WTO、WHO、RECP、TPP,国連の問題-1



2021.03.21-BBC NEWS JAPAN-https://www.bbc.com/japanese/56585670
新型ウイルス、中国「研究所流出」説の排除には「さらなる調査必要」=WHO事務局長

  世界保健機関(WHO)は30日、新型コロナウイルスの起源を調べるために中国に派遣した調査団の報告書を公表した。WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイエスス事務局長は、新型ウイルスが武漢市の研究所から流出した可能性は極めて低いものの、この説を決定的に排除するにはより広範な調査が必要との認識を示した。
  新型ウイルスは2019年末に中国・武漢市で初めて見つかった。中国政府は研究所からの新型ウイルス流出疑惑を否定している。
  米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると新型ウイルスが初めて確認されて以来世界で280万人以上が死亡し、1億2800万人以上が感染している(日本時間31日午前時点)。

  WHOの専門家チームは1月、新型ウイルス感染症COVID-19の発生源を調べるため武漢に入った。調査は中国当局から提供されたサンプルや証拠をもとに行われた。テドロス事務局長は、専門家チームが生データにアクセスするのに苦労したとし、今後の「より適時かつ包括的なデータ共有」の実現を求めた。

  同チームは新型ウイルスが武漢ウイルス研究所から流出した説も含め、あらゆる可能性を調査した。同研究所はコウモリのコロナウイルスの収集・保管・研究で世界的権威となっている。アメリカのドナルド・トランプ前大統領も、新型ウイルス流出説を支持していた。
  しかしWHOと中国の専門家は30日に発表した報告書で、研究所から新型ウイルスが流出した可能性は極めて低く、コウモリから動物を介しヒトに感染した可能性があると結論付けたと、AFP通信は伝えた。
  一方で、テドロス氏はこの説をめぐっては「専門家を交えた追加ミッションを行うなど、さらなる調査が必要」だと述べた。「WHOに懸念がある限り、全ての仮説がテーブルの上に残っている。このことを明確にお伝えしたい」
  WHOの調査チームを率いたピーター・ベン・エンバレク博士も30日、武漢の研究所が今回のアウトブレイクと関係があることを示す証拠は見つかっていないと述べた。エンバレク博士は、同チームは中国国外からも含め、政治的圧力を感じていたが、最終報告書から何かを削除するよう迫られたことはなかったと付け加えた。
  また、2019年10月あるいは11月頃に武漢地域で新型ウイルスが広がっていた可能性は「大いにあり得るとした。中国は同国内で最初の感染が報告されてから1カ月後の1月3日にWHOに新型ウイルスについて報告した。
日米など14カ国が懸念
  アメリカや日本、韓国など14カ国は今回の報告書に懸念を表明。中国に対し、専門家にデータへの「完全なアクセス」を提供するよう求めた。14カ国は声明で、武漢での調査が予定より「大幅に遅れ、完全な元データやサンプルへのアクセスが欠如していた」と主張した。また、WHOと協力していくことを約束した。
  武漢市で最初の集団感染が確認されたにも関わらず、中国はこれまで、同市が必ずしも新型ウイルスの発生源とはいえないと主張してきた。同国国営メディアは輸入した冷凍食品でウイルスが運ばれてきた可能性があるとしている。
  中国は迅速な大規模検査や厳重なロックダウン、厳しい渡航制限などを敷き、国内の感染流行をほぼ制御している。


2021.03.11-読売新聞-https://www.yomiuri.co.jp/world/20210311-OYT1T50086/
「暴力を強く非難」ミャンマー国軍のデモ弾圧、安保理が議長声明採択

  【ニューヨーク=寺口亮一】国連安全保障理事会は10日、ミャンマー国軍による抗議デモの弾圧強化を受け、「平和的なデモ参加者への暴力を強く非難する」との議長声明を全会一致で採択した。国軍に対しては「最大限の自制」を求めたが、実際に暴力の停止につながるかどうかは不透明だ

  声明は、医療や報道関係者らに対する締め付けにも「深い懸念」を表明し、ミャンマーの状況を今後も「注視する」と国軍側をけん制した。国連事務総長特使による同国訪問の早期実現も促した。
  英国が5日の非公開会合で配布した当初の声明案は、クーデターへの非難や、「国連憲章の下で可能な措置を検討する」と制裁を示唆する表現が盛り込まれていたが、声明ではいずれも削除された。安保理筋によると、中国やロシアのほか、インド、ベトナムが難色を示したという。中露は、クーデター以降の情勢について「内政問題」との立場を示している。

  安保理は2月のクーデター直後に「深い懸念」を示す報道機関向けのプレス声明を採択した。プレス声明が非公式な性格なのに対し、議長声明は安保理の公式の見解や立場を示す。決議のような法的拘束力はないが、全理事国の同意が必要だ。
  安保理議長国を務める米国のリンダ・トーマスグリーンフィールド国連大使は採択後、「(安保理が)声を一つに暴力を非難した」との声明を出した。


2021.03.07-NHK NEWS WEB(関西NEWS WEB)-https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20210307/2000042190.html
京都コングレス 7日から開催

  各国の司法担当の閣僚らが犯罪対策を話し合う国連の会議が、7日から京都市で開かれます。コロナ禍で国内初の大規模な国際会議で、感染対策の徹底も大きな焦点になります。

  国連の「犯罪防止刑事司法会議」、通称「京都コングレス」は、7日から12日まで、京都市の国立京都国際会館で開かれ、初日の7日は菅総理大臣も出席して開会式が行われます。およそ150か国にのぼる参加国のほとんどはオンラインでの参加で、来日するおよそ15か国の代表には、出発前と入国後のPCR検査が義務づけられ、会場とホテル以外の移動は原則禁止されています。
  会場でも、参加者どうしの十分な距離の確保や抗菌効果の高いマスクの着用を求めるほか、体調に異変が起きた人との接触を最小限にする体制も整えていて、感染対策の徹底も大きな焦点になります。
  会期中は、国内から犯罪被害者の支援や加害者の更生に取り組む団体なども参加し、犯罪対策などについて意見が交わされます。


2021.02.19-Sankei Biz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/210219/mca2102190700009-n1.htm
外相会合、日米豪印「インド太平洋」連携で一致 東シナ海の現状変更反対

  日本、米国、オーストラリア、インドの4カ国の外相は18日夜、オンラインによる会合を開いた。中国による海洋進出を踏まえ、法の支配や航行の自由などを重視する自由で開かれたインド太平洋」の推進に向け、4カ国が連携を強化することで一致した。新型コロナウイルスや気候変動など、地球規模の課題への対応についても意見を交わした。

  会合は米国の主催で、茂木敏充外相とブリンケン米国務長官、ペイン豪外相、ジャイシャンカル印外相が出席した。「クアッド」と呼ばれる4カ国の外相会合は昨年10月に東京で開かれて以来で、バイデン米政権発足後は初めて。
  茂木氏は会合後、記者団に「バイデン政権発足後すぐのタイミングで開催された。自由で開かれたインド太平洋の実現や日米豪印に対する米国の強いコミットメント(関与)を示すものだ」と評価した。
  茂木氏は会合で、中国海警局に武器使用の権限を付与した海警法に深刻な懸念を表明。4カ国外相は、東シナ海や南シナ海での力による一方的な現状変更の試みに強く反対することで一致した。国軍によるクーデターが起きたミャンマー情勢についても協議し、民主的体制を早期に回復する必要性を確認した。
  米国は4カ国による首脳会談の初開催にも意欲を示している。茂木氏は「首脳レベルの協力が重要なことについては一致している」と記者団に説明した。


2021.02.18-産経フオト-https://www.sankei.com/photo/story/news/210218/sty2102180008-n1.html
米、WHOに2百億円拠出 新型コロナ巡り安保理会合

  国連安全保障理事会は17日、新型コロナウイルスへの対応を巡る閣僚級のオンライン公開会合を開いた。ブリンケン米国務長官は就任後初めて安保理で演説し、トランプ前政権の方針を覆して残留した世界保健機関(WHO)に対し、今月末までに約2億ドル(約212億円)を拠出すると表明。「多国間主義や国連、WHOは必要不可欠だ」と強調した。(共同)

  ブリンケン氏は、新型コロナの起源解明のためのWHO調査について「科学と事実に基づく独立したものでなければならない」と指摘し、中国を念頭に介入しないようけん制した。
  中国の王毅国務委員兼外相も会合に参加し、「われわれは科学を尊重し、パンデミックを政治化しようとする試みを拒否する必要がある」と述べた。英国の提案については評価を避けた。


2021.02.17-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/life/news/210217/lif2102170034-n1.html
武漢市の再調査求めるWHO調査団 中国側が反発の恐れも

  【ロンドン=板東和正、北京=三塚聖平】中国湖北省武漢市で新型コロナウイルスの起源解明に向けた調査を終えた世界保健機関(WHO)国際調査団のメンバーが、中国国内でのさらなる調査やデータ収集の必要性を主張している。ウイルスの感染が確認された2019年12月当時の状況をめぐって中国側の発表とは異なるデータが得られたことや国際社会が、中国に透明性の高い情報公開を求めているためだ。

  1月中旬から2月上旬にかけて武漢市で活動した調査団のメンバーはWHOの本部があるスイスなどに戻って以降、再調査を重視する姿勢を見せ始めた。
  調査団長を務めたデンマークの人獣共通感染症専門家、ベンエンバレク氏は米CNNテレビに、武漢住民の数十万件の血液サンプルを追加で調査したい考えを示した。
  ベンエンバレク氏が再調査を望むのは、19年12月時点の武漢市や周辺地域で想定以上に感染が拡大していた可能性を示す手がかりが見つかったためだ。

  CNNによると、調査団が今回の調査で12月当時の武漢市などの174の症例を調べた結果、いずれも重症だったとみられることが判明。感染者のうち15%が重症化するとのWHOの試算をもとに感染者は千人超だったと推定した。
  武漢市は19年末までに27人が原因不明のウイルス性肺炎を発症したと公表していたため、ベンエンバレク氏は推定値を「新たな発見」と評価。この情報を住民のデータなどと照らし合わせれば、当時の正確な感染状況や起源の解明につながるとみている。
  今回の調査をめぐっては、中国側が初期の感染例について生データの提供を拒否した事実も判明した。

  調査団の一員でオーストラリア人研究者のドワイヤー氏は帰国後、米メディアなどに「中国側と激しい議論があったが、生データの提供を受ける合意を得られなかった」と不満を示した。輸入冷凍食品を通じたウイルス流入の可能性もあるとする中国側の見解に否定的な考えを示し、中国国内でのコウモリなどの調査の重要性を示唆した。
  調査団メンバーが再調査を急ぐ背景には、米国や英国が「中国側は十分なデータを公開していない」と懸念を示したこともある。調査団が2月9日に現地での活動を終えるのに際して発表した調査内容は「武漢起源」説を否定したい中国の主張におおむね沿った見解が目立ち、欧米から疑問の声があがった。
  中国外務省の汪文斌(おう・ぶんひん)報道官は10日の記者会見で、調査団が再び中国入りする可能性について問われ「今回は世界的な起源研究の一部分だった」と述べ、中国外でも調査を行うことが必要との認識を示した。


2021.02.16-izaニュース(産経新聞)-https://www.iza.ne.jp/kiji/economy/news/210216/ecn21021609190001-n1.html
WTO改革は「最優先課題」 次期事務局長が記者会見
(1)
  【ロンドン=板東和正】世界貿易機関(WTO、本部・ジュネーブ)の次期事務局長に正式承認されたナイジェリアのオコンジョイウェアラ元財務相(66)は15日にオンラインで記者会見した。WTO改革を「最優先課題」に挙げ、「全加盟国の役に立つ紛争処理の仕組みを目指す」と強調した。

