経済問題-1



2021.06.20-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/c484c4cb024083c86a9ec0dc7d3f1c8102ac2aea
外為法、経済安保で問われる実効性 東芝など 事前届け出でも外資拡大

  昨年5月の改正で外国投資家による日本企業への出資規制が強化された外為法の実効性が問われる事態が相次いでいる。外為法は外国投資家の影響力が安全保障を損なう事態を防ぐため、重要企業に対する出資比率が1%以上となる場合に事前届け出を求めることなどを規定。ただし既に半導体などの重要事業を担う東芝や、膨大な個人情報を持つ楽天といった企業で外国投資家をめぐる波乱が起きており、政府の対応が求められる局面だ。日本は経済に活力を与える海外からの投資と経済安全保障との両立という難題に直面している。

  「重要事業を行う企業には経済安全保障という面からも見なければならない」 。梶山弘志経済産業相は15日の記者会見で、海外投資家の影響力に揺れる東芝の経営について言及した。
  東芝への海外投資家の影響力が増したのは平成29年11月に決議した第三者割当増資がきっかけだ。シンガポールに拠点を置く投資ファンド「エフィッシモ・キャピタル・マネージメント」がこの際、筆頭株主として東芝株の11%超を保有することになった。
  東芝が10日に発表した外部弁護士の調査報告書によると、エフィッシモは当時、外為法に基づき事前届け出を提出。安全保障に影響を与える経営陣の人事に議決権行使以外の方法で関与しないことなどを誓約していた。

  その他のファンドも合わせれば、海外投資家の東芝株の保有比率は一時7割を超えていたという。 調査報告書は経産省が東芝と一体となって海外投資家に不当な圧力をかけたと指摘した。ただ、エフィッシモが他の株主との連携を図るなど、議決権行使を超える疑いのある行為をとっていたともされている。専門家からは「経産省による海外投資家への関与は当然」との声もある。

   また今年3月には中国IT大手の騰訊控股(テンセント)子会社が楽天に出資したことが明らかになった。テンセントの子会社は楽天の大株主となったが、資産運用を目的とした「純投資」として事前届け出の免除を受けていた。
  中国は事業者から強権的に情報を吸い上げる「国家情報法」を持つことから、日米両政府は日米の顧客情報がテンセントを通じて中国当局に渡る事態を警戒し、共同で監視する。 この問題について三木谷浩史会長兼社長は4月、「(テンセントは)一種のベンチャーキャピタルだ。何をそんなに大騒ぎしているのか全く分からない」と述べた。とはいえ純投資に該当するかは自己申告であるため、政府が外資の脅威を事前に察知することは難しいことも事実だ。

  ただし、海外からの投資の呼び込みは日本企業の活力となり、株主の監視が企業統治の改善につながることも確かだ。外為法でどこまで外資の行動を制約することができるかには不透明な部分も残る。市場関係者は「当局の顔色をうかがいながらの投資には二の足を踏む外資も出るだろう」と指摘する。
  菅義偉(すが・よしひで)首相は5月、令和12年に外国企業による日本国内への投資額(対日直接投資残高)を令和2年の実績の2倍となる80兆円に引き上げるとした。いかにして外資の安全保障への影響力を排除しつつ対日投資を広く受け入れるか。政府には難題が突き付けられている。
(林修太郎)

◇ 外為法
  外国為替および外国貿易法の略称。経済の安定や安全の確保を目的に、海外との為替取引や輸出入を管理している。他国への経済制裁を可能とする規定があるほか、外国人投資家による日本企業の買収で安全保障上の懸念がある場合、事前の届け出を求めている。国際的な影響力を増す中国などを念頭に、昨年5月には事前の届け出が必要となる出資比率をこれまでの「10%以上」から「1%以上」に引き下げて厳格化された。


2021.06.16-新日本法規-https://www.sn-hoki.co.jp/articles/article358702/
特別企画:日本企業の中国進出動向(2020年)-2020.03.02調査.

はじめに
  中国国内での新型コロナウイルス感染拡大に伴い、中国国内での工場の稼働停止や店舗休止などの影響が深刻化している。上海日本商工クラブが2月17日に公表した、日系企業635社を対象に実施したアンケートによれば、既にサプライチェーン上の課題が過半数の企業で生じていると回答。2020年の収益への影響見込みについては9割超の企業で前年比マイナス、2割は前年比2割超のマイナスになる見通しとなるなど、中国国内へ進出する企業への影響拡大は避けられない情勢となりつつある。
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  本調査は、帝国データバンクが保有する企業概要データベース「COSMOS2」(2020年1月時点、約147万社収録)及び信用調査報告書ファイル「CCR」(約180万社収録)、各社の公開情報などを基に、中華人民共和国(本文以下「中国」、香港・アモイの両特別行政区を除く)に対して現地法人や関係会社・関連会社の設立及び出資、駐在所・事務所の設置などを通じて進出する日本企業を対象に集計を行った。なお、同様の調査は2019年に続き6回目。
  [注]前回調査時から一部調査対象の追加・変更等を行ったため、以前の数値とは一部不連続が生じている
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調査結果(要旨)
  1. 中華人民共和国(以下「中国」、香港・アモイを除く)に進出している日本企業は、2020年1月時点で1万3646社判明。2019年の調査時点から39社減少したほか、過去の調査で最も進出社数が多かった2012年(1万4394社)からは748社減少するなど、中国に進出する日本企業数は引き続き減少した
  2. 業種別では、最も多かったのは「製造業」(5559社)で、全体の約4割を占める。次いで多いのが「卸売業」(4505社)で、全体の約3割を占め、2019年(4495社)からは0.2%増加した。他方、「小売業」(443社)などでは前年比減少となった
  3. 中国への進出地域では、最も多かった地域は中国東部の「華東地区」で9054社に上る。なかでも「上海市」は6300社と最も多く、中国全土でも最多。中国全土で3番目に多い「江蘇省」(1900社)などと合わせ、進出する日本企業の多くが上海経済圏に集積する。次いで多いのは「中南地区」で2252社。大規模港湾を有する広州市や、ハイテク産業が集積する深セン市などを擁し、中国全土で2番目に多い「広東省」(2036社)のほか、多数の自動車産業が集積する武漢市を含む「湖北省」(242社)で進出企業が多くみられた

1. 概要~中国進出の日本企業は約1万3600社、減少傾向続く~
   中華人民共和国(以下「中国」、香港・アモイを除く)に進出する日本企業は1万3646社判明。2019年の調査時点から39社減少したほか、過去の調査で最も進出社数が多かった2012年(1万4394社)からは748社減少するなど、中国に進出する日本企業数は引き続き減少した。
   企業規模別にみると、年売上高が「10-100億円未満」の企業が5264社となり最多。年売上高が「1-10億円未満」(4256社)などと合わせると、年商100億円未満の企業が全体の7割超を占めており、英国などの主要先進国への進出動向とは対照的となる。また2019年とは異なり、売上高の小さい中小企業で進出が増加したのに対し、中堅~大企業では減少に転じた点が特徴。
   都道府県では、2019年に続き「東京都」(4561社)が最多。以下、「大阪府」(2063社)、「愛知県」(1102社)、「神奈川県」(649社)と続く。

2. 業種別~製造業が4割を占めるも、社数の減少続く~
  業種別では、最も多かったのは「製造業」(5559社)で、全体の約4割を占める。なかでも、旋盤やフライス盤、研削盤などを製造する「金属工作・加工機械製造」(131社)などを含む一般機械器具分野で最も多いほか、鉄鋼・非鉄金属製造、コンデンサやコネクタ、プリント回路などを製造する「電子機器部品製造」(227社)を含む電気機械器具製造で特に多い。ただ、製造業全体では2019年から2.4%減少、最も多かった2016年(5853社)からも約5%減少した。
  次いで多いのが「卸売業」(4505社)で、全体の約3割を占め、2019年(4495社)からは0.2%増加した。なかでも「産業用電気機械器具卸」(485社)などを含む機械器具分野が最も多く占めるほか、繊維・衣服類卸分野、飲食料品卸分野などでも多い。
  このほか、「サービス業」が1833社で、前年から8.5%増加。「不動産業」(189社)も前年から10.5%増加した。「小売業」(443社)は、百貨店など従来の流通・小売に代わり、BAT(百度、阿里巴巴、騰訊)に代表される大手IT事業者が台頭したほか、中国での消費動向が量から質へ変容してきたことで、拡大戦略を続けてきた日系小売業の進出が一服したことも要因となり6.1%の減少。「運輸・通信業」(399社)、「金融・保険業」(355社)でも、2019年から減少に転じた。

