オリンピック-パラリンピック-北京五輪-1



2022.03.13-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220313-2TL5C2KTOVPA7AF4UJPAJ37YZI/?outputType=theme_beijing2022
北京パラ全競技終了、日本メダル数8位

  北京冬季パラリンピック最終日(13日)アルペンスキーの男子回転は座位で今大会銅メダル2個の森井大輝(トヨタ自動車)が5位に入った。鈴木猛史(KYB)は1回目で4位につけたが、2回目に途中棄権。立位は高橋幸平(日体大)の12位が日本勢最高だった。

  ノルディックスキー距離はリレー2種目があり、日本はオープン10キロで新田佳浩(日立ソリューションズ)と川除大輝(日立ソリューションズJSC)が組んで7位。岩本啓吾(土屋ホーム)出来島桃子(新発田市役所)森宏明(朝日新聞社)阿部友里香(日立ソリューションズ)で臨んだ混合10キロも7位だった。
  パラアイスホッケー決勝は米国がカナダを5―0で下し、4連覇した。


  全競技が終了し、46カ国・地域の選手が参加した祭典は閉会式で閉幕
  日本は4個の「金」を含むメダル7個で国・地域別ランキング9位、メダル総数は8位となった。中国が金18個など計61個のメダルを量産し、冬季初の1位。ウクライナは金11を含む計29個で冬季過去最高の2位だった。(共同)


2022.03.05-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220304/k10013514311000.html
北京パラリンピック開会式【時系列まとめ】大会は今月13日まで

  北京パラリンピックの開会式が4日夜に行われ、10日間の冬のパラスポーツの祭典が開幕しました。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受け、RPC=ロシアパラリンピック委員会とベラルーシの選手の出場を認めない決定が大会直前に下されるという異例の状況下での開幕となりました。

IPC会長 「ピース」と大きな声を上げスピーチ締めくくる
  開会式の入場行進は国や地域の名前を、中国で使われている漢字で表記したときに、1文字目の画数が少ない順に行われ、先頭のベルギーに続き日本は旗手を務めたクロスカントリースキーの川除大輝選手を先頭に行進しました。
  また、4番目に登場したウクライナは行進の際に車いすに乗った人など数人が時折、拳を突き上げるしぐさを見せていました。
  このあとIPC=国際パラリンピック委員会のパーソンズ会長がスピーチの冒頭で「今夜は平和のメッセージから始めなければならない」と述べました。
そのうえで「今は対話と外交の時代であり戦争や憎悪の時代ではない。差別や憎しみとは無縁の紛争のない世界を目指す。世界は共に生きる場で分断すべきではない」などと終始、強い口調で述べ、最後には「ピース」と大きな声を上げて締めくくりました。
  大会は、今月13日まで10日間の日程で6競技78種目が行われます。
【開会式詳細】
  現地時間の午後8時、日本時間の午後9時からおよそ1時間半にわたって行われた開会式のようすを時系列にまとめました。
(※日本と北京との時差は1時間です)
現地20:00 開会式始まる
  開会式の会場は、先月のオリンピックと同じ「国家スタジアム」、通称「鳥の巣」です。
  開会式のテーマは「前向きに、ともに乗り越えよう」です。
  総合演出は、2008年夏と今回のオリンピックで開閉会式の演出を手がけた、映画監督のチャン・イーモウさんです。
  大会は、13日まで10日間の日程で6競技78種目が行われますが、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続いていることを受けて、ロシアパラリンピック委員会とベラルーシの選手の出場を認めない異例の決定が下されました。これにより今大会に参加する国と地域は前回大会より3少ない46となっています。
現地20:04 中国国旗入場 手話まじえ国家斉唱
  開会式の会場に中国の国旗が入場しました。視覚に障害のある大学生たちが歌い、聴覚障害のある人たちが手話で表現するなか、国旗がパラリンピックに出場した人などの手によって運ばれ、会場に掲揚されました。掲揚に際して国歌が斉唱されました。
現地20:10 大会のマスコットが登場
  スタジアムに氷と雪の道が現れました。大会のマスコット、「雪容融(シュエ・ロン・ロン)」が道を作り中国の伝統的な赤いランタンがモチーフになっています。できあがった道には、「Welcome」の文字が見えます。この光には「夢を照らし、世界にぬくもりを与える」という意味が込められています。
現地20:12 入場行進始まる “入場順は1文字目の画数少ない順”
  大会に出場する46の国と地域の選手たちの入場行進が始まりました。
  入場の順番は、国や地域の名前を、中国で使われている漢字で表記したときに、1文字目の画数が少ない順です。「比」という4画の文字からはじまるベルギーの選手たちが最初に入場しました。選手たちはマスクをしてお互いの距離をとりながら入場行進をしています。
現地20:13 日本が入場 今大会は29人が出場
  ベルギーに続き日本が入場しました。旗手は、クロスカントリースキーの川除大輝選手です。今大会には29人の選手が参加し、アルペンスキーの村岡桃佳選手が日本選手団の主将を務めています。
  旗手の川除選手は、開会式を前に取材に応じ「ついに来たなという気持ちと、だんだん試合が近づいている緊張があるので、楽しんでやっていきたい」と意気込みを語りました。そのうえで旗手を務めることについて「日本の顔として前に立たせてもらうので、しっかりと楽しくみんなに見てもらえるように頑張りたい」と話していました。
現地20:15 ウクライナ 車いすの選手がこぶし突き上げるしぐさも
  4番目にウクライナが入場しました。ロシアによる軍事侵攻を受けて、出場が危ぶまれましたが、選手団は2日に北京に到着。大会には20人が出場します。
  旗手を務めるのはバイアスロンとクロスカントリースキーに出場するマクシム・ヤロビー選手です。ウクライナの選手団は、入場行進の際、車いすに乗った人など数人が時折、拳を突き上げるしぐさを見せていました。
  開会式の前にNHKの取材に応じたウクライナパラリンピック委員会のワレーリイ・シシュケービチ会長は「私たちが目指すのは、すべての人類の平和です。戦争反対です」などと訴えました。
現地20:19 リヒテンシュタイン 冬のパラ出場は7大会ぶり
  アルペンスキーに1人の選手が出場します。出場するのは冬のパラリンピックではリヒテンシュタイン初となる女子選手のサラ・フンダート選手です。
現地20:25 パラリンピック発祥の地 イギリス
  20番目にイギリスが入場しました。パラリンピックは第二次世界大戦で負傷した兵士のリハビリのために1948年にイギリスで開かれたスポーツ大会が起源になっています。活躍が期待されるのはアルペンスキー、視覚に障害があるクラスに出場する、メナ・フィッツパトリック選手。初出場となった前回は、金を含む4つのメダルを獲得しました。
現地20:27 次回夏の大会開催国 フランスが入場
  2024年に夏のパラリンピックがパリで開催されます。旗手を務めるのは、バンジャマン・ダビエ選手です。前回の大会で、クロスカントリースキーとバイアスロンで3つの金メダルを獲得しました。
現地20:28 冬のパラ初出場 プエルトリコ
  カリブ海にあるアメリカの自治領、プエルトリコが入場しました。冬のパラリンピックに出場するのは初めてです。旗手は唯一の選手でアルペンスキーに出場するオルランド・ペレス選手です。
現地20:30 金メダル獲得は過去最多 ノルウェー入場
  ノルウェーは、これまでの冬のパラリンピックで最も多い136個の金メダルを獲得しています。注目は、アルペンスキーに出場する22歳のイェスペル・ペデルセン選手。初出場の前回、18歳で金メダルを獲得しました。
現地20:31 アメリカが入場
  65人が出場します。注目の選手はウクライナで生まれ、アメリカに移住したオクサナ・マスターズ選手(32)です。
  自身のSNSには「私の心と魂はウクライナとアメリカの両方にある」とつづっています。クロスカントリーとバイアスロンに出場し、去年夏の東京大会では自転車で金メダルを獲得し、夏と冬合わせて10個のメダルを獲得しています。
現地20:35 チェコは“Vサイン”で行進
  32番目に入場したチェコは、選手らが笑顔を見せることなく、片手を掲げて指をVの形にして行進していました。
現地20:44 次回冬の大会開催国のイタリア
  次回、2026年の大会がミラノと、コルティナダンペッツォで開かれます。選手たちは国旗の赤、白、緑の3色でいろどられたポンチョのようなそろいの衣装で入場してきました。
現地20:45 最後に開催国の中国が入場
  今回は前回のピョンチャン大会の4倍となる96人の選手が参加しています。選手団が入場すると、観客席の人たちが立ち上がり手にした小さな国旗を振る様子が見られました。
現地20:50 “世界の人口の15%は何らかの障害がある”
  IPC=国際パラリンピック委員会などが始めた「WE THE 15」というキャンペーンの映像が上映されました。世界の人口の15%は何らかの障害があるとして、差別をなくし、生活をより豊かにしようという目的があります。障害がある人たちが登場し「私たちは、特別じゃない」というメッセージを訴えています。
現地20:53 大会組織委会長「世界に向け信頼や友好、希望を発信」
  大会組織委員会の蔡奇会長がスピーチし「ここから9日間、世界中からの選手たちは強い意志と向上心で競いあい、限界に挑み、粘り強く自分の力で乗り越える姿を見せてくれることでしょう。このパラリンピックは私たちをひとつにし、世界に向けて信頼や友好、希望を発信します。手を取り合い、ともに未来に向かいましょう」などと述べました。
現地20:55 IPC会長「今は戦争や憎悪の時代ではない」
  IPCのパーソンズ会長は「今夜は平和のメッセージから始めなければならない」と切り出し、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を念頭に「いま世界IPCのパーソンズ会長は「今夜は平和のメッセージから始めなければならない」と切り出し、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を念頭に「いま世界で起こっていることに 恐怖を感じている」と強い口調で述べました。
  また、国連総会が採択したオリンピックとパラリンピックの期間中の休戦を求める決議は尊重されるべきだとしたうえで「21世紀は対話と外交の時代であり戦争や憎悪の時代ではない。差別や憎しみとは無縁の紛争のない世界を目指す。世界は共にあるべきで分断されてはならない」などと述べました。パーソンズ会長は最後に「ピIPCのパーソンズ会長は「今夜は平和のメッセージから始めなければならない」と切り出し、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を念頭に「いま世界で起こっていることに 恐怖を感じている」と強い口調で述べました。
また、国連総会が採択したオリンピックとパラリンピックの期間中の休戦を求める決議は尊重されるべきだとしたうえで「21世紀は対話と外交の時代であり戦争や憎悪の時代ではない。差別や憎しみとは無縁の紛争のない世界を目指す。世界は共にあるべきで分断されてはならない」などと述べました。パーソンズ会長は最後に「ピース」と大きな声を上げてスピーチを締めくくり、平和を訴えました。
現地21:03 習主席が開会宣言
  習近平国家主席が開会を宣言すると、会場には紫色の雪の結晶をイメージした花火が打ち上げられました。
現地21:03 開会式のテーマ表現するパフォーマンス
  開会式のテーマ「前向きに、共に乗り越えよう」を表現するパフォーマンスでは、視覚に障害がある少女が拍手を頼りにランタンを運び、床に置くと赤い光が広がりました。そして赤い光の中から家族が現れ、車いすに乗った女性が子どもなどと抱き合いながら、何気ない日常の喜びを表現しています。
現地21:05 視覚障害の男性の手のひらにパラリンピックシンボル
  手のひらに描かれたのはスリー・アギトス。「アギト」とはラテン語で「私は働く」という意味で、あきらめない強い意志を表現しています。
現地21:15 パラリンピック旗入場
  旗を運んだのは、夏のパラリンピックに出場した選手を含む8人です。このあと、視覚に障害のある10歳から22歳の人たちによって、パラリンピック賛歌が演奏されました。
現地21:18 選手や審判 コーチの代表が宣誓
  「決してドーピングや不正行為を行わず、いかなる差別も禁じることを誓います。パラスポーツを通じて世界をよりよい共生社会にするため、これを実践します」などと述べました。
現地21:23 会場に聖火が到着
  会場で聖火をリレーしたのは夏と冬のパラリンピックに出場した8人です。最終ランナーは、陸上で4つの金メダルを獲得した選手が務めました。
  今大会の聖火リレーは新型コロナウイルスの感染対策を理由に3日間に限定され、はじめに北京の盲学校や、万里の長城など8つの場所で採火式が行われ、パラリンピック発祥の地イギリスで採られた火も含めて、1つに集められました。
現地21:31 聖火 最終ランナーがトーチを「設置」
  最終ランナーの足もとが上がっていき、雪の結晶に近づいていきました。最終ランナーは目が不自由で、手で聖火のトーチを設置する場所を1分ほどかけて
探しました。会場からは中国語で「がんばれ」などと声があがっていました。そして、無事トーチが設置されると大きな歓声があがりました。
現地21:38 開会式が終了
  聖火がともされたトーチが差し込まれると、会場に大きな花火が打ち上げられました。開会式は1時間30分余りで終了しました。


