万博(2025年大阪万博)他-1


2025.05.06-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250506-ZBAX7TUUTBP27D6NDML7RUCJU4/
<独自>万博のVIP来場「予測の3割」 案内役に勤務機会なし、夏の参院選も影響か

  開催中の大阪・関西万博で、会場を訪れる国内外の賓客(VIP)が運営側の予測を大幅に下回り、案内役として雇用されているアテンダントの大半がほぼ勤務日がない状況となっていることが6日、関係者への取材で分かった。アテンダントの事業会社は「VIP来場は予測の3割に満たない状態」としている。

「契約違反」の声も
  アテンダント業務は、万博を運営する日本国際博覧会協会から委託を受けた日本コンベンションサービス(東京)が担当。同社は2005年の愛知万博でも施設運営を手掛けた実績がある。
  関係者によると、アテンダントは万博会期中のアルバイト契約で、場内の迎賓館や日本館を拠点にパビリオンやイベントの視察などに同行する。
  同社は協会からVIPの来場予定の情報提供を受け、勤務シフトを組んでいる。万博関連の仕事の時給は一般の仕事よりも高水準となっていることもあり、1週間に5日など〝フル稼働〟を希望する契約者が多い。
  だが、会場を訪れるVIPが少なく、アテンダントの稼働がない状況が続いているVIP側が協会ルートではなく、関係先のパビリオンを直接訪問するケースもあるほか、国内の政治家に関しては、夏に参院選があるため、万博訪問よりも地元対策を優先しているとの見方も出ている
  万博開幕から3週間が経過したが、勤務回数が0または1という人が続出。アテンダントからは「契約違反ではないか」との声が出ている。協会はこの問題について「コメントを出すなどの準備をしている」とした。・・・協会はVIPについて、王族や閣僚といった地位により「S」~「D」に分類している
「生活に支障」丸投げの協会に批判
  万博を訪れるVIPの案内役の仕事がほぼないことについて、事業会社に雇用されているアテンダントからは「収入が得られず生活に支障が出ている」との声が出ている。万博会場で働くことを希望し、それまでの仕事を辞めて応募した人も少なくない。日本国際博覧会協会はこの問題について特段対応をしておらず、事業会社への〝丸投げ〟に批判が出ている
  「万博期間中の収入は生活費として相当あてにしていたのに、開幕以来1日しか勤務がなく非常に困っている」事業会社と契約している大阪府の女性は、苦しい胸の内をこう明かす
  女性はもともと、万博とは無関係のサービス業でアルバイト収入を得ていたが、時給2千円近くのアテンダントの仕事が決まったため、主な収入源を万博に移した。アテンダントの研修も受けて期待を膨らませていたが、仕事で万博会場に行ったのは開幕直前のユニホームの採寸と、VIPの案内が1度だけだ
今さら副業OKと言われても…
  今も万博会場で働く希望を持つが、事業会社からは「VIPの来場が増えるかどうか見通しが立たない。万博が盛り上がるかにもよる」などの説明を受けたという。女性は「10月の閉幕までこの状況が続くならどうしてくれるのか。協会は何の反応もしていないが、事業会社に丸投げは許されない」と憤る。
  さらに別のアテンダントは4月末まで一度も仕事がなかったといい、「これから急にVIP対応に入るよう言われも不安だ」とこぼす。別のスタッフは「事業会社から副業をしていいとの連絡がきたが、今さら条件の合う仕事なんてない」語気を強める
  一方、関係者によると、事業会社は4月下旬、スタッフに状況を説明。VIPの来場の少なさが問題の主要因との見解を示し、来場キャンセルで仕事がなくなった場合は「平均賃金の日額6割」を支払うことになったという。


2025.05.05-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250505-52TVVXKF7NLVBC4MTMQMNAUSLE/
マイカーで万博、想定外の低調 「車社会」の愛知博参考にパーク&ライド準備も〝誤算〟

  大阪・関西万博への主要交通手段の一つ「パーク・アンド・ライド(P&R)」の利用が低調だ。専用駐車場3カ所(最大計1万1千台超)にマイカーを止め、シャトルバスに乗り換える方式だが、日本国際博覧会協会(万博協会)によれば、4月中の駐車場利用率は週末で「3割程度」、平日だと「1割程度」。想定外の低迷に陥る背景には、車社会の愛知で20年前に開かれた万博を参考に需要を見積もったこともあるという。

