報道-1


2024.02.17-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240217-H66QOGLYWRF3JIAN7CQREGIKZM/
書類送検「暇空茜」氏「逮捕は必要なかったって事よ」NHKメモ拡散、著書は一部販売中止

  若年女性支援団体「Colabo(コラボ)」への名誉毀損容疑で警視庁に書類送検された「暇空茜(ひまそらあかね)」を名乗る自称ユーチューバーの男性(41)は、昨年12月に発覚したNHK記者の取材メモ流出問題ではインターネット上に文書を拡散したとして、コラボ側から名誉毀損で訴えられていた

  コラボをめぐっては、男性が令和4年、東京都からコラボへの事業委託料に「不正受給がある」として住民監査請求、都が再調査した。また、昨年12月にはネット上でのコラボに対する誹謗中傷問題をNHKが取材したメモが流出する問題も起きた。
  男性は16日、自身の書類送検を報じるテレビニュース画面の画像をXに貼り、「えっこれ俺?…書類送検って告訴すれば必ずやることで、むしろ僕の逮捕は必要なかったって事よ」などと投稿した。
  また、漫画やアニメグッズ専門店「アニメイト」は16日、今月21日にKADOKAWAから発売予定の男性の著書について「諸般の事情」により取り扱いを中止すると発表。男性は16日、自身のXで理由を明らかにしている


2023.12.02-毎日新聞-https://mainichi.jp/articles/20231202/spp/000/006/017000c
NHK、取材メモ流出問題で経営広報番組「どーも、NHK」も謝罪「あってはならない…深くお詫び」

  NHKは1日、取材メモの流出の事実を認め、謝罪したことを受け、同局の経営広報番組「どーも、NHK」のX(旧ツイッター)の公式アカウントでも謝罪した。
  同局は公式サイトに「取材に関する情報の流出について」と題して文書を掲載。「NHKの記者が、先月、取材したインタビューの内容メモなどが、インターネット上に流出したことが分かりました。この内容メモに接することができる人物の中から流出させた者の特定を進めた結果、NHKの子会社が契約している派遣スタッフが、きょう、自分が流出させたと認めました」と社内調査の結果を報告。派遣スタッフが情報流出の事実を認めたと発表した。

  この派遣スタッフは「大変なことをしてしまい、申し訳ありません」と話しているとし、NHKとして「インタビューに協力していただいた方に、お詫びいたしました」とした。
  同局は改めて「取材に関わる情報が外部に流出したことは、取材対象者との信頼関係を損なうだけでなく、NHKに対する視聴者の皆さまからの信頼を損なう、あってはならないことで、深くお詫び申し上げます。事実関係をさらに調査したうえで、厳正に対処してまいります。また、管理体制を強化するなど再発防止策をとりまとめ、信頼の回復に努めます」と謝罪の言葉とともに、再発防止策についても言及した。
  これを受け、「どーも、NHK」のX公式アカウントでは、「NHKの記者が、先月、取材したインタビューの内容メモなどが、インターネット上に流出したことが分かりました」とリリースを添付。「取材にある情報が外部に流出したことは、取材対象者との信頼関係を損なうだけでなく、NHKに対する視聴者の皆さまからの信頼を損なう、あってはならないことで、深くお詫び申し上げます」と謝罪した。
  今回の情報流出を巡っては、この日、同局報道局記者が作成した取材の企画案や取材メモが記された文書が外部に流出した可能性があることが分かり、X(旧ツイッター)上では、流出したとみられる文書が拡散されていた。広報局は「ご指摘の内容は把握しており、現在、事実関係を確認中」としていた。X上で拡散されている文書は、インターネット上の誹謗中傷問題を取り上げる取材の企画概要や、取材対象者へのインタビューの文字起こししたもの。いずれも「文書種別」の項目に「連絡メール」と記載され、企画概要には「放送希望」「12月1日 『首都圏ネットワーク』で5分程度」と記されていた。


2023.12.01-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231201-IPSCFSUMRVLH7G624S7CZWVQEU/
NHKの取材メモ流出、派遣スタッフが「興味本位でやった」と認める

  NHKは1日、首都圏局記者が作成したインタビュー取材のメモや放送企画案が記された文書について、同局の子会社が契約している30代の派遣スタッフが外部に流出させたと発表した。この文書はX(旧ツイッター)上で投稿され、拡散。同局の小形修一リスクマネジメント室長は記者会見で「あってはならないことで、深くおわび申し上げます」と謝罪した。

