世界の問題-1



2020.9.23-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/200923/wor2009230019-n1.html
宇宙軍拡禁止条約を提案 ロシア、新安保体制構築に向け

  ロシアのプーチン大統領は22日、国連総会一般討論でビデオ演説し、「宇宙への兵器配備を禁止する法的拘束力のある条約」を締結するよう各国に提案した。来年2月に期限が切れる米ロの新戦略兵器削減条約(新START)の延長の必要性を改めて強調。米国に対し、新たなミサイル配備を抑制するよう呼び掛けた。
  米ロ2国間の軍備管理体制が崩壊しつつある中で、これらの措置が「新たな国際的な安全保障体制を構築する基盤になる」との認識を示した。
  米ロは互いに宇宙空間の軍事利用を警戒。また、ロシアは中距離核戦力(INF)廃棄条約を離脱した米国が、中距離ミサイルや巡航ミサイルを欧州やアジア太平洋地域に配備することを懸念している。

  プーチン氏は、新型コロナウイルス感染拡大を巡り、ロシアが開発したワクチンを基に各国と協力する用意があるとも表明。(共同)


2020.9.18-Livedoor News-https://news.livedoor.com/article/detail/18921027/
麻生財務相、対中融資「卒業」を…アジア開発銀行総会で呼びかけ
(対中融資「卒業」を いまだ4番目の融資対象国 ADB総会で麻生氏)


  麻生太郎財務相は18日、オンラインで開催されたアジア開発銀行(ADB)年次総会で、米国に次ぐ経済大国でありながら資金援助を受ける中国を念頭に、新興国向け融資の“卒業”に向けた具体的な道筋づくりを改めて求めた。
  大国と発展途上国の顔を都合よく使い分ける中国は、アジアインフラ投資銀行(AIIB)を主導するなどして国際金融の舞台でも影響力拡大を図る。ADB最大の出資国である日本の菅義偉(すが・よしひで)新政権にとって国際金融における中国問題への対応も課題となりそうだ
  「所得のより低い国や脆弱(ぜいじゃく)な国に、支援を重点化していくことが必要だ」
  麻生氏は演説でこう主張し、ADBの限られた財源で支援を効果的に行うためには、中国など既に成長した国に対する融資を縮小すべきだと強調した。
  ADBの2019年の融資契約締結額のうち中国向けは10・6%に上り、上位4番目の規模となる。ADBの融資対象国の基準は1人当たりの国民総所得(GNI)で年約7千ドル(約73万円)が上限だが、中国は1万ドルの大台を上回って基準を大幅に超過している。


  ADBの融資対象から自立する基準には、GNIの上限のほか、市場から円滑に資金調達ができるかといった項目がある。韓国やシンガポールは既に対象からは卒業しており、中国も来年以降の融資条件の見直しに向け協議を進める。
  財務基盤が脆弱な国では医療体制の整備が遅れ新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかかっておらず、世界的な感染収束に向け治療薬やワクチンの普及を含め中長期的な支援が必要だ。ADBの主要株主でもある中国の卒業は、本当に支援が必要な低所得国により手厚く融資を行うためにも不可欠だ
  日本としてはまず中国向け融資を抑え、使途を地球温暖化問題などに制限したい考え。中国との対立が激化する米国は日本と並ぶ最大級の出資国で、日米で歩調を合わせる思惑もある。
  巨大経済圏構想「一帯一路」を掲げる中国はAIIBを通じて途上国へ過剰に融資し、返済に窮した国からインフラを奪う例もある。コロナ禍ではマスク外交で逆にイメージアップを図るなど“焼け太り”を狙い、対中外交で比較的寛容だった欧州を含め反感が広がる。冷たい視線を察してか、融資対象から卒業する必要性は中国も理解を示しているようだが、ADBを主導する日本の指導力が一層問われそうだ。(林修太郎)


2020.9.17-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/200917/mcb2009172055027-n1.htm
東地中海、ガス田探査で緊張 仏VSトルコ「米抜き安保」の試金石

  【パリ=三井美奈】トルコによるガス田探査に端を発した東地中海での対立が激しくなっている。トルコの歴史的ライバルであるギリシャをフランスが支え、トルコが反発する構図だ。マクロン仏大統領は欧州連合(EU)による危機解決を目指し、対トルコ制裁も辞さない構え。米国が欧州安保への関与を低下させる中、EUの「自立」を問う試金石と位置付けている。

  マクロン氏は10日、仏コルシカ島でギリシャ、イタリアなどEUの南欧7カ国による首脳会議を開き、トルコのガス田探査は「一方的で、違法な挑発行為だと非難した。トルコが対話に応じなければ、月末のEU首脳会議で制裁を検討すると迫った。

  続いてギリシャ政府が、フランスからラファール戦闘機18機を購入すると表明。トルコのエルドアン大統領は「フランスは、トルコとケンカしようとは思わない方がいい」と牽制(けんせい)した。トルコはいったん探査船を撤収させたが、「給油と整備のため」としており、活動を続ける方針は変えていない。

  対立は今夏、トルコが軍艦の護衛付きでガス田の海底探査を始め、ギリシャが「わが国の権益を侵害した」と反発したのが発端。豊富な天然ガス資源を擁するとされる東地中海では、トルコとギリシャなどの排他的経済水域(EEZ)が画定していない。
  フランスは8月半ば、ギリシャ側に立って同国クレタ島に戦闘機を派遣。さらに、地中海でギリシャ、イタリアとともに軍事演習を行い、トルコを威圧した。
  トルコやギリシャ、フランスはいずれも、米主導の北大西洋条約機構(NATO)加盟国。米国は地中海岸に第6艦隊の基地を置くが、ポンペオ国務長官は「外交による解決が必要。トルコの動きを懸念している」としつつ、仲介は避けている。
  マクロン氏が強硬姿勢を崩さないのは、米国の存在感が薄れるのに従い、ロシアやトルコが地中海沿岸で権益拡大を図っているからだ。ロシアはシリアでアサド政権の後ろ盾として軍事介入を深め、トルコはシリアやリビアの紛争に介入する。マクロン氏は「NATOは脳死状態」と公言し、欧州独自の安保構築を訴えてきた。
  一方、マクロン氏の姿勢には、EU内で慎重論も強い。多数のトルコ系移民を抱えるドイツのマース外相は「EUはギリシャとともにある」としながら、制裁には消極的な姿勢だ。


2020.9.12-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200912/k10012615291000.html
バーレーンもイスラエルと国交正常化 パレスチナは苦境に

  アメリカのトランプ政権の仲介で中東のUAE=アラブ首長国連邦に続いて、バーレーンもイスラエルとの国交正常化で合意しました。パレスチナ問題をめぐって長年、対立してきたイスラエルとアラブ諸国の関係改善がさらに進むことで、パレスチナは苦しい立場に立たされています。
  アメリカのトランプ大統領は11日、長年、対立関係にあったイスラエルとバーレーンがアメリカの仲介で国交の正常化に合意したと発表しました。
  トランプ政権は、先月にも、イスラエルとUAEの国交正常化の合意を仲介し、今月15日には、3か国の代表を首都ワシントンに招いて合意の署名式を行う予定で、ことし11月の大統領選挙を前に外交成果をアピールする狙いがあるとみられます。
  一方、アラブ諸国はパレスチナ問題の解決がイスラエルとの和平の条件だとしてきましたが、UAEとバーレーンがこれを覆す形でイスラエルとの国交正常化にかじを切ったことでパレスチナ側は強く反発しています。
  パレスチナ暫定自治政府は、「アラブ諸国の合意や国際的な正当性を吹き飛ばす、極めて危険な動きだ」と激しく非難し、バーレーンに駐在していた大使を召還しました。
  ただ、アメリカやイスラエルはほかのアラブ諸国にも国交正常化に向けた働きかけを強めていて、パレスチナ問題をめぐって長年対立してきたイスラエルとアラブ諸国の関係改善がさらに進むことで、パレスチナは苦しい立場に立たされています
パレスチナ 反発と冷めた見方
  レスチナではバーレーンの対応を非難する人がいる一方、すでに予想されていたことだと冷めた目で見ている人もいます。
  このうち、ベツレヘムに住む30歳のパレスチナ人の男性は、「合意は政府が進めたものであって、バーレーンの人たちが行ったものではないが、イスラエルとの国交正常化は許されざる裏切りだ」と非難しました。
  また、別のパレスチナ人の男性は、「アラブ諸国には何年も前から裏切られていて、今回それが明らかになっただけだ。和平に向け残りの友人の国に頼るしかない」と話していました。
イスラエルでは歓迎の声
  イスラエルでは歓迎する声が多く聞かれました。
  イスラエル人の男性は、「平和は世界で最も美しいことだ。ほかのアラブ諸国もイスラエルと国交を結ぶべきだ」と話していました。
  また、別のイスラエル人の男性も、「イスラエルとの平和は両国にとって財産になる。先日、パレスチナはアラブ諸国に対し、合意に非難する声明を求めたが、却下された。イスラエルの将来は明るいと感じる」と話していました。
専門家「中東の歴史にうねり」
  アメリカの仲介で1か月の間に中東の2か国が相次いでイスラエルとの国交正常化に踏み切った背景について、元外交官でアメリカの中東政策に詳しい三菱総合研究所の中川浩一主席研究員はハイテク産業の集積地であるイスラエルと、中東経済の中心地、UAE=アラブ首長国連邦、そして経済発展を進めたいバーレーンの3者の思惑が一致したと分析しています。
  中川主席研究員は「仲介したトランプ大統領のビジネスの視点が長く動かなかった中東の歴史にうねりをもたらしている」としてオマーンなどほかの湾岸諸国も国交正常化に追随する可能性があると指摘しました。
  また中川主席研究員は「コロナ禍の経済対策や人種問題などがトランプ大統領にとって逆風となる中、一連の国交正常化の動きはイランを対立軸に置くことからイスラエルを守ることにつながり、結果としてイスラエルを支持するキリスト教福音派の喜ぶところとなり、選挙対策になるだろう」としてことし11月のアメリカ大統領選挙に向けてトランプ大統領の支持基盤である福音派への支持固めにつながるとの見方を示しました。
  一方で、「アメリカの選挙対策で大事なのは中東和平問題ではなく、イスラエルをどう守っていくかだ。むしろパレスチナがますます置き去りになってしまうという意味で、非常に危機感を持つべきだ」とパレスチナ問題を抜きに進む国交正常化の動きに警鐘を鳴らしました。
イラン「恥ずべき行為」
  今回の合意について、イスラエルと対立するイランの外務省は12日、声明を発表し、「この恥ずべき行為は、抑圧されているパレスチナの人たちの記憶に残り続けるだろう。バーレーンの指導者は、罪を犯す政権の共犯者となった」と非難しました。
  そのうえで、「この根本的な誤りは、アメリカ国内の選挙のためのものだ」として、アメリカの大統領選挙に向けた政治的な動きだと批判しました。
  イラン政府は先月、イスラエルとの国交正常化で合意したUAEについても、「パレスチナの人たちへの裏切りだ」として強く非難しています。
  イランにとってUAEやバーレーンは、ペルシャ湾の対岸に位置する国で、今回の声明でも、「イスラエルによって、ペルシャ湾に不安定な状況がもたらされれば、バーレーンや、同じ道を歩む国の責任とみなす」としていて、安全保障上、周辺地域でイスラエルの影響力が高まることに警戒感を示しました。
トルコ「強く非難」
  トルコ外務省は11日、声明を発表し、「UAEの後を追ったバーレーンの決定を強く非難する。これは、パレスチナの大義を支える運動への新たな打撃となるとともに、パレスチナ人の土地の占領を固定化しようというイスラエルの動きを後押しするだろう」と反発しています。
  トルコ政府は、アメリカのトランプ政権が打ち出した、イスラエル寄りだと言われる中東和平案を巡ってもパレスチナを支持する立場を鮮明にしていて、先月、UAEがイスラエルと国交正常化で合意した際にも非難声明を出しています。
地域大国 サウジアラビアの動向に関心
  UAE=アラブ首長国連邦に続きバーレーンがイスラエルとの国交正常化に動いたことで地域大国のサウジアラビアの動向に関心が集まっています。
  サウジアラビアのファイサル外相は先月、アラブ諸国の和平案を維持する考えを強調し、イスラエルとの国交正常化には慎重な姿勢を示しました。
  またサルマン国王も今月6日にアメリカのトランプ大統領と電話会談した際、従来の和平案を維持する姿勢を伝えたということです。
  しかしサウジアラビアの強い影響を受けるバーレーンがイスラエルとの国交正常化に乗り出したことで、サウジアラビアの姿勢に何らかの変化を及ぼす可能性もあり、その動向に関心が集まっています。
UAEではイスラエルとの関係強化加速
  バーレーンに先立って先月、国交正常化で合意したイスラエルとUAEでは合意以降、両国の関係を強化する動きが急激に加速しています。
  イスラエルはアメリカとともに先月末、UAEの首都アブダビに政財界の実務者の代表団を派遣し、イスラエルとアブダビを結ぶ民間の直行便を初めて運航しました。
  さらにイスラエルとUAEのドバイとの直行便の運航に向けた準備も進められていて、両国の間で人の往来を活発化させる動きが活発化しています。
  また経済関係では今月9日、イスラエルの大手銀行の幹部が「合意文書への署名後には、銀行システムでも連携できるようになる」と述べて、金融機関どうしの協力も進めたいという考えを示したほか、イスラエルの病院大手がUAEの投資会社と医療技術の協力で合意したことを発表し、両国の関係を強化する動きが急激に加速しています。
トランプ政権のねらいは
  トランプ政権がイスラエルとアラブ諸国との関係改善を強く促している背景には、11月の大統領選挙をにらんだ保守層へのアピールと中東和平の実現に向けたパレスチナへの圧力、さらに敵対するイランへの包囲網構築という大きく3つのねらいがあるとみられます。
キリスト教福音派の存在
  トランプ大統領がイスラエル政策で強く意識しているのがキリスト教福音派の存在です。
  福音派はアメリカ最大の宗教勢力ともいわれ、聖書の言葉を厳格に守ることを教えの柱とし、ユダヤ人の国イスラエルは「神の意志で建国された」としてイスラエルへの支援を重視しています。
  トランプ大統領は福音派を支持基盤としてイスラエル寄りの立場を鮮明にし、イスラエルとパレスチナの間で帰属をめぐる争いのある聖地エルサレムをイスラエルの首都と認めるなど福音派の人たちの長年の訴えを実現させてきました。
  イスラエルは1948年の建国以来、アラブ諸国とたびたび戦火を交えてきただけにその対立の解消はイスラエルの安全保障の改善につながり、福音派もこれを歓迎しています。
  大統領選挙を間近にひかえたタイミングでのイスラエルとUAE、バーレーンとの相次ぐ合意には、トランプ大統領として福音派に実績を強調するねらいがあるとみられます。
中東和平を後押し
  またイスラエルとパレスチナの対立をめぐる中東和平問題でパレスチナの譲歩を引き出す環境づくりを進める目的もあるとみられます。
  トランプ政権は中東和平を「究極のディール」と呼んで独自の和平案を示し解決に取り組んでいますが、和平案がイスラエル寄りの立場を色濃く反映した内容だったためパレスチナ側が強く反発し事態は進展していません。
  このためトランプ政権としてはパレスチナを支援するアラブ諸国への働きかけを強めることで、パレスチナ側に間接的に圧力をかけるねらいとみられ、トランプ大統領は11日の会見で「われわれは異なるアプローチをとっている」と述べて、パレスチナ側に譲歩を促すためにも先にほかのアラブ諸国にイスラエルとの国交正常化を呼びかけていく考えを示しています。
対イラン包囲網
  さらにアメリカが中東最大の脅威と位置づけイスラエルと敵対するイランへの包囲網を構築するねらいもあります。
  アラブ諸国のなかにはイスラム教の宗派の違いなどからイランと敵対関係にある国も少なくなく、こうした国とイスラエルとの関係改善を進めることで、アメリカとしてはイスラエル対アラブ諸国の構図をイスラエルとアラブ諸国対イランの構図へと転換させ、イランを孤立させようとしているとみられます。


2020.9.10-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200910/k10012611571000.html
日印首脳電話会談 ACSA署名を歓迎

  安倍総理大臣はインドのモディ首相と電話で会談し、自衛隊とインド軍が食料や燃料などを相互に提供できるようにする協定が署名に至ったことを歓迎し、両国が国際社会の平和と安全に一層、積極的に寄与していくことを確認しました。
  電話会談は安倍総理大臣の辞任表明を受けて、インド側からの申し出で、午後2時半すぎからおよそ30分間行われました。
  この中で安倍総理大臣はみずからの辞任表明について説明したうえで、相互に訪問した際の思い出に触れ、モディ首相との友情と信頼関係に感謝の意を伝えました。
  これに対しモディ首相も相互訪問を振り返り、ねぎらいのことばをかけました。
  また両首脳は、9日、両国の間で自衛隊とインド軍が共同訓練などの際に食料や燃料などを相互に提供できるようにするACSA=「物品役務相互提供協定」が署名に至ったことを歓迎しました。
  そして、この協定によって自衛隊とインド軍との緊密な連携が促進され、両国が国際社会の平和と安全に一層、積極的に寄与していくことを確認しました。
  続いて、安倍総理大臣はトルクメニスタンのベルドイムハメドフ大統領とも電話で会談し、「大統領との間で天然ガス加工プラント建設をはじめ、多くの大型案件を実現できた」と謝意を示し、両首脳は両国の友好関係のさらなる深化への期待を確認しました。


2020.9.2-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/24f76e550efb027b5d4e9ac4eb887063639a6ac9
独仏、中国に「欧州を脅すな」と反論 チェコ上院議員団の訪台で

