世界の問題-1



2020.01.12-Yahoo!Japanニュース(Bloomberg)-https://news.yahoo.co.jp/articles/b794e9f62bd92ec4e9b9bbff39f480aefc057bd8
独仏、トランプ氏のアカウント停止に反対-民間企業が言論の自由制限

(ブルームバーグ)ドイツとフランス政府は、トランプ米大統領のアカウントを米ソーシャルメディアのツイッターが永久停止し、フェイスブックも凍結する対応を取ったことを批判した。

  ドイツのメルケル首相は、両社の決定に異を唱え、言論の自由を規定するルールは、民間テクノロジー企業ではなく、立法府の議員が決めるべきだと主張した。
  ドイツ政府のザイベルト首相報道官は11日の定例記者会見で、「選挙で選出された大統領のアカウントを完全に停止することに問題があると首相は考えている」と説明。 言論自由のような権利が「制限されることはあり得る」が、「それは法律によってか、立法府が決める枠組みの範囲内で行われ、一企業の決定によるものではない」と述べた。
  一方、フランスのボーヌ欧州問題担当相は11日、ブルームバーグテレビジョンに対し、民間企業がこのような重要な決定を下すことに「衝撃を受けた」と発言。「これは最高経営責任者(CEO)ではなく市民が決めるべきだ。大手オンラインプラットフォームの公的規制が必要だ」と語った。
  ルメール経済・財務相はこれに先立ち、「デジタル寡頭制」ではなく、政府が規制に責任を負うべきだとした上で、大手テクノロジー企業を民主主義への「脅威の一つ」と呼んだ。


2020.01.06-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210106/k10012798761000.html
サウジアラビアとカタール 国交回復で合意 米仲介に応え

  中東のサウジアラビアは、ほかの湾岸諸国などとともに3年半にわたって国交を断絶している隣国カタールと国交を回復させることで合意したと発表しました。湾岸諸国を結束させてイラン包囲網を強めたいアメリカの仲介に応えた形ですが、今後、和解が一気に進むのかは不透明な情勢です。
  サウジアラビアは2017年6月、対立するイランへの接近などを理由にUAE=アラブ首長国連邦、バーレーン、それにエジプトとともに、カタールとの国交を断絶し、人の往来や物流を停止させ、圧力を強めました。
  これに対し、湾岸諸国を結束させてイラン包囲網を強めたいアメリカが仲介を行ってきました。
  こうした中、サウジアラビアの北西部ウラーで5日開かれた、GCC=湾岸協力会議の首脳会議に断交しているカタールのタミム首長が招かれ、サウジアラビアのムハンマド皇太子が空港で出迎えました。
  会議の後、サウジアラビアのファイサル外相は、断交している3か国とともにカタールと国交を回復させることで合意したことを明らかにしました。
  サウジアラビアはこれまで独自の外交を進めるカタールに、イランとの外交関係の縮小などを求めてきましたが、カタールはこれに応じず、かえってイランとの関係を深める結果となっていました。
  このため、今後、カタールが、アメリカやサウジアラビアの思惑どおり、イランとの関係を見直し、湾岸諸国との和解が一気に進むのかは不透明な情勢です。
米ポンペイオ国務長官「前向きな一歩」
  アメリカのポンペイオ国務長官は5日「湾岸諸国の団結の修復に向けた前向きな一歩だ」と歓迎する声明を発表しました。
  そのうえで「アメリカは湾岸諸国が和解に継続して取り組むことを期待したい。外交関係が完全に回復することはこの地域の共通の脅威に立ち向かう上で不可欠だ。われわれがともに立ち上がるとき、さらに強くなる」として、今後も湾岸諸国の結束を後押しし、イラン包囲網の強化を目指す考えを強調しました。
専門家「駆け込み外交が加速」
  今回、サウジアラビアがカタールと国交回復で合意したことについて、元外交官でアメリカの中東政策に詳しい三菱総合研究所の中川浩一 主席研究員は「バイデン次期政権の発足まであと2週間となった段階でトランプ大統領とアラブ諸国の首脳の駆け込み外交が加速化している」との見方を示しました。
  一方、中川主席研究員は、バイデン次期政権とアラブ諸国の今後の関係構築について「アラブ諸国の首脳にもイランの首脳にも共通するのはバイデン次期政権において中東政策を具体的につかさどるメンバーが決まらないなど、今後の中東情勢に不透明感が漂う中で、一歩でも強い立場でバイデン次期政権と相対し、自国に有利に事を運びたいという思いだろう」とすでに外交の駆け引きが始まっていると分析しています。

カタール断交の経緯
  中東カタールはアラビア半島にあるペルシャ湾岸の国で中東の地域大国、サウジアラビアとイランに挟まれた人口280万人の小さな国ですが、世界有数の天然ガスの輸出国で、豊富な資金力で国内の開発を進めてきました。
  首都ドーハにある国際空港は、世界各地を結ぶカタール航空が拠点とし、地域のハブ空港として成長し、来年には中東で初めてとなるサッカーワールドカップが開催される予定です。
  外交面では、湾岸諸国がサウジアラビアと足並みをそろえる中、覇権を争うトルコの部隊を受け入れ、対立するイランとも良好な関係を築くなど独自の外交を展開してきました。
  また、政府が出資して開設した衛星テレビ局、アルジャジーラはほかのアラブ諸国での独裁的な政治体制を問題視する報道などを続け、情報戦略の面でも独自色を打ち出しています。
  こうした中、3年半前、サウジアラビアとUAE=アラブ首長国連邦、バーレーン、それにエジプトはカタールとの国交断絶を一方的に表明し、カタールとの往来を停止し、物流を制限するなど経済封鎖を強め、圧力をかけました。
  そのうえで、解除の条件として、トルコやイランとの外交関係の縮小や、アルジャジーラの閉鎖などの要求を突きつけましたがカタールはこれに反発し、支援するトルコやイランとの関係がさらに深まる形となり、2年前にはサウジアラビアが主導する、OPEC=石油輸出国機構から脱退しました。


2020.01.05-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210105/k10012797071000.html
英の裁判所 アサンジ被告 米への身柄引き渡し認めず

  イギリスで収監されている告発サイト「ウィキリークス」の創設者、アサンジ被告について、イギリスの裁判所は、機密情報への不正アクセスに関わったとして起訴されているアメリカに身柄を引き渡すことを認めない判断を示しました。
  ジュリアン・アサンジ被告は、亡命を求めて駆け込んだロンドンのエクアドル大使館で、およそ7年にわたり保護されていましたが、おととし、別の事件での保釈中に裁判所に出頭しなかったとして、逮捕されて有罪判決を受け、現在、イギリスで収監されています。
  告発サイト「ウィキリークス」を創設して、アメリカ政府などの機密情報をインターネット上に公表したアサンジ被告は、アメリカの司法当局から不正アクセスに関わった罪などで起訴されていて、アメリカ側の求めに応じて、身柄を引き渡すかどうかイギリスの裁判所で審理が進められてきました。
  これについてイギリスの裁判所は4日、仮にアメリカに移送されれば、被告が自殺を図るおそれがあるなどとして、引き渡しを認めない判断を示しました。
  裁判所の前には、引き渡しに反対してきた被告の支持者が集まり、歓迎の声を上げていました。
  ただ、アメリカ側は上訴できるため、判断が示されるまでに法廷での争いが長引く可能性も出ています。



2020.12.31-NHK NEWS WE -https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201231/k10012791351000.html
イエメン 新閣僚ら乗せた航空機到着直後に空港爆発 15人死亡

  内戦が続く中東イエメンで新しい閣僚らを乗せた航空機が到着した直後に空港で大きな爆発があり、少なくとも15人が死亡しました。イエメン政府は閣僚をねらった攻撃とみて警戒を強めています。

  イエメン南部の都市アデンの国際空港で30日、閣僚らを乗せた航空機が、サウジアラビアから到着した直後に大きな爆発が相次いで起きました。当時、空港には政府関係者らが多く集まっていて、政府の報道担当者はNHKの取材に対し、少なくとも15人が死亡し、多くのけが人が出ていることを明らかにしました。また、ICRC=赤十字国際委員会はツイッターで「同僚の1人が犠牲になった」と発表しました。
  ロイター通信は、爆発は迫撃砲によるものとの見方を伝えていますが、詳しいことは明らかになっていません。
  イエメンでは、サウジアラビアなどが支援するハディ政権と、イランが支援する反政府勢力、「フーシ派」との間で、内戦が5年以上続いています。ハディ政権では、協力関係にあった勢力が一時分裂していましたが、和解し、12月新しい内閣が発足したばかりで、政府は閣僚をねらった攻撃とみて警戒を強めています。
  爆発が起きた中東イエメンのアデンの空港には当時、閣僚の到着を取材するため、多くの報道陣が居合わせていました。このうち、中東のテレビ局アルアラビアの映像では、到着した飛行機のタラップから乗客が降りるなか、突然、大きな音が鳴り響き、集まった人たちが逃げ惑う様子を伝えています。
  また、AFP通信は最初の爆発のあとに起きたとみられる別の爆発の瞬間を捉えています。映像では、空港の建物から黒い煙があがる中、敷地内に何かが飛来し、着地したのと同時にドーンという大きな爆発音が響き渡り、周辺に炎と煙が上がる様子が確認できます。


2020.12.19-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/politics/news/201219/plt2012190006-n1.html
中国海軍、瀬取り監視を牽制 増強裏付け、包囲網に警戒

  北朝鮮による洋上での違法な物資の移し替え「瀬取り」への対策として日米両国などが東シナ海で実施する警戒監視活動に対し、中国軍艦艇が牽制する動きを強めていることが19日、分かった。自衛隊や米軍の艦艇それぞれに1隻ずつ張り付け、追尾する活動が常態化しているという。これとは別に展開する艦艇を加えれば、多いときで中国艦10隻以上が東シナ海を航行しており、中国海軍の増強を裏付ける形となっている。

  複数の政府関係者が明らかにした。自衛隊と米軍の艦艇それぞれ2隻、オーストラリア軍や英軍などが瀬取り監視に参加した際の1隻を加えた計5隻が監視活動を行う場合、中国艦がそれぞれに一定の距離を取って航行。最近では平成25年11月に中国が一方的に設定した防空識別圏の海域に日米艦などが入れば、ほぼ同時に中国艦が現れて追尾を開始するという。
  国連安全保障理事会で北朝鮮への制裁決議の履行状況を監視する専門家パネルは今年3月、中国の「はしけ船」が瀬取りに関与した事例や、北朝鮮の石炭が中国の港に搬送された事例を報告している。中国艦が瀬取り監視を牽制(けんせい)しているのは、中国の船などに生じる不測の事態に備える一方、日米を中心とした中国包囲網の形成を牽制する思惑もあるとみられる。
  中国艦は東シナ海で、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺に2隻が常時展開して不測の事態に備えているほか、独自の活動をしている米艦を追尾。これに演習などで航行する艦艇を加えれば、最大10隻以上の中国艦が東シナ海に展開している。米国防総省は中国軍の保有艦艇が世界最大の約350隻に達したと分析しており、瀬取り監視への牽制を含む活発な活動は中国海軍の増強を裏付けている。
  瀬取り監視は日米両国のほか、韓国、オーストラリア、英国、フランス、カナダ、ニュージーランドが参加している。米海軍第7艦隊の旗艦ブルーリッジに「執行調整所(ECC)」が設置され、各国軍の艦艇や哨戒機、衛星が集めた情報の共有や活動調整を行っている。

