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2023.04.12-dmenu ニュース-https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/tvasahinews/nation/tvasahinews-000295071
泊原発周辺で無登録ドローン飛行か 40歳男を逮捕

  北海道・泊原発の敷地周辺で無登録のドローンを飛ばした疑い札幌市の男が逮捕されました。

  航空法違反の疑いで逮捕されたのは、札幌市の自称運送業の40歳の男です。男は11日午後2時半前、北海道・泊原発の南東わずか50メートルの海岸から国土交通大臣の登録を受けずドローンを飛ばした疑いが持たれています。
  男は原発周辺を撮影していたとみられ、警察の調べに対し「ドローンが誰のものかは言いたくない。原発の横でドローンを飛ばした理由も言いたくない」と話しているということです。
  警察は今後、映像を解析し飛行経路などについて調べる方針です。


2023.03.17-産経新聞-https://www.sankei.com/pressrelease/prtimes/RBS4FWKWEFLK7GTASLBPKOCJUY/
ACSL、日本郵便が実施する日本初レベル4飛行のドローンによる配送に第一種型式認証取得の国産ドローンを提供

株式会社ACSL
   日本郵便が実施する「ドローンによる配送」に第一種型式認証取得の国産ドローンを提供
   郵便局から実証場所の配送先地区にお住まいの受取人さま宅へ第三者上空(有人地帯)を含む飛行経路での補助者なし目視外飛行(レベル4)を日本で初めて実施
株式会社ACSL (本社:東京都江戸川区、代表取締役社長:鷲谷聡之、以下、ACSL)は、日本郵便が実施する「ドローンによる配送」に国産ドローンを提供します。
本試行に提供するのは、ACSLが3月13日付で日本で初めて第一種型式認証※を、3月15日付で第一種機体認証を国土交通省より交付された国産ドローン「PF2-CAT3」です。

  ACSLは、2021 年 6 月に日本郵便および日本郵政キャピタルと業務提携契約を締結し、ドローンなどの自動配送による「配送高度化」をはじめとして、先端技術による配達ネットワークの高度化に向けた検討と取り組みを継続的に推進しております。
  その一環として、日本郵便が3月に実施する「ドローンによる配送」に国産ドローンを提供し、運航の支援をいたします。
  日本郵便は、2023年3月17日付で国土交通省航空局から飛行の承認を取得したことを受け、新たな取り組みとして、郵便局から実証場所の配送先地区にお住まいの受取人さま宅へ第三者上空(有人地帯)を含む飛行経路での補助者なし目視外飛行(レベル4)を日本で初めて実施します。
日本郵便主催「ドローンによる配送」概要
  ・運行日:2023年3月23日(木)(予定)
  ・運行区画:奥多摩郵便局(東京都西奥多摩郡奥多摩町氷川1379-6)配達区内
  ・主催:日本郵便
  
ACSL、日本初、レベル4対応の無人航空機の第一種型式認証書を国土交通省より取得
https://www.acsl.co.jp/news-release/press-release/2798/
【株式会社ACSLについて】 https://www.acsl.co.jp/
ACSLは、産業分野における既存業務の省人化・無人化を実現すべく、 国産の産業用ドローンの開発を行っており、特に、画像処理・AI のエッジコンピューティング技術を搭載した最先端の自律制御技術と、同技術が搭載された産業用ドローンを提供しています。既にインフラ点検や郵便・ 物流、防災などの様々な分野で採用されています。

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2023.01.09-中央日報-https://s.japanese.joins.com/JArticle/299680?sectcode=A00&servcode=A00
北朝鮮のような「貧国の空軍」ドローン…90%撃墜したのは米国でなくロシア

  5年ぶりに侵攻した北朝鮮の無人機のために韓国軍は無人機対応策の準備に追われている北朝鮮が9・19南北軍事合意だけでなく停戦協定までも違反しながら浸透させた政治的目的があるはずだが、領空侵犯を許しただけに軍事的対応策をまず整備する必要がある。小型だが武装すれば相当な危険が伴うからだ。テロなど多様な目的に使用されかねないため、防御が最優先課題だ。

  合同参謀本部の発表のように大型無人機は防空戦力で対応できるが、3メートル級以下の小型無人機は対応が難しい小型ドローンは探知がさらに難しい分野だ。これまでに浸透した北朝鮮の無人機は墜落機を発見しただけで、飛行中には探知できなかったが、今回は無人機を探知したため発展があったのは事実だ。小型の標的に対しても防衛・距離・高度を提供する新型局地防空レーダーの効果とみられる。しかし撃墜や捕獲に失敗したため、まだ先は長い。
  直撃を試みたが、小型無人機に対する射撃はその効果が制限される。標的があまりにも小型であるため7.62ミリ、20ミリなど近接信管を使用しない火気では撃墜が難しい。AH-1コブラ攻撃ヘリコプターに装着する2.75インチロケットで直撃が可能だが、無人機の高度が2、3キロ以上ならヘリコプターの実用上昇高度の限界で確率が落ちる。

  赤外線信号量が少ないため熱追跡方式は容易でなく、可能だとしても破壊による破片など民家などに及ぼす付随的被害が懸念される。高価なミサイルを低級無人機に使用するのは非効率的だ。「匕弓」の使用が適切だが、戦時でなく平時に直撃するのは制限される。遠隔操縦式の無人機はジャミング(電波妨害)で制御信号を受信できなくしたりかく乱したりして落とすことができる。
  しかしあらかじめ座標を入力して自動運行する場合、交信の必要がないためジャミングでも墜落させることができない。この場合はレーザーのような指向性エネルギー兵器を使用する必要がある。現在開発中のレーザー対空武器は弾でなく電気で作動するため騒音もなく、開発されれば大きく役立つとみられる
  網を利用する方法もある。ヘリコプターやドローンの下に網を設置して速度が遅いドローンを網で捕獲する方法だ。中国・リトアニア・米国が開発・試演中だ。ドローンがテロに使用されるのを防ぐためのもので、付随的被害が減らすことができる
  北朝鮮無人機の侵攻は現在のところ大きな被害はないが、領空侵犯という点で敏感になるしかない。しかし小型ドローンよりも注目すべき点はドローンを防御する体系だ。ロシア・ウクライナ戦争でトルコ製、イラン製のドローンが活躍している。ドローンは「貧国の空軍」という言葉のように、空軍力が弱い北朝鮮はドローンを活用しようとして運営概念を常に考えている。
  過去8年間に何度かドローンを浸透させたのがその傍証だ。平時も問題だが、戦時にどう対応するかも悩まなければならない。対ドローン技術が最も発達しているのはロシアとみられるドローン対応体系RB-341V Leer-3は探知・ジャミング・衛星通信遮断・ジャミングドローン運用など総合的な電子戦体系でウクライナのドローンの90%を墜落させ、その技術に西側が注目している。韓国軍も目標としなければならない。
  ドローンはその形態と機能が多様で、その使用方法も非常に創意的であり、ドローンを100%探知して無力化するのは難しい。AIが発達すればジャミングでの対応は効果を失うかもしれない。急ぎの対策に劣らず長期的に対応策を発展させることも重要だ。
  すでにドローンの時代は開かれ、その可能性は大きい。無人機の運用概念が発展しているだけに、いくつかの体系の戦力化に制限せず、多角度の対ドローン対応策を持続的に開発することが求められるドローンと対ドローンは共進化過程にあるからだ。


2023.01.03-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/7e91927be2dc3578b9b4558d89a393b34ee9c4ce
ウクライナ軍にドローン操縦伝授 民間男性「皆が軍を助けている」 前線で軍民技術協力

  【キーウ=佐藤貴生】ロシアの侵略を受けるウクライナで、軍の兵士にドローン(無人機)の操縦法を指導する民間人男性が産経新聞の対面取材に応じた。男性は「軍は民生用ドローンを改造して活用し、ロシア領を攻撃することもある」などと語った。

