宇宙-1


2024.02.17-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240217-YIFMQH7O5NN43BX4LMHSDWT45Q/
初号機と2号機の「違い」 H3ロケット打ち上げ成功へと導いたものは何か
(伊藤壽一郎)

  初号機の打ち上げが失敗した日本の次世代主力ロケット「H3」が、2号機で見事に打ち上げに成功した。H2Aなど、これまでの国主導の宇宙開発が主目的のロケットと異なり、民間企業による使いやすさを打ち出し宇宙ビジネス市場での存在感発揮を目指したH3は、どうやって初号機の失敗を乗り越えたのか

過去と異なる設計思想
  「初号機で失ったものを少しでも挽回したいという思いに突き動かされて毎日を過ごした」
  17日午後、2号機の打ち上げを成功させたH3の責任者、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の岡田匡史プロジェクトマネージャは、産経新聞の取材に、こう語った。昨年3月の初号機打ち上げ失敗からの1年は、まさに「失ったもの」を取り戻す期間だった。
  これまでの日本の主力ロケットH2AやH2Bは、政府系の衛星や国際宇宙ステーション(ISS)への物資輸送機の打ち上げなど、主に国主導の宇宙開発に利用されてきた。だがH3の標的は民間企業で、顧客ニーズに合わせ、満足度の高いロケットを目指した。
  H2Aの1回の打ち上げ費用は、欧米より高額な約100億円で、価格競争力が低い。一方、H3はコスト削減を徹底。専用開発だった電子部品の約9割に自動車用を転用するなどして、約50億円に半減させた。
  組み立て作業も、ライン生産の強化のほか、3Dプリンターや産業用ロボットの導入で、1カ月から半月に短縮。受注から打ち上げまでも、2年から1年に縮めた。
  さらに、独自の燃料利用方式で新開発した主エンジン「LE9」は推進力がH2Aの1・4倍に上昇し、機体もH2Aに比べ全長で10メートル、直径で1・2メートル拡大。H3の競争力を米宇宙企業スペースX並みに引き上げた。
  残るは、実績を積んで信頼性を高め、民間企業からの受注や複数の衛星の打ち上げを狙うこと。民間受注の獲得が始まれば、年間約6回というハイペースな打ち上げで約20年にわたり運用する。
新開発ロケットの怖さ
  ところが、初号機打ち上げは第2段エンジンに着火できず失敗した。JAXAは、エンジン点火装置のショートや過電流による機体制御装置の損傷が原因だったと解明。全く新開発の国産液体燃料ロケットの打ち上げは約30年ぶりで、完成度が低かったとみられる。
  文部科学省の有識者会議は、損傷した部品や装置はH2Aなどでの使用実績があり、それを重視するあまり、検査や安全性の再評価が不十分になっていたと、開発姿勢の体質的問題を指摘した。失敗で失ったのは、これまで培ってきた信頼性と安全性だった。
  JAXAは、三菱重工業と二人三脚で原因を探り、第2段エンジンの点火装置を改良のほか、装置や部品、検査体制など見直せるものは全て見直した。岡田さんは「失敗を乗り越える出口が見えずしんどい時期もありモチベーションの維持が大変だった」と振り返る。ただ、「失敗で味わうつらい時間が、若いエンジニアを強くした側面があった」とも語った。
  徹底した洗い出しでH3製造の工程には磨きがかかり、2つの組織の連携も深まった。三菱重工の新津真行(まゆき)H3プロジェクトマネージャーは「立場の違いを超えてワンチームになった。1年間、密度の濃い活動ができた」と振り返る。
  そんな日々を経て作り上げられた改良型の第2段エンジン点火装置は、昨年9月以降に打ち上げられたH2Aロケット47号機と48号機に搭載され問題なく機能。もちろんH3ロケット2号機でも順調に稼働した。失敗を糧に導いた成功で、H3の開発陣は、高い技術力を背景に安全と信頼を取り戻すことができた(伊藤壽一郎)


2024.02.15-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240215-MYLNB2ZYDZLAPA7LTWAF5RP2ZE/
1年前の雪辱なるか 打ち上げ迫るH3ロケット2号機 背水の陣、日本の宇宙開発
(伊藤壽一郎)

  日本の次世代主力ロケット「H3」2号機が17日、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられるH3は昨年3月に初号機の打ち上げに失敗しており、日本の宇宙開発技術への信頼が大きく揺らいだと指摘された。そのため今回は失敗の原因を徹底究明し、考えられる対策を全て実施。背水の陣で約1年前の失敗の雪辱を目指す。

  H3は、2040(令和22)年に現在の約3倍に当たる150兆円に急拡大すると予測される宇宙ビジネス市場を、日本がリードするために開発されたロケットだ
  政府系衛星の打ち上げや国主導の宇宙開発の利用にとどまらず、世界中から衛星打ち上げの受注を獲得するため、低価格で迅速な打ち上げを柔軟な体制で実現するなど、民間企業の使いやすさを重視している。
  だが、日本の将来への夢と希望を乗せて打ち上げられた初号機は、第1段、第2段ロケットの分離後、第2段のエンジンが着火せず安全な飛行が不可能に。地上から指令破壊信号で爆破され、打ち上げは失敗した。
  ここ数年、日本の宇宙開発はH3初号機以外にも失敗が相次いでいた。一昨年10月に、小型固体燃料ロケット「イプシロン」6号機が打ち上げに失敗し、同11月には日本初の月面着陸を目指した超小型探査機「オモテナシ」が通信途絶で計画を断念。昨年6月には小型固体燃料ロケット「イプシロンS」の第2段エンジンが、燃焼試験中に爆発事故を起こしている。
  それだけに、日本の次世代主力ロケットの打ち上げ失敗は手痛く、日本の宇宙開発技術への信頼を大きく揺るがせた。
  そのため、宇宙航空研究開発機構(JAXA)はH3初号機の失敗原因の究明を急ぎ、直接の原因はエンジン点火装置のショートや過電流による機体制御装置の損傷だったと解明。損傷に至る3つのシナリオを想定し、全シナリオを解決できる対策を施した。さらに、部品や装置の検査や安全性の評価の体制も見直して強化した。
  その結果、2号機の第2段エンジンの点火装置は改良型に変更された。この装置は、昨年9月以降に打ち上げられたH2Aロケット47、48号機にも搭載され、いずれも打ち上げに成功している。
  H3プロジェクトの責任者であるJAXAの岡田匡史プロジェクトマネージャは、「初号機は失敗してしまったが、H3を共同開発している三菱重工業と二人三脚で原因究明を進めた。絞り込んだ3つのシナリオで、失敗につながる可能性がある事象全てに対策が取れたと判断している。2号機をぜひ成功させたい」と話している。
(伊藤壽一郎)


2024.01.26-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240125-TVZYWLHM35NVDC57BTL766IDVQ/
ピンポイントの月面着陸に成功 実証機スリム、「倒立」で 月面ロボ画像で判明

  世界5カ国目の月面着陸に成功後、太陽電池が発電せず活動を停止した日本の小型実証機「スリム(SLIM)」について、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は25日、目標地点から約55メートルの位置に着陸したと発表した。目標地点への誤差を100メートル以内に抑える高精度な「ピンポイント着陸」に成功したのは世界で初めて。飛行データや月面ロボットの撮影画像から判明した。ただ、降下途中にエンジンが破損し姿勢が乱れ、予定の姿勢から180度回転した形の「倒立状態」で着地したという。

