薬物の問題-1



2020.8.13-Yahoo!Japanニュース(東海テレビ)-https://news.yahoo.co.jp/articles/2c8032e612654e247f84e5e441183813f4017c75
少年院の「法務教官」が宿舎で大麻栽培か…31歳男を再逮捕・起訴 7月にMDMA所持容疑で逮捕され懲戒免職

  愛知県瀬戸市の瀬戸少年院の元法務教官の男が、宿舎で大麻を栽培したとして再逮捕され、7月30日に起訴されていたことが分かりました。
  起訴状によりますと、瀬戸少年院の元法務教官・中川裕介被告(31)は今年6月、少年院内にある宿舎の自分の部屋で大麻草1株を栽培した罪に問われています。  東海北陸厚生局麻薬取締部が7月20日に中川被告を再逮捕していましたが、認否は明らかにしていません。
  中川被告は、合成麻薬・MDMAを所持していた疑いですでに逮捕・起訴されていて、7月17日付で懲戒免職となっていました。  法務教官は少年たちの指導にあたる立場で、今回の起訴について名古屋矯正管区は「公務員宿舎で大麻の栽培が行われていたとすれば誠に遺憾です」とコメントしています。


2020.4.17-日本経済新聞-https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58169950X10C20A4CE0000/
大麻リキッド、密輸横行 SNS売買に税関警戒

大麻の成分を濃縮し液状にした大麻リキッドの密輸摘発が目立っている。電子たばこで成分を蒸発させて吸引できる手軽さから若者の間でまん延しているとみられ、SNS(交流サイト)では売買を持ち掛ける投稿が飛び交う税関や警察は警戒を強めている
  財務省関税局によると、2019年に税関が関わった大麻リキッドを含む大麻製品の摘発は18年比で約1.5倍の131件だった。警察庁の集計では、19年の大麻事件の摘発は4321人と過去最多を記録。10~20代が急増している。
  大麻リキッドは、幻覚作用を引き起こす有害物質が濃縮され、乾燥大麻より危険性が高いとされる。VAPE(ベープ)と呼ばれる電子たばこのフレーバーカートリッジに入った状態で出回るケースが多い。
  「良質なリキッドあります」「高濃度。手押し可能(直売できます)」。ツイッターには購入を誘う投稿が無数に存在する。大麻特有の臭いが少なく、見た目も電子たばこのカートリッジと見分けにくいため「警察から職務質問を受けても安全」とアピールする内容もある。
  19年7月と9月にはカナダからの国際郵便で大麻リキッド入りの注射器計25本が成田空港に持ち込まれ、近畿厚生局麻薬取締部や大阪税関が今年2月までに男3人を摘発した。財務省関税局は「旅客機の手荷物に少量が隠されていることもある。今後も注意が必要だ」としている。
 〔共同〕


ラッシュ (薬物)
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  ラッシュ(RUSH)とは、アメリカ合衆国のパック・ウェスト・ディストリビューティング社 (Pac West Distributing) が販売する薬品。亜硝酸エステルを主成分とする薬物である。2005年時点で成分が異なる9製品が販売されている。亜硝酸エステルは工業用途のほか、青酸化合物中毒の治療、以前は狭心症治療の医療用途に使われていた。ラッシュに含まれる亜硝酸エステルは沸点が低く常温に置くと気化するので、この蒸気を経鼻吸引し使用する。経口摂取はしてはならない。
  効果は血圧降下や拍動強化のほか、吸引後、数秒から数十秒間特有のわずかな酩酊感覚や紅潮を伴う血管拡張を生じるため、性的興奮を高めるために使用されるバイアグラなどの同様の効能を持つ薬物との併用は、メトヘモグロビン血症による酸欠や急激な血圧降下をもたらすため禁忌。使用方法が似ているためシンナーと混同されることがあるが全くの別物質である。よって、シンナーのような中枢神経抑制作用は持たない。かつて脱法ハーブと呼ばれていたものや脱法リキッドと呼ばれていた危険ドラッグとは精神系作用が全くないため全くの別種である。
  ラッシュは亜硝酸エステルを含有するドラッグの代表格とされる。これらのドラッグは「ニトライト系」もしくは「亜硝酸エステル類」と呼ばれ、ラッシュにはニトライト系のいくつかの競合商品がある。また、ラッシュのコピー商品や偽物が市場に流通しており、パック・ウェスト・ディストリビューティング社はこれらに注意を促している。

