戦争当事国と仕掛ける国-1



2022.02.25-朝日新聞-https://www.asahi.com/articles/ASQ2S4GDPQ2SDIFI00K.html
【速報中】飛行場制圧の際「部隊200人以上を殺害」 ロシア側主張

  ロシアが隣国のウクライナに全面的な侵攻を開始しました。プーチン大統領が宣言した「特別な軍事作戦」に基づいて、東部国境からロシア軍が侵攻しています。
  北隣のベラルーシからの南下に加えて、上空からも降下部隊を送り込むなどして、ウクライナの首都キエフに迫っている模様です。欧米や日本などが制裁を発動して圧力を強め、混迷の度合いが増すウクライナ情勢の最新状況をタイムラインでお知らせします。


2022.02.25-Yahoo!Japanニュース(TBS NEWS)-https://news.yahoo.co.jp/articles/eebd310843e465e297046e2b4674de26dba201ec
岸田首相 ロシアへの3項目の制裁強化策を発表 ハイテク輸出規制など

  岸田総理は、昨夜行われたG7のオンライン首脳会談の結果を受け、ロシアに対し、半導体の輸出規制など新たに3項目の制裁強化策を講じると発表しました。

  岸田総理 「ロシアに対して軍の即時撤収、国際法の順守を強く求めます。G7をはじめとする国際社会と緊密に連携し、制裁措置を強化いたします」 岸田総理は、新たに
  ロシアの個人や団体へのビザの発給停止や、金融機関を対象とする資産凍結、さらにロシア軍の関連団体に対する輸出や、半導体などの汎用品の輸出を規制するなどの追加制裁を発表しました。
  また、ウクライナ国内にいる日本人の保護のため、隣国・ポーランドから他国に移動するためのチャーター機を手配済みだと明らかにしました。林外務大臣によると、ウクライナに残っているおよそ120人の日本人に被害は及んでいないということです。
  また、エネルギー価格の高騰対策として、石油元売りに補助金を支給してガソリン価格などの急騰を抑えている対策を大幅に拡充すると表明しました。
  政府関係者によりますと、現在1リットルあたり最大5円出ている補助金を25円に引き上げることで最終調整しているということです。 追加の対策について岸田総理は「来週には明らかにしたい」としています。


2022.02.25-Yahoo!Japanニュース(毎日新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/c98700bd1cb66cfd3afd1ce5044cde928fb8c5ca
チェルノブイリは戦略的要衝 ロシア占拠、放射性物質拡散の懸念は
【八田浩輔】

  ウクライナ政府は24日、北部にあるチェルノブイリ原子力発電所がロシア軍に占拠されたと発表した。チェルノブイリ原発は旧ソ連時代の1986年に史上最悪の原発事故を起こし、30キロ圏内などは今も立ち入り禁止区域になっている。なぜロシアは侵攻の早い段階でチェルノブイリ原発を狙ったのか。今後、放射性物質が広がる危険性はないのか。

  ロシア軍は24日に禁止区域内に侵攻。応戦したウクライナの部隊を制圧し、全施設を掌握した。
  米ホワイトハウスのサキ報道官は24日、「信頼できる情報」として、同原発でロシア軍が職員を人質に取っていると明らかにした。
  ウクライナのゼレンスキー大統領は24日、「わが国の軍隊は86年の悲劇が繰り返されないよう命をかけている。これは欧州全体に対する宣戦布告だ」と強く非難した。
   ロシアの狙いは何か。欧米メディアの取材に応じた軍事専門家がそろって指摘するのは、チェルノブイリ原発周辺が戦略的な要衝であるという点だ。チェルノブイリは、ロシア軍が駐留しているベラルーシから10キロ程度しか離れておらず、ウクライナの首都キエフへ侵攻する最短のルート上にある。

  ウクライナのプリスタイコ駐英大使(前外相)は24日の記者会見で、チェルノブイリ原発に向けたロシア軍の侵攻ルートは、立ち入り禁止区域であるため国境警備の態勢が整っていなかったとの見方を示した。
   チェルノブイリ原発では、事故で爆発した4号機をコンクリートで覆った「石棺」の老朽化が進む。放射性物質の外部への飛散を防ぐ目的で、2016年に石棺を丸ごと覆う鋼鉄製のシェルターが完成した。
   国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は24日に発表した声明で「深刻な懸念」を表明。「平和目的の原子力施設に対する攻撃や脅威は、国連憲章、国際法、IAEA憲章の原則に違反する」とし、「最大限の自制」を呼びかけた。IAEAによると、現時点で同原発に関係する死傷者や破壊などの報告は受けていないという。
   核問題に詳しい長崎大の鈴木達治郎教授は、チェルノブイリ原発が標的となるリスクについて「石棺の状態は悪く、建設時にミサイル攻撃や戦争を想定したとは考えにくい。シェルターも放射性物質の拡散を防ぐことが目的で、それほど頑丈に造られたものではないだろう。攻撃などがあれば最悪の場合、放射性物質が拡散する可能性はゼロではない」と指摘する。
   ウクライナでは、チェルノブイリ以外にも国内4カ所で15基の原発が稼働する。鈴木氏は「誤射による損壊も考えられるし、電気が供給されなくなれば深刻な事故につながる恐れもある。原発を直接攻撃するとは考えにくいが、戦争地における原発の安全性確保は非常に難しいことが改めて露呈した」と話した。
【八田浩輔】


2022.02.25-HK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220225/k10013500311000.html
ロシア ウクライナ軍事侵攻 “80以上の施設攻撃”ロシア国防省

   ロシアは24日、ウクライナに対する軍事侵攻に踏み切り、ロシア国防省はこれまでに11の空港を含むウクライナ軍の80以上の施設を攻撃したと発表しました。プーチン大統領は「ほかに選択肢はなかった」と述べ、軍事侵攻を正当化しました。

  ロシアによる軍事侵攻は24日、ウクライナの各地で始まり、ロシア国防省はこれまでに11の空港を含むウクライナ軍の83の地上施設を攻撃したと発表しました。
  ロシア国防省のコナシェンコフ報道官は、あくまでも軍事施設を対象にした攻撃であり、民間人に対する脅威はないと主張しました。
  一方、ウクライナ軍参謀本部によりますと、首都キエフの郊外にある軍事施設が巡航ミサイルの攻撃を受けたほか、ウクライナ軍の東部の拠点となっているクラマトルスクや、南部にある軍事施設など各地で攻撃が続いたということです。
  ウクライナの保健省は一連の攻撃でこれまでにウクライナ人57人が死亡し、169人がけがをしていると発表しました。
  また、ウクライナ大統領府の幹部は地元メディアに対して、国内にあるチェルノブイリ原子力発電所が激しい戦闘の末、ロシア軍の部隊に占拠されたとしています。
  敷地内にある放射性廃棄物の貯蔵施設の状態は不明だということです。
  さらに、ウクライナ東部の親ロシア派の幹部は、ウクライナ政府が統治する地域まで侵攻し、2つの州の全域を掌握したいとする考えを示しました。
  ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアによる軍事侵攻を強く非難したうえで、ロシアとの国交の断絶を表明しました。

