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北朝鮮 2021年8月~2022年3月



2022.03.30-Yahoo!Japanニュース(中央日報)-https://news.yahoo.co.jp/articles/2f7b2bfdd7d6bb3c1ae7b10466afd4ccb945b285
「北朝鮮のICBM火星17型が16日に爆発、平壌に破片の雨が降った」

  北朝鮮が16日に平壌(ピョンヤン)の順安(スンアン)空港一帯で試験発射した新型大陸間弾道ミサイル(ICBM火星17型平壌上空で爆発した後、破片が雨のように降り注いだため民間に被害が発生したと国会国防委員会所属の河泰慶(ハ・テギョン)議員(国民の力)が29日に話した

  これに先立ち韓米軍当局は北朝鮮が16日に火星17型の3回目の試験発射をしたが上昇途中の高度20キロメートルまでに爆発したと明らかにした。 河議員は29日の国会国防委員会で国防部非公開懸案報告を受けた後に記者らと会い、「16日に(火星17型が)数キロメートル上空で肉眼で見えるほど爆発して破片の雨が降った
  人命被害は確認されていないが民間人に被害が発生した」と伝えた。彼は「平壌市民が驚き、民心離反が体制不安にまで進みかねない状況だったためこれを速やかに解決しようと急いで火星15型を発射し(火星17型発射に)成功したと宣伝したもの」と述べた。 ただ国会国防委員長のミン・ホンチョル議員(共に民主党)は「ミサイルが上空で爆発すれば当然破片が落ちる。雨のように降ったというのは(河議員の)個人の意見にすぎない」と話した。続けて「北朝鮮が24日に発射したミサイルは移動式発射台を使うなど発射方法がもう少し進化した火星15型。北朝鮮は火星17型だと主張したが、韓米共助下での判断は火星15型だった。北朝鮮が欺瞞しているもの」と述べた。 国防部は北朝鮮の追加挑発と関連して「7回目の追加核実験、火星17型追加挑発などの可能性を念頭に韓米両国は詳細な対備態勢を準備している。韓米合同演習を積極的に検討している」と報告した。


2022.03.25-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220325/k10013551431000.html
北朝鮮 新型ICBM「火星17型」発射映像を公開 米を強くけん制か

  北朝鮮は、キム・ジョンウン(金正恩)総書記の立ち会いのもとで24日、新型のICBM=大陸間弾道ミサイルだとする「火星17型」を発射した際の映像を、25日公開しました。
  アメリカ全土を射程に収める可能性があるICBM級ミサイルの能力を誇示することで、バイデン政権を強くけん制する狙いがあるとみられます。

  北朝鮮国営の朝鮮中央テレビは、25日午後3時すぎからキム・ジョンウン総書記の立ち会いのもとで24日、新型のICBMだとする「火星17型」が発射された際の映像を、およそ16分間にわたって放送しました。
  映像では、サングラス姿のキム総書記が見守る中、片側11輪の移動式発射台に載せられた「火星17型」が格納庫から空港の一角へ移動し、垂直に立ち上げられる様子が映っています。
  そして、カウントダウンのあと、発射ボタンが押されると、オレンジ色の炎を吹き出しながらごう音とともに上昇するミサイルが、さまざまな角度から捉えられています。
  また、ミサイルに搭載されたカメラで撮影したとみられる、地表が遠のいていく映像や、上空でミサイルが切り離される様子のほか、軍の幹部らとともに喜び合うキム総書記の姿などが確認できます。
  北朝鮮としては、発射の翌日に映像を公開することで、アメリカ全土を射程に収める可能性があるICBM級ミサイルの能力を誇示することで、バイデン政権を強くけん制する狙いがあるとみられます。

  北朝鮮が去年1月に打ち出した「国防5か年計画」には、固体燃料を用いたICBMの開発や、ミサイルに複数の弾頭を積む「多弾頭化」、それに核兵器の小型化・軽量化などが盛り込まれていて、今後、ICBM級のさらなる発射や7回目の核実験など、北朝鮮が核・ミサイル開発をいっそう加速させることが懸念されています。
落下したとみられる時間帯 周辺海域にはあわせて23隻の船
  船の位置情報などを公開している民間のホームページ「マリントラフィック」によりますと、北朝鮮の弾道ミサイルが落下したとみられる時間帯に、周辺の海域にはあわせて23隻の船がいました。
  日本の船籍の船や日本の会社が運航する船は7隻で、このほか中国や韓国の会社が運航する貨物船などが航行していました。
  このうち、当時、現場海域を航行していた貨物船を運航する北九州市の海運会社は、NHKの取材に対し「落下場所が日本に近すぎる。船だと避けようがなく、ポイントによっては影響が出てもおかしくはない。危険なのでやめて欲しい」と話していました。
  このホームページで表示されるのは、AIS=船舶自動識別装置による位置情報などを発信している船が中心で、水産庁などによりますと、実際には、AISの搭載が義務づけられていない小型の日本漁船などが現場海域に複数いたということです。
専門家「日本上空を越え太平洋に撃ち込むことも想定を」
  北朝鮮が発射した新型のICBM=大陸間弾道ミサイルだとする「火星17型」について、ミサイルの専門家で、未来工学研究所の西山淳一研究参与は「最大射程が1万5000キロぐらいで、アメリカ本土全域をカバーできるだけではなく、技術的にはそれよりも近い場所は当然狙えるということを示している」と指摘し、アメリカ本土への攻撃を念頭に置いたミサイルで、安全保障上の脅威がいっそう高まったという見方を示しました。
  その上で、「技術者としては実際に近い軌道で飛ばせるかを確認したいと思うので、日本の上空を越えて太平洋に撃ち込むということも想定しておかなければいけない」と述べ、同様の発射を繰り返すだけでなく日本の上空を越える形での発射も警戒すべきだと指摘しました。
  その上で、2017年に発射したICBM級の「火星15型」との比較について「『火星15型』のエンジンが2つだったのに比べて、『火星17型』は4つになっていて、重いミサイルを打ち上げ、遠くまで飛ばすことができるようになっている」として、北朝鮮のミサイル技術が向上しているとする見方を示しました。
松野官房長官 “追加の制裁措置も含めて検討”
  北朝鮮がICBM=大陸間弾道ミサイル級のミサイルを発射したことを受けて、松野官房長官は、アメリカや韓国とも連携し、北朝鮮に対する追加の制裁措置も含めて検討を進める考えを示しました。
  北朝鮮のミサイル開発をめぐり、アメリカ国務省は24日、開発計画のための重要な物資を輸送したとして、北朝鮮とロシアの合わせて3つの団体と2人を制裁対象に追加したと発表しました。
  これについて、松野官房長官は午後の記者会見で「アメリカの立場を支持している」と述べるとともに、北朝鮮の人の入国の原則禁止や、輸出入の禁止といった、日本独自の制裁措置などを、引き続き、徹底して実施すると説明しました。
  そのうえで、北朝鮮がきのう、ICBM=大陸間弾道ミサイル級のミサイルを発射したことを受け、アメリカや韓国とも連携し、追加の制裁措置も含めて検討を進める考えを示しました。
韓国 ユン次期大統領 中国の習近平国家主席に協力要請
  韓国のユン・ソギョル(尹錫悦)次期大統領は、25日午後5時半から25分間にわたって、中国の習近平国家主席と電話で会談しました。
  ユン氏側の発表によりますと、会談では新型のICBM=大陸間弾道ミサイルを発射したと発表した北朝鮮への対応をめぐっても意見が交わされたということです。
  この中でユン氏は、北朝鮮による深刻な挑発によって朝鮮半島や地域の緊張が高まり、国民が非常に憂慮していると強調したうえで、完全な非核化を実現し、朝鮮半島情勢を安定させるため協力していこうと呼びかけたということです
  また、ことしで国交樹立から30年を迎える中韓の関係をさらに発展させていくことで一致し、ユン氏の就任後、早い時期に首脳会談を行うことができるよう緊密に連携していくことを確認しました。
  一方、韓国大統領府によりますと、これに先立ち、ソ・フン(徐薫)国家安保室長がユン氏に対して、24日の北朝鮮の発射に関連する情報や政府の対応などについて説明したということで、政権移行期に外交や安全保障上の懸案にしっかりと対応するため協力を続けていくとしています。
中国外務省「現状に懸念 対話の再開を」
  北朝鮮が新型のICBM=大陸間弾道ミサイルの発射実験に成功したと発表する一方で、アメリカが北朝鮮のミサイル開発計画に絡んで北朝鮮とロシアの団体や個人を新たに制裁対象に追加したことについて、中国外務省の汪文斌報道官は25日の記者会見で「現状に懸念を表明する」と述べました。

  そのうえで「状況のさらなる悪化やエスカレートにつながるいかなる動きもとるべきではない。関係国は自制を保って、政治的な解決という方向性を堅持して、早く対話を再開し、状況を打開させるよう望む」と述べ、北朝鮮やアメリカなど関係国に対し、対話の再開を重ねて呼びかけました


2022.03.25-NHK NEWS WEB-
北朝鮮 朝鮮中央通信「新型ICBM『火星17型』発射実験に成功」

  北朝鮮は24日、キム・ジョンウン(金正恩)総書記の立ち会いのもと、新型のICBM=大陸間弾道ミサイル「火星17型」の発射実験に成功したと25日発表しました。北朝鮮が「火星17型」の発射を発表したのは初めてです。これは、25日付けの北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」が1面で伝えたものです。

  それによりますと「きのう、キム・ジョンウン総書記の立ち会いのもと、新型のICBM=大陸間弾道ミサイル『火星17型』の発射実験に成功した」ということです。
  発射はキム総書記が23日に下した命令を受け、首都ピョンヤン郊外のスナン(順安)にある国際空港から日本海に向けて、通常より角度をつけて高く打ち上げる「ロフテッド軌道」で行われ「最高高度は6248.5キロに達し、1090キロの距離を1時間7分32秒飛行して、予定された水域に正確に着弾した」としています。
  キム総書記は「強力な核戦争抑止力を質・量ともに持続的に強化する。アメリカ帝国主義との長期的な対決に徹底して準備していく」と述べ、アメリカを強くけん制しました。
  片側11輪の移動式発射台に搭載された弾道ミサイル1発が、垂直に立ち上げられたあと、オレンジ色の炎を吹き出しながら上昇していく様子などが確認できます。
  北朝鮮が「火星17型」の発射を発表したのは、これが初めてで、きのう午後に発射され、北海道の渡島半島の西、およそ150キロの日本のEEZ=排他的経済水域の内側に落下したとみられるICBM級の弾道ミサイルを指すとみられます。
  北朝鮮は、アメリカとの史上初の首脳会談を前にした2018年4月にICBMの発射実験と核実験の中止を表明していて、ICBM級の本格的な発射は2017年11月の「火星15型」以来です。
  今回の発射によって、北朝鮮がことし1月に示唆したとおり、ICBMの発射実験の中止を見直したことが明確になった形です。
  北朝鮮は、来月にキム総書記の祖父キム・イルソン(金日成)主席の生誕110年などの重要な節目を控え「偵察衛星の打ち上げ」と称してICBM級のさらなる発射を強行する可能性も指摘されていて、関係国の警戒が一段と強まっています。
「労働新聞」1面から4面にかけて「火星17型」発射関連
  「労働新聞」には、1面から4面にかけて「火星17型」の発射に関連した28枚の写真が掲載され、1面にはキム総書記が発射を命じる書類に署名する様子が大きく写っています。
  書類には手書きでキム総書記の名前とともに「発射実験を承認する。3月24日に発射する。祖国と人民の偉大な尊厳と名誉のために勇敢に撃て」と書かれています。
  このほか、朝鮮労働党で核・ミサイル開発を主導している「軍需工業部」の文字も確認できます。また、1面には「火星17型」の前に立つサングラスをかけたキム総書記と、ミサイルがオレンジ色の炎を吹き出しながら上昇していく様子が掲載されています。また、片側11輪ある移動式発射台からミサイルが徐々に立ち上げられる状況も確認できます。
  さらに発射を指揮しているとみられる部屋の内部や、キム総書記が窓越しに発射を眺める様子も写っています。このほか発射の後とみられる写真には、キム総書記が軍人たちと記念写真を撮影した様子も写っています。
「火星17型」とは
  北朝鮮が24日発射したと発表した新型のICBM=大陸間弾道ミサイル級の「火星17型」は、おととし10月、朝鮮労働党の創立75年に合わせてピョンヤンで行われた軍事パレードで初めて公開されました。
  パレードでは、これまでの北朝鮮のミサイルの中で最も長い片側11輪の車両に載せられ「巨大な核戦略兵器」と紹介されていました。その大きさは、2017年11月に片側9輪の移動式発射台から発射されて最高高度が4000キロを超え、北朝鮮が「アメリカ本土全域を攻撃できる」と主張したICBM級の「火星15型」を上回っていました。
  去年10月にピョンヤンで最新の兵器を集めて開かれた「国防発展展覧会」でも、このミサイルが展示されていたのが確認され、関係国が警戒と監視を強めていました。


2022.03.24-dmenuニュース-https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/sankei/world/sankei-_world_korea_YWLOHABK4JJJZAF7JKUVQKZLLE?fm=topics
レッドライン越えた北朝鮮 米欧VS中露の間隙突き

  【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮は24日、大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射し、「レッドライン(越えてはならない一線)」を踏み越えたロシアによるウクライナ侵攻で米欧対中露の対立構図が深まる中、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が、国際社会が対北圧力で一致できない絶好のタイミングだと踏んだ可能性がある。

