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香港の問題-1



2022.12.13-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20221213-TEWI2EWRDVJGVASR4JFPVPIEPI/
反中香港紙「蘋果日報」創業者の裁判、来年9月に再延期

  香港高裁は13日、中国に批判的な香港紙として知られた蘋果(ひんか)日報=アップルデイリー=の創業者で、香港国家安全維持法(国安法)違反の罪で起訴された黎智英(れい・ちえい=ジミー・ライ)氏(75)の裁判を再延期し、来年9月25日に開始することを決めた。

  同裁判は今月1日から始まる予定だったが、香港最高裁が11月28日、黎氏の裁判に英国人弁護士が参加することを認める判断を下すと、香港政府トップの李家超行政長官が反発。国安法の解釈権をもつ中国の全国人民代表大会(全人代)常務委員会に司法解釈を要請し、香港高裁が裁判を今月13日に延期していた
  全人代常務委は27日から30日まで開催される予定だが、今のところ、司法解釈は議題に含まれていない。
  香港高裁で行われた13日の審理で、香港司法当局が来年1月の裁判開始を求めたのに対し、黎氏側は「全人代が国安法の解釈を行わない可能性がある」と主張。参加を求めている英国人弁護士が来年5月から9月ごろまで香港で別の裁判を担当する予定になっていることから、10月からの裁判開始を提案。裁判長は黎氏側の主張を受け入れ、9月下旬の開廷を決めた。


2022.07.02-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220702-ZNJJMQOWDBNQDGFJO4QC3ZEYR4/
香港返還25年 自由の破壊は許されない

  香港が英国から中国に返還されて25年の節目を迎えた。記念式典には中国の習近平国家主席(中国共産党総書記)が出席し「一国二制度は成功した」と述べ、「そのような良い制度を変える必要はない」と強調した。

  開いた口がふさがらないとはこのことだ。2年前に香港国家安全維持法(国安法)を施行し、香港に高度の自治を認めた一国二制度を破壊したのは習政権である
  香港では、国安法によって多数の民主派が逮捕・起訴され、言論、集会、報道などの自由が奪われてしまった。中国共産党が1984年に調印された中英共同宣言を通じ、香港の資本主義体制を返還後50年間維持すると国際公約したにもかかわらず、である。

  習政権が「一国二制度」の偽看板を掲げながら、香港で推し進めているのは、香港の中国化にほかならない。民主派団体や民主派系メディアを解散に追い込み、公務員や学生、児童への愛国教育を強制的に行っている。
  今回の記念式典でも「保安上の理由」から内外の一部記者が取材を拒否された。式典前に当局に連行された民主活動家もいる。中国本土で日常化しているのと同じ弾圧で、香港の中国化が加速している現状を如実に示すものだ。
  そもそも返還25年の式典自体が茶番である。一国二制度が失われた香港で一体何を祝うのか。中心部は赤い中国国旗で埋め尽くされたが、祝賀ムードに浸る市民がどれだけいたことだろう。今秋の中国共産党大会で総書記の続投を狙い、自らの成果を誇示したい習氏のための式典ではないか。
  習氏が「一国二制度の成功」を喧伝(けんでん)する中で懸念されるのは、民主派が弾圧され、市民の自由が奪われている香港の現状が忘れ去られてしまうことだ。

  ブリンケン米国務長官は声明で香港が自由を取り戻すため「香港の人々と連帯する」と表明し、ジョンソン英首相も中国に国際公約の順守を迫った
  先日の先進7カ国首脳会議(G7サミット)でも、香港に高度の自治を保障するよう中国に求める首脳声明を発表した。
  大事なことは、一国二制度を崩壊させ、香港を死に至らしめた習政権の責任を国際社会が糾弾し続けていくことだ。アジアの民主主義国家を代表する日本がそれを主導すべきである。


2022.07.02-REUTERS-https://jp.reuters.com/article/idJP2022070101000650
習氏、一国二制度の成功を主張

  【香港共同】香港は1日、英国から中国に返還されて25年を迎えた。習近平国家主席が現地で記念式典に出席した。中国は民主派や言論活動への締め付けを強めてきたが、習氏は香港社会を安定させたと正当化する立場を演説で示し、高度の自治を認めた「一国二制度」は「誰もが認める成功を収めた」と主張した。

  一国二制度は中国への返還後も50年間維持すると約束され、今年は折り返しの節目。習氏は演説で、香港国家安全維持法や新たな選挙制度の導入により「愛国者による香港統治」が実現したと強調し、民主派一掃を正当化した。
  習氏は秋ごろの第20回共産党大会で党総書記続投を狙っている。
【共同通信】


2022.07.01-KHB5-https://www.khb-tv.co.jp/news/14658202
きょう香港返還25周年式典 関連ニュース遮断も…

  香港では1日、習近平国家主席が参加して返還25周年の式典が行われます。中国国内では関連のニュースを伝えるCNNが遮断されました。

  返還25周年式典は日本時間午前11時に始まり、習主席は演説で民主派の抗議活動を力で抑え込んだ一連の対応を成果として誇示する見通しです。
  これに先立って習主席は先月30日、香港トップの林鄭月娥行政長官と会談し、「愛国者による統治を実行した」と称賛しました。
  中国国内では習近平政権の香港政策について伝えるCNNの放送が繰り返し遮断される事態となっています。


2022.03.15-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/7d9afbef409747a0bcdc85d52baf48aa6c29ed79
香港警察、英人権団体に警告 国安法違反で海外団体に初めて-(ポーランド南部ジェシュフ 板東和正)

  香港の人権状況を監視する英国の人権団体「香港ウオッチ」は14日、香港警察から同団体の活動について香港国家安全維持法(国安法)に違反しているとの警告を受けたと発表した。

  英紙ガーディアンによると、海外の人権団体が国安法による処罰の対象になったのは初めてとみられる。
  香港ウオッチによると、香港警察は同団体の活動について「外国勢力と共謀して国家の安全を脅かしている」と指摘し、国安法に違反していると主張。同団体の最高責任者であるベネディクト・ロジャーズ氏に対して3年の禁錮刑が科される可能性があると警告した。
  香港警察は国安法に基づいて同団体のウェブサイトを香港で閲覧できなくする方針も通達したという。
  ガーディアンなどによると、香港ウオッチは2017年に創設。香港の人権状況の監視や英国に移住した香港市民の支援などに携わっている。英国統治時代最後の香港総督、クリス・パッテン氏らが同団体の活動を支持しているという。
  香港警察の警告を受け、ロジャーズ氏は14日の声明で「英国に拠点を置く人権団体が香港の人権状況を報告しただけで、禁錮刑を科すなどと脅した」と非難。トラス英外相も同日の声明で「自由と民主主義を求める声を押さえつけようとする試みは容認できず、決して成功しないだろうと香港当局を批判した。
(ポーランド南部ジェシュフ 板東和正)



2021.12.30-Nwesweek Japan-https://www.newsweekjapan.jp/headlines/world/2021/12/364697.php
香港の民主派「立場新聞」発刊停止、7人逮捕 ドイツ・国連が非難

  [香港 29日 ロイター] - 警察の強制捜査を受けた香港の民主派ネットメディア、立場新聞(スタンド・ニュース)は29日業務を停止すると発表した。民主活動家、黎智英(ジミー・ライ)氏の「蘋果日報(アップル・デイリー)」も今年廃刊となっており、メディアへの締め付けが強まっている。警察は扇動的出版を計画したとしてスタンド・ニュースの事務所および編集担当幹部の自宅を家宅捜索し、7人を逮捕した。
  ドイツ政府と国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は、香港警察の行為を非難する声明を出した。

  スタンド・ニュースはフェイスブックに「状況を踏まえ業務を停止する。パトリック・ラム編集長代行は辞任し、全従業員が解雇された」と述べた。
  警察の国家安全保障部門トップ、スティーブ・リー氏は記者団に、スタンド・ニュースが当局への嫌悪感情をあおるニュースや論説を配信したと指摘。6100万香港ドル(782万ドル)相当の資産のほか、コンピューターや携帯電話、報道資料を押収したと明らかにした。
  「記者を標的にしているのでない。国家安全保障上の違反者を標的にしている」と述べ、さらなる逮捕の可能性も排除しなかった。
  逮捕されたのは34歳から73歳の男性3人と女性4人。警察は逮捕者の名前を公表していないが、メディアは、スタンド・ニュースの鍾律師元編集長、パトリック・ラム編集長代行のほか、元民主派議員の呉靄儀(マーガレット・ング)氏や歌手デニス・ホーさんら元役員4人が逮捕されたと伝えている。拘留中の鍾元編集長の妻も再逮捕されたと報じられた。
  ロイターは、逮捕された人やその弁護士には取材できていない
  香港政府の李家超(ジョン・リー)政務官は、警察の対応に支持を表明し、ジャーナリズムを利用して国家安全維持法(国安法)に対抗しようとする者は報道の自由を損ねる有害分子だと指摘した。
  中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報時報は11月、政府系シンクタンク全国港澳研究会幹部の発言として、反政府的メディアが生き残る余地は狭まっているとして「スタンド・ニュースは終わりを迎える」と伝えていた。
  ドイツ外務省報道官は特に香港国家安全維持法(国安法)の施行以降、香港における多元主義や言論の自由、報道の自由が確実に後退していることを示す出来事だとして逮捕を非難した
  OHCHRはロイターへの声明で「香港の市民社会が自由に意見を述べ、表現する手段が極めて急速に封じられている」と懸念を示し、「香港は市民的・政治的権利に関する国際規約の適用を受け、情報、言論、集会の自由に対する権利を尊重するとともに適正手続きを保障する法的義務がある」と述べた。


2021.12.24-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20211224-4LAEMO4F7RKGFIJUBRRTIIQUSY/
香港中文大でも像撤去 自由奪われた大学を象徴

  【香港=藤本欣也】香港の名門大、香港中文大当局は24日、大学の入り口付近に10年以上設置されてきた「民主の女神像」を撤去した。前日には香港大で天安門事件の犠牲者を追悼する彫像が撤去されたばかり。2020年6月の香港国家安全維持法(国安法)の施行後学問・表現の自由が失われつつある香港の大学の現状を象徴している。

  撤去された民主の女神像は、中国の民主化運動が武力弾圧された1989年の天安門事件の際、天安門広場に建てられた「民主の女神像」をモチーフにしたもの。2010年に大学の入り口付近に設置された。
  香港で大規模化した19年の反政府・反中デモの際には学生側のスローガンが女神像に張り付けられるなど、民主化運動のシンボルの一つとなっていた。中文大は「無許可の像を撤去した」とコメントしている。
  中文大ではデモが19年11月に警察当局に鎮圧された後、構内に監視カメラが多数設置された。学生によると、政治的に敏感な内容を含む講義では、講師が「私は中国を愛している」などと前置きしてから、慎重に発言するケースが多くなっているという。

  また、嶺南大でも24日、天安門事件を象徴するレリーフが撤去された。香港では「一国二制度」の下、天安門事件の犠牲者を追悼する集会が毎年6月、ビクトリア公園で行われてきたが、警察当局は今年の開催を阻止。香港でも中国本土同様、天安門事件がタブーとなった形だ。


2021.12.23-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20211223-BDJ27ZWJ2JIMBJ4R52Y6VOKCXE/
天安門事件追悼の彫像撤去 香港大学

   中国当局が民主化運動を武力鎮圧した1989年6月の天安門事件の犠牲者を悼み、香港大学の構内に設置されていた彫像が23日、撤去された。ロイター通信によると、像は香港における表現の自由の象徴とみなされていた。