  P&Rの専用駐車場は、万博会場の人工島・夢洲(ゆめしま)の隣にある舞洲(まいしま)に最大6千台超分、さらに堺市に2千台分、兵庫県尼崎市に3千台分を用意。いずれも事前予約制だが、万博協会のサイトが示す予約状況は、3カ所とも十分余裕のある「空きあり」の印が並ぶ。
  P&Rの利用率について、万博協会の幹部は「4月中は3カ所平均で土日祝が3割、平日は1割程度」と説明するが、連休中の5日も会場の混雑をよそに、舞洲の駐車場は空きスペースが目立った。現状について、万博協会の高科淳副事務総長は「想定より利用率は低い」と課題を認める。
  万博協会はピーク時に1日22万7千人が来場すると想定。このうち会場に直結する大阪メトロ中央線の利用を13万3千人(58・6%)、P&Rは3万5千人(15・5%)などと見込む。現状でも中央線に集中する傾向がみられ、P&Rの利用が落ち込んだままだと、今後のピーク時に混雑のしわ寄せが中央線に及ぶ恐れがある。
  また、P&Rの基本料金は舞洲が1台5500円、少し離れた堺と尼崎でも5千円。シャトルバス利用も料金に含まれるが、お盆や会期末といった繁忙期には料金が上乗せされ、遠方の来場予定者からは「高い」との声も聞こえる。ただ、混雑の緩い時期を選ぶなどすれば最大千円の割り引きも用意。さらに万博協会は大人2人、子供2人の家族の場合、関西圏でも神戸市や和歌山市より遠ければ「鉄道よりP&Rの方がお得」との試算も示してアピールする。
  万博協会は今回のP&Rについて、2005年愛知万博での車利用状況を参考に駐車場の確保などを進めたという。協会幹部は「車社会の愛知と違い、関西は公共交通機関の利用が思った以上に多い」と車需要の想定に〝誤算〟があったと認め、P&Rの周知不足もあったと言及「関西以外から大人数で訪れる場合は車の方が割安だ。今後は中部や北陸、中国地方など中距離圏のグループを中心にP&R利用を積極的に呼びかけたい」としている。


2025.05.01-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250501-VT2TSEVWXNPJLJETUGUJPLMBXU/
インドに続きブルネイ館もオープン 残すはネパールのみ

  大阪・関西万博ブルネイパビリオンが1日、オープンした。各国が共同で展示するコモンズ館内にあり、日本国際博覧会協会によると開館したのは午前11時。国土の70%が手つかずの熱帯雨林に覆われ、豊かな文化遺産が受け継がれる同国は「平和の郷」をテーマに出展。4月13日の開幕から18日遅れで来場者を受け入れる。一度も開館できていないパビリオンは、ネパールのみとなった。


2025.04.30-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250429-GXB7SWMXDFLKVH4FOAIU5C5FYA/
万博シャトルバス壁に接触 自動運転車、停止後動き出す けが人なし

  大阪メトロ29日、大阪・関西万博の会場アクセス手段の一つ、パーク・アンド・ライド(P&R)の自動運転バスが、大阪市の人工島・舞洲の待機場で停車後に動き出し、コンクリートの壁に接触する事故が28日にあったと発表した。回送中でけが人はなかった。事故車両を含む5台の運行を一時見合わせている。

  大阪メトロによると、28日午後4時半ごろ、運転士がバスを止めて運転席を離れた後に動き出した。急いで戻ったが、間に合わなかった。システムに問題がなかったかどうか、原因を調べている。
  大阪メトロは当面、手動運転の車両で舞洲のP&R駐車場と人工島・夢洲の会場を結ぶ。P&Rの利用には事前予約が必要だが、事故による影響はないとしている。


2025.04.27-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250427-77BJH4QAFZJB3KUIO53Q433J6I/
万博の「空飛ぶクルマ」デモ飛行中に部品落下、当面の運航中止に、原因を調査

  2025年大阪・関西万博の目玉の一つとされる空飛ぶクルマについて日本国際博覧会協会(万博協会)27日、デモ飛行中に部品が落下して機体の一部が破損したため、安全性が確認されるまで飛行を中止する方針を明らかにした。運航する丸紅側が原因を調査している。

  同協会によると、トラブルが起きたのは米リフト・エアクラフト社製の「HEXA(ヘクサ)」。26日午後3時ごろ、人工島・夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)の会場の一角にある「モビリティエクスペリエンス」でのデモ飛行中に、機体の部品が落下。フレームの一部や18あるプロペラモーターの1つが破損した。デモ飛行は一般来場者が入ることのできないエリアで実施され、来場者や関係者にけがはなかった
  機体はほかに1機あるものの、安全が確認されるまで運航を停止するという。


