EU(欧州)-1


2024.06.12-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240612-TDXRWSBI4RICHAL44UIZLKPM3Q/
EUが中国製EVに最大38%の追加関税を課すと警告 補助金不当と判断、対立激化へ

  欧州連合(EU)欧州委員会12日、中国製の電気自動車(EV)について「不当な補助金を受け取っている」と暫定的に判断したと発表した。中国当局との協議が不調に終われば7月以降、中国から輸入されるEVに最大で38・1%の追加関税を課すと警告した。中国製EVへの制裁関税強化を5月に発表した米国に続く動きとなる。中国側は対抗措置を取る構えで、対立激化は必至だ。

  欧米に日本などを加えた先進7カ国(G7)は、中国企業が過剰な生産能力を抱え、EVや太陽光発電設備を不当に安い価格で輸出しているとの問題意識を強めている。13日からイタリア南部プーリア州ファサーノで開かれるG7首脳会議(サミット)でも議論する。(共同)


2024.05.16-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240516-UOIFSNB3BRJGNAK3IIQFPAW7QE/
スロバキア首相銃撃、欧州の政治的分極化が最悪の形で露呈 強権政策に市民ら反発

  【ロンドン=黒瀬悦成】中欧スロバキアのフィツォ首相が15日に銃撃された事件は、移民流入や強権的指導者の台頭などを巡る欧州の政治的分極化が最悪の形で露呈させた民主的手続きで選ばれた指導者を暴力で封殺しようとする風潮が他の欧州諸国にも波及する「前兆」として警戒する声も出ている。

  昨年10月に3度目の首相に就任した中道左派のフィツォ氏はポピュリスト(大衆迎合主義)的な政治手法と親ロシア的姿勢で知られる。スロバキアは北大西洋条約機構(NATO)加盟国だが、フィツオ氏はウクライナ軍事支援停止を就任直後に正式表明した。
  欧州連合(EU)などが進める対露経済制裁にも、スロバキアは自国経済に悪影響を与えるとして否定的だ。同様の立場をとるハンガリーのオルバン首相と連携を強め、欧州の対露結束を揺さぶっている
  内政面でフィツォ氏は移民や難民の流入を徹底的に阻止すると表明。EUが移民・難民受け入れの負担を加盟国間で分担するとした新協定にも批判的だ。
  同時にその国内の統治手法には強権的との警戒も強まっていた。フィツォ氏は公共放送局を廃止し、与党寄りのメディア設立を議会に提案。報道機関や親欧米派の野党勢力などから「言論の自由を侵害しかねない」と強い反発を浴びている
  汚職や組織犯罪を捜査する特別検察官制度の廃止を軸とする司法改革の取り組みを進め、「与党政治家の汚職隠しが最大の狙いだ」などと批判もされている。フィツォ氏には2度目の首相を務めていた2018年、政権幹部の汚職問題を取材していた記者が何者かに殺害され、首相の関与を疑った市民らの抗議デモを受け辞任に追い込まれた経緯がある。
  一連の政策に抗議する大規模デモは首都ブラチスラバなどで繰り返されており、与野党それぞれの支持勢力はソーシャルメディアで中傷合戦を展開し、対立が先鋭化。
  銃撃の容疑者として拘束された71歳の作家は、親露派民兵組織と一時関係していたとされる一方、公共放送局廃止に批判的だったとも報じられ、警察は動機との関連を捜査するとみられる。
  一方、フィツォ氏の側近の一人は記者団に、銃撃は「メディアと野党勢力によるフィツォ氏への憎悪の拡散が原因だ」と主張。6月に大統領に就任するぺレグリニ国会議長は「異議表明は民主的かつ合法的であるべきだ」と訴えた。


2024.03.14-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240314-QSMUTC5P3BMZ3FQHB2PMW7CBBI/
EUがウクライナに新たな軍事支援8千億円で大筋合意 米議会審議停滞の中で貴重な支援に

  欧州連合(EU)加盟国は13日の大使級会合で、ウクライナに対する軍事支援で新たに50億ユーロ(約8千億円)を拠出することで大筋合意した。米国でウクライナ支援を含む緊急予算案の議会審議が停滞する中、ウクライナには貴重な支援となりそうだ。

  議長国ベルギーの政府はX(旧ツイッター)で「EUはウクライナに永続的な支援を提供し、防衛に必要な軍備を確保できるように支援する決意だ」と強調した。(共同)


02/29-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240229-EYXHPW6F45NDDBJTB6CH7PXSKI/
欧州で揺れるウクライナ支援の心 「いつまで続けたら」の声も
(板東和正)

  ドイツのミュンヘンで今月中旬、安全保障会議を取材した。最も印象的だったのは、会議の開幕初日にロシアの反体制派指導者ナワリヌイ氏の死が伝わった瞬間だった。妻のユリア氏が会議に出席していると分かり、記者室で中継を見ていた隣の席の現地記者が緊張した表情になった。

  悲報を受けた直後にもかかわらず、気丈に演説を行ったユリア氏の姿に会場では涙ぐむ出席者もいたそうだ。会議に参加した外交政治の専門家は「彼女の感動的な演説がロシアに対する団結に貢献したのは間違いない」と語った。欧米首脳は会議でウクライナ支援を継続する「揺るぎない決意」を再確認した。
  だが、会議場から離れるとウクライナ支援に複雑な感情を抱く市民の姿があった。ミュンヘンで取材した飲食店店員の男性は「私たちはいつまで支援を続けたらいいのか」と深刻な表情を浮かべた。ウクライナ侵略に伴うインフレの長期化でドイツは景気低迷を続けており、支援の継続を疑問視する声もあるという。
  観光業が盛んなミュンヘンは戦争の影響でロシアからの観光客が激減。最近は他の欧州諸国などからの旅行者が増え、街はにぎわいを取り戻したが、国内の経済が完全に回復したとは言い難い。「戦争が終わる日を教えてくれ」。男性は切実に訴えた(板東和正)


2023.11.07-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231107-PJUXWIEJDROFVCLAV4FOQJ72EM/
「日本と協力し、2国家共存の政治プロセスを再生」 EUボレル外相・書面会見要旨
(三井美奈)

  欧州連合(EU)のボレル外交安全保障上級代表が7日、同日東京で開幕した先進7カ国(G7)外相会合に合わせ、産経新聞の書面インタビューに応じた。要旨は以下の通り。

-ガザ紛争で先進7カ国(G7)の役割は
  「イスラム原理主義組織ハマスによるイスラエル攻撃後、G7議長国としての日本の対応を評価する。さまざまな協議を通じて連携し、情報共有することができた。国際社会は結束し、中東安定のために取り組むべきだ。イスラエル、パレスチナ2国家共存が唯一の道だ。EUは日本、さらに国際社会のパートナーと協力し、2国家共存の政治プロセスを再生させたい」
-EUの主張は
  「EU首脳会議はハマスの無差別テロ攻撃に対し、可能な限り強い言葉で非難した。イスラエルには自衛権があり、それは国際法と人道法に沿って行使されるべきだとした」 「われわれは人道状況の悪化を懸念している。暴力はパレスチナ自治区のヨルダン川西岸にも広がっている。支援物資を安全にとどけるために、戦闘中断と人道回廊の設置を求める。民間人保護は優先課題だ」
-インド太平洋について
  「インド太平洋では地政学的競合が激しくなっている。貿易やサプライチェーン(供給網)に緊張をもたらし、地域全体の安全保障状況を悪化させている。EUは価値観や利益を共有するパートナーと協力を進める。艦船派遣などの追加的対応も視野に入れている」
  「EUは外交や経済でリスクを軽減する方針に沿って対中関与を進める。気候変動や感染症対策、途上国の債務軽減については、中国と共に取り組むべきだ」
-ウクライナ支援では
  「EUはウクライナに対し、必要な限り支援を続ける立場を明確にしている。先月、キーウで初のEU外相会合を開き、ゆるぎない決意を示した。軍備供与や軍事訓練、防衛産業の協力など、ウクライナの長期的な安全保障についても取り組みを進めている」
(三井美奈)


2023.01.16-JIJI COM-https://www.jiji.com/jc/article?k=2023011500249&g=int
英・ポーランドが主力戦車供与へ ウクライナ、西側に同調促す

  【ワルシャワ時事】ポーランドと英国が主力戦車をウクライナに供与する方針を表明した。西側諸国がこれまで供与に慎重だった攻撃力の高い兵器が仮に投入されれば、ウクライナが勢いづく可能性がある半面、戦闘が泥沼化する懸念もある。