商品概説
9mlのガラス製の茶色のボトルにニトライトを含む液体が入れられていて、黄色のビニールパッケージに赤字でRUSHと書かれているのが、商品の形状。
  ラッシュはビデオクリーナーや液状アロマとしてパック・ウェスト・ディストリビューティング社から出荷されており、同社は誤用は推奨しないとしている。販売時も同様の名目で販売されているが、 実際は人体への吸引摂取目的の商品として販売されており、使用者の多くも同様の目的で購入する。
  アダルトビデオ販売店やアダルトグッズショップ、インターネット通販などで販売されている。
  肛門括約筋を弛緩させる作用があり、男性同性愛者アナルセックスを円滑に行う為に使用される事が多い。
  またオーガズム時などに摂取するとされ、効果の真偽は検証されていないがこれにより快感が増大するとされており、セックスドラッグに分類されている。
  亜硝酸(ニトライト)は麻酔効果や中枢神経作用のないため持続時間が十秒から数十秒と短い。他の同類のセックスドラッグと同じで催淫剤としての効果があるのかは科学的実証がなされていない。
合法性
  市販が許可されている国とそうでない国がある。
日本
  日本では市販は許可されていないが、違法に出回っている。2005年頃から薬事法(現:薬機法)に基づき指導・告発が行われている。厚生労働省ラッシュなどのニトライト系ドラッグを危険ドラッグと見なしており、亜硝酸イソブチルや亜硝酸イソアミルなどを含有した人体への摂取目的の揮発性液体の商品は一切許容しない方針である。また違法ドラッグの例として告発ポスターなどにも掲載されている。
  2006年11月9日、厚生労働省薬事・食品衛生審議会指定薬物部会において、指定薬物とすることが決定した。このことにより、輸入および販売等が明確に違法化され、「脱法」ドラッグではなく違法なドラッグとなった。医薬品医療機器法では、輸入や所持は3年以下の懲役もしくは300万円以下罰金、営利目的の場合は5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金との罰則が規定されている。
  このほか、2016年4月から指定薬物は関税法上の輸入してはならない貨物に指定され、同法109条により輸入の既遂罪、未遂罪は10年以下の懲役もしくは3000万以下の罰金、予備罪は5年以下の懲役もしくは3000万円以下の罰金に、また密輸後の取得や運搬行為なども同法112条で5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金に処せられることとなった。また、財務省発表(平成27年の全国の税関における関税法違反事件の取締り状況(平成28年2月19日))によると、2016年4月から12月までの間に、全国税関で指定薬物の密輸は1462件が摘発され、このうちの8割が亜硝酸イソブチルなどを含有する液体であったことが公表された。
  2016年1月から2月にかけて、NHKの元アナウンサーや公務員など十数名が、製造罪、所持罪で厚生労働省麻薬取締部に摘発されたが、この事件では製造キットを海外から通信販売していた「ラッシュ兄貴デヴィッド」を名乗る日本人業者が、麻薬取締部に後日逮捕されている。
  2016年10月19日、この商品を二度に分けてアメリカ合衆国から国際郵便で密輸しようとした、北国新聞社の嵯峨元元事業担当取締役が、医薬品医療機器法違反と関税法違反の両容疑で逮捕された。
  神奈川県藤沢市の小学校教員が、亜硝酸イソブチルを含有する液体を輸入しようとしたほか、自宅で所持していた事件が摘発・起訴されたことが発覚し、懲戒免職となっている(平成28年10月27日神奈川県発表)だけでなく、2016年7月には慶應義塾大学病院に勤務する麻酔科医が、亜硝酸イソブチルを含有する液体を輸入しようとしたとして、有罪判決を受ける(平成28年7月20日日本テレビ報道ほか)など問題化している。
刑罰化の是非をめぐる動向
  こうした一方、ラッシュで刑事罰を受けた当事者の声として、KEN(インタビュー)「LASH VIDEO RUSH(ラッシュ)で逮捕、その後」、塚本堅一『僕が違法薬物で逮捕されNHKをくびになった話』(2019年8月 KKベストセラーズ)などが発表され、その規制のあり方について、見直しの動きも出ている。
  2015年1月、危険ドラッグを所持していたとして、警視庁から任意での事情聴取を求められた東京都庁の男性職員(59)が、聴取予定日の前日に自殺した事件も報じられた。
  2017年7月、ラッシュを個人輸入しようとして医薬品医療機器等法並びに関税法違反で起訴された東京近郊の元地方公務員が、ラッシュを「指定薬物」とした審議過程が不十分であったこと、ラッシュは「指定薬物」の要件に該当しないこと、などを理由に、公判で係争中である。
  裁判では、「指定薬物」は「麻薬又は向精神薬と類似の有害性を有することが疑われる物質」(「違法ドラッグ(いわゆる脱法ドラッグ)対策のあり方について(提言)」平成17年11月25日 脱法ドラッグ対策のあり方に関する検討会)の規制を前提とし、①「中枢神経系の興奮若しくは抑制又は幻覚の作用を有する蓋然性が高く」、かつ②「人の体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれがある物」(旧薬事法第2条14)を要件とするが、ラッシュには、①②ともに国内での十分なエビデンスがなく、2006年11月の指定薬物部会での審議においても、その点の審議はなされていないこと、しかも、部会の資料でラッシュに中枢神経系の作用があるとされた典拠論文「アメリカン・ジャーナル・オン・アディクション」では、薬理作用として「血管拡張による血圧低下」が挙げられ「中枢神経への作用」への明記がないこと、ラッシュは、アルコール、ニコチン、ヘロイン、大麻などと比べても各段に有害性が低いにも関わらず量刑が不均等であること、などが争点とされている。
  こうした動向は、ハームリダクション再犯防止推進計画などの潮流とも関わるものといえる。


