太平洋島嶼国-1(MELANESIA(メラネシア) ,POLYNESIA(ポリネシア) MICRONESIA(ミクロネシア) である)
(代表にはパプアニューギニア、フイジー、ソロモン、パヌアツ/、サモア、トンガ、クック、ツバル、ニウエ/ミクロネシア、キリバス、マーシャル、パラオ、ナウルである)




2022.08.30-au WEB トータル(産経ニュース)-https://article.auone.jp/detail/1/4/8/221_8_r_20220830_1661815545792770
中国接近のソロモン諸島、米巡視船寄港拒む 高官「遺憾」

  【ワシントン=渡辺浩生】米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は29日のオンライン記者会見で、近年中国への傾斜を強める南太平洋の島嶼(とうしょ)国ソロモン諸島が今月下旬、米沿岸警備隊の巡視船の寄港を許可しなかったことを明らかにし、ソロモン政府の判断を「遺憾だ」と述べた。

  カービー調整官によると、米巡視船は給油を目的にソロモンに寄港する予定だったが、ソロモン政府は23日、寄港を許可せず、巡視船は行き先をパプアニューギニアに変更して給油を受けたという。

  地政学上の要衝に位置するソロモン諸島は近年中国からのインフラ投資が集中し、今年4月には中国軍の駐留を可能にする安全保障協定を結んだ。中国の軍事拠点化が懸念され、米国は大使館の再開や経済協力など関与の強化に乗り出している。
  同調整官は、寄港が拒否された理由に言及しなかったが、中国が「自由で開かれたインド太平洋の広範囲な利益よりも利己的な国家安全保障上の利益」のために地域の島嶼国を抑圧している現状を指摘した。

  一方で米海軍の病院船は29日、ソロモンへの寄港を許可され、豪州や日本の関係者とともに約2週間の人道活動に従事する。米国務省は今後の米艦船の寄港を求め調整を続けている。
08/30 08:25 産経新聞


2022.08.-IDE JETRO-https://www.ide.go.jp/Japanese/IDEsquare/Eyes/2022/ISQ202220_029.html
(アジア経済研究所>IDEスクエア>世界を見る眼>2022年>(片岡 真輝)
激変する太平洋地域の安全保障環境と太平洋島嶼国――パシフィック・ウェイに基づく協調行動は可能か

  2022年7月9日、太平洋島嶼国のキリバスが太平洋諸島フォーラム(PIF)から脱退することを表明した。PIFは1971年に設立された南太平洋フォーラムを前身とする地域協力機構である。キリバスのPIF脱退宣言が明らかにしたのは、太平洋島嶼地域で築かれてきた協調の伝統の維持が困難になりつつある現実である。
  その背景には、複雑さが増した太平洋島嶼地域の安全保障環境がある。近年、米中双方が積極的に太平洋島嶼国に関与していることから、太平洋地域が米中対立の最前線のひとつとして認識されるようになっている。しかし、アメリカや中国の意図や大国間競争にばかり注目が集まりがちであり、太平洋島嶼国がどのように反応しているかについての分析は少ない。本稿はこれまであまり鑑みられることがなかった太平洋島嶼国の状況や視点も交えつつ、同地域の安全保障環境を概観する。
キリバスのPIF脱退の背景
  PIFは地域課題に結束して取り組み、太平洋島嶼国の主体性と利益を追求することを目的としてきた。設立当初はフランスによる太平洋地域での核実験に反対し、最近では世界各国に対して温暖化対策への一層の行動を求めている。
  2021年、キリバスを含むミクロネシア各国がPIFから脱退することを表明した。これは、PIFの事務局長人事をめぐる諍いが原因である。慣例ではメラネシア、ポリネシア、ミクロネシアが順番に事務局長を送り出しており、次回の事務局長はミクロネシアから選ばれるはずであった。しかし、「紳士協定」がないがしろにされ、ポリネシアであるクック諸島のヘンリー・プナ元首相が事務局長に選出されたことから、ミクロネシア各国が不満を表明し、PIFからの脱退を宣言した。
  この問題は、2022年のPIF議長国であるフィジーの仲介により「スバ協定」が合意され、ミクロネシア各国が脱退表明を取り下げることで、一応の解決を見たと考えられていた。そのため、首脳会議直前でのキリバスの脱退表明は驚きをもって受け止められた。キリバスは、「スバ協定」に納得したわけではないことなどを脱退の理由に挙げている。

  キリバスといえば、2019年に台湾と断交し、中国と国交を樹立したことで、中国との関係の深さが指摘されてきた国である。そのため、キリバスのPIF脱退宣言についても中国の影響を指摘する声がある2。とくに、第二次世界大戦中に使用されていた滑走路を中国と共同で改修する計画が明るみに出て以降、アメリカやオーストラリアは、中国による太平洋地域の軍事拠点化を警戒するようになっている。
  キリバスのPIF脱退の理由を中国の「関与」に求めるのは短絡的すぎるが、伝統的に地域で一致した協調行動を取ってきた太平洋島嶼国地域において、中国が分断(工作)に乗り出しているとの報道も見られる(時事ドットコムニュース 2022)。