  ウクライナでは露軍侵攻後、多くの民間人が軍や国家機関を支援しており、男性は最前線でも軍民の技術協力が深まっている実態を説明した。
  首都キーウ(キエフ)で取材に応じたのは48歳のセルヒーさん。姓の公表や写真撮影は軍の情報管理に関わるとして拒んだ。
  2015年ごろから趣味で無人機の操縦を始め、17年にはキーウでプロダクション会社を設立、空撮を手掛けてきた。 昨年2月の露軍侵攻後は自ら前線に出かけ、双方の陣形を無人機で空撮していた。そうした活動が目に留まり、ウクライナ軍から声がかかった。
  「私たちのために無人機を飛ばしてもらえないか。空からの『目』が必要なのだ」。セルヒーさんはすぐに承諾した。ドネツク州リマンの生家が露軍の攻撃で破壊され、「国の役に立ちたい」と考えていたという。
  当初は、露軍との激戦地だったキーウ近郊のブチャやイルピンなどでの空撮を依頼された。その後、軍から「兵士を訓練してくれれば、あなた1人でやるより効果がある」と言われ、4月に「教室」が始動した。前線での実習も行い、昨年は兵士約400人に操縦法を伝授した。 教えるのは飛行距離10~15キロの民生用無人機による空撮で、露軍の陣形を上空から把握し、前線の兵士の命を守ることが目的だ。セルヒーさんは「農業用などの民生機にも爆発物は搭載できる」と述べ、露領内に爆弾を投下することもあると示唆した。
  「ロシアは欧米の制裁で無人機の中核部品を輸入できず、製造できない」とセルヒーさんはみる。多数のイラン製無人機を同時発進させ、防衛網をかいくぐる露軍の戦術については「ミサイルではなく、自動小銃や旧式の防衛機器で狙撃するのが有効だと分析している」と話した。
  ウクライナでは民間人の志願兵組織「領土防衛隊」が軍の一部に組み込まれ、対露抗戦で大きな力を発揮している。セルヒーさんは「領土防衛隊にはIT専門家や実業家ら教育レベルの高い人が多い」とし、さまざまな意見を取り入れる形で急速に軍の改革が進んでいると強調した。
  「歴史的に、戦争では多岐にわたる技術革新が起きる。ウクライナ軍は露軍と違い、今回の戦争で個々の兵士を専門家に育て上げている。皆が自分の持つ技能で軍を助けており、私もその一人だ」とセルヒーさんは話した。


2022.12.20-DORIN-https://www.drone.jp/news/2022122012114660542.html
SkyDrive、物流ドローン「SkyLift」で医療物資等を運搬する実証実験に成功

  12月19日、「空飛ぶクルマ」および物流ドローンを開発する株式会社SkyDriveは、JA愛知厚生連足助病院、豊田市と共同で、物流ドローン「SkyLift」を活用し、災害時に医療物資と食料品を空路で運搬する実証実験に成功したことを発表した。

  SkyDriveはこれまで、物流ドローンの活用について、豊田市次世代航空モビリティ協業ネットワークの活動の一環として、足助病院や豊田市と検討を重ねてきた。今回、豊田市民の安全と地域の持続的な発展を目指し、足助病院主導のもと医療物資等を運搬する実証実験を実施する運びとなった。

実証実験概要
  愛知県豊田市の足助町にある香嵐渓は、毎年多くの観光客が訪れる観光名所である一方、南北を山に囲まれ、足助川・巴川に挟まれているという立地特性があり、自然災害が起きた際、橋が没落してしまうと孤立する恐れがある。このような有事を想定し、同社の物流ドローン「SkyLift」を活用し、医療物資等を運搬する実証実験を実施した。

  実施日時  :  2022年12月19日(月) 14:00~14:30
  飛行概要  :  飛行ルート:豊田市足助支所から、巴川対岸の香嵐渓広場まで   飛行距離 :約600m   飛行時間 :5分10秒   輸送物資 :医療物資(医薬品・医療材料)、食料品等約13kg   荷下ろし :着陸し医療物資等を荷下ろし
  想定シナリオ:  地震が発生。香嵐渓を囲う巴川に架かる橋が地震の影響で使用不可の状況に。香嵐渓において取り残され、不調を訴える観光客が発生するも、陸路では必要な物資を届けることができない。足助病院から届いた医療物資等を、物流ドローン「SkyLift」を活用して、豊田市足助支所から香嵐渓広場へ空路で運搬する。
  実施体制  :  主体:株式会社SkyDrive、JA愛知厚生連足助病院、豊田市   協力:株式会社三州足助公社、足助観光協会、足助警察署、足助商工会青年部、巴川漁業協同組合
  主体:株式会社SkyDrive、JA愛知厚生連足助病院、豊田市  協力:株式会社三州足助公社、足助観光協会、足助警察署、足助商工会青年部、巴川漁業協同組合         :  サイズ:全⾧1.9m×全幅1.2m×全高1.0m  プロペラ展開時:全⾧2.5m×全幅1.9m×全高1.0m  機体重量:35kg  バッテリ重量:20kg  最大ペイロード:30kg  最⾧飛行距離:2km(1km往復の運用)  最大飛行速度:36km/h(10m/s)  最大飛行時間:9~15min(※積載重量による)  耐久環境 耐風:定常7m/s
気温:0℃-40℃  オプション:ホイスト機構  ※ホイスト使用時の最大ペイロード20kg

物流ドローン「SkyLift」について
  SkyLiftは、1回の飛行で30kgの重量物の運搬が可能で、30kgの荷物を運搬すると9分程度、往復2km程度の飛行ができる。また、着陸せずにどこでも荷下ろしできるホイスト機能があるため、地形的に自動車やクレーン、ヘリコプターの活用が難しい場所や、災害時で道路が使用できない場合等、高低差運搬を中心としたシーンで活用できるのが大きな特徴だ。
  またサイズは全⾧1.9m×全幅1.2m×全高1.0mとコンパクトのため、利用場所までワンボックスカーで簡単に運搬が可能。操作に関しても、タッチパネルのシンプルな操作で行先を設定するだけで、自動運転で重量物を運搬できる。なお、国内ドローンメーカーとして日本で初めて、航空・宇宙及び防衛分野の品質マネジメントシステム「JIS Q 9100:2016」認証も取得している。


2022.12.20-DORNE-https://www.drone.jp/news/2022122012293660552.html
栃木県小山市消防本部、「災害対応アナウンサードローン」導入。災害発生時の広域アナウンスや避難誘導に活用
-クオリティソフト株式会社と双葉電子工業株式会社

  12月20日、クオリティソフト株式会社と双葉電子工業株式会社は、小山市消防本部(栃木県小山市)が災害発生時の広域アナウンスや避難誘導の際に有用な「災害対応アナウンサードローン」を導入したことを発表した。

  近年頻発化している大規模水害や土石流災害において、災害対応におけるドローンの有効性が確認されている。また、大規模災害に限らず常時発生する災害に対してもドローンの俯瞰的視点からの情報収集は有用であることから、消防庁は消防本部等におけるドローンの導入・活用を推進している。今回、小山市消防本部は、アナウンサードローンなど2機の災害対応ドローンを配備。災害発生時の迅速な被災状況の把握、上空からのアナウンスや救急救助資機材の搬送と投下等、人命救助に活用するという。
  小山市消防本部 小山市消防署副署長 菅原康一氏は次のようにコメントしている。

  当消防本部では、このたび、総務省消防庁のドローン整備促進に合わせ令和4年度予算にてドローンを整備いたしました。
  ドローンは言うまでもなく上空から俯瞰的視点で得た情報を活用することが最大の利点と言えますが、今回導入したドローンには、当消防本部として現場ニーズに合わせ、アナウンス機能と物件搬送・投下機能を付加しました。
  アナウンス機能は、指向性に富み100メートル以上離れた場所でもクリアな音声を伝えることができることから、河川で取り残された要救助者などに声掛けで安心感を与え、救助に必要な行動を促すことができるなど、災害現場において非常に有用であると考えております。また、物件搬送・投下機能は、救助用ロープ・救命胴衣・浮環などの救助資機材やAED・応急手当資器材の投下や搬送も可能となり、隊員・車両が容易に近づけないような現場においては要救助者や傷病者へのアクセススピードが格段に上がり、災害対応力が飛躍的に向上すると期待しております。
  今後、固定観念や前例にとらわれることなく、様々な場面での有効活用を検討し、消防分野におけるドローンの活用場面を一層広げ、消防の使命を全うしたいと考えております。