  「金正恩氏が国際社会への約束を自ら破棄したもので、朝鮮半島や国際社会に深刻な脅威となる」。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は24日、国家安全保障会議(NSC)でこう批判した。正恩氏が2018年に宣言したICBM発射と核実験凍結の破棄と同時に、文氏の南北融和策の終焉(しゅうえん)も意味した

  北朝鮮の国家宇宙開発局の科学者は、国防5カ年計画で偵察衛星を多数打ち上げるとした22日公開の文書で「宇宙開発は主権国家の合法的な権利だ」と主張。米国を念頭に「帝国主義者らが妨害している」と批判した。北朝鮮は今回の発射も「宇宙開発が目的だ」と強弁する可能性がある。
  北朝鮮は来月15日に金日成(イルソン)主席生誕110年の記念日を迎える。今月16日にも弾道ミサイル発射に失敗したばかりで、是が非でも記念日までに発射を成功させ、国威発揚につなげようとの執念が読み取れる。

  正恩氏を発射に踏み切らせた要因の一つがロシアのウクライナ侵攻だったとみられる。これまでロシアを擁護してきた北朝鮮外務省は21日にウェブサイトに掲載した記事で「中国外務省報道官がウクライナ問題で中国を圧迫する米国を非難した」と紹介し、中国と歩調を合わせて米側を批判した。ウクライナ侵攻を機に中露朝対米欧の対立を浮き彫りにさせる意図がうかがえる。中国は1月から中朝間の列車運行を許可し、多くの物資を北朝鮮に供給、物理的にも北朝鮮を支える姿勢を鮮明にしている。

  北朝鮮外務省は24日、北朝鮮のミサイル発射を非難して拉致問題解決を迫る岸田文雄首相を批判する記事も掲載。拉致問題について「もはや存在もしない。完全無欠に解決された」と主張し、日本とも対立する態度を示している。


2022.03.20-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220320-M3TVJTXEH5IFTH2LZK7VURJHRU/
北朝鮮、多連装ロケット砲4発発射か

  【ソウル=時吉達也】韓国軍関係者は20日、北朝鮮が同日午前に放射砲(多連装ロケット砲)を発射したとみられると明らかにした。聯合ニュースによると、午前7時20分ごろから約1時間にわたり、北朝鮮中部の平安南道(ピョンアンナムド)から朝鮮半島西側の黄海上に放射砲4発を発射したとみられる。

  専門家からは、冬季軍事訓練の一環として行われた可能性などが指摘されている。韓国大統領府は国家安全保障会議(NSC)の関係次官会議を緊急開催。大統領府報道官は「(韓国の)政権移行期に安保の空白が生じないよう堅固な備えを維持する」と述べた。
  北朝鮮は今月16日にも弾道ミサイルを発射したが、直後に爆発した。4月15日の故金日成(キム・イルソン)主席生誕110年の記念日に合わせ新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射する可能性があり、日米韓は関連する性能の検証を目的とした試験発射が今後も続くおそれがあるとして警戒している


2022.03.16-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20220316-P5ZN5TBYQ5JBLJY6KZZFOZUT3Y/
北ミサイル、空中爆発か 首都近郊に「破片落下」

  韓国軍関係者は16日、北朝鮮が同日午前に首都平壌の順安付近から発射したのは弾道ミサイルと推定されるとした上で、高度20キロ以下で空中爆発、失敗したもようだと明らかにした。韓国メディアによると、韓国軍は2月27日、3月5日に続いて新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した可能性が高いとみている。北朝鮮専門サイト「NKニュース」はミサイルの破片が平壌近郊に落ちたと伝えた。(共同)

  韓国の軍事専門家は、液体燃料型のエンジン系統に問題が生じた可能性を指摘。NKニュースは、16日の発射後の平壌上空の写真を確認したとし、ジグザグになったミサイルの軌跡の先に赤い煙の玉が写っていると報じた。複数の目撃者によると、大型航空機が飛ぶような音が聞こえた後、爆音が響いたという。


2022.03.16-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220316-ZWDDVNPUYZNLTASU4VSKCQ2R2M/
北、弾道ミサイル発射か 韓国軍は「失敗」と分析

  【ソウル=時吉達也】韓国軍合同参謀本部は16日、北朝鮮が同日午前9時半ごろ、首都平壌(ピョンヤン)の順安(スナン)付近から飛翔(ひしょう)体を発射したが、発射直後に失敗したとみられると明らかにした。日本の防衛省関係者は、飛翔体は弾道ミサイルとみられるとしている。

  現地の順安空港付近では今月上旬、ミサイル発射台付き車両(TEL)を置くためとみられるコンクリートの土台の設置が確認された。軍用車両などの動きも活発化しており、北朝鮮が近く大陸間弾道ミサイル(ICBM)級の長距離ミサイルを発射する可能性が高いとみて、日米韓は警戒を強めていた。
  北朝鮮は2月27日と3月5日、「軍事偵察衛星の開発目的」と称して弾道ミサイルを発射。日米韓は、新型のICBM級発射システムが用いられたとの見解を示している。


2022.03.11-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220311-V44BXKGTYJINTL642E5WMQQYYQ/
北ミサイルは「ICBM級」 最大射程試験前検証か 防衛相

  岸信夫防衛相は11日の記者会見で、北朝鮮が2月27日と3月5日発射した弾道ミサイルについて、いずれも大陸間弾道ミサイル(ICBM)級だったとの分析を明らかにした。最大射程での試験を行う前の機能検証を目的とした可能性があるとの見方も示した。

  防衛省は米政府と連携しながら分析した結果、北朝鮮が発射した2回の弾道ミサイルは、いずれも最大射程5500キロ以上のICBM級で、2020年10月に北朝鮮が実施した軍事パレードで初めて確認されたものと同一であるとの評価に至った。
  岸氏は「最大射程での発射試験を行う前に何らかの機能の検証を行うことを目的とし、発射された可能性がある」と指摘。既存のICBMである1万キロ以上の射程を持つ「火星15」を超える大きさが確認されたことから、「射程の延伸や弾頭の大型化、多弾頭化を企図しているとの指摘もある」と述べた。
  北朝鮮が発射した2月27日の弾道ミサイルは最高高度約600キロ、飛翔(ひしょう)距離約300キロ、3月5日のものは最高高度約550キロ、飛翔距離約300キロと推定。いずれも平壌近郊から東方向へ、通常より高く打ち上げる「ロフテッド軌道」での発射とみられている。


2022.03.05-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220305-UAKOJGSBJRKR3MIC6ZSGU634OY/
北朝鮮が日本海へ弾道ミサイル1発発射 ウクライナ侵攻に乗じ今年9回目

  【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮は5日午前8時48分ごろ(日本時間同)、日本海に向けて飛翔(ひしょう)体を発射した。韓国軍合同参謀本部は、弾道ミサイル1発との見方を示すとともに、発射地点は首都、平壌の順安(スナン)付近と発表した。日本政府も弾道ミサイルの可能性があるとしている。日本政府関係者によると、日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したとみられる。

  北朝鮮によるミサイル発射は今年9回目。先月27日にも順安付近から弾道ミサイルを発射したばかりで、北朝鮮は28日、「偵察衛星開発のための重要テスト」だったと主張した。
  北朝鮮は、国際社会がロシアによるウクライナ侵攻への対応に追われる中、核・ミサイル開発を堅持する姿勢を行動で示した形だ。
  北朝鮮外務省は5日までに同省のキム・ジョンギュ欧州1局長が3日にマツェゴラ駐朝ロシア大使と会談し、両国間の戦略的協力の強化について協議したと発表した。北朝鮮はウクライナ問題について、責任は米国にあると主張し、後ろ盾であるロシアを擁護する姿勢を強めている。
  一方で、5日は最大の後ろ盾である中国の全国人民代表大会(全人代=国会)の開幕日に当たる。4日には北京冬季パラリンピックが開幕した。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記は北京五輪開催に合わせ、中国の習近平国家主席への親書などで中朝の協力強化を確認しており、ミサイル発射による中朝関係への影響は限定的と判断した可能性がある。
  韓国では、9日に大統領選が行われる。


2022.02.28-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220228/k10013504831000.html
北朝鮮「偵察衛星開発実験」発表 今後のICBM発射へ警戒強まる

  北朝鮮は偵察衛星の開発のための重要な実験を27日に行ったと発表しました。新たな「宇宙開発計画を掲げる北朝鮮が今後「人工衛星の打ち上げ」と称してICBM=大陸間弾道ミサイルを発射する可能性が指摘されていて、関係国は警戒を強めています

  28日付けの北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は、国家宇宙開発局と国防科学院が偵察衛星の開発のための重要な実験を27日に行ったと伝えました。
  実験では偵察衛星に搭載する撮影機器で特定地域を撮影し、高性能の撮影・伝送システムの動作などを確認したとしていて、宇宙空間から朝鮮半島を撮影したとみられる写真2枚を公開しました。

  北朝鮮は去年1月に打ち出した「国防5か年計画」に固体燃料を用いたICBM=大陸間弾道ミサイルなどとともに軍事偵察衛星の開発を盛り込んでいるうえ、新たな「宇宙開発5か年計画」が去年から始まりすでに成果を上げていると強調していました。
  また2016年に「地球観測衛星の打ち上げ」と称して北西部のトンチャンリ(東倉里)にある固定式の発射台から事実上の長距離弾道ミサイルを発射してから6年となった今月7日には、北朝鮮の国営メディアが「宇宙征服のための道はきょうもあすも続く」とする当局者のインタビューを伝えています。
  一方、韓国の情報機関 国家情報院は先月、北朝鮮がアメリカとの対立局面の長期化を念頭に今後緊張を高めるため「人工衛星の打ち上げ」と称してICBMを発射する可能性があるという見方を示していて、関係国は警戒を強めています。

  「人工衛星の打ち上げ」と称し過去もICBM発射繰り返す北朝鮮は、宇宙を平和的に利用する権利があると主張し、国際機関に事前に通告したうえで「人工衛星の打ち上げ」と称して事実上の長距離弾道ミサイルの発射を繰り返した経緯があります。

  2012年4月、キム・ジョンウン(金正恩)総書記の祖父、キム・イルソン(金日成)氏の生誕100年を前に、北西部のトンチャンリ(東倉里)にある「ソヘ衛星発射場」の固定式発射台から「地球観測衛星の打ち上げ」と称して事実上の長距離弾道ミサイルを発射しました。

その際NHKなど外国メディアに発射施設を初めて公開し、国際社会に向けて透明性をアピールしましたが、発射には失敗しました。
  続いてこの年の12月、キム総書記の父、キム・ジョンイル(金正日)氏の死去から1年となるのに合わせて「地球観測衛星の打ち上げ」と称して同じ「ソヘ衛星発射場」から事実上の長距離弾道ミサイルを発射し、北朝鮮は「人工衛星が軌道に正確に進入した」と発表しました。
さらに2016年2月には、再び「ソヘ(西海)衛星発射場」から「地球観測衛星の打ち上げ」と称して「テポドン2号」の改良型とみられる、事実上の長距離弾道ミサイルを発射しました。

  北朝鮮は「地球観測衛星を軌道に進入させることに完全に成功した」として「特別重大報道」の形で大々的に発表しました。
これについて韓国国防省は、射程がアメリカ東海岸に到達する1万2000キロと推定されると分析した上で、何らかの物体が地球を周回する軌道に達したものの、信号は確認されていないと明らかにしました。
  一方、国連の安全保障理事会は、明白な決議違反だと非難しましたが、北朝鮮は「平和的な宇宙開発は主権国家の合法的な権利だ」などと正当化し、宇宙開発を推し進める姿勢を示してきました。


2022.02.07-日本経済新聞-https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB071TI0X00C22A2000000/
北朝鮮、仮想通貨50億円以上盗む 安保理パネル指摘

  【ニューヨーク=共同】国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会の下で制裁違反の有無を調べる専門家パネルが年次報告書の中で、北朝鮮が2020年から21年半ばにかけ、暗号資産(仮想通貨)取引所へのサイバー攻撃を通じ計5千万ドル(約58億円)分以上を盗み出したと指摘していることが分かった。加盟国からの情報だとしている。ロイター通信が5日報じた。

  報告書は、北朝鮮が制裁を逃れながら外貨を獲得する手段として「仮想通貨を狙ったサイバー攻撃は依然として重要な収入源だ」と分析。昨年の年次報告書では、北朝鮮が19~20年にサイバー攻撃で仮想通貨計3億ドル余りを盗んだと指摘していた。
  北朝鮮の人々の暮らしぶりについては「悪化し続けている」とし、新型コロナウイルス対策で当局が実施している厳格な移動制限が原因の可能性があるとの見解を示した。一方、安保理制裁が国民の困窮を招いているとの見方については、情報が不足しているとして評価を避けた。
  北朝鮮の核・ミサイル開発を巡っては「ミサイル部隊の迅速な展開や海上を含む機動性など、能力は向上している」と記載。開発推進のため、材料や技術を海外に求め続けているとした。


2022.01.31-朝日新聞-https://www.asahi.com/articles/ASQ105TBWQ10UHBI01B.html
ミサイル「火星12」、北朝鮮が実戦配備を示唆 対話行き詰まる米国

  北朝鮮の朝鮮中央通信は31日、「中長距離弾道ミサイル『火星12』」の試射を30日に行った、と報じた。同日朝に北朝鮮北部の慈江道舞坪里(チャガンドムピョンリ)付近から日本海に発射された弾道ミサイル1発を指しているとみられる。火星12が「生産、装備されている」とも伝え、実戦配備を示唆した。

