日産ー三菱ールノ-1


2024.11.16-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20241116-BUSEY3VUYNJWXL6XI4ZDORY24M/?dicbo=v2-oKwZxJG
仏検察、カルロス・ゴーン被告とダチ文化相を公判請求 巨額の弁護士報酬授受で

  元日産自動車会長のカルロス・ゴーン被告が率いていたフランス大手ルノーと日産の企業連合統括会社からダチ文化相が多額の弁護士報酬を得ていたとして、フランス検察は15日、汚職などの罪でゴーン被告とダチ文化相の公判を裁判所に請求したと明らかにした。フランスメディアが伝えた。

  ゴーン被告はレバノンに逃亡中で、実際に公判が開かれても出廷の可能性は低いとみられる。
  ダチ文化相は欧州連合(EU)欧州議会議員だった2010~12年に弁護士報酬として計90万ユーロ(約1億4600万円)をオランダにある統括会社から受領したとみられる。2人は業務への対価で不正はないなどと主張しているが、当局は違法なロビー活動への見返りだったとみている。
  当局は19年、ルノー株主からの告発を受け、統括会社がダチ文化相らと結んだコンサルタント契約に関し捜査を始めた。ダチ文化相の任務は企業連合の中東や北アフリカでの事業拡大の支援だったとされる。(共同)



2023.06.21-Yahoo!Japanニュース(BBC news japan)-https://news.yahoo.co.jp/articles/b2699899031b8f042c0e4400a8f35896b5cb3235
ゴーン元会長、日産など提訴か 名誉毀損で1400億円余り請求=報道

  2018年に金融商品取引法違反などの罪で起訴され、保釈中の2019年12月に日本から逃亡した日産自動車の元会長カルロス・ゴーン被告(69)が先月、名誉を傷つけられたなどとして、日産などに対して10億ドル(約1400億円)超の支払いを求める訴えをレバノンの裁判所に起こしたと、複数メディアが20日に報じた。

  今回の訴訟は、日本で金融商品取引法違反などの罪で起訴されたゴーン被告による、汚名返上の新たな取り組みといえる。 ゴーン被告は不正に問われたことについて、日産とフランスの自動車会社ルノーの合併計画を頓挫させることが目的だったと主張している。
  ブルームバーグとロイター通信によると、ゴーン被告は名誉や信用を傷つけられたとして、日産とほかの2企業、関係者12人に対し訴えを起こした。9月に審理が行われる予定という。
  ゴーン被告は裁判所への提出書類の中で、日本での嫌疑は「人々の心に何年も残り」、「たとえ単なる疑惑にもとづくものであっても、持続的かつ長引く影響があり、残りの人生において苦しめられることになるだろう」と主張していると、ブルームバーグは報じている。
  日産はコメントを拒んだ。 ゴーン被告が支払いを求めている損害賠償額は、日産の市場価値(約160億ドル)の5%以上に相当する。 こうした中、日産とルノーは今年、資本関係を見直し、ルノーによる日産への出資比率を15%に引き下げて提携の「リバランスをする」方針で合意。最終調整を進めている。
  ゴーン被告はかつて、世界最大級の自動車製造グループ、ルノー・日産・三菱アライアンスを率いていた。 2000年代前半に倒産寸前だった日産の経営を立て直したことで知られ、2005年にはルノーの最高経営責任者(CEO)に就任した。
  ゴーン被告の公式経歴によると、フォーチュン誌の全米企業の総収入ランキング「フォーチュン500」に掲載された世界的企業2社を、同時に率いた初めての人物だという。 ゴーン被告は逮捕前、ルノーによる日産の合併を検討し、日産側から激しい抵抗を示されていたとされる。このことが、自身の失脚につながったと、ゴーン被告は述べている。
  ゴーン被告は2018年11月に金融商品取引法違反の容疑で逮捕された。その後、いったん保釈されたものの、中東オマーンの知人側に日産の資金を流出させたとして、会社法違反(特別背任)容疑で再逮捕。2019年4月に東京拘置所から再保釈されるまで、計108日間勾留されていた。 2019年3月の最初の保釈の際には、作業員姿に変装して東京拘置所を出た。 同年12月、楽器ケースに隠れて、地方空港からプライベートジェットで国外に逃れ、世界的に注目を集めた。
■フランスも逮捕状
  2021年、ゴーン氏の逃亡を手助けしたアメリカ人の親子がアメリカから日本へ引き渡され、ともに実刑判決を受けた。 ゴーン被告は不正行為はなかったと主張し、日本の司法制度は「不正」だとした。
  日本は国際刑事警察機構(ICPO、インターポール)にゴーン被告の国際手配を要請。逃亡先のレバノン政府は、国際逮捕手配書に相当する「赤手配書」を受け取った。これにより、同被告は現在、レバノンを離れることができない。
  日本とレバノンは、犯罪人引渡し条約を結んでいない。 フランス当局は昨年、ゴーン被告に対し、逮捕状を出した。会社資金を私的に流用した疑いで捜査を進めていた。ゴーン被告は当時、訴追されても無実を証明できると述べた。 (英語記事 Ousted boss Carlos Ghosn sues Nissan for $1bn)