   オコンジョイウェアラ氏は3月1日付で就任する。

   WTOは米国のトランプ前政権が上級委員会の補充人事に反対したことで2019年12月以降、新規の紛争処理手続きが行えない状態に陥っているオコンジョイウェアラ氏は米国と中国や欧州連合(EU)、先進国と発展途上国の間など長年にわたる相互不信が蓄積している」と指摘し、加盟国間の協議を進める考えを示した。
   WTOをめぐっては、電子商取引(EC)など現代の通商問題に対応できていないとの批判も相次いでいる。オコンジョイウェアラ氏は「WTOのルールを近代化する必要がある」と訴えた。
   次期事務局長選は、昨年8月末に任期途中で辞任したアゼベド前事務局長の後任を選ぶために実施。同年9月に次期事務局長選の選出手続きを開始した。
(2)
  選考ではオコンジョイウェアラ氏が多くの加盟国の支持を集めたが、トランプ米前政権は対抗馬だった韓国産業通商資源省の兪明希(ユ・ミョンヒ)通商交渉本部長(53)を推す立場を表明。選考が実質的に止まり、トップ不在の状況が続いていた。オコンジョイウェアラ氏は「(事務局長選の過程で)米当局とは良い話し合いができていた」と振り返り、支持に転じたバイデン政権に謝意を示した。
   事務局長に女性やアフリカ出身者が就任するのは初めて。オコンジョイウェアラ氏は「アフリカ(の人々)や、女性が誇りに思ってくれるように、いい成果を出したい」と語った。


2021.02.16-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210216/k10012869081000.html
WTOトップに初のアフリカ出身者 ナイジェリア元財務相 選出

  WTO=世界貿易機関の新しい事務局長にナイジェリアの元財務相が選ばれ、およそ半年にわたるトップ不在の状況が解消されることになりました。
  WTOは15日、加盟国の臨時の会合を開き、新しい事務局長にナイジェリアのオコンジョイウェアラ氏を選びました。
  オコンジョイウェアラ氏はナイジェリアの財務相や外相、そして世界銀行でナンバーツーの専務理事を歴任したことで知られ、WTOのトップに女性として、またアフリカの出身者として初めて就くことになります。
  WTOでは加盟各国の合意で事務局長を選びますが、アメリカのトランプ前政権が韓国の候補者を推したためこう着状態に陥りました。
  しかし今月、韓国の候補者が立候補を取り下げ、バイデン新政権も方針を変えたことで決着に至りました。
  就任は来月1日の予定で、自由貿易体制の中心となる国際機関で去年8月の前事務局長退任後、およそ半年続いてきたトップ不在の状況が解消されることになりました。
  オコンジョイウェアラ氏は会合で「新型ウイルスの感染拡大で経済が打撃を受ける今こそ開発途上国を含むすべての加盟国が公正な貿易ができるよう国際的な連携を強化しなくてはならない」と述べました。
  WTOでは貿易紛争の解決にあたる「上級委員会」で委員を選出できず機能停止に陥っているほか、今の貿易問題に沿った改革が求められていて、新しいトップのもと多くの課題への早急な対応が求められることになります。
オコンジョイウェアラ氏 ワクチン格差是正に取り組む意欲示す
  WTOの新しい事務局長に選ばれたオコンジョイウェアラ氏は会合のあとの記者会見で「何よりも新型コロナウイルスの問題に焦点を当てるべきだ。WHO=世界保健機関など貧しい国へのワクチンの供給を広げようとしている組織と協力する必要がある」と述べました。
  そのうえで「ワクチンを囲い込む動きには意味がなく、世界全体の問題として考えるべきだ」と述べて、WTOとして輸出を制限する動きを監視するなどしてワクチンをめぐる格差の是正に取り組む考えを示しました。
日本政府 「山積する諸課題に取り組むこと期待」と歓迎
  日本政府は、事務局長に求められる資質として公正中立であることや国際機関などでの実績、それに加盟国をまとめるリーダーシップがあることなどを挙げていました。
  オコンジョイウェアラ氏は、アメリカのハーバード大学などで学び世界銀行の専務理事の経験もあることなどから日本政府は、「要職で培った深い知見・経験をもとに、主要国間の調整能力や国際機関の運営手腕を発揮し、加盟国と連携・協力しながら、山積するWTOの諸課題に取り組むことを期待する」として歓迎しています。
  今回の後任選びでは最終的に韓国の産業通商資源省のユ・ミョンヒ通商交渉本部長との争いになりました。
  韓国は、半導体などの原材料について輸出管理を厳しくした日本の措置をめぐってWTOに提訴し、ユ本部長も国際会議の場などで日本を批判してきました。
  WTOの事務局長は、個別の紛争には関与しないとされユ本部長も「事務局長は特定の国家を代弁するポストではない」と述べていましたが、日本政府内には公平性などの観点から懸念する声も上がっていました。
  今回、オコンジョイウェアラ氏が選ばれたことで、日本が紛争の当事国となった際に不公平な扱いを受ける事態はひとまず避けられたという受け止めが広がっています。
WTO おととし12月から紛争解決機能ストップ 改革が必要に
  WTOをめぐっては、関係国の紛争を迅速に解決する本来の役割を果たせていないとして、日本を含め各国が改革の必要性を訴えています。
  WTOの手続きでは、当事国の協議で貿易をめぐる紛争を解決できない場合、1審にあたる小委員会、2審にあたる上級委員会で審理が行われます。
  このうち、上級委員会については、審理期間の長期化や訴えにない論点を審理するケースがあるなどとして本来の役割を果たせていないといった指摘が加盟国から出ています。
  このため、日本政府は、オーストラリアやチリと共同で、WTOに対して90日以内となっている上級委員会の審理の期限を守ることや、必要な論点に絞ってルールに基づいて審理を行うことなどを求めています。
  また、上級委員会の紛争解決の判断に強い不満を持つアメリカの反対で上級委員会の新しい委員の選任ができず、おととし12月からは紛争解決の機能が事実上、停止しています。
  こうした事態を打開するためには、アメリカも含め加盟国全体が納得するような改革が必要になります。
  このほか、自国の産業を保護するため輸入品に対して高い関税を課すことが認められるなどの途上国に対する特別な待遇の扱いや電子商取引やデータの流通などに関する国際的なルール作りも課題となっています。
加藤官房長官「多様性を体現する国際機関の長 大変意義深い」
  加藤官房長官は、閣議のあとの記者会見で「新しい事務局長は、これまで外務大臣、財務大臣、あるいは世界銀行の専務理事などの経験をしている。こうした経験に基づき、新型コロナ禍でいまだ途上にある世界経済の回復や、国際貿易をめぐるさまざまな課題の解決に指導力を発揮することを期待しており、日本政府としても必要な支援を惜しみなく行っていきたい」と述べました。
  そのうえで「わが国は新事務局長を支えるとともに、加盟国とも緊密に連携しつつ、デジタル経済のルールづくりなど、喫緊のWTO改革をはじめ多角的貿易体制の維持・強化に向けた国際的取り組みを引き続き主導していきたい」と述べました。
  また「WTOは多くの途上国が加盟し、多様性を体現する国際機関だ。その機関の長として、アフリカ出身かつ女性初となる事務局長が就任されたことは大変意義深いものと考えている」と述べました。
梶山経済産業相「リーダーシップ発揮を期待」
  梶山経済産業大臣は16日の閣議のあとの会見で「新事務局長が任命されたことを歓迎する。WTOが直面する上級委員会の改革、デジタル化や気候変動問題への対応など、課題の解決に向けてリーダーシップを発揮されることを期待している」と述べました。


2021.02.12-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/210212/wor2102120020-n1.html
「新型コロナは中国から」とWHO国際調査団の豪団員 発表内容に異論か

  【ロンドン=板東和正】中国湖北省武漢市で新型コロナウイルスの起源を調査した世界保健機関(WHO)国際調査団の一員でオーストラリア人研究者のドワイヤー氏が、12日までに豪テレビ局「9ニュース」の取材に応じ、「新型コロナは中国から始まったと思う」と指摘した。輸入冷凍食品を通じたウイルス流入の可能性も含めて調査する方針を示した国際調査団の見解に異論を投げかけた発言とみられている。

  国際調査団は9日、現地での活動を終えるのに際して記者会見し、起源について、中国以外の国を含めて宿主となったコウモリなどの調査を続ける考えを主張。輸入冷凍食品を通じたウイルス流入という中国側の見方も否定しなかった。
  これに対してドワイヤー氏は「9ニュース」に、新型コロナはコウモリを介して感染した可能性が最も高いと指摘。コウモリは中国以外の国にも存在すると指摘しつつも、「(新型コロナが)中国以外の地域から始まったとする証拠は実際にはきわめて限られている」との見解を示した。

  同氏は武漢市での調査について「(起源解明につながる)いくつかの証拠があったが、あまり良いものでない」とし、起源解明には「何年もかかる」と予想。その半面、「(中国側と)明確な見解の相違や激しい応酬はあったが、誰もが正しいことをしようと努めた」「WHOはこれまでにないほど多くのデータを手に入れた」とも語った。
  調査団はドワイヤー氏を含め各国の専門家ら約10人で構成。1月14日に武漢入りし、29日から対面での調査を行った。調査は中国ペースで進められ、2月9日の活動報告では「武漢起源」説を否定したい中国の主張におおむね沿った見解が目立ったため、欧米などから疑問の声が出ていた。


2021.02.10-産経新聞 THE SANKEI NEWS -https://www.sankei.com/life/news/210210/lif2102100047-n1.html
WHO調査、識者「もともと限界ある」

  新型コロナウイルスの起源をたどる世界保健機関(WHO)の調査については、限界を指摘する声が根強い。ウイルスの起源調査は一般的に困難で、WHOの権限も限定的だからだ。
  「研究室からウイルスが漏れたと考えられる事例は過去にもあった。しかし、起源はどこかとなると、その証明は極めて難しい」と話すのは国際医療福祉大の和田耕治教授(公衆衛生学)。仮に何らかの証拠・資料があったとしてもWHOが中国に提出を強いることはできず、「WHOの調査に強制力がなく、もともと限界があった」と指摘する。
  和田教授は「現段階でいえそうなのは、感染の拡大が最初に確認されたのは中国の武漢であったということだけだ」と説明する。 東北大の押谷仁教授(ウイルス学)は「WHOにとって大事なのは感染拡大の防止で、起源解明の優先順位は高くない」とした上で、「1年前に調査できていたとしても(解明の)困難さは変わらない」とみる。「数十万~数百万人単位の過去の血液の抗体を調べれば、いつごろから広がり始めたかがもう少しわかる」が、今回の調査には含まれていない。中国が主張する輸入食品から持ち込まれた可能性については「ゼロとまではいわないが、考え難い」という。


2021.02.10-東京新聞 TOKYO Web-https://www.tokyo-np.co.jp/article/85015
新型コロナ起源解明にはほど遠く WHO調査団は中国・武漢で何を見たのか

  新型コロナウイルスの発生源を調べる世界保健機関(WHO)の国際調査団が9日、中国湖北省武漢市での現地調査を終え、記者会見に臨んだ。調査団とともに会見した中国の専門家は、ウイルスの由来が武漢以外の場所であることを強く示唆し、「武漢起源説」に区切りをつけたい思惑をにじませた。しかし、今回の調査では発生源の解明には程遠く、現地視察は中国主導で実施されたことを印象付けた。(上海・白山泉、北京・中沢穣)
◆武漢起源説、否定する中国側
  「中国は終始、WHOに協力してきた。全世界のウイルス起源をめぐる研究に関し中国部分は終了した」

  中国の衛生当局者は政府の対応を正当化する発言から始めた。続けて中国の専門家を代表し、清華大の梁万年教授がウイルスの武漢起源説に否定的な見解を示した。
  梁氏はウイルスはコウモリやセンザンコウが起源になった可能性に言及した上で「中国内の野生動物からは新型コロナは検出されていない」とも強調。さらに新型コロナは低温下でも生存するとの研究結果を披露し、輸入冷凍食品から感染が広がったとの中国側の説を繰り返した。
  一方、国際調査団を率いるデンマークのピーター・ベン・エンバレク博士は「(調査によって)流行初期の状況について理解が大きく進んだわけではない」と述べ、起源をめぐる調査に今後数年かかるとの見通しも明らかにした。
◆中国主張の説に沿う視察
  しかし国際調査団の訪問先を見ると、武漢起源説を否定したい中国側の政治的意図が透ける。まず調査団は、習近平政権のウイルス対策を宣伝する特別展示場に案内され、中国政府を称賛する展示を見学した。その後、感染流行初期に多数の感染者が確認された卸売市場を訪れたが、閉鎖されてから既に1年以上が経過しており、感染源を特定する手掛かりがないことは明らかだった。