  北朝鮮のミサイル発射は1月に入って7回目。今回はグアムまでを射程に収める中距離ミサイルだった。韓国統一研究院北朝鮮研究室の洪珉(ホンミン)室長は、多様な攻撃能力の保持を「段階的に見せることに焦点を置いている」と指摘する。日米韓は北朝鮮が米国などを牽制するため、今後、米本土にも届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射する可能性も高いとみて警戒している。
  朝鮮中央通信は、試射は国防科学院のほか、軍需経済を担う第2経済委員会などの計画により「全般的な兵器システムの正確性を検証する目的で行われた」と報じている。日本海に向けて「周辺国の安全を考慮」し、距離を縮めるために通常より高角度の「ロフテッド軌道」で発射したとも伝えた。金正恩総書記の視察には触れていない。


2022.01.31-読売新聞-https://www.yomiuri.co.jp/politics/20220131-OYT1T50061/
北ミサイル、グアム射程の可能性…外務省局長「烈度が高い」
(1)
  政府は、北朝鮮が中距離以上とみられる弾道ミサイル発射に踏み切ったことで、挑発行為は今後さらに強まるとみて警戒している。今回発射されたミサイルは、通常角度での発射なら米領グアムを射程に収められる可能性もある。

  松野官房長官は、30日午前に開いた緊急の記者会見で、ミサイル発射について「烈度の高い弾道ミサイル発射は国連安全保障理事会決議に違反するもので、北朝鮮に厳重に抗議した」と述べ、「烈度の高い」との強い表現で非難した。
  外務省の船越健裕アジア大洋州局長は30日、米国のソン・キム北朝鮮担当特使と電話で協議し、「一連の発射の中でも烈度が高い」との認識を共有した。船越氏は韓国外交省の 魯圭悳ノギュドク 朝鮮半島平和交渉本部長とも電話で協議し、連携を確認した。防衛省幹部によると「烈度」は脅威の強さや激しさを表し、今回は多様なミサイルを高頻度で発射し、挑発の激しさが増したことを受けて使用したという。
   今年に入ってからの6回のミサイル発射と比べ、今回は通常より高角で撃つロフテッド軌道とみられる点が特徴だ。
(2)
  防衛省は高度や飛行距離の共通点から、2017年5月発射の中距離弾道ミサイル「火星12」と同型の可能性があるとみている。同型なら、通常角度の発射で飛行距離は約5000キロ・メートルに及び、日本だけでなく米領グアムも攻撃可能だ。
  北朝鮮は、米国との緊張感が高まっていた17年には高度2000キロ・メートル超のロフテッド軌道での弾道ミサイル発射を4回行い、日本上空を通過する「火星12」を2回発射した。
  岸防衛相は30日、記者団に「(北朝鮮のミサイルが)高度2000キロ・メートル以上で 飛翔ひしょう したのは17年11月29日の『火星15』以来だ」と述べ、挑発の度合いが17年と同レベルに近づいているとの認識をにじませた。


2022.01.30-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220130/k10013457071000.html
北朝鮮 弾道ミサイル発射 最高高度約2000キロ EEZ外側に落下か

  松野官房長官は午前9時すぎ、臨時の記者会見を行い、北朝鮮から30日朝弾道ミサイル1発が発射され最高高度はおよそ2000キロメートル程度に達し、日本のEEZ=排他的経済水域の外側に落下したと推定されると明らかにしました。

  この中で松野官房長官は「北朝鮮は本日7時52分ごろ、北朝鮮内陸部から弾道ミサイル1発を東方向に発射した。詳細は現在分析中だが、当該弾道ミサイルは通常の弾道軌道だとすれば、最高高度およそ2000キロメートル程度、飛しょう時間30分程度、およそ800キロ程度飛しょうし、日本海側のわが国の排他的経済水域外に落下したものと推定される」と述べました。
  そのうえで「政府としては付近を航行する航空機や船舶および関係機関への情報提供を行い、現時点において被害報告などの情報は確認されていない」と述べました。
  また「岸田総理には直ちに報告を行い情報収集・分析に全力を挙げ、国民に対し、迅速・的確な情報提供を行うこと、航空機や船舶などの安全確認を徹底すること、不測の事態に備え、万全の態勢をとることなどの指示があった。政府は総理大臣官邸の危機管理センターに設置している官邸対策室で、関係省庁で情報を集約するとともに、緊急参集チームを招集し、対応を協議した」と述べました。
  そして「このような烈度の高い弾道ミサイル発射は、関連する国連安保理決議に違反するものであり、わが国は北朝鮮に対し、厳重に抗議した。国民の生命・財産を守るため、引き続き、情報収集・分析および警戒監視に全力をあげ、今後追加して公表すべき情報を入手した場合には速やかに公表することとしたい」と述べました。
2019年10月以来「ロフテッド軌道」か
  今回、北朝鮮が発射した弾道ミサイルは最高高度がおよそ2000キロに達し、飛行時間もおよそ30分に及んでいて、防衛省関係者によりますと「ロフテッド軌道」で発射されたとみられるということです。
  「ロフテッド軌道」は、通常よりも発射の角度を上げて高く打ち上げる発射方式のことで迎撃できる高さにまで落下してきた時には非常に速い速度に達しているため迎撃が困難だとされています
  防衛省のまとめでは、北朝鮮がロフテッド軌道で弾道ミサイルを発射したとすれば3年前の2019年10月以来です。
このときは、東部のウォンサン(元山)から発射されたミサイル1発が、およそ17分にわたって飛び、最高高度はおよそ900キロに達しました。
このミサイルについて、防衛省は、SLBM=潜水艦発射弾道ミサイルで、射程は最大でおよそ2000キロと分析しています。
  また、5年前の2017年11月のロフテッド軌道による発射では、飛行高度が4000キロを大きく超えてそれまでで最も高くなり、防衛省は、最大射程が1万キロを超えアメリカ本土にも届きうるICBM=大陸間弾道ミサイル級だと分析しています。
  北朝鮮がロフテッド軌道での発射を繰り返す理由について、防衛省関係者は、ミサイルの最大性能を試したり、能力をアピールしたりするねらいもあるのではないかと指摘しています。
岸田首相 官邸に入る「情報収集に努める」
  岸田総理大臣は、午前9時45分ごろ総理大臣官邸に入る際、記者団に対し「情報収集に努めているが、いまいちど確認する」と述べました。
岸防衛相「被害情報は確認されていない」
  岸防衛大臣は午前9時半すぎ、防衛省で、記者団に対し「北朝鮮はきょう午前7時52分ごろ、北朝鮮の内陸部から弾道ミサイル1発を東方向に発射した。現時点において、わが国の航空機や船舶への被害情報は確認されていない」と述べました。
  そのうえで「詳細については、現在、分析中だが、通常の弾道軌道であれば、最高高度およそ2000キロ程度、30分程度、およそ800キロ飛しょうし、落下したのは日本海側のわが国のEEZ=排他的経済水域の外と推定される」と述べました。
  岸大臣は、記者団が「通常より高い高度に打ち上げる『ロフテッド軌道』と分析しているのか」と質問したのに対し「今、分析しているところだ」と述べました。また、記者団が「ICBM=大陸間弾道ミサイルの可能性はあるか」と質問したのに対し、岸大臣は「これから細かく分析する」と述べました。
韓国軍 北朝鮮が飛しょう体発射したと明らかに
  韓国軍の合同参謀本部は、北朝鮮が30日午前7時52分ごろ、北部のチャガン(慈江)道から日本海に向けて弾道ミサイルと推定される飛しょう体1発を発射したと発表し、アメリカ軍とともに詳しい分析を進めています。
  チャガン道からは、今月5日と11日に弾道ミサイルと推定される飛しょう体が1発ずつ発射されていて、北朝鮮はいずれも「極超音速ミサイル」の発射実験を行ったと、翌日に発表しています。
  北朝鮮は、今月27日にも東部のハムギョン(咸鏡)南道から短距離弾道ミサイルと推定される飛しょう体2発を日本海に向けて相次いで発射し、「戦術誘導弾」の発射実験を行ったと、28日発表したばかりで、北朝鮮による発射はことしに入ってこれで7回目となります。
  北朝鮮メディアは、キム・ジョンウン(金正恩)総書記が、重要な兵器システムを生産している軍需工場を視察し「朝鮮労働党大会が示した軍需政策を徹底して貫徹するための突撃戦に立ち上がらなければならない」と述べ、軍事力のさらなる強化を指示したことを、28日伝えていました。
  北朝鮮は去年1月の党大会で、新型兵器の開発を盛り込んだ「国防5か年計画」を打ち出していて、これに従って核・ミサイル開発を加速させています。
ことしに入っての北朝鮮によるミサイル発射 今回で7回目
  ことしに入って北朝鮮がミサイルを発射したのは、今回で7回目になります。
  ▽1回目は今月5日、北朝鮮北部のチャガン(慈江)道から日本海に向けて弾道ミサイル1発が発射されました。
  北朝鮮は国営メディアを通じて「極超音速ミサイル」の発射実験を行い「700キロ先に設定された目標に誤差なく命中した」と発表しました。
  ▽2回目は6日後の11日、同じ北部のチャガン道から弾道ミサイル1発が日本海に向けて発射され、北朝鮮は、キム・ジョンウン(金正恩)総書記の立ち会いのもと「極超音速ミサイル」の発射実験を再び行ったと発表しました。
この中で「ミサイルから分離された弾頭が1000キロ先の水域に設定された目標に命中した」としたうえで、技術的な特性を確認するための「最終的な発射実験」だったと位置づけました。
  ▽3回目は3日後の14日、北西部のピョンアン(平安)北道から日本海に向けて短距離弾道ミサイル2発が発射されました。
北朝鮮は「鉄道機動ミサイル連隊」が抜き打ちの発射訓練を行い「2発の戦術誘導弾が日本海に設定された目標に命中した」と発表し、立ち会った国防科学院の幹部らが全国的な鉄道機動ミサイルの運用システムを整備する課題について議論したとしていました。
  ▽4回目は3日後の17日、首都ピョンヤン郊外のスナン(順安)にある国際空港付近から日本海に向けて弾道ミサイル2発が発射されました。
北朝鮮は国防科学院などの計画に従って「戦術誘導弾」の発射実験を行い「西部から発射された2発が目標である日本海上の島を精密に打撃した」としたうえで「兵器システムの正確性や安全性などを確認した」としていました。
  ▽5回目は8日後の25日、北朝鮮は長距離巡航ミサイルの発射実験を行ったとしたうえで「2発が2時間32分17秒飛行し、1800キロ先の目標の島に命中した」と主張しました。
  ▽6回目は2日後の27日で、東部のハムギョン(咸鏡)南道から日本海に向けて短距離弾道ミサイル2発が発射されました。
北朝鮮は「2発の『戦術誘導弾』が目標の島を精密に打撃した」としたうえで「弾頭の爆発威力が設計上の要求を満たしていることが確認された」と強調していました。


2022.01.30-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220130-L77MTLZT2BIUJCELEF252BKXFE/
北朝鮮が日本海に向けミサイル発射、今年7回目

【ソウル=桜井紀雄】韓国軍合同参謀本部は30日、北朝鮮が同日、日本海に向けて飛翔(ひしょう)体を発射したと明らかにした。日米韓当局が、ミサイルとみて分析を進めている。
  北朝鮮によるミサイル発射は今年7回目。異例のハイペースの発射で軍備増強の加速を誇示している。


2022.01.27-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220127-JG37GPP5M5PL5LMIQNFOKLV4EY/
北朝鮮へサイバー攻撃か 2日間接続障害

  【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の主要ウェブサイトで、26日から27日にかけて接続障害が起きていたことが分かったロイター通信は英国のインターネットセキュリティー専門家の分析として、大量のデータを同時に送りつけて北朝鮮全体のサーバーをダウンさせるサイバー攻撃が行われたとの見方を伝えている

  英専門家によると、北朝鮮のインターネット網がサイバー攻撃を受けて26日午前から約6時間にわたってダウンしたとみられる。電子メールを扱うサーバーは数時間後に復旧したものの、北朝鮮外務省や政府の公式サイトのほか、高麗(コリョ)航空のサイトへの接続障害が続いた。
  朝鮮労働党機関紙、労働新聞や朝鮮中央通信などのサイトについては27日朝も接続障害が続き、その後に復旧した。
  北朝鮮専門メディア、NKニュースも、北朝鮮でサイバー攻撃によるとみられるネットの接続障害が起きたと14日に報じていた。
  北朝鮮の工作機関の傘下組織が外国に対し、広くサイバー攻撃を行っていることは知られているが、北朝鮮国内では、当局が一般住民によるネット接続を厳しく制限。ネットにアクセスできる権限を持つ人は人口約2500万人のうち1%程度とみられている。
  27日現在、北朝鮮は接続障害に関して公式な立場を示しておらず、北朝鮮へのサイバー攻撃を表明した団体も確認されていない。


2022.01.27-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220127-ZJWKVEI7SZKVRI4AU3DVECWEXU/
北朝鮮がミサイル発射 今年6回目、短距離弾道弾か

  【ソウル=時吉達也】韓国軍合同参謀本部は27日、北朝鮮が同日午前8時ごろ、東部の咸興(ハムフン)付近から日本海に向けて短距離弾道ミサイルと推定される飛翔(ひしょう)体2発を発射したと発表した。飛行距離は約190キロ、高度は約20キロだった。詳しい情報の収集、分析を急いでいる。日本政府関係者によると、ミサイルは日本の排他的経済水域(EEZ)外へ落下したとみられる。