2023.01.31-THE WALL STREET JOURNAL-https://jp.wsj.com/articles/nissan-and-renault-fix-one-problem-leave-others-11675120300
日産とルノーの関係見直し、なお残る難題

  両社が関係を見直したのは朗報だが、投資家は難路を覚悟した方がいい
  (投資家向けコラム「ハード・オン・ザ・ストリート」)

  日産自動車と仏ルノーの不幸せな結婚が新たな段階に入ったことで、希望がふくらむ一方、面倒な問題はまだ手付かずで残っている。
  日産とルノーは30日、不協和音の絶えないグローバルアライアンスの要である株式持ち合いを見直すと発表した。ルノーは保有する日産株の過半数を信託会社に移し、いずれ売却する。移管する株式に議決権は伴わない。両社とも相互の出資比率は実質的に15%となり、議決権もそれぞれ15%持つことになる。日産は出資比率の不均衡にかねて不満を表明しており、提携を主導したカルロス・ゴーン被告が2018年に逮捕されて以降は協業が進んでいなかった。

  両社がようやく前進したことで不透明感が晴れ、経営や財務、さらには株価も改善に向かう可能性がある。だがこれは想定外だったわけではない。協議が行われていることは昨年10月に大きく報じられていた。12月上旬には発表会のためにロンドンのホテルを予約していたが、予約はキャンセルされた。1カ月以上先送りされて実現した今回の発表でも、多くの疑問点が残った。
  ルノーには、関係改善のためだけに出資比率を引き下げる考えはなかった。見返りとして、新たに設立する電気自動車(EV)会社アンペアに日産が出資することを求めた。30日のプレスリリースによると、日産はアンペアへの出資を表明しているものの、金額は示しておらず、形だけの出資になることも考えられる。
  アンペアのEV事業は主に欧州市場向けで、日産にとって参画のメリットはほぼない。日産が必要としているのはグローバルなEV戦略だ。
  また、もう1つの難題である共有知的財産の扱いについても言及はなかった。日産はアライアンスの外部への譲渡に後ろ向きなため、ルノーのルカ・デメオ最高経営責任者(CEO)が目指しているアンペアの年内のスピンオフ(分離・独立)と新規株式公開(IPO)は難しくなる。ルノーの別のプロジェクト「ホース」も足を引っ張られることになりかねない。同プロジェクトには、内燃機関の関連資産を中国・吉利汽車(ジーリー)との合弁会社に移管する内容が含まれている。