大麻
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大麻(たいま、cannabis)は、アサ花冠、葉を乾燥または樹脂化、液体化させたものマリファナとも。花から製造された(栽培種の花序からとった)ものをガンジャGanja)、樹脂をハシシ, チャラスと呼ぶ。含有される約60種類のカンナビノイド、特にテトラヒドロカンナビノール (THC) には薬理作用があり、紀元前から用いられてきた。多くの国々では規制薬物だが、その扱いは非犯罪化など一様ではなく、ウルグアイ等の一部の国・地域では嗜好品としても合法、また医療大麻として限定的に容認されている場合もある。喫煙気化、飲食により成分を摂取することで用いられる。
  大麻(麻)の繊維は、日本では古くからしめ縄神事のお祓いの大麻(おおぬさ)などに用いられてきた。1912年の万国阿片条約を1925年に補足した際に、大麻が精神等に害毒を起こすことを理由に国際法上、流通や使用が制限された。1961年麻薬に関する単一条約により輸出入だけでなく国内流通・生産、所持にも規制を求めるに至った。しかし科学的証拠に従った規制ではなかったことから、2016年より証拠の見直しが進められている。
  国連世界保健機関 (WHO) は大麻の乱用に警告を行って来た。一方で医療における使用において、、AIDS、喘息、緑内障の治療、抗うつ薬、睡眠障害、食欲増進剤、抗けいれん剤、腰痛などの疼痛疾患対策など、様々な領域における医療利用についての研究を推進している

「ガンジャ」は薬物としての大麻について説明しているこの項目へ転送されています。アゼルバイジャンの都市については「ギャンジャ」を、その他の用法については「大麻」をご覧ください。)

各国概要
  大麻の規制のされ方は各国一様ではない。取引を犯罪として死刑を科す国から、少量の所持を非犯罪化して処罰の対象外とする国、医療用のみにおいて合法である国、煙草などと同様に嗜好品としても合法である国、許可によって販売できるなど様々である。
  嗜好・医療目的の大麻が合法な国としてはカナダ、ウルグアイ。また国により州など一部の区域で、嗜好・医療目的もしくは医療目的のみを合法としている国は、アメリカ合衆国、イスラエル、ベルギー、オーストリア、オランダ、イギリス、スペイン、フィンランド、ドイツ、韓国などで用いられている。
  アメリカ合衆国の連邦法において大麻は違法であるが、州法では2017年夏時点で全50州中29州と首都ワシントンD.C.で医療大麻として、嗜好品としての大麻の合法化は、2018年2月までに、首都と9州(ワシントン州、コロラド州、アラスカ州、オレゴン州、カリフォルニア州、マサチューセッツ州、ネバダ州、メイン州、バーモント州)である。1977年にはカーター政権が少量の大麻所持を刑事罰から除外することを提案、各州はそうした州法を作ってきた。合法の州においても、大麻使用が解雇理由とされた際、それが医療目的であっても司法的救済がない

  『ニューヨーク・タイムズ』は「アルコールよりも危険の少ない大麻を禁止していることで社会に多大な害悪を及ぼして来たことを批判し、大麻を禁止しているアメリカ連邦法を撤廃すべきだ」とする社説を掲載し、議論を呼んだ。2016年のギャラップ調査によると、アメリカ人の約60%が大麻の合法化を支持している。合法化支持は1969年には12%に過ぎなく、20世紀の末でも30%ほどで少数派であった。しかし2000年代以降に増加し、2010年を過ぎると合法化支持が多数派になった[17][18]。2015年時点でアメリカにおいて大麻の所持・使用を全面的に禁じている州はもはや10州しかない状態となっている
  カナダでは医療大麻は2001年に合法化され、医療大麻の市場規模は年間約8,000万カナダドルとなっている。嗜好品としては、2016年にニューヨークで開かれた薬物に関する国連特別総会において、大麻を合法化する方針を2017年に表明した。合法化は若者を守り、公共の安全を高める最善の方法であり、社会の安全にとってよりよい道であるとしている。2018年10月に嗜好目的の大麻までが合法化された