  【パリ=三井美奈、北京=西見由章】中国の王毅国務委員兼外相がチェコ上院議員団の台湾訪問を受けて報復を警告したことに対し、フランス外務省は1日の声明で「欧州連合(EU)の一員に対する脅しは受け入れられない。われわれはチェコと連帯する」と批判した。ドイツのマース外相も同日、「脅迫はふさわしくない」と述べ、フランスと歩調を合わせた。
   王氏は8月末から、仏独など欧州5カ国を歴訪した。チェコのビストルチル上院議長が率いる訪台団は、30日に台北入りした。
   王氏は1日、ベルリンでマース氏と行った共同記者会見で、ビストルチル氏が台湾の立法院(国会に相当)で演説したことに触れ、「これは公然とした挑発だ。一線を越えたと猛反発した。また、「必要な対応を取らざるを得ない」と述べ、報復を示唆した
   これに対し、マース氏は「われわれは国際的なパートナーには敬意をもって接する。相手にも同じことを期待する」と応じ、中国側の強い圧力を牽制(けんせい)した。さらに、香港国家安全維持法について「法の影響を懸念している。『一国二制度は完全に実施されるべきだ」と要求した。一方で、中国とEUの関係構築の重要性を強調し、EUの台湾政策には言及しなかった。
   王氏は8月31日には、「台湾問題で『一つの中国』に戦いを挑むことは、14億人の中国人民を敵に回すこと」だとチェコ上院議員団の訪台に反発。「高い代償を払う」と警告した。


2020.8.30-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200830/k10012591051000.html
モーリシャス 重油流出 首都で大規模デモ 政府の対応に抗議

  インド洋の島国モーリシャスで、貨物船の重油の流出事故を受けた政府の対応に抗議する大規模なデモが行われ、参加者は、原因の早期の究明を求めました。
  モーリシャスの沖合では先月25日、岡山県の長鋪汽船が所有し、商船三井がチャーターしていた貨物船「WAKASHIO」が座礁し、燃料の重油などが大量に流出しました。
  この事故をめぐって首都ポートルイスで、29日、政府の対応に抗議するデモが行われ、現地の報道では数万人が参加して広場や通りが埋め尽くされました。
  参加者は国旗やプラカードを掲げ事故原因の早期の究明のほか、26日以降、死んだイルカが複数打ち上げられ、政府が事故との関連がないと発表していることについて詳しい説明を求めていました。
  今回の事故で警察は、貨物船のインド人の船長らを逮捕して捜査を続けていますが、野党を中心に、ジャグナット首相の対応が遅かったとして批判の声が出ていました。
  モーリシャスでは新型コロナウイルスの感染対策として外国人の入国が制限され、主要産業のひとつである観光業が打撃を受ける中で今回の事故が起きたことで、人々の間で経済の先行きなどへの不安が高まっています。


2020.8.22-Yahoo!Japan(KYODO)-https://news.yahoo.co.jp/articles/e716b92e732f9f267bc9fcbb8d37fa2770541e75
100キロ手前で航路を逸脱か モーリシャス沖の座礁船

  インド洋のモーリシャス島沖で重油流出を引き起こした日本の貨物船は、同島の約100キロ手前で通常の航路を外れ、ほぼ一直線で島に接近し浅瀬で座礁した可能性があることが分かった。ロイター通信が21日、航路を追跡した民間企業のデータを基に報じた。
  貨物船は、モーリシャス島から約100キロの地点で針路がずれた後、しばらくしてわずかに向きが変わったが、島へ直進し続けた。現地時間7月25日夜に浅瀬に乗り上げて船体が破損した。
   モーリシャス運輸当局が座礁前に警告を発したが貨物船から応答がなかったとの報道がある一方、当局が十分な警告を怠ったと伝える地元メディアもある。


2020.8.17-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/068644066f5ff8aecb6467c65bfbff0953bb9e76
モーリシャス沖座礁、賠償責任は商船三井ではなく「船主」に

  モーリシャス沖で座礁して重油を流出させた日本の貨物船に対しモーリシャス政府は、船主の長鋪(ながしき)汽船(岡山県)や同社が契約する保険組合に賠償を請求する方針だ。なぜ、船を運航していた海運大手の商船三井ではないのか。背景には、海運会社がコストやリスクを抑える中で、国内船主と長年にわたり築いてきた商習慣がある。
   商船三井は、液化天然ガス(LNG)など荷物の依頼主が外国の国営企業の場合などは、自社保有するLNG船を運航している。だが、今回のように一般的な石油製品などを扱う場合は、別の船主から船舶を借り受けて運航する用船契約」を結ぶことが多い。造船などに伴う巨額投資と、船舶管理や乗組員手配のコストを軽くできるためだ。
   長鋪汽船は、江戸時代から150年以上海運業を営む
老舗企業で、多くの貨物船を所有しノウハウがある。今回の座礁船についても、乗組員の全員を手配していた。事故を受け現地に人員も派遣している。
   油の海洋流出に関する国際条約では、事故の責任や保険加入義務は船主にある。長鋪汽船が加入する保険組合の関係者は、モーリシャスで裁判手続きが進められる場合、賠償額は同国が批准している条約で定められた19億円が上限とみるが、条約の解釈などで大きく上振れる可能性もある。
    座礁した貨物船はパナマ船籍だが、これは船籍登録に際して同国は日本より税負担が軽いことなどが理由だ。日本で登録する場合は日本人を乗船させることが求められ人件費もかさむ。


2020.8.15-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200815/k10012567861000.html
アメリカ政府 イラン産石油を海上で押収と発表 イランは否定

  アメリカ政府は、テロ組織に指定するイランの革命防衛隊が南米のベネズエラに向けて輸送していたイラン産の石油を海上で押収したと発表しました。イランに対する圧力強化の一環ですが、イランは、自国の石油ではないと否定しています。
  アメリカ司法省は、14日、声明を発表し、イランがベネズエラに向けてタンカー4隻で輸送していた合わせて110万バレルの石油を海上で押収したと発表しました。
  石油の輸送は、アメリカがテロ組織に指定するイランの革命防衛隊が指揮し、アメリカの制裁措置に違反するとしていて、今後は差し押さえた石油を売却しテロの被害者や遺族のための資金に充てていくとしています
  今回の措置は、アメリカによるイランに対する圧力強化の一環ですが、イラン国営通信は、14日、政府高官の話として、「イランが所有するいかなる船や積み荷も差し押さえられていない」とアメリカの主張を否定しました。
  また、ベネズエラに駐在するイランの大使もツイッターに「アメリカのプロパガンダによって作られたうそであり、心理戦争だ」と投稿し、アメリカを批判しています。
  一方、アメリカ軍は、中東のホルムズ海峡の近くでイラン軍がヘリコプターや2隻の艦艇を派遣して、外国籍のタンカーの拿捕(だほ)を試みたとする映像を公開しました。
  アメリカ軍は、イラン産の石油を押収されたことに対するイラン側の反発だと見ていて、警戒を強めています。


2020.8.14-Yahoo!Japanニュース(REUTERSロイター)-https://news.yahoo.co.jp/articles/4a6dfa4f4fc015ebc6b16fcddfa0f65a828167f3
モーリシャス政府から賠償請求、座礁事故の長鋪汽船

  [東京 14日 ロイター] - インド洋のモーリシャス沖で座礁した貨物船の船主、長鋪(ながしき)汽船は、モーリシャス政府から損害賠償を求められていることを明らかにした。適用される法に基づき誠意を持って対応するとしている。事故の原因はまだ分かっていないという。
   貨物船「わかしお」は7月25日に座礁。亀裂の入った燃料タンクから油が流出した。約4000トンの油を積み、1000トン超が海に流出。船内に残っていた油は8月12日までにほぼすべて回収できたとみられるという。
   モーリシャスのジャグナット首相が環境緊急事態宣言を出すなど、周辺の生態系に深刻な影響を及ぼす可能性が懸念されている。


2020.8.14-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200814/k10012566251000.html
イスラエルとUAE 国交正常化へ「歴史的な外交上成果」と強調

  アメリカのホワイトハウスは、イスラエルとUAE=アラブ首長国連邦と共同で声明を発表し、イスラエルとUAEが国交を正常化することで合意したと発表しました。イスラエルが歴史的に対立してきたアラブ諸国と国交を結ぶことになり、声明は「歴史的な外交上の成果」だと強調しています。
米ホワイトハウス 共同で声明発表
  ホワイトハウスは13日、イスラエルとUAEと共同で声明を発表し、イスラエルとUAEが国交を正常化することで合意したと発表しました。
  数週間以内に投資や安全保障、それに大使館の設置など、さまざまな分野で2国間の合意に調印するとしています。
ユダヤ人入植地の併合 一時停止も
  また、合意を踏まえてイスラエルが検討していたヨルダン川西岸の一部のユダヤ人入植地の併合を一時停止するとしています。
  イスラエルは1948年の建国以来、アラブ諸国と対立関係にあり、これまで、隣国のエジプトとヨルダンを除いて国交がありませんでした。ただ最近は、地域で影響力を増すイランへの対抗という共通の利益のもと、イスラエルとUAEの関係が接近していました。
  声明は、「歴史的な外交上の成果」だと強調していて、今回の合意がイスラエルとアラブ諸国全体の関係に変化を及ぼす可能性もあります。
  ホワイトハウスで記者会見したトランプ大統領は、「合意はより平和で安全な中東への大きな一歩だ。氷がとけ始めたことでほかのアラブ諸国やイスラム教の国がイスラエルと国交を正常化することを期待する」と述べ、中東の緊張緩和につながることに期待を示しました。
  トランプ大統領は今回の合意がアメリカの仲介で実現したことを強調していて、秋の大統領選挙を前に外交成果をアピールするねらいもあるとみられます。
調印式はホワイトハウスで
  また、トランプ大統領は「数週間のうちにホワイトハウスで調印式が行われるだろう」と述べ、イスラエルとUAEの双方の代表をホワイトハウスに招き、今回の合意についての調印式を行う考えを示しました。
イスラエル ネタニヤフ首相「新たな平和の時代を迎えた」
  イスラエルのネタニヤフ首相は、エルサレムで記者会見し、「イスラエルとアラブ世界は新たな平和の時代を迎えた」と述べました。そして、「エジプトとヨルダンに続き、3つ目の平和条約になる。アラブ諸国にとってさらに平和の輪を広げるチャンスだ」と述べ、ほかのアラブ諸国とのさらなる関係改善に期待を示しました。
  一方、ネタニヤフ首相は、トランプ政権が発表した和平案に基づいて、パレスチナ暫定自治区のうち、ユダヤ人入植地を含むヨルダン川西岸の30%の土地をイスラエルに併合する考えを示していましたが、今回の合意では、これを一時停止するとしています。
  これについて会見で問われたネタニヤフ首相は、「トランプ大統領から一時停止するよう求められた」としつつ、「併合はまだテーブルの上にある」とも述べ、併合の考えを完全に取り下げたわけではないと強調しました。
UAE 皇太子 パレスチナ問題で成果と強調
  イスラエルとの交渉についてUAE=アラブ首長国連邦の国営通信は13日、「UAEとイスラエルが国交を正常化することで合意した」と速報で伝えました。またUAEとイスラエルの代表団が今後数週間以内に会談し、直行便の運航や大使館の設置などで合意するとしています。
  またUAEのムハンマド・アブダビ皇太子は、ツイッターでイスラエルがパレスチナの併合を停止することでも合意した」と投稿し、アラブ諸国とイスラエルとの間で最大の懸案となってきたパレスチナ問題で成果があったと強調しました。
エジプト シシ大統領「入植停止に関心」
  1979年にアラブ諸国としては初めて、イスラエルと国交を樹立したエジプトのシシ大統領は、ツイッターに「パレスチナの領土へのイスラエルの入植を停止するという合意に関する3か国の声明に関心を寄せている。地域の繁栄と安定を成し遂げるため、この合意を実現した国々の努力を評価する」と書き込み、合意を歓迎しました。
イラン通信社「恥ずべき合意だ」
  イスラエルとUAEの国交正常化合意についてイラン政府は、まだ公式な反応を示していませんが、主要な通信社のタスニム通信は、「恥ずべき合意だ」と批判的に伝えています。イランは、イスラエルを国家として認めておらず、中東地域の武装勢力への支援などを通じてイスラエルと敵対しています。
  一方のアラブ諸国との間では同じイスラム教の国家として一定の関係を維持してきましたが、アラブ諸国で中心的な役割を担うサウジアラビアとの間では、4年前、国交を断絶するなど関係が悪化しています。
  イランに厳しいアメリカのトランプ政権が、同盟国のイスラエルとともに「イラン包囲網」とも呼べる状態をつくる中でイランとしては、イスラエルとの関係改善が進むアラブ諸国がこうした包囲網に加わり、地域での孤立化が進むことに警戒感を強めているものとみられます。
パレスチナ「強く拒否する」
  パレスチナ暫定自治政府は、今回の合意について、「強く拒否する。UAEを含め、第三者がパレスチナ人を代表して口を出す権利はない。われわれは、アラブ諸国やイスラム諸国に対し、緊急の会合を求めたい」とした声明を発表しました。
  また、ガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマスの報道官は、「この合意は、少しもパレスチナの目標に貢献するものではなく、むしろイスラエルの立場に貢献するものだ。占領を続けさせ、パレスチナの人々の権利を否定し、人々への犯罪も続くことになる」と述べ激しく反発しました。
  そのうえで、「必要なのは、占領に抵抗する人々の正当な闘争を支援することであって、占領者との間で合意を結ぶことではない。入植地問題については、イスラエルとの関係の正常化によってではなくアラブ諸国と国際社会に支持されたあらゆる形での抵抗で立ち向かっている」と主張しました。
交渉経緯とアメリカのねらい
  今回の合意に至った経緯について交渉を中心になってまとめたトランプ大統領の娘婿でもあるクシュナー上級顧問が記者会見しました。
  この中でクシュナー上級顧問は「交渉はおよそ1年半前から行われ、われわれが中東和平案を示して以降、本格化していった」と述べ、ことし1月にトランプ政権がイスラエルとパレスチナの紛争を解決するためとして中東和平案を公表したあとに交渉が加速したことを明らかにしました。
  そして、1週間ほど前に大枠での合意にいたり、今月12日になって合意内容が確定したということです。
  クシュナー上級顧問はトランプ政権で中東和平問題を担当していて、対立するイスラエルとパレスチナのこう着状態を、パレスチナを支援するアラブ諸国にも働きかけることで打開させようとしてきました。
  また、イスラエルとUAEは近年、地域で影響力を増すイランに対抗するという共通の利益のもと急速に接近していて、クシュナー上級顧問も合意に至った理由の1つとして「双方にとって戦略的により利益があるからだ」と説明しました。
  そして、今回の合意は「イスラエル対パレスチナを支援するアラブ諸国」という構図を変化させる可能性も秘めたものでトランプ政権としては、中東和平の実現に向けた一歩としてとらえているとしています。
  トランプ大統領は、今回、アメリカが仲介役となったことを強調していて大統領選挙を前に、外交成果としてアピールするねらいもあるとみられます。
両国の接近の動き 相次いでいた
  UAEとイスラエルの間では最近になって、関係改善にむけた動きが出ていました。
  2018年10月にUAEで開かれた柔道の国際大会では、イスラエルの選手が優勝した際、国交がないイスラエルの国歌が会場で流され、異例のこととして注目を集めました。
  またイスラエルは、2018年11月にUAEなど湾岸諸国との間を結ぶ鉄道網の建設を提案したほか、2019年4月にはUAEのドバイで開かれる国際博覧会「ドバイ万博」に参加すると表明し、関係構築に向けた働きかけと受け止められました。
  UAEは、ペルシャ湾を挟んで向き合う地域大国のイランを安全保障上の脅威としており、イランと敵対するイスラエルと接近したいねらいがあるものとみられます。
  一方アラブ諸国のUAEにとっては、イスラエルが国際法に反した入植活動を行うパレスチナ問題が、国交の正常化に向けた最大の懸案となってきました。
  ただ今回の合意でイスラエルが、ヨルダン川西岸のユダヤ人入植地の併合を一時停止するとしていることから一定の成果を得られたとして合意に応じたものとみられます。
イスラエル アラブ 対立の経緯
  イスラエルは1948年の建国以来、アラブ諸国と戦争を繰り返し、対立してきました。
  1948年には、エジプトやシリアなど周辺の国と戦火を交え、この戦争によって、多くのパレスチナ人が難民となりました。
  また、1967年の第3次中東戦争では、ヨルダンから東エルサレムやヨルダン川西岸などを占領し、エルサレムの全域を支配下に置きました。
  1973年の第4次中東戦争でも、再びエジプトなどと戦争をすることになりましたが、6年後の1979年にはエジプトと、そして、1994年には東に位置するヨルダンとの間で平和条約を結び、国交を樹立しました。

  さらにここ数年は、地域で影響力を増すイランに対抗するという共通の利益のもとで、アラブ諸国との関係の改善を積極的に図っていました
  正式に決定すればイスラエルにとってUAEは、国交を持つ3か国目のアラブ諸国となり、今後、地域大国のサウジアラビアなどそれ以外の国との間でも関係改善が一気に進むのかが次の焦点となります
イスラエル人からは…
  イスラエルがUAEと国交の正常化で合意したことについて、エルサレムのイスラエル人からは、さまざまな声が聞かれました。
  イスラエル人の男性は、合意で、ヨルダン川西岸の併合が一時停止になったことに触れ、「国交正常化は平和の証で、いかなるアラブの国とも平和になるべきだと思う。併合は、地域で不必要な緊張をもたらすと思うので、イスラエルにとってはよくないと思う」と合意を歓迎していました。
  一方で、別のイスラエル人の男性は、「トランプ大統領は、大統領選挙で自分に有利になることをしただけで、合意は、イスラエルにとってよいことではない」と話し、併合が一時停止されることに失望していました。
パレスチナ人の間では…
  イスラエルがUAEと国交の正常化で合意したことについて、パレスチナ暫定自治区にあるベツレヘムでは、パレスチナ人の間で失望が広がっています。
  55歳のパレスチナ人の男性は、「UAEの立場は、アラブの立場と異なっていておかしいと思う。パレスチナ人としてこんなことが起きるとは思っていなかった」と話していました。
  また、別のパレスチナ人の男性は、「私たちには2つしか方法がなく、まずはパレスチナ人が一つになること。そして2つ目には、アラブ諸国の支援がなくなり、私たちだけになったとしても、この現実に向き合わなければならないことだ」と話していました。
国連事務総長「交渉再開の機会作り出すこと望む」
  国連のグテーレス事務総長は、イスラエルが合意を踏まえて、ヨルダン川西岸の一部のユダヤ人入植地の併合を一時停止するとしていることについて「ヨルダン川西岸の併合はイスラエルとパレスチナの二国家共存の展望とそれに向けた交渉再開の扉を閉ざすものだとして、一貫して停止を呼びかけてきた」と評価しています。
  そして、「今回の合意が二国家共存を実現するために、両者が意味のある交渉を再開する機会を作り出すことを望む」として過去の国連決議に基づき、イスラエルとパレスチナが国家として平和共存するための対話が必要だと強調しています。