  また卸売市場に輸入冷凍食品を納入していた大型倉庫なども視察。中国政府が主張する「冷凍食品に付着したウイルスは海外から中国に流入した」という説に沿う視察が優先された。
◆終わる調査、消えぬ疑念
  国際調査団は、トランプ前政権がウイルスの流出元と主張した武漢ウイルス研究所も視察、約3時間半にわたって滞在した。コウモリを宿主とするウイルス研究で知られ、「バットウーマン」の異名もある石正麗研究員とも意見を交換。研究所から流出した可能性についてベン・エンバレク氏は会見で「極めて低い」との見方を示した。
  一方、米国のブリンケン国務長官は今月1日、米テレビの取材に「必要な情報提供について、中国の対応は十分とはいえない」と発言。今後は武漢での調査は行われない見通しだが、中国側の透明性にはなおも疑念が消えていない


2021,02.06-朝日新聞 DIGITAL-https://www.asahi.com/articles/photo/AS20210206001204.html
女性で初めてWTO事務局長に就任へ 米政権が強く支持

  バイデン米政権は5日、世界貿易機関(WTO)の次期事務局長として、ナイジェリアのヌゴジ・オコンジョイウェアラ元財務相(66)の選任を「強く支持する」と表明した。トランプ前政権はこの人事に反対していたが、米国が態度を変えたことで、同氏の選出が確実となった。WTOトップに女性やアフリカ出身者が就くのは初めて。WTOは近く一般理事会を開き、選任する見通しだ。
   米通商代表部(USTR)は声明で、世界銀行幹部などを務めたオコンジョイウェアラ氏について「経済、外交分野で豊富な知識をもたらす」と評価。「バイデン政権は新しい事務局長とWTOに必要な改革に向けて協力するのを楽しみにしている」と表明した。
   米国では、WTO加盟後に急速に台頭した中国による知的財産侵害や産業補助金などの問題について、WTOが対応できていないとの不満が党派を超えて強い。トランプ前大統領はWTO脱退すらちらつかせる高圧的手法をとった。これに対しバイデン政権は今回の人事でも、既存の国際的な枠組みへの積極的な関与を通じて改革を求めていく姿勢を示し、違いを際立たせた。
   これに先立ち、トランプ前政権が支持し、オコンジョイウェアラ氏とともに事務局長の最終候補に残っていた韓国の兪明希(ユミョンヒ)・通商交渉本部長は5日、選挙戦からの撤退を表明していた。(ワシントン=青山直篤)


2021.02.05-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/210205/wor2102050019-n1.html
WTO事務局長選、韓国の兪明希氏が候補を辞退 近く理事会開催

【ソウル=名村隆寛、ロンドン=板東和正】世界貿易機関(WTO)の事務局長選に立候補し、最終2候補に残っていた韓国産業通商資源省の兪明希(ユ・ミョンヒ)通商交渉本部長は5日、候補を辞退すると表明した。WTOは近く理事会を開き、全加盟国・地域の合意を得て、残る候補であるナイジェリアのオコンジョイウェアラ元財務相を新たな事務局長として選出する見通しだ。
  兪氏は日本政府による半導体材料の対韓国輸出管理厳格化措置への対応に関与し、同措置をめぐり日韓がWTOで争う中、昨年6月に立候補を表明。韓国初の事務局長を狙っていた。
  加盟国対象の調査では、兪氏よりもオコンジョイウェアラ氏が多くの支持を集め、韓国国内でも当選は困難視されていた。ただ、米国のトランプ前政権が兪氏を支持。WTOは合意形成を重視するため、事務局長選出は膠着していた。
  兪氏は「WTO加盟国のコンセンサスを導き出すために米国など主要国と協議してきた。WTOの機能活性化の必要性などを勘案し、辞退を決めた」と説明。「米国も私の決定を尊重してくれた」とバイデン米政権と調整の上での決断であることを認めた。


2021.02.04-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/politics/news/210204/plt2102040036-n1.html
<独自>亡命チベット人を実質支援 外務省ODA、インドで

  多くの亡命チベット人が住むインドの北部2州で日本の非政府組織(NGO)が実施する人道支援事業に対し、外務省が政府開発援助(ODA)資金を助成していることが4日、分かった。事業はインド農村部の公衆衛生の改善を目的としているが、対象地域には中国のチベット自治区からインドに逃れたチベット難民の集落も含まれ、実質的に亡命チベット人への支援となっている。
  支援事業の対象はヒマチャル・プラデシュ州とウッタラカンド州との農村部。ヒマチャル・プラデシュ州にはチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世が居住し、チベット亡命政府が拠点を置くダラムサラがある。
  現地は恒常的な水不足とされ、上下水道の敷設や公衆トイレの建設などを実施する予定だ。計画では計約9200人の支援になると見込んでいるが、対象地域にはインド人集落とチベット人集落が含まれるという。
  外務省はこの事業に対し、ODAのスキームの一つである「日本NGO連携無償資金協力」(N連)による助成を決め、昨年中に約2960万円(限度額)で契約を結んだ。当該地域に対するN連の供与は初めてという。
  関係者によると、事業は当初、昨年2月に着手する予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大でODA関係者らの現地入りが困難となり、工事はほとんど進んでいない。
  ODAの対象はあくまで日本のNGOがインドで実施する開発協力事業だが、超党派の「日本チベット国会議員連盟」の幹部は「結果的に日本のODAが亡命チベット人に行き渡るのは画期的だ」と話す。一方、外務省は「インドの農村住民の生活環境改善に資する事業で、チベット亡命政府やチベット難民に対する支援ではない」と説明している。


2021.02.04-朝日新聞DIGITAL-https://www.asahi.com/articles/ASP237HKVP23UHBI01J.html
ウイルス流出説の真相は? WHO、武漢の研究所を調査

  新型コロナウイルスの起源を探るため中国湖北省武漢市に入っている世界保健機関(WHO)調査団は3日、米トランプ政権による「ウイルス流出疑惑」にさらされてきた武漢ウイルス研究所を調査した。中国側は潔白を示そうとしているが、説得力のある結果が世界に示されるか注目が集まる
  3日午前、調査団は武漢市郊外にある武漢ウイルス研究所を訪れた。周囲は寂れた工業団地のようで人の姿もまばらだが、多くのメディアが今回の調査の「山場」と捉え、現場に駆けつけた。メンバーの一人は報道陣に「聞くべきことは全て聞きたい」と語った。

  敷地に入った一行は、国際的に最高水準の安全基準を満たす「バイオセーフティーレベル4」の実験棟(P4実験棟)に向かった。中国メディアなどによると、調査団はP4実験棟を見学したほか、コウモリを宿主とするウイルス研究で米国の微生物学アカデミーの会員に選ばれ、「バットウーマン」と呼ばれる石正麗研究員ら中国側関係者と意見をかわした。
  一行は4時間近く滞在した後、研究所を出て滞在先のホテルに戻ったが、報道陣には「とても重要な会議だった」「興味深かった」などと述べるにとどめた。


2021.01.02-nippon com.-https://www.nippon.com/ja/news/kd728934564722999296/
英、TPP加入を正式申請 経済圏拡大に向け春交渉へ

  【ロンドン共同】英国は1日、日本などが参加する環太平洋連携協定(TPP)への加入を正式に申し入れた。発足時の参加国11カ国以外で加入申請は初めて。今春から交渉に入る見通しだ。加入の可否の判断は来年以降になる可能性がある。日本などの加盟国は、英国加入によってTPP経済圏を拡大したい考え。日本が復帰を期待する米国や、TPP加入に意欲を示す中国の動向が今後の焦点となる。
  今後、TPPの意思決定機関であるTPP委員会が英国の加入手続きの開始を決めれば、加入交渉のための作業部会が設置される。委員会の全メンバーの承認を得られれば、英国のTPP加入が決まる。


2021.01.29-東京新聞 TOKYO Web-https://www.tokyo-np.co.jp/article/82977
コロナ起源解明へ、中国の情報公開がカギ WHOが武漢の調査開始

  【上海=白山泉】新型コロナウイルスの起源解明のために中国湖北省武漢市に入っている世界保健機関(WHO)の国際調査団は29日、本格的な現地調査を開始した。中国側は新型コロナの武漢発生説を否定しており、WHOにどれだけ情報を提供するかなどの協力姿勢も注目される。

◆研究所や海鮮市場へ
   ロイター通信によると、調査団のメンバーは29日午前、中国側の科学者と面会して計画を協議後、感染初期に治療を行った病院を訪問した。WHOによると、今後2週間かけて米国が発生源の可能性を指摘する「武漢ウイルス研究所」や、最初に集団感染が起きた海鮮卸売市場などを訪れ、初期に感染した患者とも面談するとしている。
   調査を巡っては、中国政府が受け入れを遅らせたとしてWHOのトップが非難。中国は、感染を世界に広めたとの責任追及の動きに神経をとがらせている。
◆「中国は起源解明に協力を」
   中国外務省の趙立堅副報道局長は28日の会見で「発生源をたどるのは複雑な問題で、多くの場所で発生した可能性もある」と武漢発生説を否定。「政治的な干渉を受けずに科学的に研究ができるようにすべきだ」と述べた。
   WHO調査団のメンバーは、ロイター通信の取材に「起源解明が成功するかどうかは適切な情報へのアクセス次第だ。私たちがどれだけ有能でも、中国側の協力がなければ成し遂げられない」と強調した。
   調査団は、日本の前田健・国立感染症研究所獣医科学部長ら各国の専門家で構成されている。経由地のシンガポールでうち2人の新型コロナ陽性が判明し中国に入国できず、残る計13人が今月14日に武漢入り。ホテルで2週間隔離された間はオンラインで中国側の科学者と面会し、28日午後に隔離を終えていた。


2021.01.27-au WEB(産経新聞)-https://article.auone.jp/detail/1/4/8/12_8_r_20210127_1611756641437866
プーチン氏「内政干渉は軍事衝突リスクに」 欧米を牽制

  【モスクワ=小野田雄一】ロシアのプーチン大統領は27日、シンクタンク「世界経済フォーラム」(WEF)が開いたオンライン会合「ダボス・アジェンダ」で講演し、他国への内政干渉が「軍事衝突のリスクを高める」と警告した。ロシアとの対立の強まりが予想されるバイデン米政権や欧州連合(EU)を牽制する意図があるとみられる。

  プーチン氏は、新型コロナウイルスの流行による経済的混乱が世界各地で蓄積されてきた矛盾や対立を表面化させ、紛争の危機が高まっていると指摘。第二次大戦規模の紛争が再び起きれば「文明は終焉する」と述べた。その上で、26日にバイデン政権との間で合意した新戦略兵器削減条約(新START)の延長は、そうした危機を防ぐための「正しい方向への一歩だった」と評価した。
  一方でプーチン氏は、世界各地で国内の対立や不満を解消するために「外敵」を作り出したり、他国の内政問題に干渉して恣意(しい)的な制裁を科したりする傾向が強まっていると指摘。「これらは一方による軍事力の使用につながる危険がある」と警告した。
  露反体制派指導者ナワリヌイ氏の拘束問題でロシアを非難し、制裁などを検討している欧米側を念頭に置いた発言とみられる。


2021.01.14-Yahoo!Japanニュース(毎日新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/5adbeb48ea4ddb458fd95d0839c01f7ac712c97b
新型コロナでWHO調査団が武漢入り 焦点に海鮮市場現地調査できるか

  新型コロナウイルスの起源を探る世界保健機関(WHO)の国際調査団が14日、最初に集団感染が確認された中国湖北省武漢市に到着した。ウイルスの起源は中国側の厳しい情報統制もあり、謎に包まれたままだ。WHOによると、調査団は感染対策として2週間隔離された後、中国側と合同で調査を開始。感染経路をさかのぼり動物から人に感染したとされるメカニズムの解明を目指す。

  調査団は日本を含む世界各国の人獣共通感染症の専門家ら約10人で構成。うち2人が抗体検査で陽性だったために経由地のシンガポールで足止めとなった。当初は1月初めに入国予定だったが、中国が受け入れを拒否。WHOのテドロス事務局長が「大変失望している」と表明していた。
  調査団は、隔離期間を含め5~6週間ほど滞在するとみられている。中国の専門家と研究成果や標本などを共有する体制の構築も目指す。中国の国家衛生健康委員会によると、隔離期間中もテレビ会議方式で双方が意見交換するという。