  オランダでは大麻がコーヒーショップと呼ばれる大麻販売店などで販売され、早くから大麻が事実上合法化されている事が広く知られている。2014年現在、オランダ政府は「ドイツやベルギー国境で頻発している密輸を取り締まること、外国人によるドラッグ関連のトラブルを減少させること」などを目的に南部の地域では外国人の購入を禁じる方針をとっている。それらの地域ではオランダ住民の為の「大麻許可証」の発行という制度が導入されている。一方で規制への反対派は「オランダの観光業にとって自殺行為、流通がアンダーグラウンドに潜り治安が悪化する恐れもある」と猛反発している。アムステルダムなどの地域ではそのようなことを理由に、観光客でもコーヒーショップで5グラム(約50ユーロ)までの大麻を購入することが出来るという政策を続けているオランダのあへん法においては、ソフトドラッグの区分に分類されている。

  イギリス薬物乱用法、薬物の危険度でABCに分類し、大麻はクラスBに分類されている(2009年1月よりクラスCから再度格上げ)。
  日本では1948年より、大麻の葉と花穂は大麻取締法で規制され、規制対象ではない部位の規制対象ではない成分のカンナビジオール (CBD) が輸入され使用されている。古来より日本で栽培されてきた大麻は陶酔成分であるTHCの含有量が少なく、日本には大麻を吸引する文化はなかったとされるが、『木こりの一服』や『護摩焚き』、徳島県大麻比古神社には、老婆が麻の葉を一服するレリーフが存在し、江戸時代の麻刈りの絵には、麻農家が一服する風景が描かれており、吸引を思わせる絵が数多く存在するなど、吸引の習慣があったと言われている。麻畑では麻酔いと呼ばれる精神作用があることが知られていた。産業用のアサは、1974年より品種改良が試行され陶酔成分が生成されないよう改良された品種が用いられている。産業用では縦に伸ばすために密集して露地に植える方式が主流だが、嗜好用は枝を横に伸ばすために室内栽培が多い。そのため産業的栽培だと偽って嗜好大麻を栽培するのは困難である。
  世界ドーピング防止規程では、種々の医薬品と共に天然の大麻やTHCを禁止薬物とし、CBDを除外している長野オリンピックのスノーボードで金メダルを獲得したロス・レバグリアティは、ドーピング検査により大麻の陽性反応が出たためメダルが剥奪されかけたが、オリンピックの時点ではまだ吸っていなかったことから、最終的に処分は取り消されている。
呼称(「大麻 (神道)」も参照)
  日本語では大麻、別名はである。ラテン語、ギリシャ語の kannabis は管を意味し、これを由来とし英語では広くカンナビス と呼ばれ乾燥した花や草をいう。メキシコ・スペイン語マリファナ は、女性名 Maria Juana の短縮形でポルトガル語の Marigango、興奮剤の意が変化したという推察がある。日本の辞書ではマリファナは、煙草に入れて吸引すると説明する辞書があるが、メキシコでは煙草に混ぜる習慣がある。 インドでは効果が弱く安い、葉と茎が原料のものがバングと、花穂から製造されるものがガンジャと、樹脂から製造されたものがチャラスと呼ばれる。中近東ではハシシと呼ばれる。
  スラング・俗称としては、(英語圏含め)ウィード、グラス、ハーブ、ポット、420、(日本で)葉っぱ、野菜、緑
歴史(「アサ#歴史」および「医療大麻#歴史」も参照)
 大麻の薬や嗜好品としての歴史は長く、中国で2700年前にシャーマンが薬理作用を目的としたとされる大麻が発掘されている。2500年前の、中国の古代都市の車師の墓地からも、麻の布がなく花穂の特徴から摂取を目的としたと考えられる大麻草13本が出土している後漢(25年 - 220年)の頃に成立したとされる中国最古の薬物学書『神農本草経』に薬草として使われていたことが記されている。歴史の父と呼ばれるヘロドトスは、『歴史』において、紀元前450年のスキタイ人やトラキア人は大麻を吸っていたと伝え、70年にはローマ帝国の医学治療として大麻の使用が言及された。アラビア中東では900年から1100年にかけて大麻の喫煙習 慣が広まった。アメリカ大陸においては、1549年にアンゴラから連れてこられた奴隷が、ブラジル東北部での砂糖のプランテーション砂糖とともに大麻を栽培し、喫煙していた。アメリカ大陸のスペイン領やイギリス領でも大麻の栽培は行われ、特にメキシコでは大麻使用が大衆化した。
  日本の『萬川集海』には、大麻の葉を乾燥させて粉にした「阿呆薬」なるものの製法が記載されている。食事などに混ぜて薄茶3服ほど摂取させると「気が抜けてうつけになる」とされている。ヨーロッパでは、嗜好品としての大麻は1798年のナポレオン・ボナパルトによるエジプト遠征によってエジプトから伝えられ、1843年にはパリで「ハシッシュ吸飲者倶楽部」が設立された。