  撤去されたのは、デンマーク人作家が制作した高さ8メートル、重さ約2トンの銅製の彫像。苦痛の表情を浮かべた多数の若者の体を組み合わせて柱が表現され、99年6月から同大学の構内に置かれていた。
  大学当局は声明で、像の設置を許可していないと強調。老朽化による安全上の問題や法律的なリスクを検討し「大学全体の利益を考慮した」と説明した。


2021.12.20-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20211220-RAH3RDDK6VKRTFIZ3ABX7RLDFI/
中国強弁「香港の民主は前進」 正当性主張

  【北京=三塚聖平】中国政府は20日、香港の民主主義に関する白書を発表した。19日投開票の香港立法会(議会)選に合わせた形で、「民主の実践の新たな気風を十分に示した」と選挙を称賛した。新選挙制度についても「香港の民主制度を最適化させ、時代とともに前進させるもの」と強調。中国式選挙の正当性を強弁し、米欧の批判に対抗していく狙いとみられる。

  白書は「『一国二制度』下の香港の民主発展」と題され、中国国務院(政府)新聞弁公室が発表した。英国統治時代から振り返り、「英国植民統治下の香港には民主はなかった」などと強調。香港で激化した反政府デモについて「反中乱港(中国に逆らい香港を混乱させる)勢力が、外部の勢力と結託し、たびたび香港の民主の発展を妨害した」と責任を押し付けた。
  香港における民主制度について「過去の長い時期において、盲目的、形式的に欧米式の民主主義を追求したが、実際に香港にもたらしたのは本当の民主ではなかった」と主張。その上で、中国共産党の主導下で「優れた民主の建設を、法律に照らして秩序正しく推し進めなければならない」と香港側に求めた。
  白書は「選挙制度を含めたいかなる政治体制を香港で行うかは完全に中国の内政だ」としており、選挙結果と同時期に出すことで米欧の干渉を牽制する思惑がうかがわれる。

  一方、直接選挙枠の投票率が30・2%と過去最低となったことについて、中国外務省の趙立堅(ちょうりつけん)報道官は20日の記者会見で「香港各界はいずれも、正常な合理的範囲内にある投票率だと認めている」と反論。中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報も20日付で「米欧などの西側国家の地方選挙でも投票率は低い」という識者の見方を強調した


2021.11.12-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211112/k10013344871000.html
香港 “中国から独立” 繰り返し叫んだ男性に禁錮5年9か月

  香港で去年、中国からの独立を主張するスローガンを繰り返し叫んだとして反政府的な動きを取り締まる香港国家安全維持法違反に問われた男性に対し、香港の裁判所は禁錮5年9か月の実刑判決を言い渡しました。この法律違反で実刑が言い渡されるのはこれが2例目で、厳しい判断が続いていると市民に受け止められています。

  この裁判は去年8月から11月にかけて香港の商業施設などで中国からの独立を主張するスローガンを叫んだり、プラカードを掲げたりしたなどとして31歳の男性が香港国家安全維持法の国家の分裂をあおった罪に問われたものです。
  男性に対し香港の裁判所は「同様の行為を20回繰り返していて深刻なうえ、反省していない」などと指摘して、禁錮5年9か月の実刑判決を言い渡しました。
  男性はたびたび1人で抗議の声を上げていたことで市民の間でよく知られた存在で、判決が言い渡された瞬間、傍聴席からは「刑が重すぎる」といった声が上がりました。
  去年6月に施行された香港国家安全維持法をめぐっては民主活動家や政治家など100人以上が逮捕され、ことし7月にはスローガンが書かれた旗を掲げバイクで警察官の列に突っ込んだとして起訴された被告が禁錮9年の判決を言い渡されています。
  実刑判決が言い渡されるのは今回で2例目で、厳しい判断が続いていると市民に受け止められています


2021.10.26-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211026/k10013321531000.html
人権団体アムネスティ香港事務所閉鎖へ“自由な活動不可能に”

  国際的な人権団体「アムネスティ・インターナショナル」は香港にある事務所について、反政府的な動きを取り締まる香港国家安全維持法によって「自由に活動することが事実上不可能になった」として年内に閉鎖すると発表しました。

  「アムネスティ・インターナショナル」は25日、香港にある2つの事務所のうち、香港での活動を担当する事務所を10月末に、アジア・太平洋地域の調査などを担当する事務所を年内に閉鎖すると発表しました
  理由についてアムネスティは「香港国家安全維持法により、政府からの報復を恐れることなく自由に活動することが事実上、不可能になった」と説明しています。
  そのうえで、香港国家安全維持法について「どのような活動が犯罪と見なされるのかはっきりせず、人権や、表現の自由、集会などを制限し、反対意見を抑え込む口実として使われている」と指摘しています。
  アムネスティは、香港でおよそ40年にわたって活動し、おととしの大規模な抗議活動では、警察の取締りを過剰だと追及するなど、積極的な発言を続けてきました。
  香港では国家安全維持法による圧力に耐えかねて、民主化運動に取り組んできた団体の解散が相次いでおり、国際的な人権団体も閉鎖に追い込まれる事態となりました。


2021.10.03-Yahoo!Japanニュース(KYODO)-https://news.yahoo.co.jp/articles/f19069a5b27bd73763b25f4718892a185c5ae833
香港民主派勢力ほぼ全滅 国安法圧力で労組連合解散

  【香港共同】香港の民主派労組連合「香港職工会連盟(職工盟)」は3日、特別会員大会を開き、解散を決定した。香港メディアが報じた。2019年の抗議デモに会員を動員したことなどが問題視され、香港国家安全維持法(国安法)違反の可能性があると親中派メディアが報じるなど、圧力が強まっていた

   香港の民主化運動を支えてきた民間団体が今年8月以降、相次ぎ解散に追い込まれており、職工盟の解散で、民主派勢力の主要団体はほぼ全滅したことになる。親中派の学者によると、中国の習近平指導部は香港の反体制派撲滅」を目指している。


2021.09.17-山陽新聞-https://www.sanyonews.jp/article/1176736
天安門事件の資料サイト、閉鎖 香港警察、国安法で民主派に要求

  【香港共同】香港の民主派団体「香港市民愛国民主運動支援連合会(支連会)」は16日夜、1989年の中国の天安門事件について、当時の写真や犠牲者遺族の証言などの資料を大量に掲載していたサイトを閉鎖香港国家安全維持法(国安法)に基づき警察が要求した。「言論の自由」を制限し、事件の記憶を抹消する狙いだとの批判が広がった。

 支連会はフェイスブックなどのアカウントも閉鎖した。支連会が公開していた天安門事件の資料には、軍の発砲による死傷者や民主化運動の写真、香港での犠牲者追悼集会の映像などもあった。中国本土では公開が許されない内容で、問題視されたとみられる。



2021.09.10-Yahoo!Japanニュース(JIJI com.)-https://news.yahoo.co.jp/articles/7989ab9682970de4327f49729008954e420cadbf
国安法違反で民主派団体起訴 「政権転覆を扇動」 香港

  【香港時事】香港当局は9日、中国の天安門事件犠牲者の追悼集会を主催してきた民主派団体香港市民愛国民主運動支援連合会(支連会)と同会の幹部3人を、国家安全維持法(国安法)の定める国家政権転覆扇動罪で起訴した。

   起訴されたのは支連会主席の李卓人氏ら。国安法施行翌日の昨年7月1日から今月8日、「中国憲法の定める根本的制度の破壊を扇動した」とされる。親中派らは支連会の掲げる「(中国共産党の)一党独裁終結」という綱領が国安法違反に当たると批判し、会の存在そのものを問題視していた。

  中国本土ではタブーである天安門事件の記憶を継承する活動を続けてきた支連会は、香港の一国二制度を象徴する存在と見なされてきた。ただ、国安法施行以降、香港当局は支連会への圧力を強めており、9日には同会が運営し事件犠牲者の遺品や資料を展示する「六四記念館」(6月に閉鎖)を家宅捜索し、展示品や文書を押収。また、同会の関連資産約220万香港ドル(約3100万円)を凍結し、別の幹部4人も国安法の資料提出義務に違反したとして起訴した。 


2021.08.06-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20210806-PCPRPPPCZJLCREHUVG6BVYZOH4/
バイデン大統領、米国滞在の香港住民の滞在延長を容認

  【ワシントン=黒瀬悦成】バイデン米大統領は5日、米国に住む香港人で、香港に戻った後の中国政府や香港当局による弾圧を懸念している人々について、米国での滞在延長を一時的に容認すると発表した。香港国家安全維持法で中国が統制を強化しているのを受け、米国での滞在可能期間が過ぎた場合でも18カ月間は国外退去処分とするのを見合わせるとしている。

  サキ大統領報道官は声明で今回の措置について「中国による抑圧行為に直面する香港市民への強い支持を米国として表明するものだ」とし、「米国は(香港の自治を維持するとした中国の)約束違反を決して見過ごさない」と強調した。


2021.08.15-TBS News-https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4337520.htm
香港“200万人”デモ主催の市民団体が解散

  香港の民主化運動の中心的存在だった市民団体「民陣」が15日、「圧力を受け、運営を維持できないとして解散を表明しました。

  香港の市民団体「民間人権陣線は15日、「各構成団体は圧力を受け、公民社会はかつてない厳しい挑戦にさらされている」とした上で、「運営を維持できない」と解散を表明しました。

  民陣は2019年、逃亡犯条例の改正案に抗議する“200万人デモ”を主催し、改正案の撤回につなげるなど香港の民主派運動をリードしてきました。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大を理由にデモの開催が認められなくなった上、香港警察は民陣が過去に主催した大規模集会が国家安全維持法に違反した疑いがあると指摘するなど、当局の圧力により活動が困難な状態になっていました。

  香港では10日におよそ9万5000人の教員らが加入する教職員組合解散を決めるなど民主派団体の解散が相次いでいて、中国側が望む民主派の一斉排除が加速しています。


2021.07.30-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20210730-H4H4NN7ZYJMRJA7IUXQKBFN66Y/
香港国安法違反で禁錮9年 初の量刑、市民に警告

  香港の高等法院(高裁)は30日、昨年7月の抗議デモの際、香港独立の主張を意味するスローガンの旗を掲げてバイクで警官隊に突入したなどとして、香港国家安全維持法(国安法)の国家分裂扇動罪とテロ活動罪で有罪判決を受けた元飲食店店員、唐英傑被告(24)に、禁錮9年を言い渡した。国安法事件を巡る量刑言い渡しは初めて。

  法廷で傍聴していた支援者からは「旗を持っていただけで禁錮9年は重すぎる」「司法は信頼できなくなった」と不満の声が相次いだ。

  唐被告は、国安法施行に抗議する市民ら1万人以上がデモを強行した昨年7月1日、背中のバッグに2019年の抗議デモのスローガン「光復香港、時代革命(香港を取り戻せ、時代の革命だ)」と書いた旗を挿してバイクで繁華街を走り回り、制止しようとした警官隊に突入、警察官らを負傷させた。(共同)


2021.07.27-BBC News Japan-https://www.bbc.com/japanese/57993317
香港、国安法で初の有罪判決 「香港解放」うたうスローガンは分離独立を扇動

  香港の高等法院(高裁)は27日、香港国家安全維持法(国安法)違反の罪に問われた男性に対し、有罪判決を言い渡した。国安法違反で有罪判決が下るのは今回が初めて。
  昨年7月にバイクで警官に突っ込み、香港の「解放」を呼びかける旗を掲げた唐英杰被告(24)は、分離独立とテロ行為を扇動した罪で有罪となった。
  国安法が昨年6月に施行されたことで、香港の自治は後退し、デモ参加者を処罰しやすくなった。これまでに100人以上が国安法違反で逮捕されている。
  違反者は最高で無期懲役が科される。量刑言い渡しは後日行われる予定。

