竹島問題-1(2022年8月~)


2024.02.22-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240222-G4ICMNLIRRKFVH6SG5B7NPZK2U/
林官房長官、竹島の日に「歴史的にも国際法上も明らかに日本の領土」

  林芳正官房長官は22日、韓国に不法占拠された竹島(島根県隠岐の島町)の返還を求める「竹島の日」を迎えたことについて「竹島は歴史的事実に照らしても、国際法上も明らかに日本固有の領土だ。領土、領海、領空を守り抜くとの決意のもと毅然(きぜん)と対応する」と述べた。

  政府が松江市で開かれた記念式典への出席を平沼正二郎内閣府政務官にとどめ、格が上の閣僚の出席を見合わせたことに関しては、「政府内で諸般の情勢を踏まえて検討した結果、平沼氏が出席することとなった」と説明した。



2023.10.24-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231024-5W2DMXLCYFNPVBWIMZGHAFMKCQ/
<独自>「竹島は韓国領」団体幹部から寄付10万円 維新・岩谷氏の後援会、主張同意は否定

  日本維新の会岩谷良平衆院議員(大阪13区)の後援会令和3年、日本固有の領土である島根県の竹島を韓国領と主張する団体の女性幹部から10万円の寄付を受けていたことが24日、関係者への取材などで分かった。岩谷氏は女性が団体に所属することを知らなかったとし、今後も竹島が韓国領との主張に同調を求められない限り、献金を受けるとしている。

  団体は大阪府八尾市の「『竹島の日』を考え直す会」で、女性は現在も理事を務める。竹島が島根県に編入された明治38年2月22日にちなみ、同日を「竹島の日」とした平成17年3月制定の県条例の撤廃を求め、日本国内を中心に活動25年にはメンバーが竹島に上陸し、韓国語で「独島(トクト、竹島の韓国名)は韓国領」と叫ぶなど話題となった。
  「岩谷良平後援会」の令和3年分の政治資金収支報告書によると、女性は同年10月19日に10万円を寄付した。岩谷氏は産経新聞の取材に、衆院議員に初当選する前年(2年)に地元市議の紹介で女性と知り合ったとし、「外交の話をしたことはなく、団体の存在も知らなかった」と強調。「維新の内政面、改革に対しての応援だと考えている」として、10万円は返金しないとした。寄付は1回のみだという。
  自身の竹島への見解については「紛れもなく日本固有の領土であり、団体側の考えとは全く違う」と強調。ただ、今後女性から寄付の申し出があった場合、竹島が韓国領との主張を支持することが目的だと判明すれば「断る」とする一方、応援目的などであれば断る理由はないと明言した。

  取材に応じた女性は「岩谷氏に団体の活動内容を話したことはなく岩谷氏の人柄や維新の改革が気に入ったために寄付をした。活動と(寄付の理由とは)全く関係がない」と主張した。
  日本維新の会は公約集の中で、竹島問題について「日本の立場と国益に基づく毅然(きぜん)とした対応を取りながら、未来志向の日韓関係を構築」すると明記。岩谷氏は衆院の憲法審査会、安全保障委員会の委員で、党安保部会の部会長も務めている


2023.07.15-島根県HP-https://www.pref.shimane.lg.jp/admin/pref/takeshima/web-takeshima/takeshima04/takeshima04-2/takeshima05-j.html
実事求是〜日韓のトゲ、竹島問題を考える〜