「災害対応アナウンサードローン」について
  双葉電子工業株式会社が開発・製造した産業用ドローン(FMC-02)に、動画カメラ、物件投下装置、クオリティソフト株式会社が提供する「圧電スピーカーユニット」を搭載。災害発生時に、上空から迅速に被災状況を把握すると共に、被災者へ適切な行動指示等ができる。
主な特長
  消防庁が求める「災害対応ドローン」機能要件に準拠
    ドローン機体および搭載機器は、防水性能等級3以上
    動画撮影が可能なカメラを搭載し、撮影した動画を現場活動で活用
  ドローン搭載に最適化した「圧電スピーカーユニット」
    超軽量(約500g)、低消費電力(5W)により、ドローンの飛行時間性能への影響を最小化
    磁石を使用せずドローンの電子コンパスに影響を与えない設計
  クリアに聞こえる音声特性
    プロペラによる風切り音の影響を最小化、音圧減衰が少ない設計により、上空からクリアな音声でのアナウンスを実現(可聴範囲 直線約300メートル)
  AIアナウンス機能(オプション)
    日本語のテキスト文章から、自然なアナウンス音声を生成
    最大29カ国語によるアナウンスが可能であり、外国人観光客や外国人居住者へのアナウンスにも有効


2022.12.19-DRONE-https://www.drone.jp/column/2022121912451060003.html
Vol.62 娯楽から実用へ、進化するドローンショー[小林啓倫のドローン最前線]

各地で開催されるドローンショー
  ドローンを使って夜空にさまざまな絵を描く「ドローンショー」について触れた。既に中国では約5200機のドローンを使用したショーが行われるなど、数千機のドローンを操ることが普通に行われるようになっている。そうしたドローンショー用の機体と管理システムを開発している企業の1社であるIntelによれば、彼らが2019年6月に公開した資料において、同社は既に世界中で600回を超えるショーを開催したとしている。さまざまな国際的イベントにおいて、ドローンショーを目にしたことがあるという方も多いだろう。

  実際に2022年11月から12月にかけてカタールで開催された、サッカー最大の祭典であるFIFAワールドカップ2022でも、開会式でドローンショーが行われている。
  ワールドカップ開会式でのドローンショーでは、サッカーを蹴るアニメーションも見られた(上記映像の2分20秒付近)。
  このショーを担当したのはロシアのGeoscan Groupで、同社のウェブサイトによれば、彼らも最大で3000機のドローンを使用したショーを実施することが可能だそうだ。使用するのはGeoscan Saluteという独自開発したドローンで、ショー専用に設計されており、またおよそ250グラムというごく軽量な機体(Intelのドローンショー専用機であるShooting Starの重量は、前述の資料ではおよそ330グラムとされている)のため特別な飛行許可申請が不要であるとしている。
  同社のInstagramでは、FIFAワールドカップで実施されたショーとは別物になるが、ドローンのコントロールセンターでオペレーターがショーの管理を行っているシーンも公開されている。
  他にも世界中でさまざまな企業がドローンショー用の機体やシステムの開発、さらにはショー自体の企画・運営に乗り出しており、今後もショーの拡大が見込まれている。そんな中、こうした「ドローンに搭載したライトで3次元の映像を描く」という技術が、より実用的な用途に活用される例が生まれている。
ドローンの光で再建イメージを共有する
  その新たな用途を考え出したのが、オランダのアーティスト集団Studio Driftだ。2007年にオランダ人アーティストのLonneke GordijnとRalph Nautaが設立した組織で、世界各地でさまざまなアート作品を生み出している。
  彼らが今年10月に発表した新たな「アート」が、公式Instagramに掲載されている。

  スペイン・バルセロナのサグラダファミリア教会の上空に浮かぶドローン。そこから発せられる光によって、あたかも塔の一部がそこにあるかのように感じられる(ただこれが実際の光景を撮影した写真か、CGで加工されたイメージかどうかは明らかにされていない)。要は建築中の建物、あるいは何らかの理由によって一部が欠損してしまった建物の近くでドローンを飛ばし、完成時の姿や、元の姿を光で再現しようというわけだ。コンピュータの画面内に描かれるCGを、現実の空間に投影する仕組みと言えるかもしれない。
  Instagramの記事では、次のように解説されている。

  サグラダファミリアが完成したら、どんな姿になるのだろう?あるいはコロッセオが完全な円形になった姿を想像してほしい…。Studio Driftは過去数年間(2020年から)、ありえないことを視覚化するために、実物大のレンダリングを行うドローンソフトウェアの改良に取り組んでいる。

  ここでも解説されているように、彼らはこの「現実空間への実物大レンダリング」を実現するために、独自のドローン管理ソフトウェアを開発しているそうである。そしてそれをアート作品で終わらせるのではなく、建築家やクリエーターに対し、建築物のイメージを与えてコンセプトづくりを支援するベンチャー企業も立ち上げたとのこと。この技術を具体的なビジネスとして運営していこうというわけだ。
  Studio DriftのFacebookでは実際に、新しい(建築前の)ビルの姿をドローンショー方式で描いた場合のコンセプト画像が掲載されている。

  さすがに高層ビルが完成した際の姿を再現するには膨大な数のドローンが必要になるだろうが、冒頭で触れたように、既に数千機のドローンを使用したショーが普通に行われるようになっているビルや橋、スタジアムなど、ある程度巨大な建築物であっても、「現実空間のCG」として再現できるかもしれない。果たしてこれがビジネスとして成立するかどうか、今後の動き、そして技術の進化に期待したい


2022.12.15-DRONE-https://www.drone.jp/news/2022121506483060423.html
エネコム、eラーニングサービス「EneLearn Drone Meister」を来春から提供。ドローン操縦ライセンス取得支援

  株式会社エネルギア・コミュニケーションズ(以下:エネコム)は、ドローンの操縦ライセンス制度(国家資格)施行開始に合わせ、来春からライセンス取得を支援するeラーニングサービス「EneLearn Drone Meister」の提供を開始する。

  2022年12月5日の施行開始に伴い、ドローンの操縦ライセンスを取得することで、従来認められていなかった飛行の実現や飛行の許可・承認手続きの一部簡素化が可能となることから、国家資格の操縦ライセンスの普及と活用が見込まれている。
  同サービスは、ドローンの操縦ライセンス制度における二等資格取得を支援するためのeラーニングサービスだ。新制度において、ドローンパイロットを教育する登録講習機関(ドローンスクール)や新たに操縦ライセンスを取得する法人、個人など、幅広く利用できるサービスとなっている。

サービス特徴
  オンライン受講可能。お手持ちのパソコンやスマートフォンからいつでもどこでも学習できる。ドローン法務アドバイザー八角浩史行政書士監修の教材は、国土交通省の示すカリキュラム・教則に沿って、ライセンスの取得から安全な飛行までをサポートする。現場経験豊富なドローンパイロットが業務で得た知見・ノウハウ・ヒヤリハットを網羅する
  ニーズに応じ、以下の3コースを用意している。

    ・学習コース:国交省カリキュラムに沿った内容
    ・学科試験対策コース:模擬試験や一問一答形式も含めた内容
    ・口述試験対策コース:実地試験を想定した内容
期待できる効果
  登録講習機関
    ・オンライン学習により、スクール運営が効率化
    ・現場におけるヒヤリハットや法令知識などを補足することで講師の指導負担を軽減
    ・講義形式では実施が難しい講義の復習と試験の練習を受講者へ提供できると共に、 受講者の理解度が把握可能
  受講者(法人・個人)
    ・隙間時間などの自由時間を活用し、繰り返し学習を行うことで学習効率・理解度がアップ
    ・イセンス取得の対策だけでなく、ドローンの安全な運用に役立つ現場と法令の知識が定着
    ・試験の腕試しと練習が可能
コースの紹介(二等無人航空機操縦士資格プラン)
コース名称      コース概要                           ご利用料金他
学習コース        ライセンス取得に必須となる知識を網羅的に学習     利用料金:税込27,500円
              するコース。音声説明により、重要なポイントを効率    受講時間:約10時間
              よく学べる。学習後には、章末テストと修了テストを     受講期間:受講申し込み後から1カ月
              受けることで学習効果を確認できる。                  
学科試験対策コース 模擬試験と一問一答形式により学科試験対策を行う   利用料金:税込13,200円
              コース。模擬試験では、本番を想定した出題形式     受講期間:受講申し込み後から1カ月
              (50問30分、3択問題形式)を実践できる。一問一答問題
              では、多くの問題を繰り返し解くことが可能。
口述試験対策コース 一問一答形式により実地試験における口述試験対策を  利用料金:税込13,200円
              行うコース。現場の飛行経験で得た知見やヒヤリハットが 受講期間:受講申し込み後から1カ月
              織り込まれた内容となっており、操縦前後も含めた注意
              点等を具体的に学習できる。