  JAXAによると、スリムは20日、月の約15キロ上空から、クレーター周辺の斜面に向けて正立状態で、月面の画像を撮影しながら降下した。事前観測で用意した月面地図と14回にわたり照合し、自分の位置を正確に把握。搭載していた目標地点から約55メートルの場所に着陸することに成功した。
  目標地点周辺の障害物を自律的に回避していたことから、JAXAでは最終的に目指した地点への着陸誤差は少なくとも10メートル以内で、わずか3~4メートルだった可能性が高いとみている
  一方、着陸姿勢は計画と大きく異なった。スリムは着陸直前に、超小型の月面ロボット「ソラキュー(SORA-Q)」と月面探査機「LEV-1」を放出。その後、機体底面の一端で接地してから機体を斜面に倒れ込むように傾け、上部側面も接地し斜面で姿勢を安定させる「2段階着陸」を行う計画だった。
  だが、2基のエンジンのうち1基が破損し、逆噴射の出力を失ったことから姿勢を崩したという着陸姿勢は、飛行データの解析のほか、ソラキューが月面で撮影し、LEV-1が地球に送信した画像から、倒立状態と判明した太陽電池は太陽光が差し込まない西側を向き、発電できない状態だった。エンジン破損の原因は不明で、着陸時に機体がどのような動きをしたかも含め、解明を急いでいる。
  JAXAによると、太陽電池は真下を向いていないため、太陽と位置関係が変わって西側から光が当たれば、発電を開始する可能性があるという。光が当たる位置関係は今月中に訪れる見通しで、太陽電池が稼働すれば、周辺の岩石の撮影など、数日間の月面での活動を再開する
  スリムは昨年9月7日に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられ、今年1月20日に日本初の月面着陸に成功したが、直後に月面での活動エネルギーを賄う太陽電池が発電せず、数日間を予定していた月面活動が困難と判明。
  獲得済みの飛行データや月面の画像を、持続時間わずか数時間の内蔵バッテリーで地球に送信した後、太陽電池の発電が可能になった際にシステムを安定的に再起動できる最低限の余力を残し、電源をオフにしていた


2024.01.22-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240122-LIFSJFM5ZRP3DDZNBKC2XH3XMY/
月探査機スリム、地上から電源を停止 太陽電池稼働時に備え電力温存、データはすでに送信

  宇宙航空研究開発機構(JAXA)は22日、世界で5カ国目となる月面着陸に成功した日本の小型実証機「スリム(SLIM)」の内蔵バッテリーの電源をオフにしたと発表した。太陽電池での発電が可能になった際に、安定した状態でシステムを再起動するための電力を残しておくための措置としている。

  JAXAによると、スリムが20日午前0時20分ごろ月面着陸に成功してから約2時間半後、地上から内蔵バッテリーの電源をオフにする信号を送り、同日2時57分に電源が切れたことを確認したという。
  スリムは着陸直後、太陽電池が発電しない状態になっていることが判明。着陸までの飛行データや上空から撮影した月の画像のほか、着陸後に撮影した周辺の岩石の画像などを地球に送信する作業を、持続時間がわずか数時間の内蔵バッテリーで行っていた
  太陽電池が発電しなくなったのは、着陸姿勢が太陽光が当たらない角度になったためかもしれないことから、今後、月の動きでスリムと太陽の位置関係が変われば、太陽光が当たるようになってシステムを運用できる可能性があるその際に、システムを安定的に再起動できるだけの最低限の電力を内蔵バッテリーに残しておく必要があり、残量がゼロになる前に、電源をオフにした。
  スリムの飛行データや撮影した画像は、電源オフの前に無事に地球へ送信されたという。JAXAはこれらの解析を急ぎ、今週中にも記者会見を開いて判明した状況を説明する。


2024.01.20-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240120-IDPZPEJWIZMC3CQW2GSWYRXYUU/
日本の月着陸実証機スリムが月面到達

  日本初の月面着陸を目指していた小型実証機「スリム(SLIM)」は20日未明、降下を始め、約20分後に月面に到達したとみられる。着陸の成否は不明。月面着陸に成功すれば、米国、旧ソ連、中国、インドに続いて5カ国目となる。


2024.01.15-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240115-DH2CAXXVL5L77J7SJS32WOUC7U/
日本の実証機「スリム」 月面着陸の準備段階に移行

  日本初の月面着陸を目指して月の楕円(だえん)軌道を飛行中の小型実証機「スリム(SLIM)」について、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は15日、着陸降下の準備が整ったことから着陸準備段階に入り、高度約600キロの円軌道に予定通り投入したと発表した。

  JAXAによると、円軌道への降下を実施したのは14日午後5時32分で、その後も正常に飛行している。今後は、19日に高度を15キロまで下げ、20日午前0時ごろ着陸に向けた降下を開始。約20分後に月面に着陸する計画だ。成功すれば米国、旧ソ連、中国、インドに続き5カ国目となる。
  スリムは昨年9月7日、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。着陸目標地点への誤差を100メートル以内に抑え、これまでより飛躍的に高精度なピンポイント着陸を実証。着陸後は岩石の組成を分析し、謎が多い月の起源の解明に挑む。
  日本の月面着陸は、JAXAの超小型探査機が一昨年11月、通信途絶で計画を断念。民間企業アイスペースの探査機も昨年4月、月面に激突し失敗している。


2023.06.13-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230613-UXMDGTZYUNIVHE6ASWARSFZSLU/
高市宇宙担当相「大変誇らしい」 小型レーダー衛星打ち上げ成功

  高市早苗宇宙政策担当相は13日の閣議後会見で、宇宙ベンチャー企業「QPS研究所」(福岡市)が開発した小型レーダー衛星の打ち上げ成功について、「大変誇らしく、うれしく思う。世界的に多くの民間企業がしのぎを削るなか、一歩前進されたことはとても心強い」と歓迎した。

  政府は同日に閣議決定した宇宙基本計画で、令和7年までに民間事業者による小型レーダー衛星網を構築すべく、取り組みを進めると明記。高市氏は「これからも政府としてしっかりと支援して参りたい」と話した。
  小型レーダー衛星は、夜間や悪天候でも地上を撮影でき、衛星の数が多いほど撮影時間の間隔を短縮できる。高市氏は災害時の活用を例として挙げ、「より短時間で被災状況を把握し、対応できる体制につながることを期待している」と指摘した。


2023.04.26-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230426/k10014049671000.html
月面着陸 開発の民間企業が会見 “途中で燃料がつきて落下か”

  26日未明、日本のベンチャー企業が開発した着陸船が世界初の民間による月面着陸に挑みましたが、着陸予定時刻のあと通信が途絶え、計画していた着陸はできませんでした。会社は、着陸船が月面からの高度を誤って認識し、途中で燃料がつきて落下したと見られると、明らかにしました

  これは、月着陸船を開発した日本のベンチャー企業「ispace」が26日午前、会見を開いて明らかにしました。それによりますと、月着陸船は、26日午前0時40分ごろ、月の高度およそ100キロから降下を始め、午前1時40分ごろ、月の北半球に降り立つ計画でした。
  ところが、着陸予定の時刻のあと、通信が途絶え、計画していた着陸はできなかったということです。
  会社によりますと、着陸船が姿勢を変えながら着陸地点に近づき、ガスを噴射して減速するところまでは計画どおりに実行できたということです。しかし、着陸船が月面からの高度を誤って認識したとみられ、残りの燃料がなくなった結果、最終的に月面に落下したと推定されるとしています。
  「ispace」の代表、袴田武史CEOは「月面着陸は達成できなかったが、非常に有意義なデータを世界に先駆けて獲得できたと思うので、次のミッションに向けて大きな1歩だと考えている」と話していました。
着陸船が高度の情報を誤って認識したか
  「ispace」が開発した月着陸船は、26日午前0時40分ごろ、月面に向けて降下を始め、およそ1時間後に着陸する計画でした。会社の説明によりますと、月面に向けて降下を始めたあともガス噴射で速度を落とす制御を計画どおりに開始し、姿勢を変えながら最終的な降下地点までたどりついたことも確認されたということです。
  しかし、着地に備えた状態で降下していた際、着陸の信号をとらえないまま高度の情報が0になり、さらにマイナスの値になったということです。着陸船はそのまま降下を続け、その後、速度が増加して通信が途絶えたことから、会社では、残りの燃料がなくなり、最終的に月面に落下したと推定しています。
  詳細な原因については分析中としていますが、着陸船が高度の情報を誤って認識したとみられるとしています。
  月着陸船には、JAXA=宇宙航空研究開発機構などが開発した小型ロボットなどが搭載されていましたが、会社では「状態を確認することは現状では難しい。期待にこたえられなかったことは非常に残念で責任を感じている」としています。
松野官房長官「挑戦を続けてもらうことを期待」
  松野官房長官は、記者会見で「当初の計画のすべてを達成できなかったことは残念だ。今回の経験を踏まえ、挑戦を続けてもらうことを期待している。スタートアップ企業による宇宙への挑戦は、宇宙産業の発展を促す好循環を生み出すきっかけとなるもので大変意義深い。引き続き宇宙に挑戦する民間企業を応援していきたい」と述べました。