  今回の裁判は香港の慣習法の慣習とは異なり、陪審員なしで行われた。弁護団は陪審員の参加を要求していた。しかし香港の司法長官は、香港の微妙な政治情勢を考慮すると、陪審員の安全が脅かされると主張した。
  香港で2019年に起きた一連の大規模な民主化運動の後に導入された国安法は広く批判されている。中国政府は、国安法は香港に安定をもたらすために必要だと主張している。

「香港を解放せよ」
  唐氏は昨年7月、路上で警官の集団にバイクで突っ込んで逮捕された。唐氏は当時、「香港を解放せよ、我々の時代の革命だ」と書かれた黒い抗議の旗を持っていた
  今回の裁判では、この旗に書かれたスローガンが分離独立を扇動するおそれがあると判事が指摘したと、地元メディアHKFPは報じた。
  判事はさらに、このスローガンには中国大陸から香港を分離することを意味する、分離主義的な意味合いが含まれることを、唐氏が理解していたと付け加えた。また、警察の検問所で止まらずに最終的に警官に衝突したのは「警察に対する意図的な挑戦」だと判断したと、地元メディアは伝えた。
  「被告は、自分の政治的目的を達成するために、市民を威嚇する目的でこれらの行為を行った」と判事は指摘したという。狭い法廷には数十人の記者や一般市民が詰めかけ、裁判を傍聴した。
  裁判を傍聴したBBCのグレイス・ツォイ記者によると、判決文が読み上げられた時に法廷は「完全に静まり返っていた」。唐氏は非常に落ち着いた様子で、被告席から連れ出される前に支持者に手を振っていたという。今回の判決は今後、国安法をめぐる事件の解釈の基準となる。
  国際人権団体アムネスティ・インターナショナルのアジア太平洋地域担当ヤミニ・ミシュラ氏は声明で、「唐英杰に対する有罪判決は、香港での人権にとって重要かつ不吉な瞬間となった」と述べた。
  「今日の判決は、香港で特定の政治的意見を表明することが公式に犯罪となり、無期懲役になる可能性があるという、粛然たる事実を明確に示している」
なぜ国安法が物議を醸しているのか
  かつてイギリスの植民地だった香港は、1997年に中国に返還されたが、その際に香港の憲法ともいえる「香港特別行政区基本法」と「一国二制度」という独自のシステムが取り入れられた。

  これにより香港では、中国大陸では認められていない集会の自由や表現の自由、独立した司法、一部の民主的権利などが保護された。こうした権利は少なくとも2047年まで維持されるはずだった。
  しかし昨年6月、中国は香港での反政府的な動きを取り締まる国安法を可決・施行した。同法は香港の法制度を根本的に変えるものだと、弁護士や法律の専門家は指摘した。
  同法では、裁判が非公開で行われたり(第41条)、陪審員なしで行われたり(第46条)する可能性がある。また裁判官は、中国に対して直接的な責任を負う香港特別行政区行政長官が任命できる(第44条)。
  同法の施行以降、デモ参加者や民主派の政治家、ジャーナリストなど100人以上が逮捕されている。


2021.07.12-日本経済新聞-https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB12BOY0S1A710C2000000/
「中国共産党員になりたい」ジャッキー・チェン氏

  【北京=時事】中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報英語版は12日、香港の映画俳優ジャッキー・チェン氏(67)共産党に入党したいとの意向を表明したと伝えた。チェン氏は香港国家安全維持法に支持を表明するなど親中派で知られるが、党の広告塔の役割も担った格好だ。

  チェン氏は8日、副主席を務める中国映画家協会が北京市で開いた座談会に出席し、「共産党は本当に偉大だ。党が約束したことはわずか数十年で実現する。私も党員になりたい」と語った。座談会のテーマは、習近平総書記(国家主席)が7月1日の党創立100周年式典で行った「重要講話」の学習だった。
  この発言について同紙は、天津市の南開大学の専門家の話を引用し、「香港のエリートたちの共産党に対する見方が、より客観的、理性的になっている」と評価した。ただ、中国のインターネット上では、過去の女性スキャンダルなどから「チェン氏が入党審査を通るはずはない」と冷めた見方も出ている。


2021.07.12-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20210712-NUGVFFZMP5LGZDTHDGM47SYQ5Y/
香港区議会議員170人が辞意 「愛国」圧力強まる

  【台北=矢板明夫】香港の地方議会に当たる区議会で、圧倒的多数を持つ民主派議員が当局の圧力で相次いで辞職を表明している。香港メディアによれば、区議会479議席のうち、12日までに170人以上が辞意を表明し、今後はさらに増え、過半数に達する可能性もある。立法会(議会)だけでなく、区議会でも親中派が主導権を握る可能性が出てきた。

  香港当局は5月に条例を改正し、区議会議員に対し、政府への忠誠を宣誓することを義務付け、今月中にも宣誓が行われる。従わなければ「愛国者ではない」と認定され、議員資格が剝奪されるだけではなく、昨年1月から今年6月までの給与や手当の全額返済も求められる。これに対し、2019年11月の区議会選挙で当局を批判して当選した約390人の民主派議員の中には、強引に忠誠を誓わされることに抵抗を感じる人が多く、相次いで辞職を表明した。

  民主派政党、民主党の主席で、区議会議員でもある羅健熙(ら・けんき)氏は11日に記者会見で辞職を表明した際、給与などの返済を求める措置については理解できないとしつつも「このようなことを法廷で争うことは時間の無駄だ」とし、「議員辞職をしても地域のために仕事をし続ける」と述べて支持者に辞職への理解を求めた。
  一方、同じく民主派議員の梁錦威(りょう・きんい)氏は「辞任しない」と表明した。「選挙区の有権者だけが私を辞めさせることができる」と強調し、最後まで戦うと宣言。香港メディアによると、中国の民主派運動を支援してきた梁氏は、宣誓する前に「資格なし」と認定され、議員資格を剝奪される可能性もあるという。

  香港の林鄭月娥(りんてい・げつが)行政長官は12日、地元のラジオ番組に出演し「今の区議会は政府に反対し、行政スタッフを侮辱することを繰り返しており、実に遺憾だ」と述べた上で、忠誠を誓わせることを「法律に基づく措置だ」と正当化した。

  台湾在住の香港の民主活動家は「昨年6月の香港国家安全維持法(国安法)施行から、香港は全く反対意見を許さない街になった。これからはさらに息苦しくなるだろう」と嘆いた。


2021.06.28-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20210628-FVL47OEZNBPLBJOK5M7FLARHU4/
蘋果日報の元主筆逮捕 7人目、さらに拡大も

  香港警察は27日夜、廃刊した香港紙、蘋果日報(アップルデイリー)の主筆兼英語版編集長だった馮偉光氏(57)を、香港国家安全維持法(国安法)違反の疑いで逮捕した。香港メディアが28日報じた。香港国際空港で英国に向かう航空機に搭乗しようとしたところ逮捕されたという。

  同社は23日にも当時の主筆が逮捕され、25日に保釈された。
  香港警察は17日、外国による中国や香港への制裁を呼び掛けていたとして、蘋果日報の編集長ら5人を逮捕。同社の資産を凍結するなどして廃刊に追い込んだ。一連の捜査で逮捕者は計7人となったが、今後も増える可能性がある
  報道によると、馮氏の逮捕容疑は国安法の「外国勢力との結託による国家安全危害共謀」。馮氏は、蘋果日報に書いた社説で香港への制裁を呼び掛けた疑いがかけられている。(共同)


021.06.23-REUTERS-https://jp.reuters.com/article/hongkong-security-apple-daily-saturday-idJPKCN2DZ0PD
香港の民主派紙・蘋果日報、24日付を最後に廃刊 報道の自由終焉

  [香港 23日 ロイター] - 香港の民主派紙「蘋果日報(リンゴ日報)」は23日、24日付の新聞発行を最後に廃刊すると発表した。同紙を傘下に持つメディアグループ「壱伝媒(ネクスト・デジタル)」はこれに先立ち、「香港で支配的な現在の情勢を背景に」同紙が26日までに事業を停止すると発表していた。

  蘋果日報を巡っては、記事が香港国家安全維持法(国安法)に反する疑いがあるとして大掛かりな捜索を受けるなど、当局の締め付けが強まっていた。23日には外国・外国勢力と結託した疑いでコラムニストも逮捕同紙の廃刊は、中国が支配力を強めている香港における報道の自由の終焉を示す出来事と受け止められている。
  蘋果日報は電子版で従業員の安全と人繰りの問題に配慮し、廃刊を決定したとし、読者に対し26年間にわたる支持に感謝した
  衆新聞(シティズン・ニュース)を含む7メディアグループの労働組合は、24日に黒い服を着て「報道の自由に対する政府による打撃」に抗議すると表明。香港記者協会(HKJA)を率いるロンソン・チャン氏は「報道記事や論説記事を書く全ての人に大きな圧力がかかる。越えてはならない一線がどこにあるのか分からない」と述べた。

  蘋果日報の台湾支部は、独立した資金源を持っているため、電子版の発行を続ける。


2021.06.23-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/5fa04e9a85c7870fcbdd90f5d200fdca3db60a34
資産凍結で「香港の報道機関」圧殺 蘋果日報休刊

  23日に休刊を発表した香港の蘋果日報(アップルデイリー)、報道内容を特定した一時的な発禁処分でなく、香港国家安全維持法(国安法)に基づく資産凍結という形で事業継続の断念に追い込まれた。月末の国安法施行1年と7月1日の中国共産党創立100年を前に、香港と中国の当局は、個別活動家の弾圧から報道機関の圧殺へと踏み込んだ。他メディアへの威嚇効果も大きい。

  産党機関紙、人民日報系の環球時報(電子版)は19日、蘋果日報を反中乱港(中国に逆らい香港を混乱させる)のとりで」と評して編集幹部らの起訴を支持した。中国外務省の香港出先機関、駐香港特派員公署は22日の声明で、国安法による同社摘発を「法があれば従い、法に反すれば追及する」と擁護。香港政府トップの林鄭月娥(りんてい・げつが)行政長官は同日の記者会見で、全く同じ表現で国安法適用を正当化し、中国政府との連携を示唆した。

  香港当局は17日に編集幹部ら5人を逮捕し蘋果日報など3社の資産1800万香港ドル(約2億6000万円)相当を凍結。銀行7行に対しては、3社に関連した資金移動だけでも国安法違反になると警告した。

  蘋果日報を傘下に持つメディアグループ「壱伝媒」の主要取引銀行が「将来、(自行が)国安法違反に問われる恐れ」(香港メディア)からグループ関連の全口座を自主的に凍結し、事業停止は不可避となった。

  蘋果日報の休刊が他のメディアに与える影響も大きい。蘋果日報は「外国勢力と結託し国家の安全に危害を加えた」罪に問われているが、具体的にどの記事が該当したかは明らかにされておらず、当局が違法とみなす基準が不明だ
  全国人民代表大会(全人代)の香港代表、呉秋北氏は週刊紙「香港01」やネットメディア「立場新聞」などを「反中乱港のプラットフォームだ」と名指しで敵視した。
  鄭氏は22日の会見で「国安法の厳正な執行には威嚇効果もある」と述べ、蘋果日報以外の反中・反香港政府報道への萎縮効果も期待していることを示唆した。(田中靖人


2021.06.21-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/210621/mcb2106212003014-n1.htm
香港の蘋果日報、週内にも休刊 「報道の自由」象徴