2025.04.24-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250424-36QXPGT62VOL7MSLFWQLVMWF7Q/
4千人足止めの鉄道トラブル 大阪メトロと万博協会、代替輸送「検討せず」

  2025年大阪・関西万博の会場に向かう唯一の鉄道路線・大阪メトロ中央線で22日夜に発生した車両故障による運転見合わせを巡り大阪メトロと万博を運営する日本国際博覧会協会のいずれもが代替輸送を検討していなかったことが24日分かった。報道陣の取材に対応した協会の担当者が明らかにした。

  担当者によると、大阪メトロ中央線が不通となった場合、規模に応じてバスによる代替輸送を想定しているが、今回は復旧の見込みなどを総合的に判断し、代替輸送の検討は行わなかったとしている。
  大阪メトロは22日午後9時半ごろに大阪港駅(大阪市港区)で電車が故障したことを受け、約1時間にわたり全線で運転を見合わせた。協会は、遅延が発生してから約30分後に事態を把握。会場最寄りの夢洲(ゆめしま)駅(同市此花区)には一時、約4千人が滞留した。


2025.04.22-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250422-36SNZYCGSBI3DHGRTYNY22CJSQ/
万博会場で警備員が来場者に土下座か、SNSで映像広がる 協会「詳細は事実確認中」

  大阪市此花区の人工島・夢洲(ゆめしま)で開催中の2025年大阪・関西万博の会場入り口付近で、来場者とみられる人物の前に警備員がひざまずいて土下座をしている映像が民放テレビ局に報じられ、交流サイト(SNS)上で広がっていることを受け、万博を運営する日本国際博覧会協会は22日、事実関係の確認を進めていることを明らかにした。

  この日午前の報道陣の取材に対し、協会側の担当者は「SNSについては確認をしているが、詳細については事実確認中」とした。
  映像によると、現場は万博会場の西ゲート付近。ほかの来場者が行き交う中、ピンク色のバッグを抱えながら腕を組んで立つ人物の前で、制服を着用した警備員が土下座する様子が撮影されていた。


2025.04.21-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250421-6QFM5YWD5NPJFCCOABFPP7VJ74/
万博会場のメタンガス発生受けパビリオン出展国にガス測定器配布 「安全性高める」強調

  大阪・関西万博会場で地中の廃棄物から可燃性のメタンガスが発生している問題を受け、万博を運営する日本国際博覧会協会は21日、パビリオンを出展する海外政府や民間企業にガスの測定器を配布したことを明らかにした協会幹部は「安全性をさらに高めるため」と説明している。

  埋め立て地である万博会場の夢洲(ゆめしま)(大阪市)では昨年3月に爆発事故が起きたほか、今年4月に招待客らを入れた予行演習の際にも高濃度ガスが検知されるなどの事象が発生している。
  幹部は「協会として測定や(ガスがたまりやすい場所の)換気などをしっかりと行っているが、その上で各館に協力をお願いすることにした」と強調。測定器を配布したのは「最近」といい、測定結果は協会に報告してもらうことにしている


2025.04.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250419-SOPKPYNW6NMD7LHQWMOBRN6D7E/
万博警備の内部資料を開幕前に一時紛失 大阪府警の巡査部長が置き忘れ、連絡まで気付かず

  13日に開幕した2025年大阪・関西万博をめぐり、大阪府警警備1課に所属する巡査部長が開幕前に警備に関する内部資料を一時紛失していたことが19日、府警への取材で分かった。資料は全て回収し、流出などは確認されていないという。

  府警によると、巡査部長は開幕目前の今月10日午後、府立国際会議場(大阪市北区)に勤務時間中に立ち寄った際、資料を置き忘れたとみられる。同日、来場者が書類に気付き、施設に届け出た。12日に施設職員が府警に連絡し、紛失が発覚した。
  巡査部長は連絡を受けるまで書類の紛失に気付いていなかったという。府警は巡査部長の処分を検討する。
  府警は「文書の内容を踏まえ警戒警備に万全を期すべく対応した。文書の適切な管理が行われるよう再発防止に努める」とコメントした。
  万博は13日に開幕。前日の開会式には天皇、皇后両陛下が出席されたほか、石破茂首相らも出席した。


2025.04.17-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250417-C5GMLUVHPVP6JORFFQHBZD4O2Y/
万博の大屋根リング「ゆがんでいる」指摘に協会「高さ調整のため」と回答 安全性問題なし