2020.8.9-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200809/k10012559931000.html
モーリシャス沖で貨物船座礁 重油1000トン超流出か 会社が会見

  海運大手の商船三井が運航する貨物船が、インド洋の島国モーリシャスの沖合で座礁し、周辺に大量の油が流れ出た事故で、会社側が会見し、1000トン以上の重油が流出したとみられ、回収を進めていることを明らかにしました。

  今回の事故について、商船三井と船を所有する長鋪汽船が9日、都内で記者会見しました。
  それによりますと、先月26日に商船三井が運航する貨物船「WAKASHIO」がモーリシャスの沖合で座礁し、今月6日に船尾にある燃料タンクの一つが損傷して重油が流出したということです。
  これまでに1000トン以上の重油が流れ出たと見られ、周辺にはさんご礁が広がり、水鳥をはじめ貴重な生物が生息していることから、オイルフェンスを設置して、油のさらなる広がりを食い止めるとともに、回収を進めているとしています。
  モーリシャスでは、豊かな自然を売りにした観光が主要産業の一つとなっていて、モーリシャス政府は国連に対して緊急の支援を求めています。

  商船三井の小野晃彦副社長は「モーリシャスをはじめ、関係の皆様に多大なるご迷惑をおかけし、深くおわび申し上げます。影響を最小限に食い止めるよう、解決まで誠意を持って対応したい」と述べました。
  長鋪汽船の長鋪慶明社長は「現時点ではどのくらいの期間で回収ができるか見通しが立っていない。まずは油の拡散を防ぐことに全力で努めていきたい」と話していました。


2020.8.4-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200804/k10012549331000.html
スペイン前国王 国外へ 高速鉄道建設計画めぐり収賄疑惑で

  スペイン王室は3日、前の国王のフアン・カルロス1世(82)がスペインを離れることを決断したと発表しました。前国王は、サウジアラビアの高速鉄道の建設計画をめぐり、不正に金を受け取った疑惑がもたれていて、王室に対する批判が高まるのを避けたい思惑があるとみられます
  スペイン王室は3日、前国王のフアン・カルロス1世が、国を離れる決断をしたと発表しました。
  発表では、前国王が息子であるフェリペ国王に宛てて手紙をしたため、「国民や国王に対して、最大の奉仕を行うという信念に基づき、熟慮の上でスペインを離れることを決断した」と記したとしています。行き先については明らかにされていません。
  前国王は、サウジアラビアの高速鉄道の建設計画をめぐって、工事を受注したスペインの企業連合から見返りに金を受け取った疑惑がもたれていて、ことし6月、スペイン検察が捜査に乗り出すと発表していました
  前国王の弁護士は、地元メディアに対し、前国王は引き続き捜査に協力するとしていて、今回の決断には、王室に対する批判が高まるのを避けたい思惑があるとみられます。
  フアン・カルロス1世は、40年近くにわたり独裁政治を続けてきたフランコ総統の死去を受けて、1975年に国王に即位し、民主化を推し進めて国民の尊敬を集めましたが、国が財政危機にあるなか、アフリカでゾウ狩りを行ったことが厳しい批判にさらされ、2014年に高齢を理由に退位しました。
海洋汚染防止へ日本政府が国際緊急援助隊派遣へ
  この問題で、政府は、モーリシャス政府からの要請を受け、10日、国際緊急援助隊の専門家チームを現地に派遣することを決めました。
  専門家チームは、海上保安庁と外務省、それにJICA=国際協力機構の職員合わせて6人で構成され、現地では油を取り除く作業などの支援活動を行う予定です。
  政府は、今回の問題がモーリシャスの環境や、観光業に大きな影響を与えかねないとして、専門家チームの派遣で海洋汚染の防止に貢献したいとしています。
専門家 さんごの多様性が世界で最も高い
  地域ビッグデータ解析を使って生物多様性の研究を行っている琉球大学の久保田康裕教授らのグループはことし3月、モーリシャスを含むインド洋西部の海域は、さんごの種の多様性が世界で最も高いとみられるとする研究を報告しています。
  世界の暖かい海には、イシサンゴとよばれるさんごの仲間が生息していますが、まだ見つかっていない種も多数いると考えられています。
  久保田教授のグループは、現在見つかっている697種の分布について、世界の10万か所余りで記録されたデータを解析して、世界のどこの海のサンゴの多様性が最も高いかを推定しました。
  その結果、モーリシャスを含むインド洋西部の海域は、東南アジアやオーストラリアなどと比べて、調査が進んでいないわりに見つかっている種が多く、計算の結果、世界で最もさんごの種数が多い海域とみられることが分かったということです
  久保田教授は「モーリシャス周辺は潜在的にさんごの多様性が高いホットスポットだが調査が十分にされていない。今回の事故で知られる前に絶滅する種がいないか懸念される。事故の影響調査とともに、この海域のサンゴの多様性についても調査を尽くす必要がある」と指摘しています。
専門家 「壊滅的な被害につながるおそれも」
  貨物船が座礁したモーリシャスの沖合は世界でも有数の多様なさんご礁が広がる海域で、流出した油などによって生態系が大きな影響を受けることが懸念されます。
  有害物質が生態系に与える影響に詳しい神戸大学の岡村秀雄教授によりますと、さんご礁に重油が流出した場合、さんごや海草などの生物に油が覆い被さることで、呼吸できず窒息するおそれがあるほか、さんごを形づくる「褐虫藻」と呼ばれる生物が栄養を補給できなくなり、壊滅的な被害につながるおそれがあると言うことです。
  また、重油そのものに含まれる有害物質や、船の底に貝などが付かないように塗られている塗料に含まれる有害物質の溶出も生態系に影響を及ぼすおそれがあるということです。
  岡村教授は、さんご礁での事故処理の場合、薬剤による重油の処理や、物理的に重油を取り除く作業自体がさんごの生態に影響を与えるおそれがあるとして、油の流出がこれ以上広がらないようにすることが最優先だとしたうえで、「さんご礁に広がった重油の回収はかなり難しい作業になると思われる。場合によっては自然の力で浄化するのを待たざるをえない可能性もあり、影響の長期化を覚悟して慎重に対策を探っていく必要がある」と指摘しています。


2020.7.25-宮崎日日新聞-https://www.the-miyanichi.co.jp/news/World/2020072501001888.php
子ども203人を「人間爆弾」に イスラム過激派がナイジェリアで 

  国連は24日、イスラム過激派ボコ・ハラムがナイジェリア北東部で2019年末までの3年間に、拉致した203人の子どもを使った爆弾テロを行っていたとの報告書を発表した。約8割が少女だった。大人の戦闘員が子どもの体に爆弾を巻き付けて雑踏に向かわせ、遠隔操作で起爆する手口で、国連は「人間爆弾」と非難している。

 ボコ・ハラムは14年に北東部ボルノ州で女子生徒276人を拉致し、解放を求めるキャンペーンが世界中に広まった。だが、過激派組織「イスラム国」(IS)に忠誠を誓う勢力も現れ、チャド湖に面した地域一帯を混乱に陥れている。


2020.7.21-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200721/k10012525721000.html
EU コロナ“復興基金” の設立案 協議は難航

  EU=ヨーロッパ連合は、新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた経済を立て直すため90兆円余りの基金を設立する案について夜を徹して協議していますが、依然、難航しています。合意できなければ、各国の分断が改めて浮き彫りになり、EUは正念場を迎えています

  EUは17日からベルギーのブリュッセルの本部で首脳会議を開いていて、感染拡大で大きな打撃を受けた経済の立て直しに向けて、7500億ユーロ、日本円で90兆円余りの基金を設立する案について協議しています。
  当初の案では、7500億ユーロのうち、3分の2にあたる5000億ユーロを返済義務がない補助金として加盟国に配分し、残りを融資にするとしていましたが、財政規律を重視するオランダやオーストリアが補助金の割合を減らすよう強く主張し、協議は難航しています。
  このため、EUのミシェル大統領は20日、補助金の割合を減らすことなどを盛り込んだ新たな案を各国に提示しました。その後、ミシェル大統領は全体会合を中断し、現地の未明の時間帯にも各国首脳と個別の会談を重ねるなど、夜を徹して事態の打開を図っています。
  基金の設立で合意できなければ、ヨーロッパ経済の立て直しに影響がでるだけでなく、各国の分断が改めて浮き彫りになり、EUは正念場を迎えています。


2020.7.20-SankeyBiz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/200720/mcb2007200830008-n1.htm
国連事務総長「安保理の構成、投票権を改革すべき」 5大国を批判

  【ニューヨーク支局】国連のグテレス事務総長は18日のオンライン演説で、国際機関における不平等の解消を訴え、「70年以上前に頂点に立った国々が改革を拒んでいる」と批判した。「国連安全保障理事会の構成や投票権」を改革すべき対象として例示しており、拒否権を持つ米英仏露中の5常任理事国を念頭に置いた異例の発言といえる。
  グテレス氏は、南アフリカで反アパルトヘイト(人種隔離)運動を指導したマンデラ元大統領の誕生日に合わせ、国際社会の不平等をテーマに演説した。
  この中でグテレス氏は「不平等の解消は国際機関の改革から始めなければならない」とし、国連安保理や世界銀行などで「力関係を変更する改革」が必要だと訴えた。アフリカ諸国など発展途上国の意向が十分に反映されていないことを問題視した。
  安保理では、拒否権を持つ米国などと中露が主要問題でことごとく対立する構図が定着し、機能不全が指摘されている。日本とドイツ、インド、ブラジルの4カ国(G4)は常任理事国の枠を拡大する安保理改革を訴えているが、関係各国の利害が複雑に絡み、議論は停滞している。
 グテレス氏は演説で、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が「エックス線」のように国際社会の矛盾を暴き出したとも指摘先進諸国は「自国の利益」を優先し、途上国への十分な支援を行わなかったと述べ、各国指導者に国際協調を呼びかけた。


2020.7.18-dmenuニュース(毎日新聞)-https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/mainichi/world/mainichi-20200718k0000m030190000c
「原発攻撃」発言も アゼルバイジャンとアルメニアが軍事衝突

  旧ソ連のアゼルバイジャンとアルメニアの国境地帯で12日から断続的に軍事衝突が続き、両国から少なくとも16人が死亡する事態となっている。衝突の原因は不明だが、両国とも相手側の攻撃によって始まったと主張。非難の応酬が続く中、アゼルバイジャン側がアルメニアの原子力発電所を攻撃する可能性まで示唆しており、関係国が自制を求めている。
  アゼルバイジャンのナゴルノカラバフ自治州をアルメニア人が実効支配することを巡り、両国は対立してきた。今回の衝突は同自治州から離れたアゼルバイジャン北西部のトブズ周辺の国境地帯で発生しており、両国の根深い相互不信が浮き彫りとなっている。
  タス通信などによると、これまでにアゼルバイジャン側は12人、アルメニア側は4人が死亡し、民間人に犠牲が出たとの報道もある。重火器による砲撃や無人機による攻撃もあったという。アルメニア国内でアゼルバイジャンのダムなどの重要施設を攻撃する可能性が報じられたのに対し、アゼルバイジャン国防当局者は「アルメニアの原発を最新ミサイルで正確に攻撃できる」と警告した。両国でも新型コロナウイルスの感染拡大が続いており、今回の衝突は国内問題から国民の目をそらすためとの見方もある。
  ナゴルノカラバフ自治州ではソ連時代の1988年、多数派を占めるアルメニア人がアルメニア共和国(当時)への編入を求め、アゼルバイジャン共和国(同)との武力闘争を開始。アルメニア側も軍事介入し、約2万人の死者が出た。ソ連崩壊後の94年に停戦合意が結ばれたが、その後も衝突が頻発し、2016年には同自治州で100人以上が死亡している。
  双方と関係の深いロシアのラブロフ外相は13日、両国の外相と電話協議し、即時停戦を求めた。国連のグテレス事務総長も懸念を表明するなど国際社会から自制を求める声が高まっている。一方、アゼルバイジャンと関係が深いトルコは隣国アルメニアを批判する姿勢を表明している。【前谷宏】


2020.7.09-産経新聞 THE SANKEI NEWS WEB-https://www.sankei.com/world/news/200709/wor2007090017-n1.html
豪州・カナダが香港市民ら防衛へ 「ファイブアイズ」で英と連携
(1)
  中国による「香港国家安全維持法」(国安法)施行を受け、オーストラリアとカナダが国内での滞在権拡充や犯罪人引き渡し条約停止など、香港市民らの防衛に動き出した両国は英語圏5カ国で構成する機密情報の共有枠組みファイブアイズ」のメンバーで、香港の旧宗主国である英国との連携を深めているようだ。(シンガポール 森浩、ニューヨーク 上塚真由、ロンドン 板東和正)

   モリソン豪首相は9日、「新たな生活を始めたい香港市民もいるだろう」と述べ、基本的人権を制限する国安法への懸念から、国内に滞在する香港市民の滞在期間を永住許可も視野に延長できるようにすると発表した。容疑者が中国本土で裁かれるのを防ぐため香港との犯罪人引き渡し条約も停止した。
  カナダのトルドー首相も3日、香港との犯罪人引き渡し条約を停止し、香港への高度な軍備品輸出を禁止すると発表香港市民受け入れを念頭に移民分野でも追加措置を取る考えを示した。香港在住のカナダ出身者は30万人に上るといい、トルドー氏は「カナダと香港の多くのつながりを引き続き支えていく」と強調。ファイブアイズを含む同盟国と緊密に連携していく意向を強調した。
  英紙フィナンシャル・タイムズによると、英国は香港市民の保護に向けた負担共有」をファイブアイズの他のメンバーである米豪加とニュージーランドに要請。豪加はこれを受けて動いたとみられ、ニュージーランドも9日、香港との関係見直し検討を表明した
  ファイブアイズは近年、中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)への協調対応を進めるほか、5月下旬にはニュージーランドを除く4カ国国安法導入決定懸念を示す共同声明を迅速に発表。英国は1月に欧州連合(EU)を離脱したこともあり、中国対応のため「ファイブアイズとの関係を深めようとしている」(英人権団体「香港ウオッチ」のパターソン所長)との見方もある。
(2)
  豪州とカナダは最近、中国と対立を深め、国内の対中感情悪化も強硬姿勢への後押しとなっている。豪州は新型コロナウイルス発生の経緯について第三者による調査を求め、中国の報復措置を受けている。カナダはファーウェイ幹部の逮捕で中国との関係が悪化。かつて「親中派」とみなされたトルドー氏も、人権重視の立場からこれまでに対中政策の見直しを迫られた。
  ただ、大量の香港市民らの受け入れは大きな負担ともなりかねず、トルドー氏は対応の詳細を明らかにはしていない豪州は1989年の天安門事件で中国人留学生らの亡命を多く受け入れたが、中国との経済関係への影響も考慮すれば、「(受け入れは)当時よりリスクが高い」(ABC放送)とも指摘されている。


2020.6.26-高知新聞-https://www.kochinews.co.jp/sp/article/377398
南シナ海「無責任な行動」を批判 ベトナム、中国を念頭に

  【ハノイ共同】ASEAN首脳会議が26日、オンライン形式で開かれた。議長国ベトナムは、新型コロナウイルス対策に各国が苦心する中でも南シナ海進出の動きを止めない中国を念頭無責任な行動が地域の安定に影響を与えている」と指摘。中国と比較的関係が良好なフィリピンやインドネシアも懸念を表明した。

  中国は感染が世界的に拡大してからも南シナ海で強引な行動が目立ち、4月には中国公船がベトナム漁船を沈没させた。ベトナムのグエン・スアン・フック首相は開会式で、中国の名指しは避けながら「世界が感染拡大と闘っている一方で、国際法違反が起きている」と批判した。


2020.6.22-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/200622/mcb2006222056014-n1.htm
秘密の核開発、武器禁輸…イランと欧米の対立が再燃

  【カイロ=佐藤貴生】イランが秘密の核開発活動を過去に行っていた疑いが浮上し、イランと欧米の対立が再燃している。2015年のイラン核合意の当事国である英仏独は国際原子力機関(IAEA)への全面協力と査察受け入れをイランに求める決議案を提出、19日のIAEA理事会(35カ国)で採択された。米国は、イランへの武器禁輸を定めた国連安全保障理事会の制裁決議が10月に期限切れとなるため、禁輸継続を目指して根回しを始めた。
  採択された決議は、イランが未申告の核開発を行っていた疑いがあるとして、同国が数カ月間、拒否している2施設への査察官立ち入りを認めるよう要求。イランに「深刻な懸念」を表明した
  イラン側は19日、IAEAには「最高度の協力」をしていると主張。同国のザリフ外相は「英仏独はトランプ(米大統領)とネタニヤフ(イスラエル首相)の付属品だ」と批判した。中露は決議案に反対した。
  イランは核合意の履行義務を段階的に放棄し、1月には無制限にウラン濃縮を進めると表明。合意の維持を目指す英仏独をいらだたせてきた。イランの低濃縮ウランの貯蔵量は5月には1571・6キロに達し、合意の規定上限である202・8キロ(六フッ化ウラン換算で300キロ)を大幅に超えている。高濃縮のウランは核兵器に転用できる。
  イラン核合意は、イランの核開発を制限する見返りに国連制裁を停止したが、武器禁輸は5年後の今年10月まで続けるとした
  このため、トランプ米政権は15日、対イラン武器禁輸の継続を含む新たな決議案を安保理理事国に配布。イランを出入りする貨物を監視する委員会を設置し、違反が疑われる場合は貨物の臨検や押収、資産凍結なども可能とする内容だ。