2022.12.14-DRONE-https://www.drone.jp/news/2022121406545960381.html
エアロネクストら3社と小松市、次世代高度技術の活用による地方創生に向けた連携協定を締結

  小松市と、セイノーホールディングス株式会社(以下:セイノーHD)、株式会社エアロネクスト、KDDIスマートドローン株式会社は、2022年12月13日にドローンを含む次世代高度技術活用による地域課題の解決と地域発展に資する新スマート物流の構築に向けた連携協定を締結した。

  同協定は、相互の連携・協力により、まずは中山間地域の地域課題の解決に向けて、ドローン配送実証実験を含む次世代高度技術の活用により新しい物流のビジネスモデルの構築を行うことが目的。
連携協定の概要
  締結日    :  2022年12月13日(火)
  協定の内容 :  ドローンを含む次世代高度技術の活用により、以下の事項において連携・協定する。
    ・小松市における観光・産業・経済の振興に関すること
    ・小松市の地域交通や物流が抱える課題の解決に関すること
    ・小松市の防災の充実、脱炭素化に向けた貢献に関すること
    ・その他、全ての当事者間にて協議し必要と認めること
取り組みの概要(予定)
  小松市全体の高齢化率は28.7%だが、中山間地域では40%を超える地区が存在する(11月1日現在)。中山間地域の高齢化が進むことで、日常の買い物や薬の受け取りなどでの生活利便性の低下が懸念されているという。
  そこで、物流サービスの維持・最適化を目指し、ラストワンマイルの輸送手段にドローン配送を組み込み、地上輸送とドローン配送を連結、融合する新スマート物流システムの導入により、買い物代行や災害時支援、医薬品配送等を行う仕組みづくりに民間企業と行政が協働して取り組む。
  12月23日には、松東地区でのドローン配送(実証実験)を予定している。ドローンの離着陸を見てもらうことで、地域の人や子どもたちのドローンに関する関心と理解につなげる契機とするとしている。今後、地域の事業者とも連携し、ドローン配送と陸上配送を融合した新スマート物流「SkyHub」の社会実装に向けた検討を進めていくという。
  12月13日に小松市役所で実施された連携協定調印式には、小松市の宮橋勝栄市長、セイノーHD執行役員の河合秀治氏、KDDIスマートドローン株式会社代表取締役社長の博野雅文氏、エアロネクスト代表取締役のCEO田路圭輔氏が出席した。それぞれ次のようにコメントしている。
小松市長 宮橋勝栄氏
  ドローンの活用は、中山間地域における配送の効率化や買い物を手助けするインフラ整備として、暮らしを変える技術の1つと捉えています。このたび、ドローンを活用した地方創生を目指す連携協定が、強力な推進体制によって締結できることになりました。恵まれたご縁に、心より感謝を申し上げたいと思います。
セイノーHD執行役員 河合秀治氏
  セイノーホールディングスは、幹線輸送の強みを活かしたラストワンマイル配送領域において、生活様式の変化や構造変化に対応すると共に、買い物弱者対策、生活困窮家庭対策等の社会課題解決型ラストワンマイルの構築を積極的に推進・拡大しております。
  小松市においては、「未来につなぐ、まちづくり・ひとづくり」の中で物流が担う役割やテクノロジーの実装で例えば処方薬が自宅に居ながらに受け取る事ができるなど、住民の皆様が持続的に安心して暮せる街づくりと住民サービスの維持、向上に繋がるかを追求し、将来ドローンによる自動化を視野に入れ、新たな空と陸の物流モデル構築に向け取組んで参ります。
エアロネクスト代表取締役CEO 田路圭輔氏
  日本が直面している大きな社会課題は「少子高齢化」による過疎化であり、地域社会から便利が失われていくことです。地域社会を支える生活インフラの中でも特に「移動」に関わる問題を解決できなければ、地域の人口減少はますます加速していきます。
  今回の連携協定を機に小松市さんと連携して、5年後10年後を見据えた地域の「ヒトの移動、モノの移動」のためのインフラ再構築をお手伝いできれば嬉しいです。
KDDIスマートドローン株式会社代表取締役社長 博野雅文氏
  KDDIスマートドローンは、モバイル通信を用いて、安心・安全な遠隔飛行・長距離飛行を実現するサービスを構築し、お客様や社会の課題解決に積極的に取り組んでいます。中山間地域における買い物に関する課題の解決や、災害時へのドローン活用など、住民の皆様が、より安心して暮らせる社会の実現し、小松市のもつ豊かな自然と、先端技術を調和させた、魅力的な街づくりに貢献できればと考えております。
  同連携協定により、4者は相互に連携、協力し、市の課題や市民のニーズに沿って、ドローンをはじめとする次世代高度技術の活用により、小松市における地域の課題解決と活性化に寄与していくとしている。


2022.12.05-ケータイ-https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/news/1461107.html
本日12月5日から改正航空法が施行、有人地帯でのドローンの目視外飛行が可能に

  本日12月5日に、ドローンをはじめとした無人航空機の「有人地帯の目視外飛行」(レベル4)を認める改正航空法が施行された。「無人地帯での目視外飛行」(レベル3)についても、必要な認証などがあれば、個別の許可承認なく飛行できるようになった。

  2021年6月に公布された「航空法等の一部を改正する法律(令和3年法律第65号)」により、「航空法(昭和27年法律第231号)」において、無人航空機の機体認証・型式認証制度や無人航空機操縦者技能証明制度などが創設された。
  今回、「航空法等の一部を改正する法律」一部の規定が施行され、機体認証制度などの各種制度の運用がスタートした。これにより、必要な認証や許可承認を取得することで、ドローンなどの「有人地帯の目視外飛行」(レベル4)が可能になる。
  本日5日に新たに開設された「無人航空機レベル4飛行ポータルサイト」では、山間部・島しょ部への物資の配送や、災害時の救助活動などに“レベル4飛行”を活用できるとしている。
  あわせて、「無人地帯での目視外飛行」(レベル3)についても、第二種機体認証と二等操縦者技能証明を有していれば、個別の許可承認は不要になる。
  携帯電話各社は、ドローン基地局の電波による遭難者の捜索支援システムなど、ドローンを活用したソリューションの開発を進める。今後は、こうしたソリューションの開発や展開が活発化することが期待される。


2022.04.28-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220428-NII5ARK5D5M2TCVJOXKK4DFHWM/
中国ドローン大手が露での事業停止 露軍が作戦に使用か

  【北京=三塚聖平】小型無人機(ドローン)世界最大手の中国企業「DJI」は28日までに、ロシアとウクライナでの事業を一時停止すると発表した。同社は「さまざまな地域でのコンプライアンス(法令順守)を再評価する」ためだと説明。ウクライナに侵攻したロシアが軍事作戦に同社製品を使っていると欧米メディアが報じており、それを受けた対応とみられる。

  ウクライナ侵攻後、中国の大手企業がロシアで事業活動を停止するのは異例だ。中国政府は「正常な貿易協力」の継続を表明して対露制裁に距離を置いており、他の中国企業に影響を与えるか注視される
  ロイター通信によると、DJIの広報担当者は「われわれのドローンが戦闘に使われることがないようにするため、これらの国での販売を一時的に停止する」と表明した。ロシア軍がミサイル誘導にDJIの製品を使っているという情報が報じられていた。
  DJIは中国南部の広東省深圳(しんせん)市に拠点を置き、ドローンの分野で世界シェアの7~8割を握っていると指摘される。米政府は2020年、中国内外で大規模な人権抑圧につながる監視活動に使われているとして、同社への部品輸出を禁止している。
  同社は、対露取引を続ける中国企業に制裁が及ぶ二次的制裁を受けることを警戒している可能性がある。同社のドローンには米国製の部品も多く使われているという分析がある。


