尖閣諸島問題-1


2025.04.13-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250413-MZGGXSXWNNMQLLCYGAU2JZUFK4/
尖閣諸島周辺に146日連続で中国船航行、機関砲搭載の海警局船4隻 海保巡視船が警告

  沖縄県・尖閣諸島周辺の領海外側にある接続水域13日、中国海警局の船4隻が航行しているのを海上保安庁の巡視船が確認した。尖閣周辺で中国当局の船が確認されるのは146日連続

  第11管区海上保安本部(那覇)によると、4隻は機関砲を搭載。領海に近づかないよう巡視船が警告した。


2025.04.09-Yahoo!Japan(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/7333807a2b8debb2430e30e9f815006b7408083f
中国は尖閣「共同管理宣言」準備 漁民装う民兵の上陸も検討 トシ・ヨシハラ氏インタビュー
(トシ・ヨシハラ氏)

  【ワシントン=古森義久】元米海軍大学校教授で中国海洋戦略研究の権威、トシ・ヨシハラ氏が産経新聞のインタビューに応じた中国当局が尖閣諸島(沖縄県石垣市)の周辺海域で「恒常的な存在」を誇示することで日本側の施政権を否定し、同諸島の共同管理を宣言する準備を進めていると警告した。中国側は同時に日米安全保障条約に基づく米国の軍事介入を難しくするため、漁民を装う民兵の尖閣上陸も考えているという。

  日系米人学者のヨシハラ氏は、米海軍大学校付属の中国海洋研究所に主任研究員として10年以上在籍。現在はワシントンの戦略予算評価センター(CSBA)の上級研究員を務めている。 ・・・シハラ氏はインタビューで、中国海警局の武装艦艇が最近、尖閣諸島の日本領海に過去最長となる92時間以上の侵入を果たし、準領海とも呼べる接続水域には2024年に355日侵入したという報道を取り上げ、「中国は尖閣海域での恒常的な存在、管理を国際的にも誇示することに努めている」と述べた。

  シハラ氏の研究によると、中国の習近平国家主席が一昨年末に中国海警局本部を訪れ、「釣魚島(尖閣の中国側名称)の主権を強化せよ」と命令したことを受ける形で中国海警の尖閣海域侵入は艦艇の規模の拡大や頻度が目立って多くなった。
  その侵入を中国海警局の公式サイトに詳細に記載して、尖閣への恒常的な「駐留や巡回」の国際的認知を図っている。
  中国当局はそのすぐ先の目標として、尖閣諸島の中国の主権や施政権を公式に宣言し、日本に対しては当面の尖閣の共同管理を通告する戦略を進めているという。
  日米安保条約は日本の施政権下の領土への武力攻撃に米国が共同防衛にあたることを義務づけているが、中国による尖閣の日本の施政権否定はこの共同防衛への障害になる可能性もある。
  ヨシハラ氏はまた「中国側は無人の尖閣の実効支配を目指すため、人民解放軍海軍の末端の民兵を漁民と称して尖閣に上陸させる作戦も計画している」と述べる。  こうした中国の動きは、米国が日米安保条約で誓約する共同防衛の条件となる「武力攻撃」に相当するか否かの判定が難しい。
  この点を日米両国にとっての難題として指摘した。 ・・・ヨシハラ氏はまた、中国がこの尖閣への攻勢と同時に、軍事演習や海上封鎖での台湾締めつけと、南シナ海スプラトリー諸島の第二トーマス礁でのフィリピン船舶撃退を進めていると指摘した。尖閣奪取も習近平政権の野心的な海洋膨張作戦の一環であるとも強調した。

  中国は習近平国家主席の中国海警局への釣魚島(尖閣諸島の中国側呼称)の主権強化の命令により、尖閣水域への艦艇の侵入が激増し、日本の領海への不法滞在が一回で92時間以上という新記録を作った。
  日本の接続水域への侵入は年間355日を記録した。中国は尖閣水域での「恒常的な存在」を国際的にも誇示し、日本の施政権を否定し、自国の主権や施政権を宣言し、日本側に対しては尖閣の共同管理を通告することを計画している。
  その一方、中国は海軍の末端の民兵を漁民に偽装させ、尖閣に上陸させ、占拠あるいは実効支配を目指す作戦も練っている。
  この方法は武力攻撃と断定することが難しく、日米安全保障条約に基づく共同防衛を困難にする。日本側は今の危機を脱するため、尖閣への公務員常駐などの措置も考えられるが、その種の現状変更には中国側の強い反発が予想さる。
  日本側に断固として対処する覚悟がない限り、解決策とはならない。中国は尖閣への攻勢と同時に台湾への軍事演習や海上検疫演習での圧力、南シナ海の第二トーマス礁でのフィリピン官民への中国海警局の大規模な攻勢を続けており、この3正面作戦は大規模な海洋膨張戦略だ。
  中国は台湾に対しては正面からの大規模上陸作戦ではなく、海上封鎖や台湾内部の攪乱(かくらん)など、純粋な軍事攻撃と判定できない手段を考えており、米国にとって難題となっている。
  その背景には米中の軍事バランスが中国に優位に傾きつつあるという大きな流れがある。・・・トランプ政権はいま、ウクライナや中東での調停を優先し、インド太平洋への政策を明確にしていないという印象もあるが、最大の脅威はやはり中国である。米国の最大資源を対中抑止に向けることが基本政策だといえる。