2023.03.16-zaqzaq by 夕刊フジ(KYUODO)-https://www.zakzak.co.jp/article/20230316-7UBWYGWMJBI5NAMRESJDYWDEA4/
「最期を迎える星」で宇宙の初期に迫る いて座の恒星「WR124」、米宇宙望遠鏡が撮影

  明るく輝きながら最期を迎えつつある星を、ガスやちりが包み込んでいる。地球から1万5000光年離れた、いて座の恒星「WR124」の姿ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が詳細に捉えた。米宇宙望遠鏡科学研究所が16日までに画像を公開した。

  大きな質量を持った星の一部は、寿命が近づくと水素に富む外層が吹き飛び、高温の内部がむき出しの「ウォルフ・ライエ星」になる。WR124の質量はもともと太陽の30倍あり、これまでに3分の1を失った。
  この後に超新星爆発が起き、散乱したちりやガスが次世代の星を生んでいく。こうした最終段階にある星の中心部では、宇宙誕生時にはなかった重い元素が作られている。星の最期を見ることで、初期の宇宙の理解も進むと期待されている。 (共同)



2022.12.12-スポニチ SponcitiAnnex-https://www.sponichi.co.jp/society/news/2022/12/12/kiji/20221212s00042000177000c.html
民間世界初目指し月へ ベンチャー着陸船打ち上げ 4月末に遠回りで到着

  民間で世界初の月着陸を目指す宇宙ベンチャーispace(アイスペース、東京・袴田武史社長)は11日、独自に開発した月着陸船を米フロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地から打ち上げた。着陸船は予定の軌道に入り、打ち上げは成功した。来年4月末ごろ月に到着する。日本では官民問わず初めてとなる

  ispaceによると、海外の民間企業が来年の早い時期に月着陸船の打ち上げを計画している。今回の飛行は燃料の節約であえて遠回りするため、航路によっては後からの打ち上げでも追い抜かれる可能性がある。民間による月一番乗りとなるかどうかは微妙だが、袴田社長は記者会見で「最初に着陸できる機会があれば目指したい」と意欲を示した。
  宇宙船がファルコン9ロケットから分離した成功の瞬間、東京で打ち上げ映像を見守る関係者らは「おーっ」と叫んで拳を突き上げた。袴田氏も「非常に美しい打ち上げだ」と誇らしげだった。
  ispaceの月探査計画HAKUTO(ハクト)―Rの第1弾で着陸技術の検証が狙い。東京の管制室からの操作で北半球に着陸させる。着陸船はいったん地球から約150万キロ先を目指し、その後に月の周回軌道に入る計画だ。
  機体は高さ約2・3メートルで幅は約2・6メートル。着陸用のメインエンジンや太陽電池パネルを備える。独自に開発したカメラも搭載し、月面から画像や映像を送信する。
  着陸船の最大の特徴は荷物を運搬できることだ。今回は宇宙航空研究開発機構(JAXA)とタカラトミーなどが開発した変形型月面ロボットをはじめ、アラブ首長国連邦の月面探査車など7点を運ぶ。
  当初は11月中の打ち上げを予定していたが、ロケットに点検の必要が生じて延期を繰り返した。
  日本の探査機による月面着陸は未達成だ。JAXAの超小型衛星OMOTENASHI(オモテナシ)は打ち上げ後の11月22日、通信途絶などのため計画の断念を発表している。


2022.11.18-JXSA(有人宇宙部門HUMANS IN SPACE)-https://humans-in-space.jaxa.jp/news/detail/002647.html
2030年までの国際宇宙ステーション運用延長に日本が正式に参加表明~月周回有人拠点「ゲートウェイ」のための日米間の協力に関する実施取決めに署名

  永岡桂子文部科学大臣は、11月18日、ビル・ネルソンNASA長官と、月周回有人拠点「ゲートウェイ」のための日米間の協力に関する実施取決めに署名、合わせて、2030年までの国際宇宙ステーション(ISS)運用延長への日本政府としての参加を表明しました

  この実施取決めは、2020年12月に日本国政府とNASAとの間で締結したゲートウェイ了解覚書における協力内容を具体化するもので、日本がゲートウェイ居住棟への機器提供や物資補給を行い、NASAが日本人宇宙飛行士のゲートウェイへの搭乗機会を提供することが決まりました。また、これに伴い、ゲートウェイを含むアルテミス計画で必要となる技術の獲得・実証の場としても不可欠な国際宇宙ステーション(ISS)の2030年までの運用延長に日本が参加することも、正式に表明されました。こうした国際協力は、2020年代後半の日本人宇宙飛行士のGatewayへの滞在、さらには月面での活動の実現に向けた、大きな一歩となります。
  ISSの2030年までの運用延長に伴い、これまで多くの実績を重ねてきた「きぼう」日本実験棟での宇宙環境利用を、今後も長期にわたり安定して提供できることになります。これにより、引き続き地球低軌道での民間宇宙利用や、国の課題解決の取り組み(研究や公的利用)、国際宇宙探査に向けた技術実証が進み、有人宇宙活動の更なる発展が期待できます。
なお、文部科学省の科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会・宇宙開発利用部会において、ISSを含む地球低軌道活動の在り方に関する方針について、提言としてまとめられました。本日付で公開されていますので、こちらも是非ご覧ください。
  なお、本日の署名式においては、ISSに滞在中の若田宇宙飛行士から以下の内容のビデオメッセージが公開され、また参列した大西宇宙飛行士は、以下のようにコメントしています。
第68次ISS長期滞在中の若田光一宇宙飛行士のコメント
  月周回有人拠点「ゲートウェイ」のための実施取決めへの署名式、そして日本の2030年までのISS運用延長の発表の場に参加できることを光栄に思います。日本とアメリカは、宇宙そして有人宇宙飛行において、長い協力の歴史があります。この重要な節目は、将来に渡る日米のパートナーシップをより強固なものにしました。日米協力は、私の現在の“家”である、ISSでの研究や利用の可能性、そして世界中から注目されている「ゲートウェイ」への可能性をさらに広げるでしょう。
  ネルソン長官、エマニュエル大使、永岡大臣、日米のパートナーシップ、そして有人宇宙活動の共通の未来へのご尽力に感謝いたします
署名式に参列した大西卓哉宇宙飛行士のコメント
  本日の署名との運用延長への表明が、我々にとっても、新たな時代の幕開けとなり、この場に参加できて光栄に思います。
  来年には新たな宇宙飛行士候補者もJAXAに加わる予定であり、宇宙飛行士としては、どんなミッションにも対応できるよう彼らと切磋琢磨していきたいと思います。
  JAXAの一員としても、地球低軌道の発展と今後の宇宙探査活動に向けて、しっかりと研究開発に取り組み、日米パートナーシップに貢献し、また、日本の国民の皆さんの期待にもこたえられるよう、しっかりと邁進してまいります。


2022.05.18-北海道新聞-https://www.hokkaido-np.co.jp/article/682136?rct=n_international
米議会で「UFOは実在する」 半世紀ぶり公聴会開催