  瀬取り 違法物資を船から船に移し替えて行う密輸。北朝鮮は核・ミサイル開発への制裁措置として国連安全保障理事会決議で禁止された石油の輸入や石炭の輸出を瀬取りで行っている。安保理は平成29年9月に瀬取り自体も禁止する決議を採択。日米韓など43カ国が7月に安保理委員会に提出した文書は、1~5月の北朝鮮による瀬取りは計56回で、輸入量は160万バレル以上としている。


2020.12.15-JIJI.COM-https://www.jiji.com/jc/article?k=20201215040947a&g=afp
パラオ、違法操業の中国漁船拿捕 乗組員はコロナ対策で14日間隔離

  【コロールAFP=時事】太平洋の小国、パラオの海上保安当局(DMLE)は14日、違法操業をしていた中国漁船を拿捕(だほ)し、乗組員28人を拘束したと明らかにした。パラオは台湾と外交関係があり、外交問題に発展する可能性がある。
  DMLEによると、漁船はパラオ海域内のヘレン環礁で操業中に同国の巡視船により拿捕され、主島のコロールに誘導された。
  DMLEのビクター・レメンゲサウ局長は、船から推定225キロのナマコを発見したと述べている。乗組員らは中国南部・海南省から来たと思われる。
  また、中国人乗組員と巡視船の乗組員19人は、新型コロナウイルス対策としてパラオ国内で14日間の隔離措置が取られているという。パラオは世界でも数少ない、新型コロナの感染が確認されていない国の一つ。
  パラオのトミー・レメンゲサウ大統領の兄弟である同氏は、中国人乗組員らを訴追するかどうかは決まっていないと話した。
  パラオは長年、海洋保全の先駆者的存在とされており、パラオ海域内での外国商業漁船の操業を禁止している。
  台湾と外交関係のある国は世界で15か国、太平洋地域では4か国しかなく、人口約1万8000人のパラオはその一つとなっている。台湾を自国の領土とみなす中国は以前から、パラオが台湾と国交を結んでいることに不快感を示している他、2018年には非公式にパラオ観光のボイコットを呼びかけた。
  【翻訳編集AFPBBNews】〔AFP=時事〕


2020.12.04-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/201204/wor2012040022-n2.html
モルドバ「ロシア離れ」鮮明 次期大統領、露軍の撤退要求
(1)
  旧ソ連圏では近年、ロシアの影響力低下が指摘されている。中央アジアでは中国の存在感が強まり、南カフカス地方でもトルコが勢力を拡大。一方のロシアは14年にウクライナに軍事介入し、同国とは事実上の断交状態が続く。大統領選の不正をめぐって混乱するベラルーシでは、ルカシェンコ大統領を支援するロシアへの反感が強まっている。
  ロシアはこれ以上の「勢力圏」の縮小を食い止めるためにもモルドバの欧米接近を阻止したい考えで、今後、モルドバに対する政治的・経済的圧力を強化する可能性がある。
  ドニエストル川東岸の「沿ドニエストル」ではソ連末期の1990年、ロシア系住民がモルドバからの分離独立を宣言し、モルドバ中央との紛争に発展した。92年に停戦が成立したが、ロシア系住民の実効支配が続き、分離独立派を支援したロシアの駐留軍も維持されている。
旧ソ連「未承認国家」多く 紛争再燃の危険はらむ
  旧ソ連圏には、モルドバの「沿ドニエストル」以外にも、各国政府の施政権が及ばず、一方的に独立を宣言した「未承認国家」が存在する。過去に中央政府との紛争を経ており、軍事衝突が再燃する危険をはらんでいる。アゼルバイジャン西部のナゴルノカラバフ自治州をめぐる紛争が9月に起き、11月の停戦までに5千人以上の死者を出したのが一例だ。
  ナゴルノカラバフではソ連末期の1980年代後半、多数派のアルメニア系住民がアルメニアへの帰属替えを要求し、アゼルバイジャンとの紛争になった。ロシアは91年に「共和国」樹立を宣言したアルメニア側を支援し、94年に停戦。しかし対立は続き、今年9月に紛争が再燃した。
  ジョージア(グルジア)の南オセチア自治州とアブハジア自治共和国はそれぞれ90年代前半にジョージア中央と戦火を交え、独立を宣言した。両地域はロシアの庇護を得る形で事実上の独立状態を享受。2008年のロシアとジョージアの軍事衝突後、ロシアは両地域の独立を承認した。
  ウクライナでは14年、東部ドネツク、ルガンスク両州の親露派武装勢力が「人民共和国」樹立を宣言し、ウクライナ軍との大規模戦闘になった。親露派はロシアの軍事支援を受けて現地の実効支配を続ける。
  ロシアにはジョージアやウクライナの分離派地域を支援することで、両国の北大西洋条約機構(NATO)加盟を阻止する狙いもある。(モスクワ 小野田雄一)
(2)
  旧ソ連圏では近年、ロシアの影響力低下が指摘されている。中央アジアでは中国の存在感が強まり、南カフカス地方でもトルコが勢力を拡大。一方のロシアは14年にウクライナに軍事介入し、同国とは事実上の断交状態が続く。大統領選の不正をめぐって混乱するベラルーシでは、ルカシェンコ大統領を支援するロシアへの反感が強まっている。
  ロシアはこれ以上の「勢力圏」の縮小を食い止めるためにもモルドバの欧米接近を阻止したい考えで、今後、モルドバに対する政治的・経済的圧力を強化する可能性がある。
  ドニエストル川東岸の「沿ドニエストル」ではソ連末期の1990年、ロシア系住民がモルドバからの分離独立を宣言し、モルドバ中央との紛争に発展した。92年に停戦が成立したが、ロシア系住民の実効支配が続き、分離独立派を支援したロシアの駐留軍も維持されている。
旧ソ連「未承認国家」多く 紛争再燃の危険はらむ
   旧ソ連圏には、モルドバの「沿ドニエストル」以外にも、各国政府の施政権が及ばず、一方的に独立を宣言した「未承認国家」が存在する。過去に中央政府との紛争を経ており、軍事衝突が再燃する危険をはらんでいる。アゼルバイジャン西部のナゴルノカラバフ自治州をめぐる紛争が9月に起き、11月の停戦までに5千人以上の死者を出したのが一例だ。
  ナゴルノカラバフではソ連末期の1980年代後半、多数派のアルメニア系住民がアルメニアへの帰属替えを要求し、アゼルバイジャンとの紛争になった。ロシアは91年に「共和国」樹立を宣言したアルメニア側を支援し、94年に停戦。しかし対立は続き、今年9月に紛争が再燃した。
  ジョージア(グルジア)の南オセチア自治州とアブハジア自治共和国はそれぞれ90年代前半にジョージア中央と戦火を交え、独立を宣言した。両地域はロシアの庇護を得る形で事実上の独立状態を享受。2008年のロシアとジョージアの軍事衝突後、ロシアは両地域の独立を承認した。
  ウクライナでは14年、東部ドネツク、ルガンスク両州の親露派武装勢力が「人民共和国」樹立を宣言し、ウクライナ軍との大規模戦闘になった。親露派はロシアの軍事支援を受けて現地の実効支配を続ける。
  ロシアにはジョージアやウクライナの分離派地域を支援することで、両国の北大西洋条約機構(NATO)加盟を阻止する狙いもある。(モスクワ 小野田雄一)


2020.11.30-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/201130/wor2011300007-n1.html
エチオピア首相、作戦終了と発表 強権的手法に平和賞授賞「早すぎた」

  【カイロ=佐藤貴生】エチオピアのアビー首相は11月28日、北部ティグレ州を支配するティグレ人民解放戦線(TPLF)との軍事衝突で、連邦政府軍が同州の州都メケレを制圧し、軍事作戦は終了したと述べた。同月4日に始まった戦闘では数千人が死亡、4万4千人が隣国スーダンに脱出したとされる。
  アビー氏は隣国エリトリアとの紛争を解決したとして2019年のノーベル平和賞を受賞。女性閣僚の登用や政治犯の大量釈放なども進め、「改革の旗手」として国際社会の注目を集めた。しかし、TPLFとの衝突ではアフリカ連合(AU)の調停を「内政干渉だ」として拒否し、多大な犠牲も省みず戦闘を強行した姿勢に識者からは批判の声も上がっている。
  メケレに入った連邦軍は11月29日、TPLFの残存勢力の捜索を進めた。連邦政府の報道官は「メケレ州には非常事態宣言が出ており、メディアの立ち入りは認めない」と述べた。政府は同州の通信回線を遮断、詳しい情勢が確認できない事態が続いている。
  TPLFのトップはロイター通信に、メケレ周辺からは撤退したと述べる一方、「自決権を守る」として戦闘を継続する意向を示した。投降を拒んだ勢力が地下に潜り、ゲリラ戦術に転換するとの見方もある。
  TPLFの主体である少数民族ティグレは全人口の5%に過ぎない半面、強力な軍事組織を有しており、1991年には政府との戦闘をへて首都アディスアベバを占拠。以来、他の小規模な政治勢力を束ねて与党連合を主導、中央政界を牽引(けんいん)してきた。
  その体制を揺るがせたのが、国内最大民族オロモの出身で2018年に首相に就任したアビー氏だ。エリトリアとの紛争解決後の昨年暮れ、民族色の濃い与党連合を単一の挙国一致政党にまとめる再編を進めた。これに反発したTPLFは参加を拒否し、アビー氏は同組織の幹部らを政界から排除してきたとされる。


2020.11.29-WEDGE Infinity-https://wedge.ismedia.jp/articles/-/21489
トランプ退場前に強行した“共同作戦”モサドか、イラン核科学者の暗殺
(1)
  イランの国営メディアによると、同国の核開発計画で中心的な役割を担ってきた著名な科学者モフセン・ファクリザデ氏11月27日、暗殺された。米ニューヨーク・タイムズは当局者の発言として「イスラエルの介在」を伝えており、情報機関モサドの関与説が出ている。トランプ米大統領の退場前に強行した作戦だった可能性が強い。イランの報復説が飛び交い、中東は緊張している。

2人の国家的英雄の死
  事件はテヘラン東方約60キロの町アサードの3車線道路で起きた。ファクリザデ氏の乗った車が別の車に乗った5、6人から銃撃され、直後に近くに止めてあった「ニッサン」トラックが爆発した。同氏はヘリで病院に運ばれたが、死亡が確認された。ボディーガードも負傷した。犯行のもようから、周到に準備された組織的な暗殺作戦だった。

  イランのザリフ外相は宿敵イスラエルの関与を示す「重大な形跡」があるとしてモサドの作戦だったことを示唆、バゲリ軍参謀総長は「必ず暗殺者を追い詰め、報復する」と言明した。イランが今回の暗殺に衝撃を受けているのは1年もたたないうちに「国家的英雄」2人を暗殺で失うことになったからだ。
  2人はファクリザデ氏と革命防衛隊コッズ部隊のソレイマニ司令官だ。同司令官は1月3日イラクで、米ドローン攻撃により暗殺された。2人とも軍人と科学者という立場は異なるが、米国やイスラエルと一歩も引かずに渡り合う誇り高きペルシャ人として国民の人気を集めていた。
  ファクリザデ氏は長い間、モサドや米中央情報局(CIA)などにとって、暗殺の標的ナンバー・ワンとして知られてきた。しかし、同氏の経歴などについては謎に包まれた部分が多い。イスラエルや米メディアによると、同氏はイラン革命の直後に革命防衛隊に入り、その後核開発の道に転じた。国際原子力機関(IAEA)が同国の核開発の実態を調査するため同氏との面談を申し込んでも、イラン側は同氏がテヘランのイマーム・フセイン大学で教鞭を執っているとして事実上拒否してきた。CIAは2007年、教授という肩書は隠れ蓑と断定している。