  トシ・ヨシハラ氏 1972年生まれ、台湾育ち。米ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院(SAIS)で修士号、タフツ大学フレッチャー法律外交大学院で博士号を取得。米海軍大学など多数の有名校で教鞭をとった。著書に『毛沢東の兵、海へ行く 島嶼作戦と中国海軍創設の歩み』(扶桑社)など。


2025.02.12-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250212-4SXHQPONZRNRTKZT4WBULFM5NY/
尖閣諸島を「釣魚島」と表示 NHK国際放送の中国語字幕 AI使用サービスとりやめ

  NHKは12日、公式ウェブサイトなどで24時間ライブ配信している国際放送の中国語字幕に、尖閣諸島の中国側呼称である「釣魚島」と表示されていたと発表した。英語のテレビ放送の音声を基に、グーグルのAI翻訳機能を使用して9言語10種類の多言語字幕を表示していたが、NHKは翻訳の精度が不安定だとして、全ての字幕をとりやめた

  NHKによると、10日午後4時に配信を開始したニュースの中で、日米首脳会談を受けた中国側の反応を伝えた際に、「沖縄県の尖閣諸島」「日本が実効支配する尖閣諸島」と英語で放送した。その内容を中国語字幕にしたところ、中国側の呼称である「釣魚島」と表示されていた。ライブ配信をチェックしていた職員が気付いた
  NHKは同日中に全ての言語の字幕サービスを終了した。国際放送を担当する原聖樹理事は「正確な情報発信が重要であり、不正確なものが出た以上、NHKのサービスとしては適さず、速やかに止めるべきだと考えた」と述べた。NHKは記録が残っている過去1週間分の字幕を調査する方針だが、すでに同様の誤りが確認されているという。
  NHKの国際放送を巡っては昨年8月、ラジオ放送で中国籍の外部スタッフが尖閣諸島を「中国の領土」と主張し、「南京大虐殺を忘れるな。慰安婦を忘れるな」などと発言した。この問題を受け、NHKは再発防止策として令和7年度から、ラジオ中国語ニュースでAI音声による読み上げの本格導入を目指している。今回の問題とは異なるシステムを使用しており、影響はないという。


2024.09.03-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240903-KUY4ZTX4WJLWTIFH3USZJPXFNU/?outputType=theme_portrait
尖閣は日本国の尊厳にどれだけ大事か考えよ 「備え」政府が静かな形で政治的決断を-話の肖像画 元駐米日本大使・藤崎一郎<3>
(聞き手 内藤泰朗)