第28回 竹島問題と日本海呼称問題(韓国マスコミの国際世論工作)
(下條正男)
  韓国の英字新聞「コリアヘラルド」(電子版)は、毎週一回、「東海」をテーマにインタビュー記事の掲載を始めた。
  韓国政府は1992年以来、「日本海」の呼称を「東海」に改称すべく、国連地名標準化会議や国際水路機関を舞台に国際世論工作を進めてきた。コリアヘラルドの企画記事はその一環となるもので、すでに李泰明氏、アレクサンダー・B・マーフィーオレゴン大教授、ピーター・E・ラパー元国連地名専門家会議議長、ライナー・ドーメルスウィーン大学教授、李相泰韓国国際文化大学教授、ハンマオリー北京大学教授、ポール・ウッドマン元国連地名専門家会議メンバー、ピーター・ジョーダン氏等が協力している。
  しかし問題は、韓国側が日本海の呼称を東海に改称しようとする背景には、1954年以来、韓国側が武力占拠する竹島の領有権問題があり、極めて政治的色彩が強いという事実にある。
  日本海の孤島である竹島(韓国名、独島)は、1905年、当時、無主の地であった竹島を国際法に基づいて日本領に編入した、日本の固有領土であったからだ。それが1952年1月18日、突如、韓国政府が公海上に「李承晩ライン」を設定し、竹島をその中に含めてしまったのである。それも第二次世界大戦の敗戦国日本が、「サンフランシスコ講和条約」の発効によって国際社会に復帰する3ヶ月前であった。そればかりか韓国政府は1953年12月12日、「李承晩ライン」を根拠に、1965年までに日本の漁船員約3000名を拿捕抑留し、人質外交を展開したのである。
  その人質外交は、1952年2月から始まった日韓の国交正常化交渉で、威力を発揮することになった。韓国政府は日本政府に対し、第二次世界大戦後に日本に密入国した夥しい数の在日韓国人の法的地位を認めさせ、朝鮮半島に残された日本側資産の請求権を放棄させる外交カードとして、使ったからである。
  今日、韓国側が「東海」の呼称に固執するのは、日本海という名称が使われると、占拠中の竹島が日本に属しているようで不適切だとしているが、実際は竹島問題の封印が目的なのである。
  だが歴史的に韓国領であった事実のない竹島を自国領と主張すること自体無理があり、近代になって成立した「東海」の概念を古代にまで遡らせ、2000年来東海の呼称が使われていたと嘯くことは、国際社会を謀る欺瞞でしかない。
  韓国側では、『三国史記』(「高句麗本紀」)に「東海之濱」の記述があることから、朝鮮半島では高句麗が建国した紀元前37年以来、日本海を東海と呼称した証拠とし、『東国輿地勝覧』の「八道総図」に東海の記述があるとそれを日本海に読み換えてきた。
  だが「高句麗本紀」に記された東海は、中国の遼東半島付近の渤海を指しており、『東国輿地勝覧』の「八道総図」に見える東海は、沿海の海濤を祭る神祠の位置を示しているに過ぎない。韓国側では文献を恣意的に解釈し、日本海を東海と改称することで、竹島の不法占拠を正当化する一助としようとしているのである。
  この韓国側の試みは、国際社会をいたずらに混乱させるだけでなく、韓国に対する国際信用度を損なうだけである。なぜなら、19世紀末までの韓国側の文献や古地図等に竹島が登場しない事実は、韓国側が竹島を認識していなかった証拠となるばかりでなく、日本海に対する認識も、朝鮮半島の沿海部に限られていたことを示しているからだ。
  そこで韓国側は、「日本海の名称が支配的になったのは20世紀前半の日本の帝国主義、植民地主義の結果」と主張し始めたのである。それは日本が朝鮮半島を植民統治していた1929年、海図作成の指針となる国際水路機関の『大洋と海の境界』に日本海が載せられたことを指しており、韓国側では、韓国の国民感情が許せないとして、ナショナリズムを刺激することになるのである。