2022.03.03-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220303-Q7WJOTRIEBL5JN4CBRYU3NGL3Q/?outputType=theme_beijing2022
露とベラルーシを一転除外 IPC「選手の安全が第一」 選手村で不穏な状況も

  国際パラリンピック委員会(IPC)3日、ロシアとベラルーシの選手団に対して北京冬季パラリンピックへの参加を認めない決定を下したと発表した。2日の理事会では国名などを使わない「中立」の立場で個人資格の出場を認めるとしたが、一転して撤回した。

  IPCは「複数の選手やチームが出場を見送る意向を示し、大会の継続にも影響が出ていた。選手村の状況もエスカレートしており、選手の安全と安心を確保するのが最も重要」などと説明した。
  世界的にウクライナに侵攻したロシアと支援したベラルーシをスポーツ界から排除する動きが加速しており、両国選手の参加を容認したことで、選手村が不穏な状況になっていた様子がうかがえる。このためIPCは4日の開幕を目前に全面除外の判断を下した。
  IPCによると、今大会のロシア勢は国ぐるみのドーピング問題の制裁で個人資格の約70選手、ベラルーシは約10選手がエントリーしていた。


2022.03.02-Yahoo!Japanニュース(デイリー)-https://news.yahoo.co.jp/articles/48a4e3389dd9b065b74a5a8d7d19d3c4a5a1862f
露選手の北京パラ出場容認に落胆広がる 米国委「失望」、英国「間違った決定。再考を」

  国際パラリンピック委員会(IPC)がRPC(ロシアパラリンピック委員会)ベラルーシの選手について、中立選手として北京パラリンピック(4日開幕)への参加容認を発表したことを受けて、除外を求めていた欧米などの国から落胆の声が相次いだ

   米国オリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)は、サラ・ハーシュランド会長の声明を発表し「世界中の国際連盟と国内オリンピック、パラリンピック委員会が平和が回復するまでロシアとベラルーシのアスリート、役員の国際スポーツへの参加を完全に禁止するように求めてきました。今朝、IPCが2022年冬季パラリンピックにロシアとベラルーシの選手の参加を許可することを決定したと知りました。選手の競技権の保護と、この決定の難しさについてはIPCに共感しますが、五輪休戦だけでなく、無意味な戦争の犠牲者を認めないロシアの態度を許しており、我々はこの結果に失望しています」と、反発した。
   ロイター通信によると英国のナディーン・ドリーズ国務長官も「IPCには非常に失望している。これは間違った決定で、緊急に再考を求める」と、非難した。
   IPCは大会直前の両国の選手の除外について法的な難しさがあったことを認めている。「パラリンピックの旗の下で競争し、メダルテーブル(メダルの国別集計)には含まれない」としており、北京パラリンピック後の理事会で両国のNPCの資格停止や除名を検討することも示唆している。


2022.02.21-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220221/k10013494221000.html
北京オリンピックが閉幕 中国側は大会の成功をアピール

  北京オリンピックの閉会式が20日夜行われ、中国側は「冬のスポーツの新しい時代を切り開いた」と大会の成功をアピールしました。習近平国家主席としては、共産党トップとして異例の3期目入りをにらんで、大きな実績にしたいものとみられます。

  北京オリンピックの閉会式は20日夜、北京にある国家スタジアム、通称「鳥の巣」で行われ、習近平国家主席やIOC=国際オリンピック委員会のバッハ会長らが出席しました。式では大会組織委員会の会長で、北京市トップの蔡奇書記が「北京は夏と冬の両方の大会を開催した。今回の特別なオリンピックは冬のスポーツの新しい時代を切り開いた」と述べ、大会の成功をアピールしました。

  中国は新型コロナウイルスのわずかな感染拡大も許さない「ゼロコロナ」政策を続けるとともに、選手や大会関係者が外部と接触できないようにするいわゆる「バブル方式」を徹底し、17日間の日程を予定どおり終えました。
  また中国の人権状況を理由に政府関係者を派遣しない「外交的ボイコット」の動きが欧米などの間で相次いだ中でも、開会式にはロシアのプーチン大統領をはじめ、選手が参加しない国も含めて20か国余りの要人が出席しました。

  さらに中国はノルウェー、ドイツに次いで3位となる9個の金メダルを獲得し、メダルの総数でも冬の大会で最多となりました。
  習主席としてはことし開かれる共産党大会で党のトップとして異例の3期目入りをにらんで、オリンピックに続いて来月4日に開幕するパラリンピックも成功に導き、大きな実績にしたいものとみられます。
ウインタースポーツ施設の整備進む
  中国の習近平政権は北京オリンピックの開催で3億人がウインタースポーツを楽しむようになったと強調し、今回の大会をきっかけにスポーツ界での中国の存在感を高めたい考えです。
  習主席は開幕に先立って先月25日に行われたIOC=国際オリンピック委員会のバッハ会長との会談で「大会開催の最大の目的は3億人がウインタースポーツを楽しむようにすることだ。これが成功裏に実現した」と強調しました。

  こうした発言を受けて、バッハ会長も閉会式のあいさつで「中国をウインタースポーツの国として歓迎する」と述べ、今後の中国の貢献に期待する姿勢を示しました。
  中国ではオリンピックをきっかけに都市部を中心に人工のスキー場やスケートリンクなど、ウインタースポーツの施設の整備が進んでいます。北京市内の大型商業施設に作られたスケートリンクでは、フィギュアスケートのレッスンを受ける子どもが増え、小学生を中心におよそ700人が個人指導を受けています。
  元選手のコーチのレッスン料は30分で320元、日本円で6000円近くと安くはありませんが、希望者は多いということです。スケートリンクの運営会社の担当者は「北京オリンピックは中国の冬のスポーツの始まりにすぎません。大会後も多くの人が氷上のスポーツに参加するようになってほしいです」と、冬の競技の人気がさらに高まることに期待を寄せています。
  一方で、ウインタースポーツは道具をそろえる費用がかかることなどから、生活にゆとりのある都市部の富裕層や中間層に人気が限られていて、中国社会の格差の問題が浮かび上がる形にもなっています。
北京の住民「誇りに思う」「全く関心ない」
  北京オリンピックについて、北京に住む女性は「中国の選手たちの頑張りは学ぶべきところも多く、とても印象的でした。中国を誇りに思います」と話していました。
  一方で、20代の女性は「全く関心がなく、北京で開催されているのも知らなかった。仕事が忙しかったこともありテレビで観戦する時間もなかった」と話していました。
各国のメディアはどう伝えた?
  20日、閉会式が行われた北京オリンピックについて海外メディアは選手たちの活躍をたたえる一方、ドーピングの問題が取り沙汰されたことなどを、大会を象徴する出来事として伝えています。
  このうちフランスのAFP通信は「大会は、中国の谷愛凌選手のような新たなスターを生み出した一方、15歳のワリエワ選手をめぐるドーピングスキャンダルや、コロナ禍の“バブル方式”で開かれたことでも、記憶に刻まれるだろう」と伝えています。
  またイギリスの公共放送BBCは「冬のオリンピックとしては過去最多のメダルを獲得した中国にとって大会は成功だった」とする一方「大会前から注目を集めた人権侵害の問題や、女子テニスの彭帥選手が安全かどうかは、疑問として残ったままだ」と指摘しています。
  アメリカの有力紙、ニューヨーク・タイムズは「閉会式で中国は喜びのない偉業を祝った」と題した記事を掲載し「中国は大会を盛大に開催しようと努力したが新型コロナウイルスや政治的な緊張、ドーピングに対する非難や、ウクライナ危機により、喜びのないまま幕を閉じたなどと厳しい評価で伝えています。


2022.02.20-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/4e6608f5144591792c05e8f8d680a034e57ba6f8
IOCは独裁国家との〝共犯〟に終止符を
(北京 西見由章)

  「五輪は私たちに大きな災いをもたらした。住居は取り壊され、家財道具も没収されたのです」 こう話すのは、2008年の北京夏季五輪を機に北京市西城区の自宅を追い出された元人権派弁護士、倪玉蘭(げい・ぎょくらん)さん(61)だ。

  土地強制収用の被害者を支援していた彼女は弁護士資格を剝奪(はくだつ)され、当局者の暴行で足が不自由になった。
  夏季五輪後は政府の圧力で借家を追われ続け、警察の派出所のロビーで夫と生活していた時期もある。今は路上生活だという。

   「今回の冬季五輪で、私たちが経験した苦難を再び多くの人が味わっただろう」と倪さんは語る。 実際、雪上競技会場の河北省張家口市崇礼では少なくとも数千人が立ち退きを強いられた。高速鉄道駅「太子城駅」に近い太子城村などの集落が、施設建設や外観美化を理由に徹底的に取り壊されたのだ。
   五輪の競技会場にある大型モニターには、マスクから鼻を出した外国人記者の顔画像が「マスクなし」の通報案件として、指名手配写真よろしく表示された。国内には6億台以上の監視カメラがある。警察当局は五輪警備を通して、国民の監視能力も一層高めた。

