アメリカとロシア問題-1



2021.06.17-BBC News Japan-https://www.bbc.com/japanese/57506887
米ロ首脳会談、握手はするも不和残る 核軍備管理の対話には合意

  米ロの両大統領は16日、 スイス・ジュネーヴで会談した。両大統領は個別の記者会見でそれぞれ成果を強調したものの、2018年以来となる米ロ首脳会談は具体的成果には乏しかった。初対面ではないが、バイデン米政権発足後、初の対面会談だった。

  アメリカのバイデン大統領は会談後、お互いが相手に異論を伝えたものの、大げさな物言いはしなかったと記者団に話した。また、ロシアは新しい冷戦を望んでいないと述べた。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、バイデン氏について経験豊富な国家指導者で、自分たちはお互い「同じ言語」を使う者同士だと話した。

  両大統領の会談は予定より短かかったが、約3時間に及んだ。バイデン氏は記者会見で、首脳同士が対面して直接話をするのは何ものにも代えがたいことだと意義を強調した上で、今回の協議にかけた時間は十分だったと述べた。
  また、「価値観や原理原則にのっとるものは何ひとつ手放さず、両国関係を大いに改善できる展望が本当にあると思う」と期待を示した。

  プーチン氏は記者会見で、「会談はもちろん、しっかりしたものだった。色々な課題で私たちの立場は異なるが、2人とも相手を理解しようという意欲や、立場を近づける方法を探そうという意欲を見せたと思う。とても建設的な会話だった」と話した。

  双方は、核軍備管理の対話開始に合意。さらに、互いの大使を双方の首都に戻す方針を確認した。両国は、アメリカが2020年大統領選にロシアが干渉したと批判したのを受け、今年3月に大使を互いに帰国させていた。
  しかし、懸案のサイバー犯罪対策やウクライナ政策収監中のロシア野党指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の扱いなどを含め、それ以外の課題については合意の様子は乏しかった。

  バイデン氏は、万が一ナワリヌイ氏がこのまま獄死するようなことがあれば、ロシアにとって破壊的な結果」になると述べた。
  野党勢力の指導者ナワリヌイ氏に対し、モスクワの裁判所は今年2月、過去の有罪判決の執行猶予を取り消し、禁錮3年6カ月の刑の執行を決定した。刑期は2年半残っている。
  ナワリヌイ氏は昨年8月、ロシア・シベリアを旅客機で移動中に体調が悪化。治療のためドイツ・ベルリンの病院に移送された。ドイツ政府は9月、ナワリヌイ氏に対して神経剤ノビチョクによる毒殺が図られた「明確な証拠」があると発表した。今月17日にベルリンから帰国した同氏は、モスクワ郊外の空港で逮捕された。4月には24日間、獄中でハンガーストライキを続けた。

協議内容は
  首脳会談の前、双方とも両国関係は過去最低の状態だと述べていた。プーチン氏は、相手国で受刑中の自国民を双方が交換する可能性について示唆していた。
  アメリカが重視していた相次ぐサイバー攻撃については、プーチン氏はロシアの責任を否定逆に、ロシアに対するサイバー攻撃のほとんどはアメリカから始まっていると批判した。

  バイデン大統領は、水やエネルギーなどライフラインのインフラは、ハッキングを含むあらゆる攻撃の対象から外されなくてはならないとプーチン大統領に告げたと、記者団に話した。
  両大統領は、政府に抗議する権利を含め、人権について、姿勢が大きく食い違ったという。
  バイデン氏は、刑務所内の扱いに抗議して4月にハンストを行ったナワリヌイ氏について、懸念をプーチン氏に伝えた。しかし、プーチン氏はこれを一蹴し、法律を無視したナワリヌイ氏はドイツから帰国した時に自分が逮捕されることは、承知していたはずだと答えたという。
  ナワリヌイ氏は、自分に神経剤を使うよう命令したのはプーチン氏だと批判しているが、プーチン氏はこれを否定している。

  国民の抗議する権利についてプーチン氏は、今年1月の米連邦議会襲撃事件や、昨年夏にアメリカ各地で黒人差別や警察暴力に抗議して起きた「黒人の命も大事だ(BLM)」運動のような騒ぎが、ロシア国内で起きて欲しくないと話した
  これを受けてバイデン氏は、BLM運動に対するプーチン氏の発言は「ばかげている」と反論し、人権問題は常に「議題であり続ける」と述べた。

  バイデン氏はジュネーヴ空港で大統領専用機「エアフォース・ワン」に搭乗する前、プーチン大統領率いるロシアが態度を変えると思うかと記者団に質問され、ロシアがいま「とてもとても厳しい状況にある」と答えた。