  中国への批判的な報道で知られる香港紙、蘋果(ひんか)日報は21日、香港当局の資産凍結措置が一部解除されるなど経営状況が改善されない限り、26日付をもって休刊する方針を決めた。同紙は香港の報道の自由を象徴するメディアで、中国共産党や香港政府が発行停止に向けて圧力を強めていた

  蘋果日報を傘下に持つメディアグループ「壱伝媒」が21日、取締役会を開催して決めた。蘋果日報(電子版)によると、同紙側はまず当局に対し、給与の支払いに充てるために資産凍結を一部解除するよう申請、認められなければ25日の取締役会で休刊について最終決定する。

  香港メディアによると、当局が資産凍結の一部解除を認める可能性は低い。
  蘋果日報をめぐっては18日、香港国家安全維持法(国安法)違反の罪で同紙幹部ら2人が起訴された際、法人としての蘋果日報や関連の印刷会社など計3社も同じ罪で起訴された。
  当局はまた、国安法の規定に基づき、蘋果日報を含む3社の資産計1800万香港ドル(約2億6000万円)を凍結。取引先の銀行には口座への入金など一切の処理業務を禁じていた。
  資産凍結などの措置を受け、蘋果日報は社員約700人の給与の支払いだけでなく、印刷などの業務を継続することも困難な状況に陥った。ロイター通信によると、同紙を支援したくても口座に入金できない状態だという。
  1995年創刊の蘋果日報は、昨年6月末の国安法施行後も主要紙の中で唯一、中国を直接批判し続けている。中国共産党が“香港の中国化”を進める上で障害となっていた。

  加藤勝信官房長官は21日の記者会見で、「香港の民主的な発展の基礎となる言論・報道の自由にもたらす影響について重大な懸念を強めている」と述べた。(藤本欣也)


2021.06.17-SankeiBiz-http://www.sankeibiz.jp/macro/news/210617/mcb2106172001027-n1.htm
香港・抵抗の象徴 発行停止の危機 反中紙編集トップら逮捕

  香港警察は17日、中国に批判的な報道で知られる香港紙、蘋果(ひんか)日報への捜査を一気に本格化させた。編集トップらを逮捕したほか、昨年8月の200人を上回る500人体制で家宅捜索を強行。同紙の資産も凍結した。警察は香港国家安全維持法(国安法)を盾に、中国・香港当局への“抵抗の象徴”でもある同紙を発行停止に追い込む構えだ。(藤本欣也)

  蘋果日報(電子版)によると、本社編集局などの家宅捜索は午前8時ごろから約5時間続いた。出社してきた記者らは食堂に集められ、編集局への立ち入りが禁じられた。捜査員は机の上の取材資料やコンピューターも念入りに調べた。
  昨年8月10日の家宅捜索の際、編集局に押し寄せる捜査員らと対峙(たいじ)したのが、今回、国安法違反の疑いで逮捕された羅偉光・総編集(編集局長)だった。
  羅氏は、ネットを通じた動画中継を部下に指示し家宅捜索の模様を公開すると同時に、「自分の持ち場に戻って、とにかく新聞を出そう」と記者らの動揺を抑えるのに必死だった。
  当時、産経新聞の取材に「香港の自由を守るために発行を続けていく」と強調した通り、その後も蘋果日報は中国に批判的な論調を変えることはなかった。
  国安法が施行された昨年6月末以降、言論の自由を大幅に規制された市民たちにとっても、大手紙の中で唯一ぶれない蘋果日報は抵抗のシンボルだった。街頭で同紙を無言のまま掲げることが一つの抗議スタイルとなっていった。
  だが、同紙に広告を出す企業がほとんどない中、今年5月には70億円規模ともいわれる創業者、黎智英(ジミー・ライ)氏の資産が凍結されたほか、今回、同紙の資産なども凍結された。経営は瀕死(ひんし)の状況にあるとの見方が多い。

  国安法31条には、会社、団体などが同法で刑事罰を受けると、運営の一時停止を命じられるか、営業許可が取り消される-とも規定されている。
  窮地に陥った蘋果日報だが、この日も新聞の発行業務を続けた。昨年8月の家宅捜索の翌朝には、市民たちが同紙を買い求めるために行列を作った。当時、羅氏は「55万部をほぼ売り切り、蘋果史上、最高記録となった」とうれしそうに語っていた。
  国安法施行から間もなく1年が経過する今回はどうか。18日の市民の反応が、香港の現状を示すバロメーターになる。


2021.06.17-Yahoo!Japanニュース(REUTERS)-https://news.yahoo.co.jp/articles/3290d6d9e30b9eb8df078755daf8cc9801ff5c57
香港紙幹部5人逮捕、国安法違反で 米欧が懸念表明

  [香港 17日 ロイター] - 香港警察は17日、香港国家安全維持法(国安法)違反の疑いで、香港紙「蘋果日報(リンゴ日報)」の幹部5人を逮捕したほか、500人態勢で本社編集局を捜索した。

  警察は幹部5人を外国もしくは外部勢力と結託した疑いで逮捕したと発表。逮捕者の氏名は明らかにしていない。
   蘋果日報によると、午前7時半ごろに100人ほどの警官が新界にある本社に現れ、一帯を封鎖。編集長、最高経営責任者(CEO)、最高執行責任者(COO)など5人を逮捕した。
  同紙オーナーで中国政府に批判的なことで知られる黎智英(ジミー・ライ)氏は既に国安法の下で資産を差し押さえられているほか、違法集会に参加した罪で服役している。 警察は捜索の目的について、記者の電話やコンピューターなどから証拠を集めるためと説明。2019年までさかのぼったところ、同紙の数十本の記事が国安法に違反した可能性があるとした。

  最新の記事がいつのものかは明らかにしなかった。 警察当局の李桂華高級警司は蘋果日報本社前で記者団に対し、「記事の性質は非常にシンプルだ。外国を駆り立て、香港や中華人民共和国への制裁発動を求めている」と述べた。
  メディアの記事が国安法違反に問われる可能性があると当局が指摘したのは初めて。 また、蘋果日報と関連する3社の資産1800万香港ドル(232万米ドル)を凍結したことも明らかにした。
  捜索はメディア業界全体を対象としたものではないとも語った。 今回の逮捕などについて、欧州連合(EU)と英国は、中国が治安対策ではなく、反体制派を取り締まり、メディアを沈黙させるために国安法を利用していることを示すと懸念。
  米国務省のプライス報道官は、「香港当局が国安法を都合よく利用し、独立メディアを恣意的に標的にしていることを深い憂慮している」と指摘。「外国もしくは外部勢力との共謀容疑は完全に政治的な動機によるものだろう」と述べた。


2021.06.12-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210612/k10013081301000.html
香港 周庭氏が刑期を終え出所 大規模抗議活動に関連で収監

  香港で大規模な抗議活動に関連し、禁錮10か月の実刑判決を受けて収監されていた民主活動家の周庭氏が刑期を終えて、12日、出所しました。
  香港の民主活動家、周庭氏はおととし6月、大勢の市民が警察本部を取り囲んだ大規模な抗議活動に関連し、無許可の集会への参加をあおった罪などに問われました。
  去年12月、禁錮10か月の実刑判決を受けて香港郊外にある刑務所に収容されていましたが、刑期を終えて、12日午前、出所しました。

  周氏を乗せた刑務所の車が停留所に到着すると待ち構えていた大勢の報道陣が取り囲みましたが車を降りた周氏は無言のまま迎えの車に乗り換えてその場を離れました。
  周氏は重罪犯を収容するとされる刑務所に収容されましたが、刑務所内での態度が模範的とされ、刑期が短縮されたとみられます。
  周氏は2014年の大規模な抗議活動、「雨傘運動」以来、SNSを通じて日本語で発信を続けるなど、日本でもよく知られており、12日は大勢の報道陣が取材に訪れていました。
  周氏は去年8月に香港の民主化運動への支援を呼びかけてきた「リンゴ日報」の創業者、黎智英氏とともに外国勢力と結託して国家の安全に危害を加えた疑いでも逮捕、保釈されていて、この事件については現在も捜査が続いているとみられます。
周氏 報道陣には応じず無言で去る
  日本時間の12日午前11時ごろ、周庭氏を乗せた刑務所の車が近くの停留所に到着すると、待ち構えていた大勢の報道陣が駆け寄り、車を取り囲みました。
  周氏は、白いTシャツに白いマスク姿で髪を後ろに結んでいて、車から降りると一斉に報道陣に取り囲まれました。
  周氏は収監前に比べてやせた様子で、報道陣の問いかけに応じることなく、無言のまま迎えに来た白い車に乗り換え、その場をあとにしました。
  現場周辺には周氏を応援しようという多くの市民も駆けつけ、周氏が姿を見せるとスマートフォンのライトを照らしながら「頑張れ」とか「気をつけて」などと声をかけていました。

周氏のこれまで
  周庭氏は収監中、支援者などを通じて日本の支持者に向け、SNSを通じて日本語でメッセージを発信してきました。
  去年12月に実刑判決を受けて収監された時のことについては「護送車を見送ってくれた多くの方々の姿を見て、とても感動しました」と当時の心境を伝えていました。

  そして、「刑務所にいる私以外の仲間たちにも引き続き関心を持ってくださることを願っています」として、支援の継続を訴えました。
  周氏は2014年に香港で行われた民主的な選挙を求める抗議活動「雨傘運動」を主導した学生団体で広報担当を務め、広く知られるようになりました。
  2016年には民主派の団体「香港衆志」の立ち上げに携わり団体のメンバーとして香港の民主化を訴えてきました。
  日本の音楽やアニメが好きで、独学で覚えたという流ちょうな日本語で支援を呼びかけたり、たびたび講演を行ったりしたほかSNSでも日本語で積極的に発信してきました。
  去年8月、外国の勢力と結託して国家の安全に危害を加えたなどとして香港国家安全維持法に違反した疑いで逮捕、その後、保釈された周氏。
  去年12月には、おととし6月に行われた大規模な抗議活動に関連し無許可の集会への参加をあおった罪などで、禁錮10か月の実刑判決を受け、香港郊外にある刑務所に収容されていました。周氏が最後に支援者を通じてツイッターでメッセージを投稿したのはことし2月でした。
  日本からの激励に感謝を示したうえで「刑務所での生活は心身ともにつらいので、6月に刑務所を出たら、少し身体を休ませたいと思っています」とツイート。
  これを最後に更新は止まっていました。


2021.06.02-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210602/k10013063651000.html
天安門事件を伝える香港の記念館 当局の査察で一時閉館へ

  中国で民主化を求める運動が武力で鎮圧された天安門事件について伝える香港の記念館に当局の査察が入り、設置した市民団体は施設を一時閉館すると発表しました。事件から32年となる4日を前に、当局は関連する活動への締めつけを強めています

  この記念館は、1989年6月4日、北京で民主化を求める学生たちの運動が武力で鎮圧され大勢の死傷者が出た天安門事件を伝えようと、香港の市民団体が2014年に開設したもので、この間、展示の中断や移転を繰り返しながら運営を続けてきました
  事件から32年となる4日を前に、ここ数日は多くの市民が訪れていましたが、団体によりますと1日になって展示会を開くのに必要な認可をとっていない疑いがあると当局に指摘され、査察を受けたということです。

  これを受けて、団体は施設を一時閉館すると発表しました。これまでのところ、再開の見通しは立っていないということです。この団体は4日の夜、香港中心部の公園で事件の犠牲者の追悼集会を開く計画でしたが、警察が新型コロナウイルスの感染防止を理由に許可しませんでした。
  地元メディアは、当日は3000人の警察官が公園や記念館周辺などに配置されると伝えていて、事件に関連する活動への締めつけが強まっています