  ポーランドのドゥダ大統領は11日、ウクライナ西部リビウを訪れ、ゼレンスキー大統領らと会談した。会談後、「国際的な枠組み」を通じ、ドイツ製主力戦車「レオパルト」を供与する用意があると表明。ゼレンスキー氏は「われわれはロシアの数千台もの戦車と戦っており、1国だけでは『レオパルト』の(供与)支援はできない」と強調し、西側による共同支援を求めた。
  ウクライナでは南・東部で激戦が続く。ロシア軍は東部の激戦地バフムト近郊の町ソレダルを12日に掌握したと宣言し、再び攻勢に出る兆しがある。徹底抵抗を続けるウクライナは、局面打開へ高性能の兵器支援を訴え続けていた。
  こうした中、西側では年明け以降、主力戦車を含めた軍用車両支援の動きが活発化。英首相官邸は、スナク首相が14日、ゼレンスキー大統領との電話会談で、英主力戦車「チャレンジャー2」を含む支援強化の方針を伝えたと発表。戦車は数週間以内に14両が供与されるという。フィンランドのニーニスト大統領も地元メディアに対し、幅広い国々が提供するなら、少数のレオパルトを供与できると語ったと報じられる。
  ただ、レオパルトのウクライナ供与には、製造を手掛けるドイツの承認が必要で、実際に供与に至るかは未定だ。ロイター通信によると、西側諸国の大半は、戦車や重火器を国外に供与する余力が不十分なのが現状だ。戦車を増産できたとしても、出荷まで少なくとも2年かかる可能性もあるという。
  ウクライナへの軍事支援強化を巡っては、米主導の国際会議が20日にドイツで開かれる。支援強化はロシアのプーチン大統領を刺激し、戦闘の泥沼化につながる恐れもある。西側が主力戦車を含め、どこまで支援を強化できるかが焦点となる。


2023.01.10-Yahoo!Japanニュース(JIJI COM)-https://news.yahoo.co.jp/articles/adb7187e17a522a3c4aaaeb81962a16892648967
ウクライナ東部、英国人2人が不明 ロシア猛攻のバフムト近郊

  ウクライナのメディアは9日、警察の情報として、ロシア軍が猛攻を仕掛ける東部ドネツク州で、英国人ボランティア2人が行方不明になったと伝えた。

   公開された写真によると、2人が使っていた車両には「避難」と記されており、住民の退避支援に従事していたとみられる。
   2人は28歳と48歳。ドネツク州の事実上の州都クラマトルスクから6日朝、激戦地バフムト近くのソレダルに出発した。7日に2人が行方不明になったとの通報が警察に寄せられたという。
   ソレダルを巡っては、ウクライナのマリャル国防次官が9日、ロシア軍が制圧を目指して大規模な攻撃を再開し、激しい交戦が続いていると通信アプリで指摘。「敵は戦死した自軍兵士を踏み越えて進軍し、味方の頭上にさえ砲撃を加えている」と説明している。



2022.12.02-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20221202-RXGZOFRNJZJ7LC52NV226S52HY/
英王室で再び人種差別の問題 女王元側近が失態

  【ロンドン=板東和正】9月に死去したエリザベス英女王の側近だったスーザン・ハッシー氏(83)が、英国籍の黒人女性(61)に人種差別的な発言をしたとして批判を受けている英王室は今月1日までに事実を認め、深い遺憾を表明。ハッシー氏は王室の役職を辞任した。

  昨年には、女王の孫、ヘンリー王子(38)とその妻、メーガン妃(41)が王室内で人種差別的な扱いを受けたと告白しており、今回の不祥事を受け、王室内部の人権問題が再燃している。
  英BBC放送などによると、ハッシー氏は女官として長年エリザベス女王に仕え、昨年執り行われた女王の夫、フィリップ殿下の葬儀で女王に付き添った。王位継承順位1位のウィリアム皇太子(40)の名付け親として知られ、近年はバッキンガム宮殿でのイベント開催に携わっていた。
  ハッシー氏は11月29日にバッキンガム宮殿で開かれたカミラ王妃(75)主催のレセプションで、出席した慈善団体代表の黒人女性ヌゴジ・フラニさんに出身地を尋ねた。フラニさんは英国生まれだと答えたが、ハッシー氏は「本当はどこから来たのか」「一族の出身地はどこか」「ここ(英国)に最初に来たのはいつ?」などと執拗(しつよう)に聞き続けた。

  フラニ氏は一連のやり取りをツイッターで投稿。英メディアの取材に「まるで尋問のようだった。肉体的な暴力ではないにせよ、これは虐待だ」と批判した。
  問題を受け、王室は同月30日、「この出来事を重く受け止めている」などとコメント。皇太子の広報担当者も「(ハッシー氏の)発言は容認できず、(同氏が)ただちに辞任したのは適切なことだ」と述べた。 英メディアによると、英史上初のアジア系の首相に就任したスナク氏は王室での出来事について発言するのは「正しくない」とした上で「人種差別を目にしたときには立ち向かわなければならない」と強調した。

  王室の人権問題をめぐっては、メーガン妃が昨年3月に放送された米CBSの番組で、長男アーチー君を妊娠中に王室内から「生まれてくる子の肌の色はどれくらい濃くなるのか」と懸念を示されたことを打ち明けた。共に番組に出演したヘンリー王子も、長男の肌の色に関する発言を耳にして「困惑し、ショックを受けた」と振り返った。
  英スカイニューズ・テレビは今月1日、「ハッシー氏は王室を代表する特別な存在だった」とした上で「王室が再び人種差別をしたとして非難されることになった」と強調。女王の死去に伴い即位したチャールズ国王(74)の支持にも影響を与える恐れがあるとの認識を示した。


2022.11.30-毎日新聞-https://mainichi.jp/articles/20221130/k00/00m/030/114000c
英、中国製「監視カメラ」を規制 スナク氏「黄金時代終わった」

  スナク英首相が10月の就任以降、中国への警戒を強めている英国内に設置された中国製監視カメラの規制に乗り出したほか、経済面で関係を深めた英中の「黄金時代」については「終わった」と明確に位置付けた。スナク氏は与党・保守党内で「中国に融和的だ」と度々批判された経緯もあり、懸念を払拭する狙いもあるとみられる。

  「貿易(活発化)が自動的に中国の社会・政治改革につながるという考えは、もはや持っていない」。スナク氏は11月28日、ロンドンでの講演でそう語り、「いわゆる『黄金時代』は終わったと断言する」と述べた。さらに「中国は我々の価値観と利益に挑戦している」と非難。そのうえで、年明けに外交・安全保障政策の詳細な方針を発表する考えを示した。
  また、英政府は11月24日、中国企業の杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)と浙江大華技術(ダーファ・テクノロジー)の2社が製造した監視カメラを「機密性の高い場所」に設置しないよう関係省庁に指示した。英BBC放送によると、2社の製品は警察や学校など多くの公共施設で導入されており、中国側への情報流出が懸念されていた。全面禁止ではないが、安全保障上の懸念がある場所では早めに撤去するという。
  2社の製品は新疆ウイグル自治区での少数民族監視にも関与したと報じられており、英下院議員らから使用禁止を求める声が上がっていた。
  英国はキャメロン政権時代(2010~16年)に対中関係を強化。中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加についても、15年に主要7カ国(G7)で最初に表明した。
  スナク氏自身も財務相時代の21年7月、「中国とはバランスのとれた関係が必要」と発言。中国側を過度に刺激しない姿勢を示していた。だがスナク氏は党内の対中強硬派議員らから度々、「中国に譲歩する姿勢が目立つ」などと批判されていた。【ロンドン篠田航一】


2022.11.21-読売新聞-https://www.yomiuri.co.jp/world/20221120-OYT1T50123/
キーウ初訪問のスナク英首相、83億円の追加軍事支援表明…露のドローン攻撃に対抗へ

  【ロンドン=池田慶太】英国のスナク首相は19日、ウクライナの首都キーウを就任後初めて訪れ、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領と会談した。スナク氏は、125門の対空砲など防空システムを中心に計5000万ポンド(約83億円)の追加軍事支援を表明した。

  ロシア軍によるイラン製自爆型無人機(ドローン)を使った攻撃に対抗するため、追加支援には無人機を探知するレーダーや無力化する電子戦兵器も含まれる。スナク氏は声明で「英国と同盟国はこの野蛮な戦争を終わらせ、平和をもたらすために戦うウクライナを支持し続ける」と述べた。英国は米国に次ぐ規模でウクライナへの軍事支援を続けている。


2022.10.25-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20221025-JUDLX5LW4BIOXGOPRK4ENM6EPE/
スナク英首相就任 トラス氏は最短50日で退任
(共同)