  「中国に締め付けられている。なんとしても主要国であり続けたいと必死だ」と、バイデン大統領はロシアの状況について見解を述べた。
  これに対してプーチン氏は、ロシアが核保有国で、重要な国だと繰り返した。BBCのサラ・レインスフォード・モスクワ特派員はプーチン氏について、ロシアの経済規模はアメリカより小さいが、ロシアは今も重要な主要国で、だからこそバイデン大統領は自分と話をしに来たのだとアピールする意図があったとした。


2021.06.17-産経新聞-https://news.yahoo.co.jp/articles/b91c2e8d865c403060c2310456721dd031f8d5fb
プーチン氏 米と協調模索も「一線」譲らず

  【ジュネーブ=小野田雄一】ロシアのプーチン大統領は16日のバイデン米大統領との首脳会談で、核軍備管理など米国と利益が一致する領域では協調する意欲を示しつつ、双方には互いに譲れない「一線」があると指摘。露国内の人権侵害を非難する米国に内政干渉と反論するなど、米国と渡り合える強国を示すことに成功した。

  プーチン氏は会談後の記者会見で「会談は建設的だった」と評価した。核戦力の均衡などを念頭に置いた戦略的安定」をめぐる対話の開始は、プーチン氏にとって成果だ。国力差のある米国との本格的な軍拡競争を避けられる可能性が高まる上、米国に匹敵する核大国としてロシアを印象付けられるためだ。

  バイデン氏の米露関係を予測可能にするとの考えには、米露の立場の違いを容認するものとして原則的に賛同しているとみられる。プーチン氏はトランプ前米政権による中距離核戦力(INF)全廃条約の破棄などを挙げ、米国こそが予測不可能だったと指摘。

  バイデン氏をバランスの取れた人物」と評した。 サイバー空間の安全保障に関する協議開始は露側が事前に提案するとしていたもので、プーチン氏は米国の同意を得られたことに満足感を示した。

  ただ、プーチン氏はサイバー攻撃への国家としての関与を改めて否定し、「世界一のサイバー犯罪大国は米国だ」と主張した。サイバー攻撃をめぐる協議に前向き姿勢を示したのは、ロシアへの非難や制裁の矛先をかわすためとの見方もあり、サイバー犯罪をどこまで本気で取り締まる意思があるかは不透明だ。

  露反体制派指導者のナワリヌイ氏収監や反体制デモ弾圧などロシアの人権状況に関しては、米国の改善要求を拒否する姿勢を明確にした。プーチン氏はデモ弾圧について、1月の米連邦議会議事堂が一時占拠された事件などを引き合いに出し、「ロシアで暴動が起きることは望まない。われわれはそのために必要なことをする」と正当化した。
  プーチン氏は米議会の動きを念頭に「米国にはロシアとの関係発展に反対する人々がいる。米国が新たな対露制裁を行えば(関係再構築の)機会の喪失を意味する」と牽制(けんせい)。
  米露関係には「幻想(楽観論)を過去に持ったことはなく、今後も持つことはない」とし、バイデン政権の今後の出方に警戒を緩めなかった。


2021.06.17-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210617/k10013089141000.html
米ロ首脳会談 核軍縮など対話へ サイバー攻撃などでは隔たりも

  アメリカのバイデン大統領とロシアのプーチン大統領が会談し、核戦争のリスクの低減や核軍縮に向けた対話の枠組みをつくることで合意しました。一方で、サイバー攻撃や人権をめぐる問題での主張の隔たりは大きく、対話を通じて両国関係の改善につなげられるかが今後の焦点になります。

  アメリカのバイデン大統領とロシアのプーチン大統領は16日、スイスのジュネーブで初めて対面での首脳会談を行い、およそ3時間半にわたって意見を交わしました。
  この中で両首脳は、両国で世界の核弾頭の9割を保有する中、武力衝突や核戦争のリスクを低減し、将来的な核軍縮や軍備管理の土台を築いて戦略的な安定を目指す対話の枠組みをつくることで合意しました。
  両首脳は会談後それぞれ記者会見し、バイデン大統領はアメリカがロシアに向き合っていくうえでの明確な基礎を築くことができた」と述べ、プーチン大統領は意見の相違はあるが、双方は相手を理解し距離を近づけるための方法を見いだそうとする気持ちを示した」と評価しました。