3. 進出先地域別~中国沿岸部に集積、最多は「上海市」で約半数が進出~
  中国への進出地域では、最も多かった地域は中国東部の「華東地区」で9054社に上る。なかでも「上海市」は6300社と最も多く、中国全土の行政省(市)別で最多。中国全土で3番目に多い「江蘇省」(1900社)などと合わせ、進出する日本企業の多くが上海経済圏に集積する。地域別で次に多いのは「中南地区」で2252社。大規模港湾を有する広州市や、ハイテク産業が集積する深セン市などを擁し、中国全土で2番目に多い「広東省」(2036社)のほか、多数の自動車産業が集積する武漢市を含む「湖北省」(242社)で進出企業が多くみられた。
  このほか、中国全土で5番目に多い北京市などを含む「華北地区」では1802社、4番目に多い遼寧省を含む「東北地区」は1483社。総じて、港湾都市など輸送インフラが揃う中国沿岸部の各省で日本企業が集中する構図となっている。日本企業の対中進出では、従来から総じて輸出中心のコストダウン戦略が重視されたこともあり、日本国内との生産・物流ネットワークの構築面で日本から地理的距離が離れない沿岸部を進出先とした日本企業が多かったことも要因の一つとみられる。
  他方で、中国経済の発展が拡大するにつれ、中国国内での市場獲得を図るため内陸部に進出するケースもみられる。四川省や重慶市を含む「西南地区」(271社)、陝西省などを含む「西北地区」(81社)など、内陸部へ進出する日本企業も一定数存在する。
4.
5. 今後の見通し
  近年は中国国内での景気減速のほか、中国経済の成長に伴う人件費の上昇、通貨安のほか、中国政府が重視する環境規制強化による対策などで採算性が低下したほか、いわゆる「チャイナリスク」を嫌気し、タイなど東南アジア諸国へ拠点を分散させる「チャイナプラスワン」など、日本企業における脱中国への動きもみられる。他方、初の国外 EV 事業の生産拠点とした明電舎(東京・品川)や、中国第一号店を開店した関門海(大阪・西)など、2019 年中にも新たに中国へ拠点を設けた企業が複数見られ、日本と巨大市場を抱える中国との間で強固かつ複雑なサプライチェーンが引き続き構築されてきた点には変わりない。
   こうしたなか、中国国内での新型コロナウイルスによる肺炎拡大により、原材料や部品調達を中国に頼っていた企業や、国内外で生産停止した工場に部品供給を行う企業で経営環境が急速に悪化している。完成車メーカーなどの製造各社や流通大手を中心に、中国での全面的な生産や店舗営業の再開時期が見通せずにいるほか、中国製部品や食材などの供給量減で国内工場も操業停止するなどの影響も複数聞かれる。2002 年に中国で発生した SARS(重症急性呼吸器症候群)流行時には、中国国内での検閲強化などで物流が滞り、サプライチェーンが断たれたことで企業倒産に至ったケースも発生した。大手に比べて在庫や設備に余裕のない中小企業では、中国事業での生産・流通停滞による影響は大手以上に深刻であり、今後の動向に十分警戒する必要がある。
   また、帝国データバンクが調査したところでは、中国と輸出入を行う企業は延べ約 2 万社。中国に進出する約 1 万 3600 社を合わせると、中国でビジネスを展開する日本企業は総計で 3 万社超にも達し、その多くの拠点は中国沿岸部に集中する。現状では大規模な都市封鎖などは武漢市(湖北省)のほか、温州市(浙江省)など主要都市でも実施されており、日本企業が多く集積する沿岸各都市にこうした措置が拡大した場合、影響がさらに拡大する可能性が高い。


2021.06.11-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/article/20210611-CFIERZPRQJMVPHRCPGLJ2LVNDI/
東芝総会「圧力」、株主権利か経済安保か 報告書波紋 原発技術企業、外為法で規制
(1)
  東芝の昨年7月の定時株主総会をめぐり、同社と経済産業省が一体となり物言う投資家」に圧力をかけていたとする外部弁護士の調査報告書が波紋を広げている。経産省は経済安全保障を理由に東芝の株主対応を〝支援〟。一方の投資家側も「株主の権利」を盾に経営陣への揺さぶりをもう一段引き上げるのは必至で、国策銘柄をめぐる狂騒が鎮まる気配はない。

  「東芝の今後の社内調査の報告を待ちたい」
  報告書の公表から一夜明けた11日、梶山弘志経産相は閣議後の記者会見でこう述べ、東芝の対応次第では省独自で調査に乗り出す考えを示した。
株主情報やりとり
  東芝は昨年7月の総会に関する報告書を10日に発表。経産省幹部と東芝が物言う株主の動向の情報をやりとりしていた点について「法令等に抵触する疑いのある行為すら見受けられる」と指摘した。調査は海外投資ファンド、エフィッシモ・キャピタル・マネージメントが今年3月の臨時総会で調査を求めた提案が可決したことで実現した。

  問題点として挙げたのが、議決権の15%超を保有していたエフィッシモに対し、同社の推す社外取締役の選任議案を取り下げるよう働きかけたことだ。経産省で東芝を所管する商務情報政策局の情報産業課長がエフィッシモにルール・規制を担当している局が財務省とともに動き始めるらしい」などと牽制(けんせい)していた。
  報告書には、車谷暢昭社長(当時)が菅義偉官房長官(同)に株主の状況を説明したとみられる経緯も記され、東芝と国の蜜月ぶりが浮き彫りになった。
(2)
  情報産業課長は他の投資ファンドにも総会で議決権を行使しないように圧力をかけていた。「隣が大火事のときにバーベキューをしていると、それでは済まないこともある」として、エフィッシモの取り締まりに他の投資家が巻き込まれる可能性を示したという。
経産相「問題ない」
  ただ、東芝は原子力発電や防衛装備など安全保障上の重要技術を抱え、軍事転用の恐れがある技術や製品を国の許可なく外国企業などに提供することを禁じる外為法「コア業種」に指定されている。梶山氏は11日の会見で、外為法の下、安全保障などの観点から規制対象となる株主の行為を審査する上で、事業者から情報を得ることはあり得ると説明。「このような対応が直ちに問題になるとは考えていない」と語った。
  「株主の権利」と「国の安全保障」のどちらを優先するのか。いずれも重要な両概念のせめぎ合いが問題をより複雑にしている

  東芝が25日に開く定時総会を前に、11日はもう一波乱が起きた。会社側が提案する取締役13人の選任のうち、取締役会議長の永山治氏ら5人について、米議決権行使助言会社が反対を推奨していることが判明した。総会の結果次第では、東芝の経営が再び混乱に陥る恐れがある。
(米沢文)


2021.06.10-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/article/20210610-4NGTDZZADZKGLCRW4H6EEHDGDE/
携帯プラン高額誘導是正を 公取委、大手3社に

  公正取引委員会は10日、携帯電話市場の調査報告書を公表した。NTTドコモやKDDI、ソフトバンクの大手3社が販売代理店への評価制度によって、客の利用実態に合わない高額プランへの勧誘を助長している懸念があると表明。大手が代理店に対して端末価格を拘束していることも独禁法上の問題になり得るとし、自由な値付けを徹底するよう求めた。3社に近く取引の改善要請を出し、是正を促す。

  携帯市場の報告書をまとめるのは平成30年以来約3年ぶり。楽天の本格参入などで業界の構図が変わる中、公取委は競争環境の整備を進め、サービス向上や料金の引き下げにつなげる。
  代理店の経営は、大手から支払われる各種の手数料に依存。支給額は契約実績などの指標を基に決められている。代理店からは高額の大容量プランの契約を取らないと評価が下がるため、必要としない消費者にも販売せざるを得ないとの声がある。


2021.05.21-Livedoor News(産経ニュース)-https://news.livedoor.com/article/detail/20234513/
ミズノが新疆綿の使用中止

  ミズノは21日、中国新疆(しんきょう)ウイグル自治区で強制労働により生産された疑いのある新疆綿について、自社製品への使用をやめる方針を決めたと明らかにした。
  使用を中止する理由は明らかにしていない。人権問題に配慮したとみられる。
  ミズノによると、スポーツウエア製品などの一部で新疆綿を使っているが、大半は機能性を重視してポリエステルなどの合成繊維を使用しており、影響は少ないとしている。
  新疆綿を使った製品は順次生産を中止し、商品の在庫がなくなり次第、販売も終了する。


2021.05.20-BBC NEWS JAPAN-https://www.bbc.com/japanese/57181123
ビットコインが急落、3カ月ぶりの安値 中国の規制発表などで

  仮想通貨ビットコインの価格が19日の取引で3カ月ぶりに一時3万4000ドルまで下がった。中国が仮想通貨に関する新規制を発表したことや、米電気自動車(EV)メーカー「テスラ」のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)がビットコイン決済を停止すると発言したことなどを受けて売りが進んだ。

  中国は銀行や決済会社が仮想通貨取引に関連するサービスを提供することを禁止した。また18日には、投資家に対して投機的な仮想通貨取引を禁止すると警告した。
  先週には、テスラがビットコインによる支払い受け付けを停止すると発表し、ビットコイン価格は10%以上下落した。
  19日午後には価格は多少回復したものの、10.4%安の3万8131ドルにとどまった。


2021.05.18-日本経済新聞-https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA178DK0X10C21A5000000/
1~3月GDP、実質年率5.1%減 20年度は戦後最大4.6%減

  内閣府が18日発表した2021年1~3月期の国内総生産(GDP)速報値は物価変動の影響を除いた実質の季節調整値前期比1.3%減、年率換算で5.1%減だった。マイナス成長は3四半期ぶり。20年度も前年度比4.6%減で、落ち込み幅はリーマン・ショックがあった08年度(3.6%減)を超え、戦後最大となった。