  イランは公式には2003年、核開発を放棄したと発表したが、その裏では、ファクリザデ氏が中心になって開発を継続してきたとの見方が強い。イスラエルは同氏が弾道ミサイルに搭載するための核弾頭の小型化に取り組んできたとの疑いを持っており、ネタニヤフ同国首相は同氏が1998年以来、核開発計画のリーダーとして留まり、最近ではイラン国防省内に設けられた秘密組織内で活動を続けている、と主張していた。
  これまでに報じられたところによると、モサドは2010年から同12年まで、イランの核科学者4人を爆弾などで暗殺した。イランでは7月、核開発の中枢である中部ナタンズの核施設が爆破されたのをはじめ、全国で発電所などに対する放火事件が相次いだ。8月には同国内に潜伏していた国際テロ組織アルカイダのナンバー2の暗殺事件も発生。筆者はモサドの破壊工作が活発化しているとして11月18日付『核合意への復帰阻止が狙い、イラン攻撃案でトランプ氏』の中で「不穏な空気が漂っている」と書いたばかりだった。
(2)
バイデン氏への不信感を象徴
  今回の暗殺事件がモサドによる作戦であるとすれば、今なぜ強行する必要があったのだろうか。その理由は大きく言って2つある。1つはイランの低濃縮ウラン貯蔵量が現在、イラン核合意で定められた上限を大幅に超えているという危機感がイスラエルにあるからだ。
  合意で決められた貯蔵量の上限は300キロだが、IAEAによると、今はその8倍、2.4トン以上に達している。これは核爆弾2個分に相当する貯蔵量だ。イランは最高指導者のハメネイ師が核兵器を製造しないと明言しているが、仮に爆弾を製造する気になれば、4、5カ月で完成させることができると見られている。今月には濃縮に使う最新型の遠心分離機の稼働も発表している。
  もう1つは米国でトランプ政権が退場し、バイデン新政権が誕生することが決定的になったためだろう。バイデン次期大統領は条件付きながら、イラン核合意への復帰に前向きだ。イスラエルとしては、米国が復帰する前にイランの核開発の中心人物を抹殺し、禍根を絶っておきたいという狙いがあったのではないか。トランプ氏の在任中であれば、作戦を実行しても米国からの支持を得られるとの思惑がある。裏を返せば、バイデン氏に対する不信感を象徴する作戦だったとも言える。
  ベイルートの消息筋は「イスラエルによる今回の作戦はトランプ政権との事実上の“共同作戦”だったのではないか」と指摘、トランプ氏が事前に知らされていたばかりか、積極的に関与していたのではないかとの見方を示している。ポンペオ国務長官が最近、イスラエルに3日間も滞在した際、イランの核開発についてイスラエル側と突っ込んだやり取りをしたのは確実で、暗殺作戦を全く知らなかったというのはむしろ合理的ではないだろう。
  トランプ氏自身、11月12日のホワイトハウスでの安全保障チームによる会議で、イランの核施設を攻撃する具体的選択肢を提示するよう要求するなど、イランに対して最後の一撃を加えたい思惑があったのは明らかだ。この背景には自分が政権を去った後、バイデン政権とイランとの関係改善を邪魔したいという考えもあったかもしれない。

  問題はイランが報復に出るのかどうかだ。イランの対米戦略はここ半年、トランプ氏の退場をじっと待ち、少々の挑発には乗らないというものだった。ソレイマニ司令官暗殺の場合、米国が殺害を正式に発表したため、報復せざるを得なかったし、実際に弾道ミサイルをイラクの米軍基地に撃ち込んだ。
  しかし、今回の場合、公式には誰が実行したのかは不明である。今後、イスラエルや米国が暗殺を認めるような展開にもなるまい。つまりはイラン側にも表面上、誰に報復すればいいのか分からず、「報復しない理由」がある。国民にもなんとか説明が付くことを考えると、直接的な軍事行動は控え、トランプ氏の退場をじっと待つという選択肢を採用する可能性が高いのではないか。


2020.11.26-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/201126/wor2011260038-n1.html
コロナで脚光「教育のデジタル化」 IT立国エストニア快走 米中韓は課題も
(1)
  新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、オンライン授業をはじめとする学校教育のデジタル化に改めて脚光が当たっている。「IT立国」を国策に掲げてきた旧ソ連の小国エストニアは、教育分野でもデジタル基盤の強さが光る。米国や中国、韓国もコロナ禍を機にデジタル化を加速させたが、課題はなお多い。

エストニア 長年の投資が実る
   エストニアではコロナの「第1波」に見舞われた3月から5月の約2カ月間学校の授業が全面的にオンラインに切り替えられた。一部地域では今月30日から再び遠隔授業が導入される。同国は3月のオンライン授業への移行時、混乱や問題がほとんど起きなかった成功例として知られる。
   「エストニアはコロナ禍のために特別に準備したわけではない。長年にわたってデジタルのインフラや教材、人材に投資してきたことがスムーズな遠隔授業への移行につながった」。エストニア教育科学省のステン・オツマー広報部参事官はこう説明する。
   同国ではすでに全科目の教科書がデジタル化されている。児童・生徒が課題を提出したり、教員と保護者が子供の評価や理解度を共有したりするオンラインのプラットフォームもあり、コロナ禍以前から存分に活用されていた。教員や児童・生徒のITスキルが高く、学校に教育のデジタル化を補助する技術者が配置されていることも、遠隔授業の導入に役立った。
   エストニアは1991年にソ連から独立後、ほどなくして「IT立国」を国策に掲げた。ITによってソ連時代の非効率を脱却し、経済を飛躍させる-。当時の政権は小国が生き延びる鍵をここに見いだした。

2002年には15歳以上の国民全員に電子IDカードが導入された。これでインターネットにアクセスすれば、会社の登記や納税を含む99%の行政手続きがオンラインで可能だ。IDカードは銀行決済やオンライン投票などにも使われる。
   教育のデジタル化やデジタル人材の育成は「IT立国」の中核と位置づけられ、官民挙げての取り組みが続けられてきた。このことは学力向上という成果ももたらしている。
   エストニアは2018年、世界79カ国・地域の15歳を対象とした国際学習到達度調査(PISA)で欧州1位に躍進し、注目された。前出のオツマー氏は、デジタル化で「教育格差を減らせたことが何より重要だった」と語る。子供はオンラインで必要な教材を自由に入手できるようになり、保護者の経済力や居住場所の差は以前ほどの意味を失ったという。
   エストニアは人口約130万人と国の規模が小さく、あらゆる取り組みにスピード感を持たせられる。必ずしも他国と同様の条件ではないが、先見の明が実を結んでいるのは確かだ。(モスクワ 小野田雄一)
(2)
米国 影を落とす貧富の格差問題
  新型コロナの「第3波」に見舞われている米国では、再度の学校閉鎖に踏み切る自治体が増えている。全米最多の約110万人の児童・生徒が通うニューヨーク市の公立学校は19日からオンライン授業に完全移行した。同市では9月下旬、約半年ぶりに対面授業を再開したが、ウイルス検査の陽性率が3%に達したことで市は再閉鎖に踏み切った。
  米国ではコロナ禍以前にも、学校に通えない子供たちの支援目的などでオンライン学習を取り入れてきた州がある。南部フロリダ州は1997年に義務教育をオンライン上で受けられる「バーチャル学校」を開始した。コロナ禍で同校には再び注目が集まり、全授業を同校で受ける生徒数は昨年の2倍となった。
  また、ニューヨーク市の教育水準の高い学区ではコロナ禍以前から、課題提出などにオンラインの学習管理サービスを利用していた。こうした素地があった同市は比較的円滑にオンライン授業に移行できた。
  一方、米国でも貧富の格差がオンライン学習に影を落とす。今月発表された米シンクタンク「ランド研究所」の調査によると、最も貧困率が高い学区では約20%の生徒が自宅でインターネットに接続できない状態だという。学校閉鎖により、親が自宅で子供の世話をせねばならなくなる家庭も多い。在宅勤務が不可能な職種に就く低所得者層には「親の就労機会がなくなる」との懸念が強い。(ニューヨーク 上塚真由)
中国 「学習止めぬ」と号令も見切り発車
  中国で新型コロナの感染拡大が深刻化したのは、1月下旬に始まった春節(旧正月)の休暇期間中だった。小中学校は感染対策のため授業の再開予定を遅らせ、教育省は1月末に「授業が停止しても学習は止めない」との方針を表明。インターネットを使い子供が学習を続けられるよう各地の教育当局に指示し、各地の小中学校でオンライン授業が導入された。
  自宅でスマートフォンやパソコンなどを使い授業を受け、体育など実技の授業も行われた。オンライン授業は学校の教員によるもののほか、国が準備した動画も活用。小学3年の子供を持つ北京市内の40代の男性は「授業に必要なアプリのダウンロード方法など細かい説明はなく、デジタルに慣れていない人は大変だったかもしれない」と話す。
  非常時とはいえ「見切り発車」だったことは否定できない。中国メディアによると、チベット自治区では往復6時間をかけてネット環境が整っている場所に通い授業を受けたケースもあった。中国インターネット情報センターによると、中国のネット利用者は3月時点で9億400万人でネット普及率は64・5%。オンライン授業を受けられる環境にない家庭も多い。

  夏頃までには小中学校の登校が再開され、現在は通常の授業態勢に戻っている。それでも民間のオンライン教育サービスの利用拡大が伝えられ、当局はコロナ禍で得た知見を今後の教育政策に反映させるとの見方が出ている。(北京 三塚聖平)
(3)
韓国 塾でオンライン授業を受ける矛盾
  「IT先進国」を自任する韓国もコロナ禍を受けてオンライン授業を積極的に活用しているが、家庭の経済水準によって授業への適応力に格差が生じ、社会問題となっている。
  それぞれの家でオンライン授業に参加しているはずの生徒が、実は学習塾の同じ部屋の中にいる-。こんな珍妙な光景が広がるのは、教育水準が高いことで有名なソウル・江南(カンナム)の大峙洞(テチドン)地区だ。塾では講師がオンライン授業の内容を補完的に説明し、生徒一人一人に試験対策を施す。
  韓国では4月以降、小中高の児童・生徒約540万人を対象に、オンライン授業を導入した。低所得層の家庭にはタブレット端末を貸与するなど、公平な教育環境の確保に努めている。
  しかし、皮肉にも学習塾など対面授業を行う「校外学習」への需要が増加する現象が起きた。オンライン授業では対面に比べて教師の目が行き届かず、児童・生徒らの理解度に難が出ることが背景にある。
  「校外学習」に子供を通わせられるかどうかは家庭の財力と関係する。2万人以上を対象にした調査によると、経済水準が上位圏の家庭では子供のオンライン授業の理解度が82・9%だったのに対し、下位圏では54・0%にとどまった。
  大統領直属の諮問委員会「国民教育会議」が今月10日に公表した調査結果では「オンライン授業の拡大が続けば教育格差は広がる」と回答した教師が92・2%に達した。(時吉達也)


2020.11.14-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/201114/wor2011140013-n1.html
大和堆中国漁船に対応後手の海保・水産庁 専門家「赤サンゴ方式活用を」

  中国漁船が大挙して密漁を続ける大和堆だが、日本政府の対応は後手に回っている。専門家は、平成26年ごろに横行した中国漁船による赤サンゴ密漁問題での海上保安庁による厳格な取り締まりや、中国側の取り締まりなどの対策を参考にすべきだと指摘する。
  水産庁関係者によると、大和堆周辺で水産庁や海上保安庁は、退去警告に応じない漁船に対して放水をしている。漁船が干しているイカに水が当たればイカが腐るためだ。だが、現在は「船が多すぎて退去させきれていない状態」(水産庁関係者)だという。