  こうした中、ロシアのプーチン大統領は24日、国内の経済界との会合で「いま起きていることはすべて必死の手段だ。ほかに選択肢はなかった」と述べ、軍事侵攻を正当化しました。
  ロシア軍は、欧米側の警告を無視してウクライナ各地で軍事侵攻に踏み切り、国際社会からの非難が強まっています。
被害現場の様子は
  ロイター通信は、ロシア軍が攻撃を行ったとされる、ウクライナ東部、ハリコフ州での複数の被害現場の様子を伝えています。このうち、州都のハリコフにある建物の室内を映した映像では、部屋の屋根や壁が大きく崩れ、破片が床に散乱して足の踏み場もない状態になっています。
  また、州内の別の都市のチュグエフにあるマンションは、壁一面の窓ガラスのほとんどが割れてなくなり、ベランダの部分がめちゃくちゃに壊れ、がれきが地面に散乱しています。近くには、毛布にくるまって不安そうに電話をかける女性や、壊れたマンションの前で立ちすくむ人たちの姿もありました。
  一方、親ロシア派が事実上支配している東部のドネツク州でも被害が出ていて、避難を余儀なくされる住民からは不安やとまどいの声が聞かれました。
  住民の女性たちは「自分の家を離れなければならない。いったい何が起きているのか」とか「1人なのにどこに逃げればいいの」などと半ば叫ぶように話していました。
防空ごうとして使用か 地下鉄の駅に多数の市民集まる
  ウクライナ第2の都市、ハリコフでロイター通信が24日に撮影した映像では、多くの市民が薄暗い地下鉄の駅の構内で硬い床の上で隙間なく座ったり、身を寄せ合ったりしている様子が確認できます。
  小さな子どもを連れて避難して来た人や床の上で横になって休む人の姿もみられます。駅に避難してきた男性は「軍は私たちに地下鉄の駅に集まるよう呼びかけている。ロシア軍が怖い」と話していました。
  海外メディアによりますと、首都のキエフでも地下鉄の駅が防空ごうとして使われ、大勢の人が集まった場所もあるということです。
ウクライナと国境接するポーランドに避難の人々
  ウクライナと国境を接するポーランドには車や列車などでウクライナの人々が逃れ始めています。このうちポーランド南東部の町メディカにある国境では、24日、仕事などでの通常の往来に加え、ウクライナ側から歩いて国境を渡る人たちが目立ち、ベビーカーを押す母親や、スーツケースを引く家族の姿が見られました。
  また、国境に近い都市、プシェミシルの駅では、予定より4時間ほど遅れてウクライナの首都キエフからの列車が到着しました。ホームにはポーランドの国境警備隊や警察が出動し、ものものしい雰囲気の中、乗客は足早に駅をあとにしていました。
  ポーランド政府は、ウクライナから多くの避難民を受け入れる用意があるとしていて、国境近くのスポーツ施設には、避難所が設けられ、地元の消防隊員たちが、マットレスを運び込んで準備を進めていました。
ウクライナ側発表の被害状況
  ウクライナ大統領府の補佐官は24日の会見で、ロシア軍の侵攻開始以来、ウクライナ軍の兵士40人以上が死亡し、数十人が負傷したと発表しました。
  現地メディアによりますと、補佐官は、被害は主に空爆やミサイル攻撃によるものだとしたうえで「一定の消耗はある」としながらも、人員、弾薬、戦闘能力のいずれにも深刻な影響は出ていないという見方を示しました。
  また、ロイター通信は、地元当局の話として、黒海沿岸の港湾都市オデッサ周辺では、ミサイル攻撃によって市民など少なくとも18人が死亡したと伝えています。
  さらに、ウクライナ警察の発表として24日にロシア側から203回にわたって攻撃を受け、領土のほぼ全域で戦闘が繰り広げられていると伝えています。
  ウクライナのクレバ外相は「ロシアの侵攻は東部にとどまらず、多方面から全面的な攻撃を受けている。ウクライナは防衛を続ける」とSNSに投稿し、国内全土に戦闘が広がっているとしました。また、ウクライナ軍参謀本部はSNSで24日、ウクライナ軍が東部のルガンスク州でロシア軍の兵士およそ50人を殺害したとしました。
米 国防総省「大規模な軍事侵攻の初期段階にある」
  ロシアによるウクライナへの軍事侵攻についてアメリカ国防総省の高官は24日「大規模な軍事侵攻の初期段階にある」と指摘し、首都キエフに侵攻し、ウクライナ政府を崩壊させることを意図しているという見方を示しました。
  具体的には、ロシア軍は人口が集中する地域を奪取するため、ウクライナ北部と国境を接するベラルーシから首都キエフに向かうルートなど、主に3つのルートで前進しているとしています。
  また、ロシア軍の最初の攻撃では短距離弾道ミサイルをはじめ、中距離弾道ミサイルや巡航ミサイルなど推定で100発以上が発射されたほか、爆撃機などおよそ75機が使われたとしました。
  これらの攻撃は弾薬庫や飛行場など軍事施設を主な標的としていて、民間人を含む死傷者の数は分からないとしています。
  国防総省の高官は「ロシアは首都キエフに向かっていて、われわれの分析では彼らはウクライナ政府を崩壊させ、自分たちの統治方法を確立するつもりだと考えられる」と指摘しました。
  この高官は、ウクライナに軍事支援などを続ける方法を探るとしましたが、ウクライナ国内にアメリカ軍の部隊を派遣することはないと重ねて強調しました。
ゼレンスキー大統領「新たな鉄のカーテンが下りた」
  ウクライナのゼレンスキー大統領は24日、国民に向けて演説を行いました。この中でゼレンスキー大統領は「私たちがいま耳にしているのは、ロケットの爆発音や戦闘の音、軍用機のごう音だけではない。新たな鉄のカーテンが下りてロシアを文明世界から切り離す音だ。このカーテンを私たちの国に下ろすのではなくロシア側にとどめなければならない」と述べ、東西冷戦時の「鉄のカーテン」という表現を用いてロシアを非難しました。
  一方、多くのロシア市民も今回の侵攻に衝撃を受け、中にはSNSで反対を表明している人もいるとして、こうした人々にプーチン大統領に直接、訴えかけてほしいと呼びかけました。
  そしてウクライナ国民に対しては「祖国防衛に協力し、軍や国境を守る部隊に参加してほしい。敵にさらなる侵攻を許すかどうかは私たちの対応にかかっている。献血などを行ってボランティアや医療関係者も助けてほしい」と述べ、国民に結束と協力を呼びかけました。
  さらに世界の政治指導者に向け「自由世界を率いるあなたたちがいま私たちに手を差し伸べなければ、あすはあなたたちが戦禍に見舞われるだろう」と述べ、ウクライナへの支援を呼びかけました。
プーチン大統領 各国首脳と相次ぎ会談
  ロシアのプーチン大統領はウクライナへの軍事侵攻を開始したあとの24日、モスクワを訪問中のパキスタンのカーン首相と会談しました。パキスタン首相府によりますと、この会談は、アフガニスタンの人道支援などを話し合うためもともと予定されていたものだということです。このなかで、カーン首相はウクライナの情勢について、遺憾の意を表し、外交によって軍事衝突を回避するよう望むとプーチン大統領に直接伝えたということですが、会談でのプーチン大統領の発言はこれまでのところ、伝えられていません。
  また、インド政府によりますと、24日夜、モディ首相とロシアのプーチン大統領が電話で会談しました。この中でモディ首相は、ロシアとNATO=北大西洋条約機構の間の相違は真摯(しんし)な対話によってのみ解決できると指摘したうえで、暴力の即時停止と、外交の場に戻るためにすべての当事者が一致して取り組むことを求めたということです。
  一方、インド外務省のシュリングラ次官は24日夜の会見で、ロシアに対する制裁について「アメリカやEU、オーストラリア、日本、イギリスなどが追加的な制裁を科すとしているが、事態は刻々と変化しており、これらの措置が自国の利益にどのような影響を与えるのか慎重に見極める必要がある」と述べ、直ちに制裁などの措置をとる考えはないことを明らかにしました。インドはロシアと長年友好関係にあり、特に軍事面の結び付きが強いことで知られています。
  イラン大統領府は、24日、ライシ大統領が、ロシアのプーチン大統領と電話で会談したと発表しました。この中でライシ大統領は「NATO=北大西洋条約機構の東方への拡大は、さまざまな地域の安全や安定に対する深刻な脅威だ」と述べて、ウクライナへの軍事侵攻に踏み切ったロシアの立場に理解を示しました。
  そのうえで「この事態があらゆる国民や地域にとって恩恵がある形で終わることを望む」と述べたということです。これに対し、プーチン大統領は「現状起きていることは、ロシアの安全保障を脅かす西側の行為に対する正当な対応だ」と応じたとしています。
  イランは敵対するアメリカに対し、制裁の解除などを求めて間接的な協議を続けていますが、このところ、同じようにアメリカとの対立を深めるロシアとの関係を強化する姿勢を鮮明にしています。
仏 英でロシアへの抗議デモ
  ロシアの軍事侵攻に対して、世界各地で抗議の声があがっています。このうちフランスのパリにあるロシア大使館の前では24日、ウクライナ出身の人たちなど数百人が集まり、ウクライナの国旗を掲げながら「プーチンを止めろ、戦争をやめろ」などと、抗議の声を上げました。
  幼い子ども2人を連れて参加した女性は、ウクライナに住む家族とのチャットで砲撃が始まったことを知ったと話しました。女性は「首都キエフに住む妹は朝4時から砲撃の音が聞こえて眠れないと書き込んでいて、地方に暮らす父が迎えに行くそうです。この恐怖と惨事を止めるために、世界の支援が必要です。ウクライナだけでは無理です」と訴えていました。
  また、キエフ出身の留学生の男性は現地の家族と1時間おきに電話で連絡をとって無事を確認しているということで「砲撃に備えて両親や兄の子どもたちが避難できるように地下室を準備しているそうです。食料の心配はまだありませんが、少し混乱があるようで、多くの人が肉などを買おうとしているそうです」と話していました。
  また、イギリスのロンドンでも、首相官邸前に、ウクライナ出身の人など数百人が集まり、プーチン大統領への抗議の声をあげるとともに、イギリス政府に対し、ロシアへの厳しい制裁を求めました。
  参加した女性は「ロシアを国際的な決済システムから遮断するなど、厳しい制裁を科してほしい」と話し、別の男性は「ロシアは国際法を完全に無視し、民間人を殺害している。ウクライナの友人たちは、兵士として戦い、何の理由もないのに死んでいる」と怒りをあらわにしていました。
ロシア国内でも軍事侵攻に反対するデモ 約1400人が拘束
  ロシアのウクライナに対する軍事侵攻に反対するデモはロシア国内でも行われ、首都モスクワでは24日、多くの市民が集まって「戦争はいらない」などと声を上げながら、デモ行進しました。
  フランスのAFP通信によりますと、このデモにはおよそ2000人が参加したということで、参加した女性は「対立はどちらの側からも暴力的な行為なしに平和的に解決されなければなりません」と話していました。参加した人たちは静かに行進を続けていましたが、一部の人は警察に拘束され、次々に車両に乗せられていました。
  ロシアではこの日、モスクワのほか、第2の都市サンクトペテルブルクなど各地で抗議デモが行われましたが、人権監視団体によりますと、警察に拘束された人は国内の51の都市で合わせておよそ1400人に上るということです。
ノーベル平和賞受賞のロシアの新聞編集長 軍事侵攻に反対の声
  ウクライナへの軍事侵攻についてロシアの主要メディアが政権の意向に沿ってロシアの行動を正当化する報道をしている中、反対の声を上げる記者たちもいます。このうち、プーチン政権の強権的な姿勢を批判する報道を貫き、去年、ノーベル平和賞を受賞したロシアの新聞の編集長、ドミトリー・ムラートフ氏は、24日、新聞社の公式サイトに動画のメッセージを掲載しました。
  この中でムラートフ氏は「私たちは悲しみの中にある。わが国はプーチン大統領の命令で、ウクライナとの戦争を始めてしまった。止める者は誰もいない。私は悲しいとともに、恥ずかしいと感じる」と、心境を語りました。
  そして「私たちはウクライナを敵国と認めず、ウクライナ語を敵国語としない」と述べたうえで今後、ムラートフ氏の新聞社ではウクライナ語とロシア語の2か国語で記事を執筆し、ウクライナの人たちに向けてもメッセージを発信していくことを明らかにしました。
  さらに「最後にもう1つ。この地球上の命を救えるのはロシア人の反戦運動だけだ」とし、ロシア側から戦争反対の声を上げ続けることの重要性を訴えました。
専門家「ゼレンスキー大統領 非常に厳しい局面」
  ウクライナ政治が専門で神戸学院大学の岡部芳彦教授は「汚職撲滅やクリミア半島の返還を訴え国民的な人気を得てきたゼレンスキー大統領がロシアに歩み寄る選択肢は考えられず、非常に厳しい局面に立たされている」と指摘しています。
  ゼレンスキー大統領は、コメディアンや俳優として活躍した元人気タレントで、高校教師が大統領に転身し、次々と政治改革を進めていくテレビドラマ「国民のしもべ」で主役を演じ、41歳だった2019年に、実際に大統領選挙で当選しました。
  クリーンなイメージで汚職撲滅やクリミア半島の返還を訴え、国民的な人気を集め、安定した政権運営を進めてきたということです。
  岡部教授はゼレンスキー大統領が置かれている状況について「政府は今のところ機能していると思うが情報が錯そうし、指揮系統が維持されているかはわかりにくい。部分的な侵攻であれば何とか持ちこたえられたかもしれないがここまで大規模になるとロシアに太刀打ちする手段はない。欧州路線を明確にしてきただけにロシアに歩み寄る選択肢は考えられず、引き続き国際社会に支援を訴えていく形になるが非常に厳しい局面に立たされている」と指摘しています。


2022.02.24-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/90687bc798ac6f8bfcbf3bf77c7ef51880b55142
ウクライナ侵攻で微妙な中国 肩入れ避ける理由は

  【北京=三塚聖平】ロシア軍がウクライナに侵攻したことに対し、中国は米露を含む各国に「自制」を呼び掛けることに終始した。中国は、台湾問題や新疆(しんきょう)ウイグル自治区などの分離・独立運動に波及することや、ロシアに巻き添えを食う形で国際的に孤立感を深めることを警戒。対米共闘で連携を強めるロシアを非難することはないものの、侵攻に肩入れすることも慎重に避けている

  「各国が自制を保ち、情勢を制御できなくなることを避けるよう呼び掛ける」 中国外務省の華春瑩(か・しゅんえい)報道官(外務次官補)は24日の定例記者会見で、ウクライナ情勢についてこう繰り返した。
  記者からは「ロシアの行為は侵略か」「非難しないのか」といった、中国の認識や立ち位置を確認する質問が相次いだが、華氏は「ウクライナ問題は非常に複雑な歴史的な背景と経緯がある」などと正面からの回答を避け続けた。

   ウクライナ問題をめぐる中国の立場は微妙だロシアとは近年、ともに対立する米国を前に関係強化を進めてきた。米英などが北京冬季五輪で政府代表を派遣しない「外交的ボイコット」に踏み切った中、数少ない主要国の指導者として開会式に参加したプーチン露大統領には借りがある
   一方、中国はウクライナとも巨大経済圏構想「一帯一路」など、経済を中心に強固な関係がある。北京のシンクタンク研究員は「ロシアもウクライナも中国の重要なパートナーだ。中国は自制し、慎重に発言する必要がある」と述べ、双方に配慮が必要な中国の難しい事情を指摘した。
  ロシアがウクライナ東部の親露派支配地域の「独立」を承認したことを中国が認めれば、台湾問題などへの波及も懸念される。王毅(おう・き)国務委員兼外相は19日に「各国の主権、独立、領土保全は守られるべきだ。ウクライナも例外ではない」とロシアにクギを刺すような発言をしている
  今秋に習近平総書記(国家主席)の3期目入りを目指す共産党大会を控え、内政、外交ともに混乱を避けたいのが本音だ。ウクライナ問題をめぐり米欧との関係がさらに悪化することは得策ではないという計算が働いているとみられる。


2022.2.24-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220224-2LBNRNAXLVOELKWL4J7NNRXZAI/
「民主主義圏の力示す」欧米、ウクライナ侵攻非難
(ワシントン 渡辺浩生、パリ 三井美奈、ロンドン 板東和正、ニューヨーク 平田雄介)

  ロシアによるウクライナ侵攻に対し、米欧を中心に国際社会からは強い批判が一斉に上がった。
  バイデン米大統領は侵攻開始後、「プーチン露大統領は壊滅的な人命の損失と人的苦痛をもたらす計画的な戦争を選んだ。全責任はロシアにある」との声明を発表。24日開催のオンライン形式による先進7カ国(G7)首脳会議で対抗手段を協議すると強調した。
  欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は24日、記者会見で「EUは強烈な措置をとる。プーチン露大統領は民主主義圏の力を甘くみるべきではない」と述べ、日米と連携し、ロシアに対する追加制裁を行う姿勢を示した。技術分野でEU市場へのアクセスを遮断し、資産凍結を行う構えだ。

  ボレルEU外交安全保障上級代表は、「第二次大戦後、欧州で最も暗い時。ロシアは、かつてない孤立に追い込まれる」と述べた。
  G7議長国ドイツのショルツ首相は24日、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話で会談した。独報道官が明らかにした。ショルツ氏は24日、ツイッターで「ロシアの動きは国際法違反。正当化はできない」とする非難声明を発表した。ジョンソン英首相はツイッターで、「ウクライナで起きた恐ろしい出来事にがくぜんとしている」と表明し、断固とした対応を取ると強調した。
  国連では23日夜(米東部時間)、ウクライナ情勢に関する安全保障理事会の緊急会合中に、侵攻開始の情報が入った。国連のグテレス事務総長は会合後、「最も悲しい瞬間だ。既に多くの人が死亡し、この先の死者や避難民の数は予測しがたい」と記者団に語り、プーチン氏に対し、「軍隊を退却させる」よう求めた。