2021.05.27-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/article/20210527-CJZNLD66QJKAHHWRNJEJIMOUDY/
香港選挙制度見直し完了 条例可決、民主派危機

  香港立法会(議会)は27日、「愛国者による香港統治」を確実にするための選挙制度見直し条例案を賛成40、反対2で可決した。反中国的な候補者の立候補阻止を狙い、中国の習近平指導部が主導した制度変更が完了した。「愛国者」以外を徹底排除する立候補資格審査の導入が柱で、民主派の主要政党は存続の危機を迎えることになりそうだ。

  新たな選挙制度に基づき、行政長官を選ぶ「選挙委員会」(1500人)の委員選挙を9月19日、立法会選挙を12月19日、行政長官選挙を来年3月27日にそれぞれ実施する。
  新制度では、「資格審査委員会」を新設し、立法会選などの立候補者が「香港への忠誠」という条件を満たしているかどうかを審査。香港国家安全維持法(国安法)を根拠に設置した「香港国家安全維持委員会」が警察の情報に基づき不適格者を審査委に指摘する。(共同)


2021.05.17-blog goo-https://blog.goo.ne.jp/chorinkai/e/96b76d1a6e85879b3c5812bd05818f60
不都合な真実 《 消える台湾版「反中紙」 》
消える台湾版「反中紙」――矢板明夫・台北支局長
【 産経新聞 R03(2021).05.17 】

  香港メディアによれば、壱伝媒は直近の5年間で、計19億香港ドル(約270憶円)の赤字を出したという。今年に入ってからは、資金を捻出するため台湾版の蘋果日報の売却を模索したが、買い手が見つからなかった。台湾で暮らす香港の活動家は「中国当局と戦う蘋果日報は香港民主化の希望であり、灯を絶やさず頑張ってほしい」と話している。

  【台北=矢板明夫】香港国家安全維持法(国安法)違反の罪で起訴された香港の実業家黎智英(ジミー・ライ)氏が創業したメディアグループ壱伝媒(ネクスト・デジタル)の傘下にある新聞「蘋果(ひんか)日報」の台湾版が17日の発行を最後に休刊する。発行部数減少のほか、黎氏が収監されて広告収入が減り、資金繰りが苦しくなったことなどが理由だ。電子版と香港版蘋果日報の発行は続けられるが、黎氏の資産はすでに香港当局によって凍結されており、同グループを取り巻く経営環境は厳しさを増している。

〈 きょうで休刊

  1980年代までに衣料販売業などで成功した黎氏は90年、壱伝媒グループを立ち上げた。その前年に北京で民主化運動が弾圧された天安門事件が起き、香港に民主化を支持するメディアが必要だと感じたことがきっかけだったという。雑誌「壱週刊」や「蘋果日報」などを発行し、テレビ、出版、広告業界にも進出した。香港のみならず、中国本土や東南アジアなどにも影響力を持つようになった。
  壱伝媒は2001年に台湾に進出し、台湾版「蘋果日報」などを発行した。黎氏は14年、香港の大規模民主化デモ「雨傘運動」を支援したことで壱伝媒の会長を辞任したが、創業者として引き続き同グループを統率する立場にあったという。
  黎氏は昨年、国安法違反の罪などで起訴され、今年4月には無許可集会を組織した罪で実刑判決を言い渡された。今後、さらに重い判決を受ける可能性がある。

中国圧力で広告減、身売りも難航

  蘋果日報の関係者によると、黎氏が逮捕されて以降、同グループに広告を出す中国系、香港系企業が激減した。新型コロナウイルス禍により業績不振のほか、「広告を出さないように」と裏で中国当局からの圧力もあったという。香港市場に上場している壱伝媒の株価も最近、0.2香港ドル(2.82円)前後で推移し低迷している。
  香港メディアによれば、壱伝媒は直近の5年間で、計19億香港ドル(約270憶円)の赤字を出したという。今年に入ってからは、資金を捻出するため台湾版の蘋果日報の売却を模索したが、買い手が見つからなかった。台湾で暮らす香港の活動家は「中国当局と戦う蘋果日報は香港民主化の希望であり、灯を絶やさず頑張ってほしい」と話している。


2021.05.04-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/210504/wor2105040013-n1.html
香港の報道自由度が過去最悪 国安法で「恐怖植え付け」

  【台北=矢板明夫】香港のジャーナリスト団体、香港記者協会(HKJA)の調査で、香港で活動する記者らが感じる「報道の自由度」が2020年、過去最悪になったことが明らかになった。昨年6月に国家安全維持法(国安法)が施行されて以降、当局のメディアへの締め付けが強化されたことなどが原因で、関係者は状況のさらなる悪化を懸念している。

  同協会は、国連が定めた「世界報道自由デー」の3日を前に今年2~3月に調査を実施し、香港市民1023人、記者367人が回答。それによると、2020年の「報道の自由度」は100点満点で32・1で、19年の36・2から4・1ポイント低下した。香港で報道の自由が失われることを懸念した同協会が調査を始めた13年の42から、20年までに10ポイント近く下がった。
  回答した記者のうち、約7割が「当局の圧力で不安を感じたことがある」と答えていた。また、約4割は上司から「香港独立の動きに関する報道をするな」などと具体的な指示を受けたことがあったという。
  昨年夏に香港の新聞社を退職した元記者は取材に対し、「中国政府に批判的な姿勢をとってきた大手紙、蘋果(ひんか)日報の創業者、黎智英氏が国安法で起訴されたことが記者たちに恐怖感を植え付けた」と指摘した。
  元記者はその上で、「当局ににらまれたくないことを理由に、政治に関するニュースの論評や解説記事を書きたくない人が増えている」と話した。


2021.04.16-Yahoo!Japanニュース(KYODOU)-https://news.yahoo.co.jp/articles/8879c6dd600f72f020084396870d6d8be0d09e35
香港紙創業者に初の実刑 禁錮1年2月、無許可デモ巡り

  【香港共同】香港の裁判所は16日、19年8月に香港中心部で行われた政府への抗議デモ2件を巡り、無許可集会組織罪などで有罪となった香港紙、蘋果日報(リンゴ日報)創業者、黎智英氏に、合わせて禁錮1年2月の量刑を言い渡した。黎氏が実刑判決を受けるのは初めて。

   裁判所は、黎氏のほか民主派9人にも量刑を言い渡した。民主派団体「香港市民愛国民主運動支援連合会」の李卓人主席は禁錮1年2月。2件のうち1件の無許可デモを巡り、東大博士課程在学中の元立法会(議会)議員、区諾軒氏に禁錮10月、「香港民主主義の父」と呼ばれる李柱銘氏には禁錮11月、執行猶予2年が言い渡された。


2021.03.30-日本経済新聞-https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM302IB0Q1A330C2000000/
全人代常務委、香港選挙制度見直し案可決 民主派排除へ(香港メディア報道)

  【北京=羽田野主】中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会は30日、民主派排除につながる香港の選挙制度の見直し案を全会一致で可決した。米欧が批判を強めるのは必至で、中国との溝がさらに広がりそうだ。

  香港メディアによると、香港選出の全人代常務委員の譚耀宗氏が会議後、明らかにした常務委は選挙制度を定めた香港基本法の付属文書を改正した。香港での条例改正を経て適用される流れだ。香港立法会(議会)は親中派がほぼ独占しており、早期の成立は確実だ。
  立法会議員70議席のうち、一般市民の投票で決まる枠と親中派に有利な業界が選ぶ枠が現在それぞれ35議席ずつある。
  香港メディアによると、今回の見直し後は議員定数を90に増やす。「行政長官選挙委員会」の定員を現行の1200人から1500人に拡大したうえで、新たに40議席分の立法会議員を選ぶ権限を付与する。業界選出枠は30議席、一般市民の投票枠は20議席に減らす。民意を反映する投票枠は大幅に減る

  候補者が「愛国者」かどうか審査する「資格審査委員会」も新設する。中国共産党に批判的な候補者を排除し、民主派は選挙への立候補が難しくなる。民主化に向けた歩みは大幅に後退する。
  選挙委員会と資格審査委員会も親中派で固め、資格審査委は当局の国家安全部門とも連携する。
  2020年の香港国家安全維持法の施行に続く民主派への締め付けとなる。習指導部は統治機構から民主派を徹底的に排除し、反中的な動きを抑え込む。
  全人代常務委は原則として2カ月に1度のペースで開いてきた。今回は前回2月末から約1カ月後の開催だった。改正案などを審議する場合は原則2回の審議が必要だが、例外規定を適用し1度の審議となった。習指導部は審議を異例のハイペースで進め、早期に決着させた。


2021.03.29-産経新聞 THE SANKEI NEWS -https://www.sankei.com/world/news/210329/wor2103290014-n1.html
香港の新選挙制度、30日に可決か 中国全人代常務委

  【北京=三塚聖平】中国の立法機関、全国人民代表大会(全人代)の常務委員会は29日、香港の選挙制度見直しに関する審議を始めた。会議は2日間の日程で、早ければ30日にも中国側での手続きが完了する。中国政府が掲げる愛国者による香港統治の確保の方針に沿って、香港の民主派を完全に排除する選挙制度導入へ急ピッチで作業が進められている。

  香港メディアによると、全人代常務委の香港選出の委員である譚耀宗(たん・ようそう)氏は28日に「検討が熟せば30日に採決するだろう」との見通しを示した。香港政府トップである行政長官や、立法会(議会)の選挙が今後1年以内に控えており、譚氏は「緊迫性がある」ため制度変更を急ぐ必要があると説明している。
  常務委では、今月前半に開かれた全人代での決定に基づいて、行政長官と立法会の選挙手続きを定めた香港基本法(ミニ憲法)の付属文書の改正の詳細について審議する。常務委での決定後、香港政府が関連法の整備を進める。
  中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は、香港政府側の関連作業が5月末までに固まるとの見通しを伝えている。行政長官を選ぶ選挙委員会の権限拡大などが焦点となる。
 香港メディア「香港01」は29日、定数を70から90に増やす立法会で、直接選挙枠を現行の35議席から20議席に縮小する案が浮上していると伝えた。新設される選挙委が選ぶ枠が最大の40議席で、業界別の職業代表枠に残りの30議席を割り当てるという。
  一方、29日付の中国共産党機関紙、人民日報(海外版)は、香港に駐留する人民解放軍が訓練を行ったと報じた。訓練は陸海空の合同で行われたとしているが、選挙制度見直しに反発する香港の民主派を牽制する狙いもあるとみられる。


2021.03.11-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/210311/mcb2103111635028-n1.htm
中国全人代、香港選挙制度見直し採択 民主派排除

  【北京=三塚聖平】中国の立法機関、第13期全国人民代表大会(全人代)第4回会議は11日、香港の選挙制度見直しに関する決定を採択して閉幕した。普通選挙の実現を求めてきた民主派を完全に排除する選挙制度導入が中国主導で進む。昨年6月の香港国家安全維持法(国安法)の施行で言論などの自由を奪われた香港は今後、民主化の道も事実上絶たれることになる。