  キリバス以上に中国との関係の深さが指摘されているのがソロモン諸島である。
  2022年4月20日、ソロモン諸島と中国は安全保障協定を締結したが、アメリカやオーストラリア、そして日本を含むアジア太平洋地域の「民主主義陣営」は、この安全保障協定が太平洋地域における中国の軍事拠点化をもたらすとして、一斉に懸念を表明した。
  同年5月には、中国の王毅外相が太平洋島嶼国7カ国と東ティモールを10日間かけて訪問するという異例の長期外遊を行った。
  中国政府は、ソロモン諸島と締結した安全保障協定と同様の協定を他の太平洋島嶼諸国とも締結しようとしており、歴訪の直前に各国に送付した安全保障協定に関する提案書がインターネットに流出した。
  太平洋地域では、地域課題を圧力や多数決で解決するのではなく、反対意見も尊重し、対話を尽くしてコンセンサスを形成し、協調行動を取ることを基本原則としてきた。これがいわゆる「パシフィック・ウェイ」と呼ばれる原則の一部である。
  一方、太平洋島嶼国各国はそれぞれの国内事情と国益を考慮しながら主権国家として対外政策を決めている側面もある。移り変わりゆく地域の安全保障環境に対して太平洋島嶼国は、今後も伝統的な方法で協調行動を取り続けていくことができるのであろうか
中国のプレゼンス拡大と「民主主義陣営」の反応
  中国は2010年代初めごろから対太平洋島嶼国への開発援助を拡大し始めた。オーストラリアのローウィー研究所が作成した「太平洋援助マップ」によると、2009年の太平洋島嶼国向け政府開発援助(ODA)では、1位のオーストラリアが7億ドル超を占め、2位がアメリカの2億1500万ドル、3位が日本の1億2900万ドルであり、中国は6300万ドルと地域全体の援助総額の3%を占めるにすぎなかった。
  ところが、3年後の2012年には中国の援助額が1億2600万ドルに倍増し、援助総額では全体の5位に、2016年には2億8700万ドルとなり、太平洋地域向け開発援助全体の13%を占め、オーストラリアに次いで2位となった。

  オーストラリアの2011年の援助実績は12億ドル超を記録し、対太平洋島嶼国援助全体の50%以上を占めるに至っていた。2013年に労働党政権から保守連合政権に代わってからは援助額が若干減少したが、それでもその額は8億ドルから10億ドルの間で推移してきた。中国の援助には必ずしもODAの供与額として公表されていないものもあると考えられるので、数字以上の援助や経済支援がある可能性はある。
  しかし、オーストラリアやニュージーランド、アメリカや日本などの援助も加えれば、「民主主義陣営が引き続き最大の援助国であることは間違いない。さらに、中国の対太平洋島嶼国援助は最近では減少傾向にある。そのため、援助を通じた中国の影響力は限定的になりつつある。

  一方で、援助と引き換えに中国が力を入れているのが安全保障協力である。最近もっとも注目を集めたのが、上述のソロモン諸島をめぐる新たな展開である。
  ソロモン諸島は2019年に台湾と断交して中国と国交を樹立した。ソロモン諸島では、2021年12月に大規模な暴動が起こったが、そのきっかけのひとつは、中国寄りの政策を進めるソガバレ政権への反発であったとされる。この暴動ののち、ソガバレ首相は、ソロモン諸島警察の訓練と能力強化のために中国の警察関係者と装備品を受け入れることを発表し、国内の治安維持において中国に支援を求めるようになった。
  そして、2022年4月にソロモン諸島と中国が締結した安全保障協定では、治安維持の名目で中国軍がソロモン諸島に駐留することが可能とされており(O’Brien 2022)、アメリカやオーストラリアが一斉に懸念を表明するに至った。

  対するアメリカやオーストラリア、ニュージーランドも、2022年に入り要人外交を活発化させている。アメリカのブリンケン国務長官は2月にフィジーを訪問し、気候変動対策や軍事交流イニシアティブを促進させるととともに、ソロモン諸島に大使館を設置する計画があると表明した。
  さらにアメリカは、日本、オーストラリア、ニュージーランド、イギリス、フランスなどと連携して、太平洋島嶼国への関与を強化していく構想を発表している。オーストラリアでは5月に政権交代が実現し、アルバニージー労働党政権が発足したが、ペニー・ウォン新外相は、就任直後から積極的に太平洋島嶼国を訪問している。そして、フィジー、サモア、トンガ、ソロモン諸島を訪問した際、これらの国に対し、環境、コロナからの復興、開発などの分野でこれまで以上の支援を行うことを約束した。
大国とのほどよい距離感とは
  PIFは、近年の安全保障環境の変化や影響力を強める中国との関係に対し、地域で一致した行動を取ろうとしている。しかし、実際の行動は国によって異なるのが実情である。
  フィジーなどの地域内で政治的な交渉力が比較的高い国は、適度なバランスを取りながら、中国と「民主主義陣営」の両方から利益を引き出す等距離外交を展開している5。つまり、両者と等距離で付き合うことで双方から利益を得つつ、なおかつ大国間の競争に巻き込まれないように近づきすぎない、という微妙な舵取りを行っているのである。
  フィジーのバイニマラマ首相は、王毅外相がフィジーを訪問した際にツイッター(2022年5月30日)で、「太平洋島嶼国が必要としているのは本物のパートナーであり、パワーを追求する大国ではない」と中国を牽制してから、中国との外交成果を紹介している。
  またオーストラリアに対しては、「太平洋島嶼国はどこかの裏庭ではなく、自分たちのことは自分たちで決める。太平洋島嶼国の関心は地政学ではなく、環境問題である」とツイッター(2022年5月28日)に投稿している。
  「裏庭」はしばしばオーストラリアが太平洋島嶼国を従属的に見ていることを示す言葉として否定的な意味で使われる。つまり、「裏庭ではない」ということは、フィジーがオーストラリアや西側陣営に従属的に協力することはないという意思を明確に表すものである。

  このような太平洋島嶼国側からの反応に対し、「民主主義陣営」と中国は、太平洋島嶼国を大国間競争に巻き込む意図がないことを強調している。バイデン政権の高官は、アメリカが太平洋島嶼国に中国かアメリカのどちらか一方を選択するように迫っているわけではないこと、そして中国と関係を持つことに反対しないことを明言している(日本貿易振興機構 2022)。
  ニュージーランドのヘナレ国防相も、太平洋島嶼国が独立国家として自由にパートナーを選ぶことができる旨を発言している(The Fiji Times 2022)。