  安保理会合では、米国のトーマスグリーンフィールド国連大使が「同盟国などと一致団結し、断固とした態度でロシアの責任を追及する」と非難し、24日に決議案を提出すると宣言。英国が全面支持を表明した。フランスなども歩調を合わせた。(ワシントン 渡辺浩生、パリ 三井美奈、ロンドン 板東和正、ニューヨーク 平田雄介)



2021.11.19-朝日新聞-https://www.asahi.com/articles/ASPCM6SG0PCMUHBI026.html
中国軍機とロシア軍機が共同飛行 3年連続、日本海と東シナ海空域に

  中国国防省は19日、中国軍機(H6K爆撃機)2機とロシア軍機(TU95爆撃機)2機が同日、日本海と東シナ海の空域を共同飛行したと発表した。「第三国に向けたものではない」として、特定の国を意識した飛行ではないと説明。他国の領空にも侵入していないとしている

   中ロ軍がこれらの空域を共同飛行するのは一昨年7月、昨年12月に続いて3回目。日本の防衛省によると、今回も日本の防空識別圏に進入したため、航空自衛隊機が緊急発進(スクランブル)して対応した。
  中国国防省は発表で共同飛行について、「戦略的協力と共同作戦能力の水準を高めることが目的」と説明している。
  タス通信によると、ロシア国防省も19日、ロシアと中国の爆撃機計4機が同日、日本海と東シナ海の上空を共同飛行したと発表した。「中ロのパートナー関係の発展と、両国軍の関係や世界の戦略的安定の強化が目的」としている。
  ロシア大統領府のペスコフ報道官はロシアメディアに、「共同飛行は国際法を厳に守って行われ、いかなる領空侵犯もなかった」と説明。ロシア軍の戦闘機とA50早期警戒管制機も作戦に加わったという。(北京=高田正幸、石橋亮介=モスクワ、成沢解語)


2021.07.28-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20210728-5CMBSTBOSVMRJB6TE2MSOFHBOE/
バイデン氏、次の戦争「サイバー攻撃が引き金に」

  【ワシントン=黒瀬悦成】バイデン米大統領は27日、米情報機関を統括する国家情報長官室(ODNI)で職員向けに演説し、「大国間による撃ち合いの戦争が起きるとすれば、(米国への)大規模サイバー攻撃によって引き起こされる可能性がある」と述べ、ロシアと中国によるサイバー攻撃の脅威への警戒を呼びかけた。

  バイデン氏は、甚大な結果を呼ぶサイバー攻撃が実施される恐れは「飛躍的に高まっている」と指摘。また、ODNIが27日、バイデン氏向けに作成した機密文書「大統領日報」(PDB)で、ロシアが来年の米中間選挙に向けて早くも偽情報工作を展開していると指摘していたことを明かし、「米国の主権の明白な侵害だ」と強調した。
  バイデン氏はさらに、中露などによる偽情報工作は、人々が決断を下す際に必要となる正確な情報へのアクセスをますます困難にしており、「対抗していく必要がある」と訴えた。
  バイデン氏は6月にジュネーブでロシアのプーチン大統領と会談した際、ロシア政府を後ろ盾に活動するハッカー集団による攻撃を認めないとする米国内の重要インフラのリストを示し、自国内で暗躍するハッカー集団の締め付けに向けた対応を求めた。


2021.06.21-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20210621-PZIKZTGTZVMA3JQ455END2PXO4/
初の生物兵器戦争か

EDITORIAL ― World Should Demand Thorough Probe IntoWuhan Lab’s COVID-19 Role
【主張】世界は新型コロナに関する武漢研究所の役割について徹底した調査を求めよ
(1)
  新型コロナウイルスのワクチン接種が東京五輪を目前にした日本でも加速し、ウイルスとの戦いにようやく光明が差してきた。
 そのコロナウイルスが中国・武漢の研究所で人工的に変造されたとする法医学的学術論文が近々発表されるとの衝撃的なニュースが先月末に飛び込んできた。

  5月28日付の英紙デーリー・メール電子版によると、ロンドンのセント・ジョージ大学で腫瘍学専門のダルグライシュ教授と、ノルウェーの製薬会社イミュノール会長で生物学者のソレンセン博士は、新型コロナウイルスのワクチンを開発しようと、ウイルスを調べ始めたところ、ウイルスが人工的に改竄(かいざん)された痕跡を発見した。

  2人は、その根源を探ろうと、「レトロ・エンジニアリング」という手法で武漢ウイルス研究所で行われた過去の実験に関わる研究論文やデータを分析した。その結果、中国の研究者たちが遺伝子を操作することで性質の異なるウイルスを作り出す術(すべ)を手にしたと結論付けた。そのうえで、コウモリからとったウイルスの「バックボーン」と呼ばれる部分を別のスパイクに接着させ、致死性が高く感染力の強いウイルスに作り替えたとした。

  バイデン米大統領も新型コロナの起源の再調査を命じ、90日以内に報告するよう米政府に求めた
  世界保健機関(WHO)は3月に公表した新型コロナの起源に関する報告書で、「コウモリから別の生物を介してヒトに感染した可能性が高い」とし、自然界での変異説を有力視していた。だが、人為的に作り出された可能性が指摘されるいま、再調査を求めるのは当然のことだろう。
  英語ニュース・オピニオンサイト「JAPAN Forward」(JF)も、武漢研究所の徹底した再調査を強く求めた6月3日付本紙の主張を上のような英文(日本語訳)見出しで発信した。

  だが、何のためにこのようなモンスター・ウイルスを作ったのか
(2)
  中国軍研究を専門とする日本国際問題研究所(JIIA)のインド人研究者、モニカ・チャンソリア氏は、中国軍がこの20年間、研究の焦点を生物兵器に絞っているという記事を昨年3月、JFに寄稿。当欄でも紹介した。
  それによると、中国軍は力で劣る米軍に勝利するには生物兵器しかないという結論に達し、研究に邁進(まいしん)している。今回のコロナウイルスが生物兵器として開発されたとは言及していないが、前述の最新研究と合わせると、中国軍が生物兵器として開発した可能性も視野に入れなければならないだろう。

  そうなると、現在、世界を苦しめている新型コロナ禍は、人造生物兵器戦争が初めて現実のものとなったのではとの疑念が出る砲弾やミサイルは飛び交わない。宣戦布告もない。人々に、これが戦争だという意識すらもない。だが、多くの人命が奪われ、多くの国々は疲弊し、先進諸国も国力を弱める。静かな生物兵器戦争後は、いち早く復興を成し遂げた国が新たな世界秩序をつくり、世界を主導する。中国軍が研究するSFまがいのシナリオがいま進行しているとしたら、恐ろしい時代である。
  JFは、全力で情報を収集し、フェイクニュースを排し、真実をいち早く世界に伝えていきたい。(JAPAN Forward編集部) =次回は7月19日掲載予定

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2021.05.27-Yahoo!Japanニュース(Bloomberg)-https://news.yahoo.co.jp/articles/14f325d757da418c3ea0a1c1b5839e49ef6c5b93
対中関与の時代は終わった-キャンベル米NSCインド太平洋調整官

  (ブルームバーグ): 米国家安全保障会議(NSC)でインド太平洋調整官を務めるカート・キャンベル氏は26日、中国の習近平国家主席による政府の統制色がこれまで以上に強まる中で、米中が熾烈(しれつ)な競争の局面に入りつつあると指摘した。

  キャンベル調整官はスタンフォード大学主催のイベントで、米国の対中政策について関与と幅広く表現されていた時代は終わった」と説明。「一連の新たな戦略的変数」に基づいて対中政策を運営するとし、「主要なパラダイムは競争ということになるだろう」と述べた。
  キャンベル氏は中印国境沿いで起きた衝突やオーストラリアに対する「経済キャンペーン」、中国による「戦狼」外交の台頭を挙げて米政府の政策シフトは習主席指導下の政策が主因だと指摘した。
  中国の行動パターンは「厳しい力」、あるいは経済・軍事力に物を言わせる「ハードパワー」への転換を象徴しているとし、「中国が自国の主張をより強める決意であることを示唆している」と同氏は語った。

  キャンベル氏は習主席の人物像について、「極めてイデオロギー的であるが感情に動かされることもない」と分析した上で、「経済に強い関心があるわけではない」ようだと話した。さらに、2012年に最高指導者に就任して以降、「約40年もの集団指導体制をほぼ完全に解体した」として、楊潔篪共産党政治局員や王毅外相ら外交トップについては、習主席の側近というには遠く及ばないとの見方も示した。
  その上で、「自己主張を強める中国と関わっていく最善の方法は同盟国やパートナー国、友好国との協力だと確信する」と述べ、「最善の対中政策は良きアジア政策だ」と強調。「米国は実際、これまでで初めて、わが国の戦略的焦点と経済的利益、軍事力をインド太平洋に傾斜させている」と語った。


2021.05.11-RIETI  独立行政法人 経済産業研究所-https://www.rieti.go.jp/jp/papers/contribution/fuji-kazuhiko/262.html
新・日英同盟の誕生…クイーン・エリザベス派遣、日米英が最高レベルの軍事演習の意味

  日本時間5月4日未明から、G7外相会合が英国・ロンドン近郊で始まった。感染対策を徹底した上での2年ぶりの対面形式の開催である。会合ではワクチンの公平な分配など新型コロナウイルスへの対応や気候変動問題、中国への対応など幅広く議論が交わされたが、海洋進出を強める中国を念頭に欧州諸国がインド太平洋地域への関心を高めていることが特徴的だった。

  G7外相会合に先立ち、茂木外相は3日、ラーブ英外相と戦略対話を行い、貿易や安全保障面での連携強化で一致した。会談の席上ラーブ外相は、インド太平洋地域への英空母派遣に触れ、同地域への英国のコミットメントを強調した。
  1日、英国海軍の空母「クイーン・エリザベス」は打撃群を構成する他の艦船とともに母港ポーツマスから出航した。クイーン・エリザベスは、英国防省主導の年次国際演習「ジョイント・ウオリアー(5月8日から19日まで、NATO加盟国を中心に10カ国が参加)」を実施した後、28週をかけてインド太平洋地域に派遣される。その間、日本をはじめ40以上の国々と70以上の訓練を実施する予定である。

  ウォレス英国防相は4月下旬、今回の派遣の目的について「インド太平洋地域において低下した同国のプレゼンスを空母打撃群を派遣することで回復させることにある」と発言している。2020年にEUから離脱し、約50年ぶりに世界国家への返り咲くこと(グローバル・ブリテン)を目指している英国にとって、近い将来、世界の政治、経済の中心になることが予想されるインド太平洋地域に深く関与していくことは必須事項である。
日英安全保障共同宣言
  軍事力には、一定の地域に展開しその地域や国家に向けて自分の国の意思をメッセージとして発信する機能もある。20年ぶりに空母打撃群をインド太平洋地域に派遣し、さまざまな演習を行う目的は、英国が新たな世界に関与するグローバル・ブリテンに生まれ変わることをメッセージとして発信することなのだが、その目的を達成するため英国が最も重視しているのは日本との連帯である。今回の空母派遣には日本との関係が大きく影響しているという側面もある。

  2017年8月下旬、英国のメイ首相(当時)が来日し、日本の安倍首相(当時)の間で「日英安全保障協力宣言」ともいうべき4つの合意文書を取りまとめた。
  英国政府は2015年11月に新たな国家安全保障戦略を採用したが、そのなかで米国以外の国々との安全保障関係を拡大することを強調し、欧州以外の相手国として、唯一日本を「同盟国」と指定していた。その後、自衛隊と英国軍との交流がかつてとは比較にならないほど活発になったが、クイーン・エリザべスのアジア展開は、2017年に合意した日英安全保障共同宣言に盛り込まれている。

  印象的だったのはメイ首相が日英首脳会談後のNHKの単独インタビューの中で「英国と日本は両国とも海洋国家です。私たちは民主主義や法の支配、人権を尊重します。私たちは自然なパートナーであり、自然な同盟国だと思います」と語ったことである。この呼びかけに対して日本側も前向きに応じたことで、日英両国の関係は「パートナー」から「同盟」の段階へと劇的に強化されたのである。
  このことは日本ではあまり認識されていないが、日英のリーダーが互いを「同盟国」と公式に呼び合ったのは1923年に日英同盟が解消されて以来、初めてのことだったのではないだろうか。クリーン・エリザベスの派遣は新たな日英同盟誕生の証を内外に示すものだといっても過言ではない。