  しかしこれも歴史的根拠はない。日本海の名称はすでに明治16(1883)年4月、日本の海軍水路局が刊行した『寰瀛水路誌』に採用され、水路部が明治27(1894)年に刊行した『朝鮮水路誌』でも踏襲されている。それに日本の水路部が19世紀後半に作成した海図には日本海と明記され、日本海は公式の呼称として、定着していたからである。
  従って日本海の呼称が定着するのは、20世紀前半の植民地時代や領土拡張時代とする李泰明氏、ライナー・ドーメルスウィーン大学教授、李相泰韓国国際文化大学教授、ハンマオリー北京大学教授等は、虚偽の歴史に基づく韓国側の政治宣伝に加担した、協力者ということになるのである。中でもライナー・ドーメルスウィーン大学教授の場合、韓国の「東北アジア歴史財団」やソウル大学の示教によって研究したとしているが、これは韓国側による国際世論工作に利用された感が強い。
  コリアヘラルドでは、他にもアレクサンダー・B・マーフィーオレゴン大教授やピーター・ジョーダン氏に加え、国連地名専門家会議の関係者であるピーター・E・ラパー氏とポール・ウッドマン氏を登場させ、あたかも権威ある企画を装っているが、いずれも荒唐無稽な韓国側の策略に乗せられた哀れな被害者達である。彼等は日本海の海域と韓国側が主張する歴史的な「東海」とが重複すると思い込んでいるが、事実は違っているからだ。朝鮮半島で「東海」という時、渤海や東シナ海以外は朝鮮半島の沿海部を指しており、遠海部は大海として認識していた。従ってこの歴史的事実を無視し、韓国側の策謀に無批判に従って論を進めたポール・ウッドマン氏とピーター・ジョーダン氏は、軽率の誹りを免れない。
  今回、コリアヘラルドの連載記事を読み、国連地名標準化会議や国際水路機関では、如何に不毛の論議がなされているのか、改めて知ることとなった。韓国出身の潘基文国連事務総長は、2007年の「国連の日」に開催された国連事務総長主催のコンサートで、日本海を東海とし、竹島を独島と表記した英文のパンフレットを配布したというが、国際社会が国際機関に期待するのは公平さと見識の高さである。
  その意味でハンマオリー北京大学教授の見解は、「東海」に対する韓国側の歴史理解がどの程度のものかを端的に示している。ハンマオリー教授は、10世紀、中国の東北部に建国した金の『大金集禮』に「祭東海祝文」があり、その東海こそが今日の日本海を指しているので、金と同じ地域に建国した清朝も日本海を東海と呼称していた証拠としたのである。
  だが「祭東海祝文」の東海は、渤海に面した中国山東省の莱州の地に祀られた東海神廟のことで、日本海とは全く関係がない。にもかかわらずハンマオリー教授は、『大金集禮』の一部を恣意的に解釈し、「祭東海祝文」の東海を日本海のことと決め付けたが、『大金集禮』(巻三十四)や『金史』(巻三十四)に記された「嶽鎮海(サンズイに賣)」条では、東海を山東省の莱州にある東海神廟のこととし、その東海神廟は清朝にも引き継がれている。事実、『皇朝通典』や『皇朝文献通考』は、「東海を山東莱州に祭る」とし、『大清一統志』(巻一百三十六)では東海神廟の位置を山東省の莱州「府の城西一十八里、四海の一つを祀るなり」と明記している。金も清朝も、東海を祀った神廟は、渤海に面した山東省の莱州府に置かれていたのである。この東海と今日の日本海が無縁なことは、自明である
  さて以上述べてくると、歴史的には何ら根拠のない理屈を並べ立て、日本海を東海に、竹島を独島と改称すべきとするコリアヘラルドの国際世論工作は、失敗に帰したことになる。韓国側では、事ある毎に日本を侵略者とすることで、自ら竹島を侵奪した事実を隠蔽することに努めてきたが、事情に疎い外国人研究者を利用したことで、かえってその醜い陰謀が浮き彫りにされてしまった。コリアヘラルドに限らず、虚偽の報道を通じ、読む人を欺瞞し続ける韓国のマスコミには、オピニオンリーダーとしての責務を思い出してもらいたいものである。
(下條正男)