  2025年大阪・関西万博のシンボルとなっている大屋根リングの一部がゆがんでいるとの指摘がSNS(交流サイト)で拡散されたことを受け、運営主体の日本国際博覧会協会は17日、記者団の取材に「高さ調整のため斜めに設置している部材がある」として、安全性に問題がないとの認識を示した。

  万博が開幕した13日、SNSでは多くの人が上っている大屋根リングのはりの画像が「ゆがんでるのかそういうデザインなのか」などとする文章とともに投稿され、「これは建築ミスですか?」「近いうちに事故が起きる」などといった反応が広がった
  協会によると、リングは108のユニットをつなぎ合わせて建設。埋め立て地である夢洲(ゆめしま)の地盤が沈下し、ユニットに高さの違いが生じた際に影響が出ないよう、接合部分のユニットでは、施工段階ではりを斜めに設置しているという。
  一方、協会には13日以降、天候が悪化した際にリング下のベンチなどに雨が吹き込むなど雨宿りできる場所がないとの指摘があったとし、「団体休憩所での雨の吹き込み対策の検討を進めていきたい」とした。


2025.04.17-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250417-OPFP6UETJBM3TJRJA5ZVQSF2XU/
万博でも注目集めるiPS細胞由来の心筋シート 「医師や科学者目指すきっかけになれば」

  京都大17日、人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った神経のもとになる細胞を難病のパーキンソン病患者に移植する治験で、安全性と有効性を確認したと英科学誌ネイチャーで報告した。2025年大阪・関西万博でも大阪府市が出展する地元館「大阪ヘルスケアパビリオン」でiPS細胞を活用した再生医療の研究が進められていることが紹介されている。

  同パビリオンの目玉は、大阪大が再生医療への実用化を目指すiPS細胞でつくった「心筋シート」。培養液の中で自発的に拍動しながらたゆたう様子が来場者を魅了している。
  心筋シートはiPS細胞を心臓の筋肉へと分化させ、シート状に加工したもので、大阪大の澤芳樹特任教授らが開発、同大発のベンチャー「クオリプス」が製造を担う。血管が詰まって心臓の筋肉に血液が届きにくくなる虚血性心筋症の治療への実用化を目指しており、心臓表面に定着させることで血管を発生させ、心機能を回復させることが期待される。

  クオリプスの長谷川光一研究部長は産経新聞の取材に「子供や若者には展示を見ることで困っている人を助けるための最先端技術に興味を持ち、医師や科学者を目指すきっかけにしてほしい」と話していた。


2025.04.16-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250416-47HLXTVB2FPLDJYYNFJ5T53OVA/
中止のブルーインパルス飛行「万博期間中に」 大阪知事、防衛相に実現要望

  2025年大阪・関西万博が開幕した13日に予定されていた航空自衛隊の飛行隊「ブルーインパルス」の展示飛行が天候不良のため中止となったことについて、大阪府の吉村洋文知事は16日の定例会見で、万博期間中に飛行を実現するよう中谷元防衛相に求めたと明かした。

  吉村知事は会見で「多くの方が期待を寄せられていて、万博の空をブルーインパルスに飛んでほしいという思いが僕自身強い」とした上で15日、中谷氏に直接要望を行ったことを報告。「大臣から前向きに検討するというお答えをいただいた」と説明した。
  ブルーインパルスは航空自衛隊松島基地(宮城県東松島市)の第4航空団に所属する「第11飛行隊」が正式名称2021年東京五輪・パラリンピックなど各地のイベントに花を添え、大阪府内での披露は1990年の国際花と緑の博覧会(花博)以来35年ぶりとして期待が集まっていた


2025.04.15-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250415-AZNJDD6RY5HU3A6AV2SV54IQYY/
万博の仕切りない子供トイレ 便器5つは「基本一組使用想定」の説明 石垣氏「無理ある」
(奥原慎平)

  立憲民主党の石垣のり子参院議員15日の参院内閣委員会で、大阪・関西万博会場の一部の子供用トイレが男女の別も仕切りもなく大小便器が並んでいることについて「子供のプライバシーの配慮に欠けているのではないか。親子で利用するにしても、見ず知らずの大人に丸見えになってしまう」と指摘し、改善を訴えた。