  また、王毅外相は外遊中に開催された中国・太平洋島嶼国外相会合において、中国は太平洋島嶼国を大国同士の競争に巻き込ませる意図がないことを示したうえで、さらなるコンセンサスを形成するために、中国と太平洋島嶼国との協力について概観するポジション・ペーパーを作成し、今後も議論を続けていくとしている(Chute 2022)。
  今のところ、多くの太平洋島嶼国は中国との安全保障協力にコミットしておらず、中国と「民主主義陣営」は、太平洋島嶼国に意思決定権があることを認める発言をしている。また、アメリカやオーストラリア、中国は、太平洋島嶼国が一貫して求めてきた温暖化対策や二酸化炭素の排出制限での一層の努力と協力を表明している。このような外交上の実利も考えれば、フィジーなどの太平洋島嶼国は外交上うまく立ち回っていると言える。
足並みが乱れる太平洋島嶼国
  しかし、大国間でバランスを取る方針を採用していない国もある。ソロモン諸島やキリバスは明らかに中国との関係を深めている。
  2022年のPIF年次会合では地域の安全保障問題に対して島嶼国が協力して対応することが目指されたが(日本経済新聞 2022)、キリバスの脱退宣言は、この問題に対して各国が一致した行動を取ることができない現状を露呈させるものだった。

  ミクロネシアの国々は、アメリカと自由連合協定(コンパクト)を締結していることから、アメリカとの結びつきが強い。前述の王毅外相による歴訪前に流出した情報によると、中国が各国に示した安全保障協定の提案文書には「伝統的および非伝統的な安全保障の分野での協力」や、「中国が二国間および多国間の手段で太平洋島嶼国のための警察訓練を実施する」ことなどが明記されていた(Matsumoto 2022)。
  この提案については、ミクロネシア連邦のパヌエロ大統領が強く反発し、提案が「新冷戦を引き起こしかねない」と述べ、他の太平洋島嶼国に対して慎重に対応するよう求めた(Needham 2022)。このような反応は、キリバスやソロモン諸島の対中姿勢とはまったく異なるものであり、等距離外交を志向するフィジーよりも強硬なものである。
  一方、等距離外交を展開するフィジーでも、内政に目を向ければ、野党が明確に中国を脅威として定め、アメリカやオーストラリアとのパートナーシップを強化する必要性を訴えている(The Australian 2022)。これは、2022年後半に予定されている総選挙で、安全保障が選挙争点として浮上してきたことから、政府が中国に対し弱腰であると批判するためである。したがって、選挙結果によっては、フィジーの対中政策も変更される可能性がある。

  各国は、パシフィック・ウェイの原則に従い、中国への傾斜を強めるソロモン諸島やPIFからの脱退を表明したキリバスに対して一定の理解を示す発言をしている 。
  PIFは、地域の安全保障上の課題に対して、島嶼国が一致した対応を取るように調整しようとしているが、異なる意見を尊重しつつコンセンサス形成を図るというパシフィック・ウェイによる合意形成は時間がかかり、現在の急激な情勢変化のなかで、島嶼各国の協調行動を困難にしている。

  そのような太平洋島嶼国の状況を後目に、「民主主義陣営」と中国による太平洋地域へのアプローチは積極性を増している
  PIF首脳会議にメッセージを寄せたアメリカのハリス副大統領は、さらなる太平洋地域へのコミットメントを約束し、キリバスを含み新たな大使館を設置する意向を表明している。また、オーストラリアやニュージーランドも、ビザ要件の緩和など、太平洋島嶼国の利益に直結する政策を軒並み表明している。
  中国が提案する安全保障協定も、これから継続的に交渉されていくものと考えられる。
  今後は、太平洋島嶼国が意見の相違を乗り越えて、地域として一貫した対応を定めることができるのか、それとも地域のコンセンサスが目指されることなく、各国が独自の判断で中国や「民主主義陣営」との関係が追求されていくのかが注目される。

  ※この記事の内容および意見は執筆者個人に属し、日本貿易振興機構あるいはアジア経済研究所の公式意見を示すものではありません。


2022.03.30-BBC NEWS JAPAN-https://www.bbc.com/japanese/60923628
中国、ソロモン諸島と安保協定を計画 オーストラリアの「裏庭」に足がかり

  先週後半、中国と太平洋の小国の間の安全保障協定案が、太平洋全域に衝撃を与えた。流出した草案では、中国はソロモン諸島に軍部隊を配備し、海軍基地を設置する可能性もあるとなっていた。

  これに警戒を最も強めたのが、ソロモン諸島の南に位置するオーストラリアだ。同国は、アメリカ、イギリスと構築した新たな安全保障の枠組み「AUKUS(オーカス)」において、太平洋地域の基盤となっている。

  オーストラリア国際問題研究所のアラン・ギンジェル教授は、「この協定の詳細はまだ不明だ。しかし、心配されている軍事基地より小規模だとしても、中国にとって初の太平洋における足がかりとなるだろう」と話す。
  ソロモン諸島とオーストラリアは長年、互いに関係を築いてきた。第2次世界大戦後、オーストラリアはソロモン諸島にとって最大の援助国となっており、開発パートナーでもある。そしてこれまで、安全保障上の唯一のパートナーとなってきた。
  豪政府は不意を突かれて動揺したと、アナリストたちはみている。ただ、警告がなかったわけではない。豪政府は5年前、中国が「裏庭」に侵入していると感じていた。ソロモン諸島は当時、中国の融資や経済投資を促進していた。
  それを受けて豪政府は「ステップアップ」政策で対抗した。「太平洋ファミリー」に注意を向け直し、援助を増やした。
  だが、中国がオーストラリアと並んで安全保障パートナーとなったことは、豪政府の関与政策の失敗を明らかにしていると、アナリストらは話す。
  前出のギンジェル教授は、「このようなことが起こらないようにすることが目的だったはずだ。はっきりしているのは、これがオーストラリア外交の失敗だということだ」と言う。
  オーストラリアにとっての大問題というだけではない。半年前に発表されたばかりにのオーカスには、中国のインド太平洋地域における野心に対抗する目的がある。アメリカなど西側同盟の各国は、同地域が潜在的な紛争地域になることへの懸念を表明している。
何が話し合われているのか
  ソロモン諸島のマナセ・ソガヴァレ首相は、中国との間で既存インフラや他のビジネスでの投資に加え、安全保障を追求する自国の権利を断固として擁護している。
  「地政学的な権力争いに巻き込まれるつもりはまったくありません、議長」と、同首相は29日に議会で宣言。ソロモン諸島が「どちらかにつく」こともないとした。
  流出した草案が最終的なものなのか、ソガヴァレ氏は明確にしていない。それでも、草案の内容は非常に幅広く包括的だったため、すぐに警戒心をかき立てた。