2020.6.19-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200619/k10012477201000.html
オーストラリア 政府機関にサイバー攻撃 中国関与の報道も

  オーストラリアのモリソン首相は、複数の政府機関などが数か月にわたってサイバー攻撃を受けていることを明らかにしました。オーストラリアは新型コロナウイルスの発生源などに関する調査を巡って中国と関係が悪化していて、地元メディアは政府機関の高官の話として、攻撃には中国が関与しているとみられると伝えています。
  モリソン首相は19日の記者会見で、「あらゆるレベルの、政府や産業などを含むオーストラリアの幅広い組織が、サイバー攻撃を行う者の標的にされている」と述べ、数か月にわたって繰り返しサーバー攻撃を受けていることを明らかにしました
  攻撃の頻度は増えているものの、これまでのところ大規模な個人情報の流出は確認されていないということです。
  誰が攻撃を行っているのかについてモリソン首相は、「規模や性質などから、国家に基づく洗練された者だ」と述べ、攻撃には外国の関与があるという認識を示しましたが、具体的な国名はあげませんでした。
  オーストラリアはことし4月に新型コロナウイルスの発生源や感染が拡大した背景などを調べるため、独立した調査が必要だという考えを示して以降、中国との関係が悪化していて、地元の公共放送ABCは政府機関の高官の話として攻撃には中国が関与しているとみられると伝えています
中国 報道官「いかなるサイバー攻撃にも反対」
  オーストラリア政府が複数の政府機関などがサイバー攻撃を受けていると明らかにし、攻撃には中国が関与しているという指摘が出ていることについて、中国外務省の趙立堅報道官は19日の記者会見で「中国はインターネットの安全を断固守っており、サイバー攻撃の最大の被害国の1つでもある。われわれは一貫して、いかなる形式のサイバー攻撃にも反対しており、法に基づいて取り締まっている」と述べ、関与を否定しました。


2020.6.16-産経新聞 THE SANKEI NEWS WEB-https://special.sankei.com/a/international/article/2020061

  【シンガポール=森浩】新型コロナウイルスの流行が続く中でも、南シナ海の覇権を握ろうと挑発的な行動を繰り広げている中国に対し、同海域の一部で領有や海洋権益を主張しているフィリピンやインドネシアなど東南アジア各国が反発を強めている。自国が主張する排他的経済水域(EEZ)内での中国公船の活動が相次いでいることに警戒感を強め、インフラ整備や国連へのアピールといった対抗措置を取り始めた。
   中国は4月以降、南シナ海に海洋調査船を出し、ベトナムやマレーシアが主張するEEZ内で相次ぎ調査活動を実施した。4月18日に中国はスプラトリー(中国名・南沙)諸島とパラセル(同・西沙)諸島を管轄する行政区の新設を発表して、対立を深めている。
   フィリピンはスプラトリー諸島で実効支配しているパグアサ(英語名・ティトウ)島に今月9日、船着き場を設置した。記念式典に出席したロレンザーナ国防相は「軍事化が目的ではない」と説明したが、物資の運搬が可能となり、将来的に軍用機の離着陸が可能な滑走路の整備も視野に入れているとの見方もある。


2020.6.6-Yahoo!!Japanニュース(JIJI CM)(AFPBB))-https://news.yahoo.co.jp/articles/d8a6396ef69e51757bbc1a78c1b536ba23d7b3d1
印豪首脳、防衛協力強化で一致 中国をけん制

  【AFP=時事】インドとオーストラリアは4日、後方支援や海洋協力などを含む協定を締結し、防衛協力を強化することで一致した。両国は共に中国と緊張関係にある。
インドのナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相とオーストラリアのスコット・モリソン(Scott Morrison)首相の会談は、新型コロナウイルスの流行の影響で国際的な移動が制限されていることから、ビデオ会議形式で実施された。両首脳は、戦略的パートナーシップを格上げし、相互後方支援協定を締結した。  モディ氏は、「インドはオーストラリアとの包括的な関係を一層強化する」とし「これはわれわれ2か国だけではなくインド太平洋地域にとっても必要なことであり、世界にとっても同様だ」と述べた。  一方、モリソン氏は「このような時には、ぜひとも友好国や信頼できるパートナーと組みたい」と強調した。  両国は共同声明で、外務・防衛閣僚協議を少なくとも2年ごとに開催すると述べている。  アナリストらは域内における中国の台頭と米中関係の緊張の高まりを踏まえ、両国はリスクを緩和するために協力強化に至ったと指摘している。  豪アデレード大学(University of Adelaide)のプルネンドラ・ジェイン(Purnendra Jain)非常勤教授(アジア研究)はAFPに対し、「両首脳が中国という言葉を口にしたとは思わないが、念頭にあったことは確かだ」と述べた。  さらに、「両首脳は、現代が激動の時代であり、このような激動の時代を乗り切るには協力して事に当たる必要があると理解している。これは、コロナウイルスや自由貿易についてだが、中国への対応についても非常によく当てはまる」と説明した。
  【翻訳編集】 AFPBB News


2020.5.23-日本経済新聞-https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59496990T20C20A5I00000/
アルゼンチン債務危機、コロナで拍車 新興国で連鎖も

  【ニューヨーク=宮本岳則、サンパウロ=外山尚之】アルゼンチン政府は22日、同日が支払期限だった5億ドル(約540億円)の国債の利払いを見送り、形式上は同国の9度目のデフォルト(債務不履行)が確定した。民間債権者の欧米投資家とは債務再編協議の継続で合意したが、政府側は強硬姿勢を崩さず、投資家側は不信感を募らせる。新型コロナウイルスによる景気の落ち込みが混乱に拍車をかけており、市場では新興国債務への不安が高まりそうだ。
投資家側に募る不信感
  「言葉よりも行動で示してほしい」。米大手運用会社ブラックロックや同ティー・ロウ・プライスなどで構成する米欧債権者団は22日の声明で、アルゼンチン政府の姿勢をこう批判した。政府は4月22日に一部債券の利払いを実施せず、30日間の猶予期間を利用して、債務再編案をまとめようとした。表向きは協調をうたいながらも、一方的に譲歩を迫る政府の姿勢に、投資家側はいらだちを募らせている。
  22日に支払猶予期間が終わったことで、2014年以来、9度目となるアルゼンチン政府のデフォルトが決まった外貨準備高は約430億ドルあり、当面の利払い能力に問題はないため、形式的な「テクニカルデフォルト」とみる向きもある
  ただし、今回の債務不履行が14年と異なるのは、アルゼンチン政府自らの判断で、利払いを止めたことだ。14年のデフォルトはヘッジファンドとの係争で米国の裁判所に支払停止を命じられた結果であり、政府側には利払いを予定通り実施する意志はあった。今回は「中長期にわたって債務返済を続けられなくなった」と宣言し、大幅な減免を求めている。
  6月2日までの協議延長で合意したものの、先行きは予断を許さない。債務再編の対象になるのは主に05年に発行された国債や16年以降にドル建てで発行された国債で、合計で660億ドルにのぼる。
  政府が提示した再編案は、利払い総額を6割減らした上で、3年間は支払いを「ゼロ」にする内容だ。投資家側は「正当化できない不均衡な損失を押しつけられる」として反発する。ブラックロックなどが出した対案は支払猶予を1年しか認めていない。
アルゼンチン政府は強気の交渉姿勢
  米欧投資家は左派フェルナンデス政権への不信感が強く、支払い猶予期間で折り合えない一因になっている。同政権は財政拡張的な政策を掲げている。3年間の「利払いなし」で財政規律が失われ、再びデフォルト危機に陥ることを懸念する。
  一方、政権側は着実な財政再建には長めの猶予期間が必要との立場で、両者の主張の隔たりは大きい。国債は1年前に比べて5割超低い価格で取引されており、交渉の決裂と妥結の可能性を「両にらみした水準」(米証券アマースト・ピアポント)という。
  もっとも投資家側のほうが劣勢にみえる。国際通貨基金(IMF)が2月に発表した声明で、アルゼンチンの対外債務1千億ドルは返済不可能」と判断し、投資家側に債務減免を求めた。アルゼンチンのグスマン経済相に近いノーベル賞経済学者ジョセフ・スティグリッツ氏も「大幅な債務減免が必要」などと発言した。こうした「援護射撃」がアルゼンチン政府側を強気にさせているとの見方もある。
  実際、アルゼンチン経済の状況は刻々と悪化している。通貨下落と高インフレで19年まで2年連続のマイナス成長で、20年は新型コロナが追い打ちをかける。製造業や商業は壊滅的な状況でIMFは20年成長率をマイナス5.7%と予測する。シェールガス開発で「双子の赤字」解消を目指していたが、原油価格の下落で目算が狂った。もはや大幅な債務減免以外に経済再建の道がない。アルゼンチン側が交渉決裂も辞さない瀬戸際戦略をとるゆえんだ。
新興国「デフォルト予備軍」に警戒感
  アルゼンチン債務再編交渉を巡る混乱は、新興国投資のリスクを市場に再認識させた。ここ数年は世界的な低金利を追い風に、新興国は積極的に米ドルによる資金調達を行った。
  ところが新型コロナは世界の経済活動に悪影響を及ぼし、新興国からは資金流出が目立った。足元では感染拡大の中心が新興国に移り、各国とも財政出動や金融緩和を迫られている。財政赤字体質で債務残高の大きい国は急速に財務が悪化しかねない。
  IMFには100カ国以上がコロナ対応で緊急融資を求めている。支援要請に満額で応えられない場合、その「しわ寄せ」は民間債権者である投資家側にくる。20年に入ってデフォルト状態に陥ったのは中東レバノン、南米エクアドルとアルゼンチンの3カ国だ。いずれも国際金融市場への直接的な影響は小さいが、「デフォルト連鎖」が投資家の間で意識されれば、新興国の資金流出を招く恐れがある
  市場は「デフォルト予備軍に警戒を強めている。その一つが中東の産油国バーレーンだ。債務不履行(デフォルト)の確率を取引する金融派生商品、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場では、同国のCDS保証料率が4.8%まで上昇した。トムソン・ロイターによると保証料率から計算したデフォルト確率は3割に達する。格付け大手フィッチ・レーティングスは今年、国債のデフォルトが最多になると予想している。


2020.4.25-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/200425/mcb2004250838001-n1.htm
「優等生」のはずのシンガポールで感染者急増 劣悪な住環境で拡大

  シンガポール=森浩】新型コロナウイルス押さえ込みの「優等生」とされたシンガポールで、外国人労働者を中心に感染者が急増している。人口は約560万人だが、24日までの感染者は1万1178人で東南アジア最多。日本ともあまり変わらない。インドやバングラデシュからの労働者が住む寮での感染が8割以上を占め、密集した住環境が影響しているもようだ。経済成長を支えてきた外国人労働者の感染拡大に政府も苦慮している。
  2003年から出稼ぎに来ているバングラデシュ出身のコカンさん(41)は、通信アプリでの取材に、自身が生活を送っていたシンガポール北部の寮についてこう振り返った。コカンさんも新型コロナに感染し、4月中旬から病院で治療を受けている。
  生活していたシンガポール北部の寮は12人が一部屋で生活しており、窓は小さく、天井には2つの扇風機がついているだけで、空気の通りも悪かったという。「洗面台、シャワー、トイレがある場所は1つ。100人以上が共有していた。きちんと掃除されていたとは言い難い」とコカンさんは話した。
  シンガポールは1980年代から外国人労働者を積極的に受け入れており、労働者全体の4割弱を外国人(永住権の非保持者)が占める。建設業や製造業などでは、「ワーク・パーミット(WP)所持者」と呼ばれる単純労働専門の外国人労働者なしでは成立しえない事業者も多い。今回、感染が拡大しているのはWP所持者が中心だ。
   シンガポールは水際対策の強化や他者との距離を保つことの徹底などで感染を押さえ込もうとしてきたが、「三密」(密集、密室、密接)がそろっている寮が盲点となった格好だ。リー・シェンロン首相は21日のテレビ演説で、外国人労働者が感染した場合、「シンガポール人と同様に治療する」とし、国としてケアしていくことを強調。合わせて、5月4日までの予定だった学校や大部分の職場の閉鎖を6月1日まで延長すると発表した。
   外国人労働者の居住施設での感染拡大は、中東カタールなど他国でも懸念が高まっており、人権団体が環境の改善を呼びかけている


2020.4.21-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200421/k10012397821000.html
カナダ東部銃撃事件 少なくとも19人死亡 放火も明らかに

  カナダ東部で男が銃を発砲して10人が殺害された事件で、警察は20日、死者は少なくとも19人に上るとともに男が複数の住宅などに放火していたことを明らかにしました。
  カナダ東部のノバスコシア州で、18日夜から19日にかけて、警察官の服装の男がパトカーに似せた車で移動しながら複数の場所で銃を発砲しました。
  この男は、地元の歯科技工士ガブリエル・ウォートマン容疑者(51)で、警察との銃撃戦で射殺されました。
  警察は当初、この事件で10人が殺害されたとしていましたが、20日の記者会見で、死者は男も含めて少なくとも19人に上ることを明らかにしました。
  そのうえで、「少なくとも5か所で住宅などの建造物に火が放たれており、事件の現場を完全に検証できていない」と述べ、男が複数の住宅などに放火していたことを明らかにするとともに、死者がさらに増える可能性も示唆しました。
  ただ、動機については、「無差別に狙ったようだ」と述べるにとどまり、警察は引き続き動機の解明を進めています。


2020.4.17-産経新聞 THE SANKEI NEWS WEB-https://www.sankei.com/world/news/200417/wor2004170042-n1.html
「停止状態」に陥った中国経済 世界経済悪化が回復シナリオにも影響

【北京=三塚聖平】中国の2020年1~3月期の国内総生産(GDP)は6・8%減と、四半期ベースで初のマイナス成長となった。湖北省武漢市から広がった新型コロナウイルスの影響で、1月下旬から2月にかけて「停止状態」に陥ったためだ。中国政府は企業活動の再開を急ぐが、各国の感染拡大による世界経済の悪化懸念が浮上。中国の景気回復シナリオに早くも狂いが生じている。
   「春節(旧正月)休暇後に営業を再開します」
   北京市内では、今もシャッターを閉ざした店が少なくない。大企業を中心に操業再開が進む一方で、飲食や観光など小規模企業では苦境が続いている。
   1月25日の春節直前の20日に、習近平国家主席が新型コロナの感染阻止を指示。中国経済はマヒ状態に陥った。3月に入ってからは「国内での感染流行のピークは過ぎた」として企業再開に重点を移している。
   だが、中国経済は足元で2つのリスクに直面する。
第1は、海外からの感染者の流入や、無症状感染者による「感染第2波」の懸念だ。一部で厳しい防疫措置が残り、経済活動のアクセルを強く踏み込めずにいる。
第2は世界経済の悪化だ。輸出企業が多い広東省では既に「感染拡大で景気が悪化した海外から発注のキャンセルが出ている」(日系企業関係者)。

   経済悪化は習政権の信任にも関わるため警戒感が増している。13年ぶりに特別国債を発行する方針を決め、近く包括的な景気刺激策が表明されると予想される。ただ、国家予算を承認する全国人民代表大会(全人代)の日程は未定で、今年の成長目標が示されない可能性も取り沙汰される。
   08年のリーマン・ショック直後に4兆元(当時のレートで約57兆円)の大型景気対策を打ち出した中国は、過剰債務問題などの副作用に今も苦しむ。日本総合研究所の関辰一・主任研究員は「中国政府は銀行融資や公共投資の急拡大に対して慎重姿勢を示している。リーマン・ショック時のように世界経済の回復に大きく貢献することは期待薄だ」と指摘する。


2020.4.17-産経新聞 THE SANKEI NEWS WEB-https://special.sankei.com/a/international/article/20200417/0001.html
非常事態は「無期限」 強権強める東欧2カ国

【ロンドン=板東和正】東欧のハンガリーやポーランドが新型コロナウイルスへの対応に乗じる形で強権的な統治手法を一段と強めている。ハンガリーでは首相の権限を無期限で大幅に拡大。ポーランドは感染拡大が続く中、反対意見を押し切って5月10日の大統領選を敢行する構えだ。法の支配や表現の自由をめぐって欧州連合(EU)と対立してきた両国への懸念は一層深まりそうだ。

 ハンガリーの議会は3月30日、新型コロナの感染拡大を抑制するために宣言された非常事態を、オルバン首相が無期限で延長できる法案を可決した。非常事態下では学校の封鎖や市民の移動制限などの措置をとることができ、継続には15日ごとの議会承認が必要だった。だが、今後は議会のチェックは働かなくなる。


2020.4.16-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200415/k10012389201000.html
トランプ大統領”WHOへの資金拠出 停止” 米中対立深まる