  西洋では1840年以降、大麻を医療に用いるための100冊以上の書籍が出版され、脚光を浴びた。1870年にギリシアで大麻使用が全土に普及した。また、イギリスの上流階級や王室の間にも広がり、ヴィクトリア女王は生理痛の緩和に使っていた。薬用としては腹痛や発熱不眠症結核患者に使われた。
  江戸時代の博物学者貝原益軒の『大和本草』に大麻(アサ)の項があり、麻葉の(マラリア)への治療薬としての効能、日本で大昔から麻が植えられていた様子が日本書紀や舊事紀に見られることなどが記されている。その他、戦前の生薬学では、大麻の麻酔性がインド、中国では紀元前から知られており、嗜好用途のほかに鎮静薬及び催眠薬として、喘息への熏煙剤および紙巻煙草としての用法があると記載されている。また大麻取締法施行により使用されなくなる以前、1886年に印度大麻草として『日本薬局方』に記載され、1951年の第5改正まで収載されており、日本においても鎭静、催眠薬として利用されていた記録が残っている。

  アメリカ合衆国では、1840年に医薬調合品として大麻の利用が可能になり、1842年から1890年代まで処方される薬の上位にあった。嗜好品としてはオスマン帝国スルタンであるアブデュルハミト2世が伝えたとされ、1876年の独立100周年を記念するフィラデルフィア万国博覧会のオスマン帝国のパビリオンでは大麻の吸引が行われた。その後、アメリカ北部で大麻を吸引できる店が開店し、上流階級や地位のあるビジネスマンがお忍びで通った。禁酒法時代にはクラブなどの公共の場で酒の代わりとして振る舞われていた。しかし、1915年-1927年には南西部州を中心に医療目的以外の大麻使用が州法で非合法化され始め、禁酒法の廃止や治安悪化、人種差別や移民問題、合成繊維の普及と相まって、1937年に連邦法によって非合法化された。1960年代にはヒッピー・ムーブメントで大麻使用が大衆化され、ベトナム戦争の戦場で、大麻を吸うアメリカ軍兵士が急増した。

  1980年代までの取り締まりは、アメリカでの摘発を免れるための屋内栽培を増加させ、生産技術の向上を招き、その技術は世界に広まった。医療大麻については、連邦法との板挟み状態にあり、医療目的で大麻を使用する患者、薬局などが逮捕や強制捜査を受けるなどのグレーゾーンであったが、2009年2月に医療大麻に対する取り締まりが終結された
  宗教面では、前1200-前800年にはバラモン教の聖典『ヴェーダ』から医薬や儀式、シヴァ神への奉納物として使用されたと記されている。その他には前600年のゾロアスター教の経典『アヴェスター』では麻酔薬・鎮静剤として言及され、500年-600年にはユダヤタルムードにおいても大麻の使用が記載されている。また、日本の神道とも関わりが深く、古代より天皇即位の大嘗祭では麻の織物「あらたえ」が作られてきたし、古墳からも出土されており、穢れを祓う紙垂(しで)は古くは麻の枝葉や麻布であったとされるし、神職がお祓いに使う大幣(おおぬさ)は大麻と書き、麻を使用している。ほかにお盆の迎え火の風習がある。