  流出した文書は、インターネット上で女性支援団体に対する誹謗中傷を行った男性にインタビュー取材した内容を文字に起こしたものと、その放送企画案。男性は匿名だったが、取材メモには男性の氏名や職業に関する情報の一部も含まれていた。企画案には「放送希望」として、「12月1日 『首都圏ネットワーク』で5分程度」などと記載していた。
  NHKによると、文書の流出は11月28日に取材を受けた男性から「流出した可能性がある」と連絡があり、発覚。調査を進めた結果、1日になってテロップ制作を担当する派遣スタッフがニュース専用端末にアクセスし、文書をインフルエンサーと呼ばれる発信力があるXユーザーに提供して流出させたことを認めたという。派遣スタッフは同局の聞き取りに対し「興味本位でやった。大変なことをしてしまい、申し訳ありません」と話しているという。
  この派遣スタッフは提供したインフルエンサーの投稿を以前から見ていたが、個人的な関係はなかったとも説明しており、同局は詳しい動機や経緯を調べる方針
  NHKは「管理体制を強化するなど再発防止策をとりまとめ、信頼の回復に努める」とコメントしている。


2023.04.19-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/dd4f358ca9df02035ef52f1f8d58b6f76b1e56f1
米FOX、投票集計機会社ドミニオン社に1千億円 大統領選巡る不正主張で和解

  【ワシントン=大内清】2020年米大統領選で選挙結果を不正に操作したとの報道で名誉を毀損(きそん)されたとして、米投票集計機メーカー「ドミニオン・ボーティング・システムズ」が、保守系FOXニュースに損害賠償を求めていた訴訟は18日、FOXが7億8750万ドル(約1千億円)を支払うことで和解が成立した。FOXは同日、ドミニオン社に関する報道で「誤りがあった」とする声明を発表した。

  東部デラウェア州の裁判所で記者会見したドミニオン社の最高経営責任者(CEO)は、FOXが裁判の中でドミニオン社について「噓をついていたと認めた」と強調した。
  ドミニオン社の集計機が不正に操作されていたとの主張は、20年大統領選で敗北したA前大統領陣営が繰り広げた不正主張の根幹の一つ。
  今回の裁判でFOXが実質的に敗訴したことは、現在も虚偽の不正主張を続けるA氏にとっては大きな打撃となる。 ドミニオン社は21年、FOXに16億ドルの損害賠償の支払いを求めデラウェア州の裁判所に提訴していた。


2023.03.30-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230330-JUG7T34SPZJ5NJJD777NXYANQI/
産経新聞社に再度の措置命令 大阪府、上限超える景品提供で

  産経新聞社大阪販売局新聞購読の契約の際に法令の上限額を超える景品を提供していたとして、大阪府は30日、同社に対し、景品表示法に基づいて再発防止などを求める措置命令を出した。

  同社は平成31年3月に法令の上限額を超える高額景品の提供によって大阪府から措置命令を受けたが、その後も上限額を超える景品提供が行われていた。
  大阪府によると、同社は前回の措置命令の直後から同社が直営する販売店などで、購読契約の際に、1個では法令の上限額(当時約1900円)の範囲内である8本入り缶ビールギフトのセットや米3キロなどを複数個提供する「重ね使い」により、購読者に法令の上限額を超える景品を提供した。
  社内会議では「重ね使い」が指示され、この指示は自営の販売店に伝えられていた。大阪府は同社の指示によって過大な景品の提供を行っていた販売店に対して行政指導した。このほか同社には、購読契約の不備などがあったとして行政指導した。
  この問題で同社は令和3年3月に調査委員会を設置。大阪府に自主申告した。同年7月に違反行為があったとする調査委員会の報告書を公表、翌8月には役員と幹部社員計8人の処分と再発防止策を発表した。
  近藤哲司産経新聞社社長の話「再び措置命令を受けたことを極めて重く受け止めています。引き続き、全社をあげて再発防止策に取り組み、信頼回復に努めます。読者をはじめとする関係者の皆さまに改めて深くおわび申し上げます」