  【ワシントン共同】米下院情報特別委員会の小委員会は17日、未確認飛行物体(UFO)に関する公聴会を開いた。「説明のつかないのは事実だが、実在するものだ。調査する必要がある」。小委員会のアンドレ・カーソン委員長は、こう強調した。米メディアによると、UFOに関する公聴会は約50年ぶりの開催。

  公聴会で証言した国防総省幹部はUFOを「遭遇してもすぐには特定できない空中の物体」と説明。米軍関係者が遭遇し、飛行の安全に危険をもたらしているとして「起源を特定する取り組み」に力を入れていると強調した。国防総省は昨年11月、UFOなどを調査する新部署の設置を発表した。


2022.05.12-国立天文台-https://www.nao.ac.jp/news/science/2022/20220512-eht.html
天の川銀河中心のブラックホールの撮影に初めて成功

  国際研究チーム「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)・コラボレーション」は、地球規模の電波望遠鏡ネットワークを使って、私たちが住む天の川銀河の中心にある巨大ブラックホールの撮影に初めて成功しました。今回の結果は、この天体が間違いなくブラックホールであることを示す揺るぎない証拠であり、多くの銀河の中心に存在すると考えられている巨大ブラックホールの働きについて貴重な手がかりを与えるものです。

  今回撮影された画像によって、私たちが住む天の川銀河のまさに中心に存在する大質量天体の姿が明らかになりました。これは多くの研究者が待ち望んでいた成果です。これまで天の川銀河の中心領域において、非常に重く、コンパクトで目に見えない何らかの天体の周りを星たちが回っていることが観測されていました。この天体は「いて座A(エースター)」として知られており、これらの間接的な証拠からブラックホールであることが強く示唆されていました。本日公開された画像により、いて座Aがブラックホールであることを示す初めての視覚的かつ直接的な証拠が得られました。

  ブラックホールは光を放たない完全に漆黒の天体であり、そのものを見ることはできません。しかし周囲で光り輝くガスによって、明るいリング状の構造に縁取られた中心の暗い領域(「シャドウ」と呼ばれます)としてその存在がはっきりと映しだされます。今回新たに取得された画像は、太陽の400万倍の質量を持つブラックホールが作り出す強力な重力によって曲げられた光を捉えたものです。

  「リングの大きさがアインシュタインの一般相対性理論の予言と非常によく一致していることに衝撃をうけています」と、イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)のプロジェクトサイエンティストであるジェフェリー・バウワー氏(台湾中央研究院天文及天文物理研究所)は語りました。「この前人未到の観測によって私たちの天の川銀河の中心での現象に対する理解は大きく進展し、このような巨大ブラックホールが周囲とどのように相互作用するかについての新しい知見が得られました」EHTチームの成果は米国の天体物理学専門誌『アストロフィジカル・ジャーナル・レターズ』特集号に2022年5月12日付で掲載されました。

  今回観測したブラックホールは地球から約2万7000光年の距離にあり、その見かけの大きさは月の上のドーナツ(直径8cm程度)ほどの大きさしかありません。これを撮影するため、研究チームは世界各地の8つの電波望遠鏡を結んだEHTと呼ばれる観測ネットワークを作り、地球サイズの望遠鏡を仮想的に作り上げました。EHTはいて座Aを複数晩に渡って観測し、カメラで長時間露光するように何時間もかけてデータを取得しました。

  「日本が国際協力の下で運用に参加しているアルマ望遠鏡は、EHTの要となる観測局として天の川銀河の巨大ブラックホールの撮影において重要な役割を果たしました」と話すのは、いて座Aのデータ較正と画像化チームの双方を主導した秋山和徳氏(マサチューセッツ工科大学ヘイスタック観測所リサーチサイエンティスト)です。
  日本が参加しヘイスタック観測所が主導した国際チームが開発した最先端の装置を通して、アルマ望遠鏡の何十ものアンテナが一つの巨大なアンテナとして合成され、EHTで最も感度の高い観測局となりました。「アルマ望遠鏡による感度と精度の高い観測により、ブラックホールの周りのガスの運動によっていて座Aの明るさが観測中どのように変化し、EHTの観測データにどのように影響しているかを詳細に調べられました。これにより、いて座Aの代表的な構造を画像化することが可能になったのです」
  このブレイクスルーは、EHTが2019年に発表したM87の中心にある巨大ブラックホールの画像に続くものです。M87は、いて座Aりもずっと遠く5500万光年かなたにある楕円銀河です。
  私たちの住む天の川銀河のブラックホールはM87の巨大ブラックホールと比べて1000分の1以下の質量ですが、2つのブラックホールの見た目は非常によく似ています。「大きく異なる2つの銀河に存在する全く異なる質量の別々のブラックホールですが、これらのブラックホールのごく近傍だけに注目してみると、驚くほど似たように見えるのです」と、セラ・マルコフ氏(EHT科学諮問委員会議長の一人、オランダ・アムステルダム大学理論天体物理学教授)は述べています。「これは、ブラックホールのごく近傍は一般相対性理論が支配しており、そこから遠くに離れた際に見られる違いはブラックホール周囲の物質の違いであることを意味しています」
  いて座AはM87の巨大ブラックホールよりもはるかに近い距離にありますが、今回の成果の達成にはM87の場合よりもはるかに困難を極めました。「いて座AもM87巨大ブラックホールも周りにあるガスはほとんど光速に近い同じ速度で運動します。しかし、大きなM87ブラックホールの周囲をガスが一周するには数日から数週間を必要とするのに対し、遥かに小さないて座Aではわずか数分しかかかりません。これはいて座A周囲のガスの明るさや模様が、EHTが観測している最中に激しく変化することを意味しています。それはまるで、自分の尻尾を素早く追いかける子犬の鮮明な写真を撮ろうとするようなものです」と、EHTの研究者であるチークワン・チャン氏(アリゾナ大学スチュワード天文台、天文学科、データサイエンス研究所)は説明しています。

  研究者たちはいて座A周囲のガスの運動を考慮した、高度で新しいデータ処理の手法を開発しなければなりませんでした。M87は構造が安定しており画像化が容易であったため、異なる手法で導き出された全ての画像が同じように見えましたが、いて座A*に関しては状況が異なりました。今回のいて座Aの画像は、研究チームが観測データから得たさまざまな画像を平均することで得られました。この画像によって、ついに私たちが住む天の川銀河の中心に潜む大質量天体の姿が初めて明らかになりました。
  今回の研究成果は、EHTコラボレーションを構成する80の研究機関の300名以上の研究者の知を結集することで可能になりました。複雑な手法を開発することで、いて座Aの画像化を乗り越えたことに加え、研究チームはスーパーコンピュータを駆使してデータを組み合わせて分析し、さらに前例のない規模のブラックホールの数値シミュレーションの画像を多数作成し観測データと比較をして、5年間にわたり緻密に解析を行いました。
  「EHTの観測によって得られた数ペタバイトものデータから、最終的な画像や物理的な解釈に至るまでの全ての工程で、スーパーコンピュータを用いた非常に大規模な計算が行われました」と、画像化チームによって得られた大量の画像の解析を主導した小藤由太郎氏(東京大学大学院理学系研究科 博士課程在学)は述べています。「画像化においては、20万通り以上のパラメータの中から最適な数千の組合せが選ばれ、いて座Aの画像が得られました」

  研究者たちは特に、大きさの全く異なる2つのブラックホールの画像が得られたことに興奮しています。これにより2つのブラックホールを比較・対比する機会が得られたからです。既にこの新たなデータを用いて、巨大ブラックホール周りでのガスの振る舞いに関する理論やモデルの更なる検証も始められています。まだ完全には理解されていないこうしたガスの振る舞いは、銀河の形成と進化において重要な役割を果たしていると考えられています。
  「今私たちは、これらの2つの巨大ブラックホールの違いを研究し、巨大ブラックホール周りでのガスの振る舞いという重要な問題に関する貴重で新しい手がかりを得ることができました」と、EHTの研究者である浅田圭一氏(台湾中央研究院天文及天文物理研究所)は述べています。「私たちは2つのブラックホールの画像を得ましたが、ひとつはこの宇宙に存在する巨大ブラックホールの中で最大級であり、もうひとつは最も小さい部類のものです。それ故、このような極限環境で重力がどのように振る舞うかを、よりたくさんの方法で検証することが可能になるのです」