  1912年の万国阿片条約は、あへんコカインならびに、これらから誘導された薬品が引き起こす害毒を禁止する目的で締結されたが、大麻に関しては統計的・科学的見地から研究されることが望ましいとされた。1924年11月20日、エジプト代表モハメド・エルグインデイは「ハシシは、オピウム以上ではないにしても、それと同程度に有害である」と発言し、ハシシの追加が要求された。「エジプトの精神障害者の30-60%はハシシによる」とのエルグインデイの発言は中国やアメリカ代表団の支持を取りつけた。イギリスをはじめとするヨーロッパの一部の植民地主義国の反対や、アフリカやアジアなど使用習慣のある国は消極的であったが、インド大麻製剤は学術・医療に制限され、貿易も取り締まられることとなった。1961年の麻薬に関する単一条約に引き継がれる。その後、ほとんどの欧州諸国で非合法化されてきたが、1976年にオランダで寛容政策が行われ、コーヒーショップやユースセンターでの大麻販売を認めた。
  2010年10月、メキシコ軍はメキシコのティフアナ市郊外で民家などから大麻105トンを押収。末端価格は総額42億ペソ(約280億円)相当に上り、大麻の1度の押収量としては世界最高記録とされる。

人体への影響(「医療大麻」および「大麻の医学的研究」も参照)
  近年、後述するようにイギリスやカナダのように大麻についての科学的な調査・研究医療利用への積極的な支援を行う国では、法規制の枠組みの下臨床試験が行なわれている。 1977年にアメリカ大統領の諮問に対するシェーファー委員会の答申に基づいて出されたカーター教書によってマリファナの使用は精神病の原因になるとはいえないこと、個人の少量所持を刑事罰の対象から外すのが望ましいと言明された。1999年、全米科学アカデミー医学研究所は煙による害を別にすれば、大麻使用による副作用は他の医薬品で許容されている副作用の範囲内にあるとしている。また2008年にはイギリスの大麻等の研究団体ベックリー財団も「大麻は精神及び身体を含む健康問題で良くない場合があるが、相対的な害では、それはアルコールかタバコより極めて害が少ない」とする報告書を発表した。
  図にある医学雑誌『ランセット』に掲載された薬物の相対的な有害性に関する論文は、大麻は、煙草やアルコールよりも有害性が低いことを示しており(ただし2007年の論文は1049頁において煙草およびアルコールと違法薬物の危険性の直接の比較は可能ではないとする)、2011年の薬物政策国際委員会(国連機関ではなく民間NGOである)や、2012年のイギリス薬物政策委員会の報告書にて、薬物の相対的な有害性を示す目的で採用されている。
  診断基準を示す1994年の『精神障害の診断と統計マニュアル』DSM-IVの「大麻依存」の項には、大麻依存のある人では強迫的に使用するが、一般に身体依存はなく、離脱症状(退薬症状)について臨床的に意義のある信頼性のある報告はないと記されていた。2013年のDSM-5において、大麻離脱の診断名が追加され、大量で長期の大麻の使用後に、使用の中止や相当な減量によって生じるとし、通常、症状の程度は臨床的な関与が必要となるほどではないと記されている。また依存乱用(間欠的に使用し問題を起こす)がなくなり、使用障害に一本化されたため診断名は大麻使用障害となる。

  大麻が原因と考えられる精神疾患を総称して大麻精神病と呼ぶこともあるが、大麻精神病という疾患単位は確立しておらず、1997年に世界保健機関 (WHO) は、「大麻精神病」という障害は明確に定義されていないのが実情であり、さらに推定される症状も統合失調症など他のすでにある精神障害と判別がつかないため、大麻精神病を確認するには研究による証拠の提出が必要となるとしている。同報告書は、使用のコントロールの喪失など大麻依存症候群の十分な証拠を示したとも述べている。世界保健機関の2016年の報告書は、精神病との関係、定期的な大麻の使用と認知能力の低下についても生物学的に妥当性があるとする。前者については、一部の研究では大麻の使用が精神病に先行しており、THCによる精神病とは関連し、若年での使用率増加・統合失調症の発生率増加には明確な結果がない(THCによる急性中毒の精神病を起こしやすいことが判明したが、統合失調症との関連は不明確)。一方、同年11月30日には世界保健機関の専門委員会による正式な審査を受けていないことや、医療大麻の使用を認め、審査のための文書の準備を開始した。

  2017年時点、世界保健機関 (WHO) は、カンナビノイド(大麻ではないものが例示されている)による、癌やAIDSなどの病気が進行した段階での吐き気嘔吐への治療効果、また、喘息および緑内障の治療、抗うつ薬、食欲刺激薬、抗痙攣薬および鎮けい薬として、管理下臨床試験によって実証されているとしている
  2016年には、米国FDAがGWファーマシューティカル社による大麻由来成分カンナビジオール製品『エピディオレックス』についてドラベ症候群英語版レノックス・ガストー症候群を対象として薬事承認した。
  2019年3月19日の参議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会にて秋野公造参議院議員が、大麻由来てんかん治療薬「エピディオレックス」が米国にて承認されたことを受けて、「医薬品として用いることがダメなら、治験として用いることは可能か」と質して、厚生労働省は「現行の大麻取締法では患者への施用は禁止されているが,本剤については大麻研究者である医師のもと,厚生労働大臣の許可を受け,治験の対象とされる薬物として国内の患者に用いることは可能であると考える。ただし,施用は適切な治験実施計画に基づいた対象の患者に限る」と限定的ではあるが初めて前向きな答弁を行った。
  さらに、2019年5月15日の参議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会にて秋野公造参議院議員は、大麻由来薬物についての国内治験について国の見解を質し、厚生労働省は大要「安全性が確認できれば海外で承認前の薬でも医療機関が治験で使うことを認める」とさらに前向きな答弁を行った