  習近平政権が五輪で得たものは大きい。巨大イベントの開催により国内外に習氏と共産党の威信を示した。中国勢が過去最多のメダルを獲得し、国民の愛国心は高揚した。新疆ウイグル自治区の人権弾圧に対する世界の目もそらした。 国際オリンピック委員会(IOC)にとっても、権威主義国家で五輪を開催するメリットは大きかった。
  コロナ禍でも国民から開催反対論が噴出することはなく、公金負担の是非を問う住民投票もない。中国当局は開催費を過去20年間の冬季五輪で最小の39億ドル(約4500億円)と見積もったが、実際の総経費は10倍近い385億ドル(4兆4千億円)以上だと米メディアは試算している。


  中国共産党体制は1980年代以降の改革開放で、西側諸国の資金と技術を吸収し、資本主義のプレーヤーとして「カネこそ正義」とばかりに肥大化した。その一方で、先進国を恫喝し独裁国家の本性を現すようになった中国に対して、民主主義諸国は協調路線を放棄しつつある。
  いまだIOCは、強権体制によって滞りなく大会を開催できる中国に魅力を感じているようだ。2008年に大地震に見舞われた四川省成都などでは夏季五輪招致を模索する動きもある。 IOCが今後も独裁国家との相互依存に傾斜するならば、高尚な理念を掲げる五輪の価値は一層損なわれていくだろう。
(北京 西見由章)


2022.02.20-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220220-JVLQ42VJ75KGLFL2JMD4LPKECA/
「平和の祭典」の限界露呈 「選手第一」「五輪の理想」はどこに 北京閉幕

  熱戦が繰り広げられた北京冬季五輪は20日、閉幕を迎えた中国の人権状況に懸念の目が向けられた大会は「平和の祭典」としての限界を露呈昨夏の東京五輪で見られた選手の表現活動は消極的で、環境への影響が懸念される人工雪の会場は「選手第一」からは遠い状況も指摘された。史上最多18個のメダルを獲得した日本選手団の活躍で「スポーツの魅力」は印象づけられたが、フィギュアスケート女子のドーピング問題など、今後に禍根を残す「負」の面が印象に残ってしまう17日間でもあった。

  悲しい事故が起きたのは開幕前日の3日だった。スノーボード女子スロープスタイルとビッグエアの芳家里菜(STANCER)がスロープスタイルの公式練習中に転倒し脊椎を損傷し、五輪の欠場が決まった。転倒による欠場者はほかにもおり、要因として天然雪よりも硬くて滑りやすいとされる人工雪の影響が指摘された。スノーボード女子スロープスタイルのジェイミー・アンダーソン(米国)は2日の練習後、「(雪質は)とても硬い。絶対に転倒したくない。まるで防弾の氷」と語った。

  競技会場の北京と河北省は降水量が少なく、人工雪に頼らざるを得なかった。雪を造るには大量の水が必要で「持続可能な五輪」との整合性に疑問符がつき、大会後も環境への影響が懸念される。「自然との調和」が求められる冬季五輪において改めて開催地選びに課題を残した形だ。
  地球温暖化は世界的な課題で、そもそも冬季五輪開催に適した地域は少ない。国際オリンピック委員会(IOC)が開催地に北京を選んだのも苦渋の決断ではあった。欧州の有力都市が巨額の開催経費への懸念から相次いで招致から撤退し、残ったのは北京とアルマトイ(カザフスタン)の2都市。今後、会場規模の適正化や競技数、参加選手数の見直しなどの改革なくして冬季五輪の発展はない。

  五輪が単なるスポーツイベントと一線を画すのは、スポーツを通じ、よりよい社会の実現や世界平和に貢献するといった理想による。バッハ会長は18日の会見で「(北京五輪は)大きな成功を収めた」と総括したが、果たしてそうだろうか。東京五輪から緩和された選手の政治的、宗教的、人種的な表現活動は目立たず、帰国してから人権問題を抱える中国での開催を決めたIOCを批判したメダリストもいた。新型コロナウイルス禍での開催を、厳格な「バブル方式」で乗り切ったことは評価できるが、「五輪の理想」に照らして「大きな成功」といえるのか、疑問が残る。
  公平、公正な舞台での競い合いがスポーツの原則だが、IOC自ら原則から目をそらしてきた結果ともいえる事態も起きた。禁止薬物に陽性反応が出たROC(ロシア・オリンピック委員会)の15歳、カミラ・ワリエワがスポーツ仲裁裁判所(CAS)の裁定で出場が認められた点について、IOCは「提訴したが、敗れたので従うしかない」などとし、責任はないという姿勢を示した。しかし、いまだ解決をみないロシアの組織的なドーピング問題に対し、毅然とした対応をしてこなかったIOCが招いた悲劇ともいえ、率先して襟を正すべきだ。
  疑問を抱く判定も目立った。ジャンプ混合団体では高梨沙羅(クラレ)を含む女子5人がスーツの規定違反で失格。五輪で5人もの失格者が出たのは異例で、こうしたルール運用は「選手置き去り」ともいえる。東京五輪から半年。同じコロナ禍での異例の大会ながら「北京」は「東京」とは異質の「顔」をのぞかせた。(橋本謙太郎)


2022.02.18-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220218-VO24J2KOZNPRZAT2VR4ZEQRJDE/photo/OQCBHDLIVNP23G5H4L2H4L2Z2A/
ワリエワ、失意の終幕 坂本「見るのがつらかった」 ドーピング問題渦中

  17日に行われた北京五輪フィギュアスケート女子フリーで、ドーピング騒動の渦中にいるカミラ・ワリエワ(15)=ロシア・オリンピック委員会(ROC)=は、ジャンプの着氷が何度も乱れ、本来の力が出せないまま、表彰台を逃した。大会の「顔」は無言のまま会場を去ったが、18日午後には国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が五輪の開幕後では初めて記者会見。この問題への反応に注目が集まるのは必至で、騒動はまだ尾を引きそうだ。

  ワリエワのフリーは最終滑走の25番目でスタート。冒頭の4回転サルコーは持ちこたえたが、2回目以降のジャンプは着氷が何度も乱れた。演技はやり抜いたが、本来の姿とはほど遠い滑りとなった。演技後はROC関係者が「カミーラ」と大合唱したが、本人は落ち着かない様子でリンクを降り、4位になったことを知ると、顔を覆って涙をぬぐった。取材エリアでも報道陣の取材に応じず、失意の表情で足早に立ち去った。
  ワリエワ余波はほかの選手にも及んだ。メダリストの記者会見ではワリエワに関する質問が同じROC勢に飛んだ。金メダルのアンナ・シェルバコワ(17)=ROC=は「あの中で最後まで滑りきったのは大変だったと思う」と仲間を思いやった。演技を見ていなかったという銀メダルのアレクサンドラ・トルソワ(17)=ROC=は「コメントはない。私ではなく、彼女に聞いてください」と言及しなかった。銅メダルの坂本花織(かおり=21)=シスメックス=は「正直見るのがつらかった」と話した。
  ただ、まさかの失速で18日夜にメダル授与式が行われることになった。ワリエワが3位以内に入った場合は五輪期間中には実施しないと決定していた。坂本は「(日本が3位だった)団体のメダルをもらえていない。すぐにもらえて正直うれしい」と率直な思いを語った。トルソワも「メダルを持って帰れるのはもちろんうれしい」と話した。

  各国には同情と衝撃が広がった。ロシア通信は、ワリエワが欧米で高まる反ロシア感情の被害者になったとの政治家の発言を報道。英国の金メダリスト、ロビン・カズンズさんは英BBC放送で「リンクに立たせるべきではなかった」と語り、出場を認めたスポーツ仲裁裁判所(CAS)の裁定を批判した。


2022.02.17-Yahoo!Japanニュース(Wedge)-https://news.yahoo.co.jp/articles/cec8fd3e3177211d822743ffe481a1e20c2fb119
フィギュアのワリエワ問題が示したロシア・ドーピングの闇-(佐々木正明)
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  北京五輪はまたもやロシアのドーピング禍の深い闇を国際社会にさらすイベントになった。
  フィギュアスケート女子で個人戦に出場したロシア・オリンピック委員会(ROC)代表のカミラ・ワリエワ選手は昨年末の大会で、禁止薬物のトリメタジジンが検出され、出場の是非がスポーツ仲裁裁判所(CAS)の判断を仰ぐ事態となった。
  この問題には、ワリエワ選手や彼女のコーチのエテリ・トゥトベリーゼ側の五輪前の選手の体調管理の拙さという単純な構図ではなく、これまであらゆる競技のスポーツ界を揺るがしてきたプーチン政権下の泥沼の薬物汚染の実態ということが背景にある。
スポーツの政治利用という悪弊
  プーチン政権はスポーツを国威発揚のために積極的に活用し、世界の大国であることを示すため、極端な選手強化策を推進してきた。2014年ソチ五輪で明るみになった組織ぐるみのドーピング問題では、パラリンピックの選手までも薬物汚染に染まり、悪名高きソ連時代の諜報機関である国家保安委員会(KGB)の後身組織であるロシア連邦保安庁(FSB)が隠ぺいに関わり、告発しようとした関係者が不審死する事態にも陥っている。
   高難度のジャンプとステップを次々に決め、しなやかな表現力で演技するワリエワの才能はフィギュア大国のロシアにして「史上最高のスケーター」とされ、そもそもドーピングなどに手を染めなくても、今大会の金メダルは確実な情勢になっていた。
   スポーツに不正はあってはならない。しかし、誤解を恐れずに言えば、15歳の少女が金メダル欲しさに禁止薬物に手を出すことは考えられず、周りのいる大人にこそ咎めはある
  そして、ロシア国内では今回もこのドーピング問題を欧米主導の陰謀によってロシアを落とし込める口実にしているとして、大きな非難が沸き上がっている。ウクライナ危機とごちゃまぜにしている論調もみられる。
   個人戦を前にして「精神的にどん底に陥った」と嘆いたワリエワ。彼女は過去にドーピングに染めてきた人物たちが起こした騒動や、スポーツを政治利用してきたロシア歴代政権の悪弊に引きずられた犠牲者なのである。
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ワリエワへの疑惑と裁判所の判断経緯
  ワリエワのドーピング問題にはさまざまな情報や憶測が飛び交っている。事態を冷静に振り返るため、この問題のポイントを箇条書きにて整理したいと思う。