経産省「プライバシー担保されている」
  問題の子供専用トイレは、「迷子/ベビーセンター」に隣接した2カ所に設置され、大小便器3つ、男児用小便器2つが並んでいる。大便器同士の間には低い仕切りが設けられている。
  経済産業省の担当者の説明によれば、このトイレは0歳~2歳の乳幼児の利用を前提とし、保護者や見知った大人のみが乳幼児を連れて入れるという。会場スタッフが入口に控えているため、無断で入ることはできず、担当者は「基本的には一組、了解が取れた場合は他の組み合わせがある」と述べ、「利用者のプライバシーは担保されて運用されている」と強調した。
  石垣氏は5つの便器が並んでいる設計について「三つ子と双子で年子ということもあり得るが…」と述べた上で、「基本一組での利用を想定し、了解があれば別の人も使ってもらうというのは説明に無理があるのでは。設計のミスがあれば仕切りを作るなど改善すればいいだけの話だ」と改めて疑問視した。
(奥原慎平)


2025.04.11-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250411-ZRSMJO4FTZOGTOGVHMV2MXIVQI/
万博テストラン取材から「赤旗排除」と抗議 共産、メタンガス検知で開催中止も要求

  大阪市の人工島・夢洲(ゆめしま)の大阪・関西万博会場で可燃性のメタンガスが検知されたことを受け、日本共産党大阪府委員会は11日、日本国際博覧会協会(万博協会)に開催を見合わせるよう申し入れた。また、党機関紙「しんぶん赤旗」の記者に取材証が発行されず、開幕前の予行演習「テストラン」などの取材から排除されたと抗議し、改善を要求した

  府委員会の清水忠史副委員長らが大阪市の万博協会を訪れ、文書を協会職員に手渡した。
  メタンガスは6日、会場を訪れていた同党の大阪府守口市議の通報をきっかけに協会側が検知。引火すると爆発の可能性がある濃度だった。文書で「来場者の命と安全を保証できない」とし、万博中止を求めた。
  また清水氏は、赤旗記者がテストランと、9日に実施された報道関係者向け内覧会「メディアデー」の取材を協会に拒否されたと指摘。「国際的なイベントで線引きをして拒否することに抗議する。今からでも改めていただきたい」と訴えた。


2025.04.10-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250410-KH6S53YOKZG4RED4YRALB44YR4/
万博「こども用トイレ」一部に仕切りなし異例の「中国式」-男子も女子も一緒-SNS賛否

  13日開幕する大阪・関西万博会場の子供用トイレの一部で、男女別も仕切りもない大小便器が並んでいることがわかり、「災害の避難所より劣悪」「保育園などではよくある」などとSNS上で賛否を呼んでいる。9日に報道公開された会場で確認すると、仕切りのほか男女の別もなく利用するようになっていた

  万博協会の公式サイトによると、万博会場には計46カ所のトイレがある。それぞれのトイレには成人用のほか、子供用の小型便器が設置されているところも多い。
  ところが、実際に会場で確認したところ、このうち東西ゲートにある「迷子/ベビーセンター」に隣接した2カ所には「こども用」として子供専用のトイレが設置されていた。
  男女の別はなく、室内に大小便器3つ、男児用小便器2つが並んでいる。大便器同士の間はプラスチック製の仕切りが設けられているだけだった。
  こうした仕切りのない便器は中国では一般的とされるが、日本では極めて異例。
  SNS上では「建築設計に携わる者ですが1~3歳児用のトイレはこれが標準です」といった説明の一方、「いまどきの子供たちの心理をまったく無視した設計」「保育園や幼稚園の場合は、使う子供たちも見守る大人も知っている人だけど、公共の場は知らない人ばかり。やっぱりこれは違う」といった意見が交わされている


2025.04.05-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250405-HQVL536C4ZKDHMDGGDNSCA6UDM/
「どんだけ並ばせるねん!」 並ばない万博のはずが…入場まで1時間半 テストラン2日目
(木ノ下めぐみ、桑島浩任)

  2025年大阪・関西万博の開幕直前に人工島・夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)の会場で行われた5日の予行演習「テストラン」は、多数の一般客らでにぎわう一方、入場ゲート前に長蛇の列ができ、混雑時は入場まで約1時間半かかるなど課題もみえた事前の来場予約を推奨し「並ばない万博」を打ち出してきた日本国際博覧会協会(万博協会)は改善策を検討する