2023.02.20-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230219-R6OO5OFBZNPO7PIPVWZ26D2A6M/
「ロシアは脅威」認識強く、米中など6カ国調査 韓国、日本の好感度過去最高
(桑村朋)

  公益財団法人「新聞通信調査会」(西沢豊理事長)は18日、米国と英国、フランス、中国、韓国、タイの6カ国で各約千人を対象に行った世論調査の結果を公表した。世界平和の脅威になっている国を聞く質問では中国を除く5カ国で「ロシア」が最多。日本への好感度では、韓国が過去最高の数字となった。

  調査は2015年から毎年、各国の対日意識などを探る目的で実施。今回は昨年11~12月、現地の調査会社を通じ、電話や面接形式で行った。
  世界平和の最大の脅威になっている国を「ロシア」と答えた人は英国で62・4%、米仏で50%超、タイで48・5%、韓国で31・5%でそれぞれトップ。中国でも米国(66・8%)に次ぐ2位となり、ウクライナ侵略の影響の大きさを感じさせる結果となった。
  ウクライナ情勢については、「関心がある」と答えた人が米英仏韓で80%を超えた一方、中国とタイは60%台だった。日本が東アジアの平和と安定に「貢献している」との回答は、米国で81・4%と6カ国最高だったのに対し、中韓では30%台にとどまった。
  日本の好感度についても質問。「好感が持てる」が最多だったのはタイの94・7%で、中国の25・5%が最低だった。韓国は前年比8・7ポイント増の39・9%で過去最高を記録した。担当者は「政権交代で日韓関係修復の兆しがあることなどが背景にある」とみる。
 また、日本に関する報道に関心がある」とした人は韓国が74・4%で最高、英国が37・2%で最も低かった。日本関連の報道でメディアに期待するテーマでは、全6カ国で「科学技術」が1位となった。
  新聞の信頼度(100点満点)は中国が73・8点で最も高く、英国が47・9点で最低だった。(桑村朋)



2022.01.08-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230108-RMVX5CFBWBN2HIOILF2ZEFKPD4/
朝日の米・サウジ関係報道への違和感 イスラム思想研究者・麗澤大客員教授 飯山陽

  日本は自国の安全保障を米国との同盟関係に大きく依存している。中東の大国サウジアラビアも、その点において日本と同様だ。
  このサウジを中国の習近平国家主席が訪問したことについて、朝日新聞は昨年12月9日のウェブ記事で、サウジと総額4兆円の投資覚書、影響力拡大図る中国 米国は『留意』」という見出しで報じ、「米国とサウジは長年、資源と武器を依存し合う良好な関係だったが、18年(2018)にトルコで起きたサウジ人記者殺害事件への(皇太子の)ムハンマド氏の関与が疑われたことを米国が問題視し、亀裂が生じた」「サウジと米国の関係は(中略)さらに冷え込む」などとした。

  しかしこの記事は重要な事実に言及していない。それは、サウジは米国の安全保障協力なしには自国の安全を維持できないという事実だ。米国務省はこの点について、「サウジは米国の安全保障協力に支えられ、国内外の標的に対する多数のテロ未遂を阻止し、外部からの攻撃も抑止している」と明言している。
  米国のサウジに対する1266億ドルの対外有償軍事援助(FMS)案件は現在も進行中であり、戦車やブラックホーク、ジャベリンといった軍装備の売却に加え、管制システムや軍の近代化、兵士の訓練なども行われている。直接商業売却(DCS)でも米国の軍用車両、軍用電子機器などが引き渡されている。
  サウジが米国との関係を断つ日がくるとするなら、それは中国が米国に代わりサウジの安全保障を担保するようになった時である。中国がサウジにとっての脅威であるイランとも包括的協力協定を締結している現状をかんがみるに、この想定は少なくとも現段階では非現実的だ。

  米国がサウジを支援するのは、サウジを「安定し、安全で、繁栄する中東という共通の目標に向かって共に取り組む」パートナーと認定しているからだ。両国関係は朝日の主張するような「資源と武器を依存し合う関係」ではなくなって既に久しい。
  朝日がこの事実に言及せず、日本にとって最大の石油輸入国であるサウジがあたかも米国から中国にパートナーを乗り換えたかのような印象を与える記事を出すのは、いつまでも米国と同盟関係を続けるのは日本にとって危険だという方向へと世論を誘導するためであろう。
  サウジが中国と経済関係を強化しているのは事実だ。しかし、自国の安全保障を米国に依存しているのもまた事実である。前者を強調し後者に触れない朝日の記事は偏向していると言っていい。