   9月末~10月末は北朝鮮の公船が大和堆周辺に出没したことを受け、政府は日本漁船側に自粛を要請したが、その間も中国漁船は違法操業を続けていたこともあり、地元漁協から大反発を招いた。
   石川県漁業協同組合小木支所によると、自粛が解除されて以降も、大和堆周辺には大型船2隻の間に網をつなぎ、魚種を選ばずに海中の漁業資源を獲る「二艘曳」の中国籍とみられる漁船が50隻以上確認され、日本漁船が安全に操業できる状況ではないという。
   専門家が「モデルにすべきだ」と主張するのが、26~27年に小笠原諸島(東京都)で横行した中国漁船による赤サンゴの密漁対策だ。
   海保は法改正で密漁の罰金を引き上げるとともに船長の逮捕など取り締まりを強化。環境破壊を懸念する国際圧力も背景に、中国へ取り締まりの働きかけを強めたことも奏功した。
   海上保安行政に詳しい明治学院大の鶴田順准教授(国際法)によると、小笠原で赤サンゴ密漁を行う中国漁船の視認隻数などの情報を日中両国で共有し、中国側が取り締まりを強化したことなどから、違法操業は激減したという。


2020.11.03-NHK NEWS WEB -https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201103/k10012693851000.html
ウィーン中心部で銃撃 4人が死亡 IS信奉者のテロとみて捜査

  オーストリアの首都ウィーンの中心部で銃撃があり、4人が死亡しました。
  オーストリアの内相は容疑者は過激派組織IS=イスラミックステートの信奉者とみて捜査していることを明らかにしたうえで、今も逃走している容疑者がいるとして市民に警戒を呼びかけています。
  オーストリアの首都ウィーン中心部のレストランなどが集まる繁華街の6か所で現地時間の2日午後8時ごろ、日本時間の3日午前4時ごろ銃撃が起き、内務省や警察によりますと、これまでに男女合わせて4人が死亡したほか、警察官を含む17人がけがをしたということです。
  ネーハマー内相は3日朝、記者会見を行い、容疑者の1人は警察官によって射殺されたものの、少なくとも容疑者1人がまだ逃走しているとして市民に警戒を呼びかけています。
  そして「容疑者は、ISの信奉者だ」と述べ、死亡した容疑者の自宅を捜索した結果、ISの信奉者によるテロとみて捜査していることを明らかにしました。
  また、死亡した容疑者はライフルや銃などを装備していたとしています。

  現場はウィーンを代表する観光地、シュテファン大聖堂から500メートルほど離れた場所で、事件から一夜明けた3日の朝、ウィーンの中心部は人影は少なく多くの警察官やパトカーが配置されていました。
  最初の銃撃があったとみられる現場の近くに住むユダヤ教の聖職者はNHKの取材に対し「男がライフルでバーにいた客に向けて次々に撃つ様子を目撃した。人々はパニックになって逃げ、バーの中に逃げ込んだが男は中まで追いかけてきた。銃声は15分ほど聞こえたと思う。人々を無差別に撃っていた。まるで戦闘員のようだった」と当時の緊迫した様子を証言しました。
  現地の日本大使館によりますと、今のところこの銃撃で日本人がけがをしたという情報は入っていないということです。
目撃者「無差別に撃っていた」
  首都ウィーン中心部の最初の銃撃があったとみられる現場近くに住むユダヤ教の聖職者は、NHKの取材に対し、「男がライフルでバーにいた客に向けて次々に撃つ様子を目撃した。人々はパニックになって逃げ、バーの中に逃げ込んだが、男は中まで追いかけてきた。銃声は15分ほど聞こえたと思う。人々を無差別に撃っていた。まるで戦闘員のようだった」と当時の緊迫した様子を証言しました。
  また、現場近くで働く別の男性は、「当時、会社にいたが、銃声が聞こえた。その後、多くの警察官が周辺にやってきた。オーストリアに住んで40年以上たつが、こんな恐ろしい経験は初めてだ。すでに新型コロナウイルスの問題を抱えている中、今度はこんなことが起きてしまった。今こそわれわれは結束しなければならない」と話していました。
  別の女性は、「まだ怖いです。ウィーンは安全な場所なのでこんなことが起きるなんていまも信じられないです」と話していました。
  オーストリアでは新型コロナウイルスの感染が再び拡大していることから、3日から夜間の外出禁止や、飲食店の店内の営業禁止などの外出制限が実施されることになっていて、銃撃があった2日夜ウィーンではそれを前に飲食店などで食事を楽しむ人の姿が見られていました。


2020.10.17-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201017/k10012668831000.html
ニュージーランド議会選挙 与党・労働党が単独過半数を獲得

  ニュージーランドの議会選挙が17日に行われ、新型コロナウイルスへの対応などで評価されたアーダーン首相率いる与党・労働党が単独で過半数を獲得し、2期目の政権運営に入ることになりました。
  任期満了にともなうニュージーランドの議会選挙は、新型コロナウイルスの影響でおよそ1か月延期され、17日に投票が行われました。
  選挙管理委員会によりますと、開票作業はほぼ終了し、後日開票される在外投票などを除いた集計で、120の議席のうち、アーダーン首相率いる与党・労働党は64議席、最大野党・国民党は35議席を獲得する見通しとなりました。
  前回、3年前の選挙で少数政党と連立を組んで9年ぶりに政権交代を果たした労働党は今回、大幅に議席を伸ばし、単独で過半数を獲得しました。
  2期目の政権運営に入ることになったアーダーン首相は支持者の前で演説し「次の3年間、やるべきことがたくさんある。新型ウイルスの危機からよりよく、より強く立て直す」と述べ、新型ウイルスの影響で打撃を受けた経済の回復に向け、雇用の創出や貧困問題の解決に全力を尽くすと強調しました。
  アーダーン首相は、感染拡大の防止に向け早い段階で入国規制を強化し、国内でも厳しい外出制限を導入したことなどから、感染の抑え込みに一定の成果をあげたと評価され、支持率の上昇につながりました。


2020.10.8-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/486abbafb144a0348d3987d3790d530f58ea7138
モーリシャス「にぎわい戻って」 在住邦人切なる願い

  「事故により海が汚染されたイメージが広がり、観光客が戻らないことが心配」。アフリカ南部の島国、モーリシャス沖で7月に起きた日本の貨物船「わかしお」の座礁事故。海に流出した油はほぼ回収されたが、油が付着したマングローブ林などで長期的な影響についてモーリシャス政府による調査が続いている。長年現地の観光業に従事してきた日本人女性が産経新聞の電話取材に応じ、風評被害への懸念を語った。(石川有紀)

  モーリシャスは東京都ほどの大きさの火山島。欧州の観光客に「インド洋の貴婦人」と呼ばれる高級リゾートとして知られる。しかし、3月から新型コロナウイルスの防疫のため国境を封鎖。10月からは一部の国との往来を再開したが、観光に携わる多くの住民が経済的打撃を受けている。こうした中、7月25日(日本時間26日)に貨物船が座礁。8月6日に船体の亀裂から重油約千トンが流出した。
   現地のホテルグループ社員で、19年前に移住した村野アナンディー百合さん(46)=東京都出身=は、SNS(会員制交流サイト)で拡散された画像で島南東部の堤防に、黒い油が流れ着いていることを知った。現場は湿地の保全を定めるラムサール条約で指定された「ブルーベイ海洋公園」付近。翌日から地元住民や企業が集まり、油を吸着するというサトウキビや髪の毛でオイルフェンスを作り、設置していた。
   「船主が日本企業と知り、日本人の自分にも責任があるような、やり場のない憤りと悲しさでいっぱいになった」  自分も髪を切ってオイルフェンス作りに提供し、ボランティア活動にも参加した。フランス系やインド系など多くの移民が暮らすモーリシャスで、日本人だからと責められることはなく、むしろ「髪まで切らなくても」といたわってくれた人もいた。「海を守ろうという気持ちは皆同じだった」と振り返る。
   8月半ばには油除去のボランティアが終了。現在は船の保険によって派遣された清掃会社が島に点在するマングローブ林や岩、砂などに付着した油を洗い流して回収している。
   「日本の専門家も国際支援チームの一員として力を尽くしている。日本人も、観光に訪れ、復興の力になってくれたら」。島に暮らす日本人の一人としての切実な願いだ。

  モーリシャス沖での重油流出事故では、日本政府は国際緊急援助隊として専門家や環境省職員を8月10日~9月18日に計3回派遣。サンゴ礁やマングローブ林、鳥類への影響を調査した。今後、長期的なモニタリング体制の構築など、支援策を具体化する。
   環境省によると、9月の調査時点でサンゴへの油付着は確認されなかったが、船の座礁現場と油回収のためのロープ設置場所でサンゴの一部が破損していた。この破片による海水のにごりでサンゴに日光が当たらなくなる懸念があるため、長期的なモニタリング実施が必要という。
   一方、島に点在するマングローブ林16カ所の視察では、うち2カ所で根に油が付着していたことを確認。10カ所は潮の満ち引きで油が洗い流され、残り4カ所は油は漂着していなかった。いずれも枯れるなどの影響は出ていないが、周辺の土壌のサンプリングとモニタリングの実施をモーリシャス政府に助言した。
   9月には、茂木敏充外相とモーリシャスのジャグナット首相が電話会談事故の再発防止に向けた海上航行安全システムの導入や打撃を受けた零細漁業者への資機材の提供、環境回復のための専門家派遣などの支援を約束した。


2020.10.7-Exciteニュース-https://www.excite.co.jp/news/article/EpochTimes_63080/
カンボジア、米支援の海軍基地を解体 中国軍利用の疑惑 米は説明求める
(1)
  カンボジア南西部にある米国とオーストラリアが支援したリアム海軍基地が「解体」されているとの一部メディアの報道を受けて、カンボジア政府は10月5日、解体ではなく移設工事であると発表した。報道は、中国による軍基地利用が背景にあるとの疑惑を伝え、米国務省が関連する中国企業に制裁を科すという。
  カンボジアの国家海上安全委員会は、工事は2017年末より前から決定していた戦略指揮本部の移設計画の一つであるとした。この機関は、米国とオーストラリアの協力で進められている「多機関の法執行を担当する業務部門」だという。
  カンボジア当局の説明は、一部メディアで報じられた中国軍による港湾利用の懸念に答えるものだ。米シンクタンク・戦略国際問題研究所(CSIS)は10月1日、衛星画像の分析として、カンボジア政府がシアヌークビル州にあるリアム海軍基地の施設を解体したと伝えた。解体工事は9月5~10日ごろ行われたと推測している。
  しかし、この取り壊しについて、米国は説明を受けていないという。米国防総省は声明で、カンボジアに解体工事についての詳細な説明を求めており「私たちは、中国の軍事資産と人員をリアム海軍基地に投入するというカンボジア政府の計画に結び付くのではないかと懸念している」と書いている。
  国防総省は2019年、リアム基地の修復工事を申し出たが、カンボジア当局はこれを説明なく拒否したという。
  ウォール・ストリート・ジャーナル紙は2019年7月22日、カンボジアと中国は、基地の新たなインフラ建設支援の見返りに、中国にリアム基地の使用許可を付与する秘密協定に調印したと報じた。協定の草案を見た米当局者の話として伝えている。報道によると、中国は30年間、軍隊、武器、船舶へのアクセスを許可し、その後、10年ごとに契約は自動更新されるという。
(2)
  西側諸国のアナリストは、中国がカンボジアの基地の使用権を得ることは、中国の戦略的軍事力を大幅に拡大し、インド太平洋地域のパワーバランスを変えるものだと見ている。
  ロサンゼルスの政治学者であるソーパール・イアー博士は、「なぜ中国はジャングルのど真ん中に滑走路を建設しているのか」とニューヨーク・タイムズ紙の取材に答えた。博士は、中国が地域全体に軍事力を投じることができるようになるため、「状況が一変する」と述べている。
  これらの報道に対してカンボジア当局は「悪意がある」「国内における中国政府の影響力に対する不安をあおるもの」として強く批判した。この懸念を払拭するために、当局は同月25日までに、政府主催でリアム基地のメディアツアーを催し、軍高官が海外メディアの駐在記者らを案内した。