  焦点の一つは、最初に集団感染が確認された武漢市の海鮮市場の現地調査が実現するかだ。WHOは2020年2月にも別の調査団を武漢に派遣したが、海鮮市場には立ち入れなかった。中国側の調査では、初期の患者の中には海鮮市場との接点が確認されないケースもあり、市場が発生源かは不透明な部分もある。    新型コロナは、過去に雲南省の洞窟でコウモリから見つかったウイルスに近いとされる。さらに別の動物(中間宿主)を介して人間に感染した可能性が指摘されており、調査団にはこうした動物の特定につながる成果が期待されている。
  ただ、調査団メンバーで独ロベルト・コッホ研究所のファビアン・レンデルツ氏はAFP通信に「最初の訪問で決定的な成果を持ち帰るようなことは期待しない方がいい」と述べた。
  一方、中国側は感染拡大の責任追及につながる事態を極度に警戒し、国内の起源調査を「封印」してきた。AP通信によると、中国政府は20年2月、国内の大学などに新型コロナ関連の標本やデータの対外共有を制限し、研究論文の発表に国の審査を求める通知を出していた。

  中国の王毅国務委員兼外相は1月2日の中国メディアの取材に「感染が世界各地で(同時期に)始まった可能性を指摘する研究が増えている」と指摘。国家衛生健康委員会の報道官も13日の記者会見で「WHOも、他の国や地域で同様の調査が必要とみている」と述べ、中国を狙い撃ちする調査とならないようけん制した。
  こうした中国の姿勢に、WHOで緊急事態対応を統括するマイク・ライアン氏は11日の記者会見で、「感染症の起源を理解するということは、責任を負わせる人を見つけることではなく、科学的な答えを見つけることだ」と強調した。【パリ久野華代、北京・河津啓介】


2021.01.06-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/210106/wor2101060002-n1.html
中国に「大変失望した」 WHOテドロス事務局長が表明

  【ロンドン=板東和正】世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は5日のジュネーブでの記者会見で、新型コロナウイルスの起源解明に向けた国際調査団に対し、中国が入国を許可していないことを明らかにし、「大変失望した」と表明した。テドロス氏が新型コロナの問題をめぐり、中国の対応を表立って批判するのはまれとみられる。
  WHOは昨年12月、日本を含めた各国の専門家による調査団を今月第1週に中国に派遣すると発表。各団員は今月5日に中国に向けて出発し、中国内で自主隔離期間を経て、新型コロナの震源地となった湖北省武漢市に入る予定だった。
  しかし、テドロス氏は同日の会見で、中国当局が調査団の入国に必要な認可を出していないことがこの日に判明したと発表した。WHOで緊急事態対応を統括するライアン氏によると、調査団のうち2人は既に出国したが1人は引き返すことになり、1人は経由地にとどまっている。他の団員も自国を出る前に渡航できなくなったという。

  テドロス氏は会見で、「(調査団の派遣)はWHOにとって最優先事項だ」と中国当局に訴えたと発言。「できるだけ早期に調査が開始されることを切望している」と述べた。 これまで新型コロナの対応をめぐっては、テドロス氏が中国を擁護するかのような発言が目立っていた。
  昨年、感染防止策で中国の初動の遅れを非難する声があがったが、テドロス氏は「WHOは(新型コロナの)発生を制御する中国の能力を確信している」と述べた。



2020.12.08-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/201208/wor2012080017-n1.html
韓国がTPP参加検討 文大統領が初めて言及

  韓国の文在寅大統領は8日、ソウル市内で開かれた貿易関連のイベントに出席し、日本などが加盟する環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)について「参加も検討していく」と述べ、前向きな姿勢を示した。韓国メディアによると、文氏がTPP加入の可能性に言及するのは初めて
  韓国政府は、日中韓など15カ国が署名した地域的な包括的経済連携(RCEP)協定に続き、大型の経済協定に加わり、米中の貿易摩擦や新型コロナウイルスによるリスクを軽減したい考えとみられる。
  文氏はイベントでの演説で、新型コロナの感染拡大により国家間の移動が制限され、世界的に交易量が急減していると指摘。一方、韓国は主力の半導体の輸出増が続いているとし「貿易の体力をさらに堅固に育てていかなければならない」と強調した上で、TPP加入の可能性に触れた。
  TPPをめぐっては、中国の習近平国家主席も参加を「積極的に検討する」と表明している。(共同)


2020.12.01-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/economy/news/201201/ecn2012010007-n1.html
WTO、韓国に是正勧告 ステンレス棒鋼課税延長、日本の主張支持

  世界貿易機関(WTO)は30日、日本政府の申し立てに基づき審理してきた韓国の日本製ステンレス棒鋼に対する反ダンピング(不当廉売)課税延長措置について、WTO協定違反と判断し、韓国に対して是正を勧告する報告書を公表した。韓国は60日以内にWTO上級委員会に上訴できる。上訴しない場合は今回の判断が確定する。
  韓国は2004年7月から、日本、インド、スペインのステンレス棒鋼が不当に安い価格で韓国に輸出されているなどとして反ダンピング課税を始めた。その後、10年、13年、17年に課税を延長。日本は3回目の延長後の18年6月にWTOに提訴し、「1審」に相当する紛争処理小委員会(パネル)が設置され、審理が続いてきた。
  日本は、日本製品の価格は相対的に高く、韓国製品などと競争関係にないことや、中国などから低価格品が大量に輸入されていることなどを理由にダンピングにはあたらないと主張。30日公表のWTOの報告書はこうした日本の立場を支持し、韓国の措置は反ダンピング協定違反と判断した。
  「ステンレス棒鋼」は精密機械、自動車部品、建設資材などに幅広く使われている。


2020.11.15-NHK NEWS WEB-https://www.yomiuri.co.jp/world/20201115-OYT1T50172/
米「中国の行動が平和を脅かす」、中国首相は「法の支配を推進している」とけん制

  【ハノイ=田中洋一郎】オンライン形式で開かれていた東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の首脳会議は15日、全日程を終了して閉幕した。14日の東アジア首脳会議(EAS)では、米国が、南シナ海で覇権主義的な行動を強める中国を名指しで批判した。

  EASは日米中露やASEANなど18か国の首脳らが参加し、地域の安全保障などを議論する枠組み。
  米国務省の発表によると、トランプ米大統領の代理として出席したロバート・オブライエン国家安全保障担当大統領補佐官は、南シナ海などでの「中国の行動が平和と安定性、(周辺国の)主権を脅かしている」と批判した。日本の菅首相や、フィリピンなど一部のASEAN加盟国首脳も懸念を表明した。
  一方、中国政府の発表によると、中国の李克強リークォーチャン首相は「中国は南シナ海の平和と安定を守ると強く決意しており、国際的な舞台での法の支配を擁護し、推進している」と語った。米国をけん制したものとみられる。


2020.11.15-日本経済新聞-https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66249440V11C20A1I00000/
RCEP、15カ国が署名 世界貿易3割の大型協定に

  日本など15カ国は15日、オンライン形式で会合を開き、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)に署名した。世界の国内総生産(GDP)や貿易額で3割を占める大型の自由貿易協定(FTA)が発足する。当初交渉に加わっていたインドは参加を見送った。
  首脳会合には日本から菅義偉首相が出席。15カ国は首脳会合に引き続き、オンライン形式で署名式に臨んだ。RCEPも含めた東南アジア諸国連合(ASEAN)の一連の会合を主催したベトナムのフック首相は15カ国の署名後に会見し、「RCEPはまもなく批准され、全てのRCEP加盟国のビジネスに繁栄をもたらすことになる」と話した。

  菅首相は首脳会合で「コロナ禍で世界経済が低迷し、内向き志向も見られる中であっても、自由貿易を推進していくことが重要だ」とRCEPの意義を強調し、インドに加入を働きかける考えを示した。
  首脳会合と署名式に参加した梶山弘志経済産業相は首相官邸で記者団に「日本の工業製品や農水産品のアジア圏への輸出拡大に大きく寄与する」と述べ、発効時期については「各国の事情によるが、できるだけ早く発効させたい」と話した。
  RCEPは東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国と日中韓、オーストラリア、ニュージーランドの15カ国が参加する。昨年まで交渉に参加していたインドは不参加を決めた。日本にとっては貿易額で1位の中国、3位の韓国と結ぶ初のEPA(経済連携協定)となる。

日本はインドの参加で中国をけん制しようとしたが、インドが交渉から離脱し、中国・韓国との貿易拡大で実利をとる戦略への転換を迫られた。一方、中国は米国との対立が続くなか、アジアでの協調を優先。米国抜きの枠組みづくりを急ぎ、自国の影響力の及ぶ経済圏構築に力を注いだ。
  米国が大統領選の結果を踏まえ、アジア太平洋地域での貿易にどう関与するかが今後の焦点になる。RCEPが発効すれば、中国の存在感が増すとみられ、アジア貿易の様相が大きく変化する可能性がある。
  RCEPの枠組みでは、中韓ともに9割程度の工業品で日本から輸出する際の関税を段階的に撤廃する。特に自動車部品などの輸出拡大への期待が大きい。中国への輸出では、現在は3%程度の関税がかかっているガソリン車用のエンジン部品の一部などについて発効時に関税撤廃する。
  食品に関しても、中国向けの日本酒やホタテ、韓国向けの焼酎などの関税を段階的に撤廃。輸入に関しては、コメや麦などのいわゆる「重要5品目」は関税引き下げの対象から外す。農業生産国が多い事情に配慮し、農林水産物の高度な自由化は見送った。
  工業品や農林水産品の関税削減・引き下げに加え、データの流通や知的財産など計20の分野で共通のルールを設ける。投資企業への技術移転要求を禁止するほか、コンテンツやデータなどのデジタル情報に関し、国境を越えた自由な流通の確保を各国に求める。


2020.11.13-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/201113/wor2011130011-n1.html
WHO、公式SNSで「Taiwan」投稿を削除 中国に忖度か

  【台北=矢板明夫】14日までオンライン形式で開かれている世界保健機関(WHO)年次総会で、公式フェイスブックのサイトに書き込まれた台湾に関するコメント投稿が一時、削除されるトラブルが起きた。台湾当局の抗議を受け、書き込みの制限は解除した。

  中国は新型コロナウイルスの感染源だが、その防疫に成功したはずの台湾については、オブザーバー参加すら拒絶するようWHOに圧力をかけ続けた。ソーシャルメディア(SNS)での台湾排除は、WHO側が中国側の意向を忖度(そんたく)したとの見方が広がっている。
  きっかけは、マスクや防護服の提供など新型コロナ対策での台湾による国際貢献メッセージ「Taiwan Can Help(台湾は助けることができる)」を台湾のネットユーザーがWHOのフェイスブック公式サイトに投稿したところ、相次ぎ削除されたことだ。
  サイトでは「Taiwan」との文字が削除対象となっていたため、ネットユーザーは知恵を絞り、「Ta!w@n」「(T)aiwan」「tai+wan」などを使って、対抗した。
  民進党の立法委員(国会議員に相当)頼品氏の場合、ひらがな表記「たいわん」で規制をくぐったという。感染源の中国への不満を込め「China cannot help」(中国は手助けできない)などと書き込んだ人もいた。
  削除問題をめぐって台湾当局は、外交部(外務省に相当)の欧江安報道官が12日、「WHOが私たちの声を封鎖する行為は、すでに国際組織の中立的立場から離れている。深い遺憾の意と強い不満を表明する」とのコメントを発表した。
  混乱や抗議を受け、WHOは同日夜「サイバーテロ対策のため、一部の言葉を制限したが、すでに制限を解除している」などと回答した。台湾は年初からの防疫対策が奏功し、感染者を計589人、死者7人(12日現在)に抑えている。


2020.11.11-Yahoo!Japanニュース(REUTERS ロイター)-https://news.yahoo.co.jp/articles/5d9cf6175ede72c43069081efe21fa6cad4cf685
米、WHOのコロナ発生源調査を非難 「合意内容と違う」