いいやま・あかり 昭和51年、東京都生まれ。イスラム思想研究者。上智大文学部卒、東大大学院博士課程単位取得退学。博士(文学)。麗澤大学客員教授。著書に『中東問題再考』など。


2022.06.29-JIJI. com-https://www.jiji.com/jc/article?k=2022062901020&g=soc
京都新聞HD元相談役らを告発 違法報酬支払い問題で記者ら

  京都新聞社を傘下に持つ京都新聞ホールディングス(HD)=京都市=大株主の元相談役に長年支払った総額約19億円の報酬について、第三者委員会から違法だと指摘された問題で、京都新聞の一部記者らが加入する「関西新聞合同ユニオン」は29日、会社法違反(利益供与)の疑いで、元相談役ら2人を京都地検に告発した。

  他に告発されたのは、元相談役の息子で支出に関与したとされる役員。
  告発状によると、元相談役は2019年7月~21年2月、経営に口出ししない対価として、年間3550万円の相談役報酬を受け取っていた。これらの報酬は、会社法が禁じる特定株主への利益供与に該当すると主張している。
  京都市内で記者会見した記者は「不祥事があれば一定の処分があってしかるべきだ」と訴えた。
  京都新聞HDは告発について「事実を確認できていないのでコメントを差し控える」としている。
  一方、京都新聞HDは29日、告発対象を含む役員2人が退任する人事を発表した。また、元相談役に総額約5億1000万円の返還を求める訴訟を京都地裁に起こしたことも明らかにした。



2021.08.12-読売新聞-https://www.yomiuri.co.jp/national/20210812-OYT1T50228/
ボクシング連盟の抗議にTBSが謝罪文…張本氏の「嫁入り前のお嬢ちゃんが殴り合って」発言

  日本ボクシング連盟が、TBS系情報番組「サンデーモーニング」内での野球評論家の張本勲氏の発言について「女性およびボクシング競技を 蔑視べっし した」などとして抗議文を送った問題で、同連盟は12日付でTBSから謝罪文が届いたと発表した。

  連盟側が公表した文書には番組の制作プロデューサー名で、「当番組として、不快に思われたボクシング関係者や視聴者の皆さまに誠に申し訳なく存じます」などと記され、「私の発言は言葉が足りませんでした」などとする張本氏の談話も記載された。同連盟は「迅速かつ 真摯しんし な対応をして頂いたとコメントしている。
 8日放送の番組では、張本氏が「嫁入り前のお嬢ちゃんが顔を殴り合って。こんな競技好きな人がいるんだ」などと発言していた。


報道
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

  報道(英: report)とは、ニュース・出来事・事件・事故などを取材し、記事・番組・本を作成して広く公表・伝達する行為であり、言論活動のひとつである。報道を行う主体を報道機関、報道の媒体をメディアと呼ぶ。報道は不特定多数の大衆の情報を伝達する、いわゆるマスコミュニケーションに含まれるため、報道の媒体はマスメディアと呼ばれることも多い。