2022.03/30-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220330-WRGI3V54FRIE5AJ73GEX3CVIQQ/
防衛省が攻撃型ドローン研究へ ウクライナ侵攻で存在感示す

  防衛省が来年度から攻撃型ドローン(無人機)の運用に向けた本格的な検討に乗り出すことが30日、分かった。ロシアのウクライナ侵攻では、ウクライナ軍のトルコ製ドローン「バイラクタルTB2」がロシア軍の地対空ミサイルを攻撃するなど能力の高さを知らしめた。ドローン戦は現実になりつつあるが、自衛隊への導入は偵察型などに限られ本格導入には程遠いのが現状だ。

  ウクライナ軍は、侵攻開始3日目ごろからドローンでロシア軍の地対空ミサイルを攻撃。前線への物資補給ルートでは、輸送車などを破壊して進軍を遅らせることに成功したとされる。また、募集した民間ドローンで撮影した被害動画をインターネット上で公開して情報戦に活用し、各国からの支援にもつなげた。
  ドローンを無力化する電子戦機器も存在感を示した。ロシア軍のドローンはウクライナ軍のドローン基地を破壊しようとしたが、ウクライナの電子戦機器が電波を発生させて無力化。ドローンの主な活動領域である地上1キロまでの低空域の制空権掌握を阻まれた
  ドローンには自衛隊も注目する。陸上自衛隊トップの吉田圭秀陸上幕僚長は17日、「安価なドローンを大量に使ったスウォーム(集団)での偵察や攻撃が有効な軍事手段であることは間違いない」と述べた。
  だが、導入状況は災害対応や戦況把握用の1~2メートルほどの小型機に限られ、長距離飛行が可能な大型機は空自三沢基地(青森)に偵察型3機が今月から配備され始めたばかり。防衛省は来年度予算で小型の攻撃型ドローンの有効性や諸外国の機体などに関する調査費3000万円を計上したが、「運用のあり方から研究する」(担当者)段階だ。
  ドローン映像を分析した慶応大の古谷知之教授(国土安全保障)は「生身の人間を戦場に送り出すより替えが利くロボットは現代戦でのウエートを占めていくだろう。特に人口減少社会では有効だ」と話す。
  敵のドローンに対するドローン攻撃が日本の基本姿勢である「専守防衛」に反するかといった議論も途上にある。政府が年内をめどに進める国家安全保障戦略(NSS)などの改定ではドローン戦の位置付けを明確にする必要もありそうだ。(市岡豊大)



2021.12.27-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20211227-CDWZMLCU3JMSNF42BABQFMAGVE/
<独自>ドローン重量緩和検討 300キロへ倍増も

  災害時などの緊急物資の運搬や将来の物流への利用拡大が期待される業務用ドローンについて、政府が重量規制の緩和を検討することが27日、分かった。航空機製造事業法の総重量規制を緩和し、運搬効率の高い大型のドローンをより簡単な手続きで製造できるようにする方向。安全面や安全保障上の課題などを慎重に検討した上で、規制対象を現行の最大150キロ以上から、倍増の300キロ以上に引き上げることも視野に入れる。来年半ばをめどに規制の見直し案を取りまとめる方針だ。

  業務用ドローンは、災害など緊急時の物資運搬や山間地・過疎地域への物資輸送のほか、山あいに多く高所での作業となる電力会社の鉄塔や携帯基地局への部材運搬など多くの用途が想定されている。政府は平成26年に航空機製造事業法の無人ヘリコプターの総重量規制の対象を最大100キロ以上から同150キロ以上に緩和。150キロ未満の小型のドローンは、同法が求める事業計画書や事業概要、製造の設備能力などの資料の提出が不要となりメーカーの参入障壁が下がった。
  だが、業務用ドローンの利用を拡大するには、1回当たりの運搬効率を高めて輸送コストの一層の低減を図る必要がある。実際、浜松市が、内閣府のスーパーシティ構想に対して提案した「健康寿命を高めるまちづくり」の計画に盛り込んだ物資配送用のドローンは総重量300キロクラスを想定しており、より運搬効率の高い大型ドローンへのニーズが高まっている。
  このため、政府は総重量規制をさらに緩和してメーカーの大型ドローン開発を促したい考え。ただ、ドローンは軍事利用などの恐れもあるため、規制緩和の内容などは安全保障上の観点から慎重に検討する。

  ドローンに詳しい東京大学未来ビジョン研究センターの鈴木真二特任教授は「一度に運べる重量が多いほど効率も高まり、コストダウンになる」とし、国際競争力確保の観点からも「重量規制に関しては大胆に緩和しても良いのではないか」と指摘している。


2021.10.04-沖縄タイムス-https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/841267
水中ドローンに助成 国交省 海洋ごみ把握など

  国土交通省は、水中ドローン(無人潜水機)や小型無人ボートを活用する地域の取り組み支援に乗り出した。本年度は、食害生物の駆除や海洋ごみの把握など6件の事業に1件当たり最大500万円を助成潜水機は空飛ぶドローンに比べ認知度がいまひとつで、支援を通じて開発や普及を後押しする。


2021.06.14-NHK NWES WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210614/k10013083591000.html
最先端ドローン展示会始まる 国内勢も最新機出展 千葉

  最先端のドローンを集めた展示会が、14日から千葉市で始まりました。国産ドローンの開発強化が掲げられる中、多くの国内企業が参加し最新の機体を出展しています。

  14日から千葉市の幕張メッセで始まったドローンの展示会には、国内外の100を超える企業などが出展しています。このうち、通信大手が開発したドローンは、飛行する機体と水中を潜る機体が一体となっていて、まず陸から海や湖まで飛行し設定した地点に着水すると、水中用のドローンが分離して水の中を移動し映像を送ることができます。
  養殖の現場で、水中の設備の確認などに活用されることを想定しているということです。また、大手メーカーが開発したドローンは、機体に取り付けた5つのカメラの映像をAIが分析し、目的地を設定すれば、時速90キロものスピードで自動で障害物を避けながら飛行できるということです
  ソニーグループの川西泉執行役員は「今後、市街地や目視外での飛行もできるよう妥協なく開発を行い、日本のドローン産業の発展に寄与していきたい」と話しています。
  ドローンをめぐっては、安全保障の観点から国産のメーカーを育成する必要があるとして政府も開発を後押ししていて、展示会では多くの国内企業がインフラ点検に活用できる機体などを紹介しています。
  この展示会は、16日まで開かれています。


2021.04.15-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/business/news/210415/bsd2104150637009-n1.htm
発電所やダムをドローンで点検 関西電力が子会社設立

  関西電力は14日、小型無人機ドローンを使って発電所やダムなどの点検作業を行う子会社の設立を発表した。ドローンはAI(人工知能)による画像解析を活用することで作業の効率化やコスト削減につながるとして関電内での点検に利用していたが、社外でのニーズを見込んで外部へのサービス提供も始める。

  設立した子会社は「Dshift(ディーシフト)」。火力発電所の煙突内部や水力発電所の取水口など、人力では危険が伴う場所での点検業務を想定する。令和7年度には年間で10件の受注、4億円の売り上げを目指す。
  関電は元年度以降、これまで足場を組んだり、ロープを使ったりして点検していた箇所で、ドローンやAIによる画像解析技術を導入。2~3週間かかっていた作業が数日に短縮できるケースもあったという。ダムや発電所などを管理する行政や民間企業から引き合いがあり、子会社での事業化を決めた。ほかの大手電力会社へのサービス提供も視野に入れている。
  また、陸から10キロ近く離れた大型洋上風力の点検にも使えるよう開発を進めており、4年度の実用化を目指す。担当者は「社会インフラの安全な維持、管理に貢献したい」としている。


2021.02.27-日本経済新聞-https://www.nikkei.com/article/DGXZQODG1606U0W1A210C2000000/
災害弱者、ドローンで救え 避難システムを高校生考案