  ・禁止薬物は21年12月25日に行われたロシア選手権での検査から採取された。検出されたのは心臓の病気である狭心症などに使われる薬「トリメタジジン」。モスクワ市内の薬局などでも市販されており、購入することができる。
  ・北京五輪フィギュア団体戦終了後の2月7日にロシア反ドーピング機関(RUSADA)が国際オリンピック委員会(IOC)に報告。検査の結果通知が遅れたことが期間中の報告になった。 ・国際オリンピック委員会(IOC)はワリエワ選手の大会期間中の試合への参加を禁じ、団体戦のメダル授与式も中止に。その後、RUSADAはワリエワ側の抗議を受け、暫定資格提出処分の解除を決定し、出場継続を認めた。IOCや世界反ドーピング機関(WADA)がこれを不服として、CASに提訴し、ワリエワ側に聴取をして14日に訴えを却下し、五輪出場を認めた。
  ・CASが五輪出場を認めたのは、ワリエワ選手がWADAの規定する16歳未満の「要保護者」にあたり、制裁が軽減されたから。この状況下で出場を禁じれば、機会を奪い取り返しのつかない損害をもたらすことも理由にした。
  ・今回の裁定は暫定的な処分であり、陽性反応が出たことや団体戦の結果については検証対象になる。個人戦の結果についても、変わる可能性がある。 ・CASの聴取に対して、ワリエワ選手は「途中20分の休みしかない状況で7時間質問を受けた」と説明。ワリエワ選手の母親と弁護士は「昨年クリスマスに心臓病を患い、薬を服用していた祖父と同じワイングラスを使って、ワリエワが誤って口にしたからだ」と状況を説明した。
  ・15歳の少女が自分の意志で禁止薬物を採取することは考えにくく、WADAはRUSADA関係者や、トゥトベリーゼ氏らコーチ、さらにはチームドクターらへの聞き取り調査を行うことを発表。調査結果をその後、発表する。
  ・トゥトベリーゼはロシアメディアに対して、「ワリエワは過去3年間でも最高の状態にある。どんなドーピングでも4回転を跳ぶことの助けにはならないし、音楽的な演技を表現する能力を授けたりはしない」と話して、ドーピング疑惑の潔白を訴えている。
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フィギュアはじめスポーツ選手と薬物の歴史
  ・フィギュアスケートでのドーピング違反は他の競技に比べても極端に少ない。しかし、ロシアでも違反例はあり、17年グランプリ(GP)ファイナル2位のマリア・ソツコワ氏から利尿剤に含まれるフロセミドが検出され、その事実を隠蔽しようとしたとして、RUSADAが10年間の競技出場資格停止処分を発表した。
  ・トリメタジジンは健常者が使うと疲労回復や持久力の向上作用があるとされ、ノルウェーの「アンチドーピングデータベース」によると、過去の摘発例は20件で旧ソ連圏が多い。国別内訳はロシアが8件、ウクライナと中国が3件。エストニアが2件。米国、カザフスタン、ジョージア、フランスが各1件。競技内訳は陸上5件、競泳4件、ボート、レスリング2件ずつなど。8人の選手が4年間の資格出場処分、4人が2年間の処分。
  ・トリメタジジンと同系統のメルドニウムはロシア選手の陽性事例が相次いでいる。16年にはテニス界の名選手、マリア・シャラポワ氏もメルドニウムによる陽性反応が出たことを公表している。18年平昌大会ではロシアから参加した女子のボブスレー選手と男子のカーリング選手の2人から検出された。ボブスレー選手は失格となり、カーリングチームはメダルのはく奪となった。
  ・14年ソチ五輪後のロシアの組織ぐるみのドーピング禍を訴え、現在は米国に逃亡しているモスクワの反ドーピング検査所元所長のグリゴリー・ロドチェンコフ氏が英紙デイリーメールの取材に対し、「トリメタジジンはかつてロシアのスポーツ界で乱用された長い歴史がある。2006年にスウェーデンで行われた欧州陸上選手権で、ロシア人選手のホテルの部屋からトリメタジジンの使用済みパックとメルドニウムの空(から)の瓶が見つかった」と指摘した。
ロシアでは「不正の域を超えた犯罪」
  フィギュアスケート界のトップを走る15歳の少女の体内から、禁止薬物が検出されたことには大きな衝撃があるが、演技のレベルをあげるために意図的に採取したのかどうかについては、こうして正負の相反する情報があり、真相はなおも闇の中だ。WADAは、ロシア選手権の際に採取したワリエワの検体Bを再度、詳細に調べることも行うだろう。
   この問題をめぐっては、米国オリンピック・パラリンピック委員会や韓国のフィギュアスケートのスター、キム・ヨナさんからもワリエワのドーピング疑惑について、厳しいコメントが出ている。これはロシアのスポーツ界にはソ連時代から続くドーピング禍がはびこり、14年ソチ大会で明らかになった組織ぐるみのドーピング問題の「不正の域を超えた犯罪」(WADA調査報告書責任者、リチャード・マクラーレン氏の言葉)の衝撃がなおも大きいからだ。
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  ロシアがソチ事件から8年経った今も、国家の代表として出場できず、選手が個人資格のROC所属として出場しているのもドーピング禍の闇がなおも深いことを物語っている。
   ロシアにとって、スポーツは歴史的に、国威発揚を図り、米国やほかの先進国と伍して負けない大国であることを世界にアピールする手段として用いられてきた。  冷戦時代の五輪は、宇宙開発競争と匹敵する米ソ頂上決戦であり、ソ連政府は全土から身体能力に優れた少年少女をモスクワの育成センターに集めて、エリート教育を行なってきた。当時、盛んに指摘された「ステートアマ」は「国家のアマチュアアスリート」を意味し、五輪であればメダルを獲得すれば、家や就職口も政府から供与され、一生が安泰という保証がなされた。
   プーチン大統領もソ連時代の養成システムで柔道を鍛えたアスリートであり、00年に権力の座についてからも、スポーツを国威発揚の手段として用いた。「スポーツは、社会の団結ならびに発展に役立つ普遍的な手段である」とスピーチしたこともあり、14年冬季五輪開催地を決めるため、07年に行われたIOC総会では会場に自ら乗り込み、ロシア語、英語、フランス語で最終プレゼンをアピールしたことはよく知られている。
   ところが、ロシア選手団はソチ大会の直前となる10年バンクーバー五輪で、金3個、銀5個、銅7個というソ連時代を通じて、過去最低のメダル数に陥ってしまう。これは、ちょうどこの五輪に参加する選手の誕生年がソ連崩壊、新生ロシア誕生の混乱期に差し掛かり、英才教育が出来なかったことが原因とされている。いずれにせよ、冬のスポーツ大国の威信はここでずたずたに引き裂かれたのである。
   そして、プーチン政権下で迎える国家の大事業であるソチ大会を競技成績として成功に収めるため、無理強いした上からのメダル獲得指令が、組織ぐるみのドーピング体制を副産物として産み出したのである。露紙ベドモスチは、プーチン政権がソチ五輪での勝利を「経済や社会情勢が悪化する中、国民を動員する手段」として政策に取り込もうとしたことが、無謀な不正を招いたとの見方を伝えた。
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国ぐるみで進められていた偽装工作の数々
   先ほど、紹介したロドチェンコフ氏の暴露をもとに作られた16年発表のWADAの報告書はまさに全世界に衝撃を与えた。ロシアの不正は「前例のない規模」であり、関与したのは五輪・パラリンピックの30以上の競技におよび、1000人超の選手が関与したと告発した。
   不正工作は大掛かりで、五輪会場のソチのドーピング検査所には、警備の厳しい制限エリアの壁に小さなねずみ穴が設けられ、陽性反応が出る可能性の高い選手の尿検体が隣の部屋に運び出された。
   代わりにすり替わったのはその選手の「クリーンな検体」。モスクワには事前に個々の選手から採取された、禁止薬物を服用する前の尿検体を保管する秘密の場所があり、尿の保存には「コーラの瓶」が使われていた。極秘の工作は、「マジシャン」と呼ばれていたFSBの工作員が下水道作業員を装って検査所に出入りして、行っていた。
  瓶の中の検体は入れ替えられていたFSBは開封厳禁だった瓶のふたを「歯科医が治療で使うような器具」を使ってこじ開ける手法を開発し、それを使った。WADAはロドチェンコフ氏の指示通り、科学捜査機関の鑑定で、ふたの裏側に小さな傷があることを突き止めた。
   ロドチェンコフ氏はさらにWADAの検査官を欺くため、検体に塩やコーヒーの粉を加えて本来の尿の成分を変えたり、禁止薬物が検知されにくい「カクテル」を作ったりして選手の筋肉増強などに役立てていたことも赤裸々に語った。

   最初にこの問題を告発したロシアの女子陸上選手、ユリア・ステパノワ氏は「ロシアのスポーツ選手の間では、ドーピングは普通の話だった」と打ち明け、検体の意図的な破棄や、ドーピングの専門知識を悪用した検査所職員が選手にわいろの要求をしていた泥沼の実態も白日の下にさらした。
   ロドチェンコフ氏もステパノワ氏もロシア国内の保守派からは「ユダ(裏切者)」呼ばわりされ、すでにロシアを去った。ロドチェンコフ氏は妻子を残して、米国に逃れた。亡命が認められ、ホワイトハウスの証人保護プログラムによって米国内の秘密の場所で暮らしている。17年にはモスクワの裁判所がロドチェンコフ氏の逮捕状を取り、国際指名手配を申請することが報じられた。
   ロドチェンコフ氏の命がけの告発は、米映画界の最高の名誉であるアカデミー賞も受賞した。17年にロドチェンコフ氏の証言を元に制作されたネットフリックスのドキュメンタリー作品「イカロス」は第90回アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞を受賞した。
   20年夏の英紙フィナンシャル・タイム紙のインタビューで、ロドチェンコフ氏は「政治腐敗の成れの果てです。プーチンとその一味は完全な犯罪者集団ですから」と語った。そうして、ドーピングの専門知識を悪用して、不正に関わったその動機について「義務でした。他に選択肢はなかった。私のキャリアは、ひとえにロシア選手のソチ大会での活躍にかかっていた」とも明かした。
   この記事では、プーチン政権の反体制派の抹殺のように、ロドチェンコフ氏には暗殺計画があるとも明かされた。
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ドーピング問題での一番の被害者は
    ロドチェンコフ氏が恐れているのも無理はない。ロドチェンコフ氏の側近で、組織ぐるみのドーピング禍の中枢にいたとされるRUSADAの元最高責任者のニキータ・カマエフ氏と、ビャチェスラフ・シニョフ元会長の2人が16年2月に相次いで死亡した。
   それでもこの事実はロシア国内でもほとんどニュースに報じられなかった。後に、英紙サンデー・タイムズはカマエフ氏が同紙のスポーツ部門チーフ記者にEメールを送信してきて、「私はこれまで公表されていない事実や情報を握っている」と調査報道の依頼をしてきた事実を明かした。
   「死人に口なし」――。カマエフ氏はロシアのドーピング禍の闇を訴えようとしたときに亡くなったのである。
   ロシアのドーピング禍の被害を受けてきた世界のスポーツ界が、北京大会でのワリエワ選手の問題発覚を受けて、「また、ロシアの選手が汚染されているのか」という思いをするのも無理はない。
   筆者は以前、新聞記者時代にこの問題を発表したときに、文章の最後にこう記して、記事を閉じた。
   「今回(ドーピング禍)の問題の最大の犠牲者は不正に手を染めず、自身の生涯をかけ、五輪を目指して頑張ってきた他の選手であり、将来、スポーツ界で輝くことを夢見てきたロシアの子供たちである」  ワリエワ選手はもしかしたら誤って禁止薬物を服用したかもしれない。だとすれば、リンクで流す彼女の涙を見たとき、再び、この感情がわいてくるのである。
(佐々木正明)