概要
  議会での議論や戦争の経過など数多くの事件や出来事を直接見聞きしている人はまれであり、特に現代社会ではマスメディアの提供する情報を通して事件や出来事を間接的に体験している。
  報道における取材とは、報道対象の事実を確認する行為で、報道機関は原則として所属する記者の取材に基づく記事を報道するが、国外など遠隔地で発生した出来事は、通信社などの配信する記事によって報道する場合もある。この場合、記事の頭に「○日ニューヨーク共同」のような形でクレジットが入る。
  いっぽう、ジャーナリズム: journalism)とは、事実の伝達のほか、それについての解説論評も含む。テレビ放送では報道番組娯楽番組などと対置されるが、スポーツ中継のように娯楽番組であると同時に事実を伝える報道番組としての側面を含むものもあり、明確な区分は困難である。ただし、ジャーナリズムの定義を無条件に拡大すると本質が見えなくなることから、一般には時事問題に関する報道・解説・批評等の活動を指して用いられる。
  報道・ジャーナリズムは社会的に非常に大きな力をもっており、「立法」「行政」「司法」の3つの権力にこの「報道機関」(マスメディア)を加え、「第四権力」と呼ぶ者もいる。
  世界のジャーナリズムで一般的かつ重要とみなされている機能として、「バイライン(署名)」「ソース(情報源)」「クレジット(引用・参照元)」「オプ・エド(反対意見)」「コレクション(訂正欄)」が挙げられる。
報道の特質と課題
報道と中立性(「表現の自由」、「報道の自由」、「知る権利」、および「偏向報道」も参照)
  日々のできごとに限らず建造物・風景・珍しい動植物など特に現代社会では人々はマスメディアの提供する情報を通して世界を認識することが多い。このようなマスメディアの影響力から権力者にはその情報をコントロールしたいという志向が現れることがあり、現にいくつかの国々では厳しい情報統制が実施されている。
  情報統制の敷かれた国々では権力者にとって都合の良い情報だけが住民に伝わり、世界情勢や自国の置かれている状況も客観的に判断することが困難になる。冷戦末期、西側諸国の衛星テレビの情報は国境を越えて東欧諸国の人々の世界観や行動に影響を与え民主化革命の大きな原動力となった。
  権力者によるマスメディアのコントロールが明確に表れるのがクーデター発生時であり、クーデターが発生すると情報によって市民や兵士の行動のコントロールを図るためまず放送局が占拠される。
  こうした情報統制を防ぐために、民主主義国家においては表現の自由が保障され、報道の自由もその中において保障がなされている。このような自由はアメリカ独立戦争フランス革命などの市民革命の中で、新聞などの行う報道が世論の形成に大きな役割を果たしたことによって確立され、樹立された新政府においては自由権の一部として法的に表現の自由が認められるようになった[7]日本においても、日本国憲法の第二十一条において「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」との一文があり、この中で報道の自由は保障されている。さらに第二項では「検閲は、これをしてはならない」と定められており、検閲も明確に禁止されている。報道の自由には取材の自由や媒体の流通・頒布の自由が含まれている。
  しかし報道の自由が確立されたのちも、政府とマスメディアの間ではその自由の範囲をめぐってしばしば対立が起きている。軍事的・外交的なものを中心に重要事項がしばしば国家機密に指定され情報流出が制限される一方、情報公開法が制定され政府の公文書等が一般に公開されるよう定められている国家も多くなってきている。また、ジャーナリストの重要な職業倫理のひとつに取材源の秘匿が挙げられるが、刑事裁判においてはある程度の尊重はされるものの、どこまでそれが認められるかについては議論がある。
報道と正確性イエロー・ジャーナリズム」も参照)
  報道では事実確認の怠りや他社との競争を背景とする勇み足などによって誤報が生じることがある。この他、部数を増やすためのやらせ虚偽報道などの問題(イエロー・ジャーナリズム)がある。また表現の自主規制報道におけるタブーの問題もある。
報道と客観性
  客観報道に対する考え方は媒体の種別によっても国によっても異なっている。
  新聞社や雑誌社には社是として不偏不党を掲げる社がある。一方で特定の政党や政治団体を支持している新聞や雑誌もある。また、新聞を政党や政治団体が発行していることも多い。米国ではニューヨーク・タイムズは政治報道では共和党より民主党に近い立場とされている。
  客観報道の中身についてはさまざまな議論がある。数多く発生する事件やできごとに対し、どのニュースを選択し、どのような順序で、どれくらいの紙面・放送時間で報道するか、どの写真・映像を選択するかという決定のプロセスが介在するからである。
  2000年に制定された日本新聞協会「新聞倫理綱領」では「新聞は歴史の記録者であり、記者の任務は真実の追究である。報道は正確かつ公平でなければならず、記者個人の立場や信条に左右されてはならない」としている。
  報道機関は、事件や事故といった事象に対し、報道する価値が「ある」「ない」といったふるい分けを行い、価値があると判断した事象を報道する。判断する基準についてニクラス・ルーマンによれば「驚き」「新奇さ」「断絶」「非連続」などの特性を備えており、広く報じる価値がある情報となる。そして、「驚き」などの判断基準はそのときどきの社会の状況によって異なるため、「同じような事件であっても、昔は報道されなかった(情報価値がなかった)のに、今では報道される(情報価値が生まれた)」といったことが、普通に起こりうる。
  ここから報道に対する指摘の一つとして、「報道に「社会的責任」や「中立性」、「正義」などの「あるべき論」を求めるのは、そもそも間違っている」という考えが生まれる(ルーマン)。報道は、社会的責任などの規範とは別次元の基準で情報を峻別し、多くの人が求めるものを報じる仕組みとなっている。そこへ外部から規範を基準として入れ込もうとしても機能するわけがない、ということである。
  日本における客観報道の定義は曖昧であり、客観報道そのものに疑問を呈する意見もある。客観報道の定義は人によって千差万別で、定まった合意がないからである。記者クラブが持つ問題点と併せ日本の報道機関の偏向報道体質はよく批判され、客観報道は空想でしかないとの意見もみられる。
報道と過剰性
  犯罪の被害者や加害者に関しては、日本では20歳以下の少年に関しては少年法によって匿名での報道が法的に定められているものの、それ以外の場合は基本的に実名での報道が行われている。しかしこうした実名報道プライバシーの侵害や報道被害人権侵害につながるとされ、匿名での報道を求める声も上がっている。
  記者たちの取材マナーやモラルの欠けた過剰な取材も大きな問題となってきている。例としては、事件が起きた際に報道各社が関係者の元に殺到して人々の日常生活を脅かすメディアスクラムや、パパラッチの横行などが挙げられる。
  このほか、犯罪に関する過剰に詳細な報道は市民の間の不安を増幅させ模倣犯を生み出したり、動機や手口までもが詳細に報じられることにより、新たな犯罪連鎖自殺が誘発されることがある。またニュースが娯楽化し、報道番組がショー化して、取材映像にBGMや効果音、あるいはテロップやナレーションを付加することにより必要以上に演出してしまう過剰演出も問題である。
報道と閉鎖性(「マスメディア#マスメディア規制」も参照)
  日本の報道機関は閉鎖的とされる。記者クラブの問題もある。
調査報道
  官公庁や捜査機関、各企業から記者会見プレスリリースなどで発表される情報を、精査や取捨選択することなくそのまま報じるような報道は発表報道と呼ばれ、画一的・一面的な報道や対象への無批判などを引き起こすため、あまり望ましくない報道姿勢とされている。これの対照となるのが調査報道で、公的な発表に頼らず丹念な取材によってさまざまな情報を集め、それを積み上げて隠された事実を突き止める報道スタイルのことを指し、ジャーナリズムの神髄であるとされている