一方で、アメリカがロシアの責任を主張するサイバー攻撃をめぐっては、バイデン大統領が攻撃を受けた場合は相応の措置をとると強く警告しましたが、プーチン大統領はロシアも被害を受けているとして、議論は平行線をたどりました。
  また、バイデン大統領がロシアの反体制派の指導者、ナワリヌイ氏の収監をめぐり懸念を表明したのに対し、プーチン大統領はロシアの法律に違反したと説明し、両国間の主要な問題では主張の隔たりが改めて浮き彫りになりました。
  このため、今後、会談で合意した対話を通じて、両国が冷戦終結後最悪ともいわれる関係の改善につなげられるかが焦点になります。
長崎の被爆者「両首脳 信頼関係徐々に築いて」
  アメリカとロシアの首脳会談で、新たな核軍縮の枠組みの構築など、戦略的安定に向けた2国間対話を始めることで合意したことについて、長崎の被爆者で被団協=日本原水爆被害者団体協議会の田中重光代表委員は「世界の核弾頭の9割を保有するアメリカとロシアの対応が世界の明暗を分ける鍵を握る。両国が核軍縮などで話し合いを進めれば、他の国も追随すると思うので、両首脳には信頼関係を徐々に築いていってもらいたい」と期待感を示しました。

  さらにことし8月9日の長崎原爆の日を前に「『被爆者を再び出さない』という被爆者が発信するいちばんの思いを両首脳には分かってもらいたい。核保有国が存在するかぎり、核戦争はいつ起こるか分からない。ことし1月には核兵器禁止条約が発効し、核兵器を持ってはいけないことが国際的な規範になったので、これからも世界の市民や国連と結びついた運動を続けていきたい。日本政府は核兵器禁止条約から背を向けているので、条約に署名・批准をして、被爆国の役割を果たしてほしい」と述べました。


2021.05.20-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/210520/wor2105200022-n2.html
米露が北極でせめぎ合い 露の軍備増強を米非難、中国も関与模索
(1)
  【モスクワ=小野田雄一、ワシントン=黒瀬悦成】米国とロシア、カナダなど北極の関係8カ国で構成される北極評議会の閣僚級会合が20日、アイスランドの首都レイキャビクで行われ、北極圏の持続可能な発展や環境保護について協議した。豊富な天然資源を擁し、航路としての発展も期待されている北極をめぐっては米露が主導権争いを強めており、両国は会合に先立って互いを激しく牽制(けんせい)した。

  南極については日英米や当時のソ連など12カ国が1959年に採択した南極条約があり、領有権主張の凍結や平和利用が定められている。これに対し、北極圏をめぐってはルールが未整備で、関係国の利害や主張が錯綜(さくそう)している。

  北極圏に計300万平方キロメートルの領土と領海を有する最大の沿岸国ロシアはとりわけ自己主張を強めている。ロシアは、自国沿岸の北極海航路(北東航路)を通る船舶に対して事前許可の義務付けや、船の誘導のため自国の水先案内人の同乗を要求する方針を表明要求に従わない船舶には武力行使も辞さないとしており、ブリンケン米国務長官は国際法違反だ」と強く非難している。

  ロシアは2017年、北極圏ヤマル半島で液化天然ガス(LNG)の生産を開始。近隣のギダン半島でのLNG生産も23年の開始を予定しており、アジア太平洋地域を中心にLNG市場でシェア拡大を狙う
  北極圏の資源開発とセットになるのが、輸送を担う北極海航路の開発だ。ロシアは北東航路でアジアと欧州を結べばスエズ運河ルートよりも距離が3割短縮されるとし、大型砕氷船の建造などを進めている。

  露メディアによると、17年は1千万トンだった北東航路の輸送量は20年に3300万トンまで増加。今年3月のコンテナ船座礁事故でスエズ運河が遮断された際、露政府はすかさず北極海航路の宣伝を図った。
(2)
  バイデン政権が警戒を強めているのは、ロシアによる北極圏での軍事力増強だ。ロシアは1月、北極圏を管轄する北方艦隊に、権限がより強い軍管区」の地位を付与。3~4月には北極点近くでの戦闘機への空中給油や複数の原子力潜水艦による同時浮上実験などを行った。