2022.02.14-BBC NEWS Japan-https://www.bbc.com/japanese/60372953
【北京冬季五輪】 フィギュアのワリエワ選手、出場可能 ドーピング違反めぐりCASが決定

  スポーツ仲裁裁判所(CAS)は14日、フィギュアスケート女子のカミラ・ワリエワ選手(15、ロシア・オリンピック委員会)について、暫定的な資格停止にすべきではないと決定した。同選手はドーピング検査で陽性と判定されたが、開催中の北京冬季オリンピックで再び競技できることになった。

  ワリエワ選手は昨年12月25日の検査で、狭心症を防ぐ薬物トリメタジジンが検出され陽性となった。今月8日にこの結果が通知され、暫定的な資格停止とされたが、異議を申し立てた。翌日、ロシア反ドーピング機関(RUSADA)が資格停止を解除した。
  国際オリンピック委員会(IOC)、世界反ドーピング機関(WADA)、国際スケート連盟(ISU)は、RUSADAによる解除を不服としてCASに提訴していた。CASのマシュー・リーブ事務総長は、ワリエワ選手の出場を阻めば、「取り返しのつかない損害」を同選手に及ぼすだろうと説明した。

  そして、「次の例外的な状況が考慮されるべきだ。彼女は16歳未満であり、世界反ドーピング機関(WADA)規則の下の保護対象者である」と付け加えた。CASは13日、この問題をめぐって6時間近くにわたって聴取を実施。3人の委員が14日朝まで検討を続けた。
  今回はワリエワ選手の資格停止について判断したに過ぎない。検査の陽性判定や、それをめぐる状況については調べていない。
五輪開催中の通知
  ワリエワ選手の陽性判定は、検査で検体を提出してから6週間近くたった、冬季オリンピックの真っただ中に告げられた。
  スポーツ界の最高裁にあたるCASは、「結果通知のタイミングがまずいという深刻な問題」も、今回の決定に影響したとした。「冬季オリンピック大会の最中という、こうした遅い時期の通知は、彼女の過ちではなかった」
  ワリエワ選手は7日まで開かれた団体戦に出場し、ロシア・オリンピック委員会の金メダル獲得に貢献した。メダルは、今回のドーピング問題が完全に終結するまで、授与されない予定。
  15日には個人種目が始まる。金メダル候補と目されているワリエワ選手は、これに出場できることになった。ワリエワ選手は14日、CASの決定が発表されてから30分ほどのうちにリンクに出て、メディアの前で練習を再開した。
遠い問題解決
  ワリエワ選手の今回の五輪への出場問題はこれで解決された。だが、大会全体に影を落とす結果となった。また、ドーピング違反の疑いをめぐって未成年者が大騒動のただ中に置かれたことには、怒りの声が噴出している。真の問題解決には程遠い状況だ。
  WADAはすでに、ワリエワ選手の同行者について調べると表明している。コーチ、医師、それ以外の成人らが対象になる。一方で、同選手が検査で陽性になった問題は、まだ解決されていない。それはつまり、彼女が五輪でメダルを獲得して、あとで剥奪される可能性があることを意味する。

  ロシアは過去のドーピング違反を理由に国際大会への出場を禁止されている。そうした中で、ロシア選手が検査で陽性となったことは、これから大きな議論を呼ぶとみられる。ロシアからは今回の五輪に212人ほどの代表団が参加しているが、制裁の一部として、ロシア・オリンピック委員会(ROC)の名前で出場している。メダル授与式では国旗も国歌も用いられていない。
  IOCはCASの決定の発表前、決定について「好むと好まざるとにかかわらず」受け入れるとしていた。一方、アメリカ・オリンピック委員会は、「今回の決定が発信するメッセージに失望している」とコメントした。


2022.02.13-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/2c3bbbd259acb7e46be4f59e631a6f87049d0b91
ドーピング、疑惑判定…トラブル相次ぐ北京五輪

  【北京=桑村朋】北京冬季五輪で各国代表選手らによる熱戦が繰り広げられる中、競技のルールや判定をめぐるトラブルが噴出している。フィギュアスケートでは金メダル候補にドーピング問題が浮上し、スキージャンプでは有力選手が相次いで失格する異例の事態に陥った。他にも疑惑の判定などが出ており、複数の競技で論争を呼ぶような展開となっている。

  大会中盤となった現在、最も注目を集める事件はロシア・オリンピック委員会(ROC)として出場するカミラ・ワリエワ(15)のドーピング問題だ。
  フィギュア女子シングル金メダル候補で、7日の団体でROC優勝に貢献。だが8日、昨年12月にロシアで開かれた大会でのドーピング検査で陽性反応が出たことが報告された。 8日の団体表彰式は異例の延期となり、国際オリンピック委員会(IOC)は閉幕後にずれ込む可能性に言及したが、ロシアの検査機関はワリエワへの資格停止処分をわずか1日で解除。処分解除を疑問視するIOCなどがスポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴する事態となった。

  CASは12日、裁定が出るのは14日午後と発表。裁定の中身次第では15日からの個人戦出場も危うく、団体の金メダルも取り消されかねない。 一方、出場規定をめぐり世界的な論争に発展しているのがスキージャンプだ。 混合団体で日本の高梨沙羅(25)ら4カ国5人の女子選手が1、2本目の飛躍後の検査で、「スーツの規定違反」で失格となった。同じスーツで出た個人戦では問題になっておらず、各国メディアは「あり得ない判定」「ばかげたルール」と疑問を呈する。
   全日本スキー連盟も検査方法に関する文書を国際スキー連盟(FIS)に出す方針で、関係各国も問題提起の構えを見せる。欧州メディアはFISが来季に向け、規定変更を検討していると報じるなど、最高峰の大会である五輪でのトラブルは異例の状況だ。
  ショートトラックでは中国に有利な判定を下したとの疑惑が出た。7日の男子1000メートル準決勝で、上位でゴールした韓国選手2人がビデオ判定でレーン変更違反で失格となり、中国の2選手が決勝進出。決勝でも1位のハンガリー選手がゴール後に失格、中国選手が金、銀メダルとなった。
  ある韓国紙は「史上最悪の五輪だ」と批判。韓国選手団も記者会見で「不当な判定」と訴え、IOCと国際スケート連盟(ISU)に抗議文を送り、CASに提訴する方針を示した。
  一方、河北省張家口市で開かれたバイアスロンでは、風が強く複数の選手が「鼻に凍傷ができた」「凍え死ぬ」とSNSに不満を投稿。規定では「氷点下20度以下ならレースを中止する」とされるが、スイスなどの関係者は「体感温度は氷点下30度以下だった」と異常な寒さを指摘している。


2022.02.11-Yahoo!Japanニュース(AERA dot.)-https://news.yahoo.co.jp/articles/a25995b85bfc6ca52eaf8b9f42f5437cb694ec07
北京五輪の「硬い人工雪」が選手を壊す? 脊椎損傷した成田童夢が語る“リスク”と“トラウマ”<dot.>
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  11日、スノーボード男子ハーフパイプ決勝で、平野歩夢(23)が日本勢初となる金メダルを獲得した。その一方、北京五輪では、雪上競技の練習中に大けがをした日本人選手が相次いでいる今月3日、スノーボード女子スロープスタイル、ビッグエアの芳家里菜(22)が公式練習中に転倒し、脊椎損傷を負って欠場。5日にはスキーフリースタイル女子の近藤心音(18)も練習中に右ひざの靭帯(じんたい)を損傷し、ビッグエアを欠場した。北京五輪では全面的に人工雪が使用されているが、雪の硬さによる安全面には 選手から不安の声も上がっていた中でのけがだった。人工雪と大けがに因果関係はあるのか。元スノーボード五輪代表の成田童夢(36)に人工雪と選手のケガのリスクについて聞いた。

  今大会の雪上競技は、降雪量の少ない北京市延慶や河北省張家口市での開催となったことから、降雪機をフル稼働させ、人工雪でコースが作られた。
  人工雪は天然雪と比べて硬いため、選手のけがも心配されている。アメリカのジェイミー・アンダーソン選手(女子スロープスタイル)も記者会見で「(今大会のコースについて)あまり理想的ではない」と話し、人工雪で作られた硬いバーンを「防弾氷」にたとえ、「絶対に転倒したくない」とコメントしていた。

   2006年トリノ五輪スノーボードハーフパイプ日本代表の成田童夢は、引退後、芳家選手と同じ脊椎損傷のけがを負ったことがある。成田からみて、自然雪と人工雪はどう違うのか。 「人工雪は自然雪と比べて粒子が粗いので、気温が低くなると氷のようになるんです。極端にいえば、氷でできたコンクリートと言ってもいいくらいの硬さで、べニヤ板なんかよりはずっと硬いですね。そうした雪で転倒すれば、もちろんケガのリスクはあります
   だが、成田は人工雪の使用について否定しない。競技によっては、人工雪のほうが適していることもあるからだ。 「人工雪のほうが形状が崩れにくいので、同じコンディションで挑みやすい。特にハーフパイプやビッグエアのような(人工)造形物の中での競技では、早く溶けて形が崩れやすい天然雪では、滑れば滑るほど削れてしまうので、後に滑る選手になるほど不利になってしまいます。フェアに競技をする上では、やわらかすぎて形状が変わってしまう自然雪よりも、人工雪の方がいい場合もあるんです
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  それでも、やはり人工雪の“硬さ”には注意が必要だと話す。 「人工雪が日なたで溶けてデコボコになった状態から日陰になって冷やされると、デコボコのままコンクリートのような硬さになってしまう。そうなればミスが起きやすく、着地が不安定になって転倒しやすい。その時のコンディションをしっかり把握する必要があります
  人工雪が硬くなったところに転倒すればけがのリスクはあるが、今回の芳家さんのけがに関しては「人工雪だから起きたものではないと思う」と語る。 「着地の際の衝撃に関しては、天然雪のほうが多少クッションがある程度で、正直、あまり変わらない。自分自身、シャバシャバの状態の天然雪でも、着地の衝撃に耐えきれず、背骨を折ったことがありました。今回はジャンプ競技の着地でけがをした選手が多いですが、世界で戦う選手たちは高さ5~6メートル以上のところから着地しているわけです。ビルの3階から飛び降りるようなもので、その高さから落下して転倒すれば、雪の硬さに関係なくけがはします」