  EHTの進化は続いていきます。2022年3月の観測キャンペーンにはこれまでで最も多くの望遠鏡が参加しました。今現在もEHTの観測ネットワークは拡大し、観測技術も大きく発展し続けており、さらに素晴らしい画像やブラックホールの動画を近い将来公開できるでしょう。
  「今後のいて座AとM87の時間変動の調査は、強い重力場のさらなる理解のために、最も期待されているテーマの一つです」と、日本の画像化アルゴリズムを用いたチームの主導をはじめ、いて座Aの画像化と理論の幅広いプロジェクトに携わった、森山小太郎氏 (ゲーテ大学フランクフルト ポストドクター研究員) は述べます。「近い将来、観測技術の発展によって、ブラックホールごく近傍の世界の詳しい様子を動画として捉えることで、アインシュタインの一般相対性理論に代わる重力理論の検証が可能になるでしょう」

脚注
  2017年4月の観測に使用された望遠鏡は、アルマ望遠鏡(チリ)、APEX(チリ)、IRAM30m望遠鏡(スペイン)、ジェームズ・クラーク・マクスウェル望遠鏡(米国ハワイ)、アルフォンソ・セラノ大型ミリ波望遠鏡(メキシコ)、サブミリ波干渉計(米国ハワイ)、サブミリ波望遠鏡(米国アリゾナ)、南極点望遠鏡(南極)です。その後、グリーンランド望遠鏡(グリーンランド)、NOEMA観測所(フランス)、アリゾナ大学キットピーク12m望遠鏡(米国アリゾナ)がEHTの観測網に加わっています。

  アルマ望遠鏡は、欧州南天天文台、アメリカ国立科学財団、日本の自然科学研究機構が、カナダ国立研究機関、台湾科学技術省、台湾中央研究院天文及天文物理学研究所、韓国天文宇宙科学研究院とチリ共和国の協力で運用しています。合同アルマ観測所は欧州南天天文台、アメリカ北東部大学連合/アメリカ国立電波天文台、日本の国立天文台によって運用されています。APEXはドイツ・マックスプランク電波天文学研究所、スウェーデン・オンサラ天文台、欧州南天天文台が協力し、欧州南天天文台が運用しています。IRAM 30m望遠鏡は、ドイツ・マックスプランク協会とフランス国立科学研究センター、スペイン国立地理研究所が共同で運用しています。ジェームズ・クラーク・マクスウェル望遠鏡は、中国科学院のCAMS、日本の国立天文台、台湾中央研究院天文及天文物理学研究所、韓国天文宇宙科学研究院、タイ国立天文学研究所、及びイギリスとカナダの組織で構成される東アジア天文台が運用しています。大型ミリ波望遠鏡はメキシコINAOEとマサチューセッツ大学が運用しています。サブミリ波干渉計は、スミソニアン天文台と台湾中央研究院天文及天文物理学研究所が共同で運用しています。サブミリ波望遠鏡は、アリゾナ大学が運用しています。南極点望遠鏡はシカゴ大学が運用しており、イベント・ホライズン・テレスコープのための装置はアリゾナ大学から提供されました。

  グリーンランド望遠鏡は台湾中央研究院天文及天文物理学研究所とスミソニアン天文台によって運用されています。グリーンランド望遠鏡はALMA-台湾プロジェクトの一部であり、一部に台湾中央研究院と台湾科学技術省の支援を受けています。NOEMA観測所はドイツ・マックスプランク協会とフランス国立科学研究センター、スペイン国立地理研究所が共同で運用しており、キットピーク12m望遠鏡はアリゾナ大学により運用されています。

  ブラックホールは天体の大きさ(半径)が質量に比例する、知りうる限り唯一の天体です。質量が1000分の1になると、半径も1000分の1になります。いて座AスターはM87の約1000分の1の質量なので、リングサイズもおよそ1000分の1となります。一方で地球からいて座Aの距離はM87よりもおよそ1000分の1近いので、見た目のサイズは約1000倍大きくなります。よって両効果(ブラックホールの重さ、天体までの距離)が互いに打ち消し合い、ほぼ同じ見た目のリングサイズとなります。
補足情報:
天の川銀河中心のブラックホール画像ができるまで
  イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)・コラボレーションは、EHTの観測から得られた画像を合成し、天の川銀河中心の巨大ブラックホールであるいて座A*の代表的な画像(上段)を作成しました。この画像は異なる画像化手法を用いて得られた何千もの画像を平均することによって得られました。これらの画像はどれも観測データとはとても整合的です。平均画像には異なる画像に共通する特徴が残り、たまにしか現れない特徴は見えなくなります。画像は似たような特徴ごとに分類すると4つのグループに分かれます。下段の画像は4つのグループごとに平均した代表画像です。3つのグループの画像にはリング構造が見られますが、リングの周りの明るさの分布が異なります。4つ目のグループはデータとは整合的であるもののリング状ではない画像を含んでいます。棒グラフはそれぞれのグループに属する画像の相対的な数を示しています。何千もの画像が最初の3つのグループに属していますが、4つ目の最小のグループには数百個の画像しかありません。棒グラフの高さは、平均画像へのそれぞれのグループの画像の相対的な寄与率を示しています。(クレジット:EHT Collaboration)オリジナルサイズ(4.4 MB)
より詳しい情報
  EHTコンソーシアムは、以下の13の理事機関が参加しています。中央研究院天文及天文物理研究所(台湾)、アリゾナ大学(米国)、シカゴ大学(米国)、東アジア天文台、 ゲーテ大学フランクフルト(ドイツ)、ミリ波電波天文学研究所(フランス、スペイン)、アルフォンソ・セラノ大型ミリ波望遠鏡(メキシコ)、マックスプランク電波天文学研究所(ドイツ)、マサチューセッツ工科大学ヘイスタック観測所 (米国)、自然科学研究機構国立天文台(日本)、ペリメーター研究所(カナダ)、ラドバウド大学(オランダ)、ス ミソニアン天体物理学観測所(米国)。
  今回の研究成果は米国の天体物理学専門誌『アストロフィジカル・ジャーナル・レターズ』特集号に6つの主論文およびそれを補う4つの公認論文として、2022年5月12日付で出版されました。


2022.01.16-朝日新聞-https://www.asahi.com/articles/ASQ1G52CNQ1BULBJ11D.html
H3ロケット初飛行、月探査機打ち上げ…今年も宇宙イベント目白押し

  新型ロケット「H3」の初飛行や皆既月食など、今年も宇宙と天文イベントが目白押しだ。月面着陸を目指す探査機などの打ち上げもあり、日本の月探査がいよいよ本格化する。

  日本の新しい大型ロケットH3が今年、初飛行する予定だ。現在の主力であるH2Aロケットは45号機までの成功率が97・8%という高い信頼性を誇るが、2001年の初飛行から20年以上が経った。H3は信頼性だけでなく、約100億円とされる打ち上げ費用を半減させる。商業打ち上げの受注を増やし、今後20年間、世界のロケットとシェアを競う狙いだ。
  ただ、開発は遅れ気味だ。もともと20年度の初飛行を目指していたが、新型のLE9エンジンの試験で亀裂やひびが見つかり、設計の見直しが必要になった。昨夏から最終的な燃焼試験を行い、データの確認をしているが、計画は1年ほど後ろ倒しになっている。
  開発がうまくいけば、H3は初飛行で地球観測衛星「だいち3号」を、その後、22年度中に国際宇宙ステーション(ISS)に物資を運ぶ無人補給船「こうのとり」の後継機「HTV―X」を打ち上げる。HTV―Xは、米国が主導する有人月探査「アルテミス計画」にも投入される予定だ。
  アルテミス計画をめぐっては、米航空宇宙局(NASA)が開発している新型ロケット「SLS」が2月以降に初めて打ち上げられる見通しだ。初飛行では、宇宙航空研究開発機構(JAXA)や東京大が開発した超小型探査機「OMOTENASHI(おもてなし)」と「EQUULEUS(エクレウス)」が米国の衛星などとともに月の軌道へ運ばれる。おもてなしは月面への着陸にも挑む。
  このほか、本格的な月探査をめざすJAXAの「SLIM(スリム)」も22年度に打ち上げられる予定だ。約5カ月かけて月へ到達し、着陸に臨む。誤差100メートルという高精度の着陸を目指しており、この技術をアルテミス計画に生かしたい考え。民間初の月探査計画「HAKUTO―R」を進める日本の宇宙ベンチャー「ispace(アイスペース)」も、月着陸船の打ち上げを計画している。