  北朝鮮によるミサイル発射は、今年に入り6回目。「極超音速ミサイル」と称する兵器を含む弾道ミサイルを4回発射したほか、25日にも巡航ミサイルの発射が確認されたばかりだった。
  北朝鮮は19日に開催された朝鮮労働党政治局会議で、「米国の敵対行為を制圧できる物理的手段の強化」に言及。大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射や核実験の再開を示唆していた。
  韓国メディアはICBM発射に先立ち、米グアムを射程に収める中距離弾道ミサイル(IRBM)が近く発射される可能性があるとする情報当局の分析を報道。北朝鮮が今後、段階的に挑発を強める可能性を指摘している。

2022.01.25-FNN プライムオンライン-https://www.fnn.jp/articles/-/304711
北朝鮮 巡航ミサイル発射か 韓国軍が発表-(5回目)

  韓国軍は、北朝鮮が25日午前巡航ミサイル2発を発射したとみられると発表した。

  韓国軍によると、北朝鮮は25日午前、内陸部から巡航ミサイル2発を発射したとみられ、飛行距離や高度など、詳細については分析中
  巡航ミサイルは、弾道ミサイルとは違い、国連安保理決議には違反しないが、北朝鮮は、2021年9月に発射した巡航ミサイルについて、およそ1,500km飛行したとしていて、日本のほとんどの地域が射程に入ることになる
  北朝鮮によるミサイルの発射は、2022年に入って今回で5回目。


2022.01.20-Yahoo!Japanニュース(WOW! KOREA)-https://news.yahoo.co.jp/articles/42f76d5ee2363826795f5180d3975ef89c7c2278
北の「核実験再開」示唆で緊張高まるが…韓国大統領府は依然として「沈黙」

  北朝鮮が核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射の再開を示唆したことで、米朝間の緊張が高まる様相となる中、青瓦台(韓国大統領府)は特別な見解を伝えることもなく事態を見守っている。

  「北朝鮮に対して自粛を求めること以外には、韓国政府がとることのできる措置は特にない」ということだ。
  青瓦台の関係者はきょう(20日)韓国の新聞社“ヘラルド経済”とのインタビューで、北朝鮮官営“朝鮮中央通信”の報道について「特別な見解はない」と語った。
  朝鮮中央通信によると、朝鮮労働党中央委員会はキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記が出席した中、政治局会議を開き、米国への対応方案を話し合った。
   朝鮮中央通信は「我々が先決的・主導的にとっていた信頼構築措置を全面的に再考し、暫定的に中止していたあらゆる活動を再稼働する問題を速やかに検討することに対する指示を該当部門に伝達した」と報道した。
  また「米国はわが国を悪辣に中傷冒涜し、20余回にもおよぶ単独制裁措置とる妄動を行なった」と伝えた。 北朝鮮は2018年4月、朝鮮労働党中央委員会全体会議で「核実験場を廃棄し、核実験および大陸間弾道ミサイル(ICBM)の試験発射を中断する」と宣言していた。
   しかし北朝鮮はことしに入り、4回にわたって弾道ミサイルを発射した。その全てが国連安保理決議違反である。 このように米朝間の緊張が高まっているが、青瓦台はこれに対する言及を避けている。
  北朝鮮が弾道ミサイルを発射する度に、青瓦台では国家安全保障会議(NSC)緊急会議が開かれたが、遺憾表明レベルの見解が伝えられただけだ。米朝間の対峙状況が続いていることで、ムン・ジェイン文在寅)大統領の任期内における最後の宿願である「朝鮮半島平和プロセス」の再稼働の論議も、事実上 “霧散”となった。


2022.01.16-JIJI COM Japan-https://www.jiji.com/jc/article?k=2022011700203&g=int
北朝鮮、また弾道ミサイル 今年4回目、日本海に短距離2発

  【ソウル時事】韓国軍合同参謀本部によると、北朝鮮は17日午前、平壌の順安空港一帯から北東方向の日本海に短距離弾道ミサイルと推定される飛翔(ひしょう)体2発を発射した。日米当局は「弾道ミサイル」と断定した。北朝鮮のミサイル発射は今年に入り4回目

   岸信夫防衛相は、最高高度約50キロ、通常の軌道なら飛距離は約300キロで、日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したとみられると記者団に語った。韓国軍は高度約42キロ、飛距離約380キロと説明している。

   日米両政府は「国連安保理決議違反」などと非難。韓国政府は「非常に遺憾な状況が続いている」と指摘し「対話を早期に始めることが重要だ」と訴えた。
   北朝鮮は今月5日と11日に、いずれも内陸部の慈江道付近から「極超音速ミサイル」と称するミサイルを発射。14日にも内陸部から鉄道発射型の短距離弾道ミサイルを2発発射した。高度や飛距離などから今回のミサイルは14日と同じロシア製の短距離弾道ミサイル「イスカンデル」などに類似したミサイルという見方が出ている。


2022.01.16-Yahoo!Japanニュース(JIJI COM Japan)-https://news.yahoo.co.jp/articles/756779822043a87c9471ca262bb887391d459a15
北朝鮮の貨物列車、中国到着 必需品を輸送か

  【北京、ソウル時事】韓国の聯合ニュースは16日、消息筋の情報として「北朝鮮の貨物列車が16日午前、新義州から鉄橋を渡り、(中国遼寧省)丹東に到着した」と伝えた。  新型コロナウイルスの影響で北朝鮮は2020年1月から陸上貿易ルートを事実上封鎖しており、国際貨物列車の運行は2年ぶりとみられる。

  中国版ツイッター「微博」では16日、国境の鴨緑江に架かる中朝友誼(ゆうぎ)橋を列車がゆっくり通過する様子を撮影した動画が公開された。「本日、列車が丹東入りした。中朝鉄路の検問所は2年間閉じていた」と記している。
   列車が北朝鮮の物資などを積んでいたかは不明。聯合ニュースは、「金正恩総書記の最終承認」で列車が運行し、中国で緊急医薬品と生活必需品などを積んで北朝鮮に戻るもようだと報じた。
  中国から北朝鮮へは、農薬など必需品の輸出が船便で小規模に行われている。ただ、中国では変異株「オミクロン株」の感染が遼寧省大連市などに広がり、首都・北京市も15日に1人の感染を確認した。中朝貿易の本格的再開はまだ先になりそうな情勢だ。 


2022.0115-FNNプライムオンライン-https://www.fnn.jp/articles/-/299327
【速報】北ミサイル“鉄道から発射” ことし3回目...米政府は批判

  北朝鮮メディアが15日朝、14日に発射した2発の弾道ミサイルは、鉄道車両から発射したものだと写真付きで報じた。北朝鮮メディアは15日朝、「鉄道機動ミサイル連隊の射撃訓練がきのう行われた」と報じ、弾道ミサイルが鉄道車両から発射された写真を公開した。

  記事では、「鉄道機動ミサイル連隊」の訓練が14日に実施され、2発が海上に設定された目標に命中した」と伝えている。北朝鮮による弾道ミサイル発射は、1月では3回目となる。
  北朝鮮外務省は、アメリカが北朝鮮への制裁拡大を図っていると避難する談話を発表、「アメリカが対決的な姿勢をとるなら、われわれは一層強力ではっきりとした反応をしないわけにはいかない」と警告していた。
  アメリカ国防総省のカービー報道官は、「北朝鮮側は話し合う気があるようにはみえない」と述べ、「複数の国連安保理決議に違反し、近隣諸国の脅威となっている」と批判した。


2022.01.13-Yahoo!Japanニュース(中央日報)-https://news.yahoo.co.jp/articles/14b07cf816a9027a755a918cf2e53e43e31b151d
北朝鮮ミサイル、700キロでなく1000キロ飛行…韓国軍、300キロ探知失敗か

  北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長11日の極超音速ミサイル試験発射を「大成功」と評価したと、朝鮮中央通信が12日報じた。
   朝鮮中央通信はこの日、「発射されたミサイルから分離した極超音速滑空飛行戦闘部は距離600キロ界線から滑空再跳躍し、初期発射方位角から目標点方位角に240キロ強い旋回機動を遂行し、1000キロ水域の設定標的に命中した」と主張した。

  射後600キロ地点で滑空飛行体(HGV)が分離し、迎撃ミサイルを回避する240キロの滑降機動をした後、1000キロ先の目標物に命中したということだ。
  これは前日に韓国軍当局が明らかにした飛行距離700余キロとは差がある半面、日本防衛省が予想弾着地点などを表記して公開した射撃略図とほぼ一致する。


  韓国国防安保フォーラムのシン・ジョンウ研究委員は「ミサイルが700キロ飛行以降、レーダー探知高度以下でさらに飛行したとみられる」と述べた。朝鮮中央通信は特に「試験発射は極超音速兵器体系の全般的な技術的特性を『最終確証』するが、目的を置いて進行された」と言及し、実戦配備の可能性を示唆した。昨年9月と今月5日に参観しなかった金委員長がこの日は現場に姿を見せたのも、極超音速ミサイルが事実上完成したことを表していると解釈される。

◆「火星8型」とは異なる円錐型滑空飛行体
  クォン・ヨンス元国防大教授は「北は今年中に極超音速ミサイル実戦配備を宣言するとみられる」とし「北の報道を見ると、非常に具体的なデータを提示しているが、それだけ自信があるという傍証」と述べた。
  北朝鮮が公開した写真を見ると、この日に発射されたミサイルの滑空飛行体は5日に発射したミサイルと同じ円錐型だった。北朝鮮が昨年9月に発射した「火星8型」は細いグライダー型だった。 金委員長はモニター4個が設置された専用車両の中で望遠鏡で発射場面を見守った。モニターの画面にはテレメトリ(遠隔資料受信装備)で受信されたとみられるミサイル飛行軌跡がモザイク処理なくそのまま公開された。
  この日、現場には金与正キム・ヨジョン)労働党副部長の姿もあった。金副部長の新武器試験発射現場同行は異例だ。金副部長は趙甬元(チョ・ヨンウォン)党組織書紀と共にモニター画面を眺める金委員長の隣で拍手して歓呼した。 通信によると、金委員長は試験発射を控えて国防科学院院長の報告を受けた後、「国の戦争抑止力を強化するための歴史的な聖業で立派な成果を得なければならない」と強調した。北朝鮮は昨年1月の第8回党大会で国防力発展5カ年計画の核心5大課題を提示したが、その一つが極超音速兵器の開発だった。

  このほか超大型核弾頭の生産1万5000キロ射程圏内の打撃命中率向上水中および地上固体発動機(固体燃料エンジン)大陸間弾道ミサイル(ICBM)開発原子力潜水艦と水中発射核戦略武器の保有

  --だが、専門家は北朝鮮が今年これに関連する各種試験を公開または非公開で進行すると予想している。 しかし軍当局はもう少し分析が必要という立場だ。軍は前日に発射したミサイルの速度が最大マッハ10前後と探知したが、これは上昇段階で頂点高度に向かう時の速度であり、1段目分離後の下降段階で極超音速ミサイルの特性であるマッハ5以上の速度が維持されたかは疑問という立場だ。
  北朝鮮はこの日、ミサイルの速度を具体的に公開しなかった。しかしある関係者は「軍当局が後半の変則機動部分をまともに探知識別できない状況でこれに対する評価が可能なのか、むしろ疑問だ」と指摘した。

  一方、米国は北朝鮮が東海(トンヘ、日本名・日本海)上にミサイルを発射した直後の10日午後2時30分ごろ(現地時間)、カリフォルニア・ワシントン・オレゴン州などの国際空港と小規模空港のすべての航空機に対して「地上停止(ground stop)」命令を出したと、AP通信が伝えた。
  この時間は韓国時間(日本時間)で11日午前7時30分ごろで、北朝鮮がミサイルを発射した時間だった。軍当局によると、北朝鮮は午前7時27分ごろミサイルを発射した。
◆ホワイトハウス「国連安保理制裁違反」
  ホワイトハウスは「飛行禁止は予備措置だった」と確認し、北朝鮮のミサイル発射を糾弾した。ホワイトハウスのサキ報道官はこの日、関連質問に対し「(命令は)15分間で、万が一の場合に備えたものだった」と説明した。
  続いて「私たちは北朝鮮の弾道ミサイル発射を糾弾する」とし「北朝鮮のミサイル発射はいくつかの国連安保理制裁を違反するものであり、隣国と国際社会に対する脅威」と明らかにした。
  米国務省も北朝鮮のミサイル発射に強い懸念を表した。プライス報道官は「米国は北朝鮮に対して使用できる多くの道具がある」とし「例えば北朝鮮の国連安保理決議違反などに対して責任を問うことができるが、現段階ではいかなることも予断したくない」と述べた。


2022.01.12-JIJI COM.-https://www.jiji.com/jc/article?k=2022011100243&g=int
北朝鮮、また弾道ミサイル発射 5日に続き「極超音速」実験か

  【ソウル時事】韓国軍合同参謀本部によると、北朝鮮は11日午前7時27分(日本時間同)ごろ、内陸部の慈江道付近から日本海に弾道ミサイルと推定される飛翔(ひしょう)体1発を発射した。最高高度約60キロで700キロメートル以上飛行。岸信夫防衛相によると、日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したと推定されるという。米インド太平洋軍は弾道ミサイルと断定した。