  1902年に日英同盟が締結された当時の日英両国にとっての共通の脅威はロシアであり、日本は英国の支援を受けて日露戦争で勝利した。新たな日英同盟の脅威の対象は中国であるが、100年前のように軍事同盟である必要はない。むしろ軍事的な協力を含む安全保障のあらゆる分野で協力し合う包括なもののほうが望ましく、有事よりもむしろ平和時に機能するものでなくてはならないだろう。
三国同盟の誕生を目指すべき
  クイーン・エリザベスは、2017年に就役した英海軍史上最大級の艦艇である。第二次世界大戦後、日本を訪問する外国の大型艦船といえば米軍であり、米軍以外の大型艦船が日本の近海に立ち寄ることなど想像もできなかった。英国の空母がはるばる日本にまでやってくることは、時代の大きなうねりを感じさせる出来事である。
  クイーン・エリザベスは最大40機の戦闘機を搭載する能力を備えているが、今回の派遣では英空軍のF-35Bステルス戦闘機18機に加え、米海兵隊第211海兵戦闘攻撃飛行隊のF-35Bステルス戦闘機10機も搭載されており、事実上の英米混成部隊となっている。日本近海で航空自衛隊のF-35Bステルス戦闘機が参加すれば、日米英の最新鋭の航空機部隊による史上最高レベルの演習になるに違いない。

  英国との間でACSA(物品役務相互提供協定)を締結している日本は、クイーン・エリザベスが率いる艦隊に不足しているとされる補給艦の役割を自衛隊が肩代わりし、早期警戒機やイージス型護衛艦を派遣することもできるだろう。英国からすれば日本の港湾施設は空母への支援を受けることができる理想的な場所にある
  このように新たな日英同盟は時宜にかなったものであるが、かつてのように日英同盟が単独で機能するものではない。新たな日英同盟とともに日本と英国がすでに有する米国との同盟を深化させることで日米英の事実上の三国同盟の誕生を目指すべきである。これにより、日本は第二次世界大戦後初めて米国一辺倒から脱し、戦略的に自立できるのではないだろうか。


2021.4.26-産経新聞THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/politics/news/210426/plt2104260056-n1.html
英空母「クイーン・エリザベス」、初の日本寄港へ 自衛隊と共同訓練検討

  英国防省は26日、空母「クイーン・エリザベス」を中心とする空母打撃群を年内に初めて日本に寄港させると発表した。国防省によると、空母打撃群は5~12月にかけて、地中海や紅海、インド洋、太平洋などを航行。日本のほか、シンガポール、韓国、インドにも寄港するという。空母打撃群の派遣は、覇権的な海洋進出を強める中国を牽制(けんせい)する狙いがあるとみられる。

  日英両政府は空母打撃群の寄港の機会を捉え、自衛隊との共同訓練を実施する見通しだ。
  ウォレス英国防相は同日、声明を発出し「(空母打撃群の派遣は)日本、インド太平洋地域、国際秩序への脅威に立ち向かうわれわれのコミットメントを示すものだ」と強調した。
  英政府は3月に外交・安全保障政策を見直した「統合レビュー」を発表し、民主主義陣営が中国と対峙(たいじ)するインド太平洋地域でプレゼンス(存在感)を高めていく「インド太平洋への傾斜」という考えを打ち出している。岸信夫防衛相は3月25日にウォレス氏と電話会談を行った際、英国の「インド太平洋への傾斜」を歓迎した。
  クイーン・エリザベスは英国が運用している最新鋭空母2隻のうちの1隻で、英海軍史上最大級の艦艇。最大で40機の戦闘機を搭載でき、中でも短距離離陸・垂直着陸が可能なステルス戦闘機F35Bを運用していることが特徴だ。
 自衛隊も今後、F35Bの導入を進める。さらに、全通式甲板を備えるヘリコプター搭載護衛艦「いずも」と同型艦「かが」を改修して「空母化」し、F35Bを運用する計画だ。
  共同訓練などを通じて日英間の防衛協力関係が深まれば、同じくF35Bを運用している米軍だけでなく、日英間でも相互運用性が高まることが期待されている。(大橋拓史、ロンドン 板東和正)


2021.03.31-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/210331/wor2103310014-n1.html
韓国外相が訪中へ 文政権の中国重視示す

  【ソウル=桜井紀雄】韓国外務省は31日、鄭義溶(チョン・ウィヨン)外相が来月2日から中国福建省アモイを訪問し、3日に王毅国務委員兼外相と会談すると発表した。外相就任後の鄭氏の外遊は初めてで、文在寅(ムン・ジェイン)政権の中国重視を示している。
  弾道ミサイルを発射するなど、軍事的挑発を再開した北朝鮮をめぐる情勢や、中韓関係の強化について協議する。

  米中対立が激しさを増す中、鄭氏の訪中と同時期に米国では、日米韓の安全保障担当高官による協議が開かれる。文政権には、米中双方に高官を派遣することで、どちらにも偏りすぎないとのメッセージを米中に送る思惑もありそうだ。
  王氏が2月の電話会談で鄭氏を招請したという。中国側には、文政権を取り込もうとする狙いがうかがわれ、韓国と日米との足並みの乱れも懸念される。
  中韓外相会談は昨年11月にソウルで開かれて以来で、韓国外相の訪中は2017年11月以来、約3年ぶり。


2021.03.29-AFP BB news-https://www.afpbb.com/articles/-/3102630
中国、日本に「火遊び」しないよう警告 南シナ海問題でけん制

  【9月29日 AFP】中国は29日、日本が米国と共同で南シナ海(South China Sea)の警備を行う可能性を示唆したことについて、日本の「火遊び」としてこれをけん制した。
  稲田朋美(Tomomi Inada)防衛相は今月、米海軍との共同訓練や、域内の海軍との演習、沿岸諸国への能力構築支援を通じて、南シナ海への関与を強めていくと発言していた。
  この発言について中国国防省は「南シナ海情勢を混乱させ、利益を得ようとする」ことが意図だと述べた。同省の楊宇軍(Yang Yujun)報道官は定例会見で「日本が、中国の統治する海域で共同哨戒活動や合同演習を行いたいというのであれば、それは火遊びをしているようなものであり、中国軍は黙認しない」と語った。


2021.03.29-朝日新聞 DIGITAL-https://www.msn.com/ja-jp/news/world/
中国が米国とカナダに制裁 ウイグル族問題で報復措置

  中国外務省は、米政府機関の国際宗教自由委員会(USCIRF)の役員2人や、カナダ下院の1議員1人と1組織に対して制裁を科すと27日発表した。両国が新疆ウイグル自治区での人権侵害を理由に中国当局者への制裁を発動したことに対する報復措置。中国への入国を禁止するなどの対応をとる。

  発表に際し、中国外務省は国の主権や安全を守る中国政府の決意は揺るぎない」と強調した。ウイグル族の人権問題をめぐっては、米国とカナダ以外にも欧州連合(EU)と英国が対中制裁を発動している。中国は既にEUと英国に対しても報復措置を発表している。昨年、米議会で成立した「ウイグル人権法」を主導した議員らへの制裁も引き続き維持するとしている。
  中国政府は台湾や香港を巡る問題でも米国などの主張に反発しているが、ウイグル族に関連した動きにはとりわけ強い対応に出ている。ウイグル問題で「深刻な懸念」を表明した日本政府に対しても、中国外務省は歴史問題を持ち出して「人権を尊重していると言えるのか」と反論した。対中批判の国際的な広がりへの警戒を強めている。(北京=冨名腰隆)


2021.03.27-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/faa15f07f1893791152ffb6b16731c4b41884392
北高官が「自衛権の侵害」とバイデン氏発言に反発

  【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の李炳哲(リ・ビョンチョル)朝鮮労働党書記は26日付の談話で、北朝鮮による25日の新型短距離弾道ミサイルの発射を国連安全保障理事会決議違反だと批判したバイデン米大統領の発言について「わが国家の自衛権に対する露骨な侵害であり、挑発だ」と反発した。朝鮮中央通信が27日に報じた。

  北朝鮮の高官がバイデン氏の発言を直接批判するのは初めて。李氏は「徹底的かつ圧倒的な軍事力を育てていく」と述べ、核・ミサイル開発を継続する立場を強調した。李氏は核・ミサイル開発を統括し、25日の発射も現場で指揮した。
   バイデン氏は25日の就任後初の公式記者会見で、ミサイル発射を批判し、「北朝鮮が事態をエスカレートさせる道を選ぶなら、適切な対応を取る」と述べた。  これに対し、李氏は、北朝鮮への「敵対感」をさらけ出した発言だとして「強い憂慮」を表明。ミサイル開発は「誰かの関心を引いたり、政策に影響を与えたりするためではない」と主張した。
   米韓両軍が今月行った合同軍事演習にも反発し、「われわれも米国の軍事的脅威を米本土で制圧できる堂々たる自衛的権利を持たなければならない」と言及。米本土を狙った大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発続行も示唆した。


2021.3.27-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/210327/wor2103270007-n1.html
バイデン氏、中国「一帯一路」に対抗の新経済圏構想を提案

  【ワシントン=黒瀬悦成】バイデン米大統領は26日、ジョンソン英首相と電話会談し、対中政策に関し協議した。バイデン氏は会談で、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」に対抗するため、民主主義体制の国々が連携して途上国の開発支援に向けた同様の経済圏を構築する構想を提案した。地元の東部デラウェア州で記者団に明らかにした。

  中国は「一帯一路」構想に関し、アジアや中東、アフリカの途上国に対し、開発支援と称して過剰融資を実施し、巨額の債務を背負わせることで自国の影響下に置く「借金漬け外交」を展開してきた。
  中国による融資の対象国には戦略的要衝に位置する国が少なからずあり、将来的には中国の支援で開発されたこれらの国の港湾や空港が中国軍の基地として使用される恐れが強いとみて米国は警戒を強めている。
  中国軍は2017年、スエズ運河の入り口にあたる東アフリカのジブチに初の海外基地を開設した。米国防総省は報告書で、中東や東南アジア、西太平洋でこうした動きが広がる可能性があると警告している。
  バイデン政権は対外援助に関し、トランプ前政権が米国の要請に応える見返り提供する「取引主義」を持ち込んだのを全面的に見直し、専制体制に対抗する民主主義陣営のネットワーク強化に向けた重要な手段と位置付けている。
  バイデン氏は、新経済圏構想の具体的な内容については明らかにしていないが、受け入れ国の経済を疲弊させる中国の手法に対抗する形で途上国の財政事情に配慮したインフラ支援を打ち出すとみられる。バイデン氏が近く開催を目指す、民主主義諸国の代表を集めたサミットでも議題となる可能性がある。


2021.03.27-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/210327/wor2103270018-n1.html
中国、イランと25年間の包括協力協定調印 経済軸に対米共闘を強化

  【イスタンブール=佐藤貴生、北京=三塚聖平】中東歴訪中の中国の王毅国務委員兼外相は27日、訪問先のイランで25年間に及ぶ両国の包括的協力協定に署名した。国営イラン通信が伝えた。中国は少数民族ウイグル族の弾圧や経済的威圧などで、イランは2015年の核合意をめぐって、それぞれバイデン米政権と対立しており、対米共闘を強化する狙いとみられる。

  同通信によると、王氏はロウハニ大統領やザリフ外相と会談。イラン外務省報道官は協定について「今後25年間の両国関係のロードマップ(行程表)」と位置付け、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」へのイランの参加など、経済面を中心に多岐にわたる協力強化が含まれるとした。
  協定は16年、イランを訪問した中国の習近平国家主席が提案した。協定について米メディアは昨夏、中国が第5世代(5G)移動通信システム構築などでイランに総額4000億ドル(約44兆円)相当を投資。中国は見返りに25年間、安価でイラン産原油を購入でき、兵器開発など軍事面でも関係を強化する内容だと報じた。
  中国はすでに、トランプ前米政権が科した制裁で低迷するイラン経済を支えている。米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、中国のイラン産原油の輸入量は今月、前米政権が全面禁輸に踏み切って以降で最高となる日量90万~100万バレルに達する。米側では制裁を骨抜きにする輸入量という指摘も出ている。
  王氏のイラン訪問に向けて中国は、周到に準備を進めてきた。前米政権が離脱したイラン核合意への復帰を目指すバイデン政権を前に、調整役として存在感を示す狙いがあるためだ。王氏は中東歴訪直前の22日、中国南部の広西チワン族自治区桂林市でロシアのラブロフ外相と会談。この問題での共闘を確認している。