  草案には、中国が海軍の艦船を「立ち寄りと移行」のために島々に派遣できる条項がある。このことが、軍事基地が作られることへの懸念を高めている。
  草案はまた、中国の国民と事業を保護するためのソロモン諸島への軍隊の配備を中国に許可。ソロモン諸島は中国に対し、「警察、武装警察、軍人、その他の法執行および武装勢力」の派遣を要請できるとしている。
  オーストラリアのローウィー研究所の太平洋諸島地域アナリスト、ミハイ・ソラ氏は、「中国があらゆる種類の人員を派遣する可能性があるのに、(中略)派遣の範囲や軍隊の権限が明確にされていない」と述べた。
  ソロモン諸島にとっての唯一の、もう一方の安全保障協定であるオーストラリアとの協定と比べ、今回の草案ははるかに広い範囲をカバーしている。

  オーストラリアとの協定は、主に平和維持に関するものだ。オーストラリアはソロモン諸島から要請があった場合、軍部隊を急派できる。ソロモン諸島は長く、暴力的な政情不安の歴史をもつ。
  昨年、ソロモン諸島の首都ホニアラで大規模な暴動が発生した際には、この協定が再び適用され、オーストラリアが軍を派遣した。ニュージーランド、フィジー、バヌアツも軍を送り込んだ。
中国の「戦略な切り込み」
  中国との安全保障協定案は、この地域のバランスを変える可能性がある。
  「安全保障協定は文言以上の意義がある。国同士の緊密さ、協力関係、信頼を暗に示している」とソラ氏は言う。
  太平洋における中国の軍事的存在感は、何十年にもわたって地域で享受されてきた「穏やかな」環境を完全に打ち壊すことになる。そうした環境は現在、オーストラリア、ニュージーランド、太平洋諸島フォーラムの各国が集団で保っている。
  オーストラリアは、「この地域の安定と安全が損なわれる」可能性について懸念を表明。ニュージーランドは、「地域の潜在的な軍事化」に反対している。
  アナリストらは、オーストラリアのすぐ近くまで迫っている中国について、恐れるべきは侵略ではないとしている。それよりも、中国による情報収集や監視の強化など、直近の短期的な懸念があるという。
  南太平洋の足がかりとなる小規模の中国軍の存在ですら、オーストラリアには懸案であり、軍事資源の流出につながる可能性がある。

  「ソロモン諸島にある中国基地が紛争の際にどんな貢献をするのかという問題ではない。そんな次元の話ではまったくない」とソラ氏は話した。
  「ある地域に軍事的な存在感が確立すれば、その地域は排除され、他の国からのアクセスも排除されてしまう」
  悪のシナリオは、南シナ海の力学の緊張がエスカレートすることだと、ソラ氏は述べた。中国はすでに、領有権が争われている海域で人工島を建設し、そこに軍事施設を設置。他国の海軍や空軍の通行を拒否している。
  「オーストラリアと他の太平洋諸国はこれまで、太平洋の穏やかな海域にあって、自由な移動を享受してきた」
  「この協定は、その競争に明確かつ厳しい戦略的な切り込みを入れてきた」



2021.11.29-Yahoo!Japanニュース(中央日報)-https://news.yahoo.co.jp/articles/7f49201e298973c9a2b042e14db7b5ac3b1e6652
ソロモン諸島のチャイナタウンで略奪暴動…在外中国人の安全に「警告灯」

  先週反政府デモが発生した南太平洋ソロモン諸島の首都ホニアラのチャイナタウンで3人の遺体が見つかったとオーストラリアのABC放送が28日に報道した。
  現地警察は、暴動が発生して燃えたチャイナタウン地域の商店で発見された遺体3体を鑑別するため法医学チームが努力していると話した。死因と身元は確認されていない。
  今回の暴動は24日に始まり3日間にわたりチャイナタウン一帯の建物56軒を焼き3930万ドルの被害を出したとソロモン中央銀行は集計した。暴動は根深い地域感情と経済難、中国と台湾をめぐる中央と地方の対立が重なって起きた