  英与党保守党の党首に決まったインド系のリシ・スナク元財務相(42)が25日、ロンドンのバッキンガム宮殿でチャールズ国王の任命を受け新首相に就任した。初のアジア系で、20世紀以降最も若い英首相が誕生。スナク氏は組閣に着手し、トラス政権の失政で傷ついた経済政策の立て直しや党の信頼回復に取り組む。

  スナク氏は首相官邸前で就任後初の演説に臨み、トラス政権の政策の過ちを認めた上で信頼回復に努めると約束し「言葉ではなく行動で国を団結させる」と表明。「経済の安定を政府の政策の中心に据える」と抱負を語った。
  英史上3人目の女性首相のトラス氏は、9月6日の就任から英史上最短の在任50日で退任(共同)


2022.10.21-BBC NEWS JAPAN-https://www.bbc.com/japanese/63340298
トラス首相辞任で英保守党、またも党首選へ 4カ月で2回目

  イギリスのリズ・トラス首相が20日、辞任すると表明したことで、ここ4カ月で2回目となる与党・保守党の党首選が行われることになった

  トラス氏は、打ち出した減税策の多くを撤回するなど混乱を招き、身内の保守党議員からも辞任を迫られ、政権の座を降りることになった。就任からわずか45日での辞任表明だった。トラス氏は史上最も在任期間の短い英首相となる見通し。
  トラス氏は後任について、来週中に保守党の党首が選出され、チャールズ国王から首相に任命されると説明した。それまでは、同氏が首相を務めると述べた。
  後継候補には、ボリス・ジョンソン前首相の名前も取り沙汰されている。複数の保守党関係者がBBCに語ったところでは、ジェイコブ・リース=モグ・ビジネス相が同僚議員らに、ジョンソン氏への支持を働きかけているという。
  トラス政権の財務相に先週就任したばかりのジェレミー・ハント氏は、立候補を否定している。
  前回の党首選をトラス氏と争った下院議員らはいずれも、立候補について態度を明らかにしていない。それらの議員には、スエラ・ブラヴァマン前内相、ケミ・ベイドノック国際貿易相、ペニー・モーダント下院院内総務、リシ・スーナク元財務相が含まれる。

新首相はどう決まる
  保守党の党首選を取り仕切る1922年委員会のグレアム・ブレイディー委員長は、来週金曜日(28日)までに新党首が選出される可能性があると述べた。
  同党の規則では、党首選に立候補するには下院議員100人の推薦が必要。同党の下院議員は357人なので、候補者は最大で3人となる。
  候補が3人の場合は、下院議員による1回目の投票が開かれ、得票数が最も少ない候補が除外される。
  2回目の投票で、下院議員はどちらの候補を支持するか示すことができる。
  この後、いずれの候補も党首選を戦い続けることを選んだ場合、党員によるオンライン投票を経て勝者が決まる。

  トラス氏の後継者探しを急ぐ保守党では、党内に深い分裂が生じている。過去12年間政権を担ってきたが、世論調査の支持率では最大野党の労働党にリードされている。
  今年夏にあった党首選に立候補した下院議員らは、それぞれの支持者から、後継者として名前が挙げられている。ただ、本人たちはまだ誰も立候補を表明していない。
  ジョンソン前首相も立候補を決めてはいない。一方で支持者らは、ジョンソン氏が再び党首選を戦うことを検討しているとの報道を否定していない。テリーザ・メイ元首相は、「下院議員たちは妥協に備えなければならない」とツイート
  「私たちの国にとって重要なこの時期に、賢明で有能な政府をつくるのが私たちの責務だ」とした。
野党は総選挙を主張
  野党は、総選挙を行わずに新たな首相を就任させるという保守党の計画を、強く非難している。
  労働党のキア・スターマー党首は、保守党には「もはや政権を握ることへの国民の負託がない」と主張。「イギリス国民には、この混乱の回転ドアよりずっといいものがあるべきだ」と述べた。
  スコットランド自治政府のニコラ・スタージョン第一首相は、総選挙を行うことが「民主主義として必須」だと述べた。野党・自由民主党のエド・デイヴィー党首は、「国民が発言権を得るために必要な総選挙を実施する」ためであれば、労働党と協力するつもりだと話した。
  総選挙は、早くても2024年までは行われない予定だ。前回2019年の総選挙では、保守党が地滑り的な勝利を収め、議席の過半数を獲得した。一方、自由民主党はトラス氏に対し、首相経験者が受け取ることができる年間最大11万5000ポンド(約1940万円)相当の「公務費用手当」を辞退するよう求めている。同手当は、「公人としての特別な立場から生じる事務費用や秘書費用」を支援するのが目的とされる。
  自由民主党のクリスティン・ジャーディーン議員は、「リズ・トラスは『50日首相』として永遠に知られることになる。最近の前任者たちは全員2年を大きく超えて在任したが、その人たちと同じ年11万5000ポンドの終身手当を、彼女が得られていいはずがない」と述べた。


2022.10.14-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20221014-3Y3CPOCPF5NAZKFPES472FF664/
英財務相が辞任、政権に打撃 後任にハント氏

  【ロンドン=板東和正】英国のクワーテング財務相は14日、自身のツイッターで、トラス首相から辞任を求められ、受け入れたと発表した。事実上の解任で、クワーテング氏は9月に発表した減税策で市場を混乱させた責任をとらされたとみられる。減税策は9月に発足したトラス政権の目玉政策だっただけに、政権への打撃は大きそうだ。

  英BBC放送などによると、後任にはハント元外相が任命された。辞任したクワーテング氏は財務相として史上2番目に短い在任期間となった。
  クワーテング氏は9月23日、物価高のあおりで減速する景気を立て直すため、5年間で総額約450億ポンド(約7兆4千億円)の減税策を発表。しかし、財源に関する不安が出て、通貨ポンドが過去最安値をつけるなど市場が混乱した。クワーテング氏は今月3日、減税策のうち、高所得者への最高税率の引き下げを撤回すると表明したが、与野党から非難が上がっていた。


2022.10.06-Rakuten Infosheek news -https://news.infoseek.co.jp/article/sankein__world_europe_DCVRMTUMVVJG5AHNPJX5BCFADQ/?tpgnr=world
トラス英首相、中露強硬姿勢で存在感 支持率は低迷

  【ロンドン=板東和正】トラス英首相が就任してから6日で1カ月がたった。ジョンソン前政権の方針を継承し、米・欧州連合(EU)と対中露政策で連携を深め、一定の存在感を発揮している。一方、国内では政権の目玉政策だった減税策が一部撤回に追い込まれ、求心力の低下が目立つ

  トラス氏は就任後初となる9月の外遊で国連総会に出席し、ロシアから侵略されているウクライナへの来年の軍事支援について、今年予定の23億ポンド(約3770億円)の同等以上にすると発表。「英国はウクライナが勝利するまで(支援を)休まない」と宣言した。親露派勢力がウクライナ東・南部で強行した「住民投票」を受け、対露追加制裁も公表した

  インド太平洋地域で覇権的拡張を強める中国に対抗するため、同地域への関与を強める戦略も打ち出した。クレバリー英外相は9月29日、外遊先のシンガポールで、安全保障や経済などの分野で同地域と「これまで以上に緊密な関係を築く」と強調。5年間で最大5億ポンドを同地域の国々に投資する意向を示し、中国を牽制(けんせい)した。
  英紙タイムズなどによると、トラス政権は、ジョンソン前政権が昨年3月に外交や安全保障などの政策を定めた「統合レビュー」を年内に更新。台湾周辺での軍事的圧力を強める中国への警戒度を格上げして「脅威」と位置づける方針だ。

  トラス氏は世界で影響力を拡大しつつも、内政では早くも苦境に立たされている。9月23日に総額約450億ポンド(5年間)の減税策を発表したことで財源の不安をあおり、通貨ポンドが過去最安値をつけるなど市場が混乱。クワーテング英財務相は今月3日、「国の課題に対処しようとする政府の使命の弊害になる」とし、減税策の一部である高所得者への最高税率の引き下げを撤回すると表明した。発表からわずか1週間余りで減税策を修正したトラス政権に、与野党からは非難が集中している。
  減税策をめぐる混乱から与党・保守党の支持率は低迷。英調査会社ユーガブによると、9月29日時点で同党の支持率は21%と最大野党・労働党(54%)に33ポイントの大差をつけられた。ユーガブは保守党の有権者離れを受け、1997年にブレア党首率いる労働党が総選挙で保守党から政権を奪還した当時の状況に似ているとの見方を示す。
  次期総選挙は2025年1月までに実施される予定だが、英メディアによると、政権交代を望む50万人以上の国民が直ちに総選挙を実施するよう求める請願書を政府に提出する方針だ。