  一方で日産とルノーは、「高い価値を生むプロジェクトによる、パートナーシップの再構築」に中南米やインド、欧州で取り組むと表明している。まるで、アライアンスは業界全体が困難に直面している時でもまだ価値のあるシナジーを創出でき、意思決定を邪魔したり経営陣の気をそらしたりしているだけではないと言わんばかりだ。それは結構、だが当たり前のことだ。 
  投資家にとって最大の疑問はおそらく、ルノーが信託する日産株28.4%(約39億ドル=約5090億円相当)がどうなるか、だろう。ルノーにとって「商慣習上合理的な場合、協調的で秩序あるプロセス」で売却するが、期限は設けないとしている。
  つまり、ここ数カ月に日産株のパフォーマンスが業種内で下位に落ち込んだ要因は、まだ終わりが見えないということだ。日産が株式を買い戻して消却することもできるが、費用がかかる上、両社が時期について合意する必要がある。ルノーにとっての売りの好機は、日産にとって買いの好機ではない。また、発行済み株数を減らすと、機械的にルノーの議決権付き株式比率が上昇することになり、かつての問題が再燃することになる
  日産株の低迷を尻目に、ルノー株は昨年10月初め以降おおむね右肩上がりだ。日産株を売却してデメオ氏が事業再編を行えば、資本のより効率的な活用が可能になるとの思惑が背景にある。両社が関係を見直したのは朗報だが、投資家はこの先も難路を覚悟した方がいい。平和の対価が判明するのはこれからかもしれない。



2022.12.13-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20221213-EH7FU6VG2ZMBPGNTHF2G3HLZEE/
日本の独房「拷問に相当」 ゴーン元会長支援の米国人

  日産自動車元会長カルロス・ゴーン被告のレバノン逃亡を支援したとして、日本で懲役刑が確定し服役した米国籍のA元受刑者(29)が12日までに米紙ウォールストリート・ジャーナルの取材に応じた。日本の刑務所の独房は環境が劣悪で「拷問に相当する扱いを受けたと批判した。

  ゴーン元会長については「非暴力的な犯罪で、当時の状況に我慢を強いられた。誰でも逃亡して当然だ」と述べた。逃亡を支援したことは後悔しておらず「何度でもやる」と語った。
  テイラー元受刑者は昨年3月、米国から移送後に逮捕された。犯人隠避罪に問われ、東京地裁の公判で起訴内容を認めて謝罪。同7月に懲役1年8月の判決を言い渡された。謝罪に関し、弁護士の助言に従って刑を軽くするためで「全くの偽りだった」と話した。(共同)


2022.05.31-Yahoo!Japanニュース(JIJI com./AFP BB news)-https://news.yahoo.co.jp/articles/0303e0a865b6c3ae46080de7573a1395965df396
レバノン、ゴーン被告聴取 国際手配受け-【翻訳編集】 AFPBB News

  【AFP=時事】レバノンの裁判所関係者は30日、国際手配されている日産自動車(Nissan Motor)元会長のカルロス・ゴーン(Carlos Ghosn)被告が事情聴取されたと明らかにした。新たな法的措置は取られず、被告は解放されたという。

  匿名で取材に応じた関係者によると、マネーロンダリング(資金洗浄)や職権乱用、会社資金の不正使用などの疑惑をめぐり、被告の法定代理人立ち会いの下で聴取が行われた。
   レバノンは今月、ゴーン被告に対する国際刑事警察機構(インターポール、ICPO)の「赤手配書」を受け取っていた。これは国際逮捕状ではないが、各国当局に対し、身柄引き渡しなどの法的措置の対象者について一時的な身柄拘束を求めるものだ。
   4月にはフランス検察当局が、ゴーン被告がかつて会長を務めたルノー(Renault)と日産の企業連合統括会社と、オマーンの自動車販売代理店SBAとの間で行われた約1500万ユーロ(約21億円)の取引をめぐり国際逮捕状を出していた。
   レバノンの裁判所関係者によると、ゴーン被告の聴取内容に関しては、同国当局からフランス側に伝えられる。
   レバノンは自国民の外国への引き渡しを認めていない。ゴーン被告に対しては出国を禁止している。フランス当局に対し、被告の捜査資料の提供を要請しており、それを見た上でレバノン国内で裁判にかけるか判断するとしている。
【翻訳編集】 AFPBB News


2022.04.22-REUTERS-https://jp.reuters.com/article/renault-ghosn-idJPKCN2ME0I9
ゴーン被告、仏国際逮捕状発布報道に「驚き」 広報担当者明かす

  [パリ/ベイルート 22日 ロイター] - 日産自動車と仏ルノーの元会長であるカルロス・ゴーン被告の広報担当者は、フランス検察当局が自身に対する国際逮捕状を発付したとの報道に元会長は「驚いている」と明らかにした。