  ドローンを活用して、少しでも犠牲を減らしたい――。静岡市の高校3年、仲戸川凱さん(17)が、災害時にドローンで空撮した映像から避難経路を示したり、機体に付けたライトで危険を知らせたりするシステムの開発に取り組んでいる。自身も生まれつき、視覚に障害がある災害弱者。「自分と似たような立場の人たちが、スムーズに避難できるようにしたい」と、実用に向けて試行錯誤を続けている。

  仲戸川さんが考えたシステムではまず、災害が発生した地域で複数のドローンを飛ばし、上空からカメラで状況を撮影する。得られた情報を分析し、適切な避難経路や避難場所を、防災無線やスマートフォンなどを通じて住民に呼び掛ける。
  スマートフォンなどで情報を受け取れない人や障害があってスムーズな避難ができない人らのためには、ドローンに付けたライトを光らせて避難場所を知らせるほか、川が氾濫している場所や土砂崩れの危険がある場所などの上空では、赤いライトを光らせ、近づかないよう知らせる。
  小学生のころに偶然見たテレビ番組で、ドローンに興味を持った。当初は自宅で小さい機種を飛ばして遊ぶ程度だったが、高校入学時にプロも使う機種を手に入れ、学校行事や部活動で撮影に使うなど、本格的に使いこなすようになった。
  考案したきっかけは、2019年秋に東日本の各地で大きな被害を生んだ記録的豪雨。住民が避難や移動の途中で車ごと水没して亡くなるといった「車中死」が多かったことを知った。
  さらに、他の災害での被害についても調べる過程で、11年の東日本大震災では、身体障害がある住民が死亡したり行方不明になったりした割合が、それ以外の住民の2倍以上だとする分析に触れ、衝撃を受けた。
  仲戸川さんは生まれつき左目が見えず、右目の視野も健常者に比べると狭い。小学校での避難訓練では、暗い場所で迷ってしまい教員に怒られた経験も。「自分では、どうしようもできないのに」と理不尽さを感じつつも「災害が発生したら、自分が真っ先に被害に遭うのでは」という考えが頭に残り続けた。
  仲戸川さんは、通っている静岡聖光学院中・高の教員や友人の協力を得て、校庭で実際にライトを付けたドローンを飛ばし、光の見え方を調べる実験を始めているほか、複数の機体を操作する方法も研究している。
  実験の結果、時間帯や場所によっては光を認識できないという課題が浮上。ドローンの飛行規制がある地域での対応も考える必要がある上、災害弱者らがいる場所を把握するために位置情報を活用するとなると、個人情報保護法に触れる可能性もあるといい、実現までのハードルは高い。
  仲戸川さんは今春、東京の大学に進学し、研究を続ける。ドローンの飛行に関するプログラミングの勉強など、やるべきこと、やりたいことは尽きない。小学校の避難訓練で経験したようなことが実際の災害の現場で起きないように「大好きなドローンで、災害時に多くの人を助けられたら」と笑った。〔共同〕


2021.02.15-IT Media News(産経新聞)-https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2102/15/news064.html
大阪公立大にドローン専門科目設置へ 2022年度開学

   大阪府立大と大阪市立大が統合し、2022年度に開学する「大阪公立大学」に、小型無人機「ドローン」に関する専攻科目の設置が検討されていることが13日、関係者への取材で分かった。全学部・学科の生徒が主に1年次に学べる共通科目の他、各学部・学科の専門性を生かした幅広い知識を学ぶ「副専攻プログラム」も想定。物流や農業、防災など、さまざまな場面での活用が期待されるドローン研究を推進する。

  関係者によると、日本の大学でドローンに関する科目を設置しているのは帝京大(東京都)や岐阜女子大(岐阜県)など、まだ少ない。ドローンに特化した専攻プログラムの設置は全国でも珍しいという。
  関係者によると、大阪公立大で設置が検討されているドローンに関する科目の一つは、全学部・学科生が1年次を中心に選択できる共通科目で、ドローンに関する広範な知識を身につけることができる。
  もう一つは基本的に2年次以降に選択できる「副専攻プログラム」を想定。各学部・学科の専門性からドローン研究にアプローチするもので、操縦技術からビジネス応用、開発といった幅広い展開を模索する。

  科目やプログラムとは別に、「スマートドローン技術応用研究所(仮称)」の設立準備も進められている。博士課程の学生の他、外部研究者も集めて工学や経済学、都市工学や生命環境など幅広い分野でドローンに関する最先端の研究を集約、融合させ、実社会への導入につなげる。2025年大阪・関西万博で実証実験を行う計画だ。目指すのは、国内屈指のドローン教育・研究拠点化だ。同大学の関係者は「ドローン関係の最新技術を横断的に活用、組み合わせることで、さまざまな面から社会の課題を解決できる人材を育成する」とした。
研究力向上、大学間競争で強み
  ドローン関連の研究は大阪市立大で盛んに行われてきた一方で、大阪府立大でも技術の研究が進められてきた。2大学の統合による研究分野のさらなる広がりが期待されており、ドローン専攻科目の設置は、少子化が進む中で激化する大学間の競争で優位に立つという狙いもある。
  府立大は20年2月、世界を代表する航空大学で、ドローンの教育課程がある米エンブリー・リドル航空大に学生を派遣。学生らはドローン操縦実習などの授業を受講し、最先端の研究に触れた。これとは別に漁業の効率化を目指し、スマートフォンで制御できる水上ドローンの開発にも取り組んでいる
  一方、市立大は19年12月、大阪府と包括連携協定を締結。ドローンを使った空撮による3Dデータから、災害時の被害状況把握につなげるシステム開発を進めている。同大は岸和田市の依頼を受けて岸和田城をドローンで空撮し、3Dモデル「バーチャル岸和田城」も作成中だ。
  統合後の大阪公立大は公立大としての強みをさらに生かし、自治体との積極的な連携を進めて都市問題に関するシンクタンクも兼ねた「知の拠点」を目指す。これらの取り組みを進めることで、少子化などの社会構造の変化に耐え得る教育機関にする方針だ。(井上浩平)
   大阪公立大 一橋大や神戸大とともに「旧三商大」と呼ばれ、医学部を持つ大阪市立大と、工学系に強みを持つ大阪府立大を統合し、22年4月に開学予定。府大の4学域、市大の8学部を1学域11学部に再編し、医学部と獣医学部を併設する関西唯一の大学が生まれる。学部入学定員は約2900人の予定。国公立大の中では大阪大、東京大に次ぐ全国で3番目の学生数で、公立大では国内最大規模となる。



2020.11号 宣伝会議デジタル・マガジン-https://mag.sendenkaigi.com/senden/202011/ad/019973.php
空に舞うドローンが『人を集めずに』実現する企業メッセージの発信

  新型コロナウイルスの影響で多くのライブエンターテインメントが中止・延期を余儀なくされている。そんな中、ドローンを用いた光の演出により、皆が同じ場所に集まらずとも時間を共有し、企業がメッセージを発信することができるサービスが注目を集めている。「ドローン・ライトショー」を展開するT2Rの大木氏、楢崎氏に話を聞いた。