  [ジュネーブ 10日 ロイター] - 米政府は10日、世界保健機関(WHO)の専門家チームが新型コロナウイルスの発生源を調査する取り決めについて、透明性ある形で決定されなかった上、加盟国が合意した内容と一致していないと主張した。
  トランプ政権はWHOが「中国中心」と非難してきた。WHOのテドロス事務局長は米国の主張を繰り返し否定している。またトランプ政権は新型コロナの発生当初、中国が事態の深刻さを隠していたと主張している。
   米厚生省で国際問題を担当するギャレット・グリグスビー氏はWHO総会で、取り決め事項について加盟国が知らされたのは数日前だとした上で、「取り決め事項(TOR)は全加盟国に対し透明性ある形で決められなかった。TORと調査そのものは加盟国が合意した内容と一致していない」と指摘した。
   WHOの緊急対応責任者マイク・ライアン氏は10月30日、科学者や中国の専門家から成るWHOのチームが新型コロナ発生源に関する共同調査を巡り初めてオンライン会議を開いたと説明。
  今後中国にチームを派遣するとした。 ロイターの統計によると、新型コロナ感染者は世界で5074万人を超えた。死者は126万人に上っている。


2020.11.10-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/425ed03720f778cf83661222beca8c2295841fa2
RCEP、インド参加に「特別文書」採択へ 中国にらみ日本主導

  日中韓や東南アジア諸国連合(ASEAN)などでつくる東アジア地域包括的経済連携(RCEP)をめぐり、交渉から離脱したインドがほぼ無条件で即時加入できることを規定した特別文書を採択することが分かった。15日に予定するRCEPの首脳会合で正式に発表される見通し。中国の台頭をにらみ日本が主導した。複数の政府関係者が10日、明らかにした。
   RCEPは2012年に16カ国で協議を始めたが、安価な中国製品の流入などを警戒したインドが最終局面で離脱した。インドを除く15カ国は、今月11日にオンラインで開く閣僚会合を経て、15日の首脳会合で協定への署名を行う方向だ。
   日本は、インドがRCEPにとどまるよう説得を続けてきた。離脱が決まってからは、インドが参加しやすいよう協定とは別に特別文書の策定を提唱。RCEPは一定期間、新規加入を認めない方針だが、インドは例外とすることなどを明記した。外務省幹部は「市場アクセスなど最低限の交渉は必要だが、インドが望めば即時参加できる環境を整えた」と語る。
   日本がインドの参加にこだわるのは、中国を見据えた外交戦略の一環でもある。RCEP参加国のうち、1割のGDP(国内総生産)と4割の人口を誇るインドの離脱は、参加国の中で中国の存在感が相対的に増すことを意味する。一方、インドが将来的に参加しやすい道を残せば、中国の台頭を抑えることにもつながる。
   インドは米国やオーストラリアと並び、日本が提唱する「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)の主軸の一角でもある。政府はRCEPにインドが加入すれば、自由貿易の推進を柱とする「FOIPの発展」(外務省幹部)にもつながると判断している。


2020.11.9-静岡新聞SBS-https://www.at-s.com/news/article/economy/national/829141.html
首脳会合でRCEP合意へ インド除く15カ国が調整

  日本や中国、韓国、東南アジア諸国連合(ASEAN)など16カ国が参加する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)が、インドを除く15カ国での合意に向けて最終調整に入ったことが9日、分かった。11日の閣僚会合を経て、15日の首脳会合で署名したい考え。日本にとっては中国、韓国が含まれる初めての経済連携協定(EPA)となる。
 参加国は13年に交渉開始。関税削減に加え、知的財産や電子商取引(EC)、税関手続きなど広い分野でのルール策定に向けて協議してきた。15カ国で発効すれば、域内の人口と国内総生産(GDP)がいずれも世界全体の約3割を占める巨大経済圏が誕生する。


2020.11.07-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/economy/news/201107/ecn2011070006-n1.html
WTO事務局長選 日本、国連事務総長選の苦い教訓生かせず

  今回の世界貿易機関(WTO・本部ジュネーブ)の事務局長選は、国際機関のトップ選への日本政府の関与の仕方に課題を突きつけた。思い出されるのが韓国の潘基文氏が選出された2006年の国連事務総長選だ。
  政府は「アジアから(国連事務総長を)出すと言い続けてきたので良かった」(当時の麻生太郎外相)と就任を歓迎したが、潘氏は公正・中立が求められる立場にありながら、国連の場で自国や中国寄りの言動を繰り返すようになった。
  07年の「国連の日」に、潘氏が国連本部で主催したコンサートでは日本海を「東海」と表記した英文のパンフレットが式次第とともに配布された。15年には、中国・北京で開かれた抗日戦争勝利70年記念行事に出席し、安倍晋三首相(当時)が「極めて残念だ」とその対応を批判している。
  潘氏は韓国外務省の出身で、今回のWTO事務局長選で韓国が立てた候補も日本の経済産業省に当たる産業通商資源省の出身。もっと早くからその動向を注視しておくことはできたはずで、過去の苦い教訓が全く生かされなかったといえる。


2020.10.24-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/201024/wor2010240009-n1.html
米EU、中国めぐり対話開始 外交トップが電話会談

  欧州連合(EU)のボレル外交安全保障上級代表は23日、ポンペオ米国務長官と電話会談し、米欧との間で摩擦が強まっている中国への対応などを協議した。双方はこの会談を、中国をめぐる新たな米EU対話の開始と位置付け、成果を強調する声明を発表した。
  声明によると、欧州対外活動庁と米国務省は今後、人権や安全保障など「中国に関するあらゆる問題」を高官や専門家のレベルで議論する。
  ポンペオ氏は8月のチェコ議会演説で、中国の台頭に警鐘を鳴らし脅威を強調。EUなどとの連携強化による対中包囲網形成に意欲を示していた。
  EUも中国を「体制上のライバル」と位置付け、中国企業による欧州企業の買収や、重要インフラへの積極投資などを警戒。中国当局による少数民族に対する人権抑圧や、香港国家安全維持法(国安法)施行に伴う香港の民主主義後退にも批判を強めている。(共同)


2020.10.8-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/economy/news/201008/ecn2010080040-n1.html
「想定外」の結果、日本政府には警戒感も WTO次期事務局長選

  WTOの次期事務局長選で、韓国産業通商資源省の兪明希通商交渉本部長が、最終候補の2人に入った。立候補が伝えられた際には、アフリカ出身の2人の女性候補が有力視されていただけに、日本政府は“想定外”の結果への対応が求められそうだ。
  兪氏は、日本による半導体材料の輸出管理厳格化をめぐり、日本をWTOに提訴すると発表した人物。今年6月18日には、この問題をめぐり、韓国側がWTOでの紛争解決手続きを再開するなど対立は長引く様相だ。
  経済産業省関係者は、「WTOの紛争解決において、事務局長の出身国が有利に働くことはないと思われる」と述べる。ただ、兪氏は立候補にあたり韓国の「国益」に言及した経緯もあり、日本の通商関係者には警戒感もある。
  兪氏は、多国間貿易体制の強化などに向け「共に努力することが重要だ」と協力を訴え、日本の支持を求めている。日本政府としては、中国が推すナイジェリアのオコンジョイウェアラ元財務相と天秤(てんびん)にかけた駆け引きとなった。


2020.8.24-日本経済新聞-https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62966190U0A820C2EAF000/
「5歳以下はマスク不要」 WHOが新型コロナで指針

  【ジュネーブ=細川倫太郎】世界保健機関(WHO)と国連児童基金(ユニセフ)は新型コロナウイルスの感染防止対策で、18歳未満の子どものマスク着用に関する指針をまとめた。原則5歳以下は適切に使用できない可能性があり、着用すべきではないと助言した。
  子どもがマスクを着用すべきかは議論になっている。子どもによる感染がどの程度あるかは詳しく分かっていない。ただ、他の年代に比べると他人に感染させる可能性は低いとされている。
  一部の地域では5歳以下でもマスクの着用を義務付けているほか、患者の近くで生活している子どももいる。指針では着用する場合には、保護者などが安全に十分に注意する必要があるとした。
  6~11歳については、地域での感染の広がりや、重症化するリスクが高い高齢者と同居しているかなどを考慮して判断することを求めた。12歳以上は大人と同じようにマスクを着けるよう助言し、特に対人距離が1メートル以上、確保できない場合などでは必要とした。
  一方、障害などがある子どもは、保護者や医療関係者がケース・バイ・ケースで判断する必要があると指摘した。ただし、重度の認知障害や呼吸器障害を持つ子どもは、着用を義務付けるべきではないと強調した
  子どもの年齢を問わずスポーツや身体を使って遊んだりする際は、呼吸を妨げないようにするため、マスクは不要とした。代わりに、一緒に遊ぶ子どもの人数の制限や手洗いの徹底といった対策を求めた。
  新型コロナの感染拡大の勢いが衰えないなか、世界各国の多くの学校は夏休みが終わり、近く新学期が始まる。各国や地域によってマスクの着用はまちまちで、今回の指針を参考に対策を検討する学校も多そうだ。


2020.8.14-読売新聞 Online-https://www.yomiuri.co.jp/medical/20200814-OYT1T50145/
中国で輸入食品からウイルス、WHO「食品からの感染拡大は証拠ない」

  【ロンドン=広瀬誠】中国で輸入食品の包装などから新型コロナウイルスが検出されたことを受け、世界保健機関(WHO)で緊急事態対応を統括するマイク・ライアン氏は13日の記者会見で、「食品が感染拡大につながるという証拠はない。食品や包装、加工や配達を恐れるべきではない」との見解を示した。

  ロイター通信によると、中国の地方当局は13日、輸入したブラジル産の冷凍手羽先の表面や、エクアドル産の冷凍エビの包装から、ウイルスが検出されたと明かした。
  WHOの感染症専門家のマリア・ファンケルクホーフェ氏は会見で、「中国は何十万もの包装のウイルス検査を行ったが、陽性は10件以下だ。(食材の)表面にウイルスが残ることはあり得るが、手を洗えば手に付いたウイルスは無力となり、食材も調理すればウイルスを殺せる」と述べた。


2020.7.09-産経新聞 SANKEI NEWS WEB-https://www.sankei.com/world/news/200709/wor2007090002-n1.html
WTOの次期事務局長選の候補者受け付けを締め切り 候補者8人

  【ロンドン=板東和正】世界貿易機関(WTO・本部ジュネーブ)は8日、次期事務局長選の候補者受け付けを締め切り、8候補が届け出を済ませた。WTOの歴代の事務局長に女性はいないが、今回の候補者のうち3人が女性となった。初の女性事務局長を期待する声も上がっており、各国間の折衝が本格化しそうだ。
  候補者は、女性は韓国産業通商資源省の兪明希(ユ・ミョンヒ)通商交渉本部長▽ナイジェリアのオコンジョイウェアラ元財務相▽ケニアのスポーツ・文化・遺産相のモハメド氏の3人。男性はメキシコのセアデ元WTO事務次長▽エジプトの元WTO高官のマムドゥ氏▽モルドバのウリヤノブスキ元外相▽サウジアラビアのトワイジリ元経済・企画相▽英国のフォックス前国際貿易相の5人。
  候補者は15~17日の一般理事会で、加盟国を前に演説や質疑応答を行う。加盟国の協議を経て絞り込まれていき、最終的に残った1人が、一般理事会で加盟国に承認される見通し。ロイター通信によると、選出には通常9カ月を要するが、WTOは3カ月で行いたいと考えているという。
  WTO事務局長の選出は合意形成を重視するため、投票は原則、行われない。
  8月末での辞任を表明したブラジル人のアゼベド事務局長は、中南米から初選出。今回はアフリカなどの発展途上国出身者が選出されるとの見方もある。
  一方、立候補した兪氏は昨年9月、ソウルでの記者会見で、日本による半導体材料の輸出管理厳格化をめぐって、日本をWTOに提訴すると発表した人物。韓国出身の事務局長が誕生した場合、日本の通商政策にとって不安要素になりかねないとみられている。

  WTOは裁判の「最終審」に当たる上級委員会が米国の反対で任期が切れた委員の補充ができなくなり、昨年12月に機能が停止。紛争処理機能が1995年の設立以来初めてまひし、保護主義的な動きに拍車がかかるとの警戒感が広がっている。次期事務局長選は新たな通商政策の主導権をめぐる争いに発展する可能性もあり、今後の選出が注目されている。


2020.7.8-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200708/k10012503721000.html
アメリカ 1年後のWHO脱退を正式通知