  香港返還時の国際公約を破る形で「一国二制度」の形骸化を進める習近平政権に対し、米国や英国など国際社会が批判を強めるのは確実で、対立の激化は避けられない。
  香港の選挙制度見直しの決定は賛成2895、反対0、棄権1で採択された。決定には、香港の行政長官選や立法会(議会)選の候補者に対する資格審査委員会を設立することなどが盛り込まれた。国安法に反する行為の有無などが審査される見通しだ。
  決定では「愛国者による香港統治の確保」が強調されており、見直し後は香港政界で親中派が圧倒的多数を占めることになる。
  李克強首相は同日、閉幕後の記者会見で「愛国者による香港統治を堅持し、一国二制度の安定した長期的な発展を確保する」と決定を正当化した。今後、全人代常務委員会で選挙の手続きを定めた香港基本法(ミニ憲法)の付属文書の改正作業を実行し、それを受けて香港政府が関連の法整備に着手する。9月に予定される立法会選は延期される見通しとなっている。
  全人代では、2021年の国内総生産(GDP)成長率の目標を6%以上とする政府活動報告や、25年までの新たな5カ年計画と35年までの長期目標も承認。李氏は、今年の成長率目標が市場予測の8%前後よりも低いことについて「6%は低くない」と主張した。

  日本政府は11日、全人代が決定した香港の選挙制度変更について「重大な懸念を強めている。高度の自治を大きく後退させるものであり看過できない。国際社会とも連携して中国側の具体的な対応を求める」との外務報道官談話を発表した。


2021.03.06-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/210306/wor2103060002-n1.html
「自由への攻撃」「愛国者統治急ぐ」香港選挙制度、米欧と中国応酬

  中国の立法機関、全国人民代表大会(全人代)で、香港の民主派抑圧を狙った選挙制度の見直しが提案されたことを受け、米国と欧州連合(EU)は5日、一斉に反発した。
  米国のプライス国務省報道官は、「香港の自由と民主的な手続きへの直接的な攻撃だ」と非難。全人代での提案は、「香港の人々の意思を分断し、政府と統治に声を反映させるのを拒絶する」とも指摘した。
  また、「提案が実施に移されれば、香港の民主体制を著しく破壊する。中国には、国際的な義務と誓約を守り、香港基本法(憲法に相当)に従って行動するよう求める」と訴えた。「米国は普遍的な権利の確保を求める香港の人々とともにある」とも強調した。
 また、EUの外務報道官は、普通選挙の導入を掲げていた香港基本法の内容を覆すことになるとの声明を出し、中国に対抗措置を講じる用意があると警告した。香港で親中派のみが有利になるような選挙制度となれば、「基本的自由、政治的な多元主義、民主主義の原則を損なう」として、強い危機感を示した。
  一方、中国共産党機関紙、人民日報(電子版)は6日、香港選挙制度の見直しへの批判に反発し、「完全に中国の内政であり、香港を乱す者を追い払う」ためだと正当化した。(ワシントン 黒瀬悦成、ロンドン 板東和正、北京 三塚聖平)


2021.03.01-BBC NEWS JAPAN-https://www.bbc.com/japanese/56234816
香港警察、民主派47人を「国家転覆罪」で起訴 国安法施行後で最大規模

  香港警察は2月28日、1月に逮捕した民主派50人超のうち47人について、国家「転覆」を狙ったとして起訴した。昨年6月に施行された、香港での反政府的な動きを取り締まる中国の「香港国家安全維持法」(国安法)に基づく起訴としては最大規模。
  1月の逮捕者の多くはその後保釈されていたが、47人は2月28日、3月1日の出廷に先立ち警察に出頭するよう求められた。中国政府は「破壊的な」行為を犯罪行為とみなす国安法の施行について、香港に安定を取り戻すために必要だと主張している。
  これに対し、反対意見を抑圧し、香港の自治権を損なうものだとの批判の声が上がっている。

  イギリスのドミニク・ラーブ外相は2月28日、民主派の起訴は「政治的な反対意見を排除」するために国安法が使われている実態を示しているとツイートした。
  「国安法は英中共同声明を侵害しており、このような方法での国安法の使用は、中国政府が約束した内容に矛盾している。このような敏感な問題について約束を守るという信頼をさらに損なうだけだ」
誰が起訴されたのか
  警察への出頭を求められたのは、2020年9月に予定されていた立法会選挙に向けて民主派が同年6月に実施した非公式の「予備選」に関連し逮捕された、民主活動家や政治家約50人のうち47人。
  この「予備選」は立法会選挙でどの候補者が最も有利なのかを見極めるためのものだった。選挙はその後、新型コロナウイルスを理由に延期された。
  中国と香港の当局は、「予備選」は政府転覆を狙ったものだと主張している。香港警察は2月28日の声明で、「警察は本日午後、47人を(中略)『国家転覆共謀罪』で起訴した」と発表した。
  起訴されたのは23歳から64歳までの男性39人と、女性8人。3月1日にも西九龍の裁判所に出廷する予定。


2021.02.22-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210222/k10012881051000.html
「香港選挙制度見直し必要」中国高官が香港統治めぐり演説

  中国政府の高官は香港の選挙制度を改める必要性があるという考えを示し、政府トップの行政長官や議会にあたる立法会などの選挙で、中国政府に批判的な勢力を排除するよう見直す方針を示したものとみられます。

  中国政府の発表によりますと、香港の問題を担当する香港マカオ事務弁公室のトップ、夏宝竜主任が22日、香港の統治の在り方をめぐって演説しました。
  この中で、夏主任は「愛国者による香港の統治を堅持しなければならない」と繰り返したうえで、「選挙制度を完全なものにするよう整備を急がなければならない」と述べ、香港の選挙制度を改める必要性を強調しました。

  そのうえで「香港を混乱させる反中グループや国際的な反中勢力の代理人が、政府機関に入り込むことを阻止しなければならない」などと述べました。
  具体的に選挙制度をどのように見直すのかについては言及しませんでしたが、香港政府トップの行政長官や議会にあたる立法会などの選挙で、中国政府に批判的な勢力を排除するよう見直す方針を示したものとみられます。
  これに関連して一部の香港メディアは、来月開かれる全人代=全国人民代表大会で、香港の選挙制度をめぐって制度改革が行われるのでないかという見方を伝えています。


2021.02.22-産経新聞 THE SANKEI NEWS -https://www.sankei.com/world/news/210222/wor2102220019-n1.html
香港司法、北京に「降伏」か 周庭氏「6月出所」に影響も
(1)
  中国に批判的な香港紙、蘋果(ひんか)日報の創業者で、香港国家安全維持法(国安法)違反の罪などで起訴された黎智英(れい・ちえい)=ジミー・ライ=氏(72)の保釈をめぐり、香港終審法院(最高裁)が下した異例の判断が波紋を広げている。国安法案件の保釈は「通常よりハードルが高い」と認定したことで、同案件での被告の保釈が一層困難になった。また、「香港の裁判所は国安法を司法審査できない」と国安法の不可侵性を事実上認め、「最高裁は(中国当局に)降伏した」(香港大法学部講師)と失望の声が上がっている。(藤本欣也)
■高裁は保釈認めるも…
  黎氏が罪に問われているのは、国安法の「海外勢力と結託し国家の安全に危害を加える罪」など。
  昨年12月に収監された黎氏の保釈申請に対し、高等法院(高裁)は同23日、保釈金1千万香港ドル(約1億3600万円)を担保に、
(1)外国政府関係者と接触しない
(2)ツイッターなどソーシャルメディアに投稿しない
(3)自宅にとどまり、警察に週3回出頭する-などの条件付きで保釈を認めた。

  国安法は42条で「(被告が)引き続き国家の安全を害する行為を実施することはないと信じるに足る十分な理由がなければ、裁判官は保釈を認めてはならない」と規定している。
  高裁は、厳しい保釈条件を付けたことで、被告が再犯しないと信じるに足る-と判断したといえる。
  保釈とは、「刑事裁判で有罪が確定するまでは無罪として扱わなければならない」とする推定無罪の原則に基づく制度。かつて英領だった香港では保釈が認められやすい。

  高裁の決定に驚いたのが中国・香港当局だ。中国共産党は黎氏を香港における反中勢力の黒幕とみなしている。党機関紙、人民日報が激しく反発する中、香港当局は最高裁に上訴。最高裁長官を含む5人の判事は今月9日、当局の主張を認め、国安法案件では「通常の保釈の原則」は適用されないなどとして、高裁決定を取り消した

  5人は、香港政府トップの林鄭月娥(りんてい・げつが)行政長官に任命された国安法案件担当の裁判官たちでもある。焦点の国安法42条については「高裁が解釈を誤った」と認定し、
(1)まず、被告が再び国家の安全を害する行為をしない十分な理由があるかを判断する
(2)十分な理由があると判断したときに初めて保釈条件などが検討されなければならない-として、保釈のハードルを上げた。
   ただ、香港の憲法と位置付けられる香港基本法や、国安法自体にも推定無罪の原則が盛り込まれている矛盾しないのか
(2)
■国安法の司法審査できず
  最高裁は今回、国安法に対する司法審査についても重要な判断を下している。
  「国安法は(中国の)全国人民代表大会(全人代)と同常務委員会が立法化したものであり、香港の裁判所に国安法の条文の違憲性を審査する権力はない」と初めて認定したのだ。
  国安法の解釈権は全人代常務委にあると同法に規定されており、「国安法の司法審査は実質的に不可能」(香港の法律専門家)とみられてきたとはいえ、最高裁が認めた意味は大きい。国安法の司法審査の道は名実ともに絶たれた形だ
  蘋果日報は19日付の社説で、最高裁は国安法の「特殊な地位」を認め、「基本法によって国安法を解釈する終審権を放棄した」と指摘し、これで「司法の独立があるといえるのか」と厳しく批判した。
  黎氏は収監前、産経新聞のインタビューで「私の裁判を通じて、香港における司法の独立の現状が示されるだろう」と述べていたが、その通りの展開となっている。
■周庭氏は6月出所?
  昨年12月、デモ扇動の罪などで禁錮10月の判決を受けて収監中の香港の民主活動家、周庭(アグネス・チョウ)氏(24)はこのほど、「刑務所での生活は心身ともにつらいので、6月に刑務所を出たら、少し身体を休ませたい」と代理人を通じて会員制交流サイト(SNS)に投稿した。

  香港紙によると、周氏は模範囚のため、6月にも出所可能とみられている。
  ただ、周氏は国安法違反容疑でも逮捕され、捜査が続いている。今後、起訴された場合、最高裁の今回の判断を受けて、保釈が認められず再び勾留(こうりゅう)される可能性が高い。


2021.02.19-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/210219/wor2102190011-n1.html
香港市民5000人が英特別ビザ申請 タイムズ報道

  【ロンドン=板東和正】英紙タイムズ(電子版)は18日、香港の旧宗主国、英国が導入した香港市民の英国永住権取得に道を開く特別査証(ビザ)制度について、1月末の受け付け開始から約2週間で約5千人の申請があったと報じた。

  中国による言論統制や法的規制の強化など民主社会への抑圧が進む中で、香港から逃れようとする市民が増えているとみられる
  この制度は昨年6月末に中国が施行した香港国家安全維持法(国安法)への英政府の対抗措置。1997年の返還前に生まれた香港市民を対象に、英政府が発行する「英国海外市民(BNO)旅券」保有者とその扶養家族が申請できる。
  従来はBNO旅券を持っていても英国の永住・市民権はなく、滞在期間は6カ月間に制限されていた。だが特別ビザがあれば5年間の滞在が可能になり、滞在後に永住権を、その1年後に市民権を取得できる。

  同紙が英政府関係者の話として伝えたところによると、約5千人のうちの約半数は英国にすでに滞在している。一時的な宿泊施設も提供されているという。
  香港人でBNO旅券の保有者は約35万人。さらにBNO旅券の申請資格がある香港市民やその家族を合わせると、特別ビザの資格対象は500万人以上になると推定されている。英政府は、今後5年以内に26万~32万人が英国に移り住む可能性があるとみている。
  一方で、中国は英政府に反発し、BNO旅券を正式な旅券や身分証明として承認しないと表明し、さらなる措置を検討している。