2022.09.29-日経経済新聞-https://www.nikkei.com/nkd/theme/769/news/?DisplayType=1&ng=DGXZQOUB00010_29092022000000
イングランド銀ショック、実相と見通し

  すべては、英トラス新首相の大型減税案、突然の発表に始まる。天然ガス急騰で今冬の暖房費を国が補助する政策もある。市場では一気に英財政不安が生じ、英国債売りの嵐。ヘッジファンドも投機的売り攻勢に参入した。かくしてポンド暴落も含め、「英国売り」の様相となり、イングランド銀行(中央銀行)は危機感を強く意識するに至った。年金運用も危機的状態が想定される。

  そこで、突然、量的緩和再開を決定。緊急時限措置とはいえ、市場は全く想定していなかった。量的緩和政策(QE)どころか、イングランド銀も米連邦準備理事会(FRB)と同様に利上げと量的な金融引き締め(QT)を実行するとの観測が圧倒的主流であった。そのQTは延期との発表だ。
  英国債先物売りに走っていた投機家たちは完全に虚を突かれ、マージンコール(追加担保の差し入れ要求)を突き付けられた。損切りが損切りを呼ぶ連鎖で英国市場は大波乱
  この市場異変は直ちに米ニューヨーク(NY)市場に伝わる。イングランド銀は、いざとなれば、暫時、金融緩和に切り替えた。FRBも、いざ、米国不況入り不可避となれば、利上げとQTは一時停止となるのではないか、との発想には追い風となった。FRBは否定するが、利上げに伴う不況で来年は利下げとの観測が、すでに市場では絶えなかった。

  市場内部要因としては、おりしも米10年債利回りが4%を突破して、投機的米国債売りポジションが蓄積していた。そこで、イングランド銀サプライズが格好の利益確定手じまいの口実を提供した感もある。同利回りは3.7%台まで短時間に急落。一日で20ベーシス・ポイントを超える変動は債券市場でおおごとである。債券ディーラーが嘆く。「出勤前は4%突破、会社に着いたら3.7%台」あたかもキツネにつままれた感が強い。外為市場では米インターコンチネンタル取引所(ICE)が算出する主要通貨に対するドルの総合的な強さを示す「ドルインデックス」が114台から112台まで急落した。米株価は反騰を演じた。
  同時に、市場の中央銀行への不信感も強まった。
  そもそもFRBは、みずからインフレは一時的との痛恨の判断ミスを犯し、市場は神経質になり、金利乱高下を招いたことが、蒸し返される。
  さらに、余波は日銀にも及ぶ。円買いドル売り介入中にイングランド銀行から思いもかけぬ「ドル売りの援軍」到来の様相だ。
  人民元安を持て余す中国人民銀行にも、暫時、朗報となった。すでに、人民元防衛策として、人民元基準値を高めに設定してきた。銀行の外貨保有高制限や外貨取引コスト引き上げなど、あれこれ、手を尽くしてきた。習近平(シー・ジンピン)国家主席3期目に向けた共産党大会を控え、経済波乱は許されない。
  かくして、イングランド銀ショックは、世界の市場を揺さぶった。しかし、FRBも日銀も金融政策の基本的スタンスを、この程度で変えることはあり得ない。株価は弱気相場入り。外国為替はドル高トレンドが続くであろう。
  米国の連続0.75%利上げとQTの引き締め合わせ技に、世界の中央銀行が苦慮する構図は変わらない。

豊島逸夫(としま・いつお)
  豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層真理」を連載。
  ・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
  ・ツイッター@jefftoshima
  ・YouTube豊島逸夫チャンネル
  ・業務窓口はitsuotoshima@nifty.com


2022.09.19-Yahoo!Japanニュース(毎日新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/9401cced944f624f260de0f57e368bcedbed5b3e
英国の母に最後の別れ エリザベス女王国葬 天皇陛下ら各国元首参列
【ロンドン篠田航一、高島博之】

  今月8日に96歳で死去した英国のエリザベス女王の国葬が19日午前11時(日本時間同日午後7時)、首都ロンドンのウェストミンスター寺院で行われた。日本の天皇、皇后両陛下やバイデン米大統領ら世界各国の国家元首、首脳など約500人を含む約2000人が参列。英史上最長の70年にわたって在位した「英国の母」に最後の別れを告げた。英国の国葬は、第二次大戦を勝利に導き1965年に死去したチャーチル元首相以来、57年ぶりとなった。

  国葬は約1時間営まれた。英国国教会の最高位聖職者であるカンタベリー大主教の説教が行われ、英国全土で2分間の黙とうがささげられた。
  国葬の様子は世界各国で生中継され、視聴者数は97年のダイアナ元皇太子妃の葬儀の推定25億人を超える41億人に達すると報じられている。

  国葬終了後、女王のひつぎはロンドン近郊のウィンザー城に向けて出発し、沿道では大勢の市民が見守った
  19日夜には夫のフィリップ殿下(昨年4月に99歳で死去)のひつぎと共に、城の中にある礼拝堂内に埋葬される。

  女王は1926年4月生まれ。52年に父の国王ジョージ6世の死去に伴い、25歳の若さで王位を継承。外遊は100カ国を超え、75年に訪日した。
  国民から敬愛され、新型コロナウイルス感染拡大直後の2020年4月には国民を励ますテレビ演説を行い、危機の際に国民をまとめる存在感を世界に示した。今年6月には在位70年の祝賀行事が開かれた。昨年ごろから健康不安が伝えられ、最近は公務の欠席も増えていた。
  8日の女王死去後、王位継承順位1位の長男チャールズ皇太子が新国王として即位孫のウィリアム王子が皇太子となった。
  英北部スコットランド・バルモラル城で死去した女王のひつぎはロンドンに運ばれ、国会議事堂があるウェストミンスター宮殿内のホールで14日から一般公開され、19日朝までに数十万人が訪れた。
  今回の国葬を機にロンドンでは「弔問外交」も行われた。チャールズ国王は17日以降、カナダのトルドー首相、オーストラリアのアルバニージー首相らと次々に面会。6日に就任したばかりのトラス英首相も各国首脳と会談したが、18日に予定されていたバイデン氏との米英首脳会談は延期となった
【ロンドン篠田航一、高島博之】


2022.09.18-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220918/k10013823161000.html
天皇皇后両陛下 イギリスに到着 エリザベス女王の国葬参列で

  エリザベス女王の国葬に参列するため日本を出発した天皇皇后両陛下は、現地時間の17日夕方、イギリスに到着されました。19日午前、国葬に参列されることになっています。

  両陛下を乗せた政府専用機は、現地時間の17日午後6時20分、ロンドン郊外にあるスタンステッド空港に到着しました。
  両陛下とも黒いマスクをつけてタラップを降り、空港の滑走路で出迎えた人たち1人1人とあいさつを交わしたあと、車に乗り込んで宿泊先となっているロンドン中心部のホテルに向かわれました。
  ホテルの入り口前の歩道には両陛下の到着前から大勢の人たちが集まり、両陛下は、車を降りてホテルに入る際、手を振って応えられていました。
  両陛下は、現地で2泊し、19日午前11時からロンドン中心部にあるウェストミンスター寺院で行われるエリザベス女王の国葬に参列されます。
  宮内庁によりますと、皇室とイギリス王室は、古くから親密な関係にあり、天皇陛下も大学院在学中にイギリスのオックスフォード大学に留学するなど交流を深められてきました。
  留学中はエリザベス女王にピクニックに招待されたり、一緒にバーベキューを楽しんだりすることもあったということで、天皇陛下は、エリザベス女王が温かい気持ちで親しく接してくれたことを懐かしく思い出し、深く感謝されているということです。


2022.09.13-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220913-SBSIYYWD45NFVC4RUL6AAYJUKU/
新国王 英連邦諸国との結束の課題に直面

  【ロンドン=板東和正】エリザベス女王の死去に伴い即位した新国王チャールズ3世(73)立憲君主制の存続や英連邦諸国との結束の維持に向けた課題に直面している。世界から「英国の母と慕われた女王がこの世を去ったことで共和制への移行を支持する層が勢いを増す可能性があり、新国王が王室の威信を保てるかは不透明だ。

  チャールズ3世が8日に即位したことを受け、ロイター通信は9日、チャールズ3世は女王ほどの支持を国民から得られていないと指摘。君主制の廃止に向けた機運が高まっているとの見方を示した。英調査会社ユーガブが4~6月に実施した主要王室メンバーの人気調査では、チャールズ3世(当時は皇太子)は7位で1位の女王に大差をつけられた。3位の長男、ウィリアム皇太子(当時は王子)よりも下回っている。