  アメリカのトランプ大統領は、新型コロナウイルスへの対応をめぐり、中国寄りだと批判してきたWHO=世界保健機関に対する資金の拠出を一時的に停止する考えを明らかにしました。これに対して、中国政府は、WHOを擁護する立場を強調し、感染症への対策で国際協力が求められる中、米中の対立が一層深まっています。
  トランプ大統領は14日の記者会見で、WHOの新型コロナウイルスへの対応を検証し、その間、WHOに対する資金の拠出を一時的に停止する考えを明らかにしました。
  その理由として、去年12月の時点で、中国の武漢からの情報でヒトからヒトへの感染を疑うべき情報があったのに、WHOは調査しなかったなどとして、「基本的な義務を怠り、その責任を負わなければならない。WHOの過ちによって多くの人たちが死亡した」と述べ、強く批判しました。
  一方、中国外務省の趙立堅報道官は15日の記者会見で、アメリカの対応を批判したうえで、「中国は、これまでどおりWHOを支持し、世界的なウイルス対策で重要な役割を担っていく」と述べ、WHOを擁護する立場を強調しました。
  WHOをめぐっては、台湾も去年12月の段階で、中国でヒトからヒトへの感染が疑われる事案が起きているとWHOに警告していたとしていて、台湾外交部の幹部は15日の記者会見で、「WHOは、専門的かつ中立な立場を堅持すべきだ」と批判しています。
  WHOは、これまでのところ、アメリカに対する反応を示していませんが、国連のグテーレス事務総長は「今はWHOへの資金を減らすときではない」とする声明を発表し、トランプ大統領に協力を呼びかけました。
  世界全体では12万人を超える人が亡くなり、感染の拡大が続いていますが、国際協力が求められる中、WHOをめぐって米中の対立が一層深まっています。
WHO予算 分担金と任意の拠出金
  WHOの予算は、各国が経済規模などに応じて義務づけられる「分担金」と、独自に資金を提供する「任意の拠出金」に分けられます。
  厚生労働省によりますと、このうち分担金の割合は2020年からの3年間でアメリカが最も多く22%、次いで中国がおよそ12%、3位が日本でおよそ8.5%となっています。
  しかし、分担金がWHOの予算全体に占める割合はそれほど多くなく、WHOの報告書によりますと、2018年の分担金の合計はおよそ5億ドルだったのに対し、加盟国や民間団体による任意の拠出金の合計は、22億4300万ドルとなっています。
  そして、任意の拠出金については、2018年にアメリカが2億8100万ドルと最も多く、全加盟国の拠出額のうち2割余りを占めています。
  日本は8650万ドルを拠出したほか、中国は630万ドル
にとどまっています。
  WHOの主な活動の1つは、世界中の専門家を集めて医療に関わる規範を作成することとされ、2018年の支出に占める人件費の割合は40%余りに上ります。
  また、支出目的が制限されない分担金とは違い、任意の拠出金の場合、多くが特定の分野に対して拠出され、専門家の人件費などにあてられます。
  このためWHOに詳しい関係者は、NHKの取材に対し、最大の拠出国であるアメリカが実際にWHOへの資金の拠出を停止すれば、予算の作成や活動に与える影響は少なくないだろうと指摘しています。
中国外務省報道官「米は職責と義務を果たせ」
  アメリカのトランプ大統領が、WHO=世界保健機関への資金の拠出を停止する考えを明らかにしたことについて、中国外務省の趙立堅報道官は15日の記者会見で、「世界的に新型コロナウイルスの感染が厳しさを増すなか、アメリカの今回の決定は、WHOの力を弱め、国際的なウイルス対策の協力を損なうもので、影響はアメリカを含む世界各国、とりわけ、対応能力がぜい弱な国家に及ぶ。アメリカには、みずからの職責と義務を着実に果たし、WHOが指導する国際的なウイルス対策を支持するよう促す」と述べ、アメリカの対応を批判しました。
  また、趙報道官は「新型コロナウイルスの感染が始まって以来、WHOはテドロス事務局長の指導のもと、積極的に職責を果たし、国際社会の理解と高い称賛を得てきた。中国は、これまでどおりWHOを支持し、世界的なウイルス対策で重要な役割を担っていく」と述べ、WHOの一連の対応を評価し、支持する考えを示しました。
台湾 去年12月にWHOに警告していた
  新型コロナウイルスについて、台湾は去年12月の段階で、中国でヒトからヒトへの感染が疑われる事案が起きているとWHOに警告していたとしています。
  台湾で感染症予防対策を担う疾病管制署は去年12月、中国のSNS上の情報やメディアの報道などから、湖北省武漢で通常とは異なる肺炎の患者が出ていることを把握し、12月31日にWHOの窓口にメールで伝えたということです。
  メールには「中国の武漢で非定型の肺炎が少なくとも7例出ていると報道されている。現地の当局は、SARSとはみられないとしているが、患者は隔離治療を受けている」などと書かれていました。
  台湾側はこのメールで、WHO側に対して関連の情報提供を求めましたが、WHOは「担当者に伝える」と返信しただけで、その後、台湾に連絡はありませんでした。
  台湾からの連絡について、WHOは今月、「ヒトからヒトへの感染についてメールでは触れていなかった」として、警告はなかったとしています。
  これに対し、台湾の陳時中衛生福利部長は「隔離治療がどのような状況で必要となるかは、公共衛生の専門家や医師であれば誰でも分かる。これを警告と呼ばず、何を警告と呼ぶのか。専門家が素人のような話をしている」と述べ、WHOの主張に反論しました。
  台湾をめぐって、WHOのテドロス事務局長は今月8日の記者会見で、3か月前からインターネット上で人種差別的な中傷を受けていると明らかにし、「攻撃は台湾からきた。台湾の外交部は知っていたが、何もせず、むしろ私を批判し始めた」と主張しています。
  これに対し、台湾の蔡英文総統は9日、自身のフェイスブックで抗議し、「台湾は長年、国際組織から排除され、誰よりも差別と孤立の味を分かっている。テドロス事務局長にはぜひ台湾に来てもらい、差別を受けながらも国際社会に貢献しようと取り組む姿を見てほしい」と書き込みました。 
台湾外交部幹部 WHOの対応を批判
  こうした中、台湾の外交部の幹部は15日の記者会見で、WHO=世界保健機関の台湾に対する姿勢について、「WHOはこれまで中国による不当な政治的圧力に抵抗できず、台湾の参加を認めてこなかった。WHOは世界の公共衛生を発展させる国際組織として、専門的かつ中立な立場を堅持すべきだ」と述べて、WHOを批判しました。
台湾は独自対策 抑え込みに効果
  世界各地で新型コロナウイルスの感染が広がる中、ヒトからヒトへの感染を早くから疑っていた台湾は、独自の対策を講じ、感染の抑え込みに効果を挙げています。
  台湾の保健当局は去年12月、湖北省武漢で、原因不明の肺炎にかかった患者が隔離治療を受けているという中国のSNS上の情報やメディアの報道などから、ヒトからヒトへの感染が疑われる事案が起きているとWHOに通知して情報の提供を求めました。
  また、中国の保健当局にも状況を問い合わせましたが、WHOと中国のいずれからも詳しい情報の提供はありませんでした。
  このため去年12月31日以降、武漢から台湾に到着した航空便に検疫官が乗り込み、何らかの症状があれば申し出るよう求める措置を始めました。
  台湾でことし1月、初めて新型コロナウイルスの感染が確認された女性は、到着便で検疫官に体調不良を申告し、感染が明らかになりました。
  台湾の保健当局は、中国側の協力で1月中旬に
湖北省武漢に感染症の専門家2人を派遣して病院を視察したほか、保健当局の関係者と意見交換した結果、ヒトからヒトへの感染が起きていると判断して対策本部の規模を拡大し、1月26日以降は、中国から入ってくる人への制限を徐々に厳しくしていき、ウイルスの流入を防いできました。
  14日は、新たに感染が確認された人がおよそ1か月ぶりに1人もいない状況になるなど、早くから行ってきた対策が感染の抑え込みに効果を挙げています。
中国 台湾を認めない立場
  中国政府は、台湾は中国の一部だという立場からWHOをはじめ、国際機関への台湾の参加を認めていません
  例外的に、中国との関係を重視する国民党の馬英九政権の時には、WHOとICAO=国際民間航空機関にオブザーバーなどとしての参加を認めていました。このうち、WHOへのオブザーバー参加は2009年から2016年まで認めていましたが、中国が独立志向が強いとみなす民進党の蔡英文総統になってからは、2017年以降、認めなくなっています。
  2003年にSARSが流行した際には、感染症対策は世界共通の問題のため、台湾のWHOへのオブザーバー参加を認めるべきだなどという意見が日本を含め世界各国に広がりました。
  台湾で当時、SARSの対応にあたった陳建仁副総統は、メディアの取材に対し、「ウイルス検査を行うため、WHOからSARSのウイルスのサンプルの提供などをしてもらいたかったが、相手にしてもらえなかった。その後、ある病院で院内感染が起き、WHOの担当者が派遣されたが、すでに多くの人が亡くなっていた」と述べ、WHOに加盟していないことで情報が得られず、SARSの封じ込めに苦しんだと訴えています。
SARS当時の中国とWHO
  2003年にSARSが流行した際、中国政府は、すでに広東省で原因不明の肺炎が広がっているという情報が一部で出回っていたにもかかわらず、WHOからの情報提供や現地調査の要請に対応せず、4月までの数か月間、感染状況を隠し続け、これが世界的な流行につながったと批判されました。
  当時、WHOの北京事務所は、独自に何度も記者会見を開くなど中国政府と一線を引いた対応に徹していましたが、今回の新型コロナウイルスではメディアへの対応をほとんど行っていません。
最近のWHOの中国接近
  最近、中国政府は国際機関の責任者に、中国政府の高官や中国の立場に理解を示す人物が就任するよう働きかけを強めていて、WHOのマーガレット・チャン前事務局長や、今のテドロス事務局長が選出された背景にも中国政府の働きかけがあったと指摘されています。
  また、習近平国家主席は、2017年1月にスイス・ジュネーブのWHO本部を訪問しているほか、中国で新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化しつつあった、ことし1月28日には、テドロス事務局長を北京に招いて会談を行っています。
  北京での会談について、国営の中国中央テレビは、テドロス事務局長が「新型コロナウイルスへの中国政府の効果的な対策は尊敬に値し、情報公開は透明性がある。中国の国民だけでなく、世界の国民をも守っており、WHOはこれに心から感謝する」などと称賛したと伝え、中国政府への国民の不満を抑えるためにWHOを利用するねらいもあったとみられています。
専門家 「中国の一貫した戦術のあらわれ」
元外交官で、キヤノングローバル戦略研究所の宮家邦彦研究主幹は、トランプ大統領がWHOを「中国寄りだ」と批判し、資金の拠出を停止するとした背景について、中国が国際社会での影響力拡大を目指す中、「国際機関のトップを取るという中国の一貫した戦術のあらわれがある」と指摘しました。
  また、新型コロナウイルスに対するWHOのこれまでの対応について、「WHOの事務局長が若干、中国に対して配慮が多いなということは多くの方が感じていると思う。節目節目での発言を見ていると、必ずしも公平でなかった部分があるかもしれず、その点が批判されている」と指摘しました。
  ただ、トランプ大統領による表明については、「大統領選挙を意識したパフォーマンスだ」として、アメリカ国内の感染拡大に歯止めがかからない中、批判を避けるねらいがあるとする一方、WHOについても、「感染拡大が収束したあとは、WHOとしてもどのような情報をどう判断して発表したかなど、しっかりと検証し直す必要がある」と述べました。
  また、今後の日本の対応については、「WHOは、中立な立場から情報提供や情報集約を行い、各国に連絡するという非常に重要な役割があるので、日本は引き続き支援しなければならないし、そこから利益も得なければならない」と述べ、WHOを通じた国際的な協力は継続すべきだと強調しました。
イラン外相は強く非難
  トランプ大統領がWHOへの資金の拠出を停止する考えを明らかにしたことについて、アメリカから経済制裁を受けているイランのザリーフ外相は、ツイッターに「世界はいま、これまでイランが経験してきたことを学んでいる。アメリカ政権によるいじめや脅しは、単に中毒になってやっているだけではなく、人の命を奪うものだ」と投稿し、強く非難しました。
  そのうえで、「イランに対する『最大限の圧力』と同様、パンデミックのさなかでのWHOに対する資金拠出停止は汚名を残すことになるだろう」として、イランに対する経済制裁とともにアメリカの今回の決定を批判しました。


2020.4.16-日刊IWJガイド-https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/39971
「対策を行わなければ新型コロナウィルスによる『死者は約42万人』!?

厚労相専門家チームが推計を発表! しかし政府・自民党は知らぬ存ぜぬ!!」2020.4.16日号 ~No.2772号

━【目次】━━━━━━━━━━━━━
┠■はじめに~対策を行わなければ新型コロナウィルスによる「重篤患者は約85万人、死者は約42万人」!? 厚労相専門家チームが推計を発表! しかし政府・自民党は知らぬ存ぜぬ!!
┠■【中継番組表】
┠■「『緊急事態宣言』で感染者は減らない!自粛・補償・感染モニタリングが継続可能な医療・社会体制を構築・維持せよ!」本日午後6時半より、新型コロナウイルス問題に医師・弁護士・元知事の視点から鋭い発言を続けている前新潟県知事・医学博士・弁護士米山隆一氏に岩上安身がインタビュー!
┠■小池百合子東京都知事8000億円を超える緊急対策を発表!医療・生活・経済への支援への効果的な支援が期待!
┠■世界で新型コロナウィルスの感染者が200万人超え!! 欧州でも100万人超え。日本でも新たな感染者数が発表され、俳優の石田純一さんが感染して入院というショッキングなニュースも!
┠■「人と人との接触が、8割削減できるわけない」発言した自民党・二階俊博幹事長と公明党・山口那津男代表とが「全国民10万円給付」提言! 政府対策への不満の「ガス抜き」!? お金をバラマキながら感染拡大阻止失敗という最悪のシナリオも!?
┠■世帯への30万円よりも個々人への10万円給付!政府はPCR検査増大に舵を切るべし!まずは人を救え、そして文化も。~4.15社会民主党 福島瑞穂党首定例記者会見(2020年2月22日に党首就任)
┠■コロナ禍の非常時に自民党幹部が「もたない会社はつぶすから」と本音を明らかに! IWJではチャンネル桜で同党幹部の発言を暴露した安藤裕衆院議員事務所に取材を決行!
┠■「世界のどの国も休業補償していない」と言うのは真っ赤なウソ!! 安倍総理・西村大臣「休業補償はやらない」と厚労省「休業補償はある」との間の矛盾は!?
┠■横浜市が保育園でのコロナ感染発生を「隠蔽」した信じがたい事態!! いったいなぜ、「三密」が避けられない園児や職員、保護者の生命を、コロナ感染の危険にさらすのか!? IWJは横浜市こども青少年局保育教育運営課に直撃取材!
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■はじめに~対策を行わなければ新型コロナウィルスによる「重篤患者は約85万人、死者は約42万人」!? 厚労相専門家チームが推計を発表! しかし政府・自民党は知らぬ存ぜぬ!!
   おはようございます。IWJ編集部です。
   4月3日付け日本経済新聞が取り上げた、厚労省専門家会議の北海道大学教授・西浦博教授のシミュレーションによれば、人と人との接触を8割削減できれば、10日から2週間後に1日約1000人の感染者を出すのをピークに、急激に減少させられるといいます。
   しかし、それよりも削減の度合いが不足すると、自粛や休業の効果は出ず、感染者は急カーブで増え続けて、オーバーシュートしてしまうというのです。
  ※「欧米に近い外出制限を」 北大教授、感染者試算で提言(日本経済新聞、2020年4月3日)


2020.4.8-Sankei Biz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/200408/mcb2004081517030-n1.htm
新型コロナで国連が途上国支援へ 脆弱国での感染拡大に危機感

【ニューヨーク=上塚真由】新型コロナウイルスの感染拡大をめぐって先進国が自国の対応に追われる中、国連は、医療態勢が脆弱(ぜいじゃく)な途上国に感染が拡大することへの危機感を強め、国際社会に支援を呼びかけている。
国連は3月25日に、途上国、紛争当事国、難民キャンプなどの感染対策を支援するため、20億ドル(約2100億円)規模の計画を発表し、加盟国に資金拠出を要請した。南米やアフリカ、中東などの国を対象に、支援物資の空輸や、検査のための医療機器の購入などを進める計画だ。
  ただ、6日時点で加盟国から集まった資金は約4億ドルにとどまっている。日本が最大の1億ドルを拠出したほか、クウェート、EU、ドイツなどが拠出表明しているが、他の先進国にも協力を呼びかけている。
  グテレス事務総長は、新型コロナ対策には、途上国支援が欠かせないと繰り返し訴えており、先月25日には、「途上国で数百万人が感染すれば、ウイルスが突然変異するリスクがあり、ワクチンが開発されても効かなくなる」と指摘。また、同31日には「国連の創設以来、最大の試練に直面している」と強調。「途上国が感染拡大に対応する力を持ち合わせなければ、ウイルスは山火事のように南半球に広がる恐れがあり、数百万人が死亡する」と述べ、アフリカ大陸で感染が拡大する事態に懸念を示した。