  国際宇宙ステーション(ISS)では、JAXAの若田光一飛行士が今秋ごろから長期滞在を始める。その後、古川聡飛行士の長期滞在も決まっている。



2021.12.20-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20211220-X2HS76SYHZLNVPX5254PPVIX6E/
「気分は良好だ」 前沢さん地球帰還

  日本の民間人として初めて国際宇宙ステーション(ISS)に滞在したZOZO(ゾゾ)創業者の前沢友作さん(46)が日本時間20日午後、ソユーズ宇宙船でカザフスタンに着陸し、地球に帰還した。ロシア国営宇宙開発企業ロスコスモスが明らかにした。

  前沢さんは帰還直前、ツイッターに「あっという間の宇宙での12日間でした」と投稿。ロスコスモスの映像によると、帰還直後、元気そうに手を振る様子を見せた。前沢さんらは宇宙船から外に出て「気分は良好だ」と会社関係者に連絡してきたという。
  宇宙船は同午前8時50分ごろ、ISSを離脱して、地球を周回後に軌道を離れて大気圏に突入。同午後0時13分ごろ、パラシュートでカザフスタンの平原に着陸した。(モスクワ共同)


2021.06.12-読売新聞-https://www.yomiuri.co.jp/science/20210611-OYT1T50302/amp/
ISSで6年冷凍保管、精子使ってマウス誕生…宇宙放射線に被曝でも繁殖の可能性示す

  山梨大と宇宙航空研究開発機構(JAXA)などの研究チームは、国際宇宙ステーション(ISS)で約6年間、冷凍保管した精子を使って健康なマウスを生み出すことに成功したと発表した。宇宙放射線に長期間被曝しても、哺乳類が繁殖する可能性を示す成果という。論文が12日付の米科学誌に掲載される。

  実験では、地上で凍結乾燥したマウス12匹分の精子を使用。2013年8月にISSに運び、日本実験棟「きぼう」の冷凍庫で5年10か月間、保管した。
   ISSから回収した精子の被曝量は、地上で同じ期間、冷凍保管した凍結乾燥精子の約170倍だった。しかし、被曝による精子のDNAの損傷度に大きな差はなく、人工授精で子や孫が正常に生まれた

   理論上は、ISS内で凍結乾燥精子を約200年間保存できる可能性があるという。山梨大の若山照彦教授は「宇宙で家畜を人工繁殖させる技術も夢ではない」と話す。
   大阪大の伊川正人教授(生殖生物学)の話人が宇宙で暮らすには宇宙放射線による生殖機能への影響を解明する必要がある。今回の成果は、その第一歩だ


2021.05.18-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/210518/wor2105180002-n1.html
【主張】中国の宇宙開発 責任なき強国化を許すな

  中国の無人探査機が火星への着陸に成功したと国営新華社通信が15日に報じた。
  探査機の火星着陸成功は旧ソ連、米国に次いで3カ国目である。習近平国家主席は「わが国は惑星探査の領域で先進国の仲間入りを果たした」と成果を誇示した。
  一方、今月9日には中国が打ち上げた大型ロケットの残骸が、インド洋に落下した。
  ロケットの残骸は制御不能で、危機回避のための情報を中国は発表しなかった全地球、全人類に危害を及ぼす可能性があった。「先進国」にあるまじき、極めて無責任な行いである。

  中国は2007年にミサイルによる人工衛星爆破実験を強行し、昨年もロケットの残骸がアフリカ・コートジボワールの民家に落ちたと報じられた。
  世界からの批判を無視し、なりふりかまわず「宇宙強国」を目指す中国の姿勢を、到底許容することはできない。
  無責任で非常識な国家が、火星着陸に成功するほどの技術力を持つことの恐ろしさに、国際社会は向き合わなければならない。
  インド洋に残骸が落下したロケットは、中国独自に建設を進める宇宙ステーションの中核施設を運んだ。今後も同様の打ち上げを続けるとみられる。

  「宇宙領域で活動する者は、安全で思慮深く行動する義務を負うべきだ」(米国防長官)といった批判に対し、中国側は「機体の大部分は燃え尽き、航空機や地表に危害を与える確率は極めて低い」と反論した。

  宇宙開発に携わる国としての常識と良識が、中国には決定的に欠如している。しかし、ロケットの残骸落下を「宇宙開発」の問題として捉えていたのでは、中国はこれまでと同様に、批判を無視してなりふり構わず、危険な打ち上げを繰り返すだろう。
  ロケットの残骸で危険にさらされたのは地上の人々である。宇宙空間の危険ではなく、地上の脅威と捉えなければならない。
  地球を周回する軌道を飛んだとはいえ、制御不能で大気圏再突入したロケットは「出来損ないの弾道ミサイル」のようなものだ。
  ロケットの残骸を宇宙ゴミではなく弾道ミサイルの一部とみなせば、国際社会は中国に痛みを伴う制裁を科し危険な打ち上げを止めることもできるのではないか。


2021.05.02-NHK NEWS WEB(関西NHK WEB)-https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20210502/1000063910.html
日本人宇宙飛行士野口さん搭乗 民間宇宙船地球に帰還

  国際宇宙ステーションに滞在していた、日本人宇宙飛行士の野口聡一さんら4人の飛行士が乗った民間宇宙船の1号機は、日本時間の2日夕方、アメリカ・フロリダ州の沖合に着水し、およそ半年ぶりに地球に帰還しました。

  国際宇宙ステーションに、去年11月から滞在していた日本人宇宙飛行士の野口聡一さんら4人の飛行士は、地球に帰還するためにアメリカの民間宇宙船、「クルードラゴン」の1号機に乗り込んで国際宇宙ステーションを離れ、日本時間の午後3時40分すぎに大気圏に突入しました。

  そして、宇宙船はパラシュートを予定通り開いて、午後3時56分にアメリカ・フロリダ州の沖合のメキシコ湾に着水し、およそ半年ぶりに地球に帰還しました。宇宙船は近くで待機していた専用の船に回収され、ハッチからは乗っていた飛行士が作業員の手を借りて順番に降りていました。
  JAXA=宇宙航空研究開発機構によりますと、野口さんを含めて4人は全員無事だということです。民間としては世界で初めて運用段階に入った宇宙船の1号機のミッションは、これで無事に終わったことになり、すでに2号機が星出彰彦飛行士を乗せて打ち上げられているなど、民間の宇宙船が活躍する時代の到来を印象づけるミッションになりました。
  今回の宇宙飛行が3回目となった野口さんは、宇宙ステーションの滞在中に船外活動を行って新しい太陽電池パネルを取り付けるための作業をしたほか、無重力でiPS細胞を培養したり植物を育てたりする実験などを行いました。
  帰還の日程が天候の影響で2回、延期されたため、野口さんの宇宙滞在日数は通算で344日と9時間余りとなり、日本人で最も長い滞在記録をもつ若田光一さんの347日にあと3日ほどに迫る記録になりました。