  共和制の移行を支持する英活動団体「リパブリック」のグラハム・スミス代表は「大半の国民にとって女王こそが王室だ」とした上で「チャールズ3世は女王が享受していた敬意を引き継がない」と指摘。女王の死後、「(君主制の)将来は深刻な危機に直面する」と強調した。
  近年、女王の次男アンドルー王子が米国で性的虐待疑惑をめぐり提訴されるなど王室のスキャンダルが相次いでおり、君主制への支持率は低迷しつつあった。
  ユーガブの6月発表の調査では、君主制の存続を支持する人は62%と過半数に達したたものの、10年前の75%から13ポイント減少した。英王室の専門家は「幅広い世代に愛されていた女王が亡くなったことで、くすぶりかけている王室への不満が今後、爆発しかねない」と分析する。

  女王の死去により英王室の求心力が低下したことで、チャールズ3世を国家元首とする「英連邦王国」から加盟国が離脱する動きも進むとみられている。
  英連邦王国には英国の旧植民地であるカナダやニュージーランドなど15カ国が加盟しているが、米紙ウォール・ストリートジャーナルは「(同王国の)複数の国で英君主との関係を再評価する動きが加速する可能性がある」と予測。事実、加盟国でカリブ海の島国、アンティグア・バーブーダのブラウン首相は11日、女王の死去を受け、英君主を国家元首とする君主制を廃止して共和制に移行するかどうかを問う国民投票を実施すると発表した。
  近年すでに、英連邦王国の加盟国が植民地支配を受けた歴史の象徴である英王室との結び付きを絶つ事例が出始めている。カリブ海の島国バルバドスは昨年11月末、君主制から共和制に政治体制を移行。ロイターによると、カリブのジャマイカや中米ベリーズなど他の加盟国もバルバドスに追随する意向を示している。

  英歴史学者のリチャード・ドレイトン氏はロイターに対し、女王が約70年の位期間中、英連邦王国の加盟国に何度も足を運んでいたことに触れ「(同王国)に深く関与してきた」と指摘。加盟国と個人的な関係を築いてきた女王がいなくなることで、同王国の加盟国で君主制を維持できるかが喫緊の課題になるとの見解を示した。


2022.09.11-SponichiAnnex-https://www.sponichi.co.jp/society/news/2022/09/11/kiji/20220911s00042000054000c.html
「不倫相手」から王妃に 2月にエリザベス女王が認める考え示していた

  チャールズ新国王の即位に伴い、カミラ夫人(75)は王妃になった。2人は長年不倫関係にあり、王妃は国民の人気が高かった故ダイアナ元妃の「恋敵」だったため、複雑な思いを抱く国民は少なくない。かつては、「英国で最も嫌われた女性」とまで呼ばれた。ただ最近は慈善活動に取り組み、献身的な態度で尽くす姿を好意的に評価する声も増えつつある。9日に即位後初めて新国王と共に宮殿を訪れた際には、女王の追悼に集まった多くの人々から歓迎を受けた。

   「王妃として公務を続けてくれることを切に願う」。エリザベス女王は2月、在位70年を前にした国民向けの声明で、チャールズ皇太子(当時)が国王に即位する際は、カミラ夫人に「王妃」の称号を与えたいとの意向を示した。皇太子は1996年に元妃と離婚し、2005年にカミラ夫人と再婚。王室は世論の反発を懸念し、王位継承の際には「国王夫人」という異例の称号を用いる意向だったが、女王自らが王妃として認める考えを示し、円滑な継承への布石を打ち始めていた。

 新国王の即位前には、英メディアも表舞台に登場する機会が増えたカミラ夫人について、家庭内暴力(DV)の被害者らの支援活動に尽力した様子や夫に献身的に寄り添う姿を伝えた。


2022.09.09-NHK NEWS WEB-
イギリス エリザベス女王死去 96歳

  イギリスの君主として歴代最長となる70年にわたって在位してきたエリザベス女王が、8日、96歳で亡くなりました女王の死去を受け、長男のチャールズ皇太子が国王に即位しました。

  イギリス王室は、エリザベス女王が8日、静養先の北部スコットランドのバルモラル城で死去したと発表しました。
  エリザベス女王は、1926年4月、のちの国王、ジョージ6世の長女として生まれ、1952年、国王の死去に伴って、エリザベス2世として25歳で、王位を継承しました。
  2015年には、19世紀のビクトリア女王を抜いてイギリスの君主として在位最長を更新し、ことし6月には、在位70年を記念する祝賀行事「プラチナ・ジュビリー」が盛大に行われるなど、イギリスの統合を象徴する存在として敬愛されてきました。
  エリザベス女王は、ソーシャルメディアを活用して、国民とコミュニケーションを積極的にはかる姿勢を打ち出し「開かれた王室」を実践しました。
  新型コロナウイルスの感染が拡大し、社会に不安が広がった際には、テレビ演説で連帯を呼びかけるなど、国民に寄り添ってきました。

  日本の皇室との関係も深く、1971年には昭和天皇がイギリスを訪問され、1975年には、エリザベス女王が日本を公式に訪問しています。
  天皇陛下も3回にわたってイギリスを公式訪問するなど、交流を深められてきました。
  エリザベス女王は去年4月、長年連れ添った夫のフィリップ殿下を亡くし、その後、公務に復帰しましたが、ことし6月の「プラチナ・ジュビリー」では体調を考慮して礼拝を欠席するなど限られた機会しか姿を見せず、イギリス国内では健康を気遣う声が上がっていました。

  また、9月6日には、与党・保守党の新しい党首に就任したトラス氏をバルモラル城に迎え、首相に任命しましたが、公共放送BBCによりますと、ロンドンのバッキンガム宮殿以外で首相を任命するのは70年の在位期間中で初めてで、女王の健康状態に配慮したものと見られていました。
  イギリス王室によりますと女王は8日朝の診察のあと、健康が懸念される状態だとして、医師団の監督のもとに置かれていましたが、現地時間の8日午後、安らかに亡くなったということです。96歳でした。