  1~3月期は新型コロナウイルスの感染拡大で、政府が東京などに緊急事態宣言を発令した時期と重なる。その影響で個人消費が低迷し、全体を押し下げた。1~3月期のマイナス幅はQUICKがまとめた民間エコノミスト予測の中心値(年率4.6%減)より大きかった。
  最初の緊急事態宣言が出た20年4~6月期に大きく落ち込んだ日本経済は7~9月期、10~12月期とプラス成長が続き回復傾向にあったが、今回再びマイナス成長に転じ、足踏みした。実額(実質、年率換算)をみると21年1~3月期は534兆円となった。コロナ前のピークだった19年7~9月期(558兆円)に比べ4%少ない。コロナ前の水準に戻るにはまだ時間がかかる。
  GDPの半分以上を占める個人消費は前期比1.4%減り、3四半期ぶりの減少となった。緊急事態宣言を受けた外出自粛や、飲食店での時短営業などが消費を抑制した。自動車や衣服、外食などで影響が大きかった。
  消費とともに内需の柱である設備投資は1.4%減で、2四半期ぶりにマイナスになった。4.3%増だった10~12月期の反動減もあり、通信機器や自動車で減少した。住宅投資は1.1%増で10~12月期(0.1%増)から増加幅は拡大した。公共投資は1.1%減だった。

  政府消費(政府支出)は1.8%減った。医療機関の受診が減り、政府消費に計上される政府負担分の医療費が減ったことが影響した。政府の観光需要喚起策「Go To トラベル」の一時停止により政府の負担分が減ったのも要因だった。

  外需では輸出が2.3%増えた。10~12月期の11.7%増からは鈍化したものの、3四半期連続のプラスとなった。ワクチン接種が進む米国向けでは自動車を中心に伸びたほか、中国を含むアジアなどでは電子部品などが堅調だった。
  輸入は4.0%増で、2四半期連続の増加。医薬品などが増えた。輸出から輸入を差し引いて計算する外需全体のGDPへの寄与度は、マイナス0.2%だった。収入の動きを示す雇用者報酬は名目前年同期比で0.5%減となった。
  4~6月期は政府が複数の地域に緊急事態宣言を発令・拡大した影響で個人消費の落ち込みが想定され、大きな伸びは期待できない。

小黒一正法政大学経済学部 教授
別の視点
  記事では「(実質GDP成長率の)落ち込み幅はリーマン・ショックがあった08年度(3.6%減)を超え、戦後最大」という指摘がありますが、ショックは前年度の成長率と比較する方がより正確なインパクトが把握できます。例えば、内閣府の直近データ(実質GDP成長率)によると、2007年度は1.1%、2008年度は▲3.6%ですから、リーマン・ショックのインパクトは4.7%ポイントです。他方、2019年度の実質GDP成長率は▲0.5%、2020年度は▲4.6%で、コロナショックのインパクトは4.1%ポイントです。このため、現在のところ、この指標ではリーマン・ショックの方がインパクトが大きいことが分かります。


2021.05.15-JIJI.COM.-https://www.jiji.com/jc/article?k=2021051500250&g=int
セブンの米コンビニ買収「違法」 当局委員が声明―海外戦略に暗雲

  【ワシントン時事】米独占禁止当局である連邦取引委員会(FTC)の委員2人は14日、セブン&アイ・ホールディングスによる米コンビニエンスストア運営会社「スピードウェイ」の買収について、「違法な買収の恐れがある」と異議を唱える声明を発表した。海外に活路を求めた2兆円超の巨額買収戦略は、当局の認可をめぐり難航する可能性もある。

  声明に先立ち、セブンは同日(日本時間15日)、米石油精製大手マラソン・ペトロリアム傘下のスピードウェイの買収が完了したと発表していた。
  FTCで買収審査を担当するスローター委員長代行ら与党民主党系の委員2人が声明を発表し、全米に展開するガソリンスタンド併設型のコンビニが買収されれば「反トラスト法(独占禁止法)違反の疑いがある」「コンビニやスタンドで価格高騰を招く」と懸念を表明した。ただ、買収阻止や訴訟などの強制措置に必要となる「過半数の合意は得られていない」とも述べている。


2021.05.13-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/business/news/210513/bsj2105130618002-n1.htm
ソフトバンクグループ最終益国内最高 不安要素多く「実力以上」の声も

  最終利益が約5兆円と国内企業として歴代最高をたたき出したソフトバンクグループ(SBG)。だが孫正義会長兼社長が成長の柱に掲げる人工知能(AI)や個人情報に対する規制強化の動きも出ており、行く先は順風満帆とはいえない。各国の金融緩和政策による株高を背景にした「最大瞬間風速にすぎない」との指摘も根強く、安定的に利益を上げる“真の”投資企業になるには道半ばだ。

  「まだまだ物語は続いている。AI革命は始まったばかり」
  孫氏は12日の決算会見でこう強調した。「昨年を上回る上場の準備が進んでいる」とも述べ、AI関連への投資を加速する方針を改めて鮮明にした。
  AIをめぐっては欧州連合(EU)欧州委員会が4月、利用に関するEU初の規制案をまとめた。SBGが注力する金融分野では、ローンの信用審査での利用は「高リスク
と分類され、事前審査などが義務付けられる。AIが分析するビッグデータの基となる個人情報の保護についても世界的に規制が強化される方向にある。孫氏は「品行方正なルールの中で(AIの)技術革新は続く」とした。

  SBGの利益の大半は投資先の評価益だ。世界的な株高を追い風にした好業績に市場からは「今回は実力以上」との声もある。
  各国の金融緩和の転換や米中対立など、株高を脅かす不安要素はさまざまある。ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストは「中国リスクが高まる夏以降、株価は下落局面を迎える可能性がある」と指摘する。

  その中国リスクの渦中にあるのが中国インターネット通販最大手、アリババ集団だ。アリババ株はSBGの時価純資産の約4割を占める。
  アリババ傘下で電子決済サービス「アリペイ」を運営するアント・グループは昨年11月、中国の金融当局によってIPO(株式公開)を上場直前で中止に追い込まれた。4月には経営体制を見直すよう行政指導も受けている。アリババにも、独占禁止法違反で約182億元(約3080億円)に上る過去最大の罰金が科せられるなど、当局と緊張関係にある。


2021.04.21-産経新聞 HTE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/economy/news/210421/ecn2104210030-n1.html
中国IT大手出資の楽天を監視 警戒強める日本政府

  楽天グループが中国IT大手の騰訊控股(テンセント)子会社から出資を受けたことに日本政府が警戒を強めている。顧客情報などがテンセントを通じて中国当局に流出する懸念が拭えないためで、政府は外国人投資家による日本企業への出資規制を定めた「外為法」に基づき、楽天を監視する考えだ。楽天は米国でも事業を行っていることから、日本と同様に中国への警戒が高まっている米当局にも情報提供を行う。

  問題となっている出資は今年3月、楽天と日本郵政が資本業務提携を発表した際に明らかにされた。楽天が第三者割当増資を行う形で日本郵政から1499億円の出資を受けるのに合わせ、テンセントの子会社からも657億円の出資を受けるというものだった。この出資により、テンセントの子会社は楽天株の3・65%を保有する大株主となった。

  外為法では、安全保障上重要な企業の株式を外国人投資家が取得する際、事前の届け出を求めている。国際的な影響力を増す中国などを念頭に、昨年5月には事前の届け出が必要となる出資比率をそれまでの「10%以上」から「1%以上」に引き下げて厳格化していた。ただ、資産運用目的で経営に関与しない「純投資」の場合は事前届け出を免除する仕組みも設けている。テンセントの子会社も「純投資」として事前届け出の免除を受けていた。
  ただ、政府関係者は「同社が出資する真意は不明」と話す。事前届け出の免除制度では、事後的に免除基準を満たしているかを調べることができることから、日本政府はテンセント側による(1)役員への就任(2)株主総会で事業の譲渡や廃止の提案(3)非公開の技術情報へのアクセス-などの免除基準に違反するような行為がないか、両社から話を聞くなどして監視する


2021.04.21-JIJI. COM-https://www.jiji.com/jc/article?k=2021042000981&g=eco
東芝買収、事実上撤回 英ファンド「検討中断」―車谷社長辞任で前提狂う

  東芝は20日、今月6日に買収の初期提案を受けた英投資ファンドCVCキャピタル・パートナーズから、「(買収について)暫時検討を中断する」との書面を受け取ったと発表した。CVCが初期提案で続投を前提としていた車谷暢昭前社長が14日に辞任。CVCが提案した株式の非公開化に新経営陣が強く反発しているため、初期提案を事実上撤回したとみられる。