2021.04.24-Yahoo!Japanニュース(朝日新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/c55aa3814f4cfdfb4b978e5275ce751572ba26e1
星出さんがISSに到着 2人目の日本人船長、半年指揮へ

  星出彰彦飛行士(52)らを乗せた米スペースX社の新型民間宇宙船クルードラゴンが24日、上空約400キロの軌道を回る国際宇宙ステーション(ISS)に到着した。星出さんはISSに半年ほど滞在し、船長として乗組員の安全や任務の達成に向けて指揮をとる。日本人が船長を務めるのは、2014年の若田光一飛行士(57)以来2人目。

  ISSでは、昨年11月から滞在していた野口聡一飛行士(56)が出迎え、星出さんと抱き合って到着を喜んだ。日本人が宇宙に2人滞在するのは2度目。10年に米スペースシャトルで山崎直子飛行士(50)がISSに到着した時も、出迎えたのは野口さんだった。  星出さんは船長のほか、尿やエアコンの水を再利用するシステムの実証や、細胞が重さを感じるメカニズムを調べる実験、小型人工衛星の放出などをこなす。(合田禄=ワシントン、小川詩織)


2021.04.22-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210422/k10012990091000.html
火星の大気から酸素の人工生成に成功と発表 NASA

  NASA=アメリカ航空宇宙局は21日、火星探査車「パーシビアランス」に搭載した実験機器を使い、火星の大気から酸素を作り出すことに初めて成功したと発表しました。宇宙飛行士が10分間呼吸できる量だということで、将来の有人での火星探査に必要な酸素を作り出す技術に応用できると期待されています。

  NASAは21日、ことし2月に火星に着陸した探査車「パーシビアランス」に搭載した、実験機器を使って、火星の大気に含まれる二酸化炭素から酸素を作り出すことに成功したと発表しました。
  3時間余りの実験で、作り出した酸素の量はおよそ5.4グラムで、これは宇宙飛行士1人が10分間、呼吸する量にあたるということです。

  火星の大気は96%が二酸化炭素ですが、今回実験に使われた機器は、二酸化炭素に800度の高熱を加えて一酸化炭素と酸素に分解します。
  NASAは将来、有人の火星探査で、地球に帰還するための宇宙船にはおよそ7トンの燃料と、25トンの酸素が必要だと試算していますが、地球からそれだけの量を運ぶことは困難で、火星で作り出すほうが「経済的で実用的だ」としています。
  酸素を作り出す実験は今回の探査期間に繰り返し行われる予定で、技術が実証されれば、将来の有人探査への応用が期待されています。

(参考:地球での酸素量は21%,窒素78%,アルゴン0.93%-地球どこでも一定濃度)


2021.02.19-産経フオト-https://www.sankei.com/photo/story/news/210219/sty2102190001-n1.html
米探査車、火星に着陸 土壌から生命の痕跡狙う

  米航空宇宙局(NASA)は18日午後(日本時間19日午前)、探査車「パーシビアランス」が火星に着陸したと発表した。火星は数十億年前には温暖で液体の水があり、微生物が生きられる環境だったと考えられており、土壌を調べて生命の痕跡を探す狙い。かつて地球外に生命が存在したと確認されれば大発見で、生命誕生の環境や条件の謎に迫る手掛かりが得られる。

  大気圏突入後、最高約1300度の高温など多くの危険にさらされながら着陸までの「恐怖の7分間」を無事くぐり抜けることに成功、着陸後に火星の地表の画像を届けた。NASAの探査車や探査機が火星着陸に成功したのは9基目。(ワシントン共同)


2021.02.19-Astro Arts-http://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/11848_tianwen1
中国の天問1号、火星周回軌道へ投入成功

  中国の探査機「天問1号」が10日夜、火星周回軌道に無事投入された。
  【2021年2月12日 中国国家航天局新華社通信
  中国国家航天局(CNSA)は、昨年7月に打ち上げられた火星探査機「天問1号」10日20時52分(日本時間)にエンジン噴射を行って減速し、無事に火星を周回する軌道へ入ったことを発表した。中国の探査機が太陽系内の惑星を周回する軌道に入ったのは初めてのことだ。

  今後カメラなどの観測機器が稼働し探査が始まる。また、5月から6月には、ミッションで最も難しい運用となる着陸機の軟着陸が予定されている。着陸地点には、安全性と科学的価値の観点から、北半球の中緯度地方に位置する広大な「ユートピア平原(Utopia Planitia)」が選ばれた。ユートピア平原は1976年にNASAの火星探査機「バイキング2号」が軟着陸した場所だ。
  周回機は火星の1年に当たる約690日間の運用が、着陸機から送り出される探査車は約3か月の活動が、それぞれ計画されている。
  「『HOPE』の火星周回軌道投入に成功したアラブ首長国連邦の皆さまにお祝いを申し上げたい。また数日後に控えているNASAの火星探査車『パーサビアランス』の火星着陸の成功をお祈りしております。広大な宇宙を探査することは、全人類共通の夢です。私たちは各国と真摯に協力して宇宙探査を推進していきます」
(中国国家航天局局長 / 火星探査ミッション最高司令官 張克倹さん)。


2021.02.17-産経フオト-https://www.sankei.com/photo/daily/news/210217/dly2102170004-n1.html
米探査車、19日に火星着陸 生命の痕跡を目指し

  米航空宇宙局(NASA)が昨年7月に打ち上げた探査車「パーシビアランス」が18日午後(日本時間19日午前)、火星に着陸する。数十億年前、微生物が生きていた可能性がある火星で生命の痕跡を探すのが目的。薄いとはいえ大気があり、突入時には約1300度の高熱に襲われるなど、数々の難関に挑む。

  小型車ほどの大きさのパーシビアランスは重さは約1トン。2012年、着陸に成功した探査車キュリオシティーと同じく、母船がつり下げて着陸させる方法を用いる。
  カプセルに収められた母船と探査車は秒速5キロ超の猛スピードで火星の大気圏に突入。高度約11キロでパラシュートを開いた後、高度約2キロで母船と探査車がカプセルから離れる。エンジンを逆噴射して約20メートルの高さで静止した母船から、ひもでつながった探査車を下ろし、地上に届ける。(ワシントン共同)


2021.02.10-JIJI KOM-https://www.jiji.com/jc/article?k=2021021000204&g=int
UAE探査機、火星周回軌道に アラブ初、日本から打ち上げ

  【カイロ時事】中東初となるアラブ首長国連邦(UAE)の無人火星探査機「HOPE」が9日(日本時間10日未明)、火星周回軌道への到達に成功した。これまで火星周回や着陸に成功したのは米国、旧ソ連、欧州、インドのみで、アラブ圏では初の偉業となる。

  UAEの実質的な最高権力者であるアブダビ首長国のムハンマド皇太子はツイッターで「わが国の歴史で重要な業績であり、先駆者たちの努力は将来の科学者を勇気づけるだろう」と称賛した。
  HOPEは昨年7月、鹿児島県の種子島宇宙センターからH2Aロケット42号機で打ち上げられた。高解像度の観測カメラを搭載し、約2年にわたり火星全体の大気分布や表面温度などを詳しく測定する。
  建国50周年を迎えたUAEは近年、産業多角化の一環で宇宙開発にも注力。2019年には初めて自国民を宇宙飛行士として実際に宇宙へ送り出したほか、2117年までに人類が火星に移住するための都市建設計画を進めている。



2020.12.16-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/politics/news/201216/plt2012160022-n1.html
宇宙作戦隊 米中の人工衛星 5・6キロのニアミス解析

