈子】ロシアの民間軍事会社「ワグネル」創設者のエフゲニー・プリゴジン氏は21日、アフリカで撮影したとみられる動画をSNSに投稿した。6月の反乱後、顔が識別できる動画でプリゴジン氏の姿が確認されたのは初めて

  動画は41秒で、ワグネル系列のSNSに投稿された。プリゴジン氏は迷彩服姿で銃を手に広野に立ち、背景には戦闘員の姿が映っている。「ワグネルはアフリカの人々を(イスラム過激派から)解放し、正義と幸せをもたらす」と語り、視聴者にワグネルへの参加を呼びかけた
  ワグネルはクーデターが進行中のニジェールの隣国マリをアフリカでの活動拠点としており、プリゴジン氏はニジェールに関心を寄せているとみられている。


2023.08.18-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230818/k10014166101000.html
プーチン大統領 “ウクライナ東部へ鉄道網広げる必要”

  ロシア軍は、ウクライナ東部や南部への攻撃を続ける一方、ウクライナ軍は、東部の集落の奪還を発表するなど反転攻勢を続けています。こうしたなか、ロシアのプーチン大統領は、ロシアが一方的な併合に踏み切ったウクライナ東部2州まで鉄道網を広げていく必要があるという考えを示し、支配の既成事実化を一層強めたいねらいがあるとみられます。

  ウクライナ軍の参謀本部は17日、ミサイルなどによるロシア軍の攻撃を受け死傷者が出ているほか、インフラ施設に被害があったと発表しました。ウクライナ東部ハルキウ州の知事は17日、ロシア軍がクピヤンシクに砲撃し1人が死亡し、1人がけがをしたと発表しました。
  一方、ウクライナのマリャル国防次官は16日、東部ドネツク州のウロジャイネを解放し、現地で守備を固めつつあると主張しました。
  アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は16日「ウクライナ軍は前線の少なくとも3方面で反撃を続けて、ウロジャイネも解放した」としてウクライナ側は南側に向け反転攻勢を強めようとしていると分析しています。
  こうしたなかロシア大統領府によりますと、プーチン大統領は17日、首都モスクワで行われた新しい鉄道路線の開通式に出席し「国家の発展の強力な原動力となる」などと述べて高速鉄道の建設の重要性を強調したうえで、去年9月に一方的な併合に踏み切ったウクライナ東部2州まで鉄道網を広げていく必要があるという考えを示しました。
  ロシアは、これまでも支配する地域で攻撃によって破壊されたインフラ施設の建設を一方的に進めていて、支配の既成事実化を一層強めたいねらいがあるとみられます。


2023.08.16-Forbes-https://forbesjapan.com/articles/detail/65293
ロシア兵がウロジャイネから敗走、そこにクラスター弾が襲いかかる- (forbes.com 原文

(1)
  ウクライナ東部ドネツク州南部の集落、ウロジャイネを防衛するロシア軍守備隊の敗北はほぼ必至だった。南北に並行して走る3本の道路沿いに数百の建物が並ぶこの集落に対し、6月上旬以来、ウクライナ海兵隊の全4個旅団を含む強力な師団規模のウクライナ軍は波状的な強襲をかけながら前進し、側面から攻撃を加えてきたからだ。