  将来的にBNO旅券の保有者らが英国で市民権を取得した場合、中国が香港市民の身分を取り消すことが予想される。香港に帰郷したり、中国本土に入国したりする際に、問題が起きる恐れも懸念されている。


2021.02.01-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/210201/mcb2102010548002-n1.htm
英が香港市民向けの特別ビザ受け付け 30万人が英移住か

  【ロンドン=板東和正、北京=三塚聖平】香港の旧宗主国、英国は31日、昨年6月末に施行された香港国家安全維持法(国安法)への対抗措置として、香港市民の英国永住権取得に道を開く特別査証(ビザ)の申請の受け付けを開始した。香港で言論統制が強まる中、30万人前後の香港市民が5年以内に英国に移住する可能性がある。

  特別ビザは、1997年の香港返還前に生まれた香港市民に英国政府が発行する「英国海外市民(BNO)旅券」の保有者とその扶養家族が申請できる。
  これまではBNO旅券を持っていても英国の永住・市民権はなく、滞在期間は6カ月間に制限されていたが、特別ビザがあれば5年間の滞在が可能になる。また、5年間の滞在後に永住権を、その1年後には市民権を取得できる。
  ラーブ英外相は1月29日の声明で、国安法は「(一国二制度を定めた)中英共同宣言への重大な違反だ」と非難。「香港の人々に対する歴史的な責任を果たす」と強調した。
  BNO旅券の保有者は約35万人。BNO旅券の申請資格がある市民を合わせると、特別ビザの資格対象は500万人以上になると推定される。英政府は、実際には5年以内に26万~32万人が英国に移り住む可能性があるとみている
  一方、中国側は、英国の措置に猛反発している。中国外務省と香港政府は1月29日、BNO旅券を31日から有効な旅券や身分証明書として認めないと発表した。
  中国側の措置は、香港の旅券を持つ多くの市民には大きな影響はないとみられる。ただ、香港メディアは、BNO旅券の保有者らが英市民権を取得した場合、中国側が香港市民の身分を取り消すと予想。将来的に香港や中国本土に入る際に、問題が起きる可能性を指摘している。


2021.01.29-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210129/k10012840701000.html
中国 返還前の香港で生まれた英「海外市民」旅券 有効と認めず

  イギリス政府が、中国返還前に香港で生まれた「海外市民」と呼ぶ人たちに発行してきた「パスポート」について、中国政府は有効とは認めないと発表しました。

  イギリスが、香港の人たちを対象にした特別ビザの申請受け付けを開始することへの対抗措置だとしています。
  イギリス政府は、香港で去年、反政府的な動きを取り締まる香港国家安全維持法が施行されたことを受けて、1997年に中国に返還される前の香港で生まれ、イギリスの「海外市民」としての資格がある人やその扶養家族を対象に、5年間、イギリスへの滞在を可能とする措置を決め、31日から特別ビザの申請を受け付けることにしています。
  中国外務省の趙立堅報道官は、29日の記者会見で「中国の主権を著しく侵害し、中国の内政に乱暴に干渉するものであり、強く憤り、断固反対する」と反発し、イギリス政府が「海外市民」に発行するパスポートを有効とは認めない対抗措置をとると発表しました。
  ただ、香港の市民の多くは香港政府が発行するパスポートで海外に渡航できるため、今回の措置の影響は少ないとみられています。

  イギリス政府は、特別ビザの申請ができる対象者は、香港の人口のおよそ7割にあたる520万人にのぼると推計していて、このビザで5年間滞在すれば、イギリスの永住権や市民権の取得にも道がひらけます。
  中国政府としては、特別ビザを取得する動きが広がらないようけん制した形です。


2021.01.14-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/f40d69fed0863618454aa14846568a33156b99cf
香港で著名弁護士ら11人逮捕 台湾密航支援の疑い

  【台北=矢板明夫】香港警察は14日、香港の著名な人権派弁護士、黄国桐氏(71)ら11人を犯罪者に協力した疑いで逮捕した。香港メディアによると、黄氏らは昨年8月、香港から船で台湾に密航しようとして中国当局に拘束された民主活動家ら12人を支援した疑いがもたれている。
  香港の区議会議員でもある黄氏は14日早朝、自宅から連行される前、フェイスブックに「午前6時10分ごろ、国家安全警察が来た」と書き込んでいた。他に民主活動家ら男性7人、女性3人も逮捕されたという。
   台湾と香港を行き来しながら、香港の民主派を支援してきた黄氏は昨年夏、台北でレストラン「保護傘」を開業し、台湾に逃れてきた香港の若者らを雇用したことが台湾メディアなどに大きく取り上げられた。
   黄氏がかかわったとされる密航事件をめぐっては、中国の治安当局に海上で拘束された12人のうち、10人が昨年12月、中国広東省の裁判所で懲役3年以下の実刑判決を受け、未成年の2人は不起訴となった。
   香港当局は6日、民主派の元立法会(議会)議員ら50人以上を香港国家安全維持法(国安法)違反の容疑で逮捕したばかりだった。


2021.01.10-Livedoor ニュース-https://blogos.com/article/509187/
香港国家国安法維持法制定から約半年、自らの認識以上の中国化のスピードで物事が襲来 - 田中実 (ジャーナリスト)

(1)
  2020年6月30日、中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)常務委員会は香港国家安全維持法について全会一致で可決した。その日の夜、林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官が署名を行い、同日23時から施行された。それからほぼ半年が経過したが、実際の香港の街の状況とは?
香港在住西洋人が政治の話題を公の場で避け始めた
  施行されてから約80人が国安法違反で逮捕されたが、最大の懸念事項は、条文が不明瞭で何が国安法違反なのか判断がつきにくい点だ。しかも、解釈権は中国にある。「念のため」という委縮効果を生んでいる。
  それ以上に大きな委縮効果を生んだのは、香港警察が違反を密告してもらうホットラインの創設だ…昔の東欧の旧共産圏の密告を連想させる。デモが始まってからは広東語で政治の話は控えるようになっていたが、英語であれば、日常会話的に政治の話ができたが、香港在住の外国人、英語をメインに生活する人たちは、ホームパーティーでも開けば政治の話がでるが、彼らでさえ政治の話を控えるようになった。
  開設初日は1000件の通報があったと言う。いたずら電話、ガセネタも相当あったようだが、市民が市民を監視しかねない環境になりつつある。
細かな中国化が進む
  国安法制定、周庭(アグネス・チョウ)氏の禁固刑や保釈の却下、民主派寄りの新聞の『蘋果日報(アップル・デイリー)』を創業した黎智英(ジミー・ライ)氏の国安法での逮捕・起訴、保釈が認められた事、立法会の民主派議員4人の資格がはく奪され、それに抗議して15人が民主派議員を辞職する事などが日本で取り上げられている。
  香港にいるとさらに細かなニュースがどんどん入って来る。2018年の区議会選挙で民主派が圧勝し、立法会では区議会議員枠として5議席、行政長官選挙でも1200人の選挙人枠の中で117人の区議会選挙枠を民主派が独占しているが、全人代は無効にする研究を始め、審議しようとしている。
  イギリスのラーブ外相は11月23日、香港の最高裁にあたる終審法院からイギリス人判事の引き上げを検討していると発表した。2020年8月6日付の「『香港国家安全維持法』の何が問題なのか?」の記事で大東文化大学国際関係学部の廣江倫子准教授が懸念していたことが、現実化してきた。12月の頭には有線電視というテレビ局の主に中国の調査報道を担当する40人が、局の財政悪化を理由に解雇を言い渡された。無論、Wedgeの読者ならその本当の意味を理解できるだろう。
  香港政府は12月16日、保安局長が航空会社に対して予約者についての情報の提供を要求できる権限を与えるようにする条例の改正案を立法会に提出した。さらに香港の生徒に対して中国本土を訪れ、交流や実習活動をさらに拡大する案について立法会で討議している。2020年10月24日付の『香港の若者は歴史などどういう教育などを受けてデモに参加するようになったのか?』の記事でインタビューした香港人は中国を訪れた回数は数えるだけと話していたが、その実情を踏まえ、中国を訪れて印象を変えてもらおうということだろう。

  アメリカ商務部は12月21日、軍と関係があるとみられる中国やロシアの企業のリストを公表したが、その中に香港政府飛行服務隊(GFS)が入った。2020年8月に香港から台湾へモーターボートを使って密航しようとした12人の香港人がいたが、中国沿岸警備隊に拿捕された。GFSはそのアシストをしたと言われている。この12人は中国に送られ、深圳で裁判が行われた。12月30日に判決が下され、10人に懲役3年から7月の実刑判決となった。残るの2人は未成年ということで不起訴となり香港警察に引き渡された

  翌12月22日、デモ活動で若者らの抗議活動の際にマスクなどで顔を隠すことを行政長官の権限で「緊急状況規則条例」を発動して禁止した措置をめぐり、基本法に違反するかどうかが争われた裁判で、終審法院は「基本法に違反しない」との判断を示した。
  このほかにも、香港最大のテレビ局、無線電視(TVB)では国安法のメリットに関しての数分間の番組「國安有法香港安穏」をほぼ毎日放送している。このように小さな中国化がどんどん進んでいるのが現状だ。
そう簡単に香港脱出はできるものではない
  香港の歴史を考えると、中国本土から逃げてきた人が多く、香港を経由して世界に行く「乗り換え地点」だった。しかし、歴史を積み重ねるうちに永住する人が増え、香港生まれが増えた。デモを起こした若者には「乗り換え」という概念はない。だからこそ、香港こそ我が故郷と思う「本土派」が生れた。
  国安法を受け香港を脱出する機運が生まれているが、日本ではそれが大きなうねりと考えられているようだが、そうではない。イギリス政府は「イギリス海外市民旅券(BNOパスポート)」を持つ香港市民に対して、2021年1月からイギリスでの市民権取得を促す方針を出したが、“ブレグジット”をした選択した国が、市民レベルでみた時、香港人を受け入れるだろうか? そもそも移民とはより良い生活を求めて引っ越すことだが、香港人は後ろ向きな気持ちで移住することになる。そんな中で現地の生活に馴染むのは大変だ

  香港人に最も人気の移民先である台湾。同政府は「台港服務交流弁公室」という事務所を設置し、香港受け入れの意思を示した。しかし、移民には多額のお金がかかる。台湾の国家発展委員会は香港とマカオ市民が台湾への投資移民について、投資金額を200万台湾ドル(740万円)にするという案を出した。台灣移民署は12月10日、2020年1月~10月までの香港人の移民許可数は前年比71.2%増の7474人と発表した。確かに大幅に増加したが、香港の全人口750万人のわずか0.001%と考えれば、ハードルの高さが分かるだろう。
  そのせいか、現実を受け入れ、休日にはいつものようにハイキングに行くなど、コロナの事はあるが従来と変わらない暮らしをしている人も多い。
(2)
  ということは、香港の若者はこれからも自由を求めるのならば政府と対峙するしかない。逃亡犯条例改正案では秘匿性の高いメッセージアプリの「テレグラム」が話題を呼んだが、今は「Signal」というアプリが使われ始めている。「Black Lives Matter」でアメリカで急速に広がったことでも知られているが、通信内容がエンドツーエンドで暗号化されるため非常に高いセキュリティレベルが確保されるほか、自分のメッセージが消える時間を自由に設定できるようになっているからだ。しかも、世界で最も使われているメッセージアプリ「WhatsApp」よりも使いやすい。