  成田も現役引退から数年後、脊椎損傷のけがをしている。ジャンプ台から斜めに着地するべきところを垂直方向に着地してしまい、膝で衝撃を受けきれず背骨にまで衝撃が及んでしまったという。 「競技中はアドレナリンが出ているので、痛さは感じないのですが、腰が抜けたような感覚になりました。『あれ?立てない』となって担架で運ばれたのですが、後からじわじわ痛んできて、救急車で運ばれました。オリンピックのジャンプ台と比べると、なんてことはない高さだったんですけどね……」
  医者からは「絶対安静」と言われ、病院のベッドから起きられない生活が、1カ月半ほど続いた。つらい日々を思い起こし、欠場した選手に心配と期待を寄せる。 「ひどいけがをすれば、トッププロでもトラウマになり得ます。その後に活躍できるかは、トラウマを乗り越える勇気にかかってくるので、選手のメンタルケアが本当に大事だと思います。挫折を味わう分、一度それを乗り越えてしまえばかなり強い選手に育つはず。トラウマを克服した選手は、同じミスをしないという心を持ち続けられるので強いんです。今回のけがで、(選手たちには)競技自体を嫌いにならないでほしいですね」
  欠場した選手はいずれも10代~20代前半。不運による挫折を乗り越え、また最高のパフォーマンスを見せてほしい。(AERA dot.編集部・飯塚大和)


2022.01.11-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220211/k10013479401000.html
ワリエワのドーピング疑いでITAが声明 “禁止薬物の陽性反応”

  北京オリンピックに出場しているROC=ロシアオリンピック委員会のカミラ・ワリエワ選手にドーピング違反の疑いがあったと報じられている問題で、選手のドーピング検査を担うITA=国際テスト機関が声明を発表し、去年12月に行われた検査の結果、禁止薬物の陽性反応が出ていたことを明らかにしました。

  これは今月8日、北京オリンピックのフィギュアスケート団体でメダルの授与式が行われなかったのは、金メダルを獲得したROCの15歳、カミラ・ワリエワ選手にドーピング違反の疑いがあったなどと報じられている問題です。
  この問題について、大会のドーピング検査を担うITAが声明を発表し、詳しい経緯などを明らかにしました。
  ITAによりますと、ワリエワ選手は去年12月にロシア国内の大会に参加した際のドーピング検査の結果、WADA=世界アンチドーピング機構が禁止薬物としている「トリメタジジン」について陽性反応が出たということです。この検査結果は今月8日に検査機関から届いたとしています。

  これを受けて、ロシアアンチドーピング機構が一時的な資格停止処分としましたが、その後、ワリエワ選手側からの抗議が認められ、処分は解除されたということです。IOCはこの決定に対して不服申し立てをCAS=スポーツ仲裁裁判所に行う方針だということで、ITAがその手続きを代行するとしています。
ロシア五輪委「現時点では制約なく競技に参加できる」
  これを受けて、ロシアオリンピック委員会は11日、声明を発表し、「現時点では制約なく競技に参加できる」と強調しました。
  声明の中で、ロシアオリンピック委員会は「陽性反応が出たのは、去年12月25日に採取した検体で、オリンピックの期間には当たらない。オリンピックの最中ではドーピング検査で陰性となっている。CAS=スポーツ仲裁裁判所が特段の決定を下さないかぎり、現時点では、ワリエワ選手は制約なく競技やトレーニングに参加できる」と主張しました。
  そのうえで団体での金メダルについて、「オリンピックでの検査で陽性となった訳ではないので、選手とチームが獲得した結果は、自動的に修正の対象となることはない。われわれは、チームが公正な競技で獲得した金メダルを守るために包括的な措置を講じている」とオリンピックの結果には影響しないとの認識を示しました。
世界最高得点の15歳 異名は“絶望”
  フィギュアスケート、女子シングルのカミラ・ワリエワ選手はROC=ロシアオリンピック委員会の15歳です。
  おととしの世界ジュニア選手権で優勝し、今シーズンからシニアに参戦しました。フリーではトリプルアクセルに加え4回転ジャンプ3本を跳ぶ極めて難度の高いプログラムに挑んでいて、シニア転向1年目からグランプリシリーズ2つを含め、出場した国際大会すべてで優勝し、世界最高得点を次々と塗り替えました。
  このうち、去年11月のグランプリシリーズ ロシア大会では、ショート、フリーともにすべての演技をほぼ完璧に決めて272.71をマークし、自身が持つ世界最高得点を更新して実力を示しました。
  他を寄せつけない圧倒的な演技からロシアでは“絶望”という異名で呼ばれています。
  今大会は、すでに団体に出場し、予選の女子シングルショートプログラムでは世界最高得点に迫る得点をマークするなど決勝のフリーとともにトップになる活躍を見せて、チームの金メダル獲得に貢献していました。

  また、15日から始まる個人戦の女子シングルでは、同じくROCのアンナ・シェルバコワ選手、アレクサンドラ・トゥルソワ選手とともに表彰台独占を果たすかどうかも注目されています。
“トリメタジジン”とは
  「トリメタジジン」は、血管拡張や血流促進作用のある禁止薬物で、一般的には狭心症など心臓の病気の治療に使用されています。
  WADA=世界アンチドーピング機構が毎年改訂しているドーピング違反となる「禁止物質」を定めた禁止表では、2014年までは興奮薬に分類されていましたが、2015年からは代謝調節薬に分類されています。
  WADAの規定では、禁止薬物については、選手が治療の目的で事前に使用申請し許可されていれば、薬を使用できる特例措置があります。
  前回のピョンチャンオリンピックでは、ボブスレー女子2人乗りにロシアからOAR=個人資格で出場したナジェジダ・セルゲエワ選手が、「トリメタジジン」を使用するドーピングを行っていたとして失格処分となっています。
ロシア大統領府報道官「ある種の誤解だと確信」
  これについて、ロシア大統領府のペスコフ報道官は11日、記者団にコメントしました。

  ペスコフ報道官は「ある種の誤解だと確信している。私たちの関係者たちは、ワリエワ選手が検査を受けたタイミングには疑問を持っているが、今はコメントしたくない。今後の手続きが終わるのを待つ」として、当面は経緯を見守る考えを示しました。
  また、ペスコフ報道官は「私たちはどんな場合でもワリエワ選手を支持している。『カミラ!顔を隠さないで。堂々と歩いて、そしていちばん重要なのは、パフォーマンスを見せて勝ってください』。皆さんもこう彼女に呼びかけてほしい」と述べました。

2022.02.08-Yahoo!Japanニュース(ENCOUNT)-https://news.yahoo.co.jp/articles/2db7d867822f3cf01a076b34e1a4f8db35d0b483
失格の高梨沙羅、泣き崩れる瞬間に海外ファンも同情「ルールに問題」「彼女がかわいそう」

  北京五輪の新種目ノルディックスキージャンプ混合団体が7日、行われ、高梨沙羅クラレ)は1回目で大ジャンプを決めるもスーツの規定違反でまさかの失格に。泣き崩れる瞬間を海外メディアが公開しているが、海外ファンからも同情の声が上がっている。

  高梨は1回目に103.0メートルの大ジャンプで、124.5点をマーク。思わず白い歯をのぞかせる、会心のジャンプだった。しかしその後、スーツの規定違反が明らかになり失格。泣き崩れた。

   日本のファンからは高梨への励ましの声が上がっていたが、うずくまって落ち込む姿を海外メディア(ユーロスポーツ・ポーランド)が公開すると、ファンからは「このルールには問題がある」「彼女がかわいそう、恐ろしい光景だ」「かわいそうに」などと同情が広がっている。
   それでもなんとか気持ちを立て直した高梨は2回目は98.5メートルを記録。全体4位で惜しくもメダルは逃したが、驚異の粘りは感動を呼んだ。


2022.02.07-Yahoo!Japanニュース(中央日報)-https://news.yahoo.co.jp/articles/b3f7fec6da1aa6aec55bdbf01d463580c3dac51a
<北京五輪>予想通り中国の「ホームアドバンテージ」は強力

  予想通り中国の「ホームアドバンテージ」は強力だった。本格的なメダル大量獲得に乗り出す韓国ショートトラックにも判定警戒令が下された。 中国は5日北京首都体育館で開かれた2022北京冬季オリンピック(五輪)ショートトラック2000メートル混合リレー金メダルを獲得した。だが、競技内容に関連して判定問題が持ち上がった。準決勝で起きたいわゆるブルートゥースタッチ」のためだ。

   中国はハンガリーと米国に続き3位で決勝ラインを通過した。準決勝では上位2チームが決勝に進むことができる。中国はBファイナル(5~8位決定戦)に進むかのように見えた。ところがその時、審判陣が10分間余りの協議を通じてビデオ判定を実施した。
  そして米国とROC(ロシアオリンピック委員会)が失格になった。中国はハンガリーに続き2位で決勝に進出した。中国は続いて行われた決勝でハンガリーとカナダがもつれ合って転倒したことから、容易に金メダルを手にすることができた。

  準決勝当時、中国はフィニッシュラインまで13周を残して3位を滑っていた。交代を準備している任子威を張雨ティンが押し出そうとする時、ROC選手が割り込んできた。ショートトラックでは臀部でなくても身体の一部がタッチしていれば交代と認めている。
  だが張雨ティンは任子威の身体に接触することができず、任子威はそのままレースを継続した。 中国のタッチを妨害したROCがペナルティを受けたのは明確だった。米国はライアン・ピビロットがコース基準線であるブルーラインを越えて内側でブロックをしたことが認定された。
  米国とROCが失格になったのは当然だった。だが、中国は交代しなかったのに失格にはならなかった。 韓国ショートトラック代表チームで最年長のクァク・ユンギ(33)は6日、公式練習を終えた後のインタビューでこの部分に触れた。

  クァク・ユンギは「現場で試合を見ていた。(中国、ROC、米国など)3チームは失格になると思った。後ろで見ていたオランダ選手も同じことを話していた。ビデオ判定が長くなり『まさか』と思ったが、受け入れ難い状況が発生した」と話した。
  クァク・ユンギは「タッチしない状況のまま競技を続けるのは今まで見たことがない。『他の国が同じような状況だったら決勝に進出できただろうか』と思った」と話した。 混合リレーは女-女-男-男-女-女-男-男の順に滑らなければならないが、同じ性別内では順序を変えることができる。
  1選手当たりの距離(500メートル)は固定となっている。最初は2周半(277.8メートル)、2回目は2周(222.2m)を滑る。ただ、他チームの選手のせいで交代することができなければ、例外的に追加で半周してタッチすることができる。
  原則通りなら、追加で半周した後に交代するべきだった。中国のキム・ソンテ監督は競技後、「判定は審判がするべきこと」としながら言葉を慎んだ。 クァク・ユンギは「韓国代表チームとは関係のない判定だったが、私たちも当事者になり得るという気がした。もし私たちがそのような状況だったらあまりにも悔しすぎるという気持ちになった」と話した。
  続いて「選手生活の中で、タッチしていない状況が認められたのはこれまで一度も見たことがない。もし他の国だったら『決勝に進んだだろうか』と思った」とした。 中国が判定で利益を得ることは開幕前から予想されていた。クァク・ユンギは「選手たちは中国のことを強く意識している。中国のホームでの態度は昨年10月の第1次ワールドカップ(W杯)の時にすでに経験済みだ。風がかすめていっても失格するかもしれないという話をするほど、判定に対しては神経を尖らせている」と伝えた。
  中国の選手は攻撃的なレースを好む。特に女子看板選手の范可新と曲春雨はこれまで何度も韓国選手に巧妙な反則を仕掛けてきていて韓国人の間では悪名が高い。ホームアドバンテージで寛大な判定が出れば、被害が韓国選手に向かう可能性もある。 解決法は相手が体が接触するような口実を与えない完ぺきなレースだ。
  KBS(韓国放送公社)のイ・ジョンス解説委員は「すっと襟がかすめるだけでも気を付けなければならない。一歩間違えれば失格を許すことになる。先へ先へと滑っていくレースが必要だが、スピードと体力がカギ」と話した。崔ミン禎(チェ・ミンジョン)は「特定国家ではなく競争相手のことに気を配って、良いレースができるような方法を準備する。他の選手と衝突しないように安定したレースをしていく」と話した。