2023.05.02-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230502-AZ7FOONJRRPZTOIE2BK5KDOXQ4/
韓国野党議員が竹島に上陸

  【ソウル=時吉達也】韓国の革新系最大野党「共に民主党」の田溶冀(チョン・ヨンギ)議員は2日、自身のフェイスブックで、韓国が不法占拠する竹島(島根県隠岐の島町)に上陸したことを明らかにした。田氏は「日本による主権侵害に対抗し、韓国固有の領土である独島(トクト、竹島の韓国側呼称)を命がけで守る」と投稿した。

  日本政府は2日、韓国国会議員による竹島上陸に関し「到底受け入れることはできず、極めて遺憾だ」と外交ルートを通じて強く抗議した。
  竹島をめぐっては2021年にも、当時野党だった現与党「国民の力」の国会議員や警察庁長官が上陸。日本政府が抗議した。


2023.02.20-NHK政治マガジン-https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/95978.html
「武力でしか領土とれない 守れないは悲しい」竹島の日に考える
(松江局 奥野葉月)

  「竹島は僕たちから遠い存在に思えてしまう」 2月22日の「竹島の日」を前に中学生が書いた作文の一節だ。 以前は竹島にあまり関心がわかなかったという、中学生たちの率直な思い。 地元・島根県の中学生たちが書いた作文から、竹島の日に領土について考える
(松江局 奥野葉月)
竹島問題 今なお解決されず
  島根県の松江市からフェリーで2時間余りの隠岐諸島。竹島は、そこからさらに150キロほどの沖合にある。面積およそ0.2平方キロメートルと東京ドーム4つほどの小さな島だ。
  アシカやアワビがよくとれたことから、かつては漁師が行き来してその生活を支えてきた。アシカ猟が本格化すると、地元で漁の安定化を求める声が高まり、日本政府は1905年(明治38年)に閣議決定によって竹島を島根県に編入し、領有の意思を再確認した。
  しかし1952年、当時の韓国のイ・スンマン(李承晩)大統領が、朝鮮半島周辺に「李承晩ライン」と呼ばれる境界を一方的に設定し、その中に竹島も含むとし、現在も警備隊を置いている。日本は、竹島は歴史的事実に照らしても、国際法上も明らかに日本固有の領土だとしたうえで、韓国による竹島の占拠は、国際法上何ら根拠がないまま行われている不法占拠で、国際法にのっとり、冷静・平和的に紛争を解決する考えだとしている。
遠い存在の竹島
  竹島がある島根県は、明治時代に竹島を県の所管とした2月22日を条例で「竹島の日」としている。若い世代に竹島に関心を持ってもらおうと島根県などが「竹島の日」を前に毎年行っている作文コンクール。今回は、県内の中学生の724作品が寄せられた。

「日本本土から約200キロメートルも離れた竹島を自分の目で見ることはできない。竹島は僕たちから遠い存在に思えてしまう。しかしそれは違う」
「私の結論は正しい知識を身に付けることと、領土問題への意識の風化を止め、解決への輪を広げることです。解決までに時間がかかるからこそ意識の風化を防がなくてはなりません」

  作文では、竹島を一見、遠い存在として捉えてしまいがちだとして、同世代の若者たちの無関心さを懸念する意見も目立った。
理解する難しさ
  島根県内のあちこちで見ることができる「竹島かえれ島と海」と書かれた看板。「『竹島かえれ島と海』の言葉がどんな意味なのか分からなかった」作文の冒頭でそうつづったのは島根県大田市の中学3年生、山根かおるさんだ。
  看板は小さな頃から知っていたものの意味が分からず、領土のことだと知っても「争いが始まる前に竹島をあげてしまえばいいのではないか」とすら感じていたという。
  そんな山根さんに大きな影響を与えたのが父・一成さんだった。山根さんに竹島の歴史、そして、今どんな状況にあるのかを話している。小学校の教師で、毎年2月22日の「竹島の日」が近づくと学校で竹島の特別授業を行っているが、授業を行うと、子供の頃から竹島問題を理解してもらうことの難しさを感じるという。
  「国際条約だとか戦争に関わることが多いので、シンプルに、分かりやすく教えるというのは難しい。勉強すると、どうしても子供たちは『韓国が憎い』とか『むかつく』と言うことがあるが、けんか腰ではなく、こんなことを学んできたということを穏やかに話し合えるようになってほしいです」
ウクライナ侵攻と領土問題
  作文では、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から領土問題のことを考える中学生もいた。
  「世界中でさまざまな問題が生じている。少しでもこのような問題が解決に向かうように私は将来、選挙に積極的に行ったり、領土問題について意見を伝えたりして、社会で起こっていることに関心を向けたい」「目指すは平和的な解決。あきらめてはいけない、時間がかかってでも解決しないといけないともう一度思いました」
  山根さんも、領土をめぐる戦いでたくさんの命が失われる状況を悲しいと感じている。
  「武力っていう方法でしか領土をとれない、守れないっていうのは、悲しいことだなって思っています。武器を置いて、ちゃんと領土について話し合って解決されることが望ましいかなと思います」
中学生が訴える竹島問題の今後
  「竹島の日」を前に、山根さんは同級生たちが学んだことの発表に耳を傾けていた。竹島をめぐる歴史、日本と韓国の竹島への向き合い方、そしてウクライナ情勢と様々な面から竹島問題を見つめてきた山根さんは、多くの人がこの問題に関心を持ち、考えていくことが必要だと感じている。
  「国民がまず問題について知り、意見を伝えていけば次に解決が見えてくるのではないでしょうか。これからも領土問題が続けば、今度は私達の世代が解決しないといけなくなるので、そのためにも今学び、知識を身につけて、将来、武力ではなく、話し合えるように、自分の考えをちゃんと持っているようにしておくことが大切だと思います。意見のすれ違いがあるから、じゃあ日本はどうするのか、両国はどうしたらいいのかっていうところに視点をおくことが大事だと思います」
  以前は、竹島の問題に関心がなかったという山根さんの作文はこう締めくくられている。
  「教育や主張の発信を政治任せにせず、1人1人が意識して行動すべきだ。私も領土問題のすべてを知っているわけではない。まずはそれを自覚することが大事だ」