世界の美人(goole com)の画像検索


モンテネグロの美人(google com)の画像検索


モンテネグロの歴史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


モンテネグロの歴史中世初頭にはじまる。はじまりは、スラヴ人が現在モンテネグロと呼んでいるローマ帝国属州ダルマチアの一部に到来してから後のことである。
歴史
  現在のモンテネグロの地には、古くイリュリア人が住んでいた。6世紀後半ごろにバルカン半島にスラブ人が住むようになり、10世紀までにドゥクリャ公国という半独立の国を形成した。1077年ローマ教皇グレゴリウス7世はドゥクリャ公国を独立国として認識し、ステファン・ヴォイスラヴの建てたヴォイスラヴ王朝の貴族であるミハイロ王をドゥクリャ王として承認した。だが、ドゥクリャ王国は東ローマ帝国にも貢ぎ物を送った。後セルビア王国大公と呼ばれるステファン・ネマニャが現れ、ドゥクリャを支配した。
   ゼタ(Zeta)独立公国(近代初期のモンテネグロ国により近い国)は1360年に独立主権を行使した。その後、バルシチ王朝(1360年-1421年)そしてツルノイェヴィチ王朝(1421年-1499年)がゼタ公国を統治した。15世紀からオスマン帝国が南および東から侵攻したが、ゼタ全域を征服することはできなかった。
  1516年ジュラージュ・ツルノイェヴィチ英語版公が、モンテネグロをツェティニェ主教公による神政政治国家にしようとした大主教に賛同し退位した。主教公の職は1697年からペトロヴィチ=ニェゴシュ家が保持した。主教公は妻帯できないので、主教公の位はおじから甥へと継承された。こうして、オスマン帝国から独立した国家として、モンテネグロ主教領ツルナ・ゴーラ府主教領1696年 - 1852年)が成立した。ペータル2世は恐らく最も影響力を持つ主教公であろう。彼は19世紀前半までそこを支配した。1851年に主教公となったダニーロ1世1852年に結婚してモンテネグロ公(クニャージ)と自称し、領地を世俗的な公国へと変えた(モンテネグロ公国)。しかし、これにより宗主国のオスマン帝国との間に不和が生じ、1852年末には軍事衝突を起こした。この事件は後にウィーン体制構成国の利権と複雑に絡み合いクリミア戦争へと発展することになった。
  1860年にダニーロ1世が暗殺されると、モンテネグロ人はニコラ1世を推戴した。1861年から 1862年までニコラはオスマン帝国と戦ったが戦果は挙がらなかった。しかし1876年、ニコラはセルビア・ロシア帝国とともに先祖以来の敵を破り、ベルリン会議によって1900平方マイルの領土を加え、アンティヴァリの港とモンテネグロの全ての海岸に全ての国の軍艦が集まった。しかし1876年にはオーストリア=ハンガリー帝国が制海権と沿岸の支配権を握った。
   ニコラ1世の治世(1860年1918年)には領土が倍増して国際的に独立が認められ(1878年)、最初の憲法も制定されて(1905年)、君主の格式も「公」から「王」に昇格した(モンテネグロ王国)。そして バルカン戦争 (1913年)においても領土を獲得した。モンテネグロは1万の兵を投じてオスマン帝国アルバニアのエーサド・パシャの軍と戦いシュコダルの町を解放した。しかし列強の干渉で、シュコダルは新たに独立したアルバニア公国の領土になった。
世界大戦
   モンテネグロ王国モンテネグロは第一次世界大戦でいくらかの被害を受けた。オーストリア=ハンガリー帝国によるセルビア侵攻のとき、モンテネグロは中央同盟軍に対して宣戦する時機を逸したが、5万の陸軍を一度に動かすことができた。オーストリアはモンテネグロとセルビアの合流を阻止するために別動部隊を派遣したが撃退され、堅固に要塞化されたロフテン山の頂から、モンテネグロ軍がカッテロ砲の砲撃を敵に対して行った。1914年8月10日、モンテネグロ歩兵軍はオーストリア駐屯軍に猛撃を加えたが優勢には回れなかった。オーストリア軍は再度セルビアに侵攻したが、彼らは防衛に成功してボスニアサラエヴォまで到達した。しかし、三度目の侵攻でモンテネグロ陸軍は兵力の差に屈し、オーストリア軍はセルビアをとうとう抜いた。モンテネグロも1916年1月の侵攻をうけ同盟軍に占領された。
  ニコラ王はイタリアフランスに飛んだ。フランス政府は作戦指揮本部をボルドーに移転していた。そして、セルビア軍はモンテネグロをオーストリアから解放した。新たに召集されたポドゴリツァの国民会議はセルビア軍に管理され、平和と敵との分離を求める王を非難した。そしてニコラ王は廃位され、帰国を禁じられた。セルビアは1918年11月29日にモンテネグロを併合、モンテネグロはセルビア、スロベニアクロアチアに取り込まれ、後にユーゴスラビア王国を形成することとなる1919年に併合反対派が武装蜂起(クリスマス蜂起)を起こしたが、セルビア軍により鎮圧された。
  戦間期にはユーゴスラビア王アレクサンダル1世がユーゴスラビア政府を壟断していた。だが、モンテネグロ王ニコラ1世の孫がモンテネグロの再独立のために国外で奔走した。
   第二次世界大戦中にユーゴスラビアは枢軸軍の攻撃を受け、解体された(ユーゴスラビア侵攻)。モンテネグロはイタリアの占領下に置かれ、傀儡国家モンテネグロ独立国it)が成立したが、イタリアの占領に抵抗するパルチザンが全土で蜂起した。1944年、ヨシップ・チトーパルチザンが勝利し、ユーゴスラビアから枢軸軍は撤退した。ユーゴスラビア共産党は解放のために戦ったモンテネグロ人の多数派の要求をいれ、モンテネグロ人国家はセルビアや他の海岸部と平等にあつかわれることになった。このことでモンテネグロに於ける社会主義政党の支持が上がった。モンテネグロはユーゴスラビアの6つの国の一つとして再編成されモンテネグロ人民共和国となった。モンテネグロは連邦からファンドを発展途上国として供与されたため経済が改善、旅行者の拠点となったが、連邦内では立ち遅れた箇所であり、なおかつ人口の少ない地域であったために1980年代には経済危機に陥っている。
ユーゴスラビア崩壊後
   1980年代からの冷戦構造の崩壊と1991年から1992年のユーゴスラビア共産党の崩壊と複数政党制の導入のため、同じく連邦を形成していたスロベニアとクロアチアは1991年に分離独立を宣言[1]、80年代終わりの短期間で反政府的な若い指導者がモンテネグロに現れた。
  ミロ・ジュカノヴィッチモミール・ブラトヴィッチそしてスベトザル・マロヴィッチの3人が実質的に共和国を運営した。彼らは全員、いわゆる「反官僚主義革命」の間に権力を一掃し、スロボダン・ミロシェヴィッチに近づいた若い党員によって、ユーゴスラビア共産党内の幾つかの党運営組織を結成した。3人はみな表面上は共産主義者に献身的であったが、変化の時代に古いものに固執する危険性を理解する融通性も持っていた。複数政党制に代わったとき、彼らはすばやく共産党モンテネグロ支部をモンテネグロ民主社会党(DPS)に改名した。
  旧共産党の地盤相続により、モンテネグロ民主社会党は対抗勢力とはかなりの差をつけ、議会選挙、大統領選挙に圧倒的な勝利を収めた。この政党はモンテネグロの政権を2006年現在も(連立政権であるが)担っており、政権は磐石である。
  1990年代初め、モンテネグロの指導者はミロシェヴィッチの戦争(ユーゴスラビア紛争)にかなりの助力をした。モンテネグロ予備軍はドゥブロヴニク前線で戦った。そこはミロ・ジュガノヴィッチ首相がよく訪問したところである。
  1992年の4月、住民投票の結果[# 1]、ブラトヴィッチ大統領とジュガノヴィッチ首相のモンテネグロと、ミロシェヴィッチ政権下のセルビアが、「ユーゴスラビア連邦共和国」(FRJ、通称・新ユーゴ)として合同することに合意したユーゴスラビア社会主義連邦共和国から新しく独立した国々を除く、連邦に留まったセルビアとモンテネグロによって新しい連邦は構成されることになった。しかし、まもなく、ボスニアクロアチアでの紛争で行った所行ゆえに、国際連合はFRJに対する経済制裁を課した。これは国内の生活の様々な局面に影響し、モンテネグロも先の紛争で評判が悪化していたセルビアとの距離を置き始めた。
   アドリア海に通じており、かつシュコダル湖アルバニアとの間の水運を有しているといった地理的位置の有利さゆえ、モンテネグロは密輸活動の結節点になった。モンテネグロの工業生産は全体的に停滞し、主要な経済活動は消費財の密輸になった。特に、ガソリンタバコが多く、どちらも価格はうなぎのぼりであった。政府は非合法活動に目をつぶるどころか、ほとんど自らも参加した。密輸によっていかがわしい人々の中から億万長者が出た。それには高級官僚も含まれていた。ミロ・ジュカノヴィッチは、手広く密輸に手を染め、イタリアのさまざまなマフィアの成員に、モンテネグロでの安全圏を提供したことに対して、多くのイタリアの裁判に直面し続けた。マフィアたちは既に密輸の分け前の連鎖に参加していたのである。
  1997年の大統領選挙ではこれらが議論の的となりミロ・ジュガノヴィッチが2回に渡る投票の末、僅差で勝利、モミル・ブラトヴィッチ政権は終焉した。以前の密接な同盟者は敵となり、1997年秋の数ヶ月間でモンテネグロには戦争のような雰囲気がかもしだされていた。そしてさらに1998年、新ユーゴスラビア連邦大統領ミロシェビッチはブラトヴィッチを連邦首相に任命したが、ブラトヴィッチはジュガノヴィッチに敵対的行動を取り、先の選挙では憲法違反が存在したと主張した[3]。しかしそれは、モンテネグロ社会人民党の分裂を招いた。ブラトヴィッチと彼の支持者たちは社会人民党を離脱してミロシェヴィッチに忠実でありつつけたが、一方のジュガノヴィッチはセルビアとは距離をとり始め、事実上連邦制は機能しなくなっていた[3]。この距離のため1999年春のコソボ紛争において、北大西洋条約機構がセルビアに激しい爆撃を加えた時、モンテネグロの被害は割に軽微だったものの、数万人のアルバニア避難民が押し寄せる事となった
  
。 ジュガノヴィッチはこの政策論争で明らかな勝利者となった。ブラトヴィッチは1997年以降もはや政府を掌握できず、2001年には政界から引退した。ゾラン・ジンジッチ率いる新セルビア政権のもと、ミロシェヴィッチはハーグ国際司法裁判所に送られた。
連邦再編から再独立へ
モンテネグロ共和国(2006年)
  2003年には、議論と外部の支援ののち、ユーゴスラビア連邦共和国はセルビア・モンテネグロに改名し、公式に緩やかな国家連合に再編された。この再編では、最低3年の統合期間を経れば独立が容認されることになっており、モンテネグロ人のいっそうの自立心を成長させるものであった。
  ジュカノヴィッチが大統領に就任したころから、分離独立の示唆が行われて来ていたが、急激な独立運動は行われず、モンテネグロ政府も連邦脱退には慎重の姿勢を取ってきた。しかし、2005年にセルビア外相が分離独立容認の発言をしたことなどから、実質的に分離独立における障害はなくなった。すでに通貨は独自にユーロを導入しており、失業率もセルビアの30パーセント以上に対してモンテネグロは20パーセント、インフレ率も抑えられており、経済的にも独立を阻止できる材料はセルビア側に無かった。
   2006年にはモンテネグロの独立を問う住民投票が計画された。独立推進派は「欧州連合(EU)早期加盟は独立が近道」と言うスローガンを掲げ、反対派は「独立しても早期加盟は不可能、市場の縮小で景気が悪化する」として阻止を図った。一方、独立運動によって地域が再び不安定化することを恐れたEUは、通常ならば過半数で独立達成のところを、55パーセント以上という条件を突きつけた。しかし、5月21日に実施された国民投票では、セルビア人のほとんどが反対票を投じたが、55.4パーセントという僅差ながらも独立賛成票が上回り、独立は承認された。
   6月3日夜、共和国議会によって独立宣言が採択され、ユーゴスラビアに併合された1918年以来、実に88年ぶりに独立を回復した。かつてバルカン半島に勢力を築いたユーゴスラビア連邦は、これで完全に解体された。
  独立に際し、モンテネグロと日本の戦争状態が日露戦争以降続いているかについて、日本の国会で採り上げられた。2006年2月、日本政府は1904年のモンテネグロによる宣戦布告に関する文書を見つけられないこと、ポーツマスでの講和会議にモンテネグロは参加していないことを回答していた。実際には日露戦争時にモンテネグロはロシア側に立ち、1905年日本に宣戦布告し、ロシア軍とともに戦うため義勇兵を満州に派遣していたが、日本とロシアの講和会議にモンテネグロが含まれていなかったため、書類上は戦争状態が続いていることになっていた。
  もっとも、モンテネグロが実際に宣戦布告していたか、宣戦布告が正規のものだったかどうかは、異説がある。しかしながら、独立直後の2006年6月、日本政府はモンテネグロに外務大臣と首相の特使を派遣し、モンテネグロの独立承認と戦争状態の終了を宣言する文書を届けた。これにより、101年に渡る両国の「戦争状態」が終わった。(参考:外交上の終結まで長期にわたった戦争の一覧)


モンテネグロ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


1 面積 13,812平方キロメートル(福島県とほぼ同じ)
2 人口 62万人(2017,世銀統計)
3 首都 ポドゴリツァ(人口約15万人,2011年国勢調査)
4 民族 モンテネグロ人(45%),セルビア人(29%),ボシュニャク(9%),アルバニア人(5%)等(2011年国勢調査)
5 言語 モンテネグロ語(公用語),セルビア語等
6 宗教 キリスト教(正教),イスラム教等

モンテネグロは、ヨーロッパ南東部、バルカン半島に位置する共和制国家首都ポドゴリツァ(旧憲法ではツェティニェユーゴスラビア紛争によるユーゴスラビア社会主義連邦共和国の解体によって成立したユーゴスラビア連邦共和国(1992年-2003年)およびセルビア・モンテネグロ(2003年-2006年)を構成する2つの共和国のうちのひとつ、モンテネグロ共和国であったが、2006年6月3日に独立を宣言した。
  南はアドリア海に臨み、北西をクロアチアドゥブロヴニクボスニア・ヘルツェゴビナ、北東をセルビアサンジャク地方、南東をアルバニア、東部をコソボと接する。
国名
  公用語のモンテネグロ語ではツルナ・ゴーラと呼ぶ。モンテネグロMontenegro [ˌmonteˈneɡro])とはヴェネト語による名称で、いずれも「黒い山」を意味する。かつて黒山国とも当てられ、中国語では黒山(黑山、ヘイシャン)と訳する。- 英語表記は、Montenegro
  日本語での表記は モンテネグロ 。2007年10月の新憲法制定に伴い、それまでのモンテネグロ共和国から共和国が外された。
歴史(詳細は「モンテネグロの歴史」を参照)
  言語的、文化的にはモンテネグロ人セルビア人の違いはほとんどない。宗教も同じ正教会だが、セルビアで主流のセルビア正教会の他に、マケドニア正教会とセルビア正教会に併合されたモンテネグロ正教会も復活して存在する。
  ドユラード・ツルノイェヴィッチ公が大主教に賛同して退位し、1516年ツェティニェ主教公による神政政治が確立した(モンテネグロ司教領(1696-1852))。主教公の職は1697年からペトロヴィチ=ニェゴシュ家が保持した。主教公は、その神政政治という性格から叔父から甥へと継承され、オスマン帝国スルタンに朝貢を続けながら国家を存続させた。主教公は1852年に世俗的な公へと転化し、モンテネグロ公国が成立した。これを契機として宗主国オスマンとの武力衝突に発展し、ロシア帝国の支援を仰ぐことになっていた。
  1878年露土戦争の講和条約であるサン・ステファノ条約ベルリン条約でオスマン帝国からの完全な独立を承認された。1905年に憲法が制定されて、モンテネグロ公はモンテネグロ王と規定しなおされ、国号はモンテネグロ王国になった。公国および王国の初代君主ニコラ1世で、1918年までその地位にあった。北をオーストリア・ハンガリー帝国、南をオスマン帝国に挟まれる地政学的条件を背景として、モンテネグロはロシアとの協調を対外関係の機軸とした。日露戦争では1905年日本に宣戦布告し、ロシア軍とともに戦うため義勇兵を満州に派遣していた。しかし実際には戦闘に参加しなかったことから、その宣戦布告は無視され、講和会議には招かれなかった。そのため国際法上は、1918年のセルビアによる併合後も、モンテネグロ公国と日本は戦争を継続しているという奇妙な状態になった。
  第一次世界大戦では、セルビアに対していくらかの援助を行った。このためモンテネグロはオーストリア・ハンガリー帝国に占領されることになり、ニコラ1世はフランスへと亡命した。その後モンテネグロはセルビア軍によって占領され、1918年に成立したスロベニア人・クロアチア人・セルビア人国(のちユーゴスラビア王国)に取り込まれた。1919年に併合反対派が武装蜂起(クリスマス蜂起)を起こしたが、セルビア軍により鎮圧された。以後はユーゴスラビアの中の一地域となった。ニコラ1世とその子孫はモンテネグロ王位を請求し続けたが、実らなかった。
  第二次世界大戦でユーゴスラビアはイタリアとドイツによる侵攻を受け、分割された(ユーゴスラビア侵攻)。モンテネグロはイタリアの占領下に置かれ、傀儡国家モンテネグロ独立国イタリア語版の統治下に置かれた。しかしパルチザンの抵抗の結果、1944年に枢軸軍は撤退し、モンテネグロは再びユーゴスラビアに復帰した。建設されたユーゴスラビア社会主義連邦共和国においては連邦を構成する6つの共和国の一つモンテネグロ人民共和国、1963年からはモンテネグロ社会主義共和国として存続した。
  1991年から始まったユーゴスラビア紛争においてもモンテネグロ共和国セルビアと歩調を合わせており、最後までユーゴスラビア連邦共和国から離脱しなかった。1997年の選挙でミロ・ジュカノヴィッチ大統領に就任した頃から、分離独立の示唆が行われて来ていた。1999年コソボ紛争でもセルビアの行動を非難し、アルバニア難民の受け入れに努めた。コソボ紛争後、通貨や関税に関してセルビアから独立し、徐々に独立の動きが強まっていった。
  これに対して欧州連合はモンテネグロの独立がヨーロッパ地域の安定に必ずしも好影響を及ぼさないという立場から、モンテネグロとセルビアの仲介に動き出した。こうした欧州連合の努力により、2003年2月には3年後の2006年以降に分離独立の賛否を決める国民投票を実施できるという条件付きで国家連合セルビア・モンテネグロが成立した。新国家はセルビア・モンテネグロ内で圧倒的にマイノリティーであるモンテネグロに対してセルビアとの間に最大限の平等を保障していたが、それでもモンテネグロは共同国家の運営に対して非協力的であり、モンテネグロ独自の外交機関、軍事指揮系統を有していた。このため連邦国家としてのセルビア・モンテネグロはほぼ有名無実の状態になっていた。
  2006年5月21日に、セルビアからの分離独立の可否を問う国民投票が実施された。欧州連合は、セルビア・モンテネグロでなければ欧州連合への加盟を認めないという立場を取っていたが、投票の直前には「50%以上の投票率と55%以上の賛成」というハードルに切り替えた。一方で独立支持派は「モンテネグロの独立こそが欧州連合加盟への早道」であるとするキャンペーンを展開した。投票の結果、投票率86.5%、賛成55.5%で欧州連合の示した条件をクリアした。
  2006年6月3日夜(日本時間4日未明)に独立賛成派が国民投票の結果に基づき独立を宣言した。6月5日にはセルビアもセルビア・モンテネグロの継承を宣言して、モンテネグロの独立を追認した。6月12日には欧州連合がモンテネグロに対する国家承認を行った。これにより国際的にモンテネグロの独立が認められた。両国の独立により6つの共和国から構成されていたユーゴスラビア社会主義連邦共和国は完全に解体した。6月16日に日本が国家承認[5]6月28日国際連合へ加盟した。
  日本との関係では、独立に際して、日露戦争における戦争状態が解消していない事が問題となる可能性が指摘された。これについて日本政府は、2006年に提出された衆議院議員鈴木宗男の質問主意書に対する答弁書において「千九百四年にモンテネグロ国が我が国に対して宣戦を布告したことを示す根拠があるとは承知していない。」と回答している。2006年6月3日のモンテネグロ独立宣言に際し、日本政府は、6月16日に独立を承認し、山中あき子外務大臣政務官を総理特使として派遣した。UPI通信は、6月16日、ベオグラードのB92ラジオのニュースを引用し、特使は独立承認と100年以上前に勃発した日露戦争の休戦の通達を行う予定と報道したが[7]、日本国外務省からは、特使派遣報告をはじめとして日露戦争や休戦に関連する情報は出されていない[8]。(参考:外交上の終結まで長期にわたった戦争の一覧)
  2007年10月に新憲法を制定し、国名をモンテネグロ共和国からモンテネグロに変更した。2008年には独立後初の大統領選挙でブヤノビッチ大統領が再選され、2010年には独立以前から首相を務めてきたミロ・ジュカノビッチが退陣、イゴル・ルクシッチが首相となった。2012年には欧州連合への加盟交渉が開始され、また首相にジュカノビッチが返り咲いている。