  北朝鮮は5日に「極超音速ミサイル」とする新型弾道ミサイルを日本海に発射したばかり。北朝鮮は昨年9~10月にも集中的に各種ミサイルの発射実験を行っているが、今年に入り改めて活発なミサイル活動を再開することで、軍事力強化を継続する構えを見せている。
  韓国メディアは、今回のミサイルが「極超音速ミサイル」の追加実験だった可能性があると伝えた。韓国国防省は5日のミサイルについて「極超音速飛行体技術には達していない」と北朝鮮の主張を認めていない。ただ、今回のミサイルは音速の10倍「マッハ10」で飛行しており、「5日の弾道ミサイルよりは進展した」と判断しているという。
   岸田文雄首相は記者団に「北朝鮮が継続してミサイルを発射していることは極めて遺憾だ」と表明。韓国大統領府によると、文在寅大統領も「大統領選を(3月に)控えた時期に、北朝鮮が相次いでミサイルを試射したことは憂慮だ」と懸念を示した。その上で「これ以上南北関係が緊張せず、国民が不安にならないよう」各部署に対処を命じた。


2022.01.06-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220106/k10013417351000.html?utm_int=news-new_contents_latest_001
北朝鮮の極超音速ミサイル「技術がますます進化」韓国専門家

  北朝鮮が極超音速ミサイルの発射実験を5日行ったと発表したことについて、韓国のメディアや専門家は、去年9月の発射に比べてミサイルの速度が上がった可能性などを指摘し、技術の向上が進んでいるとする見方を示しています。

  6日付けの朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は、国防科学院が極超音速ミサイルの発射実験を5日行い「700キロ先に設定された目標に誤差なく命中した」と伝えました。
  韓国軍は6日午前の定例会見で「アメリカ軍とともに詳しく分析している」と述べるにとどめる一方で、北朝鮮による挑発に対し「十分に対応が可能だ」と強調しました。
  今回の発射について韓国の通信社、連合ニュースは、北朝鮮が極超音速ミサイルの発射実験を初めて行った去年9月には、マッハ3前後とみられたミサイルの速度が、今回は「極超音速」に当たるマッハ5以上だったと、韓国軍が推定しているなどとして「技術がますます進化している」とする見方を伝えています。
  また、韓国の複数の専門家は、今回のミサイルが左右に水平移動しながら飛行したことで、迎撃がさらに難しくなった可能性や弾頭の形が前回のものとやや異なるとして、北朝鮮が別の種類の極超音速ミサイルを開発している可能性を指摘しています。


2022.01.06-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220106/k10013417111000.html
北朝鮮機関紙 “極超音速ミサイル発射実験 5日に実施”伝える

  北朝鮮は、国防科学院が5日、極超音速ミサイルの発射実験を行い「700キロ先の目標に誤差なく命中した」と発表しました。極超音速ミサイルの発射実験の発表は、去年9月に続いて2回目です。

  6日付けの朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は2面で、国防科学院が極超音速ミサイルの発射実験を5日、行ったと伝えました。
  紙面には、先端がとがったミサイル1発がオレンジ色の炎を吹き出しながら移動式の発射台から上昇していく様子を捉えた写真が1枚掲載されていて「ミサイルは発射後に分離され、700キロ先に設定された目標に誤差なく命中した」としています。
  その上で「国防5か年計画における戦略兵器部門の5つの最優先事業のうち、最も重要な核心事業を完遂するという戦略的意義を持つ」と強調しています。
  発射実験には、党の軍需工業部と国防科学部門の幹部が立ち会ったということです。
  韓国軍は、北朝鮮が5日午前、北部のチャガン(慈江)道から日本海に向けて弾道ミサイルと推定される飛しょう体1発を発射したと明らかにしていて、発表はこのミサイルを指すとみられます。
  北朝鮮による極超音速ミサイルの発射実験の発表は、同じチャガン(慈江)道で新たに開発した極超音速ミサイル「火星8型」の発射実験を行ったとした去年9月に続いて2回目です。
「極超音速兵器」とは
  防衛白書によりますと、「極超音速兵器」は、音速の5倍にあたるマッハ5以上の「極超音速」で飛行する兵器で、その速さだけではなく、長時間、低い軌道でコースを変えながら飛ぶ特徴があり、探知や迎撃が一層困難になるということで、アメリカや中国、ロシアなどが開発を進めています。
  北朝鮮は、去年1月の朝鮮労働党大会で示した国防5か年計画で、極超音速兵器の開発を挙げました。
  去年9月には、新たに開発した極超音速ミサイル火星8型」の発射実験を初めて行ったと発表し「国家の自衛的防衛力をあらゆる方面で強化する上で大きな戦略的意義を持つ」と強調していて、関係国が警戒を続けていました。


2022.01.05-JIJI com.-https://www.jiji.com/jc/article?k=2022010500257&g=int
北朝鮮、弾道ミサイル発射 年初から軍事力強化誇示

  【ソウル時事】韓国軍や米インド太平洋軍によると、北朝鮮は5日午前8時10分(日本時間同)ごろ、内陸部の慈江道付近から日本海に向けて弾道ミサイル1発を発射した。岸信夫防衛相は「通常の弾道軌道だとすれば、約500キロメートル飛翔(ひしょう)し、落下したのはわが国の排他的経済水域(EEZ)の外と推定される」と記者団に説明。岸田文雄首相は「誠に遺憾だ」とミサイル発射を非難した。米インド太平洋軍は声明で「同盟国と緊密に連携している」と強調した。

  北朝鮮は昨年9~10月、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)など多様なミサイル発射実験を活発化させていた。金正恩朝鮮労働党総書記は年末の党中央委員会総会で「不安定化する朝鮮半島の軍事的環境と国際情勢の流れは国家の防衛力強化を少しも緩めることなく、さらに注力して推進することを要求している」と発言。その言葉通りに年初からミサイルを発射することで、今年も軍事力強化を継続する態度を誇示した形だ。


2022.01.04-CNN co jp-https://www.cnn.co.jp/world/35181564.html
韓国から北朝鮮に越境、2020年の脱北者か

  韓国ソウル(CNN) 韓国国防省は3日、軍事境界線を越えて韓国から北朝鮮に入った人物について脱北者とみられると明らかにした。この人物は2020年11月に北朝鮮から韓国に入っていた。国防省は監視カメラの映像を元に北朝鮮側に渡った人物について20年11月に韓国に入った男性と推定したと明らかにした。国防省によれば関連当局が事実の確認を続けている。

  韓国軍合同参謀本部によれば、男性は現地時間の1日午後9時20分ごろに非武装地帯(DMZ)の東部戦線で見つかっていた。韓国軍の温度観測機により検知されていた。合同参謀本部によれば、兵士を派遣したものの男性を発見することはできなかった。男性は午後10時40分ごろ38度線を越えて北朝鮮側に入った。
  韓国軍によれば、監視カメラが1日午後6時40分ごろに男性が鉄条網を乗り越える様子を捉えていた。男性が現在も生きているかどうかはわからないという。
  国防省報道官は3日、北朝鮮側に男性を保護するよう通知をしたものの、北朝鮮側から返答はなかったと明らかにした。
  北朝鮮メディアは軍事境界線での越境について何も報じていない



2021.12.28-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/4fc96b0f9cc9747c880f771ccaadf15c27f897f5
金正恩氏の会議重視が鮮明に 党総会で11年目の方針討議

  【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮で27日、朝鮮労働党中央委員会総会が開幕し、金正恩(キム・ジョンウン)総書記が司会を務めた。朝鮮中央通信が28日に報じた。   中央委総会は党や国家の重要政策を討議する会議。金正日(キム・ジョンイル)総書記の死去を受け、今月で発足10年を迎えた金正恩体制の10年目を総括するとともに、11年目に当たる来年の方針を決定する見通しだ。

  今年は5年ぶりの党大会を1月に開いたほか、中央委総会も4回目となる。重要政策を〝密室〟で決めた父、金正日氏の統治手法を脱却し、会議で重要方針を論議する〝オープン〟な政治スタイルへの変化を印象付ける狙いもうかがえる。
  年末に総会が行われた2019年には12月28日から4日間連続で会議が催された。今年も数日間にわたって討議を続けるとみられる。最終日までに対米関係を含む新たな外交路線を打ち出すのかも注目される。
  朝鮮中央通信は、総会で今年の政策執行状況を総括し、「社会主義建設の新たな発展期を切り開く闘い」を導く方針と課題を討議、決定すると報じた。具体的な議題には触れなかった。 金正恩氏の会議重視の姿勢は数字でも裏付けられている。
  ラヂオプレス(RP)によると、27日までに伝えられた金正恩氏の今年の動静報道は78件にとどまったが、党や政府の会議を中心とする国内関係の活動が約8割を占めた。
  新型コロナウイルス禍も影響したとみられ、ミサイル発射現場や軍部隊の視察はなく、生産現場など経済分野の視察も1回だけだった。動静報道は230回に上った13年をピークに減少傾向を見せ、新型コロナ禍が始まった昨年は54件まで激減。金正恩氏は会議での指導に専念し、祖父の金日成(キム・イルソン)主席の時代から重視されてきた現場視察を側近らに任せるケースが増えた。


2021.12.17-Yahoo!Japanニュース(REUTERS)-https://news.yahoo.co.jp/articles/10fbe88a9da47d913621a6e4eb8de14080f1c71c
焦点:金正恩体制10年の北朝鮮、軍備増強の一方で深まる孤立

  [ソウル 16日 ロイター] - 北朝鮮で金正恩氏が権力の座に就いて10年が経過した。若き指導者の行動により、経済改革や国際的な門戸開放への期待は高まったが、軍備が強化される一方で孤立を深め、中国への依存を強めている。

   金正恩時代の最初の10年を特徴づけたのは同総書記による核兵器開発の推進だった。しかしアナリストらは、この道を選んだことが彼を孤立させ、おそらくこれまでで最大の試練に直面する羽目に陥ったと指摘する。
  荒廃した経済を改善し、数百万の国民を飢えさせないためには政治面での大転換が必要だが、この核兵器の存在が障害になるかもしれない。
  パンデミック対策としてのロックダウンと経済制裁が続く中で、中国への依存が強くなりすぎているからだ。

  金総書記は、独特の個性を発揮した父親とは違うスタイルを選んだ。すなわち、組織化とリーダーシップの委譲による北朝鮮の「正常化」、核武装と外国指導者との首脳会談による国際的なリスペクトの獲得、透明性と一般市民の生活向上への共感の提示である
  こうしたスタイルのおかげで、社会主義国家である北朝鮮の経済改革や、米国・韓国といった長年の宿敵との関係改善への期待が高まった時期もあった。 だが、体制全体にわたる変革はこれまでのところ実現していない。
  政治犯収容所や残忍な処刑から経済・社会に対する厳しい統制に至るまで、父親が行った最悪の実践の多くを金総書記が依然として継承しているからだ。 「一般の北朝鮮国民が味わった金総書記による統治は、最初の数年は束の間の期待を抱かせたものの、結局は元に戻ってしまった、というものだろう」と語るのは、ライデン大学(オランダ)の朝鮮半島専門家クリストファー・グリーン氏。
  金総書記はこれから難しい決断を迫られることになろう。核兵器開発のどれかを諦めて制裁解除を勝ち取るか、それとも不信感はあるが不可欠な中国との関係を通じて、また政治的な統制を緩めないまま経済・社会のさらなる開放を認めることで経済にテコ入れする別の方法を見つけるか、という選択だ。
  米中央情報局(CIA)の元職員で、現在、ワシントンに本拠を置くスティムソン・センターに在籍するロバート・カーリン氏は、「経済をどうにかしようとしても、(制裁のせいで)金総書記にできることは限られている。とはいえ、国民から見て現状よりもはるかに好ましい指導者になれないという意味ではない」と述べた。
   パンデミックによる打撃が過ぎ去れば、「管理された開放」への要求が体制内エリートから出てくるかもしれない。しかし、国際的な状況を北朝鮮に有利な方向に変化させるという課題はこれまで以上に困難なものになっている、とグリーン氏は指摘。
  「海外からの投資が大幅に増えなければ、経済改革という目標はほぼ確実に失敗に終わる」と付け加えた。
核兵器vs経済制裁
  北朝鮮による6回の核兵器実験のうち、初の水爆実験と思われるものを含め、4回は金正恩体制下で行われた。最大で米国まで射程圏内に収める一連の大陸間弾道ミサイル(ICBM)も開発された。 金総書記にとって、こうした兵器は、北朝鮮と自らの支配体制を外部の脅威から守る「伝家の宝刀」であり、北朝鮮に他の核保有国と肩を並べる地位を与えるものだ。
  一方で、この核開発のせいで、2017年には対米戦争の瀬戸際まで進んでしまい、友邦である中国とロシアまでもが国連による厳しい対北朝鮮制裁を容認する事態となった
  制裁緩和と対米関係の進展を目指す金総書記の努力は、歴史的かつ前例のないドナルド・トランプ米大統領(当時)との首脳会談に結実した。だが、制裁緩和の前提として北朝鮮がある程度の兵器を放棄することを米国が要求しているため、その後の協議は行き詰まっている。 米国を本拠とする新アメリカ安全保障センターのドゥヨン・キム氏は、金総書記は核外交において強硬姿勢を取り続ける可能性が高いとの見方を示した。
  核開発をさらに進めれば、交渉を進めるにせよ膠着(こうちゃく)状態にせよ、自身の政治的影響力と交渉力が増大するからだ。 「特に核開発、経済、そしてパンデミックが収束すれば外交まで含む全ての分野において、金総書記は、自分自身、そして自国のイメージをノーマルかつ現代的・先進的なものにしていくものと予想される」と同氏は説明した。
  北京の戦略安全保障専門家ジャオ・トン氏によれば、北朝鮮が核兵器・ミサイルの開発を優先し、中国政府による国連制裁の支持を厳しく批判したため、中国と北朝鮮の関係はこれまでで最悪の状態に落ち込んだものの、金総書記はすぐさま関係修復にこぎ着けたという。 北朝鮮の対外貿易は限定的だが、その圧倒的大部分は中国相手であり、両国の現政権は、社会主義イデオロギーの推進と西側諸国による影響力への対抗という目標を共有している、とジャオ氏は述べた。
   同氏は「金総書記は、自国の国際的な協力関係を多角化したいと望んでいるものの、中国をはじめ、考え方の近い少数の国からの援助に深く依存し続ける可能性が高い」との考えを示した。
統制の強化
  前出のグリーン氏は、金総書記が権力の座に就いたばかりの数年間、独裁支配を支える利益供与ネットワークを運用するのに必要な利潤を生み出すことを目的に経済改革を試みたと指摘。「だが当時、改革に伴うリスクと反対派の声があまりにも大きかったため、彼は巻き戻しを図ったようだ」と述べた。
  国連の人権問題調査担当者は、経済と食糧状況が好転しない限り、北朝鮮における社会的弱者は飢餓のリスクにさらされていると警告している。 パンデミックにより、北朝鮮はさらに経済統制を強化しており、多くの国民が依存するようになっていたヤミ市場も、公認された民間企業と同様に、今後の存続が危ぶまれている。
  金正恩体制下の北朝鮮では、携帯電話のような新しいテクノロジーも普及したが、人権活動家の見解では、金総書記はその一方で、監視や抑圧的な政治統制においてもよりハイテク志向の手法を採用し、他国からの影響や国内の抵抗の兆候を違法化・排除しようとしているという。
  とはいえ、キングスカレッジ・ロンドンの朝鮮半島専門家ラモン・パチェコパルド氏は、金総書記が外交を重視するのであれば、北朝鮮人民の生活を改善するという約束を実現に移すのは今からでも遅くはないとの見方を示した。 同氏は「結局のところ、金正恩時代は、パンデミック収束後に、彼が一般の北朝鮮国民の生活水準をどれだけ改善できるかによって評価されることになるだろう」と述べた。 (Josh Smith記者、翻訳:エァクレーレン)