  CVCの動きは、東芝の買収検討に乗り出していた他の投資ファンドにも影響しそうだ。
  東芝によると、書面は19日に受領。時事通信が入手した書面によると、「東芝の取締役会の同意を得ずにTOB(株式公開買い付け)をする意向はない」として、敵対的な買収の意図がないことを明記。その上で、「非公開化が(新経営陣の)戦略的目的に合致するかについてのガイダンス(方針説明)を待つため暫時検討を中断する」と記されている。
  一方、CVCは書面で「引き続き東芝の非公開化を支持する。今後も喜んで(東芝経営陣と)議論を継続するつもりだ」との姿勢も示した。
  これに対し、東芝は、買収者の出資構成や買収後の戦略など具体的な情報が提供されておらず、「検討を開始することはできない」とのコメントを出した。
  CVCは、非公開化すれば「物言う株主」の攻勢を回避できるなどと主張していた。しかし、東芝は今年1月に約3年半ぶりに東証1部に復帰したばかり。東芝はコメントの中で「1部復帰を誇りに思う。上場会社としてのメリットを生かすことが企業価値の向上につながる」として、上場を維持する意向を鮮明にした。初期提案については「株価が乱高下するなど混乱を来したことは誠に遺憾だ」とも指摘した。


2021.04.16-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210416/k10012979241000.html?utm_int=news-business_contents_news-main_001
ルネサス 火災1か月で復旧状況と生産見通し 社長 会見で説明へ

  大手半導体メーカー、ルネサスエレクトロニクスは茨城県の主力工場で火災が起き、一部の生産を停止してから1か月となる今月19日に柴田英利社長が会見し、復旧状況や今後の生産の見通しについて説明することにしています。

  ルネサスエレクトロニクスは、茨城県ひたちなか市の主力工場で先月19日、製造装置などが燃える火事があり、自動車向けの半導体などの生産を一部、停止しています。
  会社は、火災から1か月となる週明けの今月19日に柴田社長がオンラインで記者会見すると発表しました。
  ルネサスエレクトロニクスは、19日までの生産再開を目指して復旧を急いでいて、会見では火災が起きた製造棟の復旧状況と今後の生産の見通しについて説明することにしています。
  また火災前の出荷水準を回復する時期がいつごろになるかや、生産停止の影響で不足する製品を補うための代替生産の状況についても合わせて説明が行われます。
  自動車向けの半導体は世界的に不足し、自動車メーカーの生産停止につながっていることから、ルネサスが生産を再開し火災前の出荷水準を早期に回復できるかが焦点となっています。


2021.04.15-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/economy/news/210415/ecn2104150038-n1.html
東芝、買収提案を拒否へ 「上場維持は絶対」 敵対的TOB発展も

東芝が、英投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズの買収提案を拒否する方向で調整に入ったことが15日分かった。株式非公開化を前提としたCVCの買収案に対し、東芝幹部は大手銀行に「上場は絶対に維持する」と伝達。東芝の永山治取締役会議長(73)が反対していることも判明した。複数の関係者が明らかにした。

  一方、CVCは買収方針を変えず近く詳細な提案をまとめる方針だ。ただ、東芝の拒否により国内企業の協力は難しくなった敵対的な株式公開買い付け(TOB)に発展する可能性が出てきた。
  東芝の広報担当者は「買収案を拒否する方針を決めていない。詳細案の提案を受けて取締役会で協議する」とコメントした。
  複数の関係者によると、東芝の中枢幹部が取引銀行に買収案を拒否する態度を伝えた。


2021.04.07-JIJI COM.-https://www.jiji.com/jc/article?k=2021040700216&g=eco
東芝に2兆円買収提案 英ファンド、非公開化の方針―1株5000円で買い取り

  英投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズなどが東芝に買収を提案したことが7日、分かった。「物言う株主」との対立が続く東芝の株式を非公開化した上で、企業統治体制を抜本的に見直し、経営判断を速める狙いとみられる。買収額は2兆円を超える可能性がある。

  東芝は同日午前、取締役会を開き、対応を協議した。関係筋によると、執行役による検討チームに加え、社外取締役も投資家保護の観点から提案を検証。本格提案を待って結論を早急にまとめる。CVCはTOB(株式公開買い付け)を検討し、他ファンドなどにも参加を呼び掛ける。6日終値を3割程度上回る1株5000円での買い取りを提案したという。
  車谷暢昭社長は、CVCの日本法人会長を務めていた。株式を非公開化すれば、物言う株主からの経営に対する介入を排除し、経営判断の機動性を確保できる。ただ、東芝は原子力事業を持ち、外資の出資に際しては改正外為法の規制を受ける。今後の展開は不透明だ。


2021.04.07-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/210407/mca2104070542001-n1.htm
東電社長、福島県知事に謝罪 地震計故障や核防護不備

  東京電力の小早川智明社長は福島県庁で6日、内堀雅雄知事と面談し、福島第1原発で故障した地震計を放置していた問題や、柏崎刈羽原発(新潟県)での核物質防護不備について謝罪し「根本的な原因究明をした上で対策を取り、立て直していきたいと述べた。

  内堀氏は「県民に不信感を与えた。残念だ。改善策を実現してほしい」と応じた。小早川氏は面談後、報道陣に「経営と現場の距離が離れているのは一つの問題点」とした上で「第三者の目を入れて、改革に取り組みたい」と語った。
  小早川氏は5日にも第1原発事故で被災した双葉町や大熊町など6町村の役場を巡り、両問題で各首長に陳謝した。
  第1原発では3号機の原子炉建屋に設置した地震計2基が故障していたのに、修理などをせず放置。福島・宮城両県で最大震度6強を観測した2月13日の地震でデータが記録できていなかった。
  柏崎刈羽原発では、テロなどを防ぐ核物質防護設備が2020年3月以降、15カ所で故障し、代替措置も不十分だったことが判明。原子力規制委員会は安全重要度を最悪レベルの「赤」と評価し、事実上の運転禁止を命じる方針を決めた。


2021.04.06-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/affairs/news/210406/afr2104060001-n1.html
アマゾン装う偽メールが増加 カード情報狙う

  インターネット通販大手アマゾン・コムからのメールを装ってカード番号や個人情報を盗むサイバー攻撃が昨年夏から増えていることが6日、米情報セキュリティー会社プルーフポイントの調査で分かった。日本人を標的にした偽メールが昨年8月から今年3月までに約1億8500万通確認された

  フィッシング対策協議会(東京)の調べでは、新型コロナウイルス流行以降、偽サイトに情報を入力させて盗み取る「フィッシング詐欺」被害が増えているが、今年報告された半数以上がアマゾンを装ったものだった。
  プルーフポイントによると、メールの件名は「アカウントの確認」や「支払い方法の確認」などで、記載されている指示通りに手続きを進めると、本物そっくりのアマゾンの偽画面が表示される。パスワードや住所、電話番号、クレジットカード番号などの入力を求められ、入力すると犯人に情報が渡る。
  偽画面は見分けることが難しいが、送信元アドレスが本当にアマゾンからかどうかを確認するのが重要だ。


2021.04.02-JIJI COM-https://www.jiji.com/jc/article?k=2021040200948&g=eco
世界の金融大手が巨額損失 野村HD、問われるリスク管理―ニュースQ&A

  野村ホールディングス(HD)が米顧客との金融取引で2200億円にも上る巨額損失を抱えた可能性が発覚し、波紋を広げている。米投資会社アルケゴス・キャピタル・マネジメントとの取引が要因で、野村以外にも日米欧の複数の大手金融機関が巻き込まれたとされる。一体何が起きたのか。

 ―アルケゴスとは
  米ニューヨークに拠点を置く著名投資家ビル・フアン氏の個人資産管理会社だ。資産は100億ドル(約1兆1000億円)程度だが、複数の金融機関からの借り入れで、500億ドル程度を運用していたとみられる。
 ―どんな運用方法か
   金融機関に担保を預け入れ、高い手数料を払えば自己資金の何倍もの売買ができる「レバレッジ取引」の一種だ。相場が読み通りに動けば大きな利益が得られる半面、外れた場合の損失も大きい。野村のほか、三菱UFJ証券HDやスイスのクレディ・スイス(CS)、米国のゴールドマン・サックス(GS)やモルガン・スタンレーなどとも取引し、高リスクの運用をしていたようだ。
 ―発覚のきっかけは
  アルケゴスが投資していた米メディア大手バイアコムCBSなどの株価が3月下旬に急落し、運用成績が悪化。GSなどはアルケゴスに担保の積み増しを求めたが、その能力がないことが判明したため、アルケゴスの保有株を差し押さえ、市場外で売却した。これが一段の株価下落につながり、売り遅れた野村などの損失が拡大したとされる。
 ―GSの損失は限定的だったようだが
   3月25日に金融機関とフアン氏が協議した後、GSは短時間で資産売却しており、「経営判断の速さの違いが差を生んだ」(マーケットアナリスト豊島逸夫氏)との見方もある。その後、野村やCSが損失見込みを公表。三菱UFJ証は損失が約300億円になるとし、みずほフィナンシャルグループも貸し付けによる100億円規模の損失が懸念されている。
 ―リスクを察知できなかった理由は
  米国の規制では、個人の資産管理・運用会社や高リスク商品に関する情報開示義務が限られていた。低金利下で金融機関が高い手数料目当てにこぞって取引したとの指摘もある。個々の会社のリスク管理体制に加え、規制のあり方が問われそうだ。


2021.03.30-CAR WATCH-https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1315396.html
ルネサス那珂工場火災、自動車産業への影響は1.5か月~2か月分との見通しが明らかに