2020.3.11-Yahoo!!Japan ニュース-https://news.yahoo.co.jp/byline/kazuhirotaira/20200311-00167143/
新型コロナのデマが情報戦の「武器」になる

  新型コロナウイルスをめぐるデマや陰謀論の拡散が、国際情報戦の「武器」として、米国やロシア、中国、イランの間で激しい応酬が続いている。
  米国務省は、新型コロナウイルスについて「ロシアが200万件の陰謀論を拡散」と指摘。さらに米国では、保守派議員などが「中国による生物兵器」との陰謀論を主張する。
  一方で、イランの政府系メディア「プレスTV」は、「米国による生物兵器」との陰謀論を主張し、新型コロナウイルス対策が米国による経済制裁によって阻害されている、と米国批判を展開。
  ロシアの政府系メディア「RT」も、「米国による生物兵器」との陰謀論を後押しする。
  さらに中国の政府系メディア「グローバル・タイムズ」は、「中国の生物兵器」との陰謀論を否定するとともに、米中貿易摩擦などに絡めて、米国が新型コロナウイルスを政治利用しているなどと批判する
  これらの国際情報戦に加えて、詐欺や悪質商法などのデマも拡散を続ける。
  メディアベンチャー「ニュースガード」の調べでは、すでに米欧で新型コロナウイルス関連のデマなどを流すサイトは117に上り、米国の70を超すサイトだけでも過去3カ月で5,200万を超すエンゲージメント(いいねや共有)を獲得しているという。
  国家レベルの情報戦と詐欺・悪質商法が入り混じるデマ拡散について、元FBI捜査官で米シンクタンク「外交政策研究所(FPRI)」のクリント・ワッツ氏は、その危険度や緊急性に応じた対応の仕分けが必要だと指摘
  国際的な情報戦は、より長期的な影響が懸念されるが、詐欺や悪質便乗商法などのデマは、感染そのものにかかわる緊急性を要し、より早急な対策が求められるという。
  新型コロナウイルスの国際的な感染拡大は、デマの国際的な拡大ももたらす。だがその対策には、時間軸を見据えた取り組みが必要になってきているようだ。
「200万件の陰謀論ツイート」
  ロシアによる虚偽情報のエコシステムがフル稼働している。
  米国務省でプロパガンダ対策を担うグローバル・エンゲージメント・センターのコーディネーター、リー・ガブリエル氏は、5日に行われた上院外交委員会の小委員会で証言に立ち、新型コロナウイルスをめぐってこう述べた
  米FOXニュース出身のガブリエル氏は、さらにこうも指摘している
  我々はこれまで、世界中の人々が恐怖を感じる健康危機に乗じて、敵対する国々が勢力拡大をもくろむのを目にしてきた。新型コロナウイルスはその一例にすぎない。
  同センターは、これに先立って、今回の新型コロナウイルスをめぐるデマや陰謀論についての報告書をまとめている。
  仏AFP通信米ワシントン・ポストによると、同センターは、世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言(1月30日)を出した前後3週間(1月20日~2月10日)に米国外で投稿されたソーシャルメディアの書き込み2,900万件を分析した。
  すると、全体の約7%にあたる200万件が、新型コロナウイルスに関するデマや陰謀論を扱っていた、という。
  これらは、シリア内戦、フランスでの政府への抗議デモ「黄色いベスト」運動、チリでの大規模な反政府デモなどに絡んで、ロシアの主張を拡散させてきた数千のアカウントが、今回の新型コロナウイルスに関して投稿を行っているのだという。
  これらの投稿は、英語、スペイン語、イタリア語、ドイツ語、フランス語でほぼ同じタイミングで行われ、ロシアのダミーサイトへのリンクや、ロシアの政府系メディア「RT」「スプートニク・ニュース」と同じような論調の内容だったという。
  デマや陰謀論の中には「米国が中国を標的にした生物兵器」「ビル・ゲイツ氏の財団が利益を得ている」などの内容も含まれていた。
  新型コロナウイルスに関するデマの排除に取り組むフェイスブックやツイッターは、国務省の報告書について、その具体的なデータ提供を求めている。
  だが同省は、今のところ開示をしないという姿勢を崩しておらず、米国務省の主張を裏付ける詳細は不明なままだという。
  米国では新型コロナウイルスの感染拡大の一方で、米大統領選の予備選挙も進行中だ。そして、2016年の前回大統領選と同様に、ロシアによる選挙介入への警戒感もある。
  14州で予備選挙が行われた候補者選びの山場「スーパーチューズデー」の前日の3月2日には、国務省、司法省、国防総省、国土安全保障省、国家情報長官室、連邦捜査局(FBI)、国家安全保障局(NSA)、サイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁(CISA)は連名で、「我々は警戒態勢を継続し、2020年大統領選を妨害するいかなる試みにも対応する用意ができている」との共同声明を発表している。
 これに先立ち、米情報機関の観測として、ロシアが今回の大統領選では現職のトランプ氏に加え、民主党では左派のバーニー・サンダース氏を後押しする動きがある、とも相次いで報じられている
  新型コロナウイルスと大統領選。米国はこの二つの情報戦に直面している。
ロシア、イラン、中国の情報戦
  新型コロナウイルスのデマをめぐって、米国の矛先はロシア、そして中国に向いている。
  一方で、批判を向けられたロシア、中国、さらに米国の経済制裁下にあるイランは、新型コロナウイルスをめぐる混乱の“元凶”として、米国を名指ししている。
  米シンクタンク「外交政策研究所」のプロジェクトマネージャー、レイチェル・チェルナスキー氏は、これらの国々が政府系のメディアを通じ、米国が新型コロナウイルスを政治的に利用し、ウイルスの感染拡大を悪化させた、との主張を展開しているという。
  チェルナスキー氏によると、新型コロナウイルスについて「米国による生物兵器」などの陰謀論を主に展開しているのは、ロシアよりもむしろ、米国による経済制裁を受けているイランなのだという。
  イランの政府系メディア「プレスTV」は、新型コロナウイルスが「中国向けの生物兵器」で、米国のユダヤ人グループやイスラエルが「より致死的なウイルスをイラン向け生物兵器として投入した」、などとしている。
  さらに、米国による経済制裁がイランの新型コロナウイルス対策の障害になっている、などの米国批判もあわせて行っている、という。
  ロシアの政府系メディア「RT」は、イランが発信源となっている「生物兵器」などの陰謀論を、さらに拡散する役割を担っている、とチェルナスキー氏は見立てている。
  チェルナスキー氏によると、中国は、イラン、ロシアとはややメッセージのトーンが異なるという。新型コロナウイルスの感染源であり、その情報開示や対応をめぐる批判が集中してきた中国は、自国に対するネガティブイメージの払しょくに重きを置いているようだ。
  そのため、政府系メディアの「グローバル・タイムズ」は、新型コロナウイルスの「中国の生物兵器」陰謀論の否定のほかには、中国の監視体制や閉鎖性に対する批判への反論などを主に展開している、という。特に対米関係では、貿易摩擦と絡めて、米国が新型コロナウイルスを政治利用しようとしている、などの主張を行っている、とチェルナスキー氏は指摘する。
デマ・陰謀論の発信サイト
  新型コロナウイルスをめぐるデマや陰謀論を発信する、様々なウェブサイトも特定されつつある。
  サイトの信頼度を判定する米メディアベンチャー「ニュースガード」は、2月25日に新型コロナウイルスに関するデマ・陰謀論を発信するサイトの追跡プロジェクトを開始
  1週間後の3月3日には、米国に加え、英国、フランス、イタリア、ドイツの5カ国で106のサイトを特定した。10日現在で、その数はさらに増え、117サイトに上る
  3日の段階で、このうち米国の75サイトの直近90日間のエンゲージメントを調べたところ、合計で5,200万件にのぼったという。
  一方で、米国保健福祉省傘下で感染症対策を担う疾病予防管理センター(CDC)と世界保健機関(WHO)のサイトの同じ90日間のエンゲージメントは合わせて36万件だった。
  「ニュースガード」が特定したサイトの中には、イラン政府系の「プレスTV」や、ロシア政府系の「スプートニク・ニュース」の仏伊独語版、「RT」の独語版といったものも含まれる。
  その一方で、健康に関する陰謀論などを発信する右派サイト「ナチュラルニュース」もある。同サイトは54ものサイトによるネットワークをつくっており、その数は「ニュースガード」が特定した米国サイトの7割を占める。
  同サイトは陰謀論の発信とともに、サプリメントなどのネット販売などで知られ、2019年6月にはフェイスブックからスパム認定による削除措置を受けている。
  米国内ではこのほか、やはり陰謀論とサプリメント販売で知られる右派サイト「インフォウォーズ」なども、「ニュースガード」のリストに含まれている。
  「インフォウォーズ」はまた、フェイスブックツイッターによる削除措置の対象とされてきた。同サイトは、2016年の米大統領選をめぐって発砲事件にまで発展した陰謀論「ピザゲート」の発信源の一つでもあった。
  ※参照:「ネット陰謀論の王」はいかにしてソーシャルメディアから排除されたか09/08/2018 新聞紙学的
  新型コロナウイルスをめぐるデマ、陰謀論には、政府間の情報戦からネットの物販まで、様々なプレーヤーが入り混じっていることがわかる。
デマの危険度と仕分け
  「外交政策研究所」の特別研究フェロー、クリント・ワッツ氏は、デマや陰謀論の発信者は多様であり、その危険度、緊急度の違いを理解し、すぐに対処すべきもの、長期的に対応すべきものを仕分けていくことが必要だと述べる。
  ワッツ氏は米陸軍、FBIでテロ対策に携わり、2016年の米大統領選直後には、ロシアのフェイクニュースによるプロパガンダ戦略をまとめた報告書を発表。2019年6月に下院情報特別委員会で開かれた「ディープフェイクス」問題をめぐる公聴会でも証言をしている。
  ※参照:デマニュースはロシアのプロパガンダか、カネのなる木か(11/27/2016 新聞紙学的
  ※参照:「ディープフェイクス」に米議会動く、ハードルはテクノロジー加速と政治分断(06/22/2019 新聞紙学的
  ワッツ氏は、今回の新型コロナウイルスをめぐる、喫緊の脅威となるデマや陰謀論として、三つのタイプを挙げる。
  ・公共の安全への脅威(パニック扇動、疑似科学の流布、偽の治療薬などの販売)
  ・金融市場への影響(取り付け騒ぎの誘発、市場操作によるパニック発生)
  ・人種差別の先鋭化(アジア人へのヘイト・挑発・暴力、感染国の市民への暴力や反対運動)
  同国では飲酒が禁止されているが、アルコールを飲むことで新型コロナウイルスの予防や治療に役立つとのデマが流れていたという。
「ウイルス予防商品」への注意
  日本でも消費者庁が3月10日、新型コロナウイルスへの予防効果を標ぼうする商品について、商品表示の改善要望と消費者への注意喚起を発表している
  「新型コロナウイルス 感染予防サプリメント!! ビタミンCとビタミンD」「コロナウイルス対策サプリ、ウイルス感染症の予防、症状軽減にはビタミンC、ビタミンD、亜鉛、マグネシウム、セレンの摂取が重要」「世界的にコロナウイルスは猛威、ウイルス予防に梅肉エキス」などのうたい文句の“いわゆる健康食品”23事業者40商品。
  さらに、マイナスイオン発生器・イオン空気清浄機(4事業者3商品)、空間除菌剤(3事業者3商品)も含まれる。
  同庁のリリースはこう述べている。

  新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼうするウイルス予防商品については、現段階においては客観性及び合理性を欠くものであると考えられ、一般消費者の商品選択に著しく誤認を与えるものとして、景品表示法(優良誤認表示)及び健康増進法(食品の虚偽・誇大表示)の規定に違反するおそれが高いものと考えられます。
  発表では、具体的な業者名、商品名は明らかにされていない。
  デマや陰謀論との関連は不明だが、このような根拠のない「ウイルス予防商品」もまた、それらの脅威と地続きの身近な問題だ。


2020.3.11-dmenuニュース-http://topics.smt.docomo.ne.jp/article/sankei/politics/sankei-plt2003110041?fm=topics
<独自>硫黄島での日米合同慰霊式中止 新型コロナウイルス感染拡大で

先の大戦末期の激戦地・硫黄島(東京都小笠原村)で毎年3月に開かれている日米合同の慰霊式が、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で今年は取りやめとなったことが11日、分かった。関係者が明らかにした。戦後75年の節目となる今年は、河野太郎防衛相ら日米両政府要人と自衛隊、米軍関係者、戦没者遺族らが出席し、28日に開催を予定していた。
  合同慰霊式は日米の硫黄島協会の主催で平成7年から開かれている。東日本大震災が発生した23年に開催を取りやめたことがある。
  戦略上の重要拠点だった硫黄島では、昭和20年2月19日に上陸を開始した米軍に対し旧日本軍は地下壕(ごう)を構築して持久戦を展開。激戦は36日間に及び、戦没者は日米で計約2万9千人。日本側の約2万1900人のうち現在も1万1千柱を超える遺骨が未収容となっている。


2020.2.18-diamond on line-https://diamond.jp/articles/-/229053
新型肺炎が及ぼす世界経済への悪影響はSARSよりも深刻な理由
世界経済に重大な影響を及ぼす
新型コロナウイルスによる混乱