2021.12.15-Yahoo!Japanニュース-https://news.yahoo.co.jp/byline/kohyoungki/20211215-00272640
北朝鮮保衛局で「密室の鬼畜行為」…金正恩命令でも止まらず

  今年1月から今月8日までの時点で、中国キャリアの携帯電話を使った容疑で北朝鮮・両江道(リャンガンド)の保衛局(秘密警察)に逮捕された人が数百人に達することがデイリーNKの調べで明らかになった。そのほとんどが20代から40代の女性だ。

  デイリーNKの内部情報筋が挙げた一例は、道内の金正淑(キムジョンスク)郡在住の30代女性、キムさんのケースだ。中国にいる知人と通話をしていたところ、電波探知機で探知され、郡の保衛局に逮捕された
  キムさんは7日間に渡って取り調べを受けた後で、両江道保衛局に身柄を移された。そこで彼女を待っていたのは、凄惨な拷問だった

  情報筋が挙げたもうひとつの例は、恵山(ヘサン)市在住の20代女性、パクさんのケースだ。脱北して韓国に住む人が北朝鮮に残してきた家族に仕送りをするにあたって、送金ブローカー業を行っていた彼女は、送金の過程で恵山市保衛局に逮捕された。
  7日間の取り調べで、中国のメッセンジャーアプリWeChatで、北朝鮮国内の食糧の価格と為替レートの情報を国外に送ったことが露呈し、スパイ容疑をかけられ、両江道保衛局に身柄を移された。
  そこでの取り調べで、パクさんは取調官や戒護員(看守)から性的暴行を受けた。繰り返される性的暴行にパクさんは大声をあげて抗議したが、今度は暴力を振るわれ、肋骨が折れて、最終的には絶命したとのことだ。

  このように保衛局では、暴言、暴行、拷問、性的暴行が繰り返されているが、スパイや国家反逆罪の容疑者は人間扱いされず、また施設内の様子は極秘事項として扱われているため、何が起きても加害者の責任が問われることはない
  情報筋によると、保衛局内での人権侵害のあまりの酷さに金正恩総書記は今年初め、それを諌めるように方針を下した。同様の方針や指示は以前にも下されているが、全く効果はないようだ。
  市民の間には「一晩経ったら隣に住む人が捕まり、もう一晩経ったら裏に住む人が捕まった」(情報筋)という噂が流れ、街には殺伐とした空気が流れているという。そんな有様で、家族の間ですらもセンシティブな話はできない状況となっているとのことだ。
  ただでさえ、コロナ鎖国による経済不況で日々生きていくことすら精一杯の状況なのに、生き抜くために商売をしただけで、或いは憂さ晴らしに韓流ドラマを見ただけで捕まり、拷問や性拷問を受けた上で教化所(刑務所)、管理所(政治犯収容所)送りにされる。そんな取り締まりは時間の経過とともに緩和されるどころか、むしろ強化されている。
  北朝鮮の国境沿いの地域に住む人々は、そんな先の見えないトンネルをひたすら歩かされているのだ。

高英起(デイリーNKジャパン編集長/ジャーナリスト)
  北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。関西大学経済学部卒業。98年から99年まで中国吉林省延辺大学に留学し、北朝鮮難民「脱北者」の現状や、北朝鮮内部情報を発信するが、北朝鮮当局の逆鱗に触れ、二度の指名手配を受ける。雑誌、週刊誌への執筆、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に『コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記―』(新潮社)『金正恩核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』(宝島社)『北朝鮮ポップスの世界』(共著)(花伝社)など。YouTube「高英起チャンネル」でも独自情報を発信中。


2021.10.29-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/211029/mcb2110292024007-n1.htm
北で紙幣用紙まで枯渇 正恩氏「米一粒残さず収穫せよ」

  【ソウル=桜井紀雄】新型コロナウイルス対応で国境封鎖を続けてきた北朝鮮で、紙幣用紙や特殊インクの輸入が滞り、苦肉の策として、国産用紙で臨時紙幣を発行していることが分かった。韓国の情報機関、国家情報院(国情院)による非公開での国会報告に出席した議員が29日までに明らかにした。

   医療品不足で腸チフスなどの伝染病も蔓延。食糧難から、金正恩朝鮮労働党総書記は「薄氷の上を歩く思いだ」と吐露しつつ、「米一粒残さず収穫せよ。飯を食う者は全員、農村支援に行け」と軍や国民の動員を命じたという。例年より早く今月20日ごろには稲刈りを終え、今年の収穫量は水害に悩まされた昨年を上回ると予測されている。

  国情院は、北朝鮮が経済難の深刻化を受け、11月から中国との間の鉄道運行を再開する可能性があるとの見通しも示した。7月以降は、船舶による緊急物資の搬入を増加させてきた。
   一方、党の会議場に掲げられていた金日成主席と金正日前総書記の写真が撤去され、「金正恩主義」という用語が内部で使われ始めたことも報告された。間もなく正恩氏の最高指導者就任10年になるのを前に、祖父や父の権威に依拠した統治から脱却し、独自の思想体系を確立しようとする動きとみられている。国情院は、妹の金与正党副部長が外交・安全保障を統括しているとの見方も示した。
  国情院はまた、一部で取り沙汰された正恩氏の「影武者説」について「事実ではない」と断定。健康に特に問題は見られず、正恩氏が2019年の体重約140キロから約20キロ減量したとの分析も明らかにした。国情院は、人工知能(AI)や顔の肌のトラブルが分かるほど精密な映像分析を駆使して正恩氏の健康状態の把握に努めているという。


2021.10.21-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20211021-ZB6ROJKWWJP43PXHZTYCBDPOVA/
国連安保理緊急会合、北ミサイル発射で声明発表できず 米欧と中ロ対立か

  【ニューヨーク=平田雄介】国連安全保障理事会は20日、北朝鮮による潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)とみられる19日の発射実験への対応を協議するため緊急会合を開いた。安保理決議違反だと非難する米欧諸国と制裁緩和を呼びかける中国やロシアが対立したとみられ、議長声明の発表など一致した対応には至らなかった。

  会合に先立ち、アイルランドのネイソン国連大使は同国とフランス、エストニア3カ国の共同声明を発表した。実験は「海洋からの核攻撃能力獲得を目指すものだ」として、北朝鮮の核・ミサイル開発の着実な増強を指摘弾道ミサイルや核兵器など大量破壊兵器の放棄に向けた具体的な措置を「完全かつ検証可能で不可逆的な方法」で取るよう北朝鮮に求めた。
  北朝鮮の兵器開発について、米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は「地域情勢を不安定にしている」と批判。米国の韓国と日本に対する防衛義務は「鉄の掟(おきて)とした上で、朝鮮半島の完全な非核化を目指し「真剣かつ持続的に交渉する用意がある」と述べた。

  また、北朝鮮への制裁について「より真剣に履行する必要がある。率直に言って、安保理の北朝鮮制裁委員会は仕事をしていない」と批判。制裁破りの取り締まり強化を訴えた。緊急会合は米英仏が要請した。


2021.10.20-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20211020-YKCWRKX3YBMZJKQOUOC7QOCC24/
北朝鮮「新型SLBMの潜水艦発射に成功」と報道

  【ソウル=時吉達也】北朝鮮が19日に発射したミサイルについて、同国の朝鮮中央通信は20日、国防科学院が実施した新型の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験だったと報じた。2016年にSLBM発射実験を行った潜水艦から再び発射し、成功したとしている。
  飛距離や高度についての言及はなかった。実験を指導したと紹介された幹部に金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の名前はなく、現地での視察は行わなかったとみられる。
  北朝鮮では2016年8月、2000トン級潜水艦からのSLBM発射実験を実施。今回はこの潜水艦から、今月11日に新兵器展覧会で公開された、小型化した新型SLBMを発射した可能性が高い。

  同通信は、今回のSLBMについて「多くの進化した操縦誘導技術が導入された新型」だと強調。「水中作戦能力の向上に大きく寄与する」とミサイル開発の進展を誇示した。20日付の党機関紙、労働新聞は、海面上に出たミサイルや浮上した潜水艦の写真を掲載した。
  北朝鮮は19日午前に東部、新浦(シンポ)近くの沖合から日本海上に弾道ミサイルを発射。韓国軍は1発だったとしているのに対し、日本政府は2発が発射され、1発は変則軌道で約600キロ飛行、最高高度は約50キロだったと分析していた。


2021.10.18-Yahoo!Japanニュース(朝鮮日報)-https://news.yahoo.co.jp/articles/724b25c4191770d88b83fd6b246eb15f524ae907
米DIAが警告「北朝鮮は核実験・ICBM発射を再開する」
(1)
  米国の情報当局が「北朝鮮は核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)の試験発射を再開する可能性がある」との見方を示した。青瓦台(韓国大統領府)の徐勲(ソ・フン)国家安保室長、韓国外交部(省に相当)の魯圭悳(ノ・ギュドク)韓半島平和交渉本部長らが相次いで米国を訪問し、終戦宣言や北朝鮮に対する制裁緩和などを求める中、北朝鮮がモラトリアム(核実験・ICBM発射の猶予)を破棄する可能性について警告した形だ。

  米国防総省国防情報局(DIA)は15日(現地時間)に発表した報告書「2021年北朝鮮の軍事力」において「北朝鮮は核兵器を弾道ミサイルに搭載し、安定して作動させることを究極の目標としている」「今後核実験施設を再整備あるいは新たに建設すれば、その威力を検証する地下核実験を新たに実施する可能性が考えられる」と指摘した。
  報告書はさらに「固体燃料を使った新たな弾道ミサイル開発を続け、来年には長距離ミサイルの発射を再開する可能性も考えられる」とも予想した。
   その上でDIAは「北朝鮮による大量破壊兵器(WMD)基盤施設解体は可逆的な形で行われた」「平安北道寧辺の核施設などで完全な非核化』とは一致しない活動を引き続き確認できた」などとも伝えている。北朝鮮は2018年の9・19南北首脳会談で「米国による相応の措置」を前提に「寧辺核施設の永久閉鎖」を約束したが、しかし今年7月から寧辺核施設を再稼働させている。
   報告書は「北朝鮮の指導者たちは『核兵器は体制存立のため非常に重要』と考えている」「(北朝鮮が)完全な非核化に同意し、これを約束通り実行しない限り、北朝鮮は軍事力を引き続き成長・発展させる可能性が高い」とも警告した。さらに「北朝鮮が大量破壊兵器の備蓄量と生産能力のいずれも放棄する可能性はほぼない」とも予想した。

   この報告書が発表された直後の16日(現地時間)、韓国政府で北朝鮮の核問題を担当する首席代表を務める魯圭悳本部長は米国、日本との2国間協議と3者協議のため米国に到着した。韓米両国で北朝鮮の核問題を担当する首席代表による今回の会談(18日)は、先月30日にジャカルタで行われて以来わずか18日で再び開催される。魯本部長はロシア出張後に帰国せず直接ワシントンに向かった。
(2)
  この日ダレス国際空港で現地特派員たちの取材を受けた魯本部長は「人道分野における北朝鮮との協力事業も韓米が共同で行うもので、現時点でほぼ準備が完了しつつある」と明らかにした。
  魯本部長は北朝鮮を対話の場に復帰させる方策について「創造的で多様な複数の方法について議論している」とした上で上記のように伝えた。