  ウロジャイネからずっと南下していくと、黒海に面しロシア軍の占領下にある港湾都市マリウポリに出る。ウロジャイネは、このライン上に数珠状に連なるロシア軍の重要な拠点の1つだ。ウクライナ軍はウロジャイネの東側と西側から前進し、第37自動車化狙撃旅団を含むロシア軍守備隊をじりじりと追い詰めてきた。そして、ロシア軍守備隊に残されたウロジャイネからの退路はとうとう1本だけになった。南側に隣接するサビトネ・バジャンニャ、スタロムリニウカ両集落に抜けるT0518という道路だ。
  「ウロジャイネの奪還は時間の問題だった」と独立した調査組織コンフリクト・インテリジェンス・チーム(CIT)は書いている。消耗したロシア軍守備隊は12日か13日、全面撤退もしくは部分撤退を余儀なくされることになった。ロシア兵らはT0518道路とそれに隣接する草地を白昼堂々、徒歩で退却した。
  ウクライナ軍のドローンはその様子を上空から監視していた。そして砲兵部隊が照準を合わせた。あたりは血の海になった。
  ウクライナ国防省が13日に公開した2本のドローン映像には、ロシア兵数十人が道路を走る様子が映っている。1本目の動画では榴弾(りゅうだん)が炸裂し、兵士らが地面に吹き飛ばされる。2本目の動画では、対人・対装甲用クラスター弾DPICM(二重用途改良型通常弾)が撃ち込まれ、退却するロシア兵の上に子弾がばらまかれる。
  ロシア軍は、2022年2月にウクライナに全面侵攻した当初からクラスター弾を使用してきた。ウクライナ軍は2022年末にトルコ製クラスター弾を入手し、先ごろ北大西洋条約機構(NATO)式の155ミリ榴弾砲用に米国製M483A1型DPICMも手に入れた。
  重量約47キログラムのM483A1は空中で破裂して子弾が放出される。子弾が撒かれる範囲は破裂時の高度で変わってくるが、フットボール場より広くなることもある。米陸軍の野戦教範(フィールドマニュアル)によれば、各子弾は「2.5インチ(約6.3センチメートル)超の均質圧延装甲を貫通し、(あるいは)人員を無力化できる」
(2)
  つまり米国製DPICMは装甲車両にとっても危険なものであり、無防備な歩兵にとっては致死的なものになる。ウロジャイネやそこからの脱出路で何人のロシア兵が死亡したかは不明だ。数十人かもしれないし、数百人にのぼるかもしれない。いずれにせよ、ウロジャイネに現在、生存しているロシア兵がいるとすれば、それはウクライナ側の捕虜になった者だけである可能性が高い。
  これには異論もある。ウクライナ側、ロシア側どちらのウォッチャーの中にもウクライナ軍がウロジャイネを解放したとみる向きがある一方、米首都ワシントンにあるシンクタンク、戦争研究所(ISW)は13日の戦況分析でこう注意を促している。「ISWはロシア軍がウロジャイネから完全に撤退したという確証を得ていない。ロシア軍は現在、少なくともこの集落の南部に陣地を保持している可能性が高い」
  とはいえ、ウロジャイネ南部の陣地になお少数のロシア兵が残っていようがいまいが、この集落をめぐる戦いが近々どういう結果になるかについては争いの余地がない。ロシア側ではすでに責任の所在探しが始まっている。「ロシアの情報スペースではウロジャイネでのウクライナの前進を機に、この区域でのロシア側の士気の低さや指揮上の課題が強調されている」とISWは指摘している。
  ロシアのある軍事ブロガーは、歩兵を支援する戦車を送らなかったとして第37自動車化狙撃旅団をやり玉に挙げ、旅団の部隊は酔っ払っていたとも主張している。別の軍事ブロガーは、ウクライナ南部に展開しているロシア軍の旅団や連隊の多くを統括する第58諸兵科連合軍の司令官を解任したのはロシア政府の失策だったと難じている。

  ウロジャイネやその周辺で死亡したロシア兵にとっては誰に責任があろうがもはや関係ない。第58諸兵科連合軍や第37自動車化狙撃旅団、ロシア政府にはほどなくして、防御陣地を保持できると証明する新たな機会が与えられるだろう。ウクライナ軍がウロジャイネを解放すれば(まだ解放していないとしての話だが)、次に狙うのは必然的にサビトネ・バジャンニャとスタロムリニウカになる。マリウポリへの途上にあるロシア軍の次の拠点だ。
forbes.com 原文


2023.08.13-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20230813-IZA6UXBHVRIBVFRUM2HQEI7WJA/
ワグネル規模縮小へと分析 ロシアが資金提供停止、英国防省

  英国防省は13日、ロシア政府が民間軍事会社ワグネルへの資金提供をやめる可能性が高いとの分析をX(旧ツイッター)で発表した。ワグネルが財政難のため規模縮小や再編に向かうとの見方も示した。

  英国防省によると、ロシア政府は6月のワグネルの武装反乱以降、創設者プリゴジン氏のビジネス上の利益に反する行動を取っている。反乱後、戦闘員の移動先となったベラルーシ政府がワグネルに資金提供を行う可能性があるが、大きな負担になると指摘した。(共同)