  ルネサス エレクトロニクスは3月30日、半導体の生産を担当するルネサス セミコンダクタ マニュファクチュアリングが茨城県ひたちなか市に所有する那珂工場で3月19日に発生した火災について、詳細と今後に関する説明会を開催した。
  ルネサスは火災から2日後の3月21日に火災の詳細や今後の影響に関する説明会を行なっており、今回の説明会はその2回目となる。

  ルネサス エレクトロニクス代表取締役社長兼CEO 柴田英利氏は、「前回の繰り返しになるが、那珂工場の火災により多くの皆さまにご心配を掛けていることを心よりお詫びしたい。近隣の皆さま、取引先、警察、消防の方々などにも申し訳ないと思っている。また、関係各位には復旧に向けてご協力をいただきお礼を申し上げたい」と述べ、関係各所への謝罪の言葉から説明を始めた。
  その上で、現時点で生産が100%に戻るまでに生産のボトルネックになっている4点を挙げた。

  1.クリーンルームでのハリの補強は3月29日に完了、通常は2週間だが3日間で。
  2.天井に敷き詰めるフィルターのようなサプライ品、すすによる汚れ、洗浄の作業、作業が続いているが概ね順調に進捗
  3.WIP(Wafer In Process):作業途上のウェハーのダメージの確認、仕掛品は3/4程度が利用可能である
  4.製造装置の調達:1F製造装置全体(390台弱)のうち90%強の確認が完了している。残り10%は動作を確認している。

  柴田氏は「クリーンルーム自体の再開に向けては順調に作業が進んでいる。1か月以内の目標が、達成確度が大きく高まっている」と述べ、1回目の説明会で説明した工場再開に向けたロードマップにしたがって、順調に復旧が進んでいると説明した。
  出火の原因解明については、前回の説明会後に外部専門家による調査や消防の再調査などが行なわれたとのことだが、まだ詳細は明らかになっておらず、原因の解明までにはもう少し時間がかかるとした。

  製造装置の調達の進捗状況について柴田氏は「前回の説明会では11台の製造装置が必要であるとした。しかし、その後N3棟の1階の製造装置の状況の確認が進むにつれて12台追加され、23台の手当が必要だということが分かってきた」と述べ、前回の説明会の時点で必要とされていた置き換えや修理などが必要な製造装置が、当初の11台から12台増えて23台になったと説明した。
  納期に関しても緑色(上記写真参照)で示されたものが4月末までに、黄色(同)が5月中旬から下旬にかけて、そしてピンク(同)が6月までに那珂工場に納品される予定になっているという。
  白に関しては現時点ではめどが立っていないが、「随分と先になるという訳ではなく、そんなに先の日程ではないタイミングでの納入が期待できる状況。5月や6月に予定されているものも、1日でも2日でも早く納入を求めている」と述べ、全体的に前倒しできるようなタイミングで製造装置の納期を早めてもらえるように装置メーカーなどに依頼を続けているとした。
工場内部では片付けが進み、被害を受けた製造装置の入れ替え作業を進め1か月以内の生産再開が現実的に
  生産再開まで、どのようなタイミングで立ち上がっていくのかを模式図にで示し、前工程(ウェハーを製造する工程のこと)に60日、後工程(ウェハーからチップに切り出したりする工程のこと)に30日かかることを考慮に入れると、クリーンルームが予定通り1か月以内に復旧し、火災から30日後に生産が開始したとすると、1か月後に仕掛品(すでに途中まで製造してあった製品)の生産が完了しはじめ、火災から約100日後には100%の状態に戻ると想定しているという。
  このため、顧客への影響としては約1.5か月~2か月になる見通しとのことだ。
  すでに外部のファウンダリーとも話を進めており、代替生産について内製可能な分に関しては1.5か月分を代替生産する前提で82%、2か月分を代替生産する前提で73%、外部で生産可能な分に関しては1.5か月分を代替生産する前提で100%、2か月分を代替生産する前提で90%分を確保することが可能になっているという。
  柴田氏は「生産が一定期間止まったうちのかなりの部分は代替生産を通じてカバーすることができ、那珂工場が順調に立ち上がれば、かなり部分がキャッチアップできる」と述べ、早期の復旧と代替生産の両方を組み合わせることで、当初の予想よりも対応できない部分は減る見通しだと説明した。
  売上への影響見通しに関しては「前回の説明会では170億円だと説明したが、より正確に言うと130億円になる。170億円のうち30億円はN3棟ではなくほかの工場の分を計上しており、さらにウェハーテストの売上10億円が含まれていた。1.5~2か月分となり、そこから最終製品在庫の20億円分を引くと、約175~240億円となる見通しだ」(柴田氏)とした。
  仮に装置の納入がもっと伸びればさらに増える可能性があり、逆に代替生産が寄与すると第3四半期と第4四半期には影響はより小さくなっていくだろうとした。
  なお、火災現場に関しては、火災の影響を受けた装置はすでに搬出されており、工場内の至るところに足場が組まれている現状だという。装置の作業もそうした足場を避けながら行なう必要があり、1週間かかっても終わっていないのはその影響だということだった。また、火災で発生したデブリなどはすでに搬出が終わっていることなどが説明された。
自動車産業への影響は1.5か月~2か月分になる見通し、代替生産を増やし影響を最小化
・・・


2021.03.28-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/economy/news/210328/ecn2103280002-n1.html
選択肢増える携帯料金プラン

  携帯電話大手のオンライン手続き専用プランなどが出そろい、4月以降はお得な料金プランの選択肢が増える。格安スマートフォンから第5世代(5G)移動通信システムを見据えた無制限プランまで、ラインアップがそろった。自分の生活スタイルに合わせた料金プランに見直すきっかけになりそうだ。
  料金プラン選びには、大きく3つの選択肢がある。1つ目料金値下げの立役者となった大手3社のオンライン専用プランだ。料金水準は20ギガバイトで3千円以下。通勤通学の合間に動画を見るといった使い方にちょうどいいデータ容量だ。
  契約のほか、修理対応などもすべてがネットでの手続きになり、それを苦にしない人向けで、携帯大手が提供するメールサービスが使えなくなるなどの注意点もある。2つ目が、とにかく出費を減らしたいという人向けの格安スマホだ。1ギガバイト千円以下、10ギガバイトでも2千円以下に抑えられる。
  大手から通信回線を借りている仮想移動体通信事業者(MVNO)の回線使用料が4月から値下げされ、こうした価格が実現した。NTTコミュニケーションズやインターネットイニシアティブ(IIJ)、ケーブルテレビ最大手のJCOMなどでは光回線やケーブルテレビの契約と合わせた割引もある。
  通信が集中すると回線速度が低下する弱点があるが、ソフトバンクの「ワイモバイル」やKDDI(au)の「UQモバイル」など大手の格安ブランドなら通信品質は主力ブランドと変わらない。
  3つ目大手の大容量プランだ。大手3社とも5G用プランはデータ無制限としており、消費量を気にせず、ゲームや動画などを思う存分楽しみたい人向けだ。これまでよりも千円程度値下げされた。

都心部で生活している人は楽天モバイルも選択肢に入る。屋内や郊外の基地局網整備に課題が残るが、データ量無制限で2980円は魅力的。4月7日まで1年間無料キャンペーンを受け付けている。


2021.03.27-gooニュース(産経新聞)-https://news.goo.ne.jp/article/sankei/business/industry/sankei-ecn2103270020.html
増えるキッチンカー コロナ下で飲食店が活路 支援ビジネス拡大

  新型コロナウイルス感染拡大で苦境にある飲食店が、移動店舗の「キッチンカー」に活路を見いだしている。既存の店舗と比べて感染リスクが低く、味が確かならどこであっても歓迎されるからだ。遊休地の有効活用にもつながるとあって、専用車や出店場所の確保などで飲食店を支援するビジネスが広がり始めた。(粂博之)
コロナ前より好調
  「1年で1・4倍に増えた」。平成28年2月から、キッチンカーと出店場所をマッチングするサービスを展開しているMellow(メロウ、東京)の登録車は今年、千台を超えた。「雇用維持のため、キッチンカーを3、4台稼働させる店もある」という。
  以前の出店場所はオフィス街が中心だったが、コロナ後はマンション前など住宅街にも広がっている。東京都のある洋食店は、昼はオフィス街、夕方は住宅街と移動して営業し「コロナ前と比べて売り上げが4倍になった」。