  航空自衛隊が5月に発足させた「宇宙作戦隊」の訓練の様子が16日、府中基地(東京都府中市)で報道陣に初めて公開された。その中では、今月7日に米中の人工衛星が5・6キロの距離にまで接近した事例が紹介され、宇宙作戦隊による解析映像がスクリーンに映し出された。陸・海・空に次ぐ「新領域」に位置付けられる宇宙空間は、デブリと呼ばれる宇宙ごみを含め、さまざまな脅威にさらされている。
  「実際に宇宙で、どれほどの頻度で同じような事象が起こっているか。正確に把握するためにも、(さらなる)教育、訓練が必要だ」
  隊長の阿式俊英2等空佐は訓練後、記者団にこう強調した。
  宇宙作戦隊によると、7日に接近したのは米国の民間衛星と中国の地球観測衛星。アフリカ大陸上空で、最接近距離は5・6キロだったという。
  2008年には米国とロシアの人工衛星が衝突し、大量のデブリが発生する事故が起きており、衛星同士が衝突するリスクは高まっている。
  宇宙空間では通信衛星や測位衛星などが運用されており、こうした衛星は陸・海・空を問わず、自衛隊の作戦遂行上の基盤だ。人工衛星やデブリが衝突すれば、作戦遂行は困難になる。
  加えて、中国やロシアは人工衛星を破壊するための対衛星ミサイルや、アームで捕獲するなどして衛星の能力を奪うキラー衛星を開発しているとされ、宇宙空間の脅威は増している。

  防衛省が宇宙状況監視(SSA)システムの整備を急いでいるのもこうしたことが背景にあり、令和5年度の運用開始を予定している。
  空自が今年の10月から、米西部カリフォルニア州にあるバンデンバーグ空軍基地の多国間宇宙調整所に自衛官を派遣しているのも、SSA能力の向上を図る一環だ。
   現在は宇宙作戦隊が宇宙の状況を解析するために取り扱えるデータが米軍の公開情報に限られており、同調整所に連絡官を配置できれば、英国なども加わる他国の生データにアクセスできるというわけだ。
  防衛省は来年度に宇宙作戦隊を配下に持つ約70人規模の「宇宙作戦群」を新たに編成する考えで、阿式氏は「人材育成が喫緊の課題。本格的な運用開始に向けて万全を期したい」と話す。(政治部 大橋拓史)


2020.11.10-Sankei Biz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/201110/mca2011101245018-n1.htm
宇宙ゴミ対策に軌道利用ルールも追加 日本が世界をリードする狙い

  政府が、宇宙ゴミの衛星などへの衝突を避けるため、来年度末までに中長期的な取り組み方針を策定することが9日、分かった。関係省庁で構成する検討会で10日、決定する。宇宙ゴミの発生を抑制するためのルール策定などを盛り込む。日本が先行する宇宙ゴミ除去技術を生かし、国際ルール作りをリードする狙いがある。

  これまで検討会では、既に宇宙空間に存在する危険性の高い宇宙ゴミの回収について協議してきた。令和4年度には実証機を打ち上げ、回収作業に向けたデータ収集を予定している。
  今後はこうした宇宙ゴミの除去に加え、新たな宇宙ゴミの発生抑制も目指す。人工衛星同士が接触し、制御を失って漂流したり、部品が飛散したりして宇宙ゴミとなることを回避するような技術開発や機体の運用、性能などを規定する国際ルールについて協議する。
  欧米各国では宇宙空間での軌道利用ルールについての検討が進んでいる。政府は国際ルールの検討へ向けた作業部会を新設し、来年度末までに中長期的な取り組み方針を策定し、実証機を活用したルールの実用化を目指す。


2020.9.21-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/life/news/200921/lif2009210025-n1.html
<独自>宇宙資源の所有権 超党派で法整備へ

  自民党や立憲民主党など超党派の議員連盟が、宇宙空間で採取した資源の所有権を民間企業などに認める法案をまとめたことが21日、分かった。宇宙資源の所有権をめぐる法整備は国際的に進んでおらず、実現すれば米国、ルクセンブルクに続く先進事例となる。議連は早ければ次の臨時国会での議員立法提出を目指す。
  素案をまとめたのは各党から国会議員約20人が参加する超党派議連「宇宙基本法フォローアップ議員協議会」(共同座長・河村建夫元官房長官、前原誠司元外相)。今後、未加入の共産党などにも協力を呼びかけ、各党での審議を経て最終的な法案をまとめる。
  議連がまとめたのは「宇宙資源の探査及び開発に関する事業活動の促進に関する法律案」。月や火星などの天体を含む宇宙空間に存在する水や鉱物資源について、その探査や開発を目的とする人工衛星の許可に特例を設ける。事前に提出した事業計画通りに宇宙資源を採取した事業者は、その使用により収益を上げるとともに、処分する権利を取得できるとする。
  法案では、政府に対し各国との整合性の取れた制度構築を目指しつつ、宇宙関連産業の国際競争力強化を図るよう求める。一方で「宇宙空間の探査や利用の自由を行使する他国の利益を不当に害しない」との留意事項を盛り込んだ。
  宇宙空間での活動を規定する「宇宙条約」では天体や空間自体の所有権を認めていないが、宇宙資源については規定がない。国連では2017年から宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)で議題となり、作業部会で検討された結果、国内法整備を排除しない見解が示されている。

  同様の立法はすでに15年に米国、17年にルクセンブルクで成立している。カナダや豪州、ニュージーランドなど各国でも検討が進められている。

  宇宙条約 1967年に発効した宇宙空間の探査や利用における各国の活動原則に関する国際条約。日本を含め世界105カ国が加入する。他に宇宙救助返還協定など細則を定めた条約や協定がある。月や他の天体を含む宇宙空間について国家の領有権を否定する一方、資源の所有権については明記されていない。1984年発効の月協定では適量の物資利用について定めるが、日本や米国は加入していない


2020.7.31-Yahoo!!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/5baf336e6b12a3b847ba807832d776cca9b159de
巨大太陽フレアを高精度予測 名古屋大などが技術開発

  太陽の表面で起きる爆発現象である「フレア」の大規模な発生を高精度に予測する技術を名古屋大などが開発した。米科学誌サイエンスに31日、論文が掲載された。巨大なフレアは通信障害などを起こして社会生活に大きな影響を及ぼす恐れがあり、正確な予測は被害の軽減に役立ちそうだ。
  フレアは太陽の黒点の周辺の磁場に蓄積された膨大なエネルギーが一気に放出される現象。巨大フレアは発生頻度は低いが、強い放射線などが地球に届く。
   この影響で北米での大規模な停電や、衛星利用測位システム(GPS)の誤差増大が起きた例がある。国際宇宙ステーション(ISS)や将来の月面探査で飛行士の被曝(ひばく)も懸念される。
   これまでは黒点の大きさや形状から経験的に発生を予測してきたが、的中率は5割に満たず、予測精度の向上が求められていた。
   研究チームは、磁場が不安定になるとフレアが発生するメカニズムを突き止め、発生の場所や規模を予測する計算モデルを開発。米航空宇宙局(NASA)の観測衛星のデータを使って検証したところ、過去約10年間に発生した9つの巨大フレアのうち、7つを正確に予測できた
   1日から数時間前までに予測することが可能で、チームの草野完也名古屋大教授は「宇宙飛行士の退避や電力網の制御などの対策を取る時間ができる」と話す。発生情報を知らせる「宇宙天気予報」を提供している情報通信研究機構と協力し、1~2年後の実用化を目指す。


2020.7.22-西日本新聞-https://www.nishinippon.co.jp/item/o/628427/
小惑星破片で地球の生物多様化?

  8億年前、何らかの原因で砕けた直径100キロ級の小惑星の破片が、大量に月と地球に降り注いだとの研究成果を、大阪大の寺田健太郎教授(宇宙地球化学)らのチームが英科学誌ネイチャーコミュニケーションズに21日付で発表した。この際、生命体に必須のリンが地球に多くもたらされ、その後に多様な生物が登場する土台となった可能性があるとした。
  この小惑星は、日本の探査機はやぶさ2が到達したりゅうぐうと同じ、炭素に富んだ「C型」と呼ばれるタイプとみている。12月に探査機がりゅうぐうのかけらを持ち帰り、分析が進むことで、生命の歴史の一端が明らかになると期待される。







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