2023.08.06-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230806-4A4VZB3CDRNCPAYXQMVS3YY4YI/
露が民間人2万5000人拘束 ウクライナ人権代表、思想選別「キャンプ」は数百カ所

  【キーウ(キエフ)=遠藤良介】ウクライナ最高会議(国会)のドミトリー・ルビネツ人権問題全権代表(42)は6日までに産経新聞のインタビューに応じ、ロシアが占領下のウクライナ領で拉致し、不当に拘束している民間人が約2万5000人にのぼることを明らかにした。「これらの民間人を解放するのは(ロシアとの交換交渉で主な対象となる)軍事捕虜よりも難しい」と述べ、日本を含む国際社会に支援を訴えた。

  ルビネツ氏が念頭に置いている約2万5000人は、ウクライナ領で強制的に拘束され、ロシア領やロシアの支配地域で「事実上、獄中にある民間人」だ。
  ロシアは占領地に「フィルター・キャンプ」と呼ばれる数百カ所の施設を設け、ウクライナ人を思想・信条や経歴、交友関係によって選別している。不当に拘束されている民間人の多くは、フィルター・キャンプで「親ウクライナ的な立場」や「治安機関での勤務歴」を問題視され、連行されたとみられる。
  ルビネツ氏によれば、露軍が昨年9月まで占領していた東部ハリコフ州では、大学の法学部に在籍しているだけで「潜在的な治安機関員だ」とみなされ、逮捕された学生がいた。77歳の年金生活者でも「元治安機関員」というだけで逮捕された。ロシアは占領地の住民が逆らわないよう、「圧力をかけるシステム」(ルビネツ氏)として民間人を連行しているもようだ。
  国際人道法(戦時国際法)の柱であるジュネーブ諸条約は民間人の保護を定めており、住民の不当な移送や追放を禁じている。
  昨年2月からのウクライナ侵略戦争では、ロシアが占領地の子供を強制的にロシア領に連れ去っていることが問題視されてきた。国際刑事裁判所(ICC)は今年3月、子供の強制移送について、プーチン露大統領と担当高官に戦争犯罪容疑で逮捕状を出した。拘束されている約2万5000人の民間人に、子供は含まれていない。ロシア領に連れ去られた子供は「確認されただけで1万9546人」という。

  「国際人道法はロシアのような侵略国にとって単なる紙切れだロシアが占領地で好き勝手に振る舞うことを誰も止めることができない」。ルビネツ氏はこう嘆き、「今日の世界で生命や人権を守るには、自らが強くあること、自国ないしは同盟国が強力な軍隊を持つこと以外に方法がない」と力説した。
  ルビネツ氏は、民間人でない軍事捕虜の処遇についても、「解放されたウクライナ人捕虜の体重が数十キロも減っているなど、露収容所での危機的状況は明らかだ。拷問が横行している」とロシアを非難。「ジュネーブ諸条約で捕虜の救援を担うとされている赤十字国際委員会(ICRC)はロシアの収容所を訪問できていない」とし、ICRCの権限や活動のあり方にも強く疑問を呈した。
  軍事捕虜についてはジュネーブ諸条約で処遇が詳細に規定され、紛争終結後には帰還させることが定められている。ロシアとウクライナの間では軍事捕虜交換の交渉ルートもある。しかし、ウクライナは露民間人を拉致・拘束しておらず、民間人解放に関する交渉はきわめて難しいという。
  ウクライナがこれまでに捕虜交換などで帰還させた人は2576人で、このうち民間人は144人にとどまっている。
  「今、世界に問われているのは侵略を止め、侵略に対応する効果的なメカニズムを見いだせるかどうかだ。それができなければ、ウクライナで起きていることが次は別の場所で起きてしまう」とルビネツ氏は訴えた。


2023.07.22-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20230722-MNZS4NTDKVNCXLTJ4JGWU2MMG4/
露従軍記者、クラスター弾攻撃で死亡 露国防省発表

  ロシア国防省22日、侵攻したウクライナ南部ザポロジエ州で取材していた露紙イズベスチヤなどの記者団がウクライナ軍のクラスター(集束)弾で攻撃され4人が負傷、うち国営ロシア通信の記者1人が死亡したと発表した。