  中国当局としては在外中国国民の安全が足下の火となった。特に新型コロナウイルス発生から2年近く国境を厳格に統制してきた中国としては、今後「コロナ鎖国」を解除する場合に、愛国主義の洗礼を受けた中国人と反中感情が高まった国際社会との間の物理的衝突をどのように防ぐかが課題になった。
◇現地雇用のない中国企業の形態もデモ要因
  今回のデモは24日にソロモン諸島のガダルカナル島に位置した人口8万人の首都ホニアラで始まった。数千人のデモ隊は主にマライタ島出身という。デモ隊は首相官邸を放火し、斧や刃物などで武装してチャイナタウンで略奪と放火を行った
  80万人前後であるソロモン諸島の人口の約4分の1を占めるマライタ島はこれまで台湾との経済貿易関係が緊密だった。これに対しソガバレ首相は2019年4月に4回目の再任に成功した後、中国から5億ドルの援助を受けて同年9月に台湾と断交し中国と修交した。
  マライタ州のスイダニ州長は最近の声明を通じ、しばらく中央政府の予算支援を受けることができず、代わりに今年に入り台湾から人道主義医療援助を受けたと明らかにした
  また、国民より外国人の利益を優先しているとしてソガバレ首相の辞任を要求した。香港紙明報は27日、ソガバレ政権が北京と修交した際に国内世論を全く取りまとめておらず、外国企業が現地住民に就職の機会を提供していないことに対する不満も今回のデモのまた別の原因だと指摘した。
  ソロモンは内戦も深刻だった。第2次大戦末期に日本軍と連合軍の激戦地だったガダルカナル島の隣にあるマライタ島の間では1998年と2003年にも内戦が発生した。当時進駐したオーストラリアとニュージーランドの平和維持軍は2017年まで駐留した。今回も暴動鎮圧のためソロモン政府の要請でオーストラリアとパプアニューギニア軍150人ほどが派遣された。彼らは夜間通行禁止をしながら暴徒100人ほどを逮捕・拘禁した。
◇中国、軍隊派遣せず注意警報だけ 中国は軍隊派遣を躊躇している
  26日にロシアのタス通信の記者が「中国もオーストラリアとともにソロモン諸島に軍隊と警察の派遣を考慮するか」と尋ねると中国外交部の趙立堅報道官は「現在ソロモン諸島政府からそうした要求を聞いていない。われわれ(中国)は関連各方面がソロモン諸島の主権を尊重することを希望する」と原則的に答えるのにとどまった。
  在ソロモン中国大使館もこれといった対策を出せずにいる。在ソロモン中国大使館はメッセージアプリの微信に24日から26日まで1日1回「重要通知」を上げ、「連日暴徒の略奪で一部僑胞が深刻な財産損失を出している。本館は僑民に臨時避難所を用意しサポートしているので危険地域に滞留せず警戒を強化せよ」とだけ伝えた。
◇コンゴやパキスタンで中国人狙ったテロ増加傾向
  ソロモン諸島だけでなく海外で中国人を狙ったテロも増加している。24日にアフリカのコンゴ民主共和国東部の金鉱で中国人が拉致され殺害される事件が発生したと香港紙サウス・チャイナ・モーニング・ポストが28日に報道した。
  現地武装民兵の襲撃を受け中国人2人を含む4人が射殺され、中国人鉱山労働者5人が依然として拉致された状態だ。
  7月にはパキスタンでバスに対するテロが発生し中国人9人が死亡した。テロ直後に中国は現地に自国の捜査チームを派遣するなど迅速な措置に出たが、その後の進行状況は確認されていない。
  こうした現実は当局の宣伝映画とは異なる。最近韓国戦争(朝鮮戦争)を描いた映画『長津湖』が出るまで歴代興行1位だった2017年の映画『戦狼2』はアフリカ内戦に巻き込まれた中国僑民を特殊部隊の戦狼要員が艦隊を動員して救助するという内容だ。
  2018年には2015年のイエメン内戦当時の中国僑民撤退作戦を描いた『紅海行動』を制作し在外中国国民の安全は国が必ず守るという宣伝で愛国心を鼓吹した。
   問題は新型コロナウイルス流行後の中国と世界の不和だ。英フィナンシャル・タイムズのコラムニスト、ギデオン・ラーマン氏は9日のコラムで「中国がいつか国境を開くことになれば、世界は大きく変わった国と出会うことになるだろう」と指摘した。
  中国の「コロナ鎖国」が終われば愛国主義で武装した中国人と相対的に反中感情が高まった西側諸国の国民の間で衝突が懸念されるという指摘だ。


2021.05.06-REUTERS-https://jp.reuters.com/article/china-kiribati-idJPL4N2MT1TH
EXCLUSIVE-中国、キリバスで滑走路改修を計画 米国とアジアの中間地点

  [シドニー 5日 ロイター] - 2019年に台湾と断交し中国と国交を樹立した中部太平洋の島しょ国キリバスで、中国が第2次世界大戦で米軍に使われた仮設滑走路や橋の改修を計画している。計画を懸念する野党議員がロイターに明らかにした。
  計画されているカントン島は、米軍が基地を置くハワイから約3000キロ南西に位置し、アジアと米州の戦略的な中間地点となる。中国が同島で設備を増強すれば、大戦後、米国やその同盟国が密接なつながりを維持してきた領域に中国が深く食い込む足がかりになる。

  同議員は、計画が中国の巨大経済圏構想「一帯一路」の一環なのかを知りたいと表明。「キリバス政府は費用など詳細を明らかにしていない。実行可能性調査をすると言っているだけだ」と述べ、野党として政府からもっと情報を求める考えを示した。
  キリバス大統領府は取材に返答していない。中国外務省からも質問の回答はまだない

  中国との国交樹立を主導したマーマウ大統領はその後、接戦の末に再選されている。
  カントン島はかつて米国が駐留し、ミサイル追跡の拠点としていた。大戦中には2キロ近い仮設滑走路が米軍の長距離爆撃機を受け入れていた。



2020.12.15-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/politics/news/201215/plt2012150027-n1.html
陸自と米海兵隊が実動訓練 島嶼防衛強化

  陸上自衛隊と米海兵隊は15日、陸自の相馬原駐屯地(群馬県榛東村)で島嶼(とうしょ)防衛を想定した実動訓練「フォレスト・ライト」を実施した。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、陸自と米海兵隊による実動訓練が報道陣に公開されるのは今年度初めて。
  訓練は南西方面での中国による軍事的脅威の拡大を踏まえて行われ、今回は新型コロナ対策を徹底した。訓練では、米海兵隊の輸送機MV22オスプレイに陸自隊員が、陸自のCH47輸送ヘリコプターに海兵隊員がそれぞれ乗り込み、相互運用性の向上を図った。


2020.9.9-産経新聞 THE SANKEI NEWS WEB-https://special.sankei.com/a/international/article/20200908/0001.html
中国との国交に反発、独立問う住民投票へ ソロモン諸島の最大州

   【シンガポール=森浩】南太平洋の島嶼(とうしょ)国ソロモン諸島の国内最大州が、台湾と断交して中国と国交を結んだ中央政府に反発し、独立を求める住民投票を実施する方針を発表した。中台対立が小さな島国に波及し、国内の亀裂を深めている形だ。太平洋の要衝にある島嶼国では、中国が経済支援をテコに台湾を押しのけるように浸透を図っており、米国やオーストラリアも警戒を強めている。
   住民投票実施を表明したのは人口約65万人のソロモン諸島で最大の約14万人を抱えるマライタ州。スイダニ州首相は1日、中央政府が「中国(との国交)を受け入れるよう継続的な圧力を(州に)かけている」と主張。「指導者が独裁的になりつつある国の一部であり続けるかどうかを見極める」と独立を問う住民投票の実施を宣言した。