  なお、これまでの多くの研究は使用されたTHCの量さえも記述されていないような無意味な研究が多かったが、医療目的の研究はこうした点を明快にしてきた。THCは急性毒性では最も安全な部類で、大麻中毒による死亡が証明されたことと致死量が決定できるような研究はなく、致死量に至ってしまう安全係数は、サルでのデータから推定すると通常の使用量の1万倍である。妊娠中の大麻の使用による胎児の影響は、これまでの大きく大麻の使用率が変動してきた時代の疫学データからは示されていない。医薬品のサティベックスに発がんリスクがないことから、喫煙でない摂取形態では同様であると仮定できる。大麻のみを燃焼させて喫煙した場合、肺がんのリスクが高まる可能性は低いという証拠がある
  大麻による死亡例では、心臓疾患を持つ中高年が大麻による血圧上昇作用によって死亡することがある(こうした人では飲酒、運動なども引き金となる)。めまいが起こることがある。ストーンと呼ばれる酩酊状態は一般に音の感覚の鋭敏化などを起こすが、判断力が変化するため運転事故などのリスクを増加させる。厳格な試験ではないが使用によってものごとの記憶力が低下することについての報告は一貫しており、使用中止後1か月以内に元に戻る。大麻の長期的な使用についての認知的な影響の研究は、医療以外の目的での大麻の使用によるものであり、自己報告や毛染めの影響を受ける毛髪サンプルのような正確な因果関係を確立しにくい方法で調査が行われており、使用前の認知機能や精神的健康状態、アルコールのような認知機能に影響を及ぼす薬物の使用なども明確ではない。2013年のシステマティックレビューでは、長期的な大麻の使用と脳の変化との関連付けはできなかったとされた


麻薬
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  麻薬とは、通常はモルヒネヘロインのようなケシから生成される麻薬性鎮痛薬のオピエートオピオイドを指すが、法律上の用語として、法律で規制された薬物を指して用いられることもある用語である。アメリカ合衆国カナダの規制法によれば、オピオイドだけでなく、コカイン大麻を含む。日本ではさらに麻薬及び向精神薬取締法(麻薬取締法)における、「日本の法律上の麻薬」の語が、それらとも異なって使用されている。薬物全般は薬物 (drug) を参照。
  国際的には向精神薬であるLSDのような幻覚剤の多くは「日本の法律上の麻薬」であり、一方で大麻は大麻取締法覚醒剤覚せい剤取締法が別個に規制する。従って、致死性、依存性の有無、身体的な離脱症状を生じる身体的依存の有無、離脱症状が致命的となるか否かの異なった薬物が、その含有する意味合いにより異なって含まれてくる、そうした薬物の総称である。医師などによる適正な投与以外の使用は禁止されている。医療目的における用途は鎮痛が多い。
  依存性や致死性の高いアヘンコカイン等の麻薬は、国際協力の元で厳しく規制されている。従来、白人の植民地主義によるアヘン売買が問題となり、1912年には万国阿片条約が公布された。条約に並行して、同種でより強力なバイエル社の医薬品ヘロインが出回ったがこれも1920年代には厳しく扱われる。1961年の麻薬に関する単一条約が先の条約を引き継いだが、欧米で再び密造のヘロインが流通し、敵対勢力が生産したものだが、当のアメリカ合衆国の中央情報局が流通に関わり秘密資金としていることも明らかとされた。このようにして、1971年にアメリカのニクソン大統領が、麻薬戦争(薬物戦争)を宣言した。規制されていることで多額の利益を上げるものとなっており、反政府勢力私兵組織、テロリストなどが生産に関わり、集団犯罪組織である暴力団黒社会ギャングマフィアなどが流通させ、重要な資金源となった。そのため、21世紀初頭には、麻薬戦争のような強い規制は逆効果であるため、依存者を治療すべきとの世論が増加した。2010年代には、アメリカで処方されたオピオイドの過剰摂取死がうなぎ上りとなり、2017年には闇で流通するオピオイドの脅威も加わり公衆衛生の非常事態を宣言した。