  《中国の軍拡が止まらない。中国は台湾の武力統一の可能性も排除していない。だが、そうなると、日本は紛争に巻き込まれる。台湾有事や日本の対中国外交についてどう思うか

  私は正直、中国の習近平主席の優先順位は台湾ではないだろうと思っている。流血の惨事を引き起こしてまでね。ただもちろん中国国内が治まらないからそういうことをやって、国民の目を台湾に向けるという逆の計算はあるかもしれない。でもそうなれば、台湾だって一生懸命守るだろう。
  今年1月の台湾総統選挙で、野党は、うまくやれば勝てたのに、候補者を一本化できずに負けた。中国はいずれまた、台湾が近づいてくる可能性を待つのではないか。一番、敵対する政権のときにあえてぶつかる必要はない。
  ただ、「お前、もし変なことをしようとしたらやっつけるからな」と言っておかないと、台湾も米国も走りすぎてしまう恐れがある。だから、私は中国の肩を持つわけじゃないけど、中国が脅し続けるのは当たり前のことじゃないかと。
  中国の立場で物事を見てみると、一番大事なのはナショナリズムを高揚させて政権の維持を図ることだろう。
  米国のシンクタンクが台湾有事のシミュレーションをやり、32のシナリオがあって、日本が全然関与しないと大変な結果になるという、あからさまな結論を出す。そうすると、テレビも新聞もみんな大騒ぎ。
  こういうシミュレーションはおそらく、日本はちゃんと関与しないといかんぞ、というメッセージを出すのが目的だろう。果たして32ものシナリオを考える必要があるのか
《中国はロシアによるウクライナ侵攻の失敗に学んでいるか。日本は何をすべきか》
  それより、私は尖閣諸島(沖縄県石垣市)の防衛がどういうふうになっているのか、気になる。尖閣諸島は無人島だ。多くの人が暮らし、自分たちの生活の場を守ろうとする台湾とは状況が大きく異なるだろう。
  たとえば、ある日突然、夜陰に乗じてヘリコプターが尖閣上空にやってきて、落下傘を落として、無人島にずらっと人が立っている。それもみんな軍服なんか着てない。女の人とか子供とか、そういう人たちが、日中友好とかいう旗を掲げたときに、どうするのか。
  日本側が退去させようとすると、上陸した人たちが銃で抵抗しようとする。補給が続かないと言うかもしれないけど、補給物資はいくらでも空から落とせる。ヘリを撃ち落としたら戦争ですよね。これはなかなか難しい判断となる。
《尖閣に自衛隊を駐屯させようという意見もある。日米共同で尖閣周辺の事態に対処する体制を構築することが何よりも重要だとの声もある》
  最も重要な貿易パートナーである中国との関係は大事だ。決して無用な摩擦はすべきではない。でも、こんな事態が生じないようバリアーをつくるとか何らかの対策は未然に講じておくべきではないか
  それに対する中国側の理解はなかなか得られないだろう。しかし、日中関係が蜜月なときにはできない。今のようなときこそ、日本政府ができるだけ静かな形で政治的な決断をすべきだろう。
  北方領土はロシアに占領されて79年、竹島は韓国に押さえられて70年余り返ってこない尖閣は、日本の国としての尊厳のために、どれだけ大事かと考えなきゃいけない。英国は、領土奪還のために地球の反対側にあるフォークランド諸島まで行ったわけですよ。
  日本は、よそさまのことよりも、まずは自分の領土を守ることを真剣に考えなくてはいけない
(聞き手 内藤泰朗)


2024.08.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240819-YYP7FR26A5ONNJ5VGXDZ7KER3I/
尖閣で日本の実効支配示す 海保、上陸のメキシコ人を救出後に警察権を行使
(大竹直樹)

  石垣海上保安部(沖縄県石垣市)19日、尖閣諸島(同市)の魚釣島にカヌーで上陸し救助された40代のメキシコ人男性について、出入国管理法違反容疑で書類送検した。海上保安庁による救出と警察権の行使は、尖閣諸島を日本が有効に支配していることを国内外に示すことになった。

「恒常的に監視、発見は必然」
  「尖閣諸島は上空と海上から恒常的に監視しており、発見したのは必然だ」。尖閣を管轄する第11管区海上保安本部の領海警備担当次長を務めた元3管本部長の遠山純司氏はこう指摘する。
  男性は16日午後、魚釣島東岸にカヌーで上陸しているのを哨戒中の巡視船に発見され、ヘリコプターでつり上げられ救助された。海保によると、与那国島と台湾の間には黒潮本流が流れ、尖閣方面に続いている。男性はこの黒潮本流に乗って漂流したとみられている。
  ネット上では「海保がボートで上陸し救助すべきだった」との声も散見されるが、海保関係者によると、魚釣島に巡視船を接岸できる場所はなく、「船艇で上陸して救助するより、安全、確実、迅速に救助できる最善の救助方法であった」(遠山氏)という。
淡々と救助、実効支配示す
  男性は与那国島(同県与那国町)から台湾に向かっていたといい、尖閣上陸に政治的意図はなかったとみられるが、結果的に、巡視船や航空機による警備の目をかいくぐり、上陸を許すことにもなった。遠山氏は「カヌーのような小型艇では夜陰に紛れ、目視で気づくのは難しい」と明かす。
  とはいえ、漁民に扮した海上民兵による離島占拠などに至る心配はないという。「上陸用の小型艇を搭載する母船は必ず発見できる」(遠山氏)ためだ。
  中国海警局の船は連日、尖閣周辺の領海外側にある接続水域を航行。今年7月には、航行の連続日数が215日に達した。尖閣周辺で操業する日本漁船に近づき執拗に追尾するケースも多い。いずれも領有権を誇示する狙いがあるとされる。
  それだけに、海保が魚釣島でメキシコ人男性を救助し、正規の手続きをせず領海を出た疑いがあるとして男性を事件送致した意義は大きい
  禁漁明けの中国漁船が大挙して尖閣周辺に押し寄せた平成28年8月には、尖閣北西の公海上で起きた中国漁船とギリシャ船籍の大型貨物船衝突事故で6人の漁船乗組員を海保が救助している。「いずれも救助事案として海保が淡々と当たり前の対応をしたにすぎない」と、遠山氏は語る
  中国海警船ができなかったこの当たり前の対応がすなわち、日本が尖閣諸島を実効支配していることを改めて示した形だ
(大竹直樹)