   今回の魯本部長の発言は、先週米国政府が言及した「北朝鮮への具体的な提案」と共に注目を集めている。米国務省のプライス報道官は今月14-15日「北朝鮮にはすでに具体的な提案を行い、その返事を待っている」と明らかにした。これについて外交関係者の間からは「保健や医療分野での支援を中心とする『人道協力パッケージ』の輪郭が近く明らかになるだろう」と予想する声が上がっている。
   韓米両国は数カ月前から北朝鮮に人道支援を行う方針では一致しているが、これに対して北朝鮮は非本質的な問題として拒否してきた。韓米共同の「北朝鮮への具体的な提案」の内容が近く実施されるとすれば、これはこれまで拒否一辺倒だった北朝鮮の態度が最近になって軟化していることを示唆するものだ。ある韓国政府筋は「文在寅(ムン・ジェイン)大統領が提案している終戦宣言に北朝鮮が興味を示し、南北通信線の復元を予告した先月から気流の変化が感知されている」と明らかにした。

   その後、韓米両国は外相会談(12日、パリ)と安保室長会議(18日、ワシントン)を立て続けに開催し、北朝鮮への人道支援や終戦宣言について意見交換を行うとともに、今回の首席代表会議を通じて最終的な調整を行おうとしているようだ。
   ただしこのように人道支援の話が進む一方で、韓国政府が強く求める制裁の解除については米国の立場は以前と変わっていない。米国の態度は「北朝鮮が非核化に応じる可能性は小さい」とするDIAなど米情報当局の分析に基づくもので、北朝鮮が意味のある非核化に乗り出す前に米国の考えを変えさせるのは難しそうだ。


2021.10.04-Yahoo!Japanニュース(総合ニュース)-https://news.yahoo.co.jp/articles/838af9c9f79a1f2949ecb65063f0c84355b6f26b
南北が約2か月ぶり通信再開 韓国政府「関係修復の土台できた」

  【ソウル聯合ニュース】北朝鮮が4日、韓米合同軍事演習に反発して一方的に遮断していた韓国との間の通信回線を復旧させた。  韓国統一部はこの日、午前9時に南北共同連絡事務所チャンネルを通じた定時通話が行われ、南北の通信連絡線が復旧したと明らかにした。軍関係者も、同時刻に東海・西海(黄海)地区の軍通信線で南北が正常に通話を行ったと伝えた。

   韓国と北朝鮮は7月27日、約1年1か月ぶりに南北通信連絡線を復旧させたが、北朝鮮は韓米合同軍事演習に反発し、8月10日からこれまで2か月近く応答していなかった。
   だが、文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領が先の国連総会で朝鮮戦争の終戦宣言を提案したことを機に、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)は9月29日の最高人民会議(国会に相当)の演説で、南北間の通信連絡の10月初旬からの再開を表明。朝鮮中央通信は4日、正恩氏の意向に基づき、韓国との間の全ての通信連絡を同日午前9時から再開すると報じていた。

   統一部は南北間の通信再開について、「朝鮮半島情勢の安定と南北関係の修復のための土台が設けられた」と評価。その上で、「通信連絡線の安定的な運営によって速やかに対話を再開し、南北関係の回復や朝鮮半島の平和定着に向けた実質的な議論に入り、これを進展させられるよう期待している」とした。

   韓国政府は新型コロナウイルスの流行下でも南北間の対話チャンネルを安定的に維持するため、7月末に北朝鮮側に提案したテレビ会議システムの構築問題をまず北朝鮮と議論するとみられる。
   だが、朝鮮中央通信はこの日、韓国に対し「通信連絡線の再稼働の意味を深く刻み、北南(南北)関係を収拾して今後の明るい前途を開く上で先決すべき重大課題を解決するため積極的に努力すべきだ」と求めた。
   「重大課題」とは、このところ金正恩氏や妹の金与正(キム・ヨジョン)党副部長がたびたび強調していた敵視政策と二重基準」の撤回を指すとみられる。北朝鮮は、自国の弾道ミサイル発射のみを挑発と見なすことは不当だとの主張を繰り返している。


2021.09.28-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/210928/mcb2109281410013-n1.htm
北、米韓分断狙いも ミサイル発射と対話“ツートラック戦略”

  【ソウル=桜井紀雄】短距離ミサイルを28日に発射した北朝鮮は最近、ミサイル発射を繰り返す一方で、米韓に向けて対話の可能性を示唆するツートラック戦略”に出ている。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権に対しては南北対話の前提として米国との合同軍事演習中止と北朝鮮の兵器開発を容認するよう迫っており、米韓の分断を狙う思惑もありそうだ。

  「米政府が平和と和解を望むなら敵視政策を放棄する第一歩として、朝鮮半島周辺での合同軍事演習と戦略兵器投入を永久に中止することから始めるべきだ
  北朝鮮の金星(キム・ソン)国連大使は国連総会でミサイル発射直後に行った演説で、米側に単刀直入にこう要求した。北朝鮮に非核化協議の再開を呼び掛けてきたバイデン米政権に対し、敵意がないというなら「実践と行動で示すべきだ」と強調。北朝鮮への「二重基準を撤回する勇断を下せば、(協議に)快く応じる準備ができている」とも語った。
  北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の妹、金与正(キム・ヨジョン)党副部長は24、25日と連日、文政権に南北首脳会談に向けた協議を含む対話再開を示唆する談話を発表し、この際に前提として韓国に求めたのも米韓演習などの敵視政策と二重基準の撤回だった。韓国のミサイル実験を「美化」しながら北朝鮮の「自衛権」である兵器実験を「挑発」と非難する「二重基準」を改めよとの要求だ。対話したければ、相次ぐミサイル発射を正当な行為と認めよと“踏み絵”を突きつけた形だ。
  短距離ミサイル実験を問題視しなかったトランプ前米大統領と異なり、バイデン政権の高官は北朝鮮の最近のミサイル発射を「国際社会への脅威」とみなしている。米韓同盟の強化を目指すバイデン政権に米韓演習の中止に応じる気配はない。文大統領の任期が来年5月までに迫り、南北対話の再開に焦る韓国を先に取り込み、米韓の離間を誘う戦略に出たとみられる。


2021.09.28-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20210928-QKQWQFFFBRP2HMCOZGG4QKGJAE/
北ミサイル、短距離を低空飛行 新型か

  【ソウル=桜井紀雄、ワシントン=黒瀬悦成】北朝鮮は28日午前6時40分ごろ、内陸部の慈江道(チャガンド)舞坪里(ムピョンリ)付近から日本海に向けて短距離ミサイル1発を発射した。韓国軍合同参謀本部が発表した。北朝鮮は15日に短距離弾道ミサイルを発射したばかり。新型長距離巡航ミサイルを11、12日に試射したことも公表しており、新兵器開発を加速させる姿勢を鮮明にした。

  韓国の聨合ニュースによると、今回のミサイルの飛距離は200キロに満たず、最高高度も30キロ程度だったもようだ。北朝鮮が「超大型放射砲(多連装ロケット砲)」と称して発射してきた事実上の短距離弾道ミサイルと飛距離や高度は似ているが、速度を含めた飛行特性が過去に発射したミサイルとは異なっており、発射実験の行ったことのない新型だった可能性もある
  北朝鮮で28日は国会に当たる最高人民会議の開催日とされ、国威発揚の狙いもありそうだ。
  日本政府関係者は、日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したとの見方を示した。米インド太平洋軍は今回の発射について「北朝鮮の不法な兵器開発が(地域を)不安定化させることを浮き彫りにした」とする声明を発表した。
  北朝鮮の金星(キム・ソン)国連大使は発射直後、米ニューヨークでの国連総会で一般討論演説を行い、朝鮮半島で対立が続く原因は米国による北朝鮮への「敵視政策」にあると批判。ミサイル発射には言及せず、「われわれには自衛的権利がある」と兵器開発を続ける姿勢を示した。

  金氏は大陸間弾道ミサイル(ICBM)に触れ、「強力な攻撃手段もあるが、誰かを狙うために使いたくない」と述べた。「世界最大の核保有国の米国がわれわれを敵対視したため、核を保有することになった」と核兵器開発も正当化した。


2021.09.20-Yahoo!Japanニュース(総合ニュース)-https://news.yahoo.co.jp/articles/7be216a25313fd1f71a1588680175e1cc771e275
北朝鮮 韓国が発射成功のSLBMは「初歩的段階」

  【ソウル聯合ニュース】北朝鮮で兵器開発を担当する国防科学院の張昌河(チャン・チャンハ)院長は20日、朝鮮中央通信に寄稿し、韓国が独自開発した潜水艦発射弾道ミサイルSLBM)の発射実験に成功したことに関し、戦争で効果的な軍事的攻撃手段とはなり得ない」とし、「戦略・戦術的価値がある兵器、脅威的な手段として受け止める段階ではない」とこき下ろした。
   また「初歩的な最初の一歩の段階に過ぎない」「水中発射弾道ミサイルでないことは明らか。射程500キロ未満の戦術弾道ミサイルと判断する」などとし、「核心的な水中発射技術はまだ完成していない」と主張した。さらに「兵器体系開発に執着している南朝鮮(韓国)の内心を注視している」とけん制した。
   韓国は15日、3000トン級潜水艦島山安昌浩からのSLBM発射実験に成功し、米国、ロシア、中国、英国、フランス、インドの6カ国に次いで世界7番目のSLBM運用国となった。今回、北朝鮮はこれに不満を示したものとみられる。
   北朝鮮は2019年にSLBMの水中発射実験に成功し、昨年10月と今年1月に閲兵式(軍事パレード)で新型SLBMを公開しているが、潜水艦から発射する実験はまだ実施していないとされる。


2021.09.16-XXIIニュース(産経新聞)-https://jp.xxiinews.cn/international/89020.html
北朝鮮、奇襲兵器開発へシフト 指揮官すげ替え

  【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮は16日、列車から弾道ミサイルを発射する場面を公開し、奇襲攻撃能力の向上を誇示した。北朝鮮のミサイル開発では、米本土を狙った大陸間弾道ミサイル(ICBM)の派手な〝発射ショー〟に目を奪われがちだったが、米韓との戦力差を埋め、同時多発攻撃を可能にする多様な奇襲兵器に軸足は移っている。

  北朝鮮の「鉄道機動ミサイル連隊」が15日に中部の山岳地帯から発射したとするのは、形状から3月25日に試射した短距離弾道ミサイルの改良型と同種とみられている。だが、大きく違ったのは、試射を指揮したのが核・ミサイル開発を一貫して主導してきた李炳哲(リ・ビョンチョル)氏ではなく、朴正天(パク・チョンチョン)朝鮮労働党書記だったことだ。
   李氏はICBM開発の立役者としてスピード昇進を果たしたが、6月に新型コロナウイルス対応で問責され、更迭された。代わって軍内序列1位に浮上した朴氏は砲兵司令官出身で、軍の重心がより実戦向きに移ったことを印象づけた。
   北朝鮮は16日、敵への「同時多発的な集中打撃能力」を高める目的で鉄道機動ミサイル連隊を組織したと明らかにした。北朝鮮は2017年にICBMを試射した上で「国家核戦力の完成」を宣言した。
  だが、日米韓に向けて仮にミサイルを放ったとしても、日米韓のミサイル防衛網に迎撃され、何倍もの報復攻撃を受ける可能性が高い。 そこで米朝首脳再会談が物別れに終わった19年以降、北朝鮮が注力してきたのが、15日に試射したような変則軌道で迎撃をかわす弾道ミサイルの開発だ13日に試射を発表した新型長距離巡航ミサイルも、弾道ミサイルと同時発射して日米韓のレーダー網などを破壊することに主眼があるとみられている。
  「水面下」から奇襲攻撃できる潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の開発も急いできた。 列車型発射台は、ロシアが旧ソ連時代に運用したことがある。鉄道網を使った長距離移動が可能な上、貨車や客車を装った奇襲発射も想定される。
  ただ、北朝鮮の鉄道網は老朽化が著しく、機動性や実用性に欠けるとの見方も強い。 一連のミサイル試射に絡み、金正恩(キム・ジョンウン)総書記の妹、金与正(キム・ヨジョン)党副部長は15日の談話で、兵器開発の5カ年計画に沿った「正常で自衛的な活動だ」と主張した。米国との緊張激化は避けつつ、ミサイル発射を今後も続行する方針を示唆した形だ。


2021.09.16-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210916/k10013261821000.html
北朝鮮労働新聞「射撃訓練で列車からミサイル発射」と報道