 イランは前米政権が科した経済制裁の解除をバイデン政権に求めているが、バイデン氏はイランが核合意の逸脱行為をやめるのが先だとし、隔たりは埋まっていない。中国は米国が先に制裁を解除すべきだとし、ロシアとともにイランを支援している。
  中国外務省によると、馬朝旭外務次官は25日、米国務省のマレー・イラン担当特別代表と電話会談。馬氏は「現在、イランの核情勢に幾つかの新たな変化が現れている」と述べ、米国に対して速やかにイラン側に歩み寄るよう求めた。


2021.03.26-BBC NEWS Japan-https://www.bbc.com/japanese/56533876
北朝鮮、発射したのは「新型戦術誘導弾」 国営メディアが報じる

  北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は26日、同国の国防科学院が25日に「新しく開発した新型戦術誘導弾を発射したと伝えた。北朝鮮は25日朝、日本海側に向けて弾道ミサイル2発を発射していた。
  北朝鮮が弾道ミサイルを発射したのは約1年ぶりで、アメリカのジョー・バイデン政権が1月に発足して以降で初めて。
  バイデン氏は、米政府として「適切に対応する」としている。同国と日本、韓国の3カ国は発射実験を非難している。
  北朝鮮は国連安全保障理事会の決議で、弾道ミサイルの発射実験を禁止されている。

「目標を正確に打撃」
  朝鮮中央通信によると、「2基の新型戦術誘導弾は、(北)朝鮮東海(日本海)上600キロ水域に設定されたターゲットを正確に打撃した」という。日本政府は飛行距離を400キロ超と推定しているが、北朝鮮側の発表が正しければ、これより長く飛行したことになる。
  発射実験を監督した李炳哲(リ・ビョンチョル)氏は、「この兵器システムの開発は、われわれの軍事力強化と朝鮮半島に存在する各種の軍事的脅威の抑止にとって、大きな意義を持つ」と評価したという。李氏は、実験に立ち会わなかった金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記に結果を報告したと、朝鮮中央通信は報じている。
  新型戦術誘導弾は「弾頭の重量を2.5トンに改良した兵器システム」。核弾頭の搭載が可能だ。

「相応の対応」も
  バイデン氏は記者団に対し、発射実験は国連決議違反だとし、アメリカがパートナーや同盟国と協議していることを明らかにした。
  「もし彼ら(北朝鮮)が行動をエスカレートさせれば、それ相応の対応を講じることになる
  一方で、「非核化という最終的な結果を条件に何らかの外交手段を講じる用意もある」とも述べた。

  北朝鮮が今回、どのような種類のミサイルを発射したのかは依然不明だ。朝鮮中央通信は「改良型固体燃料エンジン」を搭載し、「低高度滑空跳躍型飛行方式の変則的な軌道の特性も再実証した」としている。
  ただ、アメリカのドナルド・トランプ前政権との間における非核化交渉が停滞して以降、北朝鮮の兵器開発が進んでいることは浮き彫りとなった。
  今回のミサイルについて、アナリストたちは昨年10月の軍事パレードに登場したミサイルと同じものではないかと指摘している。
  「もしそうだとすれば、以前実験が行われた、『非常に大きな弾頭』を搭載している『KN-23』ミサイルの改良型とみられる」と、米ジェームズ・マーティン不拡散研究センター(CNS)のジェフリー・ルイス氏は、ロイター通信に述べた。
  このような新型ミサイルがあれば、北朝鮮はより重い核弾頭をロケットに搭載できるようになると、米マサチューセッツ工科大学の安全保障学教授のビピン・ナラン氏はツイートした。
  核弾頭の小型化は難しいものの、北朝鮮がすでにその能力を持っているとの見方もある。


2021.03.25-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210325/k10012934531000.html
北朝鮮 弾道ミサイル2発発射 菅首相「強く非難する」

  政府は、25日朝、北朝鮮が弾道ミサイル2発を発射し、いずれも日本のEEZ=排他的経済水域の外側の日本海に落下したと推定されると発表しました。菅総理大臣は、「わが国と地域の平和と安全を脅かし、国連の安保理決議に違反するもので、厳重に抗議し強く非難する」と述べました。
  政府によりますと北朝鮮は、25日朝7時4分ごろと23分ごろ、北朝鮮の東岸のソンドク付近から1発ずつ、合わせて2発の弾道ミサイルを東方向に発射し、いずれも、およそ450キロ飛しょうしたと推定されるということです。
  落下したのは、いずれも日本のEEZ=排他的経済水域の外側の日本海にと推定され、これまでに、航空機や船舶への被害などは確認されていないとしています。
  菅総理大臣は、直ちに、情報収集・分析に全力を挙げ、国民に対して、迅速・的確な情報提供を行うことや、航空機、船舶などの安全確認を徹底すること、それに、不測の事態に備え万全の態勢をとることを指示しました。
  また、総理大臣官邸では、NSC=国家安全保障会議が緊急に開かれ、菅総理大臣をはじめ、茂木外務大臣や岸防衛大臣らが出席し、情報を分析するとともに、今後の対応などを協議しました。

  菅総理大臣は「去年3月29日以来、およそ1年ぶりのミサイル発射は、わが国と地域の平和、安全を脅かすものだ。国連の安保理決議に違反するものでもあり、厳重に抗議し強く非難する」と述べました。
  そして、「これまで以上に警戒・監視を強める必要があり アメリカや韓国をはじめ、関係諸国と緊密に連携し、国民の命と平和な暮らしを断固として守り抜く決意だ」と述べました。
  政府は、引き続き、情報の収集・分析や警戒監視に全力を挙げ、今後追加して公表すべき情報があれば、速やかに発表するとしています。
北朝鮮 ミサイル発射は去年3月29日以来
  北朝鮮が弾道ミサイルを発射したのが確認されるのは去年3月29日以来で、ことしに入って初めてです。
  防衛省によりますと、前回は日本海に面する東部のウォンサン(元山)から2発の短距離弾道ミサイルが発射され、およそ250キロ飛行して北朝鮮東部の沿岸部に落下したと推定されています。
  北朝鮮は、
おととしは13回、合わせて25発の弾道ミサイルなどを発射し、
去年は3月の1か月間で4回、合わせて8発の発射が確認されていました。
2発は短距離弾道ミサイル 防衛省
  防衛省によりますと、25日午前7時4分ごろと午前7時23分ごろの合わせて2回、いずれも北朝鮮の東岸のソンドク付近から、東の方向に弾道ミサイルが発射されたということです。
  2発はいずれも、日本の排他的経済水域の外側の日本海に落下したと推定され、付近を航行する船舶の被害など日本への直接の影響は確認されていないということです。
  また2発はともに短距離弾道ミサイルで、防衛省はいずれも高度は100キロ未満、飛行距離はおよそ450キロと推定されるとしています。
  北朝鮮による弾道ミサイルの発射が確認されるのは去年3月29日以来で、ことしに入って初めてです。
  防衛省はミサイルの種類などについて、情報の収集と分析を進めています。
岸防衛相 「北朝鮮の東岸からおよそ450キロ飛しょうしたと推定」
  岸防衛大臣は午前10時前、記者団に対し「北朝鮮の東岸から、合計2発の弾道ミサイルを東方向に発射した模様だ。従来から保有しているスカッドミサイルの軌道よりも低い高度の100キロ未満をいずれも、およそ450キロ飛しょうしたと推定される。通常より高く打ち上げるロフテッド軌道でないことは、高度から確認できている」と述べました。
  その上で「アメリカ、韓国をはじめ国際社会と緊密に連携を取りながら必要な情報の収集分析、および警戒監視に全力を挙げていきたい。国民の安心安全の確保に万全を期していきたい」と述べました。
日本の漁船 被害報告なし 水産庁
  水産庁によりますと、日本の漁船への影響はないと見られるということですが、念のため無線局などを通じて漁船の安否確認を行っていて、これまでのところ被害の報告は入っていないということです。
外務省 米国務省北朝鮮問題担当と電話で協議
  外務省の船越アジア大洋州局長は、アメリカ国務省で北朝鮮問題を担当するソン・キム次官補代行と電話で協議しました。
  そして最新の情報を共有し、引き続き両国で緊密に連携していくことを確認しました。
外務省 韓国外務省の北朝鮮問題担当と電話で会談
  外務省の船越アジア大洋州局長は25日午後、韓国外務省で北朝鮮問題を担当するノ・ギュドク朝鮮半島平和交渉本部長と電話で会談しました。
  そして、北朝鮮による今回の弾道ミサイル発射など、最新の北朝鮮情勢について意見を交わし、引き続き日韓両国にアメリカも加えた3か国で緊密に連携していくことを確認しました。
韓国軍“ハムギョン南道付近から2発発射”
  韓国軍の合同参謀本部は北朝鮮が25日朝、東部のハムギョン南道付近から日本海に向けて飛しょう体2発を発射したと発表しました。韓国軍は監視や警戒を強化するとともに、アメリカ軍と飛しょう体の種類や飛行距離など詳しい分析を進めています。
  また、韓国大統領府は午前9時から緊急のNSC=国家安全保障会議を開いて対応を協議することにしています。
北朝鮮国営メディア 何も伝えず
  北朝鮮の国営メディアは、これまでのところ発射について何も伝えていません。
  また北朝鮮は今月21日に西部のピョンアン(平安)南道オンチョン(温泉)付近から巡航ミサイルと推定される2発を発射したことについても、発表していません。
中国 新華社通信が速報
  中国国営の新華社通信の英語版は、韓国メディアを引用する形で「北朝鮮が日本海に向けて何らかの飛しょう体を発射した」と速報しています。
  中国政府はこれまでのところ公式な反応を示していません。
中国 朝鮮半島と地域の安定を実現へ
  北朝鮮による発射について、中国外務省の華春瑩報道官は25日の記者会見で「朝鮮半島の平和と安定を守り、対話を通じて問題を解決することは、関係各国の共通の利益と国際社会の期待に合致するものだ。われわれは関係各国に対し、朝鮮半島の緊張緩和が続くよう力を入れるとともに、問題の政治的な解決に向けたプロセスが進むために互いに歩み寄るよう呼びかけてきた。朝鮮半島と地域の安定を実現するために積極的に努力していきたい」と述べるにとどめました。


2021.03.23-gooニュース(KYODO)-https://news.goo.ne.jp/article/kyodo_nor/world/kyodo_nor-2021032201001528.html
中国、ロシア・北朝鮮と結束強化 米国の包囲網に対抗

  【北京共同】中国の王毅国務委員兼外相とロシアのラブロフ外相は22日、中国広西チワン族自治区桂林市で会談し、米国による他国への内政干渉や、グループ形成に反対することで一致した。米国の行動は覇権主義的だとして、対抗するため中ロの結束強化を確認した。中国は22日、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記とも関係を発展させる方針を強調した。

  バイデン米政権が日本など同盟国と中国包囲網の構築を明確に打ち出したことを受け、中国は友好国であるロシア、北朝鮮の3カ国で連携を深め、米国と対抗する構えを鮮明にした
  中国外務省によると、米中外交トップによる会談の結果を共有したもよう。


2021.03.19-REUTERS-https://jp.reuters.com/article/us-northkorea-usa-malaysia-idJPKBN2BA2UU
北朝鮮、マレーシアと断交表明 自国民の米引き渡し判断を非難

  [ソウル 19日 ロイター] - 北朝鮮は、マレーシアの裁判所が北朝鮮男性の米国への引き渡しを可能とする判断を示したことを受け、マレーシアとの関係を断つと表明した。国営の朝鮮中央通信(KCNA)が19日、伝えた。

  北朝鮮外務省は、米国も「報い」を受けることになると警告した。マレーシア外務省からはコメントを得られていない。報道によると、マレーシアの最高裁判所は9日、マネーロンダリング(資金洗浄)の罪に問われた北朝鮮籍の男について、米国への引き渡しが可能とする判断を下した。
  男はマネーロンダリングや北朝鮮への違法輸出に絡む文書偽造の容疑で2019年に逮捕された。米国の引き渡し要求は政治的動機に基づいていると主張し、法廷で争っていた。

  同年にはマレーシアが在北朝鮮大使館の業務を停止。18年には当時のマハティール首相が再開意向を示したものの、業務再開には至らなかった。北朝鮮はマレーシアを武器輸出拠点として利用するなどしていた。
  北朝鮮外務省の声明はクアラルンプールにある大使館の扱いには言及していない。





2021.01.30-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/210130/wor2101300013-n1.html
比とベトナム、中国海警法に猛反発 「戦争を仕掛けるという脅迫だ」