  エリザベス女王の死去を受け、王位継承順位が1位だった長男のチャールズ皇太子が国王に即位しました。
新たに即位したチャールズ国王「最大の悲しみのとき」
  イギリス王室は8日、新たに即位したチャールズ国王の声明を発表しました。この中でチャールズ国王は「私の最愛の母、女王の死去は私と家族全員にとって最大の悲しみのときだ。私たちは大切な君主、そして愛すべき母の死去を深く悼んでいる。女王の死は国全体、イギリス連邦、そして世界中の数え切れないほどの人たちに深い悲しみを持って受け止められている」としています。
  そのうえで「私と家族は女王が広く敬愛されていたことを知ることで慰められ支えられる」と述べています。
王室ウェブサイト 背景が黒に
  イギリス王室のウェブサイトは、トップ画面の背景が黒くなり、中心にはエリザベス女王の肖像が掲載されていて、ほかの内容は閲覧できないようになっています。
  トップ画面には「きょう午後、女王バルモラル城で安らかに息を引き取りました。国王と王妃は今夜はバルモラル城に残り、あすロンドンに戻る予定です」と記し、チャールズ国王とカミラ王妃は、9日にロンドンに戻ることを明らかにしています。
イギリス トラス首相「並外れた生涯の奉仕をたたえたい」
  イギリスのトラス首相はエリザベス女王の死去を受けて首相官邸前で声明を読み上げました。
  冒頭、トラス首相は「われわれは打ちひしがれている。イギリス国内や世界中にとって大きなショックだ。女王は現代のイギリスの礎であり、そのもとでわが国は繁栄と成長をしてきた。今のすばらしいイギリスがあるのは女王のおかげだ」と述べました。
  そして「エリザベス女王はわれわれに必要な安定と強さをもたらした。まさにイギリスの精神そのものでその精神は永遠に続く。イギリスと世界中で愛され、私個人、そして多くの国民の励みだった。その公務に対する献身はわれわれの模範だった」としています。
  その上で、トラス首相は「エリザベス女王は生涯で100か国以上を訪れ、難しい時代の中にあって多くの人々と触れあってきた。イギリスとイギリス連邦、そして世界中の友人とともに並外れた生涯の奉仕をたたえたい」と述べその死を悼みました
イギリス 首相経験者が相次いで哀悼の意
  イギリスの首相経験者も相次いで哀悼の意を表明しています。このうち9月に辞任したジョンソン前首相は、ツイッターに声明を発表しました。
  ジョンソン前首相は「私たちの国にとって最も悲しい日だ。1人1人の心の中には私たちが思っていた以上に女王死去の痛みや喪失感がある」としています。
  そして、「女王は多くの場で笑顔とぬくもり、そしてユーモアという魔法を70年というたぐいまれなる間、国中に広げてきた」と述べ、長年の活躍をたたえました。
  また、メイ元首相もツイッターに声明を投稿し「イギリスとイギリス連邦全体で、女王の死去を嘆いている。首相として女王に仕えることができたのは私の人生の名誉だ」と述べて追悼しました。
各国メディア 一斉に速報
  イギリスの公共放送BBCは、エリザベス女王のこれまでの軌跡を写真や動画を交えて伝えるなど、通常の放送から切り替えて情報を伝え続けています。
  また、ロンドン郊外のウィンザー城の上に虹が出ている様子も中継で伝えていました。世界各国のメディアも、一斉に女王の死を速報で伝えています。
バッキンガム宮殿 多くの人が訪れ花束を手向ける
  バッキンガム宮殿の前では、雨が降りしきる中にも関わらず、多くの人が途絶えることなく訪れ、じっと宮殿の方を見つめたり、宮殿の門の前に花束を手向けたりしていました。
  60代のイギリス人女性は「歴史の変わる瞬間を見届けようと来ました。本当に国に尽くした人でした。外国にルーツのある人もここには集まっています。イギリスは彼女のおかげで多文化の国となりました」と話していました。
  60代のイギリス人男性は「新型コロナの間も女王は国をひとつにし、新たな首相を見届けて亡くなりました。本当に長生きでした」と目に涙を浮かべて話していました。
  20代のイギリス人女性は「とても悲しいです。彼女は皆のお手本でした。世界中がこの瞬間を見ていると思います。とても歴史的な瞬間です」と話していました。
  花を手向けた30代のイギリス人男性は「彼女は象徴的な存在で、その影響力は国中に広がっていました。彼女の言葉やふるまいが私は好きでした。素晴らしい指導者でした」と話していました。
市民「受け入れがたい事実」
  パリからロンドンに向かう高速鉄道「ユーロスター」の車内では、乗客が携帯電話でニュースを確認したり、女王の訃報について話し合ったりする様子が見られました。
  60代のイギリス人の男性は、「たったいまニュースを知ったばかりで予期していたとはいえ、ショックです。イギリス人にとっては受け入れがたい事実ですが、首相も新しくなり、きっと1つにまとまると思います」と話していました。
  また、イギリスを観光で訪れていた50代のアメリカ人の女性は、「エリザベス女王はとても長い間女王でしたし、アメリカでも誰からも愛されていました。とてもショックです」と話していました。
国連安保理で黙とう
  国連の安全保障理事会では8日、会合の冒頭、今月の議長を務めるフランスのドリビエール国連大使の呼びかけで、出席した各国の国連大使ら全員が立ち上がり、およそ1分間、黙とうをささげました。
国連 グテーレス事務総長「深く悲しんでいる」
  国連のグテーレス事務総長はツイッターに「そのリーダーシップと献身から世界中から尊敬されていたエリザベス女王の逝去に深く悲しんでいる。彼女は国連のよき友であり、この数十年の変化の中、人々を元気づける存在だった。彼女の確固たる、生涯にわたる献身は長く人々の記憶に残るだろう」と投稿しました。
各国首脳が追悼
  インド モディ首相「温かさと優しさを忘れることはない」
    エリザベス女王の死去を受けて、インドのモディ首相はツイッターに「エリザベス女王の温かさと優しさを忘れることはありません」と投稿しました。
    この中で、モディ首相は、女王と一緒に写った2枚の写真も投稿し、インド独立の父とされるマハトマ・ガンジーが女王の結婚の際に贈ったというハンカチを女王から見せてもらったというエピソードも紹介しています。
  ウクライナ ゼレンスキー大統領「心から哀悼の意」
    ウクライナのゼレンスキー大統領は、「エリザベス女王の逝去の報に接し、深い悲しみの中にあります。ウクライナ国民を代表してイギリス王室とイギリス国民、そしてイギリス連邦の加盟国の皆さまに心から哀悼の意を示します」とツイッターに投稿しました。
  カナダ トルドー首相「いなくなるのはさみしい」
    イギリス連邦の加盟国であるカナダのトルドー首相は8日、エリザベス女王の死去を受けてビデオで声明を発表しました。
    この中で「カナダの歴史のほぼ半分となる70年間、女王としてカナダ国民に対し深く、変わらぬ愛情を注ぎ、強さと知恵をもって私たちのために力を尽くしてくれた」と述べ、感謝の気持ちを示しました。
    そして「女王は思慮深く、賢く、好奇心旺盛で、親切で、おもしろく、そしてそれ以上のものを持っていた。複雑な世界において、女王の安定した優雅さと決意はわれわれに癒やしと強さを与えてくれた。世界で最も好きな人のひとりでいなくなるのはさみしい」と哀悼の意を示しました。
  フランス マクロン大統領「心優しい女王」
    フランスのマクロン大統領は、ツイッターに「エリザベス女王は70年にわたって、イギリス国家の継続性と団結を体現してきた。フランスの友人として、また、彼女の国とその時代に忘れられない印象を残した心優しい女王として私は記憶している」と投稿しました。
  アメリカ バイデン大統領「比類なき威厳と不変の存在」
    アメリカのバイデン大統領は声明を発表し「エリザベス女王は君主であっただけでなく1つの時代を定義した。絶え間なく変化する世界において、何世代にもわたってイギリスの人々を安定させ、誇りを与える存在だった」としています。
    そして「比類なき威厳と不変の存在でイギリスとアメリカの同盟関係をより深いものにした。両国の関係を特別なものにすることにも寄与した」とした上で「アメリカ中の人々の思いと祈りは、悲しみにくれるイギリスおよびイギリス連邦の人々とともにある。彼女のレガシーはイギリスの歴史と世界の物語に深く刻まれるだろう」として追悼しました。
  ドイツ ショルツ首相「模範で心の励み」
    ドイツのショルツ首相は、8日、ツイッターに「ドイツ国民をはじめ、多くの人にとって模範で心の励みだった。第2次世界大戦後のドイツとイギリスの和解への貢献は忘れられることはない。彼女の死が悔やまれる」と投稿し、その功績をたたえ、女王の死を悼みました。
  ロシア プーチン大統領「イギリスの王室と国民にお悔やみ」
    ロシア大統領府は8日、プーチン大統領の哀悼のメッセージを発表しました。
    このなかでプーチン大統領は「女王陛下の名前は、イギリスの現代史の最も重要な出来事と切っても切れない関係にある。何十年にもわたり、人々から愛と尊敬を集め、世界の舞台でも尊敬されてきた。取り返しのつかない大きな損失に直面するなか、勇気と不屈の精神を発揮されることを祈っている。イギリスの王室と国民にお悔やみを伝えたい」としています。
  ブラジル ボルソナロ大統領「大きな衝撃と悲しみ」
    ブラジルのボルソナロ大統領は8日、みずからのツイッターで「大きな衝撃と悲しみをもって受け止めている。彼女のリーダーシップと謙虚な姿勢、そして国を愛する心は、私たちブラジル人、そして世界の人々の心に永遠に刻まれるだろう」と述べました。その上で国として3日間、喪に服すことを宣言しました。
  アメリカ 歴代大統領が相次いで哀悼の意
    アメリカでは、歴代の大統領も相次いで哀悼の意を表しています。
    このうちトランプ前大統領はソーシャルメディアへの投稿で「エリザベス女王による卓越した統治は、イギリスに、平和と発展というすばらしい遺産を残した。彼女のリーダーシップと外交はアメリカや世界の国々との同盟関係を、より深いものにした」と功績をたたえました。
    またオバマ元大統領は声明で「エリザベス女王は何十年もかけて、自身ならではの女王としての役割を確立した。寛大さと気品、そして絶え間ない勤勉さが表れた統治だった。彼女の世代における、女性への偏見に挑戦するものでもあった」とたたえ、その死を悼みました。
  オーストラリア アルバニージー首相「慰め 希望 癒やしの源」
    イギリス連邦の加盟国のオーストラリアでは、テレビ各局が特別番組で女王の死去を伝え、追悼ムードに包まれています。
    アルバニージー首相はテレビ演説で「女王は試練や苦難の時、私たちとともにいてくれた。特に洪水や森林火災、戦争やパンデミックといった悲劇や災害に見舞われた時、オーストラリア国民の気持ちに寄り添ってくれた。女王の言葉、女王の存在は多くの国民にとって慰め、希望、そして癒やしの源だった」と功績をたたえました。
    そして「悲しみの時は過ぎ去るものだが、オーストラリア国民が常に抱いてきた女王への深い敬意と温かいまなざしは、決して色あせないだろう」と謝意を示しました。
    またイギリス連邦の加盟国、ニュージーランドのアーダーン首相も声明で「女王は愛され、賞賛された君主であり、70年という記録的な在位期間は、私たちに対する献身の、絶対的な証だ。世界中の人々が大きな喪失感を抱いており、ニュージーランド国民も悲しみを共有している」と哀悼の意を示しました。