2024.07.25-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240725-7JJZDDJOSFPN5EFNVMVFNHKRS4/
中国船の連続航行途切れる 尖閣周辺、台風で退避か

  第11管区海上保安本部(那覇)24日、沖縄県・尖閣諸島周辺の領海外側にある接続水域で航行していた中国海警局の船1隻が23日午後に域外に出たと発表した。台風3号の接近に伴い、退避したとみられる。11管によると、24日中に中国船は確認されず、日本政府による尖閣諸島国有化後、最長を更新していた域内航行の連続日数は215日で途切れた

  11管によると、昨年12月22日から尖閣周辺で中国当局の船が確認されていた。今年5月27日、連続158日となり、それまでの最長を更新した。
  中国船は近年、台風接近などの荒天時を除き、尖閣周辺で航行を続けている。中国側は尖閣周辺で公船の活動を常態化させることで、施政権を内外にアピールする狙いがあるとみられ、海保が対応に当たっている。


2024.07.01-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240701-VTPCGGXR3RNOXKMXPUH2AJCQXQ/
尖閣周辺の中国海警局船「わずかな変化も見逃さない」 海保・瀬口良夫長官が就任記者会見

  海上保安庁長官に就任した瀬口良夫氏(60)1日、同庁で記者会見し、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺海域で常態化する中国海警局の活動について「引き続きわずかな変化も見逃すことなく、わが国の領土領海を断固として守り抜く」と語った。

  また、2日で発生から半年を迎える羽田空港衝突事故については「先般公表された中間とりまとめを踏まえ、管制官とパイロットとの意見交換や滑走路安全チームへの参加など、さらなる安全対策を講じ、二度と事故を起こさないよう強い決意で取り組む」と述べた。
  瀬口氏は愛知県出身。昭和61年に海上保安大学校を卒業後、第9管区海上保安本部長、海上保安監などを歴任。令和4年6月から海保次長を務めた。前任の石井昌平氏は国土交通省(旧運輸省)のキャリア官僚出身だったが、現場を担う制服組出身者の就任は2年ぶり。


2024.05.20-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240520-3URG5M2GHRMKXJ6LRLZJXXDDPU/
<独自>中国公船が海保の測量船を執拗に追尾 尖閣諸島北方のEEZ内で、接近は異例
(大竹直樹、データ分析・西山諒)

  尖閣諸島(沖縄県石垣市)の魚釣島から北東に約120キロの日本の排他的経済水域(EEZ)内で海洋調査を行っていた海上保安庁の最新鋭測量船「平洋」(約4千トン)に中国海警局の船が近づき、執拗(しつよう)に追尾していることが20日、関係者への取材で分かった。測量船への中国公船の接近は平成24年2月にもあったが、極めて異例。

  船舶自動識別装置(AIS)を搭載した船舶の運航情報などを提供するサイト「マリントラフィック」のデータを基に産経新聞が分析したところ、中国浙江省舟山(しゅうざん)市を出港した「海警2502」が日中中間線を越え、今月14日午後6時半ごろから日本のEEZ内で平洋を追尾。16日以降は「海警2501」と入れ替わり、追尾を続けていることが確認された。
  「平洋」は今月4日に千葉県船橋市を出港。海底の地形を探査するマルチビーム測深機などを搭載している。 12年前は日本のEEZ内で海保の測量船「昭洋」と「拓洋」に、中国国家海洋局の公船「海監66」が付きまとい、無線で調査の中止を要求したが、海保関係者によると、20日昼時点で中止要求は出ていないという。
  東海大の山田吉彦教授(海洋政策)は「日本のEEZ内で調査活動をしている測量船に付きまとうのは、不安を与える行為であり、海域の平和を考えると許されることではない」と指摘した。
(大竹直樹、データ分析・西山諒)







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