定義や法
  世界保健機関 (WHO) の用語集では、麻薬narcotic)の語は昏迷・昏睡、痛みに対する無感覚を誘発する化学物質で、通常は麻薬性鎮痛薬のオピエートオピオイドを指すが、法律上の用語として他の薬物を指す場合があるため、より具体的な意味を持つオピオイドの用語を用いている。麻薬(narcotic)の語は、規制された薬物を指して用いられる場合もあり、アメリカ合衆国やカナダの規制法によれば、オピオイドだけでなく、コカインや大麻を含む。国際条約としての規制の根拠は、1961年の麻薬に関する単一条約である。
  Narcotics 日本語翻訳として麻薬があてられた。Narcotics の訳語として麻薬の語が作られた。痲薬とも書くが、1949年昭和24年)の当用漢字制定以降は、表記は「麻薬」に統一されている。
医学上
  歴史上かつ医学上の麻薬の定義で、麻酔薬のアヘン類のことを指す。
  アヘン剤とは、モルヒネヘロインコデインなど、ケシの実から抽出されるアルカロイドを合成したオピオイド系の薬物のことである。昏迷状態を引き起こす抑制薬であり、酩酊多幸感などをもたらす一方、強力な依存性があり、急速に耐性を形成し、身体的な離脱症状を生じる身体依存を形成する。とりわけ作用量と致死量が近い薬物で危険性が高い。
国際条約上の定義
  1912年の万国阿片条約から、1961年の麻薬に関する単一条約による麻薬の定義で、医学的な定義に大麻とコカインを追加したものである。国際的な定義である。
  1912年の万国阿片条約では、あへんやモルヒネ、またコカイン、またこれらと同様の害悪を引き起こす物質を規制した。その後、この条約が1925年に改定された時に、アジアやアフリカなど大麻の使用習慣のある国が消極的であったが、エジプトの提案でインド大麻も規制に追加された。第二次世界大戦を経て国際連盟が解体し、引き継ぐ国際連合による1961年の麻薬に関する単一条約(Single Convention on Narcotic Drugs)によって、同じような分類で麻薬―Narcotics―が国際的な管理下に置かれた。さらに、後続の国際条約である1988年の麻薬及び向精神薬の不正取引の防止に関する国際連合条約(Convention Against Illicit Traffic in Narcotic Drugs and Psychotropic Substances)の、第1条n項において、「麻薬」とは1961年の条約にて指定されたものであると定義されている。
  大麻の鎮痛作用はモルヒネなどより弱いが、致死量は不明であり、身体依存はなく離脱症状も軽度であり、有害性の異なった薬物である。またコカインはオピオイドや大麻とも異なり、興奮作用がある精神刺激薬であるが、注射部位に局所麻酔作用がある。
日本の法律上の定義
  日本の法律上の便宜による、麻薬及び向精神薬取締法(現通称および旧名: 麻薬取締法)における「麻薬」の定義。
  まず日本では、大麻繊維産業があったことから1948年に別個に大麻取締法を制定しており、戦後に乱用が問題となった覚醒剤類は覚せい剤取締法にて規制されている。1970年には麻薬取締法にLSDを追加し、日本の法律上の麻薬はほとんどが幻覚剤になっているとされる。日本では、向精神薬に関する条約の付表Iの、そのほとんどが幻覚剤であるものを、「日本の法理上は」麻薬としているということである。
  この背景を詳しく説明すると、1961年の国際条約以降に乱用された薬物を規制するための、1971年の向精神薬に関する条約(Convention on Psychotropic Substances)が登場した。LSDのような幻覚剤や、覚醒剤やバルビツール酸系ベンゾジアゼピン系抗不安睡眠薬が国際的な管理下に置かれた。向精神薬に関する条約において、医療的な価値がないとみなされた幻覚剤のような薬物は付表(スケジュール)Iに、それ以外の覚醒剤や睡眠薬は危険性により付表II以下に指定されている。後続する1988年の麻薬及び向精神薬の不正取引の防止に関する国際連合条約の第1条r項において、「向精神薬」とは1971年の条約の付表Iから付表IVまでの物質であると定義されている。すべて「国際条約上は」向精神薬である。
  付表Iの物質は、欧州議会の報告書によれば次のように説明される。「現在のところ医学的利用価値が認められず、公衆衛生に深刻な害を及ぼす危険性があるとされる薬物」。日本では、付表II以下の医薬品については、だいたいは日本の法律上の向精神薬として管理される。










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