2022.09.08-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220908/k10013810151000.html
英 エリザベス女王 “健康が懸念される状態” 王室が発表

  イギリス王室は8日、エリザベス女王について、健康が懸念される状態だとして、医師団の監督のもとに置かれると発表しました。

  96歳のエリザベス女王は夏の間の静養先であるイギリス北部スコットランドのバルモラル城に滞在していますが、イギリス王室が8日、発表したところによりますと、女王はこの日の朝の診察のあと、健康が懸念される状態だとして、医師団の監督のもとに置かれることになりました。
  発表では、女王はバルモラル城で安静にしているとしています。
  また、息子のチャールズ皇太子とカミラ夫人がすでにバルモラル城に到着したほか、孫のウィリアム王子なども現地に向かっているということです。

  エリザベス女王は2日前の6日、与党・保守党の新しい党首に就任したトラス氏をバルモラル城に迎え、首相に任命したばかりです。
  公共放送BBCによりますと、エリザベス女王が首相を任命するのは70年の在位期間中、15回目でしたが、ロンドンのバッキンガム宮殿以外で行うのは初めてで、女王の健康状態に配慮したものと見られていました。
  エリザベス女王は、ことし6月に行われた、即位70年を祝う「プラチナ・ジュビリー」でも体調を理由に一部の行事を欠席していました。
トラス首相「イギリス中が深く懸念」
  エリザベス女王から2日前に任命されたトラス首相は、8日、ツイッターで、「この昼のイギリス王室の知らせにイギリス中が深く懸念していることででしょう。わたしと、そしてイギリス全土の人々の思いは、女王陛下とそのご家族のもとにある」として女王の健康を気遣いました。


2022.09.06-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/06a71fcbc87920709077ae17536b6b9d103b4497
英トラス新首相は「カメレオン」の異名

  【ロンドン=板東和正】6日に英新首相に就任したトラス外相は政治的に激しく「変節」した経歴があり、「カメレオン」(英メディア)の異名を持つ。本人はサッチャー元首相を敬愛していると公言するが、「鉄の女」と呼ばれたサッチャー氏のように、経済復興や強腰の外交で名を残す指導者となれるのか。

   トラス氏は1975年、数学者の父と看護師の母の間に生まれた。両親は左派の支持者でサッチャー政権(79~90年)の政策に批判的だった。トラス氏は両親の影響を受けて学生時代、中道左派の自由民主党に入党し、党大会で「君主制の廃止」などを訴えていた。
  しかし、トラス氏はその後、保守党に転向。シンクタンクに勤務していた頃に新自由主義的な経済政策「サッチャリズム」を信奉し始めたとみられている。
  英メディアによると、2010年に保守党の下院議員に当選した際には両親から反発を受けたという。 トラス氏は議員になってからも変遷をたどった。16年の国民投票では欧州連合(EU)残留を支持したが、翌年に離脱派への転向を表明。
  トラス氏は当時メディアに「残留を支持したのは英経済への影響が心配だったからだが、(経済に打撃を与える)悲惨な予測は見当たらなくなった」と転向の理由を語っていた。
  トラス氏は党首選で、記録的なインフレの対策として大幅減税による家計支援を掲げた。ただ、減税で消費が刺激されれば逆にインフレを加速させる恐れがあり、「公約の修正を迫られる可能性もある」(英経済専門家)と指摘される。
  トラス氏の政治姿勢に対する評価は割れている。米CNNテレビはトラス氏に確固たる政治信念があるのかを疑問視する人がいると報じた。揺るがない「鉄の精神」で「英国病」と呼ばれた英国の経済再生に道筋をつけ、冷戦終結にも寄与したサッチャー氏とは「まるで異なる指導者」(英市民)だとの意見もある。
  一方で、ある保守党員は「国内外の政治状況が日々急速に変貌する中、トラス氏のような柔軟性が必要だ」との見解を示している。


2022.09.05-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220905-B2NCE5UZ3ZKSNAWUHZAKMOHSUA/
英新首相にトラス氏 保守党党首選に勝利、女性3人目

  【ロンドン=板東和正】英国の与党保守党は5日午後、ジョンソン首相の後任を決める党首選決選投票の結果を発表し、ロシアや中国に厳しいジョンソン政権の外交路線を継承するエリザベス・トラス外相(47)が、対抗馬のリシ・スナク前財務相(42)を下して勝利した。トラス氏はサッチャー元首相、メイ前首相に続く英国史上3人目の女性首相となる。

  決選投票では党員約17万人がオンラインか郵便で投票。得票率はトラス氏の約57・4%に対してスナク氏は42・6%。党員の投票率は82・6%だった。トラス氏は6日、エリザベス女王の任命を受けて新首相に就任する。
  英国はロシアに侵攻されたウクライナへの支援を米国とともに積極的に推進してきた。ただ、国内では記録的な物価高騰に直面しており、新首相として喫緊の課題となる。中国への対応を念頭にジョンソン政権が進めてきた日英協力の行方も焦点となる。

  トラス氏は党首選出後の演説で物価高への対策を急ぐ考えを示し、公約に掲げた減税策など「大胆な計画を実行する」と強調した。
  党首選は、新型コロナウイルス流行に伴う行動規制下のパーティー開催など、不祥事が発覚したジョンソン氏の辞任表明を受けて実施された。党所属下院議員による投票の結果、トラス氏とスナク氏が決選投票に進出。5回の議員投票ではスナク氏がいずれも最多得票だったが、党員投票で形勢は逆転。党員対象の世論調査では、トラス氏の支持率がスナク氏のほぼ倍の6割以上に上った。

  保守党内でジョンソン氏への支持は今も強い。トラス氏は閣僚として最後まで忠誠を尽くし、ジョンソン氏支持を強調することで、党内の「ジョンソン派」の支援を取り付けた。
  一方、スナク氏は不祥事に抗議する形で財務相を辞任。ジョンソン氏を退陣に追い込んだとみなされ、党員の反発を招いたとみられている。


2022.09.02-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220902-
英シェル、サハリン2新会社に出資しない方針を通知

  【ロンドン=板東和正】米メディアによると、英石油大手シェルロシア極東の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」の新たな運営会社に出資しない方針ロシア政府に通知した。シェルはロシアによるウクライナ侵攻後、露事業からの撤退方針を表明していた。

  シェルは、サハリン2の旧運営会社「サハリン・エナジー」に約27・5%出資ウクライナ侵攻後、露産原油を割安な価格で購入したと報じられ、一時批判された。しかし、2月末に露政府系ガス大手ガスプロムとの提携を解消。3月には露事業からの完全撤退を発表した。

  サハリン2を巡っては、ロシアのプーチン大統領が6月末、サハリン2の運営を新設する会社に移すとした大統領令に署名。三井物産と三菱商事は新会社に出資する方針を示し、露政府から承認されている。

  一方、露産化石燃料からの脱却を目指す英国は原子力発電を強化している。英政府は1日、南東部にあるサイズウェル原発の新設計画に7億ポンド(約1130億円)の資金を提供すると明かした。同原発の稼働期間は60年の見込みで、英国の電力需要の約7%を賄えるとみられている。


2022.07.08-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220708/k10013707341000.html
ジョンソン首相辞任表明 新政権への円滑な移行が焦点に

  相次ぐスキャンダルで求心力が低下していたイギリスのジョンソン首相は7日、辞任することを明らかにしました。今後、与党・保守党の新しい党首を選ぶ手続きを経て首相が交代することになり、ウクライナ情勢や物価の高騰など内外に課題が山積する中で、新しい政権への移行が円滑に行われるかが焦点となります。

  イギリスのジョンソン首相は7日、ロンドンの首相官邸で声明を発表し、与党・保守党の党首を辞任して首相の座からも退くことを明らかにしました。
  声明の中でジョンソン首相は2020年のEU=ヨーロッパ連合からの離脱や、新型コロナウイルスのワクチンの接種などの実績を強調し「世界で最もすばらしい仕事を手放すことがどれほど残念かわかってほしい」と述べ、無念さをにじませました。
  一方で首相官邸などでパーティーが繰り返し開かれていた問題など、みずからの求心力が低下するきっかけとなった一連のスキャンダルへの言及や謝罪はありませんでした。
  そのうえで保守党の新しい党首を選ぶ選挙についてのスケジュールは来週発表されることを明らかにし、次の党首が決まりしだい首相の座も退くとしています。
  これまでの例に従えば党首選挙に3人以上が立候補した場合、議員による投票を繰り返して得票の少ない候補者から脱落していく形で2人に絞り込んだうえで、全国の党員による投票が行われることになっています。
  イギリスのメディアは議会が夏の休会に入る今月後半までに候補者が2人に絞り込まれ、ことし9月以降に最終的な投票が行われる見通しを伝えていますが、党内からは手続きを急ぐべきだという声も上がっています。