  しかし、ジャーナリストが乗り込んだバスは、中国人民解放軍が寄贈したものだった。さらに、バスツアーのなかで、記者らはリアム基地周辺には中国資本のマンション建設計画や開発計画を示す広告掲示を撮影した。
  2019年7月、カンボジア政府主催のリアム基地視察ツアーに参加したジャーナリストは、中国語表記のあるマンション建設計画の広告ボードをカメラに収めた(GettyImages)
  リアム海軍基地から65キロ北西にあるダラサコルには、中国企業が大規模空港を建設中だ。工事が進む空港の3200メートルの滑走路は、エアバスA380などの超大型旅客機でも十分に離着陸できる長さだという。また、複数の報告によると、中国民間企業が空港について99年間の賃貸契約を結んだという。
(3)
  しかし、カンボジア当局は一連の中国傾斜と軍の利用についての疑惑を否定している。カンボジア国防省報道官Chhum Socheat氏は、2019年8月21日、ボイス・オブ・アメリカ(VOA)の単独取材に対して、カンボジア憲法第53条に基づき、国内基地に外国軍を置くことはないとした。さらに、中国軍に利用許可を与えることは「考えもしていない」と強調した。
  中国は、カンボジアのフン・セン首相にとって最も近い政治的同盟国であり、カンボジアへの多額の援助と投資を行っている。
  VOA記者が、中国からカンボジアへの投資や援助の大きさ、さらには政府的影響力を考えると、中国がこの海軍基地の利用を要求すれば「ノー」と言いがたいのではと聞いた。カンボジア国防省報道官は、「カンボジアは完全に独立した主権国家だ。私たちは誰にも支配されない。
投資と貿易、軍事の問題を分別しなければならない」と答えた

  カンボジアでは、中国国有の開発大手・天津優聯投資発展集団(優聯集団、ユニオン・グループ)が、38億ドル規模の賭博場などを含むリゾート開発計画・七星海休暇村プロジェクトを通じて、この地域の海岸線の多くを支配している。この開発計画は一帯一路の一部であり、軍用機も民間輸送にも使える滑走路のある空港が建設されるという。このため、中国は軍事施設建設を進めるのではないかとの憶測が強まった。
  米財務省は9月、優聯集団に対する制裁を発表した。ポンペオ米国務長官は同日の声明で、「信頼できる情報」に基づいて、七星海休暇村プロジェクトは「(中国の)軍事物資の貯蔵に用いられる可能性がある」との見方を示した。
  「もし事実であれば、これはカンボジアの憲法に違反し、インド太平洋地域の安定を脅かす恐れがある。カンボジアの主権と私たちの同盟国の安全にも影響を与える可能性がある」と付け加えた。


2020.10.6-Livedoor(産経新聞)-https://news.livedoor.com/article/detail/19014010/
キルギス抗議デモ、負傷者多数 現職大統領「権力奪取の試み」

  【モスクワ=小野田雄一】中央アジアの旧ソ連構成国、キルギスの首都ビシケクで5日起きた同国議会選の結果に抗議する野党側の大規模デモをめぐり、同国政府は6日、治安部隊とデモ隊双方で590人が負傷し、1人が死亡したと発表した。
  ジェエンベコフ大統領は同日、「(デモは)選挙結果を口実とした一部勢力による権力奪取の試みだ」と野党側を非難一方、混乱を受けて同国中央選管は、親政権派政党が圧勝したとしていた選挙結果の無効を宣言した。政権側によるデモ沈静化策とみられるが、野党側は新政権の樹立を呼びかけており、政権側と野党側でさらなる衝突が起きる可能性もある。
  イタル・タス通信によると、4日に行われた議会選(定数120)では、親政権派の2政党が90議席超を獲得するとの暫定結果が示された。これに対し、野党側は5日、票の買収などの不正があったとして抗議デモを呼びかけ、約6000人が参加した。
  デモ隊の一部は6日未明、政府庁舎や治安機関本部を占拠。ジェエンベコフ氏の政敵で、汚職の罪などで収監されていたアタムバエフ前大統領ら複数の元高官の身柄を解放した。
  キルギスは1991年に旧ソ連から独立した。歴代政権はおおむねロシアと良好な関係を保っているが、国内政治は不安定な状況が続いており、過去にも政変が相次いで大統領経験者2人が亡命している。


北朝鮮核問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


  北朝鮮核問題は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)による核兵器の開発および核拡散に関する問題。北朝鮮は核保有国であることを、金正恩は2016年時点において認めている。北朝鮮は1993年と2003年にNPT脱退を表明し、2006年、2009年、2013年、2016年1月、2016年9月2017年に核実験を実施した。また1998年のパキスタン核実験への関与疑惑、1993年以降の核弾頭運搬手段ともなりうるミサイル発射実験、第三国やテロリストへの核兵器技術移転の疑惑あるいは懸念も持たれている。北朝鮮は機関誌の労働新聞にて2018年2月23日に「私たちの共和国が核を放棄することを望むのは海の水が乾くのを待っているよりも愚かなこと」として核放棄を条件にするいかなる交渉の拒否を表明している。北朝鮮は世界の求める「北朝鮮の非核化」を相手にせず、アメリカによる韓国への核の傘撤回、最終的に在韓米軍の撤退を朝鮮半島の非核化と呼んで狙っている

背景
  北朝鮮は建国以来、核兵器に関して関心をもっていたとされる。当時の東側諸国の中で核開発能力を持っていたのはソ連、のちに中国が加わることになるが、共に原子力の平和利用を行う分には協力的だが、核武装の協力に関しては消極的であった。北朝鮮が本格的に核開発に取り組んだのは朝鮮戦争休戦後とされる。具体的には1956年3月と9月、旧ソ連との間に原子力開発に関する基本合意を行い、数人の科学者を旧ソ連のドゥブナ核研究所に派遣した。また、小規模の実験用原子炉であるIRT-2000研究用原子炉の供与を受け、寧辺に建設された。旧ソ連は、原子力の協力は平和利用に限定されるべきとの立場を崩さなかった。しかし北朝鮮はあくまで核兵器を持つことに執着し、1964年に原子爆弾を保有した中国に支援を要請したが、拒否されたとされる。

  この後も核開発計画は放棄されることはなく、東側諸国の政府関係者の証言および、1982年以降、アメリカの偵察衛星が撮影し続けた写真の分析から、寧辺に新たな原子炉が建設されていることが判明した。アメリカは当時のソビエト連邦に対して北朝鮮が核拡散防止条約に加盟するように働きかけた。結果として北朝鮮はNPTに加盟することになり国際原子力機関 (IAEA) の監視下に置かれたが、その後も核開発計画を進行させている疑惑がくすぶり続けた。そして1986年3月、寧辺を撮影した衛星写真が、幾つかの円筒状のクレーターを撮影するに至り、これは高性能爆発実験の痕跡と判明し、原爆開発の計画を進めているとされる証拠となった。その後、寧辺や泰川に大型黒鉛減速炉が建設されていく様子が偵察衛星から判明し、徐々に国際問題化していくことになった。

  北朝鮮は2003年1月にNPTから脱退を通告した。このため2014年時点では、核拡散防止条約 (NPT) から脱退したままとなっている。核拡散防止条約第十条に脱退条項が存在し、国際法上は通告から3ヶ月後に有効になると解されているため、国際法上は当条約上の拘束を受けない形となっているが、アメリカ合衆国は北朝鮮のNPT上の義務について判断しない立場をとっており、NPTの運用機関においても、議長が北朝鮮のネームプレートを「預かる」ことで北朝鮮の立場を曖昧にしておく異例の政治判断が採られている。
  このような国際社会の苦悩にもかかわらず、北朝鮮が核開発を継続する理由には、冷戦崩壊後も朝鮮戦争が「休戦」状態で継続している一方で中華人民共和国との軍事同盟は残るものの、旧ソ連の庇護は受けられなくなることを背景に、アメリカ合衆国から核抑止力を以って「体制保証」を得ること、いわゆる瀬戸際外交による外交上の交渉カード、海外への技術移転による外貨獲得、国際的および国内的な国威発揚、先軍政治による軍の威光や成果の優先、などが指摘されている。
概略
  北朝鮮は2003年1月10日、アメリカ合衆国の軍事的脅威を理由に挙げ、核拡散防止条約第十条を根拠にNPTからの脱退を通告した。そして2005年2月10日、公式に核兵器の保有宣言を行い、2006年10月9日に地下核実験を行ったことから当条約上で定義された「核兵器国」以外の事実上の核保有国となった。
  リトルボーイ広島に投下)やファットマン長崎に投下)など開発初期の原子爆弾は、北朝鮮のような発展途上国では設備を備えることすら不可能なほど巨大であった。しかし、米シンクタンク、憂慮する科学者同盟(UCS)のミサイル問題の専門家は第二次世界大戦当時の原子爆弾は技術的不安が多く、計算よりもかなり大量の爆薬を使って構造も頑丈にしているため重量があるのにすぎず、現在では核兵器に関して既知となっている研究も多く、当時とは技術的背景も異なるため、現在の北朝鮮の原子爆弾と単純に比較することは不適切としている。
  また米シンクタンク、科学国際安全保障研究所(ISIS)の研究者らは原子爆弾のサイズを小さくすること自体は原子爆弾の設計が初歩的であったとしても可能としている。
  事実として、2013年までに3回の核実験を行い、また中国が1960年代に開発した弾道ミサイルに搭載可能なウラン爆縮型原子爆弾の設計図が核の闇市場かパキスタンから直接北朝鮮に入っている可能性が高く、700kg~1000kgまでの小型化に成功しているのではないかといわれている
  北朝鮮で配備中の核兵器は2013年においては原子爆弾だと考えられている。しかし水爆開発の基礎実験を行った疑惑もあり、水素爆弾や強化原爆も開発中だと考えられている。特に強化原爆については2013年2月12日に行った3回目の核実験にて、最大40ktという解析も出ており、保有に至った可能性も否定できない状況となっている。
  保有数についてはファットマンのような初期型原爆の技術水準で20ktの出力を狙った場合、最大6個と考えられていたが、核の闇市場からの技術流入や核実験の成果を想定した場合、インド・パキスタンのような中級技術と同程度と考えられ、その場合、20ktの出力を狙うと最大17個保有していると考えられている。これはプルトニウムだけの想定であり、濃縮ウランを加えると、最大23個保有していると考えられている