ドローンを使って 空を広告メディアとして活用する
  数百機もの無人航空機ドローンをコンピューターで制御しながら、機体に搭載したLEDライトにより夜空に光の演出を施す「ドローン・ライトショー」。イベントの企画・制作を行うT2R(ティーツーアール)は、中国・深圳市のテクノロジー会社であり、2000件を超えるドローン・ライトショー実施の実績を持つDAMODA(ダモダ)と提携し、日本でのドローン・ライトショーの活用を推進している。
  ──コロナ下において、ドローン・ライトショーはどのように活用できるのでしょうか?
  大木:ドローン・ライトショーは、ロゴや、イメージキャラクター、新商品のビジュアルなど、伝えたいメッセージを空中にアニメーションで描くことができるので、巨大なデジタルOOHとしても活用ができます。
  コロナ下において、その場に人を集めなくても、屋外や自宅のベランダなど様々な位置から見ることができ、また、見た人がかなりの確率で撮影してSNSにあげてくれます。
  結果、企業がメッセージを発信するのに非常に適したOOHともいえるのです。
  また、QRコードを空に描き、キャンペーンサイトなどへ誘導するといった使い方も可能。チラシなどに印刷されているQRコードを読み取る人はかなり減ってきていますが、空にQRコードが浮かんでいたら、ついつい試してみたくなりませんか? ドローン・ライトショーを写真に収めようとスマートフォンを構える人も多いため、読み取ってもらえるハードルはより低くなり、多くの企業から注目されています。
  また、ドローン使用において気にされるのが、落下などの事故を起こさないかという安全性の面。DAMODAは世界で唯一、これまでにドローンの落下が一度もありません。ドローンの下には人が居ることのないようにしているので落ちても怪我につながることはありませんが、“落ちる”というマイナスイメージとリスクを回避しているのは大きなアドバンテージだと考えています。
撮影~動画制作~情報拡散を一気通貫でサポート──ドローン・ライトショーを実施する企業には、どのような目的があるのでしょうか?
  楢崎:企業がドローン・ライトショーを実施する目的のひとつに「話題をつくり、商品やブランド認知を拡大したい」ということがあります。
     そこで、当社では新たなオプションとして、ドローン・ライトショーの様子を別のドローンに積んだカメラから撮影し、約1分の動画に仕上げるサービスを開始しました。そして、制作した動画をメディアやインフルエンサーのSNSに提供するところまでサポートいたします。
──ドローン・ライトショー動画の魅力とはどのような点なのでしょうか?
  大木:ライトショーの様子をドローンに積んだカメラから撮影するので、通常の視点では見ることができない、インパクトの大きな映像をつくり出すことができます。
     また、ドローン・ライトショーの動画は、“撮影地”を生かす動画をつくることができるのもポイント。例えば競技場やスタジアム、横浜みなとみらいやお台場などのシンボリックな場所と、ドローンが描くロゴや文字をうまく組み合わせることで、よりメッセージ性の強い動画をつくることができます。
  楢崎:他にも最近では、“ドローンを飛ばしてロゴを空に描く”取り組みを社内でプロジェクト化する企業もあり、ライトショーを社員が一丸となって企画準備から実施するまでをドキュメンタリー動画にして発信したいという要望も出てきています。

  ライブエンターテインメントやイベントの本格的な再開に向けて様々な取り組みがある中、T2Rでは、「ディスタンス・アラート・リストバンド」の開発も実施。
  「ディスタンス・アラート・リストバンド」は、通常時は青色に光っているが、着用者同士の距離が2m以内に近づくと赤色のランプまたは振動によってアラートを発するというリストバンド。ライブコンサートや屋外イベントなどで使用することを想定しており、もちろん、コンサート照明のDMXと連動させることも可能。会場全体に一体感のあるエモーショナルな空間をつくり出すリストバンドは、今年の冬からレンタルを開始する予定だ。
  さらに来年には、同様のLEDアラートのマスク型もレンタル開始予定。近接すると赤色に点滅してアラートを告げるこのマスクは、ビジネス特許の取得も目指しているという。


2020.3.2-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/west/news/200302/wst2003020026-n1.html
貝塚をドローン拠点に 立体測量の基準点を新年度設置

大阪府貝塚市は令和2年度、市中央部にある市立ドローンフィールド(約7ヘクタール)に、森林などの地表をドローンで立体測量する「レーザー測量」の基準点を新たに設置する。2年度当初予算案に関連予算200万円を計上し、ドローンレーザー測量の技術検定が可能な施設として整備する。常設の検定施設は全国的にも珍しいという。市は「ドローン技術者が交流する拠点にしたい」と期待する。

市立ドローンフィールドは、市が旧大阪市貝塚ピクニックセンター跡地などの丘陵約37ヘクタールを整備した「せんごくの杜」の一部で、平成30年4月に開業。ドローンの飛行が禁止される「人口集中地区」の区域外で広い空間を確保できる利点を生かし、ドローン操縦の講習会や「ドローン測量教育研究機構」(DSERO)が実施する測量検定の場として貸し出している。
   ドローン測量は、高解像度のデータを航空機より低コストで収集できるなどのメリットがあり、建設業界などで導入が進んでいる。一方で森林は樹木が邪魔になり、ドローンによる精密なデータ取得が困難だったが、葉と葉の隙間から地上にレーザーを当てて地肌を立体的に浮かび上がらせるレーザー測量なら、測量の時間短縮や高精度なデータ取得が可能になる。
   「基準点」は、地球上の位置を正確に測定して設置される測量の基準。貝塚市はDSEROと協定を結び、ドローンフィールドに国土地理院の承認を受けた公共基準点を7カ所設置している。しかし、レーザー測量の基準点はなく、検定のたびに半日がかりで設置している。

そこで、令和2年度はDSEROと連携し、10月ごろにレーザー測量基準点(一辺約1メートルの立方体、コンクリート製)をフィールド内に8カ所設置する。市担当者は「基準点の大きさなどの詳細は国土地理院と協議したい」と話す。
   市はドローンフィールドの活用に向け、ドローンの速さや操作の正確さを競う「ドローンレース」の誘致も目指す。


2020.1.17 -自動運転LAB-https://jidounten-lab.com/u_skycar-toyota-2014
「空飛ぶクルマ」参入のトヨタ、実は2014年に特許出願していた・・・車の最後部にプロペラ、アメリカで
記事監修:下山 哲平

  自動車業界における「世界のトヨタ」は2020年1月15日、空飛ぶクルマ開発の米Joby Aviationとの協業を発表し、本格的に同領域へ参入することを事実上宣言した。そんなトヨタだが実は2014年にアメリカで空飛ぶクルマの特許を出願していた。

  その内容は米特許商標庁(USPTO)によって公開されており、「https://pdfaiw.uspto.gov/.aiw?PageNum=0&docid=20160176256&IDKey=&HomeUrl=%2F」から誰でも閲覧できる状態となっている。出願者は北米のTEMA(トヨタ・モーター・エンジニアリング&マニュファクチャリング・ノース・アメリカ)社。
  特許出願で添えられた設計図における車両はドローン型ではなくクルマ型で、最後部にプロペラが装着されている。つまり、トヨタは今回の協業の発表前からかなり時間をかけて空飛ぶクルマ事業への参入を模索していたということが分かる。
  2017年にはトヨタ自動車を始めとしたグループ15社が、日本の技術者有志によって立ち上げられた空飛ぶクルマプロジェクト「CARTIVATOR」に総額4250万円を支援することも明らかになっている。
章男社長「トヨタ創業以来の夢」と強調
  トヨタはJoby Aviationとの協業によって、空のモビリティ事業の早期実現への取り組みをスタートさせるとしている。今回の協業でトヨタが具体的に関わるのは、電動垂直離着陸機(eVTOL)の設計や素材、電動化の技術開発などとされ、トヨタ生産方式(TPS)のノウハウもJoby Aviationと共有するとしている。
  トヨタの豊田章男社長は「自動車事業に加え、今回、Jobyという力強いパートナーとともに、新たに“空”のモビリティ事業にチャレンジします」とした上で、「空のモビリティの実用化はトヨタ創業以来の夢」と強調している。
  さらに「陸だけでなく空にも、移動の自由と楽しさをお届けするモビリティの実現に貢献できることを嬉しく思います」と述べており、空飛ぶクルマ事業にかける思いは熱いようだ。
  ちなみに今回の協業にあたり、トヨタはJoby Aviationに対して3億9400万ドル(約430億円)を出資し、友山茂樹副社長がJoby Aviationの取締役に就任することについても発表している。
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記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)
  (大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。同業上場企業とのJV設立や複数のM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立。設立3年で、グループ4社へと拡大し、デジタル系事業開発に従事している。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域最大級メディア「自動運転ラボ」立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術・会社の最新情報が最も集まる存在に。)


2019.05.29-BUSINESS INSIDER-https://www.businessinsider.jp/post-201433
軍事用ドローンに対する数々の誤解。世界中のテロ、ゲリラ戦の本質を見抜くには

  「サウジアラビアの石油施設がドローンで攻撃された!」
  9月14日にこのニュースが報じられると、メディア各社はこぞって「ドローンで戦争が変わる!」といった記事や番組を発信した。筆者もいくつかの番組や雑誌にコメントを求められ、軍事用のドローンについて解説する機会があった。