2022.07.07-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220707/k10013705611000.html
英ジョンソン首相 閣僚3人 高官40人超辞任表明 政権運営厳しく

  相次ぐ不祥事で求心力が低下しているイギリスのジョンソン首相を巡って、複数の閣僚のほか40人を超える政府高官が辞任を表明する異例の事態となっています。ジョンソン首相は続投の意向を示していますが、与党内では党首としての信任を問う投票を模索する動きもあり、政権運営は厳しさを増しています。

  ジョンソン首相を巡っては、新型コロナウイルスの厳しい規制が続く中、首相官邸などでパーティーが繰り返された問題のほか、先週には、みずからが任命した与党・保守党の幹部が性的なスキャンダルで辞任し、その対応をめぐっても批判が強まっています。
  5日、財務相と保健相が辞任したのに続き、6日にはウェールズ担当相が辞表を提出するなど、これまでに閣僚3人のほか、40人を超える政府高官が辞任を表明する異例の事態となっています。
  ジョンソン首相は6日、議会での答弁で続投の意向を重ねて表明しましたが、保健相を辞任したジャビド氏が「問題は組織のトップにあり、このままでは変わらないという結論に達した。どこかの時点で『もうたくさんだ』と判断すべきで、今がそのときだ」と辞任を強く迫りました。
  さらに、保守党内では、6月に続いて党首としての信任を問う投票を模索する動きも出ていて、ジョンソン首相の辞任に向けた圧力が強まっています。
  党の規則では、信任投票は前回行ってから1年間あけなければなりませんが、地元メディアなどによりますと、これを変更するための手続きが週明けにも行われる見通しで、ジョンソン首相の政権運営は厳しさを増しています。

ジョンソン首相に辞任を促した閣僚は
  イギリスメディアは6日、複数の閣僚が首相官邸を訪れ、ジョンソン首相に辞任するよう直接促したと伝えています。
  報道によりますと、ジョンソン首相に辞任を促したのは、これまでジョンソン首相を支持してきたパテル内相、5日に辞任した財務相に代わって就任したばかりのザハウィ財務相、シャップス運輸相、それにウェールズ担当相のハート氏の4人です。
  ハート氏はこのあと、みずからのツイッターでウェールズ担当相を辞任する意向を明らかにしました。
  一方で、ジョンソン首相への支持を表明してきたトレビリアン国際貿易相やドリーズ文化相も官邸を訪れましたが、辞任を促したかどうかは確認できていないということです。


2022.07.06-BBC NEWS Japan-https://www.bbc.com/japanese/62059871
イギリスで主要閣僚2人が辞任、首相を信頼できずと ジョンソン政権に大きな打撃

  イギリスのリシ・スーナク財務相とサジド・ジャヴィド保健相が5日、辞職した。国を率いるボリス・ジョンソン首相に信頼を置けなくなったとした。
  両閣僚は、ジョンソン氏がこの日、クリス・ピンチャー議員を2月に与党・保守党の院内副幹事長に任命したことについて謝罪した直後に辞任した。同議員は、会員制クラブで男性2人に痴漢行為をしたと報じられ、先月末に院内副幹事長を辞任していた

  ジャヴィド氏は、政府が「国益のために行動していない」と、辞任の理由を説明。スーナク氏は、ジョンソン氏をこれ以上支持できないとし、両者の違いが大き過ぎることを示唆した。
  ジョンソン氏は先月上旬、保守党の信任投票にかけられ、党首と首相の座を追われる危機を乗り越えたばかり。今回の閣僚らの相次ぐ辞任で、また新たな危機を迎えた。
  党首信任投票でジョンソン氏は59%の信任票を得た。そのため、現行の制度だと、来年6月までは次の信任投票は行われず、党首を辞めさせられることはない。
  しかしジョンソン政権は、新型コロナウイルスが大流行していた時期に首相官邸などで「飲み会」が開かれていたパーティーゲート」問題などで、世論の厳しい批判を浴びている。ジョンソン氏は、パーティーゲートに絡んで警察に罰金を科され法律違反で処罰されたイギリス初の現職首相となった。
  これらを受け、首相の辞任を求める声が保守党内からも出ている。また、増税や生活費上昇への対応や政策に異論を唱える保守党議員もいる。
2閣僚は辞表を公開
  ジャヴィド氏は5日午後6時過ぎ、ツイッターで辞表を公開した
  2021年6月から保健相を務めてきた同氏は、「この政府で良心的に仕え続けることは、もはやできない」と説明。「私は本能的にチームプレーヤーだが、英国民も当然、政府に対して誠実さを求めている」、「あなた(ジョンソン氏)がリーダーとして設定した姿勢と、あなたが示す価値観は、あなたの同僚、あなたの党、そして最終的には国に反映される」とした。
  その数分後の午後6時10分ごろ、将来の保守党党首とも目されるスーナク氏も、辞表をツイッターに投稿した
  国民は政府に「適切に、有能に、真剣に」政治が行われることを期待しているが、政府の道徳規範は、「打倒する価値がある」ほどに低下していると主張した。

  スーナク氏は2020年2月の就任以来、経済政策などで必ずしもジョンソン氏に同調してこなかった。だが、辞表では、「私はあなたに忠実だった」、「あなたが党首になれるよう支え、他の人にもそうするよう呼びかけた」、「あなたが私に国の経済と財政の管理を任せてくれたことに感謝しながら、閣僚を務めてきた」と説明。
  しかし、「経済に関する来週の共同演説を準備する中で、私たちアプローチが根本的に大きく違うことが明らかになった」、「政権を去るのは悲しいが、このまま続けるわけにはいかないという結論に、不本意ながら至った」とした。
政府役職を辞任する議員らも
  閣僚2人が辞任する直前、ジョンソン氏はBBCのインタビューで、ピンチャー氏を保守党の院内副幹事長に任命したことについて、「悪い間違い」を犯したと認めた。任命時にはピンチャー氏の痴漢行為に関する疑惑を認識していたとした。
  ジョンソン氏は、「いま思えば、あれは間違いだった。この件で大きな影響を受けたすべての人に謝罪する」と述べた。両閣僚に加え、保守党のビム・アフォラミ副議長がテレビの生中継で辞任を発表。アンドリュー・マリソン議員は貿易特使を辞めた。ジョナサン・ガリス議員とサキブ・バティ議員も共に内閣補佐官を辞任した。
  法務長官を支えるアレックス・チョーク法務次官も辞任を表明した。ツイッターに投稿した辞表では、規則違反のロビー活動で辞任した保守党議員やパーティゲート、さらには今回のピンチャー氏の保守党幹部辞任などへの対応を通じて、政府は国民の信頼を回復不能なまでに崩壊させたと主張。「擁護できないものを擁護」することは不可能だとした。
  一方、リズ・トラス外相、マイケル・ゴーヴ・レベルアップ相など閣僚の一部は、首相が今回の反政権の動き影響を見極める間、首相への支持を続けるとみられる。ナディーン・ドリス文化相やジェイコブ・リース=モグ・ブレグジット機会相は、ジョンソン氏への強い支持を鮮明にしている。
  スーナク氏とジャヴィド氏の辞任を受け、財務相にはナディム・ザハウィ教育相が任命された。保健相には、ジョンソン氏の首席補佐官、スティーヴ・バークリー氏が就任する。教育相には、ミシェル・ドネラン大学担当閣外相が昇格した。
野党は解散総選挙を要求
  最大野党・労働党のサー・キア・スターマー党首は、解散総選挙を歓迎するとし、政権交代が必要だと述べた。「あらゆる不正、あらゆる失敗を経て、この保守党政権が崩壊していることは明らかだ」
  野党・自由民主党のサー・エド・デイヴィー党首も、「混迷の政府が私たちの国を破綻させた」として、首相の退陣を要求。スコットランド国民党(SNP)党首を務めるスコットランド自治政府のニコラ・スタージョン第一首相は、ジョンソン政権の「腐った連中」は全員去るべきだとし、閣僚が「国民に嘘をついている」と非難した。
  次の総選挙は2024年に実施の見通し。ただ、ジョンソン氏が議会の解散権を行使し、時期を早めることは可能だ。







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