2020.8.16-産経新聞 THE SANKEI NEWS WEB-https://www.sankei.com/column/news/200816/clm2008160005-n1.html
【古典個展】大阪大名誉教授・加地伸行 島嶼管理士の創設
(1)
  新型コロナ禍報道の日々。それはジャーナリズムの使命であるから当然であるが、その内の論説に欠けている分野がある。それはコロナ禍の今こそ災難を逆手(さかて)にとって、日本の将来を良い方向へと持ってゆく強(したた)かな政策は何かという議論である。 現在、政府は目前のことに追われているが、それは〈行政〉の問題であって、〈政治〉の出動ではない

 政治は、国家の安全安心の未来像を描くものであり、そこへ向かっての一致団結が現在の苦難を乗り越えるエネルギーとなる。すなわち政治家は可能性のある夢を描くべきである。そうした夢の例をここに述べてみたい。
  と言っても、天国や極楽に暮らすような夢物語ではしかたがない。あくまでも、具体的にして現実的な提案である。もっとも以下の主張は、老生がこれまで主張してきた(しかし政治家のだれも顧(かえり)みなかった)ものであるが、あえて再説する。

  例えば、瀬戸内海の鳴門海峡の干満落差(約1・5メートル)を利用しての海流発電の開発。もちろん瀬戸内海にはそうした場所がその他に多くある。 その開発のために国家が数百兆円を投じてもいいではないか。コロナ禍に依(よ)る事業者等のためのバラマキをするくらいなら。仕事や収入が減ったという人にとっても、その開発事業が雇用創出になるではないか。海流発電に成功すれば、石油・石炭入手の費用は不要だ。
  また例えば、7000近くあるわが国の島々に対して、その管理運用を担当する島嶼(とうしょ)管理士という国家資格を創設し、海上保安庁指揮下の警察権の一部を有する公務員を5000人ほど採用してはどうか。
  この島嶼管理士の任務は、担当する島に住み、島内外を巡視管理する。もちろん、尖閣諸島はその赴任の筆頭である。わが国の領土だから当然である。 この島嶼管理士創設の提案はもう何年も前のことである。オリンピックだの万博だのというお遊び会を開くことなどよりも遙(はる)かに重要である
(2)
  島々だけではなくて、森林も重要であるが、人手が及ばず、荒れる一方である。しかもそれを助長しているのは、山林所有者の手入れ不足である。
  とすれば、森林健全化のための巡察や、場合に依れば正常化(伐採や植樹等)の命令、そして指揮を担当する森林管理士(国土交通省指揮下の公務員)制度を作り、山林の保全・発展を担当させてはどうか。
  海流や離島や深山といった地域を日本人は重視してこなかった。しかし、よくよく考えればこれらの地域は、実は宝の山・海なのである。その下に眠る資源は、未調査・未開発であるが、いつの日かわが国を支えるかもしれないではないか。
  コロナ禍で気鬱(きうつ)に終わるのではなくて、可能性のある夢、現実性のある希望を胸に抱いて進もうではないか。硬軟自在に。
  『礼記(らいき)』雑記下に曰(いわ)く、〔弓をただ〕張りて弛(ゆる)めずんば、文・武 能(よ)くするなし。弛めて張らずんば、文・武 為(な)すなし、と。(かじ のぶゆき)


2020.4.1-産経新聞 THE SANKEI NEWS WEB-https://www.sankei.com/life/news/200401/lif2004010103-n1.html
コロナで「閉鎖」の島嶼国に医療支援を 超党派議連が補正予算で要望

新型コロナウイルス対策で“鎖国状態”となっているパプアニューギニア、フィジー、トンガなどの太平洋島嶼(とうしょ)国を支えるため、超党派の友好議員連盟が財務省に対し、令和2年度補正予算案に財政措置を盛り込むよう要求したことが1日、分かった。政府開発援助(ODA)などを利用した日本製医療機材の供与などを求めている。
 医療体制が脆弱(ぜいじゃく)な島嶼国は入国制限を設けており、日本との人的交流も急速に減少している。そのため、日本・太平洋島嶼国友好議連(古屋圭司会長)は財務省に補正予算案に関する要望書を提出。医療機材の供与に加え、終息時に人的交流を再活性化させるための取り組みの実施などを提案している。
 島嶼国は親日国が多いとされるが、近年は中国が経済支援と合わせ軍事的な影響力を高めている。