報道しない自由
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


  報道しない自由とは、国民の知る権利のために報道機関が有する報道の自由に対して、時には報道機関が報道しないことによって国民に知らせないことも自由になってしまうという危険性を示す用語である。特に法律(放送法や日刊新聞法など)によって保護され新規参入が事実上制限されている放送メディアや新聞といった巨大メディアが報道しないことについて用いられることが多い。

概要
  「立場を問わずメディア各社の報道内容が一方向に傾き『事実報道』なのか『主張』なのかがあいまいになっている」という指摘がインターネットなどを中心に増えている。
  放送事業者については放送法第4条の「政治的に公平であること」「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」の規定から、報道しない自由が問題視されることがある。なお、放送メディアから取材を受けた取材対象者が放送メディアに対して期待通りの放送内容を要求することについては、日本の最高裁の判決は「取材対象者に取材に応じることにより格別の負担が生じ、そのことを取材担当者が認識した上で必ず一定の内容、方法により放送することを説明し、その説明が客観的にみても取材対象者が取材に応じる意思を形成する原因となった場合にのみ認められ、その場合でも当初の説明と異なる場合がやむを得ない事情の場合は認められない」としており期待権は限定的にしか認められない。
  報道機関が情報を報道しないことに対しては、古くは杉村楚人冠の「故意に不実の事を捏造するのも罪悪であるが、公にすべき事実を差し押さえて公にせぬのも罪悪たることは、相同じい」といった主張などがある。
  鈴木寛は、「報道の自由」と「報道しない自由」は表裏一体であると指摘し、これを知ることはインテリジェンスを鍛えるために第一に重要なことだという。
  ギル・スコット・ヘロンは、これを端的に表現した「Revolution Will Not Be Televised」(革命はテレビ中継されない)というポエトリーリーディングを詠んでいる。







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