2023.02.18-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230218-7YVNPRXSRRJ7PFE66ZLESSJEHU/
竹島資料の誤記放置 専門家指摘後も 島根県などが製作

  わが国固有の領土にもかかわらず、韓国による不法占拠が続いている竹島(島根県隠岐の島町)で同町民らが行っていたアシカ猟に関し、町や県が収集、公開している資料が年代や表記の誤りを研究者に指摘されながら、未修正のまま放置されていることが18日、関係者への取材で分かった。

  誤記は町教委が製作した小中学生向けの副教材にもあるが、改訂版の製作予定はないといい、町教委は学校などに注意を促す方針。誤記の放置は誤った情報を拡散させ、ひいてはわが国の主張の信憑(しんぴょう)性に疑念を抱かせる可能性もある。
  誤記が判明したのは、島根県などが教育副教材として作成したリーフレット「竹島~日本の領土であることを学ぶ~」や、町教委製作の副教材「ふるさと隠岐」などに掲載された、竹島で漁猟を行った人々の集合写真。竹島の「東島」で撮影されたもので、県から竹島でのアシカ猟を許可されていた隠岐の島町の橋岡忠重氏や朝鮮半島の海女ら16人が写っている。
  リーフレットや副教材「ふるさと隠岐」には1935(昭和10)年撮影と記載されていたが、井上貴央・鳥取大名誉教授の調査で同16(1941)年に撮影されたものと判明。指摘を受けた県は令和4年2月にリーフレットを改訂し修正したが、町教委には連絡しなかったといい、町教委は「全く知らなかった」としている。
  井上教授は同町の竹島対策室にも連絡していたが、同町は1年以上放置。町が運営する「久見竹島歴史館」の展示パネルにあった誤記は先月、産経新聞の指摘を受けて担当者が修正したが、対策室から町教委に連絡はなかったという。
  また、リーフレットと副教材に(漁猟の)「収支決算書」と記載されている資料は「収支計算書」だったことも判明しているが、いずれも未修正のままだ。県は「今後対応を検討したい」としている。
対外発信で韓国との差 歴然
  竹島でのアシカ猟にまつわる資料には年代や提供者が不明のものや原本が行方不明になっているなど、詳細が不明なものが多い。島根県は平成17年に「竹島問題研究会」を設置し、資料収集や聞き取り調査などを続けてきたが、莫大(ばくだい)な国費を投じて調査研究や対外発信を進める韓国との差は大きく、国の積極的な対応が求められている
  今回、誤記が判明した集合写真は、一般書籍などにも掲載されている有名な写真だが、撮影者はよく分かっていなかった。井上教授の調査で昭和16年夏、大阪毎日新聞が竹島でのアシカ猟を取材した際に、同社の写真部員が撮影したものだと分かった。
  島根県隠岐の島町が運営する隠岐郷土館ではかつて、この写真を「昭和9年6月撮影」との説明を付けて展示。郷土史をまとめた一般書籍『目で見る隠岐の100年』(平成11年)や『写真アルバム 隠岐の昭和』(同27年)などに掲載の写真説明も「昭和9年」となっている。提供元は隠岐郷土館や県の竹島資料室などと記載されており、自治体が公開していた資料が引用された結果、誤記が拡散したとみられる。

  歴史資料には、史料批判と考証の積み重ねによる究明が必要不可欠だ。だが、京都女子大の小原嘉記准教授(日本中世史)は「専門的知識がない行政職員が、史料に関する誤記の指摘に適切に対応できるかといえば、現実としては難しいだろう」と指摘する。
  小原准教授によると、地方自治体による郷土史の編纂(へんさん)などは研究者など専門家を中心に行われ、自治体からは学芸員等が参画するのが一般的という。島根県や隠岐の島町はそれぞれ総務課に「竹島対策室」を設置しているものの、職員の数はわずか。学問的・学術的知識があるわけでもない。
  県は「竹島の日」条例を制定した平成17年から専門家でつくる研究会を設置。領有権主張を裏付ける調査研究成果を上げてきたが、ほとんどはメンバーによる〝自腹〟の活動だという。
  一方、韓国は教育省傘下の「東北アジア歴史財団」に年約18億円を投じ、戦略的な研究や発信を展開している。竹島に関する貴重な史料や証言をより活用し、発信するには、国の積極的な対応が求められる。








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