  「どれだけ並ばせるねん!」。大阪メトロ夢洲駅近くの会場東ゲート前で列に並んでいた男性の怒号が響き、周辺は殺気立った空気に包まれた
  近くにいた大阪府和泉市の女性(49)は正午の入場を指定されていたが、実際入場できたのは午後1時半ごろ。「係の人から説明がなく、待ち時間などの情報がほしかった」といらだっていた。。。。4~10月の会期中に2820万人の来場を見込む万博では、開幕後の1日当たりの最大来場者数を22万人超と想定する。
  企業関係者や一般客ら約3万人が招待されたこの日、開場30分前の午前8時半ごろに並び始めた別の女性は9時40分に入場できたが、9時半に予約したパビリオンへの入館が遅れた。「手荷物検査の案内が少なく、外国人に分かりにくい。開幕後はさらに時間がかかるのでは」と不安を漏らした。
  パビリオンへの入館もオンラインで予約したほうが望ましいとされる。予約がなくても入れる施設はあるが、人気施設では開場20分後に1時間超の待ち時間が発生した
  大阪府柏原市の勝川喜弘さん(66)は予約制を知らず、会場到着後に慌ててスマートフォンで予約に必要な「万博ID」の登録から始めた。「スマホ操作に不慣れで30分ほどかかった。予約ページを開いたら、かなり埋まっていた」
  オーストラリア館を予約した上で訪れた大阪市阿倍野区の男性(51)によると、午前中は次に訪れるパビリオンを予約できたが、来場者が増えた午後には予約が取れなくなった。・・・もっとも、待たずに入れた施設もあり「事前の報道では批判的な内容が多かったが、来てみて、とても楽しめた」と満足げ。男性の妻(42)も「海外パビリオンの情報が魅力的で実際に訪れてみたくなった」と笑顔だった。
  6日の最終日は約5万人の参加が見込まれる。万博協会の幹部は記者団に「入場遅れの原因を検証し、改善すべきところは改善する開幕までに万全を期したい」と話した。(木ノ下めぐみ、桑島浩任)


2025.03.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250319-XKTUJSMXBROQDLQM3BXHYEXUDI/
万博前売り券「経済界の購入がなければ大変なことに」 関経連会長、目標達成は「無理」
(井上浩平)

  関西経済連合会の松本正義会長(住友電気工業会長)は19日の定例会見で、2025年大阪・関西万博の前売り入場券に関し、販売目標としてきた1400万枚達成は実質的に不可能との見解を示した。その上で「経済界の購入がなければ大変なことになっていた」と強調した。

  前売り券は、12日時点で売れたのは目標の6割に満たない821万枚で、このうち約700万枚は企業による購入分となっている。日本国際博覧会協会の十倉雅和会長(経団連会長)は、修学旅行などで見込む200万枚程度を加えると、販売数は1021万枚になると説明していた。
  販売目標の達成について松本氏は「(開幕まで)二十数日しかなく、無理だ」と言及。「1千万枚強で終わるかもしれないが、良しとしないと仕方がない」と語った。
  一方、関経連は19日、副会長に北尾裕一氏=クボタ社長、都司尚(つじたかし)氏=近鉄グループホールディングス(HD)会長、玉置(たまおき)肇氏=パナソニックHD執行役員=を内定したと発表した。5月に開く理事会で正式決定する。
(井上浩平)


2025.03.13-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250313-XOXY2IH7TJNSZO5GZTGJK6IIPU/
工事遅延・複雑チケット・赤字懸念 開幕1か月前の万博三重苦と向き合う吉村知事の方向性
(山本考志)

  2025年大阪・関西万博までいよいよ1カ月遅れが指摘されてきたパビリオンの建設が急ピッチで進むなど、開幕を迎える準備は整いつつあるが、課題はなお残る。運営主体の日本国際博覧会協会で副会長を務める大阪府の吉村洋文知事が産経新聞のインタビューに応じ、準備状況や機運醸成、運営収支という3つの課題について語った。

  「準備は最終段階。着実に進んでいる」。吉村氏は万博会場の整備状況をこうアピールし、パビリオン建設の進捗(しんちょく)について「開幕までに間に合うのかとの指摘もあったが、すべてで完成する予定だ」と説明した。
  海外パビリオンなどの一部で、開幕までに内装や展示が整わない可能性があるが、「(前回の)ドバイ万博などでもあったことだ」とした。
  大阪府市が昨年末に実施した全国のインターネット意識調査では、高齢者の万博への興味・関心や来場意向は前年比で低下。入場券の前売りは目標の6割弱にとどまる。
  ネットでの購入手続きの複雑さが一因と指摘されるが、吉村氏は、会場前で購入可能な当日券などが導入されたとして「行きたいと思えば簡単に入場券が買える仕組みが重要。高齢者も行きやすい万博を目指す」と強調。「できあがってきた会場の臨場感を伝え、来場意向を高めたい」と意欲を示した。
  当日券の販売により、完全予約制で来場者を平準化させて会場や交通機関の混雑を防ぐ計画に影響が出る懸念もあるが、予約枠が埋まった日は当日券販売が中止されるとし、「予約状況をリアルタイムで公開し、混雑具合の見える化を図る」と述べた。
  入場券の収益は1160億円に上る運営費の原資となる。入場者が伸びず、赤字になれば公費負担増の議論が再燃する。
  吉村氏は、協会のCFO(最高財務責任者)が収支を適正に管理するとし、今後のPR策として「万博でどんな体験ができるかを色々な媒体やSNSで発信していく」と説明。その上で、万博の意義を「世界各国が技術や知恵を持ち寄り、社会課題を解決していくこと」だと訴え、「万博をきっかけにいろんな技術が社会実装され、経済成長につなげていくという大きな方向性を見失わないようにしたい」と語った。
(山本考志)