  死亡したのはロシア通信の従軍記者ロスチスラフ・ジュラブリョフ氏。クラスター弾の子爆弾の爆発で負傷し、病院への搬送中に亡くなった。同行していた写真記者も負傷したという。
  米国は今月、ウクライナにクラスター弾を供与。米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は20日、ウクライナ軍が既に使用を開始したと述べた。
  大量の子爆弾を広範囲にまき散らし不発弾を残すクラスター弾は非人道的兵器とされ、日本など110カ国以上が参加する2010年発効のオスロ条約で使用が禁止されているが、米国やロシア、ウクライナは加盟していない。・・・(共同)


2023.07.17-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230717-ONZMCKE5SZNFVB6H4QXF7GQHX4/
「ロシアは人類を人質」 米国連大使、穀物合意離脱の撤回要求

  【ニューヨーク=平田雄介】ロシアが一時離脱を発表したウクライナ産穀物を黒海を経由して輸出する「穀物合意」について、米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は17日、ニューヨークの国連本部で記者団に「ロシアは人類を人質に取った」と語り、一時離脱の撤回を要求した。

  トーマスグリーンフィールド氏は穀物合意を、昨年2月のロシアのウクライナ侵略開始後に高騰した食料価格を引き下げた「希望の光」と評価した上で、この希望や進歩を「ロシアは投げ捨てた」と批判した。
  穀物合意を巡り、ロシアは合意延長に応じる条件として露農業銀行を通じた国際決済ネットワーク「国際銀行間通信協会(SWIFT)」への再接続などを求めている。
  トーマスグリーンフィールド氏は「ロシアが政治的な駆け引きをしている間に特に(ウクライナ産穀物への依存度が高い)中東やアフリカで子供や授乳中の母親らが実際に苦しむことになる」と訴えた。


2023.07.14-読売新聞-https://www.yomiuri.co.jp/world/20230714-OYT1T50236/
プーチン氏「ロシアの安全保障に脅威」、ウクライナのNATO加盟けん制

  ロシアのプーチン大統領は13日、露国営テレビの取材に応じ、ロシアが侵略するウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟は「ロシアの安全保障に脅威となる」との認識を示した。加盟が実現すれば「国際情勢の緊張がさらに高まるだろう」とも語り、NATO加盟国を強くけん制した。

  プーチン氏は、米欧諸国によるウクライナへの長期的な兵器供与に関して、「ウクライナの状況悪化につながる」との見通しを示した。ドイツ製主力戦車レオパルト2など米欧製の戦闘車両は、露軍による攻撃の「最優先の標的になる」と警告した。
  一方、17日に期限を迎える黒海経由でのウクライナ産穀物輸出の合意を巡っては「我々は合意への参加を停止できる」と述べた。ロシア産穀物や肥料の輸出拡大につながる具体的な確約が得られなければ、合意延長に応じない意向を示した。


2023.07.08-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20230709-S6JGFVRGKVKBDBLPRSFLBP4I3A/
クラスター弾「大戦招く」と露前大統領 米供与に反発

  ロシア前大統領のメドベージェフ安全保障会議副議長は8日、バイデン米政権によるウクライナへのクラスター弾供与決定などの軍事支援を巡り資源を使い果たしてクラスター弾を約束し、北大西洋条約機構(NATO)に手招きしている。その実現は、第3次世界大戦を意味する」と通信アプリへの投稿で反発した。

  ロシアのコサチョフ上院副議長も8日の投稿で、クラスター弾供与について、米国が「最も非難される兵器を使わなければウクライナは何も達成できず、民間人を殺害する用意があることを認め、この兵器による将来の犠牲者に対する全ての責任を負うことに同意した」と非難した。(共同)


2023.07.07-読売新聞-https://www.yomiuri.co.jp/world/20230706-OYT1T50234/
プリゴジン氏に暗殺指示?ベラルーシ大統領「手荒なことはしないだろう」…サンクトペテルブルクに滞在と明らかに
(1)
  ベラルーシ大統領府によると、ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領は6日、露国内で反乱を起こした露民間軍事会社「ワグネル」の創設者エフゲニー・プリゴジン氏がベラルーシを離れ、露西部サンクトペテルブルクに滞在していると明らかにした。
   プリゴジン氏のベラルーシへの出国は、6月24日の武装反乱を巡る捜査終結の条件の一つだった。プリゴジン氏がロシアへの入国を認められたのは政権要人と構築した複雑な人脈が影響している可能性がある。