2022.02.06-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220206-JKKYMG6VYBKLZJQAJLEJ7H6QF4/?outputType=theme_beijing2022
中露首脳会談 身勝手認め合う「結束」か

  「平和の祭典」である五輪の開会式を迎えた北京が舞台である。中国の習近平国家主席が武力行使の自制を求め、ロシアのプーチン大統領が応じる。それが、大国の指導者に期待された振る舞いではなかったか。だが中露首脳の約2年ぶりの対面会談はそれとほど遠いものだった。

  ウクライナ周辺は昨年来10万人超のロシア軍が集結し、緊迫している。ロシアは2014年、ウクライナのクリミアを併合した。再侵攻で大きな犠牲が出るのは想像に難くない。武力行使の阻止は国際社会の喫緊の課題だ。
  ロシアが要求しているのは、ウクライナや周辺の旧ソ連構成国が北大西洋条約機構(NATO)に加盟しないとの確約だ。だが、米欧は各国を縛れないと拒否し、交渉は継続している。

  中露首脳会談の共同声明は、「NATOのさらなる拡大に反対する」と明記し、ロシアの立場を明確に支持した。ロシアが再侵攻に踏み切った場合、容認したと取られかねないのではないか。米国のインド太平洋戦略や米英豪の安全保障の枠組みAUKUS(オーカス)への反対など対中包囲網への警戒も盛り込まれた

  北京五輪開会式は、米欧の多くの国が外交的ボイコットをして、出席した首脳は少なく、プーチン氏は主役級のゲストとなった。今回の首脳会談が、中露のさらなる結束強化につながる可能性もあり、警戒を強めねばならない。同時に、その結束がどこまで本物か見極めることも重要だ。
  中国は、ウクライナから空母を購入するなど同国の軍事産業と密接な関わりがあり、両国は良好な関係を維持してきた。今回、ロシア側に立った経緯などを冷静に分析し、それを踏まえ、中露共闘と向き合わねばならない。

  北朝鮮問題でも、中露が米欧と対立し、国連安全保障理事会が機能しないのは大きな問題だ。4日の会合でも、制裁強化を主張する米国に中露が反対し、安保理として声明を出せなかった。
  明らかなのは中露が、世界平和や繁栄に向かうのでなく、反米と、互いの言い分を認めあうために共闘しているということだ。国際秩序に挑戦し、力による現状変更をいとわない中国やロシアに日本は与(くみ)することはできない。中露両国にはあくまで、態度を変えるよう求めていくべきだ。


2022.02.05-朝日新聞(KYODOU)-https://www.asahi.com/articles/GCO2022020501000062.html
聖火点火者にウイグル族 中国、外交ボイコット意識

  【北京共同】4日夜に開かれた北京冬季五輪の開会式で、中国は聖火の点火者に新疆ウイグル自治区出身のウイグル族の女子選手を起用した。国際社会では同自治区での人権侵害に批判が高まり、米英などは北京五輪の「外交ボイコット」に踏み切っている。中国はこうした動きに対抗し、少数民族が活躍できる社会を実現しているとアピールする狙いとみられる。

  点火者2人のうちの1人として登場したノルディックスキー距離のジニゲル・イラムジャン(20)は、新疆北部アルタイ市の出身。五輪は初出場で、国際的にはそれほど名前は知られていない。(共同)


2022.02.05-FNNオンライン-https://www.fnn.jp/articles/-/310830
北京五輪・開会式で台湾を「中国台北」と紹介 テレビ中継には習主席の映像 台湾メディア反発

  北京オリンピックの開会式の中継で、中国の国営テレビは台湾の選手団を「中国台北」と紹介した。中国の一部であることを強調する表現で、台湾では反発の声が上がっている。

  4日夜に行われた開会式で台湾の選手団が入場したとき、これまでのオリンピックと同じ「中華台北(チャイニーズ・タイペイ)」とアナウンスされるとともにプラカードにも「中華台北」と書かれていた。
  一方で開会式を生中継していた中国国営中央テレビのアナウンサーは台湾が中国の一部であることを強調した「中国台北」の名称で紹介した。さらに中国の国内向けの放送では、台湾選手に拍手を送る習近平国家主席の姿が放送された。台湾が中国の一部であるという立場を強調し、主に国内向けにアピールした形だ。
  台湾メディアは「中国が嫌がらせをした」などと伝える一方、日本の中継では「台湾」と紹介されたことを好意的に報じている。


2022.02.04-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/42eb36fb98714f911fa51974d97b7c2a757e61be
五輪でも中国の「人権」に注目 誰のための祭典か

  【北京=桑村朋】北京冬季五輪は競技だけでなく人権問題に注目が集まる異例の大会となった。新疆ウイグル自治区などでの人権弾圧に対し、米欧などは外交的ボイコットを行い、各国では五輪への抗議デモが広がる。誰のための「平和の祭典」なのか。主催側の姿勢が問われている

  中国政府が問題視する発言を選手がした場合、「身に危険が及ぶ可能性はないのか」 3日夜の国際オリンピック委員会(IOC)総会後の記者会見。バッハ会長は海外メディアの質問に直接答えず、「ルールを守った上で発言すべきだ」と述べるにとどめた。
  一方で「選手には言論の自由がある」として、「競技後は好きなようにSNS(会員制交流サイト)で発言できる。東京でも北京でも変わらない」とも述べた。

   五輪憲章は「人権の尊重」や「表現の自由」をうたい、バッハ氏も「世界を一つにするのが五輪の使命だ」と訴える。だが、大会の組織委員会は「五輪精神に反する行動や言動、特に中国の法律に抵触するものは処罰の対象だ」と主張する。
  「中国共産党や中国政府を批判するな」とくぎを刺したともとれる。 大会にはウイグル族やチベット族の選手も中国代表として出場する。
  日本ウイグル協会(東京)幹部のサウト・モハメドさんは「同じ民族の人が世界の舞台で戦うのはうれしい」と話す一方、「訴えたいことがあっても五輪中は何も言えないだろう。党が望まない発言は自分や家族に危険が及ぶためだ」という。

  2008年の夏季五輪の際、サウトさんはウイグル自治区にいたが、党から勤務先に「海外メディアの取材には一切応じるな」との通知が届いた。
  「今は当時より言論統制が厳しい。今大会は特に強い統制が敷かれているだろう」とみる。
  欧米で指摘が相次ぐ「強制収容所」への拘束や不妊手術の強要、強制労働はスポーツ選手も例外ではない18年には、中国のプロサッカーチームのウイグル族の選手が「海外に行ったこと」(ラジオ自由アジア)を理由に収容所に送られたこともあった。 先月以降、米、英、トルコなどでは、ウイグルやチベット、香港の人々が北京五輪への抗議デモを相次いで実施。祝祭の雰囲気を欠く中で4日の開幕を迎えた。サウトさんは「人権なくして五輪はない。中国に平和の祭典を開く資格があるか」と語った。


2022.02.04-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220204/k10013466201000.html
北京2022オリンピック・パラリンピック

  北京オリンピック。4日、現地午後8時(日本時間午後9時)からは北京の国家スタジアム(愛称:鳥の巣)で開会式が行われます。4日から始まった各競技の結果や日本選手の動向などをまとめてお伝えします。(※北京との時差は1時間。現地時間は日本よりも1時間遅くなります)