  【シンガポール=森浩】中国が中国海警局(海警)に武器使用を容認する海警法を2月1日に施行することを受け、南シナ海の領有権をめぐって中国と対立するフィリピンとベトナムからは強い反発の声が上がった。海警法によって中国による南シナ海の実効支配が強化されるとの警戒感が一段と高まっている

   フィリピンのロクシン外相は27日、ツイッターで「法律制定は主権者の特権だが、南シナ海は開かれていることを踏まえると、海警法は戦争を仕掛けるという脅迫だ」と批判。「抵抗しなければ海警法に服従することになる」とし、外交ルートを通じて抗議したことを明らかにした。
   ベトナム外務省も29日の声明で、「ベトナムは国連海洋法条約に基づいて、水域の管轄権を証明する十分な法的根拠と歴史的証拠を有している」と改めて主張し、中国を牽制(けんせい)した。
   東南アジア諸国連合(ASEAN)と中国は南シナ海の紛争抑止に向けた「行動規範」(COC)の年内策定を目指しているが、海警法施行はこの作業にも影響を与えそうだ。フィリピンのオンラインメディア「ラップラー」は、「COCは策定前に死んだも同然だ」と指摘した。



2020.11.26-Livedoor News(産経新聞)-https://news.livedoor.com/article/detail/19280147/
連邦軍が「1万人以上壊滅」 エチオピア紛争

  【カイロ=佐藤貴生】アフリカ東部エチオピアで今月上旬に始まった連邦政府軍と北部ティグレ州を支配する「ティグレ人民解放戦線」(TPLF)の軍事紛争で、同国の政府系通信社は25日、連邦軍が戦闘開始から約3週間で1万人以上のTPLFの兵士を「壊滅させた」と伝えた。

  ロイター通信は同州周辺の通信が遮断されているため真偽は確認できないとしている。
  連邦軍はティグレ州の州都メケレを包囲したとし、アビー首相は25日夜までの降伏を呼びかけたが、TPLFは拒否している。また、アフリカ連合(AU)の代表が同日、調停のためエチオピア入りする見通しとなっているが、アビー氏は「内政干渉」だとして停戦の呼びかけに応じない姿勢を示している。
  国連のグテレス事務総長が戦闘激化に危機感を示したほか、欧米でも懸念が広がっている。
  連邦政府側の人権委員会は24日、TPLFが今月上旬にティグレ州で民間人約6百人を虐殺したとする報告書を発表した。これまでに民間人4万人以上がスーダンに避難したほか、エリトリアにロケット弾が撃ち込まれるなど、周辺国にも影響が広がっている。


2020.11.17-毎日新聞-https://mainichi.jp/articles/20201117/k00/00m/030/201000c
エチオピア紛争、民族対立で泥沼化 隣国エリトリア巻き込み難民2万5000人

  アフリカ東部エチオピアで、中央政府軍と北部ティグレ州政府を率いるティグレ人民解放戦線(TPLF)の武力衝突が激化の一途をたどっている。TPLFは、中央政府と隣国エリトリアが連携しているとして同国の首都アスマラを砲撃。こうした混乱の中、紛争を逃れてエチオピアから隣国スーダンに避難した難民は約2万5000人に上るとみられ、人道危機も深刻化している。

  ロイター通信によると、アスマラには14日夜、少なくとも3発のロケット弾が撃ち込まれ、このうち2発は空港に着弾した。ティグレ州幹部は攻撃したことを認め、エリトリアがエチオピア中央政府と協力し、軍隊や戦車をティグレに送り込んでいると主張。「エチオピア政府は、外国と一緒になって我々を攻撃している。裏切りだ」と訴えている。
  エリトリアは今回、公式には関与を否定している。ただエチオピアのアビー政権との関係は良好で、エチオピアがTPLFを南北から挟み撃ちにするためエリトリアに協力を求めたとの見方がある。国境線を巡る対立から両国は1998年に武力紛争に突入し、2000年の停戦まで推定10万人が死亡した。この和平合意を主導したとして、エチオピアのアビー首相は19年にノーベル平和賞を受賞した。

  ロイター通信は双方に数百人規模の死者が出ている可能性があると報じているが、現地では電話やインターネットが遮断されており、詳しい交戦の状況は明らかになっていない。エチオピア政府はティグレ州都のメケレなどを空爆し、「ティグレ州西部を解放した」と発表したほか、15日には同州南部の町アラマタでTPLFを破ったと明らかにした。
   ただ、ティグレ人で構成されるTPLFは91年に当時のメンギスツ政権を打倒する武装闘争をリードした中核部隊で、現在も最大25万人規模の兵力があるとされる。紛争の背景には、前政権まで政府の中枢を担ってきたティグレ人と、最大民族オロモ出身のアビー氏らが対立する構図がある。今後、民族を軸にした対立が深まれば、紛争が泥沼化する恐れもある。

  人道危機も懸念されている。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、ティグレ州から国境を越えてスーダン東部に避難する難民は2万5000人に達した模様だ。ロイター通信によると、避難してきた人々は「ティグレ人が殺されている」「銃を持った男たちが通りで人を虐殺した」「家からお金や牛、作物が盗まれ、服だけをもって逃げてきた」などと証言しているという。UNHCRは今後1年間で10万人が避難する可能性を指摘した。
  一方、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは12日、独自調査の結果として、州西部の町で数百人の民間人が刃物で虐殺されたと公表した。住民の証言などからTPLF側の犯行の可能性があるとの見方を示している。
   紛争の影響が周辺国まで広がる中、アフリカ連合(AU)などが仲介を模索しているが、エチオピアとTPLFは双方とも交渉のテーブルにつく意思は示していない。16日にはナイジェリアのオバサンジョ元大統領が仲介のためエチオピアに向かったが、交渉が進展するかは不透明だ。
  アビー首相は17日、TPLFに対して3日以内に降伏するように通告。従わない場合、さらに大規模な攻撃に踏み切る姿勢を示した。【ヨハネスブルク平野光芳】


2020.11.16-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/9f36219545d577bc64f5e6c968795bbe5e8e501c
ナゴルノ紛争 「敗者」アルメニアの住民、自宅に放火して退去 15日が期限 本国では抗議デモ続く

  【モスクワ=小野田雄一】南カフカス地方の旧ソ連構成国、アゼルバイジャンとアルメニアの係争地、ナゴルノカラバフ自治州をめぐる紛争で、9日の停戦合意でアルメニアがアゼルバイジャンに15日までに返還すると定められた自治州周辺のカルバジャル県(推計人口数万人)では同日までに、住民らが自宅に火を放った上で退去した。アルメニア本国では実質的に敗北を認めたパシニャン首相の退任や停戦合意の破棄を求めるデモが続いている。

  露主要メディアなどによると、少なくとも数十軒以上の住宅が焼かれた。自宅を焼いた男性住民はロイター通信に「アゼルバイジャン人は焼け跡に家を建て直さなければならないだろう」と述べ、資産を渡さないための措置だと説明した。
  一方、イタル・タス通信によると、アゼルバイジャンは15日、「人道的観点」に基づき、同県の返還期日を25日まで延期することに同意したと発表した。退去する住民や軍部隊でアルメニア本国への道路が混雑しているためで、アルメニアが停戦仲介役のロシアを通じ延期を申し入れていた。

   アルメニアの首都エレバンでは連日、停戦を不満とする数千人規模のデモが発生。パシニャン氏は退任を否定している。同国治安当局は15日までに、パシニャン氏の殺害や権力奪取を企てた疑いで、複数の野党側指導者らを一時拘束した。
   9月27日に始まった紛争では双方で計4千人以上が死亡したとされる。停戦合意では、アゼルバイジャンが奪還した自治州内の地域について同国の継続統治を認めたほか、アルメニア側が実効支配してきた自治州周辺のアグダム県▽カルバジャル県▽ラチン県-をアゼルバイジャンに返還すると定められた。アグダム県の返還期限は今月20日、ラチン県は12月1日。


2020.11.11-Yahoo!Japanニュース(KYODO)-https://news.yahoo.co.jp/articles/1b702b29e30c2caa6d502ef02167a962d432344b
ロシアが停戦維持部隊を派遣 ナゴルノ、帰属焦点に

  【モスクワ共同】ロシアは10日、アゼルバイジャンとアルメニアが係争地ナゴルノカラバフを巡る戦闘停止で合意したことを受け、ロシア軍の停戦維持部隊の派遣を始めた。1990年代から続くナゴルノカラバフ紛争で、停戦維持部隊の投入は初めて。9月下旬に始まった戦闘は、アルメニアが占領していた多くの領土を奪還したアゼルバイジャンの戦果を認める形で収束する見通しとなった。
  ただロシアの仲介で合意した停戦の共同声明はナゴルノカラバフの帰属や、アゼルバイジャンの背後で影響力を増すトルコの役割に触れておらず、本格和平に向けて課題を残した。


2020.11.05.dmenuニュース-https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/wedge/world/wedge_21205
カラバフ紛争で中立放棄したイランが抱える〝爆弾〟

  イランはかつて、南コーカサスで仲介者の役割を果たしたが、今回のナゴルノカラバフをめぐるアルメニアとアゼルバイジャンとの紛争では、中立的な立場をとって仲介に乗り出すのではなく、アゼルバイジャンを支持する姿勢を明確にしている。

  アゼルバイジャン系住民(アゼリ人)の多いイランの北西部の4県は、アゼルバイジャンを支持する共同声明を発出し、声明はナゴルノカラバフがアゼルバイジャンに属することは「疑いない」と宣言している。イランのロウハニ大統領、ザリフ外相、ハメネイの首席外交顧問のヴェラヤティは揃って、アルメニアは1994年以来占領しているアゼルバイジャン領から撤退すべきである、と述べた。
   調停者の役割を放棄することは、地域への影響力が低下することも厭わないということである。今回イランは、なぜそのよう立場に甘んじているのか。それは、イランが多民族国家であるがゆえに、ロシアやトルコのように紛争の第三者の当事国ではなく、紛争から大きな影響を受ける立場にあるからである。
   イランの最大の少数民族はアゼリ人で、約2,000万人と人口の4分の1を占める。アゼリ人はナゴルノカラバフ紛争で、当然のことながらアゼルバイジャンを支持している。1990年代と比べて、今日ではイランのアゼリ人はアルメニアとアゼルバイジャンの紛争をはるかに強く意識しており、はるかに強くアゼルバイジャンを支持しているという。したがって、イラン政府はその影響力を無視できない。アゼリ人が不穏な動きをすれば、イランの国内の安全に深刻なリスクとなる恐れがある。そこで、イラン政府は今回のナゴルノカラバフ紛争で強くアゼルバイジャンの支持を表明したのである。
   イランにはアゼリ人の他にクルド人(人口の7%の約600万人といわれる)、バルチ人(約300万人)、アラブ人(約200万人)がおり、イラン政府はもしアゼリ人が不穏な動きをすれば、それがこれらの少数民族に影響するしうることを懸念している。紛争がこうした国内少数グループの蜂起につながれば、現在のイランには、これに対処する準備ができていない。

   したがって、イラン政府はナゴルノカラバフ紛争でアゼルバイジャンの支持を強く表明したのみならず、紛争の早期終結を望んでいるのである。しかし、今のイランには紛争を調停する力はなく、ロシアやトルコに頼らざるを得ない。
   紛争自体は、既に3回の停戦合意があった。1回目はロシアの仲介で10月10日から、2回目は米ロ仏3か国首脳と欧州安保協力機構が即時停戦を呼び掛ける中でのロシアによる再度の仲介で10月18日から、3回目は米国の仲介により10月26日から軍事行動を停止することで改めて合意がなされた。しかし、いずれもごく短期間で停戦が破られ、衝突が再開している。
   ロシアはアルメニアとの間に相互防衛条約を結んでおり、アルメニアが攻撃された場合には介入せざるを得ない。ロシアは経済的負担を避けるためにも南カフカスでの軍事行動は避けたいところであり、今後とも仲介に努めるものと見られる。かつてソ連領であった同地域での影響力を保ちたいとの考慮もあろう。しかし、ナゴルノカラバフをめぐるアルメニアとアゼルバイジャンの対立の根深さ考えると、本格的な停戦はなかなか見通し難い。イランにとり、懸念は当分続くことになるだろう。


2020.11.04-Livedoor News-https://news.livedoor.com/article/detail/19166279/
紛争に中東から雇い兵「2千人」 ナゴルノ紛争でロシア外相