  デモの中心であった香港の若者はテジタルネイティブでもある「ジェネレーションZ」。「あつまれ どうぶつの森」は香港でも政治利用され、任天堂は規約を設けたが、これはデジタルネイティブならではの発想力が生みだした。
  中国では「上に政策あれば下に対策あり」という言葉があるが、香港の若者はデジタルという武器を使って、筆者のようなガラケーを知っている世代では想像がつかない形で新しい抗議活動の方法を生みだす気がしてならない。
香港政府はイメージ改善に必至
  香港政府は、従来の金融、物流のハブという都市機能で世界とのつながりながらで生きていくのではなく、中国と一蓮托生で生きていくしかないと決心したのだろう。2021年1月6日、民主派の前議員ら53人が一斉に逮捕されたが、これは2020年7月に立法会に向けて候補者を絞る予備選を実施したことが国安法違反に問われた。登録有権者の約13%にあたる61万人が参加したが、香港政府は民意を意に介さないという意思表示をしたとも言える。また、対外的な香港のイメージが悪化しているのは香港政府も自覚している。

  それらの打開策が、広東・香港・マカオにまたがる「大湾区(グレーターベイエリア)」構想だ。これだけでも1つのコラムが書けるので詳細は割愛するが、2008年ごろから構想が始まり17年の全人代で国家戦略となった。この地域の人口は6900万人という巨大市場だ。2020年11月25日に発表された林鄭長官の施政方針演説でも「大湾区」を活用して香港を発展させていく方向性がより強化された。大湾区が新しい香港となるかと言われれば、それはまた別の話だが「香港は依然として魅力的な経済都市ですよ」…とイメージの改善に必至だ。
  将来は中国の1都市になると思われていたが、中国の1都市としてはイメージが悪いので「開発独裁」のシンガポールを狙っている感じを受ける。それならば外国もまだ受け入れやすいだろうという魂胆だろう。
日々の生活、仕事、コロナウイルスに国安法が重なって、処理しきれない
  ジャーナリストとして香港にいると、昨日は政治、今日は新型コロナ、明日は新型コロナ、明後日は政治…実際はもう少し異なるがこの2つの取材を行ったり来たりしている感じだ。香港政府は2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)を経験したノウハウが蓄積されており、良く言えば柔軟に、悪く言えば頻繁に感染症対策を変える。
  日本はこれから罰則規定を盛り込んだ法制化に取り組むようだが、現時点では要請ベースだ。香港は法的拘束力があるので香港市民はその矢継ぎ早に来る対策に適応し、上述のように国安法やそれに関するニュースが流れるのでそれに気に留めなければならない。忙しい日々の生活の中で、出来事を深く理解しないうちに眠りにつくと言うのが実情だろう。
  香港の中国化の速さは、例えば「2倍速で進んでいるな」というのは、多くの香港市民が実感しているが、現実で起こっている事は、3倍速、4倍速で進んでいる。中国政府は国内では物事を隠す傾向にあるが、今の香港は報道の自由の危機があるとはいえ、これまでの土壌を生かして、政策、逮捕、愛国心…何かをどんどん発信する。情報の嵐で香港人が消化に手間取っているうち中国化進めている印象だ。今後もこれが継続され「中国化が進んでいるのは頭ではわかっていたけど、気付けば思った以上に中国化していた」という風になるのだろう。


2021.01.06-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210106/k10012800031000.html
香港警察 民主派前議員ら計53人逮捕 国家安全維持法違反の疑い

  香港で、国家政権の転覆をねらった香港国家安全維持法に違反した疑いがあるとして、議会にあたる立法会の民主派の前議員や区議会議員など合わせて53人が警察に逮捕されました。去年6月末に法律が施行されて以来、一度に逮捕された人数としては最も多く、国家政権の転覆の容疑が適用されるのは今回が初めてとみられます。
  香港の警察は6日午後、記者会見し、反政府的な動きを取り締まる香港国家安全維持法に違反した疑いで、合わせて53人を逮捕したと発表しました。
  いずれも、去年9月に予定されていた立法会の議員選挙に向け民主派が実施した予備選挙に関連して、政府の機能を妨害し国家政権の転覆をねらった疑いが持たれているということです。
  53人のうち、6人は犯罪行為を組織的に計画し、残る47人はこれに参加したとしています。
  民主派の政党や団体などによりますと、53人の中には民主派政党の前代表、胡志偉前立法会議員や、現職の区議会議員で大規模な抗議デモを呼びかけてきた民主派団体の前代表、岑子杰氏らが含まれているということです。
  民主派の前議員らは、立法会の過半数を占めることで政府の予算案を否決し、香港政府トップの行政長官を辞任に追い込むことなどを目標に掲げて予備選挙を実施しましたが、警察はこうした目標が法律違反にあたると指摘しました。
  去年6月末に香港国家安全維持法が施行されて以来、これまでに法律に違反した疑いでおよそ30人が逮捕されていますが、今回は一度でそれを大きく上回る最多の逮捕者となります。
  また、国家政権の転覆の容疑が適用されるのは今回が初めてとみられます。
香港治安部門トップ「必要な措置」
  今回の逮捕について、香港政府の治安部門トップの李家超保安局長は、記者団に対し「去年の予備選挙で彼らの企てが成功していたら、香港社会に深刻なダメージを与える結果になっていただろう。それを考えれば、きょうの警察の対応は必要な措置だ」と述べ、逮捕の正当性を主張しました。
中国外務省 警察の対応を支持
  中国外務省の華春瑩報道官は6日の記者会見で「香港は法治社会だ。われわれは、香港の警察が法に基づいて職務を果たし、香港の安全と安定を守ることを支持する」と述べ、警察の対応を支持しました。
そのうえで、アメリカのバイデン次期政権の国務長官に指名されているブリンケン元国務副長官がツイッター上で逮捕を批判したことについて、華報道官は「他国が口を挟んだり干渉したりする権利はない。アメリカには事実と法治を尊重してもらいたい」と述べてけん制しました。
  また、香港にある中国政府の出先機関「香港連絡弁公室」は、インターネット上で報道官の声明を発表しました。
声明では「香港警察の厳正な法執行を断固支持する」としたうえで「香港国家安全維持法の厳格な執行こそが、国家の安全と香港社会の安定を確実に保障する」としています。
警察がメディアに資料提出を要求
  民主派を支持する論調で知られる香港の新聞「リンゴ日報」やネットメディアは、多数の政治家などが逮捕された今回の事件に関連して、警察から協力を求められたと明らかにしました。
  いずれも6日午前、警察が事務所を訪れ、7日以内に事件に関連する資料を提出するよう求められたということです。
  これらのメディアは、民主派が実施した去年7月の予備選挙について討論会の様子を中継するなど、今回逮捕された民主派の前議員たちの情報を詳しく伝えていました。
  香港国家安全維持法では、捜査機関が捜査に関連して、資料を保有する人や保有していると疑われる人に提出を求めることができるとされています。
「国家政権の転覆」とは
  6日逮捕された53人は香港国家安全維持法の「国家政権の転覆」の疑いがもたれています。
  去年6月末に施行された香港国家安全維持法では、▼国の分裂、▼国家政権の転覆、▼テロ活動、それに▼外国の勢力と結託して国家の安全に危害を加える行為の、4種類を犯罪行為と規定しています。
  このうち国家政権の転覆については、▼中国の根本的な制度を覆し壊した場合や、▼中国や香港政府の法に基づく機能の遂行を著しく妨害することなどが、罪に問われるとしています。
  国家政権の転覆を取り締まる法律は、香港では香港国家安全維持法で初めて規定されましたが、中国本土ではもともと刑法に規定されています。
  中国では、民主化を訴え、ノーベル平和賞を受賞した作家の劉暁波氏が、かつてこの罪に問われたほか、人権問題に取り組む弁護士が相次いで逮捕されるなどしています。
  国際社会からは、中国の当局が法律を恣意的(しいてき)に解釈し、政権批判の取り締まりに利用しているという批判が絶えず、香港でも法律の運用に懸念の声が出ています。
民主派による予備選挙とは
  香港の民主派による予備選挙は、去年9月に予定されていた立法会の議員選挙に向けて民主派の候補者を絞り込むため、香港大学の戴耀廷 前准教授らが中心となって呼びかけ、去年7月11日と12日の2日間にわたって行われました。
  香港にある中国政府の出先機関「香港連絡弁公室」は今回逮捕された53人の中に、戴氏が含まれていることを明らかにしています。
  戴氏らは、予備選挙の目的について、立法会の過半数を占めることで政府の予算案を否決し、香港政府トップの行政長官を辞任に追い込むためだなどとしていました。
  予備選挙には50人あまりが立候補し、2019年区議会議員選挙で民主派が獲得した票数の10分の1にあたる、17万人を目標に市民に投票を呼びかけてきましたが、これを大きく上回るおよそ61万人が投票したということです。
  これに対し、香港政府の林鄭月娥行政長官は、「公正さが求められる選挙を邪魔する行為で決して容認できない」と強く批判したほか、中国政府も「立法会での予算案の否決など、政府をまひさせようという目標は政権の転覆にあたり、法律に違反する疑いがある」と厳しく非難していました。
  立法会議員選挙は、その後、民主派の候補12人が政治的な立場を理由に立候補を取り消されたほか、選挙自体が新型コロナウイルスの感染拡大を理由に1年延期されています。
専門家 「民主化の動きを根絶したいように見える」
  中国の情勢に詳しい神田外語大学の興梠一郎 教授は、今回の逮捕について、「アメリカがバイデン政権になれば、トランプ政権以上に人権問題について厳しく対応するだろうと中国側は見ている。EUや同盟国とともに厳しい対応をとる可能性もあるので、そうなる前にやってしまおうと考えたのではないか」と述べ、アメリカのバイデン次期大統領が就任する前の時期を狙ったのではないかとの見方を示しました。
  また、「中国当局から見て穏健派の民主派の人たちも逮捕されている。取り締まりの対象の幅が広がっているようだ」とした上で、「穏健派であれ、民主的な思考を持つ勢力を一挙に封じ込めて、民主化の動きを根絶したいように見える」と述べ、中国当局が民主派の封じ込めを加速させているという見方を示しました。
  その上で興梠教授は、「学校教育や司法など、社会の根底を作る価値観を徹底的に改造していく可能性がある」と述べ、中国政府が、政治面だけでなく教育や司法などの面でも香港の民主的な制度をなくそうとしていると指摘し、注視する必要があると話しています。


2021.01.01-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/0fc95d5b9bdb113c09e2063b1cb230cb47bda09b
周庭氏、重罪犯収容の刑務所に移送か 警備厳重に 香港紙報道

  香港紙、蘋果(ひんか)日報の電子版によると、香港の民主活動家で、デモ扇動の罪などで禁錮10月の判決を受けた周庭(アグネス・チョウ)氏(24)が31日までに、重大事件の囚人が収容される大欖(たいらん)女子懲教所(刑務所)に移送されたという。

  報道によると、本来は殺人や麻薬密売などの重罪を犯した「甲級犯」を収容する刑務所で、周氏には不相応との声が関係者の間で上がっている。同刑務所では独房に収容され、移動の際は常時、2人の係官が配置されるという。
   関係者によると、11月23日から収監されている周氏には最初は12人部屋、その後、新型コロナウイルスの感染防止対策として、2人部屋が割り当てられていた。
   12月25日、移送前の拘置施設に面会に行った知人によると、周氏は寒さのため服を7枚重ね着していた。昼間は所内の工場で受刑者らの衣服を洗濯、自由な時間には東野圭吾氏の本などを読んでいるといい、最近始めた韓国語の勉強をしたり、絵本を読んだりしたいと話していたという。
   毎年大みそかには日本の紅白歌合戦を見るのが楽しみだったが、今年は無理だったようだ。(藤本欣也)









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