  ロイターに対し「これは驚きだ。ゴーン氏は常にフランス当局に協力してきた」とし、「私は推定無罪だ」と述べ、司法制度を通じて早く疑いを晴らしたいと語った。
  ゴーン元会長はその後CNBCに対し、フランスの司法制度を信頼しており「公正な裁判を受けられると考えている」と述べ、日本の司法制度を暗に批判した。

  一方、レバノンのアルジャディードテレビは、仏検察当局が国際逮捕状を発付したタイミングが仏大統領選決戦投票直前だったことについて、ゴーン元会長が「何か怪しい匂いがする」と述べたと報じた。
  ゴーン元会長を巡っては、米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)と仏メディアが国際逮捕状発布を報じていた。
  WSJによると、捜査当局はゴーン元会長と、オマーンの自動車販売会社関係者らに対する5件の国際逮捕状を出した。同販売会社を通じ、ルノーの資金数百万ドルをヨットの購入など個人用途に流した疑いが持たれている。
  仏検察当局からコメントは得られていない。
  ゴーン元会長は昨年、ロイターのインタビューに対し、フランス当局に対して潔白を証明するには長期間を要することを覚悟していると述べた。また、自身の身柄拘束に向け国際刑事警察機構(ICPO、インターポール)が出した「国際逮捕手配書」(赤手配書)の取り消しを求めるとした。


2022.03.03-BBC NEWS JAPAN-https://www.bbc.com/japanese/60598880
日産元役員A被告に有罪判決 ゴーン元会長の報酬隠し、1年分のみ認定

  東京地方裁判所は3日、日産自動車の元会長カルロス・ゴーン被告(67)の役員報酬を過少に記載したとして、金融商品取引法違反の罪に問われた元取締役A被告(65)に対し、懲役6カ月、執行猶予3年(求刑懲役2年)の有罪判決を言い渡した。報酬隠しがあったと検察が主張した8年間分のうち7年間分は無罪とした。

  A被告は、ゴーン被告の報酬約93億円を実際より少なく有価証券報告書に記載したとして起訴されていた。
  東京地裁の下津健司裁判長は、罪に問われた8年間分の虚偽記載のうち7年間分について、A被告に報酬隠しの認識があったとは認められないとして共謀を否定し、無罪と判断した。
  両罰規定に基づき法人として起訴され、起訴内容を認めていた日産には、罰金2億円が言い渡された。

  BBCのルーパート・ウィングフィールド=ヘイズ東京特派員は、アメリカ人であるA被告の裁判はこの3年間、日米関係にとって目の上のたんこぶだったと伝えた。
  判決を受け、アメリカのラーム・エマニュエル駐日大使がA被告とその妻がアメリカに帰国できるようになったことを歓迎する声明を即座に発表したことからも、そのことがうかがえると指摘した。
  同特派員はまた、報酬隠しがあったとされる期間の大半は無罪となったことで、検察にとっては部分的な勝利となったとした。さらに、弁護士の立ち合いもなく長期にわたって容疑者を拘束・尋問する日本の司法制度のあり方が浮き彫りにもなったとした。



2021.09.29-朝日新聞-https://www.asahi.com/articles/ASP9Y5DWNP9YUTIL031.html
日産ゴーン元会長の元側近に懲役2年求刑 91億円の報酬隠した罪

   日産自動車の元会長カルロス・ゴーン被告(67)が巨額の役員報酬を開示しなかったとされる事件で、金融商品取引法違反罪の共犯に問われた元代表取締役A被告(65)に対する論告求刑の公判が29日、東京地裁であった。検察側は「開示制度の趣旨を逃れ続けた。悪質性が突出している」として、A元役員に懲役2年を求刑。法人として起訴された日産には、罰金2億円を求刑した。