2025.02.28-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250228-LSQGJJ424VPH7MQORBQFCNIN4A/
<独自>万博工事入札3分の2が「1者応札」 支出増要因か 談合立件の東京五輪でも続発
(鈴木文也)

  4月13日開幕の大阪・関西万博で、日本国際博覧会協会(万博協会)が発注した会場整備工事の一般競争入札を巡り1事業体のみが参加する「1者応札」が全体の3分の2を占めたことが28日、産経新聞の調べで分かった。建設コスト高騰などで入札参加を控えた影響もあったとみられるが、予定価格と落札価格の差を示す平均落札率は1者応札に限ると98%超。競争性の低さが事業費増大につながった恐れもあり、検証が求められそうだ
(鈴木文也)

  協会公表の入札資料などによると、令和4年4月~昨年12月、木造大屋根(リング)や催事場などの工事入札は、参加者がなく再入札となった「取りやめ・不調」の25件を除くと計66件。このうち1者応札は44件、2者応札は11件、3者以上の応札は11件だった。
  1者応札の最高落札額は、リングの一部を含むパビリオンワールド北東工区施設事業で166億8千万円(税抜き)。再入札となった各テーマ館でも1者応札が相次ぎ、44件の平均落札率は98・9%だった。一方、2者応札の平均落札率は91・9%、3者以上の応札では89・4%と低下した。
  出展各国が原則発注するパビリオン建設などを除く万博の会場整備費は最大2350億円で、政府と大阪府・大阪市、経済界が等分に負担する。1者応札の多い状況に、万博協会の担当者は「デザイン性を重視した建築で、製作や施工の難易度が高い」など工事の特殊性から参加業者が少なくなったと説明。資材費や人件費など近年の建設コスト急騰も「影響した可能性がある」としている。

  ただ、1者応札は競争性の低さから支出増大につながる上、不透明性が問題視されるケースが多い。東京五輪・パラリンピックのテスト大会や本大会の運営を巡っては、総額400億円超の入札談合が事件化。東京都がまとめた調査報告書では、テスト大会の入札26件のうち17件が1者応札で、「不正リスクに対しての牽制(けんせい)が十分に機能しなかった」と指摘した。
  入札制度に詳しい上智大の楠茂樹教授は、万博の入札について「入札不調は(利益にならず)魅力のない工事に誰も手を挙げないという自由競争の結果だろうが、1者応札の多さは不信感を招く。予算や工期などに問題があった可能性があり、入札だけでなく万博招致からの一連のプロセスを検証する必要がある」と述べた。


2025.02.-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250222-MGVWIJ6WEBJJNLMW2ZHRCR5HPU/
大阪府警、万博に向け対ドローン部隊配置 「不審飛行物1キロに迫れば確実検知」
(土屋宏剛)

  4月に開幕する2025年大阪・関西万博で、大阪府警が小型攻撃用無人機(ドローン)によるテロに備え専門の対策部隊を編成し、万博会場の人工島・夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)周辺に専門装備を配置したことが、府警への取材で分かった。万博は22日で開幕まで50日。府警は近年兵器としての存在感を強めているドローン対策に万全を期し、空からの侵入防止に目を光らせる。