  メロウは車両の調達や経営相談で支援し、お客向けに出店場所や時間が分かるスマートフォン用アプリも開発した。店側が支払う手数料は売り上げの15%で、場所の賃料も含まれる。
  出店場所をさらに確保するため、今年2月には空き駐車場を融通し合うシェアリングサービスで全国4万カ所以上を網羅するakippa(アキッパ、大阪市)と手を組んだ。同社もキッチンカー支援に乗り出したばかりだった。
ノウハウ蓄積
  「飲食店に入らなくても、温かいできたてのものが買えてよかった」「定期的に来てほしい
  昨年12月、東京・池袋と大阪市浪速区に、それぞれタイ料理、イタリアンのキッチンカーが開業すると、近隣のオフィスやマンションから人が集まってきた。空き駐車スペースを生かしたアキッパの実証実験だ。
  飲食店からは「これが活路になるかも」と期待する声が聞かれ、スペースを有償で貸し出した事業者も「駐車場の利用が減っていたので助かった」と歓迎した。
  一方で、電源やトイレの確保▽事前告知や宣伝▽衛生面の許認可取得−などのノウハウに不安が残り、事業拡大のためメロウとの連携を決めた。
真剣勝負
  この流れに大手も注目する。令和元年9月からキッチンカー支援事業の可能性を探る実験を進めてきたハウス食品グループ本社は今年3月、本格展開に踏み切った。「新規参入組でも、経験のあるキッチンカーと遜色ない販売実績をあげられる」と分かったからだ。
  車両レンタル、仕込み用キッチンの利用などは無料。契約や事務作業もハウスが担い、「飲食店は初期費用無料でキッチンカーを運営できる」。ハウスへの手数料は売り上げの25%だ。実験は東京都内8カ所で行い、参加は延べ46社にとどまった。規模拡大と全国展開を視野に入れ、アキッパとの提携を決めた。
  今後、神出鬼没のイメージも強いキッチンカーのある風景が普通になるかもしれない。場所によっては複数の飲食店が曜日を決めて交代する。どの店が支持を得るのか。街のあちらこちらで実力勝負が始まりそうだ。


2021.3.25 -産経新聞(経済産業・ビジネス)THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/economy/news/210325/ecn2103250009-n1.html
近鉄が8ホテル売却へ コロナでリストラ加速

  近鉄グループホールディングスは25日、京都市や神戸市などにある8つのホテルを米投資ファンドのブラックストーン・グループに売却すると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大で鉄道やホテルの需要が減っており、事業の構造改革を進める。8つのホテルの帳簿価額は計423億円(昨年3月末時点)で売却額はそれを上回るとみられる。
  8ホテルは、都ホテル京都八条(京都市)やホテル近鉄ユニバーサル・シティ(大阪市)、神戸北野ホテル(神戸市)、都ホテル博多(福岡市)など。近鉄が運営を継続し、従業員の雇用も維持する。ホテルの名称も変更しない。
  近鉄はブラックストーンとの間で設立する特定目的会社(SPC)にホテルを売却する。近鉄側は資金調達によって財務基盤が安定するメリットがあり、ブラックストーン側は出資に応じた利益を得ることができる。
  近鉄グループは「都ホテルズ&リゾーツ」のブランドで、今回の8ホテルを含む24の宿泊施設を運営している。これまでは主にホテル資産を保有してきたが、今後は資産をもたず運営に特化する形態を増やす。
  コロナ禍の影響が直撃し、近鉄の令和3年3月期の連結最終損益は、過去最大の780億円の赤字(前期は205億円の黒字)となる見通しだ。近鉄は「資産をもたない」経営を進めており、4日には資金調達を目的に日本政策投資銀行と不動産ファンドを設立すると発表している。


2021.03.22-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/business/news/210322/bsc2103222012007-n1.htm
ウイグル問題、日本企業も対応急ぐ 強制労働などに「厳正対処」

  中国新疆ウイグル自治区の少数民族ウイグル族への人権侵害に関しては、中国での生産をサプライチェーン(供給網)に組み込む国内企業が対応に動いている。オーストラリアのシンクタンクは中国の工場がウイグル族の強制労働の場となっている可能性を指摘。企業の社会的責任が重視される中、調達先の工場などで強制労働があれば間接的な人権侵害への加担につながるため、各企業は「厳正な対処」を強調している。

  強制労働をめぐっては、オーストラリア戦略政策研究所(ASPI)が昨年3月、世界の有力企業80社超がウイグル族を強制労働させている中国の工場と取引していた可能性があるとの報告書を発表。この中には日本企業14社も含まれていた。衛星写真や中国側の文献、報道、各社が公表している取引先のリストなどに基づき分析したという。
  報告書は2017~19年に8万人以上のウイグル族が強制収容所などから中国全土の工場に送られたと分析。各社が供給網の末端で強制労働とつながりがある可能性は排除されていないとした。

  指摘を受けた各企業は事実確認などの対応を急ぐ。東芝は強制労働の疑いがある調達先を調査。「当社や連結子会社の直接取引先ではないことを確認」した一方、東芝がブランド使用を認めている企業で、疑いのある調達先と取引があったケースが判明。「強制労働の実態は確認されなかったものの、昨年以降の開発機種は当該調達先の部品を採用していない」とする。

  ソニーは「指摘された調達先のうち、サプライチェーン上にある調達先を調べた結果、強制労働の事実は確認されなかった」と強調。シャープ日立製作所TDKも確認された強制労働の事実はないとする。その一方で、「今後、事実が取引先で判明した場合は断固として是正を求め、改善されない場合は取引停止などの対応も検討する」(シャープ)とする。
  企業の短期的な利益追求よりも経営の持続可能性が求められる中、人権を含む社会問題や環境問題への企業責任を重視する投資家からの圧力は強まる。今回の強制労働をめぐる疑惑も対応が遅れれば、企業にとっては重大な経営上のリスクに発展しかねない。
  海外企業の動きも迅速だ。ASPIの報告書発表以降、米アウトドア用品大手パタゴニア、スウェーデン衣料品大手H&Mなどが指摘された調達先との取引停止などを表明している。


2021.03.12-JIJI COM-https://www.jiji.com/jc/article?k=2021031201319&g=eco
新卒年収1000万円も デジタル人材に能力枠―三菱UFJ銀

  三菱UFJ銀行は12日、来年春の新卒採用から、デジタル分野などに優れた社員に対し、能力に応じて給与を決める制度を適用すると明らかにした。これにより、大卒1年目でも年収が1000万円になる可能性がある。一律の初任給を見直すのは大手行で初めて。

  金融とITを融合させたフィンテックの台頭などで経営環境の変化は激しく、給与体系を弾力化して外資系に流出しがちな専門人材を取り込む
  対象はデジタル分野のほか、金融工学、財務会計などの専門人材。親会社の三菱UFJフィナンシャル・グループの採用枠として導入していた制度を活用する。新卒で採用する40人ほどの専門人材から、特に能力にたけた人材に適用する方針だ。


2021.03.12-日本経済新聞-https://www.nikkei.com/article/DGXZQODF12AP30S1A310C2000000/
みずほ銀行で新たな障害、外貨送金300件に遅れ

  みずほ銀行は12日、新たなシステム障害で外貨建て送金が一部滞る事態が起きたと発表した。外国為替をつかさどる機器の一部に不具合が生じた。同日の午後7時46分までに正常化したという。2月28日に大規模なATMの障害が起きてから、約2週間で4件の障害が起きたことになる。

  12日夜に記者会見した藤原弘治頭取は「トラブルが続いていることを極めて重く受け止めており、心からおわびします」と謝罪した。経営責任ついては「原因を究明し、再発防止に努めることが私に課せられた最大の責任だ」と述べた。
  今回の障害は、11日午後11時39分に機器の一部が故障したのが発端となった。バックアップのシステムにもうまく切り替えられず、送金手続きの一部に遅れが生じた。
  12日午前3時50分に機器の交換が終わってからも、取引データを照合する作業で遅れが出たという。藤原氏は機器の不具合が起きた詳しい原因については「究明中」と述べるにとどめた。
  今回は主に法人顧客の外貨建て送金で約300件の遅れが生じた。例えば企業が国内にある取引先の口座にドル建てで振り込む場合、依頼を受けた銀行は午後1時までに振込先の銀行にデータを送信する必要がある。今回の障害でデータの送信が完了したのは午後6時ごろという。
  振り込みが翌日付となれば、企業間の取引で実損が出る恐れもある。みずほ銀は当日付にできるよう相手方の銀行と調整するという。
  みずほ銀は2月28日に定期預金のデータを移行する作業が引き金となり、大規模なATMの障害が発生した。一時は全国にある約8割のATMが動かなくなる事態になった。
  さらに3月の3日と7日にATMやネットバンキングの障害が起きた。明らかになっただけでも約2週間で4件のトラブルが生じている。すべて原因は異なるという。相次ぐトラブルを受け、金融庁が立て続けに報告徴求命令を出している。
  藤原氏は「それぞれのトラブルに因果関係は見いだせていないが、ハード面やシステム面も点検する必要があると痛感している」と話した。


2021.03.07-日本経済新聞-https://www.nikkei.com/article/DGXZQODF071ZF0X00C21A3000000/
みずほ銀行、またトラブル 定期預金一時預け入れできず

  みずほ銀行は7日、インターネットバンキングやATMで定期預金の預け入れができなくなるトラブルが起きたと明らかにした。カードローンのプログラムを更新する作業が原因で、午前8時に不具合を検知した。午後1時半ごろには復旧し、正常な稼働を確認しているという。みずほのシステムでは2月28日からの8日間で3回ものトラブルが判明したことになる。