核開発の現状
ミサイル能力
  2013年の時点では、寧辺の5万kW、泰川の20万kWの大型黒鉛減速炉の建設は中断しており、新規のプルトニウムによる核開発は中断し、代わって高濃縮ウランによる核開発に軸足を移していると推測されたこれはプルトニウムによる核兵器は品質劣化に伴う維持管理が煩雑な一方、高濃縮ウランによる核兵器は劣化がほとんどなく、維持管理がやりやすく、隠蔽もしやすい。また北朝鮮のウラン埋蔵量は莫大であり、核兵器を作る上で制限がないからだと推測されている。しかし、北朝鮮は寧辺に30MWの実験用軽水炉を建設中であり、この軽水炉からプルトニウムを生産する可能性もあるとされている。通常、軽水炉では原爆用のプルトニウムを生産するのに適してはいないとされるが、運転期間を短いものにして、プルトニウム239プルトニウム240に大きく変化する前に使用済み核燃料を取り出して再処理すれば、原爆製造可能なレベルのプルトニウムが得ることが可能であり、懸念材料となっている

  また、科学国際安全保障研究所の専門家らは北朝鮮の核開発がこのまま続くと、2016年までに最大48個の核兵器を製造可能だとする報告書を出している。それによると、2013年時点で確認されているウラン濃縮施設での製造で年間2個、寧辺の軽水炉を稼動したとすると年間1~4個、ウラン濃縮施設の存在が疑われている施設での生産で年間2~3個となり、3つの施設を稼動させた場合、年間5個~9個の原子爆弾を製造することが可能で、これまで製造してきた原爆を合算すると48個程度になると推定している
  2015年1月6日に発表された韓国の国防白書では、北朝鮮核兵器製造能力が相当水準に至っており、核兵器の小型化が可視化段階に入ったと評価、アメリカ本土も脅かすことができるミサイル能力を得ていると推定している
プルトニウム
  現在まで北朝鮮が保有しているプルトニウム原子爆弾の原料を生成した寧辺の5MWの実験用黒鉛減速炉は無力化対象となり、冷却塔の解体により使用できる状態ではない。寧辺の50MW黒鉛減速炉と泰川の200MW黒鉛減速炉は年間55個、4-5年で220個のペースで核兵器を量産できるとされるが、建設途中で工事が中断した状態と考えられている。
  寧辺に30MWの実験用軽水炉を建設中であり、これが稼動すると年間で最大4個の原子爆弾を製造可能である。
  2015年9月、黒鉛減速炉の再稼働を表明した。2016年、米国のジェームズ・クラッパー長官は「我々は北朝鮮が寧辺のウラン濃縮施設を拡張し、プルトニウム生産炉を再稼働することで、宣言を実行したとみている」と指摘し、米政府としても黒鉛減速炉の稼働を正式に確認したことを明らかにした。
高濃縮ウラン
  韓国国防研究院は2013年の時点で最大で原子爆弾6個分の高濃縮ウランを保有しているとしている。
  北朝鮮は2010年11月に元ロスアラモス国立研究所長にウラン濃縮施設を公開した。所長は2000台の遠心分離機があると報告しているが、寧辺のウラン濃縮施設以外にも複数のウラン濃縮施設があるとされている
強化原子爆弾
  ドイツの政府系研究所である連邦地質資源研究所は包括的核実験禁止条約を元に設置されているドイツ国内の核実験監視施設のデータを元に、北朝鮮で試験された核爆弾の出力は40ktに達すると発表した。このデータは日本の気象庁が感知したデータと同じで、この地震規模から解析すると、今回の核実験で用いられた核爆弾の威力はリトルボーイの3倍程度となり、核実験直前に懸念されていた強化原爆の可能性がある。強化原爆の製造技術は、核爆弾の小型化はおろか、軽水炉の通常運用を行って得たプルトニウム240を相当含む粗悪なプルトニウムをも有効な原爆に仕立てることが可能になってしまう(軽水炉を小刻み運用して、核燃料棒のプルトニウム240が大きく増加する前に取り出して再処理する、という煩雑な工程も不要になる)ため、大きな懸念材料となる。

北朝鮮の核兵器運搬手段
  北朝鮮の核兵器重量は核の闇市場からの技術流入と3度の核実験により小型化が進んでいると考えられているが、米国務省で核問題を担当していたイギリスの国際戦略研究所 (ISS) のメンバーによると、原子爆弾そのものの重量は450kg程度としている。また、弾道ミサイルとして使うなら付属品を入れると弾頭重量は700kgになると推定している北朝鮮は弾道ミサイルの他、爆撃機としてIl-28かその中国製のH-5(轟五)を保有しており、この重量なら高性能のSu-25などの攻撃機やMiG-29などの戦闘攻撃機にも搭載可能と考えられている。あるいはムスダンなどの比較的長距離かつ小型の弾道ミサイルを偽装コンテナ船にて運用するのではないか、といった指摘もある。なお、北朝鮮で配備中または開発中の弾道ミサイルと、搭載可能と考えられる運用中の軍用航空機は以下の通りである。
  (軍用航空機軍用航空機-短距離弾道ミサイル-準中距離弾道ミサイル-中距離弾道ミサイル-大陸間弾道ミサイル-潜水艦発射弾道ミサイル-短距離弾道ミサイル-準中距離弾道ミサイル-中距離弾道ミサイル-大陸間弾道ミサイル-潜水艦発射弾道ミサイル)

周辺国への核の脅威
  北朝鮮は外貨獲得のため、ミサイル関連技術を他国へ輸出しており、特にテロリストに原爆が流出すると深刻な事態となるため、大量破壊兵器の拡散に繋がらないかと各国から懸念されている。北朝鮮の軍備については、射程距離100km~13000kmほどある数種類の弾道ミサイルを保有しており、日本全土だけでなく、アメリカ合衆国の大半も射程内に入るとされる。さらに移動式の大陸間弾道ミサイルKN-08も開発中とされる。もしこれらのミサイルに核弾頭を搭載すれば周辺諸国はもとより北アメリカ大陸のアメリカの州までミサイルでの核攻撃が可能となる。また、核を小型化する技術は時間が経てば経つほど進歩していると考えられ、2013年までに公式的にも3度の核実験を行い、信頼性のある原子爆弾を弾道ミサイルに搭載することが可能になったのではないかと考えられている。以下に2006年の初の公式核実験から2013年までに出された専門家の論調を記す。
楽観論
  核ミサイルをブラフと見なし、北朝鮮にはミサイルに実装できる小型核弾頭はないとする意見。日本右派は脅しに乗ることが援助を毟られる原因になると主張しており、韓国左派は同胞に核ミサイルを向けるはずはなく援助が欲しいからやっているので援助を与えれば止めさせることができると主張しており、米国左派や日本左派はブッシュ政権の強硬路線の結果態度を硬化させ不完全な核爆弾を持っただけであると主張している。
慎重論
  楽観論は北朝鮮が工業的な後進国であるというイメージが一人歩きした上での主張に過ぎず、技術的な根拠はなく、危険性を軽視すべきではないとする意見。いかなる工業レベルであろうと資金を投入している以上、時が経つほど危険性が増すことは自明であるので、冷静に技術的レベルを分析して対策を練ろうとする考えである。
  楽観論の根拠に対する反論
1)中国がかつて発展途上国で原始的な原爆の開発すら不可能といわれていたのに、実際にはミサイル搭載可能な小型核弾頭開発まで成功し、発展途上国に高度な兵器の開発は不可能という予測は一度外れていること。
2)北朝鮮のGDPは1.2-2兆円に過ぎないが、朝銀事件・日本のパチンコ業者からの送金・朝韓合弁事業収益・ミサイル輸出収益・麻薬偽札収益で国家税収を上回る収益を主として日韓から合法・不法に吸い上げており、その大部分を核ミサイル開発につぎ込んでいると推定されること。
3)1994年CIA報告時点で原始的な原爆を持っており、1998年5月30日に事実上の核実験を行ったと考えられているが、それから15年以上も経過しており、小型化が進んでいるのを疑う合理的な根拠が見当たらない
4)北朝鮮は1994年に原始的核兵器を持っていた可能性が高く、1998年5月30日にパキスタンに委託して作動保証実験を行った可能性がある。この時の出力は15kt程度とされている。2006年10月9日のNHKにて軍事評論家の江畑謙介が「(北朝鮮は)核弾頭を持ったと看なさざるをえない」との発言をした。
  海外でも、科学国際安全保障研究所の研究員らは2007年に北朝鮮は3個の小型核弾頭を持っている可能性があると報告しておりGlobalSecurityの専門家などは、北朝鮮が実用的な核弾頭を持ったとする分析をしている。
  2008年に「核の闇市場」関係者のスイス人が逮捕されたが、そのPCから1960年代に中国で設計された弾道ミサイルに搭載可能な核弾頭設計図が発見され、小型核弾頭の設計図が闇市場で流通していたことが明らかになり、IAEAにおいては北朝鮮にその設計図が流れていると報告された。
5)示威目的で20ktの出力を目指すという指摘には根拠がない。実際、2006年の豊渓里核実験場での北朝鮮初の公式核実験において、中国に対し、計画出力は4ktであるといった事前通告が行われている。(長崎型ファットマンは22kt)
  難度の高い小型でかつ低出力の核実験に挑んだ可能性があることは科学者等に指摘されていたが、実際北朝鮮が申告した核実験のプルトニウム使用量は核分裂下限といわれる2kgで懸念が裏書された。
  1990年にIAEAは北朝鮮の黒鉛減速炉で生成されたプルトニウムを解析しているが、通常のプルトニウム臨界量を確保さえすれば過早爆発を起こす可能性は極めて低い高品質のものだと判断しており、過早爆発という根拠は疑わしいものとなっている。
  この時の核実験は0.8~2ktの出力だったとされるが、これはプルトニウムを限界以上に節約したため、設計された爆縮レンズの性能限界を超えるものとなり、計画出力に及ばなかったのだといわれている。
  しかし、4ktの低出力を出すには高度な技術が必要とされ、全くの不発ではなく0.8~2ktなら、及第点だとされ、これに関しては1998年5月30日にプルトニウム原爆の試験を行っていたため行えたことであろう、とされる。
  2009年に豊渓里核実験場にて4ktの核実験に成功している。2006年の核実験の再テストだといわれている。
  2013年に豊渓里核実験場にて7~40ktの核実験に成功している。強化原爆のテストではないかとされている。
  以上のことから、慎重論の専門家らは1998年のパキスタンにおける代理核実験で基本的なプルトニウム原爆の爆縮レンズの作動確認を行い、2000年代までの核の闇市場からの技術移転で小型化への大いなる助けとなり、2006年の公式核実験では一定の成果は上げたが、少ない核物質でより強力な原爆を作ろうと模索し、2009年からは威力を増すための実験を繰り返した、と認識されている。

  しかし、これらの専門家の認識は必ずしも政府の公式見解と一致するとは限らず、注意が必要である。アメリカや韓国、日本は特に強い利害関係があり、北朝鮮の核による圧力の効果を減少するため、矮小化する傾向があることはEU系の公的機関から指摘されている。
  それを実証するかのような出来事も起きている。2013年4月11日、米国防総省傘下の国防情報局 (DIA) は、「北朝鮮の核開発は進展しており、一定の信頼性ではあるものの、弾道ミサイルに核弾頭を搭載することが可能とみられる」と報告書を出していたことが判明した。
  しかし、これはアメリカの政府幹部にまでは情報が届いていない時点で明らかになったため、政府関係者がコメントを控える等の火消しに奔走する事態に発展しており、オバマ大統領自らが否定する結果を招いた。
  事実、これらの国々は北朝鮮を核保有国として認めることはあり得ないとしており、核実験が行われたという技術的な事実があっても核保有国としては扱っておらず、今後も技術的な事実の判断はともかく、外部へのプロパガンダの側面が強い公式見解においては矮小化を続ける政治判断が採られるだろう、と考えられている。
放射線強化核
  北朝鮮は北朝鮮当局が運営に関わる組織である「わが民族同士」が「われわれには、世界が見たことも聞いたこともない現代的武器があり、それは単なる見せかけではない」などと主張する動画をインターネット上に公開したことがあるが、これは放射線強化型の原爆ではないか、といった指摘がある。
  北朝鮮の核ドクトリンは明らかになっていないが、戦略核兵器を用いる時点で自国の滅亡を意味するため、相互確証破壊を高めるために核兵器の質を高める努力を続けているとされる。水爆を開発することが核五大国が採った道であるが、現在の北朝鮮では強化原爆を手に入れた可能性はあるものの、水爆には至っていないと考えられている。そこで戦略核としての用途に限り、コバルト爆弾や窒素爆弾の保有の選択肢を選ぶのではないか、と考えられている。コバルト爆弾や窒素爆弾は攻撃後に占領することもできないほど強烈な残留放射能を残すといわれているため、従来の核保有国ではアイデアだけのものになっているが、北朝鮮においては米国や日本を占領するプランがあるとは考えにくいため開発を断念する理由にはならないとされる。技術的にも原爆や水爆のダンパーにコバルトや窒素化合物を用いるのみであるため、原爆を保有する北朝鮮にも可能ではないかとされている。