  夢洲は四方を海に囲まれ、不審者が侵入しにくいという利点があるが、「視認性がよく、ドローンの操縦には都合がよい」(府警警備部幹部)と指摘される。
  万博に合わせて、今回府警が編成したドローン対策部隊は会場周辺に配置され、複数人に分かれて、昼夜を問わず空からの侵入を警戒。不審な飛行物の接近を高性能レーダーで検知し、妨害電波を発して操縦不能にさせる「ジャミング装置」も配備した。
  大阪府は昨年11月、夢洲の周囲約1キロの範囲でドローン飛行を原則禁止する条例を制定。大阪市も条例を改正し、会場周辺護岸の立ち入り禁止区域を拡大した。府警幹部は「不審飛行物が会場まで1キロに迫った段階で確実に検知し、会場内に入らせないようにする」と強調する。
  軍事・安全保障に詳しい笹川平和財団の小原凡司(おはらぼんじ)・上席フェロー(61)によれば、ドローンは人工知能(AI)の搭載により大きく機能が向上。爆弾などを積んだ自律型兵器として、事前に学習した目標物に向かって飛行し、複数機を同時運用する研究も進められている。2022年以降のロシアのウクライナ侵略でも、両軍が兵器として投入している。
  こうした軍事用ドローンを海外から日本国内に持ち込むのは難しいが、国内で既製品を組み合わせれば代替可能という。小原氏によれば、対抗手段のジャミング装置は周辺の電子機器に不具合が生じる場合もあるが、海に囲まれた夢洲では比較的使いやすいとみる。
  小原氏は「ドローン対策で必要なのは、会場への接近を許さないことに加え、攻撃を受けた際に混乱が生じないようにすること。避難経路や誘導方法などを決めておけば雑踏事故など二次被害のリスクを低減できる」と話す。
(土屋宏剛)


2025.02.22-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250222-KJ2HJBIW3ZKE3FFV7BQD4FA57I/
万博シンボルの大屋根リングにつきまとうコスト問題 再利用検討も、解体費高騰で見通せず
(黒川信雄)

  2025年大阪・関西万博22日で開幕まで50日となった。人工島・夢洲(ゆめしま)にある会場の象徴、木造大屋根(リング)は閉幕後のレガシー(遺産)になり得る。大阪府市は、民間事業者から一部をモニュメントとして残す案やベンチなどに再利用する案が示されたとし、日本国際博覧会協会とも協議する方針。ただコスト問題が解消されず、先行きは不透明だ

  協会は1月下旬、再利用に向け、大阪府木材連合会などとともに自治体や団体向けの説明会を開いたが、人件費が高騰する中、参加者からは「解体費を買い手が負担すると、新品より高くなる」などと懸念する声が上がった。
  協会幹部は解体費の負担について「決まっていない」と言葉を濁す。公募は3月ごろの実施が想定されるが、別の幹部は「解体費込みの値段で募集し、不調なら値下げせざるを得ないだろう」と打ち明ける。
  協会は本来、リングを閉幕後に撤去する方針だったが、建設費が約350億円と巨額だったことから批判が高まり、方針を変更した。モニュメントにするにしても維持費がかかるため、コスト負担の問題は避けられない
(黒川信雄)


2025.02.05-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250205-VHY2YIAIGRJS3EGBMPAT3JG6GQ/
幻に終わった夢洲の「新橋」建設計画 万博での混雑解消策 鉄道延伸も見通し立たず
(黒川信雄)

  2025年大阪・関西万博の会場となる人工島・夢洲(大阪市此花区)大阪メトロ中央線によって市中心部との行き来ができるほか、近隣の人工島である舞洲(まいしま)と「夢舞大橋」で、咲(さき)洲(しま)とは「夢咲トンネル」でつながっている一時はこれに加えて新たな橋を造り、アクセスを向上させる構想が浮上したが、幻に鉄道の延伸計画も検討されているが、コストや需要見通しなどの問題を背景に実現はしていない

  新橋の建設構想は、万博開催中の夢洲へのルート混雑を懸念した財界や日本国際博覧会協会がかつて要望した経緯がある。夢舞大橋とは別に、夢洲と舞洲を結ぶ橋を建設するものだった
  2020年1月に関西経済連合会など関西経済3団体首脳と、大阪府市の首長が会合を行った際にも議題となった。関経連の松本正義会長は「国家プロジェクトである万博の成功という観点からは、(夢洲周辺の交通インフラには)非常に心配がある」と報道陣に発言し、橋の建設が必要との考えを強く示唆した。
  新橋を巡っては、渋滞を懸念する協会からも建設を要望していた。ただ同年4月、当時の松井一郎大阪市長と協会の石毛博行事務総長が建設見送りで合意。市側は交差点の立体交差化などで、スムーズな交通を担保できるとの考えを示したという。

  夢洲周辺では、鉄道アクセスの向上を図る計画もある。JR西日本は桜島駅から舞洲経由で夢洲に至るルートを検討。私鉄も、夢洲方面に向かう列車の開発や一部路線の延伸を検討している。ただ、いずれの計画も巨額の費用がかかることや需要が見通せないことなどから実現はしていない
(黒川信雄)







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