  新型コロナウイルスの感染が拡大する中、アメリカのトランプ政権はWHO=世界保健機関に対し、脱退を正式に通知しました。
一方、野党・民主党のバイデン前副大統領は、11月の大統領選挙で政権を奪還すれば脱退を即座に撤回する考えを示しました。
  トランプ政権は、WHOからの脱退を、国連のグテーレス事務総長に6日、正式に通知し、1年後の来年7月6日に脱退すると表明しました。
  WHOをめぐってトランプ大統領は、中国で新型コロナウイルスの感染が広がっていたことを示す情報を当初、世界に共有しなかったと主張してきたほか、「WHOは中国に完全に支配されている」と批判を繰り返してきました。
  国連は通知を受け取ったことを認めたうえで、「アメリカが最終的にWHOを脱退するためのすべての条件を満たしているか、検証しているところだ」としています。またWHOのヤシャレビチ報道官はNHKの取材に対して、「アメリカが脱退を正式に通知したと報告を受けたが、今の段階でそれ以上の情報はない」としています。
  国連によりますと、脱退が来年7月6日となるのは、アメリカがWHOに加盟した当時、正式な通知から1年後に脱退できるという条件のもとで加盟したためだということです。
  一方、11月のアメリカ大統領選挙で大統領の座を争う野党・民主党のバイデン前副大統領は7日、ツイッターに「大統領としての初日にWHOに戻る」と投稿し、政権を奪還すれば、来年1月に大統領に就任してすぐ、脱退を撤回する考えを示しました。
  このためアメリカがWHOから実際に脱退するかどうかは、大統領選挙の結果に左右されることになります。
  世界で新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、WHOの最大の資金拠出国であるアメリカが正式に脱退を通知したことで、感染の抑え込みに向けた国際的な協力に影響が出ることが懸念されています。
菅官房長官「引き続きアメリカとも連携」
  菅官房長官は、午前の記者会見で、「アメリカによる通知は承知している。ただ、実際のアメリカの脱退は、通知から1年後だと理解している。いずれにしろ、今後の見通しなどについて予断を持ってコメントすることは差し控えたい」と述べました。
  そのうえで、「アメリカは、国際保健分野で今後も国際社会と協力していく旨を表明している。わが国としては、新型コロナウイルス対策などで引き続きアメリカともしっかり連携していきたい」と述べました。
  また、「今回のような、世界に甚大な影響を与える感染症に対しては、国際社会が一致して対応すべきであり、専門的知見を有するWHOが適切に機能することが重要だ。今後、同様の事態に備えるためにも、WHOの機能については、事態の収束後、速やかに、公平で独立した包括的な検証を行っていきたい」と述べました。


2020.6.30-JIJI COM-https://www.jiji.com/jc/article?k=2020063000199&g=int
米、日本支持を鮮明に 日韓紛争「WTOにそぐわず」

  【ロンドン時事】日本政府による半導体材料の輸出管理強化をめぐり、韓国が世界貿易機関(WTO)に提訴した貿易紛争で、米国は29日のWTO会合で日本への支持を鮮明にした。米国は「日本の措置が安全保障を考慮している限り、この問題のWTOによる裁定は不適切だ」と、日本側の主張に沿った意見を表明した。
  韓国は会合で日本の措置を政治的動機に基づく貿易制限だ」として、一審に当たる紛争処理小委員会パネル)の設置を求めた。これに対し日本は「軍事転用されないように適切に管理するのが目的」と述べ、設置に反対した。
  WTOのルールでは、関税貿易一般協定(GATT)21条で安全保障に関わる輸出管理が例外として認められている。
  関係筋によると、米国はWTOとは別の場で問題を解決するよう日韓両国に要請。「それが不可能な場合は、WTO事務局長か第三国による調停を模索すべきだ」と訴え、パネル設置に否定的な見解を示した。
  今回は日韓がそれぞれの立場を説明するにとどまり、7月29日の次回会合でパネル設置が再び議論される。パネルは全加盟国・地域が反対しなければ設置されるため、韓国が提訴を取り下げない限りは設置される見通しだ。


2020.6.20-ZaqZaq夕刊フジ-https://www.zakzak.co.jp/soc/news/200620/for2006200004-n1.html
中国のコロナ初動に「怠慢」 緊急事態宣言時のWHO緊急委員が批判 

  【ロンドン=板東和正】新型コロナウイルスの感染拡大で、世界保健機関(WHO)が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言する判断に、WHO緊急委員会メンバーとして関わったジョン・マッケンジー氏が19日までに、電子メールなどによる産経新聞の取材に応じ、中国の初動対応について、約半月間に渡り新たな症例数をWHOに報告しなかったなどの問題点を挙げ、「怠慢」があったとの見解を示した。
   WHOのテドロス事務局長は中国の対応を評価するが、内部では疑問を抱かれていたことが明らかになった。マッケンジー氏は感染症の専門家で、オーストラリアのカーティン大学名誉教授。WHOが緊急事態の宣言を見送った1月22~23日と、宣言を行った同月30日の緊急委員会でメンバーを務めた
   中国は昨年12月31日、湖北省武漢市で原因不明の肺炎が発生していることをWHOに報告・公表。マッケンジー氏は「迅速」と評価した。だが、翌日の今年1月1日に肺炎の症例数が報告された後、17日まで更新されなかったといい、「追加情報が出てこず、心配していた」と強調した。この間に新たな症例が出ていたことは現時点で確認できているとも加えた。
   マッケンジー氏は症例数の追加情報がなかったことについて、中国国内が「相当混乱していた」ことが要因と推察し「中国が隠蔽していたとは思わない」とした。だが「流行の初期段階は伝染状況の把握や診断薬の早期開発などのために非常に重要」で、「(当時)定期的にWHOに情報を報告しなかったのは中国の怠慢」と批判した。
   中国側が1月20日に明らかにした「人から人の感染」の確認については「かなり以前から比較的に明確になっていた」との見解を示し、「中国がそれまで『人から人』の感染を示す証拠はほとんどないと主張し続けたことに少し驚いた」と表明した。


2020.5.18-dmenu ニュース-https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/sankei/world/sankei-wor2005180021
中国主席、コロナ対応で20億ドル拠出表明 WHO総会 台湾参加議論は見送り

  【ロンドン=板東和正】世界保健機関(WHO、本部・ジュネーブ)の年次総会が18日、テレビ会議方式で開幕した。中国の習近平国家主席は演説で、新型コロナウイルス対応のために今後2年間で20億ドル(約2100億円)を拠出すると表明した。中国の国際的な支援を強調し、新型コロナ感染拡大をめぐる責任論をかわす狙いがありそうだ。一方、中国が反対する台湾の総会参加をめぐる議論は見送られた。
   新型コロナの感染拡大後初めての総会で、19日までの日程。「中国寄り」と批判されるWHOの対応の検証などの議論が焦点となるが、発生源などをめぐり米国と中国が激しく対立する中、各国が一致した姿勢を示せるかは不透明だ。
   米国が年間4億〜5億ドルのWHOへの資金拠出停止を表明する中、習氏は「中国は国際社会にWHOへの財政的支援を強化することを求める」とも述べた。
   台湾の総会へのオブザーバー参加については、台湾と外交関係を持つ国などが提案していたが、審議は棚上げされ、年内に再開予定の総会で検討することにした。WHOは台湾参加について加盟国が決めることだ」との見解を示している。
   台湾の呉燮(ご・しょうしょう)外交部長(外相に相当)は18日、総会前に台北で記者会見し、総会参加に必要な招待状が届いていないとして今回の総会参加がほぼ不可能になったとの認識を表明した。
   WHOの対応検証をめぐっては、欧州連合(EU)や日本が独立した検証を提起する方針。米国やオーストラリアなどとも連携して検証の実現を働きかける見通しだ。


2020.5.18-LiveDoorニュース(時事通信社)-https://news.livedoor.com/article/detail/18277861/
WHO総会、米中対立が先鋭化=台湾不参加、習主席発言へ―コロナ対応検証も焦点

  【ベルリン、台北、北京時事】世界保健機関(WHO)の年次総会が18日、2日間の日程でオンライン会議方式で開幕した。
  台湾のオブザーバー参加や新型コロナウイルスの初動対応が焦点だが、台湾は開幕直前、WHOから招待されなかったため参加できないと表明。参加を後押ししてきた米国と、強く反対してきた中国の対立は不可避だ。
  台湾の呉※(※金ヘンにリットウ)燮外交部長(外相)は、「WHOは中国の圧力に屈服した」と指摘し、中国の意向が働いたと批判。台湾政府はWHOに抗議文を送る方針だ。中国外務省によると、習近平国家主席は総会で発言する予定で、台湾の参加や新型コロナ対応に関し、中国の立場を強調する見通しだ。


2020.5.17-朝日新聞 DIGITAL-https://www.asahi.com/articles/ASN5H6DGPN56UHBI00M.html
コロナ対策で実績 それでも台湾に届かぬWHOの招待状

  新型コロナウイルス対策で成果を上げた台湾が、18日から始まる世界保健機関(WHO)総会へのオブザーバー参加を国際世論に訴えている。しかし、総会からの排除の背景にある中国との対立は解ける兆しがない。世界が未曽有の危機に直面するさなか、国際対応の要となるWHOの活動になお政治が影を落としている。
  米誌タイムの電子版に先月、蔡英文(ツァイインウェン)総統の寄稿が掲載された。WHO総会への参加実現に向け、台湾はその後も国際社会へのアピールを強めるが、外交部によると15日時点で招待状は届いていないという。
  台湾は検疫強化やマスクの増産など、独自の新型コロナ対策を展開。15日現在で感染者を計440人、死者7人に抑え込み、その取り組みは世界からも注目されている。蔡氏は寄稿で実績を強調し、「我々は世界と協力できる」と訴えた。
  中国との政治対立を背景にWHOから排除されてきた台湾の扱いは、2002~03年の新型肺炎SARSの流行時も課題となった。
  台湾で患者が確認されてもWHOはすぐに専門家を派遣しなかった。孤立した台湾は、米国の疾病対策センター(CDC)を通じようやく治療に必要な情報やウイルスのサンプルを入手した。しかし、計37人が犠牲となった当時の混乱は台湾のトラウマとなった。
  中台関係が良好だった09年に総会へのオブザーバー参加が認められたが、蔡政権の発足で中台関係が悪化すると、中国の意向で17年に取り消された
  SARSの教訓を踏まえた新型コロナ対策が脚光を集める今、台湾はWHO復帰をアピールする大きな機会ととらえている。蔡氏は4月、増産に成功したマスクを医療物資が不足する国々へ提供すると表明。日米や欧州、東南アジアなどに計2400万枚を配った。
  各国も台湾支持の動きを示すポンペオ米国務長官は6日、台湾の総会参加に支持を表明。カナダやニュージーランド政府も賛意を示した。安倍晋三首相も先月の参院予算委員会で「政治性を無くすことが本来のWHOだ」と発言した。(台北=西本秀)


2020.5.16-TBS NEWS-https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3980805.html
WHO、「川崎病」と「新型コロナ」の関連 現時点では不明

  世界各国で「川崎病」に類似した症状を訴えた子どもが新型コロナウイルスに感染していたことが多数確認されている問題で、WHO=世界保健機関は現時点で関連性は不明だとし、医療関係者に情報提供を求めました。
  WHOのテドロス事務局長は15日の会見で、この数週間、ヨーロッパやアメリカから「川崎病」に似た症状を発症した子どもが新型コロナウイルスにも感染しているとの報告が寄せられているとし、状況を把握するため各国の医療関係者にさらなる情報提供を呼びかけました。
  また、WHOの技術責任者、マリア・バンケルコフ氏は「とても珍しい事例だ」と指摘。その上で、「川崎病に似た症状を発症した子ども全てが新型コロナウイルスに感染しているわけではなく、現時点で2つの病気に関連性があるかどうかは分からないと述べました。


2020.5.15-日本経済新聞-https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59134790V10C20A5000000/
WTO事務局長、8月辞任へ 機能不全で苦しい立場に