   A元役員は一貫して無罪を主張している。裁判は弁護側の最終弁論が10月27日に行われて結審する見通しで、その後に判決が言い渡される。
   起訴状などによると、A元役員は、2010~17年度のゴーン元会長の報酬は計約170億円だったが、有価証券報告書には各年度に支払った計約79億円のみを記載し、残りの約91億円は退任後に支払う「未払い報酬」にして開示を免れたとされる
   20年9月に始まった公判で検察側は、1億円以上の報酬を得た役員とその報酬額を個別開示する制度が10年に導入されたのを機に、ゴーン元会長の高額報酬が公にならないよう、一部を開示を避けて受け取る方策が検討されたと主張した。
   具体的には、元秘書室長が未払い報酬の累積額を1円単位で管理するなどした「合意文書」を作成していたと指摘。そのうえで、A元役員はその支払い方法を検討し、元会長が退任後に顧問料や競合他社に行かないことへの対価といった名目で支払う「契約書」に自ら署名していたなどと説明した。
A元役員、無罪主張で真っ向対立
   一方、A元役員は被告人質問で、「(元会長の報酬に)未払いがあったとは思っていない。虚偽の有価証券報告書を提出したことはない」と強調した。元会長が退任した後の処遇を記した契約書については「世界でベストな経営者の一人であるゴーンさんを、日産につなぎとめるためのものだった」とし、開示の必要のない「退任後の業務への支払い」だと語った。
   検察側と司法取引した元秘書室長は証人尋問で、合意文書について「Aさんには記載項目を相談し、ゴーンさんが署名した後の文書も見せた。Aさんは未払い報酬を認識していた」と証言した。契約書も「Aさんの指示で作成、修正した」と述べた。
   これに対し、A元役員は、合意文書は「まったく見たことがない。(元秘書室長から)文書について聞いたこともない」、契約書の作成指示も「覚えていない」と反論した。
   19年末にレバノンに逃亡したゴーン元会長は国際手配されているが、身柄が日本に引き渡される見通しは立っていない。(金子和史


2021.07.20-読売新聞-https://www.yomiuri.co.jp/national/20210720-OYT1T50022/
ゴーン被告逃亡支援 実刑…米父子 「刑事司法を侵害」 東京地裁

  日産自動車前会長カルロス・ゴーン被告(67)の国外逃亡事件で、東京地裁は19日、いずれも米国籍で犯人隠避罪に問われた米陸軍特殊部隊「グリーンベレー」元隊員マイケル・テイラー被告(60)に懲役2年(求刑・懲役2年10月)、息子のピーター被告(28)に同1年8月(同・同2年6月)の判決を言い渡した。 楡井にれい 英夫裁判長は「前代未聞の海外逃亡を職業的な手際で行い、刑事司法の作用を大きく侵害した」と述べた。

  判決によると、両被告は米国籍のジョージ・ザイェク容疑者(61)(犯人隠避容疑などで逮捕状)と共謀。会社法違反などで起訴されたゴーン被告が、保釈条件で逃亡や海外渡航を禁じられているのを知りながら、2019年12月29日、東京から大阪まで護衛しながら案内した上、大型の箱に隠してプライベートジェット(PJ)に乗せ、関西空港から出国させた。

  公判でマイケル、ピーター両被告側は起訴事実を認めた一方、「事件当日はリハーサルのつもりだったのに、ゴーン被告が実行を決めた」などと述べ、ゴーン被告の主導を強調。また、妻のキャロル・ナハス容疑者(54)(偽証容疑で逮捕状)から「ゴーン被告が日本で拷問を受けている」などと吹き込まれて利用されたとも訴え、執行猶予を求めていた。

  しかし判決は、両被告がPJや大型の箱を事前に用意したことを挙げ、「いつ誰が決行の判断をしたかにかかわらず、大がかりで周到な準備をし、高度に計画的な犯行を積極的に実行した」と指摘。ゴーン被告側から、事件前だけでも計86万2500ドル(約9300万円)の送金を受け、一部を自らの会社の経費に充てたことにも触れ、両被告の主な動機は報酬目的だったとした。
  さらに、犯行によって「重大事件の被告であるゴーンの公判を開く見込みが全く立たない状態になった」と批判。両被告が昨年5月以降、今年3月に日本に引き渡されるまで、米国内で約10か月間にわたって拘束された点を踏まえても、実刑は免れないと結論づけた。
  また判決は、逃亡の際、ゴーン被告の三女が都内でゴーン被告の荷物を運搬していたことも認定した。

