わいせつ-2019年
わいせつ
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わいせつ(猥褻)は、社会通念に照らして性的に逸脱した状態のことをさす。
日本においては
刑法第2編第22章の「わいせつ、強制性交等及び重婚の罪」(
刑法174条~
刑法184条)において規定されている。ただ、今日、
公然わいせつ罪(
刑法174条)等については
性的感情に対する罪(社会的法益に対する罪)に分類されるのに対して、
強制わいせつ罪等(
刑法176条)については
性的自由に対する罪(
個人的法益に対する罪)に分類されるのであり両者では法的性格が異なるものと解されている。
したがって、通説は性的感情に対する罪における「わいせつ」概念と性的自由に対する罪における「わいせつ」概念は両者の保護法益の観点からその理解を異にする。この点を説明する例示としてキスをする行為が挙げられることがある。強制的にキスをする行為は
刑法176条にいう「わいせつな行為」として強制わいせつ罪を構成しうるが、夫婦が公衆の面前においてキスをする行為は
刑法174条にいう「わいせつな行為」として公然わいせつ罪を構成するわけではない。
刑法においてわいせつな行為とわいせつ物(行為の模倣)とが厳しく区別されずに扱われていることに対する批判もある(
丸谷才一編『四畳半襖の下張裁判・全記録』
朝日新聞社、
1976年)。
刑法においては、従来は「猥褻」と表記されていたが、
1995年(
平成7年)の刑法の口語化改正により「わいせつ」と表記が改められた。
強制わいせつ罪 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
強制わいせつ罪(
刑法176条)については性的自由に対する罪(
個人的法益に対する罪に分類される)として位置づけられ
[1][2]、
強制性交等罪と罪質の多くを
共有する。強制性交等罪と異なるのは、強制わいせつ罪の行為が「わいせつな行為」である一方で、強制性交等罪は「
性交、
肛門性交又は
口腔性交
(「性交等」)」であることである
[3]。
罪数を観念するとき、
法条競合の特別関係にあたり、性交等の行為に該当すれば、強制わいせつは評価されず、強制性交等罪のみで評価されることから、
強制性交等罪は強制わいせつ罪の特別法の関係にあるともいえる
[要出典]。
刑法第176条の「わいせつ」について、判例は「徒に性欲を興奮または刺激せしめ、且つ普通人の正常な性的
羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反すること」
とされる(名古屋高裁金沢支判昭和36年5月2日下刑集3巻5=6号399頁)。ただし、本罪の罪質は性的自由に対する罪であるので、性的感情の罪として分類
される公然わいせつ罪等でいう「わいせつ」概念とはその内容の点においては異なるとみるのが通説である
[4]。下級審にはキスをする行為について強制
わいせつ罪の成否が問題となった事例において「すべて反風俗的のものとし刑法にいわゆる猥褻の観念を以て律すべきでないのは所論のとおりであるが、
それが行われたときの当事者の意思感情、行動環境等によつて、それが一般の風俗道徳的感情に反するような場合には、猥褻な行為と認められる
こともあり得る」とした判例がある(東京高決昭和32年1月22日高刑集10巻1号10頁)。
強制わいせつ罪
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6ヶ月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、
同様とする(刑法第176条)。未遂はこれを罰する(刑法第180条)。
準強制わいせつ罪
人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例による(刑法第178条1項)。
未遂はこれを罰する(刑法第180条)。
監護者わいせつ罪
18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第176条の例による(刑法第179条1項)。
未遂はこれを罰する(刑法第180条)。
2017年(平成29年)
7月13日施行改正刑法により新設。立法趣旨については「
強制性交等罪」を参照のこと。
強制わいせつ致死傷罪、準強制わいせつ致死傷罪、監護者わいせつ致死傷罪
強制わいせつ罪、準強制わいせつ罪若しくは監護者わいせつ罪又はそれらの未遂罪を犯し、よって人を死傷させる罪で、強制わいせつ罪の
結果的加重犯
である(刑法第181条1項)。法定刑は無期又は3年以上の懲役である。