  北朝鮮メディアは、新たに組織された「鉄道機動ミサイル連隊」が15日中部の山岳地帯で射撃訓練を行い、列車から発射されたミサイルが800キロ先の日本海上の目標に正確に命中したと伝えました。
  北朝鮮の朝鮮労働党機関紙、「労働新聞」などは、新たに組織された「鉄道機動ミサイル連隊」が15日の明け方、射撃訓練を行ったと伝えました。
  それによりますと、射撃訓練は、北朝鮮中部の山岳地帯で行われ、ミサイルは800キロ先の日本海上の目標に正確に命中したとしています。
  朝鮮労働党のパク・チョンチョン政治局常務委員が訓練を指導したとしていますが、キム・ジョンウン(金正恩)総書記が立ち会ったかどうかは明らかにしていません。
  労働新聞に掲載された写真では、線路上の列車から、ミサイルがオレンジ色の炎を上げながら上昇していく様子などが確認できます。
  パク政治局常務委員は、「脅威となる勢力に同時多発的に甚大な打撃を加えられる効果的な手段になる」としたうえで、「鉄道機動ミサイルのシステムを実戦に導入したことは戦争抑止力を強化する上で非常に大きな意義を持つ」と評価したとしています。
  一方、日本政府は、北朝鮮内陸部から15日午後0時半すぎに弾道ミサイル少なくとも2発が東方向に発射され、能登半島沖の日本の排他的経済水域の内側に落下したと推定されるとしていますが、北朝鮮が発射したと発表したミサイルが同じミサイルを指すのかはわかっていません。
防衛省「秘匿性を高める狙いか」
  防衛省は列車から発射された弾道ミサイルはこれまで確認したことがなく過去に使われた車両による移動式発射台と同様に発射の兆候を把握されないよう秘匿性を高める狙いがあるとみられるとして、引き続き、分析を進めることにしています。


2021.09.15-BBC News Japan-https://www.bbc.com/japanese/58568707
北朝鮮、日本海に弾道ミサイル2発発射実験 韓国も潜水艦から

  北朝鮮は15日、日本海に向けて弾道ミサイル2発の発射実験をした。日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したとみられる。その数時間後、韓国も潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験に成功したと発表した。
  北朝鮮の弾道ミサイル発射実験は、韓国軍合同参謀本部(JCS)が15日に発表した。北朝鮮は13日にも巡航ミサイルの発射実験を行っていた。
  日本政府も同日、北朝鮮が弾道ミサイルとみられる飛翔体を発射したと発表した。当初はEEZの外に落下した模様だとしていたが、岸信夫防衛相はその後、EEZの内側に落下したと推定されると発表した。
  菅義偉首相は同日午後、「日本と地域の平和と安全を脅かすもので言語道断」だと述べた。

  JCSは北朝鮮が発射した短距離弾道ミサイルについて、飛行距離は約800キロで、最高高度60キロに達したとした。北朝鮮中央部から発射されたという。JCSとアメリカは、ミサイルの種類に関して分析を進めている。
  弾道ミサイルの発射は、北朝鮮の核活動を抑制することを目的とした国連決議違反となる。一方、韓国はSLBMの発射実験を初めて実施した。あらかじめ予定されていたもので、北朝鮮のミサイル試射を受けたものではないとされる。韓国はこれで、SLBMの技術をもつ世界7番目の国になった。
2日前にもミサイル実験
  北朝鮮は13日にも、日本列島を射程に収める新型長距離巡航ミサイルの実験を行った。同国国営の朝鮮中央通信は「大きな意義を持つ戦略兵器」だと伝えた。専門家たちは、この巡航ミサイルは核弾頭を搭載できる可能性があると指摘している。
  国連安全保障理事会は北朝鮮の弾道ミサイル開発を禁止しているが、巡航ミサイルについては禁止していない。弾道ミサイルは巡航ミサイルに比べ、強力な弾頭を数多く積載できるほか、射程範囲が広く、航行速度も速いとされている
韓国大統領の談話を非難
  韓国のSLBM試射には、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が立ち会った。ムン氏は、韓国が「北朝鮮の挑発にいつでも対応できる十分な抑止力」を手に入れたとし、「北朝鮮の不均衡な戦力を圧倒する」ために、防衛力の増強を続けるよう指示した
  この発言に対し、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記の妹の金与正(キム・ヨジョン)氏は、不合理で遺憾だと批判。北朝鮮の朝鮮中央通信(KCNA)によると、韓国との関係が崩壊する可能性があると警告したという。
  韓国・延世大学のジョン・デルリー教授は、「朝鮮半島の1国だけでなく2国が同じ日に弾道ミサイルの発射実験をするのは、異例のタイミングだ」、「この地域で軍事力競争があるという事実を証明するものだ」と話した。
中国と韓国の外相が会談
  北朝鮮は食糧難や深刻な経済危機に直面しており、いまも核兵器開発を続けられる状況なのか疑問視されている。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、北朝鮮は最も近い同盟国である中国との貿易をほぼ停止するなど、1年以上孤立状態が続いている。こうした中、中国の王毅外相は15日、韓国の鄭義溶(チョン・ウィヨン)外相とソウルで会談した。鄭外相は北朝鮮政策における協力を求めた。
  北朝鮮は3月、制裁を無視して弾道ミサイルの発射実験を行い、アメリカ、日本、韓国から強く非難された。先月には、国際原子力機関(IAEA)が、北朝鮮が寧辺にある原子炉を再稼働させているとみられるとの報告書をまとめた。寧辺の原子炉では、核兵器用のプルトニウムが生産されているとされ、IAEAは「深く憂慮」すべき動きだとした


2021.09.13-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20210913-ANJFOMMQOFIQXKEHKDFQCHOBPI/
北、計画通りの軍備増強誇示 振り向かぬバイデン政権に腐心

  【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮は13日、新型長距離巡航ミサイルの試射を発表することで軍備増強が計画通りに進む状況を誇示した。一方、対米関係の破綻につながりかねない大陸間弾道ミサイル(ICBM)の試射などには踏み出さず、バイデン米政権の出方を見定める思惑もありそうだ。
  1月の朝鮮労働党大会で示された「国防科学発展および兵器体系開発5カ年計画」の重点目標達成で大きな意義を持つ戦略兵器-。北朝鮮国営メディアは、今回のミサイルをこう位置づけた。開発は2年間に及び、数十回のエンジン噴出実験を経た点も強調した。
  国際社会による制裁や新型コロナウイルス対応の国境封鎖で経済難が深まる中でも、党の方針通りに新兵器開発が進んでいると印象づける狙いとみられる。
  今回、発射場所も着弾点も公表せず、日米韓の探知能力を探る意図もうかがえる。低高度で飛ぶ巡航ミサイルは探知が難しく、韓国紙は、韓国当局が探知に失敗したとの見方を伝えた。
  9日の建国記念日に続き、10月10日に党創建記念日を迎える北朝鮮にとって国威発揚の材料ともなる。北朝鮮問題をめぐる日米韓高官の協議を14日に控え、米国の注意を引くタイミングを計った可能性もある。
  ただ、トランプ前米大統領が就任した2017年に核実験やICBM発射を強行し、トランプ氏の関心を引きつけ、翌年の対話攻勢に持ち込んだ当時とは様相が異なる。バイデン大統領が就任した今年1月以降、試射は巡航ミサイルや短距離弾道ミサイルにとどめ、今月9日の軍事パレードも非正規軍を動員、弾道ミサイルは登場させなかった。
  バイデン氏がトランプ氏のような米朝首脳間の直談判を否定的にみる中、米側を刺激しすぎれば、対北政策がオバマ元政権時代の「戦略的忍耐」と呼ばれる事実上の無視に戻りかねないとの懸念があるようだ。

  一方で、北朝鮮は8月の米韓合同軍事演習に反発して対抗措置を示唆しており、米国の対北政策に変化がみられなければ、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の試射など、軍事的挑発の度合いを高めていく可能性も否定できない


2021.09.08-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20210908-AQHZ63Q565N3TGQCQEE5XDAL5U/
能登沖に北朝鮮救命艇か 沈没貨物船から流出

  能登海上保安署は8日、石川県珠洲市野々江町の沖合に漂着船を見つけたと発表した。同署によると、5月に島根県・隠岐諸島沖で沈没した北朝鮮船籍の貨物船「CHONG BONG」から流れ出た救命艇とみられる。
  8日朝に近くの住民が15~20メートル沖の浅瀬に船が乗り上げているのを見つけ、県警珠洲署に連絡した。船体には「CHONG BONG」との記載があった。
  貨物船は5月21日、倉庫が浸水したと第8管区海上保安本部(舞鶴)に救助要請。乗組員は救命艇で脱出し、近くを航行していた北朝鮮船籍のタンカーに全員救助された。救命艇はそのまま流されていた。


2021.08.10-Yahoo!Japanニュース(中央日報)https://news.yahoo.co.jp/articles/b2efc3b7fda2ffe38b6e8a266a3ee50815e6736e
「韓米演習理解する」としていた金正恩委員長、本心表し「在韓米軍撤収せよ」(1)

  北朝鮮の金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長が10日に始まった韓米合同演習を批判しながら在韓米軍の撤収を要求した。先代では最高指導者次元で容認していた在韓米軍の駐留を、金正恩キム・ジョンウン)・金与正の兄妹が異例に問題にした格好だ。
  文在寅(ムン・ジェイン)政権は3年前に北朝鮮が韓米合同演習も理解すると明らかにしたが、これは在韓米軍撤収まで狙う北朝鮮の本心とは乖離があるという点が表れたと分析される。
  金副部長はこの日朝鮮中央通信を通じて発表した談話で、「朝鮮半島に平和が訪れるには、米国が南朝鮮(韓国)に展開した侵略武力と戦争装備から撤去しなければならない。米軍が南朝鮮に駐屯する限り、朝鮮半島情勢を周期的に悪化させる禍根は絶対に除去されないであろう」と主張した。
  これに先立ち金日成(キム・イルソン)・金正日(キム・ジョンイル)時代に北朝鮮は在韓米軍の駐留を公式に容認してはいないが、交渉や対話の中ではこれを理解するという姿勢を見せ、1992年1月に米国で開かれた初の米朝高官級会談で、金容淳(キム・ヨンスン)労働党国際担当秘書はカンター米国務次官(いずれも当時)に「米朝修交してくれるならば在韓米軍撤退を要求しない」と提案した。
  だがこの提案は事実上拒絶された。 在韓米軍に対する北朝鮮の「最高尊厳」の立場は初の南北首脳会談となった2000年6月15日の金大中(キム・デジュン)大統領と金正日(キム・ジョンイル)国防委員長(いずれも当時)の会談で確認された。
  当時金委員長は金大統領に「金容淳・カンター会談」で北朝鮮側が米朝修交を条件に在韓米軍を認めることにしたという事実を直接確認した。その上で在韓米軍駐留の必要性を認めたということだ。
  金元大統領の自叙伝と林東源(イム・ドンウォン)元統一部長官の回顧録などを通じて公開された内容だ。 当時南北首脳会談に深く関与した朴智元(パク・チウォン)国家情報院長も2019年に自身のSNSとメディアインタビューなどを通じ、「金正日国防委員長が在韓米軍は継続して韓半島(朝鮮半島)に駐留しなければならないと話した」と明らかにした。
  金正日委員長が「過去には在韓米軍がわれわれを威嚇しわれわれの軍事的措置を防ぐ抑止力の一環だったが、冷戦が終わりむしろ在韓米軍が北東アジアの軍事的安定を維持している」という趣旨で話したという。 対北朝鮮交渉に長く関与してきた高位外交消息筋は「当時首脳会談に同席した関係者が金正日委員長に『それにもかかわらずなぜ労働新聞など北朝鮮の対内メディアでは在韓米軍撤収を主張するのか』と問うと、金正日委員長が『人民はまだそこまでだけ知っていれば良い』と話した」と伝えた。


2021.08.07-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20210807-W7D2W5WDFVNORF5NFPQ2MCBFI4/
北朝鮮、人道危機でも核・ミサイル開発継続 国連専門家パネル

  【ニューヨーク=平田雄介】国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会の下で制裁違反の有無を調べる専門家パネルは6日までに、食糧事情が悪化し人道危機が深まる中でも北朝鮮は核・ミサイル開発を続けているとの報告書案をまとめた。
  報告書の抜粋に基づきロイター通信が伝えたところでは、北朝鮮は昨年、新型コロナウイルスの防疫を名目にした国境封鎖を行い貿易と支援物資が大幅に途絶え、制裁で打撃を受けていた経済が一層悪化した。また洪水被害で農作物の収穫が大きな影響を受けたため、食糧事情が深刻化している。
  金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の「今年の収穫に多くがかかっている」という発言から「人道危機が深まりつつある」と指摘。「より幅広い国民が苦境にあるとみられる」と分析した。
  そうした中でも、北朝鮮は核・ミサイル開発のための「原材料と技術を引き続き国外から入手しようとした」と指摘。今後は「大量破壊兵器に応用される可能性のある研究」に注目しつつ、北朝鮮と海外の大学や研究所の共同研究の状況や世界的なサイバー活動に関する調査を続けるという。
  また、外貨獲得源となっている石炭の密輸出については「続いているが、量は大幅に減少している」と指摘。石油精製品の輸入量は「相当減少した」とした。


2021.08.01-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20210801-5OV4JFUE2NOXXP3AAUCK36Q4HE/
金与正氏が米韓演習中止を要求

  【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の妹、金与正(ヨジョン)党副部長は1日、談話を発表し、米韓が今月の実施に向け調整中の合同軍事演習について「再び敵対的な戦争演習を行うのか、大きな勇断を下すのか鋭意注視している」と警告、中止を要求した。朝鮮中央通信が報じた。
  演習への対応を韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権の対話の意思を試す踏み絵とみなし揺さぶりをかけ、米韓の足並みの乱れを誘う狙いとみられる
  北朝鮮と韓国は7月27日、南北首脳が関係改善の必要性で合意したと発表し、約1年ぶりに南北間の通信回線を復旧させた。与正氏は回線復旧について「物理的に再びつないだだけ」と指摘。韓国で南北首脳会談の可能性が取り沙汰されていることに関し「拡大解釈」だとし、「時期尚早で軽率な判断だ」と批判した。演習実施は「信頼回復に向けた首脳らの意思を傷つける」とも牽制(けんせい)した。







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