北朝鮮核問題への各国の反応
  かつて北朝鮮核問題についての日米韓の利害は微妙にズレがあり、三国の足並みの乱れの主因となっていた。アメリカにとって日本、韓国を狙う弾道ミサイルは射程上、遠いアジアのことであり、北朝鮮製の核兵器がテロリストの手に渡るのが脅威であったが、加えてムスダンや2012年12月に発射実験に成功し、実用に目処が出てきた大陸間弾道ミサイルテポドン2によって自国が直接攻撃される恐れがでてきたので、利害関係が変化してくる可能性がある。日本にとっては朝鮮半島での戦争は自国にとって関係のない「対岸の火事」で、あくまで弾道ミサイルが脅威としている。韓国は首都ソウルが長距離砲の射程内であり、弾道ミサイルよりも通常戦力の脅威が主である。
  アメリカと韓国は、1970年代から北朝鮮の核実験を警戒していたが日本は警戒が遅れた。
  アメリカ - 6か国協議参加国。主たる懸念は大陸間弾道ミサイルやテロリストによるアメリカ本土大都市攻撃。
  「9.11」を経験したアメリカ人は核がテロリストの手に渡るのを恐れている。
  核施設限定空爆については、核攻撃を含む全面戦争など不慮の事態を招く懸念から、日本・韓国から頼まれなければやる方向にない。地上軍の派遣はさらに論外との論調が多い。限定空爆については1994年に検討されているが当時と異なり、北朝鮮がある程度の核武装を完了していることが疑われ、核開発の主たる主体をプルトニウムから高濃縮ウランに変更したと考えられる2013年時点では効果は極めて薄く、核戦争に発展する可能性が高いだけの状況になっている。
  日本 - 6か国協議参加国。主たる懸念はスカッドER、ノドン、ムスダンによる核、生物、化学攻撃
  日本を狙う準中距離弾道ミサイル中距離弾道ミサイルの解体と、それらを数年で核搭載可能にできる能力のある建設中の黒鉛減速炉(50MW/200MW)の解体およびウラン濃縮施設の解体が国民保護上の優先課題であるが、アメリカによる核施設限定空爆が引き金で戦争が始まりかねない韓国と異なり、このような懸念はやや「対岸の火事」視しているところがある。自国の安全保障のことなのにアメリカが何とかしてくれるという他力本願的な意見が依然として多い。
  韓国 - 6か国協議参加国。主たる懸念は戦争(核戦争の可能性を含む)
  北朝鮮にあまりにも近いため、核兵器の技術水準よりもその激増の阻止、保有済みの原爆の解体に関心がある。ただし、北朝鮮の核施設への攻撃は戦争やソウルへの報復砲撃を招きかねないために日本より慎重姿勢。目先の通常戦争やソウル砲撃を恐れるあまり、北朝鮮の核武装を許してしまっている傾向がある。また、一部の韓国の左派は「北朝鮮が核を持っていれば、統一後に南の経済力と北の核を結び付けて周辺国を牽制できる」と考えている

  中国・ロシア - 6か国協議参加国。北朝鮮の核武装を歓迎してはいないが、取り組む優先順位度は低い。
  北朝鮮へ対する核武装阻止の意欲は高いとはいえない。防衛省防衛研究所統括研究官の武貞秀士らによれば、中国・ロシアにとってもNPTが崩壊し日本・韓国・台湾ベトナムバングラデシュ中東欧州諸国がインド・パキスタン・北朝鮮に続いて核武装するような事態になれば、不安定な小国が保有する核に取り囲まれることになるため、中国・ロシアも北朝鮮の核武装を歓迎してはいない
  しかし中国にとっての第一優先はアメリカ・韓国の軍が北上してくる不安と、それにより北朝鮮を占拠し金正日から続く世襲政権がイラクのフセイン政権やリビアのカダフィ政権同様に転覆され、同盟国である北朝鮮がアメリカの支配下に入ることを阻止することであり、第二優先は北朝鮮が中国から離反してアメリカ陣営にとりこまれるのを阻止すること、第三優先は国連安全保障理事会で北朝鮮の武力制裁決議に反対して、アメリカの北朝鮮の武力制裁を阻止しつつアメリカと中国との関係は良好に保ち、アメリカから円滑に東アジアの警察国家の地位を継承すること、第四優先はアメリカが北朝鮮へ制裁しようとする態度に協力することで、日本がNPTを脱退して核武装に向かった場合、中国主導の対日本制裁にアメリカも協力させる布石とすること、であって「北朝鮮の核武装阻止・非核化」自体は中国にとっては上記4つの目的より遥かに優先度が低いといわれる。つまり、アメリカ軍の北朝鮮への侵攻を阻止し、アメリカへ中国の好感を維持するため見かけ上協力はするが、実際に協力してしまうと北朝鮮の現政権が中国から離反しても困るし北朝鮮をまとめきれる勢力が現政権以外にはないため、中国は同盟国である北朝鮮を本気で締め上げるつもりはないとの観測が日本では多い
  またロシアにおいても、北朝鮮の核武装(2010年12月時点では核濃縮施設の存在)に対しては深刻な懸念を表明」している。
核実験の影響
  北朝鮮の地下核実験場となっている豊渓里の万塔山一帯には地下空洞が存在し、2017年9月の地下核実験の直後には一部が山崩れを起こし小規模な地震も複数発生している。
  2017年10月31日、テレビ朝日は豊渓里の地下坑道で9月10日頃に崩落事故が起き約200人が死亡したと報じたが、朝鮮中央通信はこの報道を否定した。
  韓国の気象庁は豊渓里の万塔山での追加核実験や地震による陥没での放射能物質の外部漏出のおそれを指摘しており、ソウル大学教授の徐鈞烈も万塔山での追加核実験は困難であり山が崩壊した場合には偏西風北海道からアラスカに放射性物質が飛散するおそれがあると指摘している
非核化合意と不履行の連続
  北朝鮮は対話を時間稼ぎと対外支援獲得に利用してきた。北朝鮮は2005年の合意もテポドンミサイル発射と2006年の初の核実験で不履行している。金正恩がトップになった直後である2012年2月29日に北朝鮮が核長距離ミサイル発射を中止する代わりに、アメリカはは24万トン規模の食糧を支援することを骨子とした米朝合意が行われたが、北朝鮮は直後に弾道ミサイル技術を利用した長距離ロケットである銀河3号を発射して、米朝合意を守らなかった
  そのため、2018年3月の繰り返されてきた北朝鮮による非核化宣言」にもコーリー・ガードナー上院議員は、「北朝鮮の言葉にだまされてはならない、一時的に北朝鮮が核やミサイル実験をしていなくても技術開発は継続している」と述べている。朝鮮半島問題の専門のビクター・チャ教授も「北朝鮮の姿勢は、経済的利益を得るための戦術変更であるだけだ」と述べている。国連安全保障理事会・北朝鮮制裁委員会(1718委員会)専門家パネル元委員の古川勝久は北朝鮮が体制への「脅威」のために核開発していると主張しているために、話すべき、制裁を緩めるべき、核を容認すべきだという人たちについて「対話と合意の裏で各国で違法な資金集めや部品の隠蔽輸入して核・ミサイル開発してきた北朝鮮である。日本で護憲や平和を主張している人ほど対話を絶対視しているが、北朝鮮の核を容認することは核兵器の売買による拡散・北朝鮮を見て核保有国になる国の激増を望むのと同義なのを理解していない、大局的視点の欠けた井の中の蛙。」と批判している。
  過去に北朝鮮が対話に応じてきた時は苦難の行軍末期、核・ミサイル開発への国際社会の制裁に耐えられない時など上位層や軍部からも不満がでて武力でも抑えきれなくなった時のみ会談や対話をテコにして制裁を突破してきたと北朝鮮への制裁やその強化の必要性を説明している。北朝鮮が「体制の安全」を条件に「非核化」を諸外国に示している本当の目的は、まず最初に在韓米軍が撤収するよう誘導し、それに成功した後に日本や東南アジア・グアムなど太平洋にある米軍基地を言い訳にして、「まだ体制への安全が確保出来ていない」としてどんどん要求して時間稼ぎしている内に開発を更に進めていくことだと述べている。「北朝鮮との対話」とは、北朝鮮にとって要求が拒否されて在韓米軍撤収されなくても、それを口実にして金一族専制体制の持続と核開発の既成事実化という一石二鳥の行為だと説明している。
  SLBMなどはまだ完成していない北朝鮮にとって、北朝鮮への爆撃など先制攻撃が行われると核ミサイル一辺倒にしてきたためにその他が時代遅れである軍備、比較的上位の兵士にさえ体内に寄生虫がいる状態のため降伏を推奨したならば戦いにもならず、独裁下で不満が溜まっている北朝鮮の人々が蜂起して支持に回る恐れが高い軍事行動を阻止するために「非核化」の嘘を繰り返していると解説している。
  ロイター通信は2018年に北朝鮮が文在寅大統領との首脳会談に合意したことやトランプ大統領との対話を希望してきた背景を制裁による外貨準備高の急減・貿易収支の大幅な赤字・「譲歩ちらつかせて支援を確保後、合意反故」のパターンを狙っているためと解説している