  両被告は黒のスーツ姿で出廷。証言台の前で主文を聞いた後は、弁護人の前の被告席に座って判決理由を聞いた。マイケル被告は通訳人をじっと見つめ、ピーター被告は時折、小さくうなずいていた。
  両被告の弁護人は閉廷後、報道陣の取材に「(控訴するかどうか)何も決まっていない」と話した。

  外国人被告が日本で実刑判決を受け確定した場合、受刑者移送条約に基づき、本国に移送して服役させることもできる。〈1〉刑期が6か月以上〈2〉本国でも犯罪となる行為――などが条件で、被告が望み、日本の法相の同意などが必要となる。
  法務省によると、日本は米国など計67か国とともに国際条約に加盟するほか、イランなど非加盟4か国と個別に条約を結んでいる。2019年には日本から41人が14か国に移送された。


「主役」引き渡しメドなく
  ゴーン被告の逃亡発覚から約1年7か月。日本政府は国際刑事警察機構(ICPO)を通じて国際手配し、逃亡先のレバノンにも身柄引き渡しを求めているが、実現のメドは立っていない。検察幹部は、テイラー親子に対する19日の東京地裁判決を「日本の刑事司法を 愚弄ぐろう した犯罪で実刑は当然だ」と評価した一方、「『主役』のゴーン被告の公判を開けない状態に変わりはなく、納得はできない」と語った。

  ただ、ゴーン被告に対しては、世界各国で刑事、民事の両面で責任を追及する動きも出ている。
  フランスの司法当局は仏自動車大手ルノーでの資金流用疑惑などを巡って捜査に乗り出し、今年5~6月にはレバノンの首都ベイルートでゴーン被告の事情聴取を実施。オランダでは5月、アムステルダム地裁が被告に対し、日産と三菱自動車の設立した「日産三菱BV」から得た報酬のうち約500万ユーロ(約6億6000万円)の返還を命じた。
  日本国内でも、日産が昨年2月、被告に100億円超の損害賠償を求めて提訴し、横浜地裁で審理が進む。被告は、この訴訟には元検事の日本人弁護士らを代理人に立てて「参戦」しており、請求棄却を求めている。


2021.07.15-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/210715/mcb2107151002005-n1.htm
楽器の調律理由に検査逃れ ゴーン被告、逃亡劇を告白

  レバノンに逃亡中の元日産自動車会長カルロス・ゴーン被告(67)会社法違反罪などで起訴=は英BBC放送が14日放送したドキュメンタリー番組で逃亡劇を振り返り、関西空港近くで楽器用の大型の箱に隠れ、空港では「(楽器の)調律を狂わせる」恐れがあることを理由にエックス線検査を免れたと明かした。同被告が逃亡の詳細を告白するのは初めてとみられる。

  番組は「カルロス・ゴーン 最後の飛行」と題し、被告への単独インタビューなどを基に約1時間半で構成。インタビューで同被告は、東京拘置所から保釈後、都内の住居で24時間監視される生活となったものの、妻と一切接触できないことが分かり、逃亡を決意したと述べた。(共同)


2021.07.02-deenuニュース-https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/kyodo_nor/nation/kyodo_nor-2021070201001189
元米兵に懲役2年10月求刑 ゴーン元会長逃亡支援事件

  日産自動車元会長カルロス・ゴーン被告(67)レバノン逃亡支援事件の公判が2日、東京地裁であり、検察側は犯人隠避罪に問われた米陸軍特殊部隊グリーンベレーの元隊員マイケル・テイラー被告(60)に懲役2年10月、息子のピーター・テイラー被告(28)に懲役2年6月を求刑した。元会長の公判の見込みが全く立っていないとして「日本の司法を侮辱し、おとしめることの片棒を担いだ。刑事責任は非常に重大だ」と指摘した。

  弁護側は、身柄拘束期間が長期にわたるとして、執行猶予付きの判決を求めた。2人は最終意見陳述で「日本のみなさんにおわびする」と謝罪し、結審した。判決は19日。







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