  大統領府によると、ルカシェンコ氏は6日の国内外記者との会合でプリゴジン氏に言及した。
  プリゴジン氏の暗殺指示が出ているとの観測に対し、ルカシェンコ氏はプーチン大統領が「そのような手荒なことはしないだろう」と述べ、厳しい処分は下さないとの見方を示した。プリゴジン氏はルカシェンコ氏に対し、ワグネルの今後について「ロシアのために戦う」と話したという。
  ワグネルのベラルーシでの受け入れについては「まだ解決していない」と述べ、プリゴジン氏とプーチン政権との協議が続いているとの認識を示した。ルカシェンコ氏は近くプーチン氏と会談し、ワグネルの受け入れ問題などについて協議する考えを明らかにした。
  露ニュースサイト「フォンタンカ」によると、ロシアに戻ったプリゴジン氏は4日にサンクトペテルブルクにある露情報機関「連邦保安局」(FSB)の事務所を訪れ、捜索で押収された物の返還を受けたという。
  ワグネルが反乱で一時制圧した露南部ロストフ・ナ・ドヌーの市長は4日、反乱によって損壊した道路などの損害賠償をプリゴジン氏に求めない方針を明らかにした。
(2)
  プーチン大統領は、プリゴジン氏が経営する企業グループ「コンコルド」に支出された国費の使途を調査する意向を表明しており、今後汚職を追及する可能性はあるもののプリゴジン氏への逆風は変わりつつある。
  背景には、プーチン政権周辺には、プリゴジン氏の人脈につながる要人が多いことがある。
  プーチン氏の直属の治安機関「国家親衛隊」のビクトル・ゾロトフ総司令官はプリゴジン氏と付き合いがあり、反乱計画を事前に知っていたと公言していた。反乱後、同隊には戦車などの配備が決まったが、反乱の情報提供をしたことが評価されたとみられている。
  ロシア語の独立系メディア「メドゥーザ」などによると、プーチン氏の護衛出身で、モスクワ南方トゥーラ州のアレクセイ・デューミン知事は、プリゴジン氏との個人的な関係を駆使し、反乱収拾の交渉に貢献したと取りざたされている。


2023.07.01-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230701-OAM7LL2ZPJPVHMWRR33BXNAZMQ/
スロビキン露軍副司令官は依然不明 プーチン政権沈黙

  米ブルームバーグ通信は6月30日、ロシアの民間軍事会社ワグネルに近いとされ、拘束情報が出るウクライナ侵攻のロシア軍副司令官、スロビキン航空宇宙軍総司令官「所在は公に確認されていない」との関係者の話を伝えた。ワグネルの武装反乱には他の軍高官の関与も指摘され、ロシアの政治学者は「大規模捜査が始まった」と強調。反乱から1日で1週間を迎える中、軍中枢の責任追及に発展しそうだ。

  スロビキン氏の行方について、ロシアの国防省や主要メディアは沈黙を守っている。
  プーチン政権に近い政治学者マルコフ氏は「(ワグネル創設者)プリゴジン氏や、ワグネルに接触した司令官や将校全員が尋問を受ける」と説明。「スロビキン氏は国防省とワグネルの主な連絡窓口だったため最もよく(事情を)知っている」とも述べた。
  一方、ブルームバーグは複数の関係者の話として、治安当局内でショイグ国防相の解任を求める声が強まっているとも伝えた。(共同)







このTopに戻る






2019年のニュースへ
2020年~2021年7月ニュースへ
2021年8月~2022年2月のニュースへ
2022年3月~2022年6月のニュースへ
2022年7月~2023年02月のニュースへ
2023年3月~2023年06月のニュースへ
2023年07月~のニュースへ

2021年8月のWikipedianoニュースへ
「ロシアの犯罪」問題-1
monomousu   もの申す
TOPにもどる
最近のニュース

ここは2023年07月~のニュースです