  ネットバンキングで9人との取引が不成立になったほか、コールセンターには問い合わせが数件届いた。キャッシュカードや預金通帳がATMから戻らなくなる事態は起きていないという。みずほは「ご迷惑やご心配をおかけし、おわび申し上げます」と謝罪した。
  不具合が起きたのは定期預金の預け入れだ。ネットバンキングを通じて普通預金から定期預金に振り替えたり、ATMから入金したりしている顧客の一部だという。大半の利用客は毎月の普通預金などからの預入額をあらかじめ設定しており、こうした顧客は今回のトラブルで預け入れができなくなったという報告はない。
  みずほの場合、カードローンの利用者は毎月10日や17日に元本と利息を支払うことになっている。プログラムの更新は不定期に実施し、今回は3月10日の返済日に向けて行ったという。どのような作業だったのかは明らかになっていない。
  2月28日には定期預金のデータを移行する作業が引き金となり、大規模なATMの障害が発生。一時は全国にある約8割のATMが使えなくなった。3月3日夜にも別の要因でATMが一部止まっており、障害が立て続けに起きている。
  とりわけ2月28日の障害はトラブルに対応できる人員が手薄な日曜日に起き、カードや通帳が利用客のもとに戻らなくなる事態を収拾するのに時間がかかった。みずほは6日と7日に全国の店舗で社員が待機し、不測の事態に備えていた。


2021.03.05-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/210305/eca2103051758003-n1.htm
OPECプラス、原油価格下支えを重視 ガソリン価格に上昇圧力も

  「OPECプラス」は4月の原油の協調減産について3月の規模をほぼ維持するとし、大産油国のサウジアラビアも自主的な追加減産の継続を表明した。原油価格が上昇基調にあった中であえて需給の引き締まり観測を促す判断を下し、原油価格の下支えを重視する姿勢を示した。一方、消費者に身近なガソリンの小売価格は約1年ぶりの高値水準にあり、今回の主要産油国の決定でさらに上昇圧力がかかる可能性がある。

  「サウジが絵を描いたのだろう。原油価格の維持・回復に対するサウジの強い意志を感じさせた」。ニッセイ基礎研究所の上野剛志上席エコノミストは今回の措置についてこう評する。
  ニューヨーク原油先物相場は、指標の米国産標準油種(WTI)が今年2月にコロナ禍前の水準を回復した。協調減産の効果もあったが、石油連盟の杉森務会長が2月の記者会見で「将来への期待感に支えられている部分も大きい」と指摘したように、米追加経済対策の実現や新型コロナウイルスワクチンの普及に伴う景気回復を先取りした側面があり、必ずしも盤石なものではない。各国の金融緩和策による「緩和マネー」の流入にも助けられた。
  4日のWTIは今回の主要産油国の決定を受けて、一時1バレル=64・86ドルまで上昇した。上野氏は「当面は上向きだろう。65ドルを超えて一時的に70ドルに接近する可能性もある」とみる。
  原油価格が上昇すると、石油元売り会社がガソリンなど石油製品の卸価格を引き上げ、時間差を伴って小売価格にも転嫁される。

  今月1日時点のレギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均小売価格は144円60銭と、昨年3月9日以来約1年ぶりの高値水準だ。価格上昇圧力がさらに高まれば、家計や物流業者などの負担が増しかねない。(森田晶宏)


2021.03.03-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/210303/mcb2103031011010-n1.htm
中国人民銀、デジタル通貨でタイやUAEと協力 決済非効率など解決へ

  中国人民銀行(中央銀行)はこのほど、タイとアラブ首長国連邦(UAE)の中銀、香港金融管理局(香港の中銀)と協力し、デジタル通貨の国際運用を目指す研究プロジェクトを始めると発表した。中国はデジタル人民元の試験運用を始めており、貿易の決済などにも使えるようにすることで元の国際化を進める狙いだ。

  プロジェクトは人民銀のデジタル通貨研究所が主導。ブロックチェーン(分散型台帳技術)などの研究を深めるという。「アジアやその他の地域間」でデジタル通貨による支払いを可能にし、「国際間決済の非効率、コスト高などの難題を解決する」としている。
  中国メディアによると、中国の四川省成都市でも2月24日からデジタル元を市民に配布する実験が始まった。広東省深セン市や江蘇省蘇州市、北京市などに続く動きで、4000万元(約6億6080万円)を20万人以上に配った。
  中国には、現行の米ドルが主体の国際金融体制を切り崩す目的もある。デジタル通貨の決済が確立すれば、より迅速で安価な国際間送金が可能になるとされる。
  人民銀の研究所は既に、銀行間の国際決済ネットワークを運営する国際銀行間通信協会(SWIFT・本部ベルギー)などと北京に合弁会社も立ち上げ、デジタル通貨をめぐるデータ処理などの業務を始めている。(北京 共同)


2021.03.01-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/business/news/210301/bsj2103011057002-n1.htm
NTTドコモ、「アハモ」値下げ 月2700円に

  NTTドコモは1日、オンライン手続き専用で月額使用データ容量が20ギガバイトの料金プラン「アハモ」について、月額2980円から2700円(いずれも税別)に値下げすると発表した。KDDI(au)とソフトバンクが新しいオンライン専用プランで基本料金を2480円にしたことに対抗する狙いがある。

  KDDIとソフトバンクは通話料を30秒20円とし、5分以内の国内通話無料をオプションとしているため、通話をしない利用者はアハモよりも割安になる。今回の値下げで、国内通話無料の同条件で比べると、アハモが3社の中では最安値水準となる。
  ドコモは国内通話無料を含む料金プランを維持した理由について「(アハモで想定する顧客層の)20代の9割が音声通話を利用している。ワンプランの分かりやすさを維持しつつ、お得感を出した」としている。

  昨年12月にアハモが発表されて以降、大手は20ギガバイトのオンライン専用プランを相次いで発表。各社が独自性を打ち出すごとに他社が追随し、サービスの開始前からプラン内容が次々と変更されるほど競争が激化している。


2021.03.01-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/economy/news/210301/ecn2103010022-n1.html
ヤフーとLINE経営統合 総利用者のべ3億人 ペイペイ統合も検討開始

  携帯電話大手ソフトバンク傘下でヤフーの親会社のZホールディングス(HD)と無料通信アプリ大手のLINE(ライン)は1日、経営統合を完了した。通信アプリやスマートフォン決済の総利用者数が延べ3億人超にのぼる国内最大級のIT企業として、令和5年度に売上高2兆円、営業利益2250億円を目指す。
  統合後の経営体制では、ソフトバンクとLINEの親会社の韓国ネイバーが共同出資する中間持ち株会社「Aホールディングス(AHD)」の傘下にZHDを置き、さらにその傘下でヤフーとLINEが対等関係で事業を継続する。

  LINEのスマホ決済「LINEペイ」を4年4月までにヤフーなどが運営する「ペイペイ」に統合する検討も開始する。また人工知能(AI)の分野で今後5年間に5千億円を投資する計画も明らかにした。検索やスマホ決済など多様なサービスで得られたビッグデータをAIで分析し、サービスを向上させる狙いがある。
  ZHDの川辺健太郎共同最高経営責任者(CEO)は「情報通信で今よりもっと社会を便利にできると確信している」と意欲をみせた。


2021.02.22-SponichiAnnex-https://www.sponichi.co.jp/society/news/2021/02/22/kiji/20210222s00042000065000c.html
日本企業12社 ウイグル族強制労働関与の中国企業と取引停止へ

  電子機器や服飾など日本の主要小売り・製造業12社が、中国新疆ウイグル自治区などでの少数民族ウイグル族に対する強制労働への関与が確認された中国企業との取引を停止する方針を固めたことが21日、分かった。米英両国がウイグル族の強制労働を理由に自治区に関連した綿製品などの輸入規制に相次いで踏み切っており、日本企業も対応を迫られていた。

  近年では人権、環境問題への企業側の対応責任が重視されており、サプライチェーン(部品や材料の調達・供給網)で新疆関連企業とつながる日本企業に取引自制の動きが広がる可能性がある。


2021.02.18-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/politics/news/210218/plt2102180027-n1.html
認知症患者の預金、代理権のない親族の出金可能に 全銀協

全国銀行協会(全銀協)は18日、認知機能が低下した顧客の預金を引き出す際、法的な代理権がない親族らの引き出しも認める「考え方」をまとめた。顧客の財産保護の観点から、認知症などによって判断能力が十分ではない人を保護するための成年後見制度の利用を促すのが基本とした一方で、制度を利用できないなどの場合には「極めて限定的な対応」として認めるとした。これまでは親族といえども本人の意思確認が必要だった預金の引き出しに関する慣例を見直す。
  預金の引き出しは本人の意思確認が必要で、親族であっても、引き出しを認めていなかった。認知判断能力が低下した顧客との取引は、成年後見人など法的な代理権を持つ人との取引を基本としてきた。
  ただ、第三者に家族の資産を預ける抵抗感や費用の問題などから、全銀協によれば、成年後見制度の利用者数は2018年12月末で約22万人にとどまる。このため、本人の医療費や施設入居費、生活費などの支払いなどで預金の引き出しが必要でも、親族が引き出せないなどの問題があった。