開会式 入場行進始まる 日本は10番目に登場
  オリンピック発祥の地、ギリシャの選手たちを最初に出場する91の国と地域の選手たちの入場行進が始まりました。日本は10番目に登場。スキーノルディック複合の渡部暁斗選手とスピードスケートの郷亜里砂選手が旗手をつとめました。
開会式 氷から“五輪マーク”
  会場に巨大な氷のようなかたまりが登場。レーザーの光で冬のオリンピックを開催してきた都市の名前が英語や漢字で記され、最後に24回目の開催都市、北京の名前があらわれました。その後、会場にはアイスホッケーの選手が登場してきました選手たちがバーチャルで表示されたアイスホッケーのパックを打つとそれが氷のようなかたまりとぶつかり、それが割れて、中からオリンピックの五輪のマークが現れました。
北京オリンピック 開会式始まる(現地20:00~)
  北京オリンピックの開会式が始まりました。会場は14年前の夏の大会でも開会式が行われた「国家スタジアム」
  開会式の演出の総監督は2008年の夏の北京オリンピックでも演出を務めた映画監督のチャン・イーモウさんで、新型コロナウイルスの感染対策などを考慮して、2008年の大会よりも時間を短縮するほか、出演者の数も少なくするとしています。
開会式を前に日本選手たちは…(現地20:00前)
  開会式の入場行進を前に日本選手団の選手たちがインタビューに応じました。
旗手を務めるスキーノルディック複合の渡部暁斗選手とスピードスケートの郷亜里砂選手は、じゃんけんをして旗を持つ順番を決めたということで、渡部選手は、「順番は見てのお楽しみ。急に旗を渡されてめちゃくちゃ緊張してきました。日本を背負って責任を持って先頭を歩きたい」と話していました。また、スピードスケートの郷亜里砂選手は、「楽しんでやっていきたい」と明るい表情で話していました。
  スキーフリースタイル、男子モーグルの堀島行真選手は「きのうの予選は失敗したが、楽しめるところは楽しみたいと思って参加した。マスク越しだが、笑顔の雰囲気が伝わるように行進したい」と話していました。
  スキーフリースタイル、女子モーグルの川村あんり選手は「やっと始まるなという気持ち。応援してくれる人に手をふりながら見てもらいたい。張家口に比べて北京はだいぶ暖かくて快適です」と話していました。
プーチン大統領訪中 習主席と首脳会談
  ロシアのプーチン大統領は北京オリンピックの開会式など一連の行事に出席するため、日本時間の午後3時すぎ北京に到着しました。プーチン大統領は習近平国家主席との会談に臨んでいて、軍事的な緊張が続くウクライナ情勢を巡っても意見が交わされる見通しです。
スキージャンプ高梨 ノーマルヒルへ最後の調整
  金メダル獲得を目指す高梨沙羅選手は5日の女子ノーマルヒルに向けて河北省の張家口にある「国家スキージャンプセンター」で最後の調整をしました。高梨選手は「あまり状態はよくないが、自分のできるかぎりのことを尽くして臨みたい」と引き締まった表情で話していました。
大会公式HPに一時選手団派遣できない“ロシア”の表記
  北京オリンピックの公式ホームページなどで、参加する国や地域の一覧に一時、ROC(ロシアオリンピック委員会)とは別にロシアが掲載されていたことがわかりました。過去の組織的なドーピングで、ロシアはことしの12月まで主要な国際大会に選手団を派遣できない処分を受けています。
  NHKは大会の組織委員会などに経緯について問い合わせましたが、これまでに回答はありませんでした。
フィギュア団体 日本は3種目終え4位(現地14:50ごろ)
  団体の予選3番目の種目、ペアのショートプログラムが終わりました。日本の三浦璃来選手と木原龍一選手のペアは9組中4位となり、7ポイントを獲得しました。この結果3種目を終えて日本は合計20ポイントで4位としています。
スキージャンプ 小林陵侑など男子ジャンプ陣が調整(14:00~)
  スキージャンプスキージャンプ男子の小林陵侑選手などが5日のノーマルヒルの予選に向け、午後2時ごろから調整しました。
  小林陵侑選手は、1回目に99メートル、2回目は97メートル50をマーク。「風の状況を踏まえても本当に失敗が許されない試合になると思う。あしたから長いのであまり疲れためないよういいジャンプしたい」と話していました。
スピードスケート高木 “メダル圏内へ攻めたい”
  日本選手団の主将でスピードスケートの高木美帆選手が今大会最初のレースとなる5日の女子3000メートルを前に練習を行い「メダル圏内に向かって攻めていきたい」と意気込みを語りました。高木選手はこの種目で前回のピョンチャン大会は5位入賞を果たしていて、今シーズンは自身が持つ日本記録を更新するなどメダル獲得が期待されます。
フィギュア団体 ペアSP始まる(現地13:22ごろ)
  団体の予選3番目の種目、ペアのショートプログラムが始まりました。日本からは、初出場の三浦璃来選手と3大会連続出場となる木原龍一選手のペアは5番目に演技。自己ベストを更新する74.45をマークし、演技が終わったあと2人は笑顔でガッツポーズをして喜びを分かち合っていました。
フィギュア団体 アイスダンス終え日本4位(現地12:57ごろ)
  アイスダンスのリズムダンスで、日本の小松原美里選手と夫の尊選手のカップルは、7位で4ポイントを獲得。日本は最初の種目、男子シングルのショートプログラムで宇野昌磨選手が2位になって獲得した9ポイントと合わせて合計13ポイントで、2種目を終えて4位となりました。
「プーチン大統領 北京に到着」報じる 中国中央テレビ
  中国国営の中国中央テレビは、ロシアのプーチン大統領が、北京オリンピックの開会式など一連の行事に出席するため北京に到着したと伝えました。
  ロシア国営の通信社によりますとプーチン大統領は、習近平国家主席と2019年11月以来となる対面での首脳会談を行ったあと4日夜にオリンピックの開会式に出席するということです。
フィギュア団体 アイスダンス始まる(現地11:42ごろ)
  団体の予選2番目の種目、アイスダンスのリズムダンスが始まりました。日本からは、ともに初出場の小松原美里選手と夫の尊選手のカップルが最初に演技しました。2人は息のあった演技で66.54の自己ベストに近い得点をマークし、演技が終わったあと、2人は笑顔を見せていました。
フィギュア団体男子SP 宇野2位 チェンが1位(現地11:08)
  男子シングル前半のショートプログラムが終わりました。トップはアメリカのネイサン・チェン選手で自己ベスト更新の111.712位は日本の宇野昌磨選手、自己ベスト更新の105.46。3位はROC(=ロシアオリンピック委員会)のマルク・コンドラチュク選手でした。
フィギュア団体 男子SP 宇野は自己ベスト更新(現地10:45ごろ)
  男子シングルのショートプログラムで宇野昌磨選手は、3つのジャンプすべてを流れるように決めて、105.46をマーク。課題だった4回転と3回転の連続ジャンプもきれいに決めて、演技後は笑顔を見せて右手でガッツポーズしましたそして、自己ベストを更新したことを確認すると、力強くうなづいていました。
フィギュアスケート団体がスタート(現地10:03ごろ)
  
フィギュアスケート団体の予選が始まりました。最初の種目、男子シングルのショートプログラムで日本からは、ピョンチャンオリンピック銀メダリストの宇野昌磨選手が出場します。
東京の中国大使館前でウイグルの人など抗議活動(11:00ごろ)
  北京オリンピックの開会式を前に東京 港区にある中国大使館の近くには、日本で暮らすウイグルやチベットの人など20人余りが集まりました。
参加者たちは新疆ウイグル自治区や香港、それにチベット自治区などで人権侵害が行われているとして「北京オリンピック開催への抗議デモ」と書かれた横断幕を掲げ、大使館の前で抗議の意見を表明しました。
  北京オリンピックをめぐっては、開催に反対するデモが世界各地で行われています。
スノボ 6大会連続出場 竹内智香が会場で調整(現地9:00すぎ)
  冬のオリンピックでは、日本女子として最多の6大会連続出場となるスノーボードパラレル大回転の竹内智香選手が河北省の張家口にある会場の「ゲンティンスノーパーク」で練習。本番のコースの隣に設けられている練習用のコースで何度も滑りながら雪質を確認しました。
  竹内選手は2014年のソチ大会でスノーボードの日本女子として初めてのメダルとなる銀メダルを獲得した第一人者です。
  竹内選手は本番に向けて「想像していなかった6大会目なので、ここに来られていることがすごくありがたく幸せだと思っている。これまでは、いろいろな人が見に来る運動会のような緊張感があったが今回は遠足に行くようなわくわく感がある」と話していました。
カーリング混合ダブルス始まる(現地08:35)
  カーリング混合ダブルスの予選リーグは3日目の競技が始まりました。午前中は3試合で、ここまで2戦全勝のイタリアはノルウェーと対戦。ここまで3連敗のオーストラリアはスウェーデンと対戦しています。


2022.01.31-Yahoo!Japaニュース(Newsweek)-https://news.yahoo.co.jp/articles/67ef324c007f54174ff0bb0ac9b99dce5d05c03c
人権問題で発言するか沈黙するか──北京五輪選手に迫られる二択
(シャーロッテ・トラットナー)

  <中国政府によるウイグル族迫害に国際的な非難の声が高まるなか、北京冬季五輪に出場する選手たちは、中国当局に脅され、人権団体には抗議を求められる困難な立場に置かれている>
(1)
  中国政府当局は、オリンピックの精神や中国の規則に違反する発言をしないよう外国選手に警告を発しているが、一部の人権団体は北京冬季五輪を「ジェノサイド・ゲーム(大虐殺大会)」と呼び、選手たちに人権侵害に反対する声をあげるよう促している。
  AP通信によると、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチはオンライン記者会見で、2月4日に始まる2022年冬季オリンピック大会を開催する中国に対して反対を表明した。

  「2022年冬季オリンピックはジェノサイド・ゲームとして記憶されるだろう」と、中国の元人権活動家でシカゴ大学客員教授の滕彪(トン・ビャオ)は語った。 北京冬季五輪を完全にボイコットすることはできなかったが、人権活動家は抗議を続けている。
  「私は個人的に、五輪参加選手たちはその立場と特権をこの歴史的機会に利用する必要があると信じている。ジェノサイドに抗議してほしい」と、チベット行動協会のツェワン・ラドンは言う。 アメリカなどいくつかの国は、ウイグル族や他のイスラム教徒の少数民族に対する中国の残虐行為を理由に、北京冬季五輪の外交的ボイコットを発表した。

  独立民衆法廷「ウイグル法廷」は昨年12月、中国がウイグル族に対してジェノサイドの罪を犯していると認定した。本誌は以前、中国当局がウイグル族に不妊手術と避妊を強制しているだけでなく、強姦、拷問、収容所への強制収容などの犯罪を行っていることを示す文書について報じた。 曖昧すぎる処罰の基準 ロイターは以前、五輪に参加する選手たちがオリンピック憲章第50条に違反するなと警告されていることを報じた。
  この条項は「オリンピックの会場では、いかなるデモンストレーションも、政治的、宗教的、人種的プロパガンダも許可されない」としている。 冬季オリンピック北京2022の国際関係部のヤン・シュー副事務局長は、オリンピック精神と中国の法律に違反する行動をとった選手は、処罰の対象になると述べた。 五輪2大会に出場経験のあるアメリカのクロスカントリースキー選手ノア・ホフマンはCNNスポーツに対し、冬季オリンピック中に選手が人権問題に抗議の声をあげた場合、その身に危険が及ぶのではないかという懸念を明かした。 「中国の組織員会は選手が中国の法律に違反したら処罰すると警告している」と、ホフマンは語った。「中国の法律は、言論に関しては、非常に不透明だ。どのような言論が違法とみなされるか、まったくわからない」 ホフマンは、11月に中国政府高官から性的関係を強要されたことをSNSで訴えた女子プロテニス選手・彭帥(ポン・シュアイ)の例もあげた。彭の投稿は30分後に削除され、彼女は後に告白の内容を否定した。

(2)
選手を守る気がないIOC
  スポーツ選手の権利擁護団体「グローバル・アスリート」は今年1月、IOC(国際オリンピック委員会)を非難する声明を発表。IOCは選手を守ることができず、「人権をめぐる政治的闘争に選手を巻き込み、選手の表現の自由を抑圧した」と述べた。 こうした懸念が高まる以前から、アメリカ、カナダ、オランダをはじめいくつかの国のオリンピック委員会は、五輪参加選手に個人用の携帯電話を中国に持ち込まないよう助言していた。
  アメリカ選手団は、選手たちにプリペイド式携帯や使い捨てパソコンの利用を奨励している。 このような警告が出されたのは、トロント大学に本拠を置く研究組織「シチズン・ラボ」による報告がきっかけだった。
  シチズン・ラボは今年1月、選手はもちろん、観客や関係者含めて北京五輪の参加者全員に対してインストールが義務づけられている健康管理アプリ「MY2022」に情報が流出する可能性があるセキュリティ上の欠陥を発見したと発表した。
  本誌は以前、このアプリは個人情報を収集し、政治的にデリケートな」表現について報告する機能や、検閲用のキーワードリストが組み込まれていることを報じた。
   中国外務省は、オリンピックを政治化すべきではないと言っているが、アメリカ、オーストラリア、カナダ、イギリスは、北京オリンピックとパラリンピックに政府関係者を派遣しないことを表明している
(シャーロッテ・トラットナー)








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