  【モスクワ共同】ロシアのラブロフ外相は3日のコメルサント紙(電子版)との書面インタビューで、アゼルバイジャンとアルメニアが衝突するナゴルノカラバフ紛争に関し、「中東から戦闘に参加している雇い兵が2千人に近づいている」との独自情報を示し、紛争の国際化に懸念を表明した。
   アゼルバイジャンを支援するトルコの特殊部隊のほか、シリアから雇い兵が加わっているとされ、アルメニアのパシニャン首相は2日、雇い兵に関する国際調査実施を主張した。
   一方でインタファクス通信によると、アゼルバイジャンのガジエフ大統領補佐官は3日、雇い兵が既にアルメニア軍に加わっていると批判した。


2020.10.12-Yahoo!Japanニュース(REUTERS ロイター)-https://news.yahoo.co.jp/articles/e1eae40c670c7529f79adf565727281a04323170
アゼルとアルメニア、停戦直後に双方が合意違反と非難合戦

  [バクー/エレバン 11日 ロイター] - アゼルバイジャンとアルメニアは、ロシアの仲介によるナゴルノカラバフにおける停戦に合意したのもつかの間、互いに相手に合意違反行為があったと非難している。
  ナゴルノカラバフでは9月27日以降の衝突で数百人が死亡。両国は捕虜交換と遺体引き渡しのため現地時間10日正午から戦闘を停止していた。 ただアゼルバイジャンは11日、首都バクーに次ぐ都市ガンジャがアルメニア側から大規模な空爆を受け、9人が死亡し、34人が負傷したと主張。この停戦合意違反への報復としてアルメニア系住民の居住区に航空攻撃を行ったと説明した。 一方アルメニア国防省は、ガンジャが攻撃を受けたというアゼルバイジャンの発表は「全くのうそ」で、アゼルバイジャンが停戦合意後もナゴルノカラバフの人口密集地帯に対する爆撃を継続していると反論している。


2020.10.10-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/49c92a8252db6c45c453dc70bc4ffaed582da66f
アゼルバイジャンとアルメニアが停戦入り ロシア仲介 戦闘再燃の恐れも

  アルメニア人勢力が実効支配するアゼルバイジャンのナゴルノカラバフ地域周辺で続く戦闘について、アゼルバイジャンとアルメニアは10日、捕虜や遺体の交換を理由に停戦に入った。ロシアの仲介で3カ国の外相会談を9日からモスクワで開き、合意した。ただ、アゼルバイジャンは同地域からのアルメニア軍の撤収を求めており、戦闘が再燃する懸念もある。

  タス通信などによると、外相会談はプーチン露大統領の呼びかけで実現し、約10時間に及んだ。10日未明にラブロフ露外相が現地時間の同日正午から停戦し、米仏露が共同議長を務める全欧安保協力機構(OSCE)の交渉の場で平和的な紛争解決に向けた交渉を続けることを発表した。だが、具体的な停戦維持の条件は今後の協議に持ち越された。
   9月27日に始まった戦闘ではこれまでに450人以上が死亡した。アゼルバイジャンはナゴルノカラバフの北部と南部で攻勢を強め、複数の村落や拠点を奪取したと発表。お互いに前線から離れた都市を砲撃し、民間人の被害も広がっている。守勢に立たされたアルメニア側は「ナゴルノカラバフは人道危機の瀬戸際にある」(パシニャン首相)と訴え、友好国のロシアやフランスに仲介を要請するなど国際社会への働きかけを強めていた。
   ただ、今後の行方は不透明だ。アゼルバイジャンは被害の拡大から停戦に応じた可能性があるが、これまでイスラエルなどから無人機など最新装備の購入を進めている。友好国トルコの後押しも受け、過去の紛争で支配権を失った自国領の奪回への意欲を強めている。トルコ外務省も10日の声明で、「停戦は問題の最終解決に代わるものではない」とアゼルバイジャンを支持する方針を表明した。
  一方、アルメニアと集団安全保障条約を結ぶロシアは、同じ旧ソ連構成国だったアゼルバイジャンとも友好関係を維持しており、両国の外相をモスクワに招き、停戦合意に持ち込んだ。
  ただ、戦闘開始以降、プーチン氏自ら停戦を繰り返し求めたにもかかわらず、これまで交渉が成立しなかったことで、ロシアの影響力低下を指摘する声も出ている。
   ロシアはシリアやリビア内戦でもつばぜり合いを続けるトルコが影響力を拡大するのをけん制しているが、アゼルバイジャン領内にあるナゴルノカラバフ周辺での戦闘に直接的な介入はしにくいとみられる。
   アルメニア、アゼルバイジャンの両国は10日の停戦開始直後から、お互いが合意に違反して攻撃を行ったと非難を始めている。【モスクワ前谷宏】


2020.10.9-Rakuten/infoseek ニュース-https://news.infoseek.co.jp/article/sankein_wor2010090035/
アゼルバイジャンとアルメニア外相が初の直接対話 ナゴルノ紛争

  【モスクワ=小野田雄一】南カフカス地方の旧ソ連構成国、アゼルバイジャンとアルメニアの係争地、ナゴルノカラバフ自治州をめぐる紛争で、アゼルバイジャンとアルメニアの両国外相は9日、ロシアの仲介下、モスクワで会談した。タス通信などが伝えた。
   9月27日の戦闘開始以来、紛争当事国による初の直接対話で、停戦に向けた進展が見られるかどうかが最大の焦点。ロシアは仲介役を担うことで、自国の勢力圏とみなす南カフカスでの主導的地位を維持する思惑とみられる。
   露大統領府はこれに先立つ8日、プーチン大統領がアゼルバイジャンのアリエフ大統領、アルメニアのパシニャン首相と電話会談を行い、捕虜交換や遺体返還のための停戦を提案したとし、「この問題を協議するため両国外相を9日にモスクワに招待している」と発表していた。
   ロシアや欧米諸国は紛争の即時停戦を求めているが、アゼルバイジャンと同国を支援するトルコは、停戦には自治州を実効支配するアルメニア側の退去が必要だと主張。アルメニアは徹底抗戦の構えで、両国の立場は鋭く対立している。


2020.10.5-NHK NEWS WEB-https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/300/436910.html
「アルメニア・アゼルバイジャン 全面戦争の危機」(ここに注目!)
石川 一洋  解説委員

  旧ソビエトのアゼルバイジャンとアルメニアが、アゼルバイジャン領内の係争地で大規模な戦闘を始めてから一週間が過ぎました。石川一洋解説委員に聞きます。

Q 西にトルコ、北にロシア、南にイラン、東西南北を繋ぐ要衝での紛争ですね?
A アゼルバイジャンのアリエフ大統領は領土の奪還、アルメニアのパシニャン首相は民族の防衛を叫んでいます。アゼルバイジャン領内のナゴルノカラバフとその周辺、アルメニアが占領している地域で、大規模な戦闘が始まりました
アゼルバイジャンはトルコやイスラエル製の無人攻撃機を戦闘に投入し攻勢を強め、幾つかの町村を奪還しています。アルメニア側もアゼルバイジャンの第二の都市をロケット弾で攻撃するなど反撃しています。
紛争はソビエト連邦末期に遡ります。ナゴルノカラバフはアルメニア人が多く住みアルメニアへの帰属を求めて1991年独立を宣言、戦争となり、アルメニア有利の中で94年に停戦は成立、アゼルバイジャンは国土の20%が占領された状況です。
Q 周辺国の立場は?
A トルコはアゼルバイジャンを兄弟国として全面支援する立場、ロシアはアルメニアの同盟国で軍も駐留しています。ただロシアは、アゼルバイジャンとの関係も維持、比較的中立の立場から仲介を試みています。
Q 交渉で解決できないのでしょうか
A 「戦争は外交の延長」という格言があります。この26年間、ロシア、アメリカ、フランスの仲介による和平交渉が行われ、米ロが「周辺の占領地はアゼルバイジャンに返還し、その代わりにナゴルノカラバフに事実上の自立を保証する」などの妥協案を提案してきました。
今、アゼルバイジャンは南部の占領地の奪還を進め、アルメニアは必死に維持しようとしています。交渉で有利な立場にたとうという意図があるようにも見えます。
Q 停戦の見通しは?
A 民間人も含め多数の死傷者が出ており、米ロ仏の大統領は共同声明で即時停戦と交渉の無条件開始を双方に呼びかけました。しかし紛争はエスカレーション拡大する恐れが強まっています。双方の都市への攻撃も行われ、好戦的なナショナリズムが高揚しているのです。
トルコやロシアを巻き込みかねない全面戦争への大変危険な状況が続いています。
  (石川 一洋 解説委員)


2020.10.2-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/ceef3b56d6e1d00a95ad25ed8bb19c19745123e7
トルコ強硬、露は対応苦慮 アルメニア・アゼルバイジャン衝突、停戦以後で最大規模に

  【モスクワ=小野田雄一、カイロ=佐藤貴生】南カフカス地方の旧ソ連構成国、アルメニアとアゼルバイジャンの係争地、ナゴルノカラバフ自治州で続く両国の戦闘は死者が少なくとも170人を超え、1994年の両国停戦以降で最大規模の衝突となった。トルコが支援するアゼルバイジャン側は、国際社会の求める戦闘停止の呼びかけに応じず、強硬姿勢を貫く。アルメニアの後ろ盾であるロシアは有効な手立てを打てずに苦慮している。

  自治州を実効支配するアルメニア側は2日、9月27日の戦闘開始以降に157人の兵士が死亡したと発表。複数の民間人の死者も報告している。アゼルバイジャンは民間人19人が死亡したとしている一方、兵士の被害は公表していない。
   両国は「戦闘開始の責任は相手にある」と非難し合っているが、第三国の専門家の間では、戦闘の数日前から境界線に部隊を集結させ、戦闘直後に州内に進軍したアゼルバイジャンが主導したとの見方が強い。産油国の同国では新型コロナウイルス禍による原油価格の下落で経済情勢が悪化しており、国民の不満を外部にそらそうとしたとの分析も出ている。
  戦闘は同州内にとどまらない。アルメニアは1日、本国への砲撃被害があったほか、首都エレバン近郊で無人機4機を撃墜したと発表した。  戦闘の激化を受け、両国和平の仲介役を担ってきた米露仏3カ国は1日、即時停戦を求める共同声明を発表。しかしトルコのエルドアン大統領は「停戦にはアルメニア側の同州からの退去が必要だ」とし、聞き入れる構えを見せていない。
  トルコは同じイスラム教国で民族的にも近いアゼルバイジャンを友好国とする一方、アルメニアとの間にはオスマン帝国時代の民族・宗教対立などからくる遺恨がある。トルコがシリア民兵を組織して派兵し、航空支援を行っているとの情報もある。旧オスマン帝国領への影響力拡大を図っているトルコには、紛争への介入を通じて資源国アゼルバイジャンを取り込みたいとの思惑が透ける。
   一方、アルメニアの同盟国であり、アゼルバイジャンとも武器輸出などで関係を持つロシアは難しい立場に置かれている。  ロシアは勢力圏とみなす南カフカスの不安定化や、北大西洋条約機構(NATO)の一員であるトルコとの衝突を警戒し、介入には慎重姿勢を取っている。
  ただ、ロシアは自国主導の「集団安全保障条約機構」(CSTO)に加盟するアルメニアの防衛義務を持つ。アルメニア本国への攻撃が拡大した場合にはロシアも対応を迫られる。出方次第では、同盟の盟主としてのロシアの威信低下は避けられない。
  今回の戦闘が勃発した背景には、シリア内戦やリビア内戦でそれぞれ敵対勢力を支援するロシアとトルコの関係悪化があった可能性もある。トルコの強硬姿勢を前に、ロシアがナゴルノカラバフをめぐって妥協を余儀なくされるとの見方も出てきた。


2020.9.30-BBC NEWS JAPAN-https://www.bbc.com/japanese/54350762
アルメニア、「トルコ軍が戦闘機を撃墜」 アゼルバイジャンとの戦闘続く

  旧ソビエト連邦のアルメニアとアゼルバイジャンの間で、係争地ナゴルノ・カラバフをめぐって起きている戦闘で、29日までに100人近くが死亡したとみられる。アルメニアは同日、同国軍の戦闘機1機がトルコ軍の戦闘機に撃墜されたと述べた。
  両国による大規模な戦闘は27日から続いており、29日までの3日間で民間人を含む多数の死者が出ている。
  双方ともナゴルノ・カラバフ以外の場所で攻撃を受けたと非難し合っており、戦闘地域が広がりつつある。
  山岳地帯のナゴルノ・カラバフは、国際的にはアゼルバイジャンの一部と認められている。だが、1988~1994年に同国とアルメニアが戦争を繰り広げて以降、アルメニア系住民が支配している。