ベラルーシー共和国
ベラルーシ
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ベラルーシ共和国、通称ベラルーシは、東ヨーロッパに位置する共和制国家。日本語では白ロシア(はくロシア)とも呼ばれる。東にロシア連邦、南にウクライナ、西にポーランド、北西にリトアニアラトビアと国境を接する、世界最北の内陸国である。首都はミンスク。ソビエト連邦から独立した。ソ連崩壊で独立前のソ連時代、国際連合にはウクライナと共に、ソ連とは別枠で加盟していた。
地理
  ベラルーシは内陸国で、国土の大部分が低地であり、最高点のジャルジンスカヤ丘陵でも海抜345mである。最低点はネマン川の海抜90mである。国土の20%を占めるなど湿原が豊富で、南部に最大の湿原であるポレーシエ湿地がある。約1万1000もの湖があり、それを突き通すように、北部を通るダウガバ川、西部を通るネマン川、東部を通るドニエプル川とその支流であるプリピャチ川ベレジナ川ソジ川などの主要河川がある。気候はおおむね温暖で湿度が高いが、東部は冷涼で、大陸性気候の特徴が見られる。
  ベラルーシの主な天然資源は森林で、国土の45.3%もの面積を占めている。その他に泥炭花崗岩泥灰岩チョークが採れる。少量の石油天然ガスも産出されるが、国内需要を満たす規模ではなく、エネルギー資源の大半をロシアからの輸入に依存している。
民族
  住民はベラルーシ人が83.7%、ロシア人が8.3%、ポーランド人が3.1%、ウクライナ人が1.7%、ユダヤ人が0.1%である(2009年)。かつては首都ミンスクの人口のうち、ユダヤ人やポーランド人が多数を占めていた時期もあるなど、多民族が共存してきた歴史がある。
  隣国ウクライナではウクライナ人民族主義が非常に強く、国内に民族対立を抱え、結果的に2014年には深刻な内戦に陥った。これと比較して、ベラルーシでは民族主義的な意識は低く、ベラルーシ人とロシア人などとの民族間対立等は起きていない。いまなおミンスクには巨大なレーニン像が残るなどソビエト時代を肯定的にとらえる国民性もある。
宗教
  宗教は東方正教会ロシア正教会総主教代理が代表するベラルーシ正教会)が80%である。その他ローマ・カトリックプロテスタントなどが信仰されている(1997年推計)。ロシア正教古儀式派ポモールツィベロクリニツキー派ベグロポポーフツィなどの信徒も存在する。
歴史
ルーシの公国とモンゴル侵攻
  6-8世紀にスラヴ民族が移住開始したと一般に言われていたが、近年では古代から既にスラヴ民族はこの地に定住し続けていたという説が有力である。
  9世紀のキエフ・ルーシの一部だったポロツク公国がベラルーシの始まりとされる。バルト海黒海を結ぶ通商路として繁栄した。
  10-11世紀にポロツク公国は版図を拡大し、 キエフ・ルーシやノヴゴロド公国と争った。南部には10世紀末にトゥーロフ公国が成立。一時、モンゴルに征服される
  12世紀から13世紀前半には10前後の公国が存在し、ベラルーシ人の民族意識が高まり、団結してドイツ騎士団モンゴル帝国と戦った。13世紀までにベラルーシの地域(ルーシと呼ばれる地域の北半)の公国はすべてリトアニア大公国に併合される。リトアニア大公国における貴族の大多数は実はリトアニア人リトアニア語母語とする人々)ではなくベラルーシ人(当時はルーシ人、のちリトヴィン人と呼ばれた)で、リトアニア大公国の公用言語リトアニア語ではなくベラルーシ語(当時は通常はルーシ語と呼ばれ、さらに、リトアニア大公国の官庁で使用された公式言語であることから官庁スラヴ語とも呼ばれた)が使われる。
ポーランド・リトアニア共和国
  1385年、クレヴォの合同によりポーランド・リトアニア合同が成立すると、ベラルーシを含むリトアニア大公国全域の貴族の間で文化や母語の自発的な「ポーランド化」が始まる。クレヴォの合同後最初のリトアニア大公であるヴィータウタスが1430年に没すると、リトアニア大公国貴族によるポーランドの文化と言語の受容が加速した。1569年にルブリンの合同により物的同君連合としての単一国家である「ポーランド・リトアニア共和国」が成立するとこの地域の文化のポーランド化がさらに進み、リトアニア人とベラルーシ人を含むリトアニア大公国のほぼすべての貴族がポーランド化した。この「ポーランドへの同化」現象は1795年までの三度にわたるポーランド分割によりベラルーシ地域がロシア帝国に併合されるまで続いた。この間、貴族層の家系の大半とその他ルーシ人の多くはこの時代までにローマ・カトリックに改宗を済ませ、母語もポーランド語を使用するようになっていたが、相変わらずルーシ語を母語とし東方正教会を信仰していた者も農民層を中心に多数いた。
ロシア帝国支配下
  その後、ロシア帝国に支配されていた時代は、地方自治レベルでは旧ポーランド・リトアニア共和国の貴族(ほとんどがローマ・カトリック教徒)たちに一定の権限が許されていた。その間貴族たちはポーランド・リトアニア共和国の独立を目指す蜂起を2度起こした。1830年11月に行われた大蜂起(十一月蜂起)が失敗に終わると、貴族たちを中心にポーランド系の多くの人々がロシア帝国を脱出し、西ヨーロッパやアメリカ大陸の各国へ亡命した(これは「大亡命」と呼ばれる)。それでも民主ポーランドを復活させようとする人々は1863年に2度目の大蜂起(一月蜂起)を起こす。これがロシア帝国によって再び鎮圧されると、ポーランド貴族や商工民やインテリはキリスト教徒であるかユダヤ教徒であるかを問わず徹底的な迫害に遭った。その結果、この地域の中産階級以上の人々(ほぼすべてがポーランド人 - ポーランド化した家系の人々 - であった)は亡命するか、あるいは財産を没収されてほとんど無産者となり、中産階級そのものが滅亡した。その結果、ベラルーシに残った人々の大半は農民となり、ロシア帝国による直接支配が進んだ。ベラルーシの農民の大半はポーランド語を話すローマ・カトリック教会信者か、ルーシ語を話す東方正教会信者かのどちらかであった。前者(すなわちルーシ人からポーランド人となった者)はポーランドに近い西部に多く、後者(ルーシ人でい続けた者)はロシアに近い東部に多かった。

  一月蜂起以後はロシア帝国によるポーランド人(キリスト教徒とユダヤ教徒の間)分断政策が開始され、ロシア帝国から俗に「リトアニアのユダヤ人(リトヴァク)」と呼ばれるロシア系(東欧系)ユダヤ人たちが大量に送り込まれた。リトヴァクたちは14世紀の昔からずっとポーランドにいた西欧系ユダヤ人(ユダヤ教徒のポーランド人)とは文化も習慣も言語もかなり異なる人々で、ポーランドのキリスト教徒とユダヤ教徒の両方から嫌われる存在だったが、あまりに大量に移住してきたのでこの地域の人口動態を大きく変えてしまう事態になった。(この段落部分は、通常の理解とは異なる。通説的には次の通り。ベラルーシのユダヤ人は、ポーランドが呼び寄せた西欧ユダヤが、リトアニアとの合同により(リトアニア領内だった)ベラルーシに拡散したものが中心である(Lithuanian Jews)。その頃ロシアはユダヤ人の移住を認めていなかったので、領内にはほとんどいなかった。その後、ロシアがポーランド分割によりベラルーシを含む旧ポーランド・リトアニアの一部を領有した結果、ロシアは国内にユダヤ人を抱え込むことになったが、その後も分割領有前のロシア領内にはユダヤ人の立ち入りを認めなかった。)このルーシ農民階層、リトヴァク、そして後にロシアから大量に移住してくるロシア人の3者が、後のソヴィエト連邦(ソ連)ベラルーシ共和国の主要民族となり、特に最初の2者はソ連の無宗教政策によって完全に融合してしまうのである。
ソビエト連邦
  1917年ロシア革命が起こり、そして第一次世界大戦の間占領していたドイツ軍の占領が終わった後、1918年には史上初の独立国となるベラルーシ人民共和国が樹立される。しかしこの政権は短命に終わり、1919年には白ロシア・ソビエト社会主義共和国が成立し、1922年にはソビエト社会主義共和国連邦に加盟する。この頃に起こったポーランド・ソビエト戦争の結果成立したリガ条約により西半分がポーランドに割譲された。
  1939年9月の第二次世界大戦の勃発により、ソ連軍ナチス・ドイツに続いてポーランドに侵攻。ポーランド東半分の占領と共に、リガ条約により割譲されていた領土を白ロシアに編入した。1941年からの独ソ戦(大祖国戦争)では激戦地となり、ブレスト要塞ミンスクの戦いを経てドイツ国防軍に占領された後、1944年バグラチオン作戦により奪回された。ハティニ虐殺など、ドイツは苛酷な統治を行った。対独反攻作戦において、ソ連軍は白ロシア戦線と呼ばれる方面軍を組織した。
  1945年に第二次世界大戦が終わると、ポツダム会談での取り決めによってソ連とポーランドの国境が西へ移動され、ベラルーシ全域がソ連領ベラルーシ共和国となり、この地域に住むポーランド系住民は西方へ追放された。この追放をソ連や現在のロシア共和国では「移住」と呼ぶ。これにより、ベラルーシ共和国は家系がポーランド化せずにルーシ人(ベラルーシ人)だった者か、あるいは19世紀にロシアから大量に移住してきた東欧ユダヤ系の家系の者、あるいはその混血ばかりの国家となったが、さらにロシア共和国などから多数のロシア人が移住してきた。
  1986年4月26日、ベラルーシ共和国の南のウクライナ最北部にあるチェルノブイリ原子力発電所事故が発生し、おりからの南風に乗って放射性物質が国境を越え、南東部のホミェリ(ゴメリ)州を中心とする地域に大きな被害が及び、同州に限定すると、1991年以降は世界的平均の100倍以上にも達している。一方、非常に軽度の汚染州であるビテプスク州では1993年以降0件のままであることから、原発事故による汚染と甲状腺がんの相関性が認められる[8]。(チェルノブイリ原子力発電所を参照)。
ソビエト連邦崩壊に伴う独立
  1990年7月27日に独立宣言(主権宣言)を行い、1991年8月25日に独立が承認された。同年の12月8日にはベラルーシ最西部のベロヴェーシの森で、ロシアのボリス・エリツィン、ウクライナのレオニード・クラフチュク、ベラルーシのスタニスラフ・シュシケビッチの三者の間でソビエト連邦の解体を宣言、独立国家共同体 (CIS) 創設に関する協定が締結された。9月15日には国名が白ロシアから正式にベラルーシ共和国となった。
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政治
  ベラルーシは三権分立共和制の国であるが、1996年ベラルーシ共和国憲法が改正され、行政の中心である大統領(任期5年)に非常に強い権限が与えられている。2004年に行われた国民投票により、憲法の大統領職の三選禁止規定が削除された。
  ベラルーシの議会二院制で、上院に相当する共和国院(定員64名)と、下院に相当する代表者院(定員110名)からなる。議員は、共和国院は国内の6つの州とミンスク市の議会から8名ずつ選出、残り8名を大統領が指名する。代表者院は小選挙区制により選出され、任期は4年である。
  1994年以降、ルカシェンコが大統領の座に就いており、ヨーロッパ最後の独裁国家との批判を欧米諸国から受けている。アメリカなどの自由主義諸国との関係は良好ではなく(アメリカがベラルーシに経済制裁を科したため、2008年5月に国交を事実上断絶した、ジョージ・W・ブッシュ米大統領が定義した「悪の枢軸」の中の一国である(当初はイラクイラン北朝鮮だったが、その後拡大している)。また、コンドリーザ・ライス国務長官が定義した「専制の前線基地」の中の一国でもある)。
  2012年9月には、代表者院選挙が行われたが野党ボイコット。全議席が親ルカシェンコ政党に配分され、自身の強固な独裁体制の維持に成功した。
  ベラルーシは現在、ヨーロッパで唯一死刑制度が存在する国家である。
人権
  非常に抑圧された国家の一つである。高齢者、未成年、障害者以外が職に就かず半年以上未納税の場合、平均月収程の罰金が課せられる、また失業者は社会奉仕が義務付けられている。公の場でのデモ、集会は厳しく規制されており、政治的な意見の表明や政権批判、大統領批判をすれば、逮捕・拘束される。
  厳しい規制を逃れるために、ただ拍手をするだけのデモ活動を「拍手によって政治的な意見を表明した」と弾圧し、片手の参加者も拍手をしたと逮捕された。過去には聾唖者が「政治スローガンを叫んだ」として逮捕される事態が起きている。この片手による拍手逮捕は、2013年にルカシェンコ大統領とベラルーシ警察に対し、イグノーベル賞平和賞を受賞する事になった。

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