  【ジュネーブ=細川倫太郎】世界貿易機関(WTO)のアゼベド事務局長は14日、任期満了を待たずに8月末で辞任すると表明した。米中貿易摩擦などを背景に近年、WTOは機能不全に陥っているとの批判が高まっており、アゼベド氏は苦しい立場に追い込まれていた。トップ辞任を受け加盟国は早急に後任選びに着手する必要がある。
  アゼベド氏は同日、加盟国とのテレビ会議で「個人的な決断だ。WTOの最善の利益につながると確信している」と述べた。ブラジル出身の同氏は2013年9月に中南米から初めて事務局長に就任。17年9月から2期目に入り、21年8月末まで任期があった。
  新型コロナウイルスの感染拡大で、20年6月に予定されていた閣僚会合は21年の半ばか年末に延期された。アゼベド氏は閣僚会合の準備と次の事務局長の選考プロセスが重なるのは良くないと判断し、決断に至ったと説明した。
  「自由貿易の番人とよばれたWTOは、円滑な貿易ルールの制定や、国どうしの貿易紛争の解決など重要な役割を担う。しかしトランプ米大統領はWTOの貿易紛争の処理機能に不満を募らせ、特に中国が途上国として扱われ貿易の優遇策を受けていることを批判してきた。
  米国がWTOの最高裁に相当する上級委員会のメンバーの補充を拒否。19年末以降、重要な柱である紛争処理機能が停止する混乱が続いていた。
  トランプ氏は20年1月の世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)で、WTO改革について「非常に劇的なことを実行する」と強調した。しかしその後も先進国と途上国との意見の違いなどから具体策は見いだせていない。世界的に新型コロナが広がってからは、WTOの活動自体が止まっている。


2020.5.7-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/200507/wor2005070005-n1.html
米、WHO事務局長に台湾の総会参加を要望 ポンペオ国務長官

   【ワシントン=黒瀬悦成】ポンペオ米国務長官は6日の記者会見で、18日から開かれる世界保健機関(WHO)総会に台湾をオブザーバーとして招待するよう、WHOのテドロス事務局長に要望すると述べた。ポンペオ氏はまた、欧州を含む全ての国に対し、台湾がWHOや他の国連関連会合に参加できるよう支援を要請した。
   WHOの法務担当者は4日、ジュネーブでの記者会見で、WHO総会への台湾の参加の可否は「加盟国が決めることで、WHO事務局に決定権限はない」としているが、ポンペオ氏は会見で「WHO事務局長には(台湾のオブザーバー参加を許可する)権限がある。歴代の事務局長は複数回にわたり参加を認めてきた」と反論した。


2020.4.18-フオーカス台湾-http://japan.cna.com.tw/news/apol/202004180003.aspx
トランプ氏「台湾の警告を無視」とWHO批判 外交部が謝意表明

(台北中央社)トランプ米大統領が現地時間17日、ツイッターを更新し、世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルスに関する台湾の警告を無視したことに言及した。台湾の外交部(外務省)は18日、米政府はこれまで複数回にわたり台湾支持の姿勢を公言しているとして、感謝を表明した。
  台湾は昨年、中国・武漢で呼吸器系の感染症が発生しているとの情報に基づき、保健当局を通じて同12月31日、WHOの連絡窓口に電子メールで通報したが、関連の情報は各国と共有されなかった。その後WHOは、メールには「人から人に感染する」という文言はなかったと主張。台湾の中央感染症指揮センターはこれを受け、重症急性呼吸器症候群(SARS)を疑わせる症状があることや患者が隔離治療を受けていることを明記したメールを先ごろ公開した。
  トランプ氏のツイートは、専門家の発言を引用したもの。WHOはなぜ、台湾側のメールを無視したのかと疑問を呈した上でさらに、「なぜ世界でコロナウイルスが広がっている1月や2月、ウイルスに関する不正確または誤解を招く主張をしたのか」「なぜ断固とした行動を取るのを待ち続けたのか」など、WHOの対応を批判する内容となっている。
  外交部の欧江安報道官は、新型コロナウイルスに対抗するための連携強化を目的に今年3月に出された「台湾米国防疫パートナー関係共同声明」や既存の協力システムの枠組みの下で、引き続き米国と手を取り合って防疫対策に取り組み、双方の人民と全人類の健康、安全を守りたいと期待を示した。
(陳韻聿/編集:塚越西穂)


2020.4.16-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200415/k10012389201000.html
トランプ大統領”WHOへの資金拠出 停止” 米中対立深まる

  アメリカのトランプ大統領は、新型コロナウイルスへの対応をめぐり、中国寄りだと批判してきたWHO=世界保健機関に対する資金の拠出を一時的に停止する考えを明らかにしました。これに対して、中国政府は、WHOを擁護する立場を強調し、感染症への対策で国際協力が求められる中、米中の対立が一層深まっています。
  トランプ大統領は14日の記者会見で、WHOの新型コロナウイルスへの対応を検証し、その間、WHOに対する資金の拠出を一時的に停止する考えを明らかにしました。
  その理由として、去年12月の時点で、中国の武漢からの情報でヒトからヒトへの感染を疑うべき情報があったのに、WHOは調査しなかったなどとして、「基本的な義務を怠り、その責任を負わなければならない。WHOの過ちによって多くの人たちが死亡した」と述べ、強く批判しました。
  一方、中国外務省の趙立堅報道官は15日の記者会見で、アメリカの対応を批判したうえで、「中国は、これまでどおりWHOを支持し、世界的なウイルス対策で重要な役割を担っていく」と述べ、WHOを擁護する立場を強調しました。
  WHOをめぐっては、台湾も去年12月の段階で、中国でヒトからヒトへの感染が疑われる事案が起きているとWHOに警告していたとしていて、台湾外交部の幹部は15日の記者会見で、「WHOは、専門的かつ中立な立場を堅持すべきだ」と批判しています。
  WHOは、これまでのところ、アメリカに対する反応を示していませんが、国連のグテーレス事務総長は「今はWHOへの資金を減らすときではない」とする声明を発表し、トランプ大統領に協力を呼びかけました。
  世界全体では12万人を超える人が亡くなり、感染の拡大が続いていますが、国際協力が求められる中、WHOをめぐって米中の対立が一層深まっています。
WHO予算 分担金と任意の拠出金
  WHOの予算は、各国が経済規模などに応じて義務づけられる「分担金」と、独自に資金を提供する「任意の拠出金」に分けられます。
  厚生労働省によりますと、このうち分担金の割合は2020年からの3年間でアメリカが最も多く22%、次いで中国がおよそ12%、3位が日本でおよそ8.5%となっています。
  しかし、分担金がWHOの予算全体に占める割合はそれほど多くなく、WHOの報告書によりますと、2018年の分担金の合計はおよそ5億ドルだったのに対し、加盟国や民間団体による任意の拠出金の合計は、22億4300万ドルとなっています。
  そして、任意の拠出金については、2018年にアメリカが2億8100万ドルと最も多く、全加盟国の拠出額のうち2割余りを占めています。
  日本は8650万ドルを拠出したほか、中国は630万ドル
にとどまっています。
  WHOの主な活動の1つは、世界中の専門家を集めて医療に関わる規範を作成することとされ、2018年の支出に占める人件費の割合は40%余りに上ります。
  また、支出目的が制限されない分担金とは違い、任意の拠出金の場合、多くが特定の分野に対して拠出され、専門家の人件費などにあてられます。
  このためWHOに詳しい関係者は、NHKの取材に対し、最大の拠出国であるアメリカが実際にWHOへの資金の拠出を停止すれば、予算の作成や活動に与える影響は少なくないだろうと指摘しています。
中国外務省報道官「米は職責と義務を果たせ」
  アメリカのトランプ大統領が、WHO=世界保健機関への資金の拠出を停止する考えを明らかにしたことについて、中国外務省の趙立堅報道官は15日の記者会見で、「世界的に新型コロナウイルスの感染が厳しさを増すなか、アメリカの今回の決定は、WHOの力を弱め、国際的なウイルス対策の協力を損なうもので、影響はアメリカを含む世界各国、とりわけ、対応能力がぜい弱な国家に及ぶ。アメリカには、みずからの職責と義務を着実に果たし、WHOが指導する国際的なウイルス対策を支持するよう促す」と述べ、アメリカの対応を批判しました。
  また、趙報道官は「新型コロナウイルスの感染が始まって以来、WHOはテドロス事務局長の指導のもと、積極的に職責を果たし、国際社会の理解と高い称賛を得てきた。中国は、これまでどおりWHOを支持し、世界的なウイルス対策で重要な役割を担っていく」と述べ、WHOの一連の対応を評価し、支持する考えを示しました。
台湾 去年12月にWHOに警告していた
  新型コロナウイルスについて、台湾は去年12月の段階で、中国でヒトからヒトへの感染が疑われる事案が起きているとWHOに警告していたとしています。
  台湾で感染症予防対策を担う疾病管制署は去年12月、中国のSNS上の情報やメディアの報道などから、湖北省武漢で通常とは異なる肺炎の患者が出ていることを把握し、12月31日にWHOの窓口にメールで伝えたということです。
  メールには「中国の武漢で非定型の肺炎が少なくとも7例出ていると報道されている。現地の当局は、SARSとはみられないとしているが、患者は隔離治療を受けている」などと書かれていました。
  台湾側はこのメールで、WHO側に対して関連の情報提供を求めましたが、WHOは「担当者に伝える」と返信しただけで、その後、台湾に連絡はありませんでした。
  台湾からの連絡について、WHOは今月、「ヒトからヒトへの感染についてメールでは触れていなかった」として、警告はなかったとしています。
  これに対し、台湾の陳時中衛生福利部長は「隔離治療がどのような状況で必要となるかは、公共衛生の専門家や医師であれば誰でも分かる。これを警告と呼ばず、何を警告と呼ぶのか。専門家が素人のような話をしている」と述べ、WHOの主張に反論しました。
  台湾をめぐって、WHOのテドロス事務局長は今月8日の記者会見で、3か月前からインターネット上で人種差別的な中傷を受けていると明らかにし、「攻撃は台湾からきた。台湾の外交部は知っていたが、何もせず、むしろ私を批判し始めた」と主張しています。
  これに対し、台湾の蔡英文総統は9日、自身のフェイスブックで抗議し、「台湾は長年、国際組織から排除され、誰よりも差別と孤立の味を分かっている。テドロス事務局長にはぜひ台湾に来てもらい、差別を受けながらも国際社会に貢献しようと取り組む姿を見てほしい」と書き込みました。 
台湾外交部幹部 WHOの対応を批判
  こうした中、台湾の外交部の幹部は15日の記者会見で、WHO=世界保健機関の台湾に対する姿勢について、「WHOはこれまで中国による不当な政治的圧力に抵抗できず、台湾の参加を認めてこなかった。WHOは世界の公共衛生を発展させる国際組織として、専門的かつ中立な立場を堅持すべきだ」と述べて、WHOを批判しました。
台湾は独自対策 抑え込みに効果
  世界各地で新型コロナウイルスの感染が広がる中、ヒトからヒトへの感染を早くから疑っていた台湾は、独自の対策を講じ、感染の抑え込みに効果を挙げています。
  台湾の保健当局は去年12月、湖北省武漢で、原因不明の肺炎にかかった患者が隔離治療を受けているという中国のSNS上の情報やメディアの報道などから、ヒトからヒトへの感染が疑われる事案が起きているとWHOに通知して情報の提供を求めました。
  また、中国の保健当局にも状況を問い合わせましたが、WHOと中国のいずれからも詳しい情報の提供はありませんでした。
  このため去年12月31日以降、武漢から台湾に到着した航空便に検疫官が乗り込み、何らかの症状があれば申し出るよう求める措置を始めました。
  台湾でことし1月、初めて新型コロナウイルスの感染が確認された女性は、到着便で検疫官に体調不良を申告し、感染が明らかになりました。
  台湾の保健当局は、中国側の協力で1月中旬に
湖北省武漢に感染症の専門家2人を派遣して病院を視察したほか、保健当局の関係者と意見交換した結果、ヒトからヒトへの感染が起きていると判断して対策本部の規模を拡大し、1月26日以降は、中国から入ってくる人への制限を徐々に厳しくしていき、ウイルスの流入を防いできました。
  14日は、新たに感染が確認された人がおよそ1か月ぶりに1人もいない状況になるなど、早くから行ってきた対策が感染の抑え込みに効果を挙げています。
中国 台湾を認めない立場
  中国政府は、台湾は中国の一部だという立場からWHOをはじめ、国際機関への台湾の参加を認めていません
  例外的に、中国との関係を重視する国民党の馬英九政権の時には、WHOとICAO=国際民間航空機関にオブザーバーなどとしての参加を認めていました。このうち、WHOへのオブザーバー参加は2009年から2016年まで認めていましたが、中国が独立志向が強いとみなす民進党の蔡英文総統になってからは、2017年以降、認めなくなっています。
  2003年にSARSが流行した際には、感染症対策は世界共通の問題のため、台湾のWHOへのオブザーバー参加を認めるべきだなどという意見が日本を含め世界各国に広がりました。
  台湾で当時、SARSの対応にあたった陳建仁副総統は、メディアの取材に対し、「ウイルス検査を行うため、WHOからSARSのウイルスのサンプルの提供などをしてもらいたかったが、相手にしてもらえなかった。その後、ある病院で院内感染が起き、WHOの担当者が派遣されたが、すでに多くの人が亡くなっていた」と述べ、WHOに加盟していないことで情報が得られず、SARSの封じ込めに苦しんだと訴えています。
SARS当時の中国とWHO
  2003年にSARSが流行した際、中国政府は、すでに広東省で原因不明の肺炎が広がっているという情報が一部で出回っていたにもかかわらず、WHOからの情報提供や現地調査の要請に対応せず、4月までの数か月間、感染状況を隠し続け、これが世界的な流行につながったと批判されました。
  当時、WHOの北京事務所は、独自に何度も記者会見を開くなど中国政府と一線を引いた対応に徹していましたが、今回の新型コロナウイルスではメディアへの対応をほとんど行っていません。
最近のWHOの中国接近
  最近、中国政府は国際機関の責任者に、中国政府の高官や中国の立場に理解を示す人物が就任するよう働きかけを強めていて、WHOのマーガレット・チャン前事務局長や、今のテドロス事務局長が選出された背景にも中国政府の働きかけがあったと指摘されています。
  また、習近平国家主席は、2017年1月にスイス・ジュネーブのWHO本部を訪問しているほか、中国で新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化しつつあった、ことし1月28日には、テドロス事務局長を北京に招いて会談を行っています。
  北京での会談について、国営の中国中央テレビは、テドロス事務局長が「新型コロナウイルスへの中国政府の効果的な対策は尊敬に値し、情報公開は透明性がある。中国の国民だけでなく、世界の国民をも守っており、WHOはこれに心から感謝する」などと称賛したと伝え、中国政府への国民の不満を抑えるためにWHOを利用するねらいもあったとみられています。
専門家 「中国の一貫した戦術のあらわれ」
元外交官で、キヤノングローバル戦略研究所の宮家邦彦研究主幹は、トランプ大統領がWHOを「中国寄りだ」と批判し、資金の拠出を停止するとした背景について、中国が国際社会での影響力拡大を目指す中、「国際機関のトップを取るという中国の一貫した戦術のあらわれがある」と指摘しました。
  また、新型コロナウイルスに対するWHOのこれまでの対応について、「WHOの事務局長が若干、中国に対して配慮が多いなということは多くの方が感じていると思う。節目節目での発言を見ていると、必ずしも公平でなかった部分があるかもしれず、その点が批判されている」と指摘しました。
  ただ、トランプ大統領による表明については、「大統領選挙を意識したパフォーマンスだ」として、アメリカ国内の感染拡大に歯止めがかからない中、批判を避けるねらいがあるとする一方、WHOについても、「感染拡大が収束したあとは、WHOとしてもどのような情報をどう判断して発表したかなど、しっかりと検証し直す必要がある」と述べました。
  また、今後の日本の対応については、「WHOは、中立な立場から情報提供や情報集約を行い、各国に連絡するという非常に重要な役割があるので、日本は引き続き支援しなければならないし、そこから利益も得なければならない」と述べ、WHOを通じた国際的な協力は継続すべきだと強調しました。
イラン外相は強く非難
  トランプ大統領がWHOへの資金の拠出を停止する考えを明らかにしたことについて、アメリカから経済制裁を受けているイランのザリーフ外相は、ツイッターに「世界はいま、これまでイランが経験してきたことを学んでいる。アメリカ政権によるいじめや脅しは、単に中毒になってやっているだけではなく、人の命を奪うものだ」と投稿し、強く非難しました。
  そのうえで、「イランに対する『最大限の圧力』と同様、パンデミックのさなかでのWHOに対する資金拠出停止は汚名を残すことになるだろう」として、イランに対する経済制裁とともにアメリカの今回の決定を批判しました。