  その際、「今回の攻撃のすごいところは、ドローンが使われたことですが……」と先方から切り出され、こちらから「いや、今回の件ではそうではなくてですね……」と応える場面が非常に多かった。事件から1カ月以上が過ぎたが、いまでもこうしたちぐはぐなやり取りは続いている。
  「ドローン」というパワーワードが、どうもメディア上で迷走しているようだ。
「ドローン攻撃」への根本的な誤解
  「ドローン」と聞くと、多くの人は、手で持てるサイズでマルチコプター(3つ以上の回転翼をもつヘリ)型のドローンを思い浮かべるだろう。誰でも簡単に空撮ができるとして大人気になった商品だ。価格は概して数万円から数十万円だが、安価なものだと1万円以下でも買える。
  そのため、サウジアラビア東部のアブカイクとクライスの石油施設が巡航ミサイルとドローンの攻撃を受けて炎上したこの事件では、この「ドローンが使われた」という点にメディアの関心が集中した。誰でも簡単に買えるドローンが軍事用に使われ、凄まじい破壊力を見せたというイメージに、驚きと恐れがあったのだろう。
  しかし、ドローンといってもさまざまな種類があるため、それぞれきっちり分けて議論しなければならない。今回の事件に関しては、そこが一緒くたに語られたことで、ドローンに対しておかしな理解が拡散している印象を、筆者は持っている。ドローンによる攻撃といっても、趣味用のドローンが使われたわけではないのだ。
サウジ攻撃のドローンは巡航ミサイルと大差ない
  たとえば、今回のサウジ攻撃について言えば、ドローンの使われ方はとくに重要というわけではない。イランが開発した新型の三角翼タイプが使われたが、遠隔操縦されたわけではなく、あらかじめ入力されたプログラムどおりに飛行し、標的に突入しただけだ
  遠隔操縦するためには、操縦者から機体に電波が届かなければならないが、(仮に犯行声明どおりイエメンからの攻撃だったとすれば)アブカイクやクライスまでは1000キロ近い距離があり、衛星通信でも使わないかぎり遠隔操縦は不可能だ。
  したがって、サウジ攻撃の際のドローンの使われ方は、巡航ミサイルと何ら変わるところがないと言える。巡航ミサイルとドローンの両方が使われたものの、長射程の巡航ミサイルがあるなら、何もわざわざドローンまで使う必要はなかった。何らかの理由が犯人側にはあるのだろうが、外部から推察したところで、それは憶測の域を出ない。
  実は、こうした長距離攻撃の場合、巡航ミサイルのほうがむしろ有利と言える。概して巡航ミサイルのほうがパワーがあり、ペイロード(積載できる重量)がずっと大きい。より多くの爆薬を積めるので、威力がはるかに強力なのだ。
  また、ドローンは低空を飛ぶから相手のレーダーに捕捉されにくいという利点が挙げられるが、それは巡航ミサイルもまったく同じだ。それどころか、巡航ミサイルのほとんどはジェット・エンジン推進によって高速で飛ぶのに対し、ドローンはプロペラ推進で低速のものが多いので、仮に飛行中に発見された場合、撃ち落とされやすい。
「戦争を変える」ドローンとはどんなものか
  ここまで見てきたように、サウジ攻撃について言えば、ドローンが使用されたことの意味は(軍事的には)さほど大きくない。ただしそれは、いわゆる「長距離自爆用」だったからで、別の種類のドローンは、戦争のかたちを変えるゲームチェンジャーになる可能性がある。

  そこで、種類ごとに見ておこう。
▽偵察型ドローン
  「ドローン」は、無人機全体の通称だ。軍事の世界ではかなり以前から、対空兵器の訓練用の標的機として無人機が使われてきた。
  しかし、現在の最先端のドローンにつながる技術の多くは、もともと戦場で敵を偵察するために開発されたものだ。当初は小型のラジコン機のようなものが多かったが、1990年代に米軍が採用した「RQ-1プレデター」の性能は画期的で、対テロ戦の現場で大きな成果を上げた。
  当時すでに、世界中のゲリラ勢力の多くに携帯式の地対空ミサイルが普及し、上空からの偵察任務が危険になっていた。そこで、撃墜されても人的被害が出ない無人偵察機の重要性が高まったわけだ。現在もさまざまな偵察用ドローンが世界各国で開発されている
▽長距離自爆型ドローン
  前述したように、巡航ミサイルと同じように使われ、とくにドローンでなければならないことはない。ただし、有利な点もある。調達の容易さだ
  回転翼(プロペラ)式が多いドローンは、一般的にはジェット・エンジン推進の巡航ミサイルよりかなり安い。巡航ミサイルが1発あたり数千万円から億円単位の価格となるのに比べ、自爆用に使われるドローンの多くは、数十万円からせいぜい数百万円。なかには1000万円以上のものもあるが、それでも巡航ミサイルよりは安価で、予算の限られたテロリストでも手に入れやすい。
  その意味で、破壊力は小さいが廉価な自爆型ドローンは、本格的な戦争向けの兵器というよりも、標的を絞ったテロの道具に向いていて、それはそれで脅威となる。
▽短距離自爆型ドローン
  短距離自爆型の小型ドローンには、敵の電波発信源を捜索して攻撃するものや、戦場で遠隔操縦によって敵を攻撃するものがある。通常の砲弾に比べてコストパフォーマンスは悪いが、軍事的にはかなり使い勝手がいい兵器と言える。
  戦場の上空でロイタリング(徘徊)し、敵を見つけたら遠隔操縦で正確にピンポイント攻撃できる。遮蔽(しゃへい)物の陰に隠れていても、別角度から攻撃可能だ。
  この方式のドローンで先行しているのは、対ゲリラ戦に力を入れているイスラエルだが、他にも米露中などいくつかの国が開発している。銃撃戦・砲撃戦の最前線でも使えるし、テロの道具にもなり得る。
▽攻撃型ドローン
  偵察用無人機に武器を積んで攻撃にも使おうというアイデアを最初に実現したのは、米中央情報局(CIA)だ。前出のRQ-1プレデターに対戦車ミサイルを搭載し、2000年代の対テロ戦で実戦投入した(武装した改良型は「MQ-1プレデター」)。現在もアフガニスタンなどの戦場では、米軍の「MQ-9リーパー」などの攻撃型ドローンが広く使われている。
  敵が潜むエリアを偵察し、発見したら搭載するミサイルや精密誘導爆弾などで攻撃し、そのまま帰還する。遠く離れた安全な基地からの衛星通信遠隔操縦なので、攻撃側に危険はない。交代制により長時間の運用も可能だ。
  妨害電波で通信を遮断されたら使えないので、重装備の正規軍相手より対ゲリラ戦などで威力を発揮する。
  いまや世界中の対ゲリラ戦の最前線では、幹部暗殺などのピンポイント空爆作戦において「攻撃側が死なない」時代を迎えつつある。その意味で、この攻撃型ドローンはすでに戦争の姿を(一部)変えつつあると言える。
▽自律型無人戦闘機 
  さらに現在、米英仏露中などの主要国は、攻撃型ドローンをより進化させた次世代兵器を研究している。AI(人工知能)技術などを採り入れ、自動操縦化を進めた無人戦闘機だ。遠隔操縦方式のドローンはどうしても電波妨害に弱いが、自動操縦化が進めば、耐性が強化される。
  この分野の研究で先行していたアメリカは、「X-47B」の空母への自動離発着や空中給油まで実現させたが、資金的な問題で現在、開発を中断している。他方、ロシアは2019年8月、無人ステルス攻撃機「S-70オホートニクB」の初試験飛行を成功させている。
  現代のAI技術ではせいぜい自動飛行・発着までで、攻撃の判断などはどうしても人間に頼らざるを得ない。さらなる技術革新が進めば、将来的には、任務を入力するだけで飛行から索敵・攻撃まですべて自動で遂行する完全自律型「ロボット戦闘機」が誕生するかもしれない。
  軍事用ドローンの進化はもともと「操縦者が死なない」ための無人化が出発点だったが、将来はさらに進んで、「人が介在しない戦争」になっていく可能性を秘めている。実現すれば、まさに戦争の世界のゲームチェンジャーとなるだろう。







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