真壁昭夫:法政大学大学院教授
(1)
  中国で発生した新型コロナウイルスによる混乱は、中国だけではなくわが国をはじめ世界経済に重大な影響を及ぼしつつある。すでに中国政府は感染の拡大に厳戒体制を敷いている。春節明けの首都北京では、中心街を歩く人の姿がほとんど見られないという。共産党政権は企業に感染対策の徹底を求め、中国の経済活動は通常のレベルにはほど遠い。今後も、経済活動は正常化するためにはかなりに時間を要するとみられる。
   1日当たりの感染者数の増加ペースがいく分か和らいだことや、中国の専門家が「4月に肺炎が終息する可能性がある」との見解を示したこともあり、一部の市場参加者は先行きを楽観しつつあるようだが、これからの展開を過小評価することは適切ではない。
  新型肺炎が、世界経済の“ヒト・モノ・カネ”の動きに負の影響を与えつつあることは間違いない。中国への依存度の高い韓国経済などにはかなり大きな衝撃となるはずだ。また、来訪客の減少による観光や製造業を中心に、日本への影響も少しずつ顕在化している。
   経済評論家の中には、今回の新型肺炎とSARS(サーズ、重症急性呼吸器症候群)を比較する見方があるが、当時の中国経済の状況と現在ではかなり状況が異なることを頭に入れておく必要がある。2003年当時、中国経済はまだ上昇過程にあった。一方、現在、中国経済は減速傾向が明確化している。しかも、中国経済の世界経済に占める割合は4%から16%に上昇している。それだけ中国経済の影響力は高まっている。
(2)
今後、中国では企業の活動が停滞気味に推移し、成長率の低下や過剰な生産能力の増大から債務問題(灰色のサイ)が深刻化する恐れがある。さらに、中国では消費者物価が上昇している。新型肺炎の感染拡大により中国経済の不安定性は一段と高まり得る。米国や欧州各国でも先行きを警戒する経済の専門家が増えている。新型肺炎が世界経済に与える影響は過小評価できない。
新型肺炎が韓国など世界経済に与える影響
 新型肺炎の感染者の増大を受け、消費財の輸出やサプライチェーンの重要拠点となってきた中国では、経済活動に混乱が広がっている。これを受け、世界各国の企業に負の影響が波及し始めた。
   その一つに、中国の半導体需要に依存してきた韓国が挙げられる。新型肺炎は、韓国の半導体業界の業績悪化の一因となり、景気の下方リスクは高まりやすくなっている。昨年から各国で5G通信サービスが開始され、新型のスマホやICチップへの需要が高まるとの期待が膨らんだ。それは、中国経済に依存してきた韓国などにとって経済の安定化を目指す重要な要素の一つだった。
   しかし、新型肺炎が、世界のIT業界の活動に急ブレーキをかけている。アップル製品の組み立てを行ってきた台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業や和碩聯合科技(ペガトロン)の工場では、肺炎の影響から全面再開のめどが立っていないようだ。
   事態はかなり深刻と考えたほうがいいだろう。中国の半導体需要は、世界全体の50%程度を占める。中国での生産再開に時間がかかると、サムスン電子を筆頭とする韓国の半導体産業は需要だけでなく資材、資金調達、中国以外の国への生産拠点の移転など、かなりの影響が及ぶと考えられる。
   足元、韓国の半導体業界は不安定な収益状況から脱し切れていない。昨年10~12月期、サムスン電子の業績には底入れの兆しが見られた。一方、SKハイニックスは前年同期比で営業利益が95%減だった。韓国半導体業界は米中との競争にも対応しなければならない。
   新型肺炎の感染による中国経済の減速リスクに韓国が耐えられるか否か先行き不透明感は高まっている。生産・販売の両面で打撃を受け、資金繰りひっ迫に直面する韓国の中小企業も出始めているようだ。さらに、武官が封鎖されたのち、韓国の航空業界では中国便が70%も減少した。
   新型肺炎は、日本など主要国にも無視できないリスク要因である。日本でも観光や自動車の生産に影響が現れている。日産自動車は九州の工場の稼働を一時停止するようだ。中国の操業再開を慎重に考えるわが国の企業も多く、業績への影響は軽視できない。
(3)
新型肺炎と “灰色のサイ”のリスク
 新型肺炎の感染が拡大するに伴い、中国では経済の先行き懸念が高まり、企業の資金繰りにもかなりの影響が出ているとみられる。また、株式、不動産などの資産価格への影響も懸念され、金融市場の安定感にも変化が現れつつあるようだ。その一つとして、“灰色のサイ”と呼ばれる債務問題への懸念がある。
   春節の連休明け以降、中国政府は感染対策の徹底を各企業に求め、生産ラインの稼働が遅れている。これは、中国にとって痛手だ。中国では過剰生産能力が顕在化している。景気の減速も重なり、企業や地方政府の債務は膨張している。債務のリスクを抑えるには、とにかく生産を続け、企業収益を確保しなければならない。それが難しくなると信用リスクは上昇するだろう。
   信用不安などを食い止めるために、中国政府はかなり強力に資産価格を支えようとしているとみられる。春節の連休明けとともに、中国の本土の株式は大きく下げて取引が再開された。その後、中国本土株は徐々に持ち直している。チャートを見ると、時折、急速に株価が一本調子で上昇するなど特異な動きが目立つ。この動きは、一部の投資家に先行きへの安ど感を与えているだろう。
   この動きに関して、市場参加者の間では、“国家隊”と呼ばれる公的資金などを用いた株価の下支え措置が影響しているとの見方が多い。当局が大手投信会社に株を売らないよう要請したとも報じられている。共産党政権は、株価安定に神経をとがらせているといえる。
   中国の株式市場における個人投資家の存在感は大きい。2016年、上海取引所の全取引に占める個人の割合は約86%だった。新型肺炎の感染拡大から生産活動をはじめ中国経済に下押し圧力がかかれば、信用不安などから株を売る人が増えるだろう。それを受け、“売るから下がる、下がるから売る” という負の連鎖が起き、売り圧力が不動産にも波及する可能性がある。
   不動産バブルの崩壊や景気減速への懸念がさらに高まると、資金を海外に持ち出そうとする人が急増するだろう。そうしたリスクを抑えるために、中国人民銀行は銀行に対する特別融資を行っている。見方を変えれば、当局は金融システムと資産価格の安定を支えることを通して、灰色のサイ問題の懸念封じ込めに必死とみられる。
(4)
先行き懸念 一段と高まる世界経済
 今後の展開を考えた時、新型肺炎の影響から、中国を中心に世界経済の減速懸念は徐々に高まる可能性がある。中国では生産の混乱に加え、消費者物価指数の上昇も顕著だ。1月、中国の消費者物価指数は前年同月から5.4%上昇した。豚肉価格の高騰に加え、春節を迎えて消費が増加する中で新型肺炎の防疫が物流を混乱させたことなどが響いた。
   中国では、景気の減速や企業業績の悪化から雇用・所得環境は不安定化しており、新車販売台数は減少傾向にある。その中で物価が上昇すれば、中国の個人所費は一段と落ち込むだろう。それは、中国経済に依存してきた東南アジアや南米の新興国、さらにはオーストラリアなどの資源国の景気減速の一因となり得る。また、韓国と並んで中国の需要を重視してきたドイツにも自動車業界を中心に逆風が吹くだろう。
   新型肺炎が米国経済に与える影響も軽視できない。その一つとして、近年の米国経済を支えてきたIT先端企業のビジネスモデルの不安定性は高まりつつあるとみられる。すでに米中の貿易摩擦などにより世界のサプライチェーンが混乱した。新型肺炎はそれに拍車をかけているとみるべきだろう。その結果、自らは先端のテクノロジー開発に注力し、中国にあるホンハイの工場で生産(組み立て)を行うことで高付加価値の製品を世界に供給してきたアップルの成長期待は低下する恐れがある。
   また、建設機械やエネルギー需要などでも、米国企業の収益下振れリスクは増大しつつあると考えられる。中国の物流が停滞したり、消費がさらに落ち込んだりすることによって、農産品を中心に中国の対米輸入が伸び悩み、トランプ大統領が重視する対中貿易赤字の削減が思うように進まなくなることもあるだろう。それは、米国の対中圧力の増大につながり、世界経済を下押ししかねない。
   足元の世界経済は米国の個人消費に支えられ、どうにか安定感を保っているというべき状況にある。その中で米国の企業業績の懸念が高まれば、徐々に労働市場の改善は鈍化し、個人消費は鈍化する可能性がある。新型肺炎は世界各国の先行きの景気に関する不安を高める要因の一つと考えるべきだ。
 (法政大学大学院教授 真壁昭夫)


2020.2.15-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://special.sankei.com/a/international/article/20200215/0004.html
中国からの入国制限が世界で拡大 中国は見直し求め外交攻勢

【北京=三塚聖平】肺炎を引き起こす新型コロナウイルス蔓延(まんえん)で、感染源である中国からの入国を制限する動きが広がっている。すでに130以上の国・地域が、入国拒否やビザ発給停止など、何らかの対応措置を取った。人的往来で制限が続けば中国経済へのマイナス影響も避けられないとして、習近平指導部は各国の首脳との電話会談など外交攻勢を強め、制限の見直しを働きかけている。
   中国国家移民管理局の発表では、新型肺炎を受けて何らかの入国制限措置をとっている国・地域は14日現在で130に達した。米国やオーストラリアなどは、14日以内に中国に滞在した外国人の入国も認めないなど、厳しい措置をとる。中国と陸続きのロシアやモンゴル、北朝鮮は、国境閉鎖などの対応をとった。


2020.2.9-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200209/k10012279051000.html
タイ 現役兵士の銃乱射で26人死亡 衝撃広がる 動機の詳細不明

タイ東北部で陸軍兵士の男が銃を乱射しショッピングモールに立てこもった事件で、これまでに26人が死亡、50人以上がけがをしました。男は治安部隊によって射殺されましたが、現役の陸軍兵士による大規模な銃の乱射事件という異例の事態にタイでは衝撃が広がっています。
  タイ東北部の都市ナコンラチャシマで現地時間の8日午後3時半ごろ、タイ陸軍に所属する兵士の男が上官の住宅を襲撃し上官らを射殺したあと、ショッピングモールとその周辺で銃を乱射しました。
  男はその後、週末でにぎわっていたショッピングモールの建物の中でおよそ15時間にわたって立てこもりましたが、9日朝治安部隊との銃撃戦の末、射殺されました。
  タイのプラユット首相は9日午後、現地で会見を開き、これまでに26人が死亡、57人がけがをしたと発表しました。
  一方、男の動機についてプラユット首相は「不動産の売買をめぐって金銭トラブルを抱えていたようだ」と明かしたものの、なぜ直接関係のない大勢の人々に向けて銃を乱射したのか、詳しいことはわかっていません。
  現役の兵士による大規模な銃の乱射事件という異例の事態にタイ国内では衝撃が広がっていて、警察や軍は関係者から話を聴くなどして、事件のいきさつや男の動機について詳しく調べることにしています。
映像には激しい銃撃音も
ショッピングモールに取り残された人たちの救出にあたった治安部隊が撮影した映像には、腹ばいになった隊員たちが吹き抜け部分を利用して銃を構える様子などが捉えられています。
  治安部隊によりますと、抵抗する男との間で銃撃戦になったということで、映像には連続した激しい銃撃音も記録されています。
  男は地元の基地に所属する現役の兵士で、基地から機関銃など6丁の銃と大量の銃弾を盗み出して犯行に及んでおり、治安部隊にとって非常に危険な状況だったことがわかります。


2020.2.6-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://special.sankei.com/a/international/article/20200206/0001.html
カンボジアに中国の「植民地」 乱開発…地元民に不満蓄積 森浩

 中国が世界各地で巨大経済圏構想「一帯一路」などを通じて影響力を増す中、「中国の事実上の植民地」(シンガポール紙ストレーツ・タイムズ)とされる都市がカンボジアにある。人口の半分が中国人とされ、カジノなど街には中国語の看板があふれる。チャイナ・マネーは雇用を生み出したが、ひずみも顕在化しつつある。新型コロナウイルスへの対応でカンボジアが中国を支持し、両国の密接ぶりが浮き彫りになる中、中国に翻弄される現状を探った。

  カンボジア南部シアヌークビル。首都プノンペンから車で5時間、飛行機で約40分の距離にある港町だ。中心部「金のライオン像広場」に到着し、周囲を見渡すと、中国語の看板とカジノのネオンが目に入った。中国食材を専門に取り扱うスーパーもあり、道端では中国人とおぼしき男性が、中国の国民的缶飲料である「王老吉」を飲んでいた。街の雰囲気は中国の地方都市だ。


2020.1.15-Yahoo!!Japanニュース(産経新聞)-https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200115-00000582-san-asia
カンボジア野党指導者初公判 首相就任35年フン・セン氏、弾圧強化に懸念の声

【プノンペン=森浩】カンボジアで、政府転覆を図ったとして国家反逆罪に問われた旧最大野党「救国党」創設者、ケム・ソカ氏の初公判が15日、首都プノンペンの裁判所で開かれた。首相在任35年を迎えたフン・セン氏は中国の後ろ盾を背景に独裁色を強め、旧野党陣営の弾圧を強化。自身は「あと10年、首相にとどまる」と宣言しており、旧野党陣営は弾圧継続への懸念を強めている。
  ケム・ソカ氏は救国党党首だった2017年9月、外国政府と協力して政権の転覆を画策したとして逮捕され、自宅軟禁下に置かれていた。ケム・ソカ氏逮捕で救国党は解散を余儀なくされ、18年7月の下院選では与党・人民党が全125議席を独占した。
  この日の公判では証拠の開示などが行われ、判決までには約3カ月かかる見通し。ケム・ソカ氏は15日、自身のフェイスブックで「私の活動は人権と民主主義に基づき、平和的に行われていた」とし、起訴内容を否認する意向を示した。
  欧米などの国際社会は政権による野党弾圧に批判を強めており、欧州連合(EU)は武器以外の品目を無関税でEUに輸出できる協定の見直しを検討している。EUは2月にも見直しについて判断を示す見通しで、公判の行方を注視している。
  フン・セン氏は、1985年1月に当時のプノンペン政権閣僚評議会議長(首相)に就任して以降、強権的な手法を維持する。ケム・ソカ氏の訴追もその一環だ。2017年には野党寄りの英字紙に巨額の税金を課して発行停止に追い込んでもいる。
  特に締め付けが強化されたのは昨年夏ごろだ。フランスで事実上の亡命生活を送っていた政敵、サム・レンシー氏が帰国を表明したため、反対勢力結集を懸念し、旧野党陣営の70人以上を拘束した。
  元救国党幹部のミーチ・ソバンナラ氏も違法な抗議活動を行ったとして昨年8月に逮捕され、12月に釈放された。ソバンナラ氏は「カンボジアは民主国家なのか。警察官も裁判官も検察官も与党の息がかかった人物。三権分立も機能していない」と批判する。フェイスブックで政権を批判した文章をシェア(共有)しただけで逮捕された例もあったという。
  弾圧に対して欧米諸国が反発を強め、経済制裁が検討されても、フン・セン氏が強気の姿勢を崩さない背景には中国の支援がある。昨年1~8月にカンボジア政府が認可した投資総額60億ドル(約6600億円)のうち、中国は35・31%と2位の日本(7・87%)を大きく引き離す。人権問題に口を挟まず投資を続ける中国はフン・セン氏にとって好都合なパートナーだ。
  フン・セン氏は14日に首相就任35年を迎え、プノンペンで開かれたパーティーでの演説で首相職を退く意向はないことを宣言。「カンボジアは民主国家であり、父から子への権力移譲はない」として、息子が後を継ぐという噂を否定したが、「フン・センの後継者はフン・センだ」と述べ、首相の座は簡単に明け渡さないことも強調した。
  ソバンナラ氏は「フン・セン氏の権力基盤は強固で、首相から退く意向はない。今後も自由は奪われ続けるだろう」と懸念。日本など諸外国がさらに圧力を強化するよう求めている。


2020.1.11-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200111/k10012242341000.html
オマーン国王死去 イランと良好関係 “後継者にいとこ“と報道

中東のオマーンで半世紀近く国家元首の座にあったカブース国王が79歳で亡くなりました。国営メディアは国王の親族が後継者として選ばれたと伝えていて、イランなどとの対立が続くアラブ諸国の中で中立的な立場を保ってきた独自の外交路線が新体制でも引き継がれるか注目されます。
  オマーンの国営メディアは11日、カブース国王が10日夕方に79歳で亡くなったと伝えました。カブース国王は1970年の即位以降、半世紀近くもの間、首相や外相それに国防相などを兼任して絶対的な権力を維持し、アラブ湾岸諸国の首脳の中で重鎮と位置づけられてきました。
  外交面ではほかのアラブ湾岸諸国がペルシャ湾の対岸のイランを脅威と見なす中、中立的な立場からイランとも良好な関係を保ち、イラン核合意では当時のアメリカのオバマ政権との間で交渉の調整役を担ったとされています。
  さらにおととしにはアラブ諸国と対立するイスラエルのネタニヤフ首相の異例の極秘訪問を受け入れ、パレスチナ問題をはじめ地域の安定化に向けて意見を交わして存在感を発揮してきました。
  国営メディアはカブース国王の後継者として、いとこのハイサム遺産文化相が選ばれたと伝えています。
  中東ではイランとサウジアラビアなどのアラブ湾岸諸国の間の緊張が続いていて、新しい国王が独自の外交路線を引き継ぎ、今後もオマーンが中東の貴重な橋渡し役となるか注目されています。
安倍首相「深い悲しみ禁じえない」 安倍総理大臣は「カブース国王の崩御の報に接し、深い悲しみを禁じえない。謹んで哀悼の意を表する。国王は中東地域の平和と安定のために多大な貢献をされ、世界各国から深い尊敬を集めた指導者だった。国王の崩御は国際社会にとって大きな損失であり、オマーン国民の皆様がこの深い悲しみを乗り越えるにあたり、日本は常にオマーンと共にある」という談話を発表しました。


2020.1.7-msn news(産経新聞)-https://www.msn.com/ja-jp/news/world
トルコ、リビア暫定政権支援へ部隊派遣 代理戦争…混迷深まる

【中東支局】国家分裂状態にある北アフリカのリビア情勢をめぐり、トルコのチャブシオール外相は6日、シラージュ暫定政権を支援するため、軍事専門家や技術支援要員らの部隊を派遣すると明らかにした。ロイター通信が伝えた。ロシアやエジプトなどの後押しを受けて暫定政権側と交戦する有力軍事組織「リビア国民軍」(LNA)はこれに強く反発。トルコの介入により、周辺国の代理戦争と化しているリビア情勢は、いっそう混迷の度合いを深めている。
  トルコ議会は今月初め、暫定政権側の要請を受ける形で、リビアへの派兵を承認。エルドアン大統領は5日、暫定政権が拠点とする首都トリポリへの軍部隊派遣が進んでいると述べた。産油国であるリビアへの影響力を強め、将来のエネルギー確保につなげる狙いもあるとみられる。
  一方、LNAは6日、暫定政権の勢力下にあった中部の要衝シルトを制圧したと発表。LNAを率いるハフタル司令官は、トリポリへの攻勢も強めている。
  トルコは、部隊の派遣は「停戦を実現し政治的解決を促す」ためだとしているが、軍事的に劣勢の暫定政権側がトルコの支援で勢力を回復すれば、戦闘がさらに激化する可能性もある。









このTopに戻る











最近のニュース
TOPにもどる
monomousu   もの申す