  今回の考え方では、「医療費の支払い手続きを親族などが代わりにする行為など、本人の利益に適合することが明らかな場合に限り、預金引き出しの依頼に応じることが考えられる」とした。本人が認知判断能力を喪失してることは、本人との面談や診断書の提出などで確認するとした。
  全銀協の三毛兼承会長(三菱UFJ銀行頭取)は18日開いたオンライン会見で「認知症という社会課題に対する対応を示すことができた」と述べた。
  金融庁は昨年、認知機能が低下した顧客が銀行窓口での預金引き出しで困らないよう、一定のルールを設けた上で親族らによる代理を認めるといった柔軟な対応を求めていた。


2021.02.16-Bloomberg-https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-02-17/QONWGDDWX2PT01
ビットコイン、連日の最高値更新-勢い止まらず5万1000ドル超え

  仮想通貨ビットコインが連日の最高値更新となっている。16日に初めて5万ドルを突破した後、17日には5万1000ドルを超えた。  ブルームバーグがまとめた価格によると、ビットコインはほぼ6%上昇し約5万1431ドルとなった。ここ1年間で5倍以上に値上がりしている。
  ビットコインの急騰は金融市場の投機的バブルの象徴との見方もあるが、企業による受け入れ拡大を指摘する声もある。電気自動車(EV)メーカーの米テスラが15億ドル(約1590億円)の投資を明らかにしているほか、ソフトウエアを手掛ける米マイクロストラテジーは6億ドルの転換社債を発行し、その資金でビットコインを買い増す計画を16日に届け出た。ビットコイン買い増しへ-マイクロストラテジーが転換社債で636億円

  NEMのトレーディング責任者、ニコラス・ペレカノス氏は「ビットコイン急上昇の理由は幾つかあるが、最も際立っているのは、インフレへのヘッジとして企業のバランスシートにビットコインを組み入れるという、マイクロストラテジーが始め、テスラが有名にした流れだ」と述べた。
  ビットコイン先物の動向は、トレーダーがビットコイン値上がりの唐突な終わりを予想していないことを示唆している。ブルームバーグがまとめたデータによると、先物3月限とのスプレッドは拡大が続いている。


2021.02.03-FNN プライムオンライン-https://www.fnn.jp/articles/-/139194
工場停止など 日本企業対応追われる ミャンマークーデター

  軍によるクーデターが起きたミャンマーでは、新たな閣僚の任命により、新体制の構築を進める一方、現地の日本企業は、工場を停止するなど対応に追われている。クーデターから一夜明けたミャンマーの最大都市・ヤンゴン。野菜や果物など多くの食品が並び、呼び込みの掛け声が。普段通りのにぎわいを取り戻したかのようだが、軍人の姿も見られる。
  ミャンマーでクーデターを起こした国軍は、アウン・サン・スー・チー国家顧問ら複数の与党幹部を拘束し、全権を掌握。新たに閣僚11人を任命するなど、新体制への移行を急いでいる。
  一方、与党側は、首都・ネピドーで軟禁状態のスー・チー氏の解放を呼び掛けるとともに、「クーデターを受け入れてはならない」とするスー・チー氏の声明を発表。市民からは、「私たちが選んだスー・チー氏を拘束するなんて、とても悲しくてショックです」との声が聞かれた。

  2014年のミャンマーでは、線路の保線作業を指導するJICA(国際協力機構)の職員の姿が見られた。
  ミャンマーは、最後のフロンティアとして、インフラ整備や自動車など、幅広い分野で400社以上の日本企業が進出してきた。今回のクーデターで、現地の日系企業は対応に追われている。

  スズキは、ヤンゴンにある2つの工場の操業を1日昼ごろから停止。日本人を含むおよそ400人の従業員については、安全確保のため自宅待機を指示。
  また、トヨタ自動車は、新たな工場を建設中で、2月末に開所式を行う予定だったが、現在、影響や対応について確認中としている。
  さらに、味の素も調味料の工場などの業務を停止し、日本人3人を含むおよそ300人に自宅待機を指示した。
  三井物産住友商事などの大手商社も従業員の在宅勤務を徹底しているほか、KDDINTTグループも従業員の自宅待機としている。
  
ミャンマー当局は、5月31日まですべての空港で航空機発着を禁止にすると発表。駐在員の帰国の足への影響も避けられそうにない。


2021.02.01-REUTERS-https://jp.reuters.com/article/panasonic-idJPKBN2A11E3
パナソニック、太陽電池生産から撤退へ 来年度中

  [東京 1日 ロイター] - パナソニックは1日、太陽電池の生産から来年度中に撤退すると発表した。かつて世界上位のシェアを占めたが、中国メーカーとの価格競争でシェアを落とし採算も悪化していた。国内外での太陽電池の販売は継続する。

  マレーシア工場と島根工場での太陽電池の生産から撤退する。マレーシア工場の建物、土地などの資産は譲渡を検討し、現地法人は清算する。従業員は、割増退職金支払いや再就職支援などの対応をする。
  島根工場は21年度中に太陽電池セルの生産から撤退する一方、パワーコンディショナーや蓄電池などの生産は継続する。従業員は同工場内を基本として、今後成長が期待されている領域に異動し雇用を維持する。特定顧客向けや、時計・電卓向けなど民生用太陽電池の生産は継続する。


2021.01.27-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/business/news/210127/bsc2101270548001-n1.htm
「楽天でんき」新規契約停止 寒波で高騰、調達困難

  楽天モバイルは26日、電力とガス小売りの新規契約を同日から一時停止したと発表した。同社は「楽天でんき」「楽天ガス」のサービス名で電力、ガスを販売している。寒波で需給が逼迫(ひっぱく)し、電力の卸市場価格が高騰して調達が難しくなった。再開時期は未定で、既に契約している顧客には供給を続ける。

  同社の電力販売量は最新データの2020年9月実績で約1億2400万キロワット時と、電力小売り自由化で参入した新電力で30位だった。顧客数や、大手電力会社との直接契約ではなく卸市場から電力を調達している割合は公表していない。
  昨年12月下旬から暖房向けに電力需要が増加し、大手電力では火力発電燃料の液化天然ガス(LNG)在庫が急減した。このため電力各社は発電出力を抑え、需給が厳しくなっている。
  卸市場価格と連動した電気料金体系を設定している新電力には料金上昇に注意するよう顧客に呼びかける企業も出ている。


2021.01.13-Iza(産経デジタル)-https://www.iza.ne.jp/kiji/economy/news/210113/ecn21011323000029-n1.html
京阪神ビルTOBは不成立

  旧村上ファンド出身者が率いる投資運用会社ストラテジックキャピタル(東京)は13日、ビルの賃貸事業を手掛ける京阪神ビルディングに対する株式公開買い付け(TOB)が不成立になったと発表した。保有比率を約30%まで高めて発言力を強める計画だったが、期限の12日までに応募のあった株式が目標に届かなかった。

   ストラテジック社は保有不動産を売却し、管理運営に特化することなどを求めていた。京阪神ビルディングは「多くの株主に当社の考え方をご理解いただけた。引き続き中長期的な企業価値の向上と株主の共同の利益への貢献を目指したい」としている。


2021.01.03-IT media ビジネス オン ライン(産経新聞)-https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2101/03/news013.html
パソナ、淡路島に新社屋建設へ 1200人が働くのはどんなところ? (1/2)
(1)
  新型コロナウイルスの感染拡大で東京都千代田区大手町から兵庫県の淡路島に本社機能一部移転を進めるパソナグループが、島内で令和3年秋までに新社屋の建設を計画していることが2日、分かった。最終的に島で勤務する予定の約1200人のうち、国際事業などを担う部署の約400人を新社屋へ入れ、取締役会も開く。通信インフラを整備し、経営、事業に関する重要事項を場所が離れた東京、海外とも万全に話し合えるようにするなど、リモートワークでは難しい分野へ集中対応する拠点とする。(山本考志)

  パソナグループは6年5月までに、東京本社で勤務する約1800人のうち約1200人を島へ異動させる。2年11月末時点ですでに約470人が勤務中。現在は淡路市の複合文化リゾート施設「淡路夢舞台」のテナントや、同社が運営する商業・観光施設などをオフィスにしている。
  新社屋は鉄骨造2階建て、延べ床面積約3千平方メートルで、高さを約12メートルに抑え、周囲の山林の景観に配慮する。中央に大階段を配置。外壁にはガラス窓を多く採用して外光を取り入れやすい構造にする。山林や耕作放棄地を購入した兵庫県淡路市野島常盤の約10万平方メートルの一部に建設する。
(2)
  ビデオ会議システムなどを活用し、国際事業や、業務のデジタル化を進めるデジタルトランスフォーメーション(DX)事業、新規事業などの担当部署を置く。経営統括本部や営業本部も入れる。
  これらの部署の社員は基本的に社屋で勤務。ただ可能な場合は、それ以外の社員と同様、社屋を離れた別のオフィスなどでの勤務も認める。社屋内では社員が勤務するデスクを固定しない「フリーアドレス」を導入し、社員1人当たりの面積を東京本社より広い設計にして働きやすさを高める。
  新社屋の周囲には、同社の社員として働きながら島内の関連施設で演奏する音楽家がコンサートを開くホールや、地元住民も利用できる飲食施設などを併設する予定。パソナグループの南部靖之代表は産経新聞の取材に、「周囲の自然環境や景観に配慮し、社員だけでなく住民にも親しんでもらえる社屋にしたい」としている。








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