2019.7.27-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/economy/news/190727/ecn1907270007-n1.html
中国・韓国など途上国優遇停止も WTO改革加速を 米大統領が命令

【ワシントン=塩原永久】トランプ米大統領は26日、中国などが世界貿易機関(WTO)に「発展途上国」と申告し、優遇措置を受けているのは不当だとして、WTOの制度改革を加速させるよう米通商代表部(USTR)に命令した。90日以内に制度見直しの進展がなければ、米国が一方的に対象国の優遇を取りやめるといい、改革に消極的な加盟国に圧力をかけた。
 トランプ氏は同日、ツイッターで「もっとも裕福な国が途上国だと主張し、ルールを逃れて優遇されている。そんなことは終わりだ!」と述べた。 トランプ氏は大統領令でUSTRに指示した。大統領令は中国のほか韓国やメキシコ、シンガポールなどを名指しし、途上国との位置づけが不公正だと指摘。USTRが制度を改めさせるため「利用可能なすべての手段」を活用するよう指示している。
 90日後となる10月下旬までに改革が進まない場合、USTRが不適切とみなす国の途上国扱いを取りやめる。優遇打ち切りなどを検討する可能性がある。
 WTOの制度上、途上国と自己申告した国は、先進国から関税免除などの優遇を受けられるほか、貿易自由化の義務も免除される。全会一致を原則とするWTOで、米政府は見直しを提案しているが、中国が反対して議論が進んでおらず、トランプ政権は期限を区切って改革を促した格好だ。30日から再開する閣僚級貿易協議を前に中国に圧力をかける狙いもありそうだ。


世界貿易機関
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

世界貿易機関(略称:WTO)は、自由貿易促進を主たる目的として創設された国際機関である。常設事務局がスイスのジュネーブに置かれている。

GATT(ガット)ウルグアイ・ラウンドにおける合意によって、世界貿易機関を設立するマラケシュ協定(WTO設立協定)に基づいて1995年1月1日にGATTを発展解消させて成立した。
本来GATTは、第二次世界大戦後の安定を見据え、国際通貨基金および国際復興開発銀行とともに設立が予定されていた国際貿易機関(ITO)の設立準備の際に、暫定協定として結ばれたものであった。国際貿易機関の設立が廃案となり、GATTがその代替として発展強化されていくうちに、再びこの分野の常設機関が求められ、WTOが設立されることとなった。発展解消であるため、GATTの事務局及び事務局長もWTOへと引き継がれることとなった
WTOはGATTを継承したものであるが、GATTが協定(Agreement)の締約国団(CONTRACTING PARTIES)に留まったのに対し、WTOは機関(Organization)であるのが根本的な違いである。
  ・自由(関税の低減、数量制限の原則禁止)
  ・無差別(最恵国待遇内国民待遇
  ・多角的通商体制
を基本原則としている。また、物品貿易だけでなく金融情報通信知的財産権やサービス貿易も含めた包括的な国際通商ルールを協議する場である。
紛争処理手続きにおいては、①パネルの設置②パネル報告及び上級委員会の報告の採択③対抗措置の承認については、全加盟国による反対がなければ提案されたものが、採択されるというネガティブ・コンセンサス方式(逆コンセンサス方式)を採用した強力な紛争処理能力を持つ。これは国際組織としては稀な例であり、コンセンサス方式を採っていたGATTとの大きな違いで、WTOの特徴の一つといえる。

新多角的貿易交渉(新ラウンド)は、2001年11月にカタールドーハで行われた第4回WTO閣僚会議で開始を決定し、ドーハ・ラウンドと呼ばれていた。2002年2月1日の貿易交渉委員会で新ラウンドがスタートした。しかし9年に及ぶ交渉は先進国と、急速に台頭してきたBRICsなど新興国との対立によって中断と再開を繰り返した末、ジュネーブで行われた第8回WTO閣僚会議(2011年12月17日)で「交渉を継続していくことを確認するものの、近い将来の妥結を断念する」(議長総括)となり事実上停止状態になり、部分合意等の可能な成果を積み上げる「新たなアプローチ」の採用が合意[5]された。
その後、2013年のバリ島における第9回閣僚会議で、貿易円滑化協定を含む、貿易円滑化・農業・開発の3分野からなる「バリ合意」が成立し、2014年7月まで貿易円滑化協定をWTO協定に加える(附属書1Aに追加)するための文書を一般理事会で採択すべきとされた[6]。しかしインドが合意を蒸し返す状態で反対したため期限までに採択できなかった[7]。その後食糧備蓄への補助金の問題で先進国側が譲歩することでようやくインドが合意し、2014年11月27日の一般理事会で貿易円滑化協定が採択された[7]。WTO加盟国の3分の2が改正を受諾した日に発効することになっており、2017年2月22日にこの要件を満たし、協定が発効した。

略称
世界貿易機関の略称はWTO(World Trade Organization)であるが、ワルシャワ条約機構の略称もWTOであった(Warsaw Treaty Organization)[8](ワルシャワ条約機構は1991年に解散)。また、世界観光機関World Tourism Organization。日本を含む157国が加盟)も略称をWTOとしていた。
そのため、ウルグアイラウンド交渉においてサービス貿易(観光が含まれる)についても扱うことになったため、世界観光機関との混同をさけるために、多角的貿易機構(Multilateral Trade Organization)と呼ばれていた。しかし交渉が実質的合意がされた1993年12月15日に米国の要求によりその名称を世界貿易機関(World Trade Organization)とすることになった
世界観光機関との混同のおそれについては、サービス分野の観光関連については、WTOの略称の使用を避ける等により問題が生じないとされた。なお、世界貿易機関が他の組織に対して区別する必要があるときはWTO-OMCと表記することとされ(OMCは世界貿易機関のフランス語表記「L'Organisation mondiale du commerce」の略称)、また一方世界貿易機関との混同を避けるため、ワルシャワ条約機構の場合は専らWPO(「Treaty:条約」を「Pact:協定」に置換え)という略称が使用された。また、世界観光機関も2003年に国際連合 (UN) の専門機関となった後はUNWTOという略称を使用している。

加盟国・地域
原加盟国(欧州連合及び地域を含む。以下の記述における加盟国には、すべて加盟している関税同盟及び地域を含むものであり、本来は表題と同じく、すべて加盟国・地域と記述すべきであるが、煩瑣をさけるために加盟国と表記する。)の数は128(内77か国がWTOの発足時の加盟国)。現在の加盟国数は164。WTO設立後の加盟国の日付は加盟年月日。また、現在加入申請中の国は22ある。
以下の記述における加盟国の名称は外務省ウェブサイトの表記に準拠した。

最近の加盟国は、163番目の加盟国のリベリアと164番目の加盟国のアフガニスタンである。リベリアは2015年12月16日に[34]WTO閣僚会議で加盟が承認された。2016年6月14日に国内手続きが終了した旨の受諾書がWTOに提出され、7月14日に正式加盟国になった。。 アフガニスタンは2015年12月17日にWTO閣僚会議で加盟が承認された。2016年6月29日に国内手続きが終了した旨の受諾書がWTOに提出され、7月29日に正式加盟国になった

WTOに長年加盟しなかったロシアは「最後の大国」と呼ばれ、1993年の加盟申請(この時点ではWTOの前身であるGATTへの加盟申請)の後、難航していた米国との二国間交渉が妥結したものの、天然ガスの価格問題等の近隣諸国との軋轢や、米国議会で2007年以降民主党が多数派になったこと、更に、ウクライナが2008年5月16日にWTOに加盟したため、ウクライナとの二国間交渉が必要となったこと、2008年以降の経済状況の変化でロシアがそれまでの加盟合意の一部見直しを主張するなど、加盟交渉合意の目処がたたない状況が続いたが、2010年に入り、二国間交渉が大筋合意した。2011年10月にはロシアと領土問題を抱えるジョージアがスイスによる仲介案を受け入れ障壁がなくなり、2011年12月16日に閣僚会議で加盟が承認された。その後、ロシア国内での手続が2012年7月に終了し、2012年8月22日に正式加盟が実現した









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