島嶼国の一覧
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


島嶼国の一覧は、世界の島国を一覧にしたものである。島嶼国とは、いわゆる島国のことで、島嶼部を領土とする国家である。

アジア
 インドネシア, シンガポール, スリランカ, 日本, パプアニューギニア, バーレーン, 東ティモール, フィリピン, ブルネイ, モルディブ
アフリカ
カーボベルテ、セーシェル、マダガスカル、モーリシャス
オセアニア
キリバス、サモア-西サモアより正式国名変更、ソロモン諸島、ツバル、トンガ、ニュージランド(ニウエ、クック諸島)、ハヌアシ、パラオ、フイジー、マーシャル諸島、ミクロネシア連邦
ヨーロッパ
アイスランド、アイルランド、イギリス、キプロス、マルタ
北米
中米
アンティグア・バーブーダー、キューバ、グレナダ、セントビンセント・グレナディーン、セントクリストフアー・ネイビス、セントルシア、ドミニカ共和国、バハマ、バルバトス
南米
かつての島嶼国
耽羅 - 済州島にかつて存在した島国。15世紀に李氏朝鮮により征服され併合。
ザンジバル共和国 - 当初は王国として独立したかつての島国。後にタンガニーカ共和国と連邦国家を結成、現在のタンザニア連合共和国となる。
アンギラ共和国 - およそ一年間のみ存在したとされるかつての島国。後に英領セントクリストファー・ネイビスの軍事介入により再びイギリス領となる。のちに単独の自治領となり現在に至る。
ハワイ王国 - 建国者のカメハメハ大王などで知られるかつての島国。米国のクーデターにより米国へ併合された。
ウォリス・フツナ - 3島それぞれの王国で構成するフランス領(海外準県)。
 マン島チャネル諸島全域 - いずれも英国王室の保護国。うち、マン島はイギリス連邦のオブザーバーとして参加。
琉球王国 - かつて琉球諸島に存在した島国。現在の沖縄県の範囲とほぼ一致する。
その他
中華民国(台湾)(チャイニーズタイペイ) - かつての中華民国亡命政府。「台湾共和国」等として独立を提唱している勢力(主に台湾の野党が中心)もあるが、主権国家である中華人民共和国は「台湾は我が国(中国本土)の領土」と主張。
 プエルトリコ - アメリカ自治領。これまで51番目の米国州にしようという動きがあった。