  アルメニアに軍事基地をもつロシアは、即時停戦を求めている。ロシアはアゼルバイジャンとも友好関係を保持している。
  しかし、アルメニアのニコル・パシニャン首相はロシアのメディアに、戦闘が続いている間に対話は適当ではないと述べるなど、現時点で停戦の可能性は小さい。
  アゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領もロシアのメディアに、アルメニアの現在の姿勢を考えると、交渉はありえない
と述べた。
双方に多数の死傷者か
  アルメニアの通信社によると、ナゴルノ・カラバフの自治当局は、戦闘発生以降に部隊の兵士87人が死亡し、120人が負傷したと述べた。
  同当局はまた、アゼルバイジャン側の死者は400人近くに上っているとし、同国軍の航空機1機、ヘリコプター4機、多数の戦車が破壊されたと述べたという。
  アゼルバイジャンは軍の被害を明らかにしていない。しかし、アルメニアの砲撃で民間人12人が死亡したと発表している。
  メディア報道によると、アゼルバイジャン防衛省はアルメニア軍について、フュズリ、ジェブライル、アーダム、テルテルの各地区にあった拠点を繰り返し奪回しようとし、失敗したと述べた。
  また、アルメニア軍は車列が攻撃を受け、多大な損害を被ったと話した。双方の死傷者に関する説明はともに証明されていない。
トルコ軍機が撃墜?
  アルメニア当局によると、旧ソ連製のアルメニア軍のSU-25戦闘機が29日朝、同国領空でトルコ軍のF-16戦闘機の攻撃を受け、パイロットが死亡した。
  トルコ軍のF-16戦闘機は、アルメニアの領空内60キロメートルまで侵入していたという。アゼルバイジャンを支援しているトルコは、この主張を「まったくの虚偽」として否定している。
  トルコのレジェプ・タイイップ・エルドアン大統領の側近は、「アルメニアは安っぽいプロパガンダ工作を展開するのではなく、占領している地域から撤退すべきだ」と述べた。
  アルメニアの主張を裏付ける物的証拠は示されていない。アゼルバイジャンは、証拠を提示するよう求めている。同国軍はF-16戦闘機を所有していないと述べている。
紛争の背景
  ソ連が崩壊に近づいた1988年、アゼルバイジャン軍とアルメニアの分離独立派が激しい戦闘を開始。1994年に停戦が合意され、ナゴルノ・カラバフはアルメニア系の住民が治めることになった。
  この戦争では何万人もの死者が出たほか、多くのアゼルバイジャン系住民が住む家を追われた。
  現在、ナゴルノ・カラバフは実質的に自治区となっており、アルメニアからの支援に大きく頼っている。ただ、アルメニアを含む国連加盟国は、ナゴルノ・カラバフを国と認めていない。
  ナゴルノ・カラバフ周辺のアゼルバイジャンの領土の一部も、アルメニアが支配している。
  恒久的な和平の合意に向けた協議は成功しておらず、ナゴルノ・カラバフはソ連崩壊後のヨーロッパにおける「凍結した紛争」となっている。
  アルメニアとアゼルバイジャンは長年にわたり、停戦合意に違反して散発的な戦闘を繰り返しており、兵士に死者も出ている。アルメニアは、トルコとアゼルバイジャンとの国境封鎖により、深刻な経済問題に直面している。
  ロシア、フランス、アメリカが共同議長を務める欧州安全保障協力機構(OSCE)のミンスク・グループは、紛争の終結を目指して仲介を試みている。


2020.9.25-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/200925/mcb2009250940016-n1.htm
米国「うんざり」、中国「偏見捨てよ」 国連で再び激しい応酬

  【ニューヨーク=上塚真由】国連安全保障理事会は24日、新型コロナウイルス禍後のグローバル・ガバナンス(多国間統治)を討議するオンラインの公開会合を開き、米国と中露が激しい応酬を繰り広げた。コロナをめぐる米中の対立は22日の一般討論演説でも表面化し、国連を舞台にした応酬はこの日も続いた。

  会合ではまず、中国の王毅国務委員兼外相が、国際協力の必要性を強調。「この困難を乗り切るためには、主要国は冷戦思考やイデオロギーの偏見を捨て、人類の未来を最優先とし、協力しなければならない」と米国を牽制(けんせい)。ロシアのラブロフ外相も「好ましくない国や地政学上の競争国に仕返しするため、私利私欲を推し進めようとする国がいる」と名指しは避けつつも米国を批判した。

両氏の後に演説した米国のクラフト国連大使は、「本日の討議の内容に驚き、うんざりしている。当面の重要な課題ではなく、この会合を利用して、政治的な恨みに集中する理事国がいる」と中露に反発。さらに、中国当局の隠蔽体質が新型コロナの拡大を招いたと改めて批判し「トランプ政権は不人気であろうと、正しいことをしていく」と述べ、中国の責任を追及していく考えを示した。
  会合ではその後も中国の張軍国連大使が演説で「米国のコロナ対策に失敗したのは、自国の責任だということを理解すべきだ」と応じ、激しい舌戦が続いた。



2020.8.15-産経新聞 SANKEI NEWS WEB-https://www.sankei.com/west/news/200815/wst2008150002-n1.html
「紫電改」が墜落 葬られた列車転覆事故 75年後の慰霊碑

  第二次大戦中、さまざまな大事故や災害などが「軍事機密」を理由に秘匿された。兵庫県加西市の旧国鉄北条線(今の北条鉄道)で起こった列車の脱線転覆事故もその一つだ。多数の死傷者を出した列車事故として報道されたものの原因や経緯などは闇に葬られた当時最新鋭の戦闘機「紫電改」が墜落した際、線路に損傷を与えたため起こった事故だったからだ。操縦士や列車の乗客ら12人が死亡し、62人が重軽傷を負う大惨事だった。(小林宏之)
脱線転覆事故
  米軍による空襲が本格化し、沖縄上陸も間近に迫った昭和20年3月31日。試験運転をしていた海軍の新鋭戦闘機「紫電改」が午後4時過ぎ、北条線網引(あびき)駅近くの畑に墜落した。操縦士は不時着しようとした際、後輪を線路に引っ掛け、ねじ曲げてしまった。間もなく満員の乗客を乗せた列車が現場を通りかかり、脱線転覆事故が起こったのだ。
  当時、駅近くの自宅で農作業をしていた藤原昭三さん(91)が振り返る。「上空で飛行機のエンジン音が繰り返し聞こえては消え、おかしいなと思っていたら、『ドドーン』と腹の底をえぐるような轟音(ごうおん)が響き渡った。麦畑の方へ急いで走ると、あまりに無残な光景に息をのんだ」
  紫電改の機体が畑に突っ込み、大破していた。それだけではなく、紫電改が曲げた線路は枕木を付けたまま1メートルほど宙に浮き、そうとは知らずに突っ込んでいった列車が脱線。横倒しになった機関車に、折れ曲がった客車が乗り上げていた。
  藤原さんら駆け付けた住民は、犠牲者の搬出や負傷者の救出に当たった。「生死不明のケースを含めて数え切れない人を、急ごしらえの担架やリヤカーなどを使って近くの公会堂に運んだ」。公会堂には遺族や負傷者の家族も詰めかけ、婦人会も炊き出しを行うなど作業は深夜に及んだ。
事故伝える新聞
  北条線沿線では、昭和18年に姫路海軍航空隊の鶉野(うずらの)飛行場が開設され、隣接して軍用機の組立工場もあった。紫電改の試験飛行による事故が当地で起こったのは、そのためだ。当時16歳だった藤原さんは飛行場内の工事を請け負う会社で働き、北条線に乗って通勤していた。
  「事故の犠牲者や負傷者には海軍関係者や飛行場関連の労働者もいた。私はあの日たまたま欠勤していたが、本当なら乗っていたかもしれない列車だった」
  事故を伝える記事を載せた新聞が、藤原さんの手元にある。「戦況でも大地震でも『機密事項だ』などとして情報統制されていた時代。『紫電改』も軍人の犠牲者も登場しない、ごく小さな記事だが、事故の発生を載せただけでも歴史に残る意義がある」
  事故から75年を迎えた今年3月31日、事故現場となった線路脇で、慰霊碑が除幕された。北条鉄道や事故の遺族関係者らが建立し、出席者が「列車事故殉難の碑」と刻まれた碑に手を合わせた。
平和考える機会に
  長らくベールに包まれていた事故。生存者や藤原さんのような目撃者が事故について語ったり文章に残したりするようになったのは、ここ20~30年のことだという。
  「鶉野飛行場がなければこんな惨事が起こることもなかったとも思うが、自分にとって鶉野は、人生の一部といえる大きな意味を持つ場所だ」と複雑な心境を吐露する藤原さん。自身が慰霊碑を訪れたことはないが、「形だけの合掌ではなく、戦争について平和について考え続ける機会にしてほしい」と願っている。



2020.8.11-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/d6c8bf7a269748e08f97df25df22cc411b951241
「回天特攻隊員の遺書」作者存在せず 元海軍士官が創作疑い

  先の大戦で日本軍が開発した人間魚雷「回天」の搭乗員が書いたとされ、インターネット上に流布している「18歳の回天特攻隊員の遺書」の作者は実在しないことが11日、回天研究者ら関係者への取材で分かった。元海軍士官の男性(故人)の創作だった疑いが強い男性は戦後、特攻隊員の遺書の収集に携わっており、研究者はこうした複数の遺書を基に創作した可能性を指摘している。(大森貴弘)

  《お母さん、私は後3時間で祖国のために散っていきます。胸は日本晴れ。(中略)お母さん。今日私が戦死したからといってどうか涙だけは耐えてくださいね。でもやっぱりだめだろうな。お母さんは優しい人だったから。お母さん、私はどんな敵だって怖くはありません。私が一番怖いのは、母さんの涙です》
  この元回天特攻隊員の遺書とされるものが世に出たのは平成7年。元海軍士官の男性が皇学館大の戦没学徒慰霊祭で講演し、大学が講演録として冊子にまとめた。
  この中で男性は自身を回天の元搭乗員と名乗り、先に出撃した仲間の遺書として名前を出して披露。遺書そのものは家族に渡したとして示さなかった。
  男性は立命館大在学中、海軍に志願。海軍辞令公報によると、昭和19年12月に一等巡洋艦「八雲」配属の後、富山県の伏木港湾警備隊で少尉として終戦を迎えた。防衛研究所所蔵の回天搭乗員名簿に男性の名前はない。
  男性が遺書の作者として名前を出した人物は搭乗員の中にいるが、戦死の状況が異なる上、遺書に書かれている家族構成も実際とは違っていた。そもそも別の遺書を残しており、今回の遺書とは関係がなかった。

   回天の元搭乗員でつくる全国回天会は平成12年、講演録をまとめた皇学館大に抗議した。当時は存命中の元搭乗員も多く、男性の話の矛盾を突き止めたという。大学側は謝罪し、講演録の絶版を約束した。
   しかし講演録の販売は継続され、男性は各地で同様の講演を続けた。皇学館大は「担当者が不在のため詳細は分からない」という。動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」に男性が遺書の話を語る動画が配信され、回天の基地があった山口県周南(しゅうなん)市の観光協会が遺書の内容を手ぬぐいなどに印刷して販売、事実として定着した。
   男性は戦後、広島県に住み、地元自治体の広報誌によると19年に死亡した。関係者によると、生前は特攻隊員の遺書の収集に携わっていた。
   回天研究家の山本英輔氏は「似た内容の複数の遺書を組み合わせて創作した可能性がある。戦争当事者が少なくなる中、資料の創作や改竄(かいざん)はどこでも起きると考えるべきで、受け手の意識も問われる」と指摘。回天記念館(山口県周南市)の三崎英和研究員も「さまざまな状況を考えると創作と断定せざるを得ない。この遺書を信じて来館する人もおり、正確な情報を伝えたい」と話している。

■回天
通常の魚雷に1人乗りの操縦席を設けることで命中率を高めようと、日本海軍が開発した特攻兵器。天を回(めぐ)らし戦局を逆転させる」との願いが込められた。先の大戦中の昭和18年末、2人の青年士官が考案し上層部に開発を直訴したとされる。19年7月から搭乗員を募集。9月以降、山口県や大分県の計4基地で訓練が始まり、終戦までの9カ月間で延べ148人が出撃、106人が命を落とした。回天を搭載した潜水艦が撃沈されるなど、回天作戦全体の戦死者は1299人だった。







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