イラン問題-1
2023.09.03-読売新聞-https://www.yomiuri.co.jp/world/20230903-OYT1T50107/
イランがロシア製高等練習機を空軍に編入、ステルス戦闘機の輸入も計画
【テヘラン=吉形祐司】イランの複数のメディアは2日、
ロシアから輸入した高等練習機の「Yak(ヤコブレフ)130」がイラン空軍に編入されたと報じた。イラン政府当局は同機の輸入を公式に認めていないが、
国営通信は映像が確認されたと伝えた。
タスニム通信によると、
Yak130は攻撃機としても利用が可能で、3トンの弾薬を搭載できる。
イランがロシアから輸入を計画しているとされるSu(スホイ)35、ステルス性を備えたSu57などの戦闘機の飛行訓練にも使えるという。
2023.03.08-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230308-3IK2F2NUCFOPXDYBNAQ5T4SIRY/
イラン 女子学生に有毒物質を散布? 反政府デモ主導に「警告」か
【カイロ=佐藤貴生】
イランの女子校で体調不良を訴える生徒が相次いでいる。有毒物質が原因とみられ、イランのファルス通信は7日、容疑者数人が逮捕されたと伝えたが、
動機や原因物質などの詳細は明かされていない。
女子学生は昨秋に始まった反政府デモで大きな役割を果たしており、これに反発する勢力が〝警告〟を発している可能性もある。
毒物散布の騒ぎは昨年11月30日、イラン中部のイスラム教シーア派の聖地コムで、約20人の女子学生が体調の異常を訴え、病院に搬送されて初めて確認された。ファルス通信は
全国約230の学校で5000人以上の学生らに被害が出たとしている。
英BBC放送(電子版)は5日も、少なくとも15の街で被害があったと伝えた。女子学生らは「腐った果物のような、不快で強い刺激臭」がしたと訴えており、呼吸困難や吐き気、目まいなどの症状が出るのが特徴だ。しばらくすれば回復するケースが多い。
親たちが娘を登校させず政府に抗議する例も出ており、
最高指導者ハメネイ師は6日、「許しがたい犯罪だ」として関係部局に全容解明を命じた。内務省は7日に声明を出し、逮捕した容疑者らは「
海外に本拠を置く反体制メディア」と関係があると伝えた。
一方、ロイター通信は政府関係者らの話として、
イスラム教シーア派の支配体制を信奉する勢力の犯行との見方があるとしている。
イランでは昨年9月、女性(22)が頭髪を覆うスカーフ「ヘジャブ」をきちんと着用しなかったとして拘束され急死し、警察による暴行疑惑が表面化し反政府デモが全土に拡大した。女子学生はデモを主導する中心的な役割を担った。
イランやアフガニスタンなど一部のイスラム教国の宗教界には、女性が教育を受けることに否定的な考えが残っているとされる。また、一部の反体制派は、デモを牽引した女子学生に政府が報復していると非難。政府が情報公開を控えていることも、疑念を呼ぶ一因になっているようだ。
昨秋に始まったデモは、政府が参加者を死刑に処するなどしたことで減少傾向にあるとされる。しかし、
国民を監視下に置いて自由を抑圧する政府の統治手法に変わりはなく、民衆の反発はあらゆる契機に噴出しかねない。シーア派の法学者による政教一致の統治体制を堅持する体制側との確執は先鋭化している。
2023.01.20-Yahoo!Japanニュース(総合ニュース)-https://news.yahoo.co.jp/articles/9651bc74682d2df24107eb0266076147575ac378
尹大統領発言に対するイランの抗議 韓国大統領室「誤解あった」
【チューリヒ聯合ニュース】
韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が
アラブ首長国連邦(
UAE)に派遣されている韓国軍部隊を訪問した際に「
UAEの敵はイラン」と発言したことに対するイラン側の反発について、
韓国大統領室の関係者は19日(現地時間)、スイス・チューリヒで行った記者会見で「イラン側にやや誤解があったようだ」と述べた。
尹大統領のスイス訪問に同行している同関係者は「
UAEが直面した安全保障の厳しい現実を直視しながら熱心に勤務してほしいという趣旨の、将兵たちに対する発言だった」と説明。
尹大統領の発言が韓国とイランの関係とは無関係だという立場を改めて示した。
尹大統領は15日、国賓として訪問したUAEで韓国軍の「アーク部隊」を訪れ、将兵を激励しながら「
われわれの兄弟国であるUAEの安全保障はすなわち、われわれの安保」と述べた。「
UAEの敵、最大の脅威はイランで、われわれの敵は北(朝鮮)」とし、韓国とUAEはよく似た立場にあると語った。
尹大統領の発言を受け、イラン側は尹ガン鉉(ユン・ガンヒョン)駐イラン韓国大使を呼び出して抗議した。韓国外交部も19日にシャベスタリ駐韓イラン大使を呼び、尹大統領の発言について説明した。
同関係者は、
イラン側が韓国の銀行にイランの資金が凍結されている問題や
尹大統領が先ごろ独自の核武装論について言及したことなどを問題視しているのを見て、焦点が合っていないという印象を受けたとし、「誤解したため焦点がぼやけている。誤解ということが証明されたため韓国側も駐韓イラン大使を呼び、明確に説明した」と述べた。
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2023.01.09-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230109-MP7BT2NW5ZLGXDBMK5AU2XUOCI/
イランの人権デモ 体制は追い込まれている
イランは、いつまで耳をふさぎ続けるのか。
自由と人権を求める国民の決死の要求から。
国際社会の非難からも。女優ら著名人を一時逮捕し、デモ参加者の公開処刑を行っても、課題は解決しない。デモが表面上は沈静化しても、体制への反発と失望は、むしろ水面下で深まっている。
イラン当局は、弾圧は自らを弱体化させていると認め、国民と真摯(しんし)に向き合うべきである。
首都テヘランを旅行中だった20代の女性が頭髪を覆うヘジャブの着用が不適切だったとして風紀警察に拘束され、不審死を遂げた。これをきっかけにデモが始まって4カ月がたつ。デモへの連帯は、ワールドカップに出場したサッカーの代表チームや最高指導者ハメネイ師の親族にも広がり、消防士や石油産業に従事する労働者も賃上げを掲げて街頭に繰り出した。
専門家は「
問題はもはやヘジャブや女性の死亡ではない。体制が統治の正当性や影響力を失ったことだ」と指摘し、イスラム教の教えに至上の価値を置く「革命の意義」は失墜したと分析する。
追い込まれているのは体制の側であり、国際社会も非難を強めている。
国連経済社会理事会は昨年末、女性の権利を抑圧しているとしてイランを「
女性の地位に関する委員会」から排除する決議案を採択した。決議はイランが表現の自由など女性の人権を抑圧し、委員会の目的や役割に著しく反した政策を取っていると指摘し、委員会からの即時排除を決めた。
決議の採択後、イランのイラバニ国連大使は「根拠のない捏造(ねつぞう)された主張であり、欧米による女性の権利の政治問題化を非難する」と述べたが、聴くに値しない。
イラン排除の決定には「
問題解決にならない」といった反対の意見もあったが、
委員会の使命や目的に反する政策を強行する国が居座り続けるようでは組織の信頼性にも傷がつく。当然の判断だ。
イランが直ちにやめるべきは、国民に対する人権抑圧とともに、
国際法違反の大義なき戦争を続けるロシアへの肩入れである。昨年末から元日にかけてのロシアによるウクライナ攻撃にも多数のイラン製無人機が使われた。
ロシアへの支援は、イランの将来に禍根しか残さないと知るべきだ。