キリバス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


  キリバス共和国、通称キリバスは、太平洋上に位置するギルバート諸島フェニックス諸島、そしてライン諸島の一部等を領土とする国家で、イギリス連邦加盟国である。

概要
  キリバスは33の環礁からなり、それらは赤道付近に350万km2にもわたって散らばっている。そのために世界第3位に相当する排他的経済水域を有している(ただし、陸地が少なく領海や接続水域も少ないため、これらを含めると15位にも入らない)。世界で最も早く日付が変わる国でもある。
国名
  正式名称は、Republic of Kiribati。通称、Kiribati。キリバス語での発音は「キリバシ」または「キリバス」のように聞こえる。日本語の表記はキリバス共和国。通称キリバス。国名は1788年クルーゼンシュテルンらが島を発見したイギリスの水夫、トマス・ギルバートにちなむ。キリバス語はg音やl音を欠くため、英語読みの「Gilbert」が転じてキリバスとなった。
歴史
19世紀以前
  先住民は、約2000年前西方からカヌーに乗ってやってきたミクロネシア系の人々であった。最初に来航したヨーロッパ人スペイン人航海家で、1537年クリスマス島(現キリティマティ島)を望見した。1777年にはイギリス人ジェイムズ・クックが来島し、19世紀初めからヨーロッパ人による経済活動が始まった。
イギリス植民地
  1892年から、ギルバート諸島は隣のエリス諸島と共にギルバート・エリス諸島としてイギリスの保護領となった。1916年には植民地となった。第二次世界大戦中の1941年に、イギリスの植民地政府を放逐した大日本帝国に占領され、後に一部の島は要塞化された。1943年より、アメリカ軍との間に、ギルバート・マーシャル諸島の戦いといった激しい戦闘が行なわれた。
  1956年から1962年に、ライン諸島のクリスマス島がイギリスとアメリカ両国の核実験場とされた。1971年に自治領となった。
  1975年11月、ギルバート・エリス諸島は、ポリネシア系のエリス諸島とギルバート諸島に分離。1977年1月からはギルバート諸島は自治領に移行した。ギルバート諸島のバナバ島は独立してフィジーと連合することを模索したが、リン鉱石の利権料を失うことを恐れたギルバート諸島自治領に反対された。
  1978年にエリス諸島はツバルとしてイギリスから独立した。
独立
  1979年にキリバスが独立した。独立の際、アメリカはほとんど無人のフェニックス諸島および3つの島を除くライン諸島すべての所有権を放棄し、それぞれキリバスの領土となった。
  独立当初は領域内を日付変更線が通過し、キリバスの時間体系は島によって日付が異なるという行政上において不便な設定になっていた。このため、1995年に日付変更線の位置を領域の東端にずらして不便を解消した。また、これによって「世界一早く新しい一日を迎える」国家になった。
政治
  Maneaba ni Maungatabu と呼ばれるキリバスの議会は、4年に一度の選挙で選ばれ、46人(うち直接選出が44人)の議員で構成される。大統領は、元首であると同時に行政府の長でもあり、Beretitentiと呼ばれる。
  21の有人の島にはそれぞれ地方議会があり、日々の問題を処理している。現在、議会に議席を有する主要政党は、与党トブワーン・キリバス党(TKP)と野党ボウトカーン・キリバス・モア党(BKM)である。
  外交面では、1980年から中華人民共和国と国交があった。その後、2003年中華民国台湾)と外交関係を開いたが2019年に中華人民共和国と復交[4]。2020年1月には、タネスィ・マアマウ大統領が訪中。二国間関係を深めた。
海面上昇問題
  海抜の低い環礁が多いために、キリバスは近年の地球温暖化による海面上昇で、国土の半数以上は水没の危機にある。アノテ・トン大統領は、2007年8月に日本の読売新聞のインタビューで、もはやキリバスの水没は免れないと明言、全国民の他国への移住計画を発表した。大統領は、熟練労働者としての移住のため、キリバスでの職業訓練支援を日本、アメリカ合衆国オーストラリアなどに呼びかけている。
  2014年2月11日フィジー共和国エペリ・ナイラティカウ大統領が、キリバスの国土が水没した場合にキリバスの全国民をフィジーに移住させる用意があることを公式に表明した。
地理
地形
  キリバスは、基本的に3つの諸島(ギルバート諸島ライン諸島フェニックス諸島)と1つの島(バナバ島)からなっている。
諸島・島嶼
ギルバート諸島-フィジー共和国の北およそ1500kmにある16の環礁
フェニックス諸島-ギルバート諸島の南東およそ1800kmにある8つの環礁・珊瑚島
ライン諸島-ギルバート諸島の東およそ3300kmにある9つの環礁・島。ライン諸島にある3つの島(パルミラ環礁キングマン・リーフジャーヴィス島)は、アメリカ合衆国が所有している。
キリスィマスィ島(クリスマス島、Christmas Island)-世界最大の環礁である。また、1995年1月1日日付変更線をずらして、世界で最も早く日付が変わる島となったカロリン島ミレニアム新世紀年越しを目論んで、ミレニアム島と改名された。
バナバ島-ナウル共和国とギルバート諸島の間にある孤島。バナバは、隆起した珊瑚の島であり、かつてリン鉱石 (phosphate) を豊富に産出したが、現在では枯渇してしまっている。他のキリバスの島は、環礁の砂と岩の小島、または海面のせいぜい2,3m上まで隆起した珊瑚島である。土地は痩せていてカルシウムを含んでおり、コプラ(椰子の実)栽培以外の大規模農業を行うのは困難である。
地方行政区分
  タラワを含む4つの地区は、ギルバート諸島にあり住民の多くはここに住んでいる ライン諸島には3つの島(キリスィマスィ島タブアエラン島テライナ島)だけに人が住んでおり、フェニックス諸島ではカントン島に住民がおり、ライン・フェニックス地区を代表している。 バナバの2001年の人口は約200人であるが、フィジー共和国ランビ島に移り住んだ人々を代表するランビ指導者評議会がフィジーのランビ島に設立されており、バナバ及びキリバス政府と緊密な関係を保っている。
経済
  ナウル共和国など周辺のいくつかの国と同様、キリバスはほとんど天然資源を持たない。商業的に成立しうるリン酸塩の鉱床は、1979年の独立とちょうど同時に枯渇してしまった。現在は、コプラ、観賞用魚や海草が生産および輸出の大半を占める。
  経済は、近年大きく揺れ動いている。経済発展は、熟練労働者の不足、インフラの未整備、国際市場から遠く離れていることにより、制約を受けている。経済成長率、物価上昇率ともに2003年で1.4%である。
  イギリス植民地時代にリン鉱石の売り上げの一部を積み立て歳入均等化準備基金が 作られ、現在キリバス国外で運用・投資され国庫の赤字分を補填しており、残高は2005年末時点で6億豪ドル弱を記録した。
第一次産業
農業-キリバスの土地利用においては、農地が最大の面積(50.7%、1994年)を占めている。農業従事者は人口の10%に相当する9000人である。タロイモ(2000トン)とバナナ(5000トン)よりも、加工して輸出に向けるためのココナッツ(9万6000トン)の生産が盛ん。畜産業ではブタ(1万2000頭)。
水産業-水産業も小規模ではあるが存在する(漁獲高3万1000トン)。また広大な経済海域を持つことから、日本や台湾、中国、大韓民国やオーストラリアなどの外国漁船による入漁収入が政府の総収入の3割を占める重要な収入となっている。
第二次産業
工業-最大作物のココナッツを加工し、コプラ(1万2000トン)を生産している。養豚により、食肉加工業も成立している(1000トン)。重工業は存在しない。
第三次産業
貿易-2001年の輸出額は729万オーストラリア・ドル、輸入額は7501万オーストラリア・ドルであり、かなり大きな貿易赤字である。輸出品は農産物と食品工業を中心とした農産物であり、輸入品は食糧、機械類、燃料である。
  主な輸出品は、コプラ (63.7%)、魚介類 (20.9%)、野菜 (7.7%) である。主な貿易相手国はバングラデシュ(約5割を占める)、アメリカ合衆国マーシャル諸島デンマーク香港
  主な輸入品は、機械 (11%)、穀物 (10.7%)、石油製品 (10.2%)、電気機械 (6.8%)、肉類 (5.9%)。主な輸入相手国は、オーストラリア(約4割を占める)フィジー日本、アメリカ、中華人民共和国。
観光-観光業は、GDPの5分の1以上を占めている。
外国政府支援-特に、日本国オーストラリア連邦ニュージーランド王国中華民国(台湾)からの政府支援が、GDPに対しての大きな補助となっている。その額は、近年ではGDPの25%から50%を占めている。 2017年のキリバス金融経済省の発表によると、国家予算の約50%が海外からの支援によって賄われている。海外で働いている労働者からの送金は、毎年500万ドル以上である。
情報通信・生活基盤
マスメディア
放送局-キリバスには国営放送BPAがあり、インターネットにおいてはTelecom Services Kiribati Limitedというプロバイダが主流である。
新聞-新聞は売店などでの販売が主流で、週に一回キリバス語における新聞が発行される。
空港
タラワにあるボンリキ国際空港ブリスベンホニアラナンディ、ナウルとの間の飛行機が飛ぶ。いずれも、週1~2便の運行である。日本から行く場合は直行便が無いため、グアムやブリスベン、フィジーのナンディまで行き、タラワに戻る格好になる。空港から中心地バイリキまでは車で1時間である。 また、国内のキリスィマスィ島カシディー国際空港もあるがタラワとの距離が3,000km以上あり同国内で運航可能な機体がなく、フィジーを経由する国際線で乗り継ぎが最短ルートとなっていたが2018年にエア・キリバチE190-E2を2機購入契約したことで同機が納入される2019年以降直行便可能な機体を保有することになる。
道路-幹線道路の総延長は1996年推計で670kmである。舗装率は不明であるが、2001年時点で首都・南タラワは、27kmの舗装路が整備されている。
港湾-ライン諸島に小さな運河が5kmある。主要港湾はバナバ、ベティオ(Betio)、イングリッシュ・ハーバー(タブアエラン島)、カントンの4つで、キリバス船籍の大型商船は1隻在籍する(2002年現在)。この商船は客船兼貨物船で、無積載で1,295tある。
主な港湾-・ベティオ港バナバ港イングリッシュ港カントン港
国民-住民は、98.9%(1990年)がミクロネシア人で、他には少数のポリネシア人やヨーロッパ系人種や韓国系等の混成者もいる。言語は、キリバス語と英語が公用語である。英語よりはキリバス語の方が広く話されている。キリスト教が主要な宗教だが、固有の宗教の習慣などが混ざったものになっている。









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