  ラブロフ外相は今月17日、「ロシアが北極圏で軍事活動を展開しているとの泣き言が(各国から)出ているが、それはロシア領(内の演習)だ」などと主張。他方で「ノルウェーなどが北大西洋条約機構(NATO)を北極に引きこもうとしている」と欧米側を批判した。
  これに対してブリンケン氏は18日、北極評議会閣僚級会合を前に、レイキャビクで記者団に「ロシアは北極海で不法な海洋権益を主張している」などと批判した。
  米CNNテレビ(電子版)によると、ロシアは原子力推進式の核魚雷「ポセイドン2M39」の開発を北極海沿岸の露軍基地で行っているほか、ロシアの戦略爆撃機や戦闘機が北極圏に多数配備されていることが衛星写真で確認された。
  米国は昨年、北極海航路での航行の自由を掲げ、ロシアに近いバレンツ海で欧州の同盟諸国と合同海軍演習を2回にわたり実施した。ブリンケン氏は、ロシアによる北極海の軍事拠点化は「事故や誤算の増大につながる。北極海の平和的かつ持続可能な将来を確保するという各国共通の目標にも反する」と指摘した。
  中国が北極海航路を「氷のシルクロード」と名付け、巨大経済圏構想「一帯一路」の中に組み込んでいく考えを示していることも沿岸国の警戒心を呼んでいる。


2021.03.19-dmenuニュース-https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/sankei/world/sankei-wor2103190010
プーチン氏、バイデン氏に公開討論呼びかけ 「人殺し」発言受け

  【モスクワ=小野田雄一】ロシアのプーチン大統領は18日、露国営テレビの番組に出演し、バイデン米大統領に対し公開での直接対話を早急に行うことを提案した。米テレビのインタビューでプーチン氏について人殺しとの認識を示したバイデン氏に挑戦状をたたきつけた形で、強い指導者のイメージを演出する狙いがあるようだ。
  プーチン氏は、私たちは陰でののしり合うべきではないと述べ、「(直接対話は)明日(19日)か月曜日にでも可能だ。そのために必要な指示を外務省に出す」と表明した。
  プーチン氏はこの日、ロシアによる併合から7年を迎えたウクライナ南部クリミア半島の住民らとのオンライン会議でも、バイデン氏に言及し、「人が他人を評価するというのは、鏡の中の自分を見ているようなものである」と揶揄(やゆ)、「(バイデン氏の)健康を願っている」と述べた。
  一方、ペスコフ露大統領報道官は18日、バイデン氏の発言は「歴史上、(前例が)なかった」と批判。今後の対米関係については、発言を受けて一時帰国が命じられたアントノフ駐米大使から報告を受けた上で検討されるとした。


2021.03.18-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/210318/wor2103180007-n1.html
米大統領選へのロシアの選挙干渉 「プーチン氏は代償払う」とバイデン氏

  ワシントン=黒瀬悦成】バイデン米大統領は17日放映されたABCニュースとのインタビューで、昨年の大統領選にロシアが干渉したと結論付けた米国家情報会議(NIC)の報告書が16日に公表されたのを受け、「ロシアのプーチン大統領は代償を払うことになる」と述べ、「近日中」に対抗措置をとることを表明した。

  バイデン氏は対抗措置の具体的な内容には言及しなかったが、ロイター通信によると、米政権は来週にも制裁を発表する準備を進めているという。
  報告書の中で言及されていた、プーチン氏の意を受けてバイデン氏親子に関するスキャンダル情報の拡散を図るなど選挙干渉工作に重要な役割を果たした」とされるウクライナの親露派国会議員、アンドレイ・デルカッチ氏に対しては、米財務省が昨年9月に制裁を発動している。
  バイデン氏はまた、ロシア反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の暗殺未遂事件に関連し「プーチン氏が人殺しだと思うか」と司会者に聞かれた際、「そう思う」と答えた。



2020.11.25-CNN -https://www.cnn.co.jp/world/35162878.html
米海軍艦、日本海で航行の自由作戦 ロシアが警告

  (CNN) ロシア国防省は、米海軍の駆逐艦「ジョン・S・マケイン」が24日に日本海でロシアの領海を侵犯し、ロシアの駆逐艦「アドミラル・ビノグラドフ」が警告を発したと発表した。米海軍艦は、警告を受けてこの海域から出たとしている。
  一方、米海軍はロシア側の主張を否定し、「今回の作戦に関するロシアの発表は誤っている。ジョン・S・マケインは、いかなる国家の領海からも『駆逐』されていない」とする第7艦隊の声明を発表した。
  声明ではさらに、「今回の作戦は、航行の自由と合法的な海洋使用の原則を支持する我々の貢献を反映している。米国はロシアが行ったような脅しに屈することも、不当な海洋主張を受け入れることも決してしない」と強調。「航行の自由作戦は、権利と自由、ロシアの過剰な海洋主張に異議を唱えることにより、国際法で認められた海洋の合法的な利用を支持するものだ」としている。

  米駆逐艦が航行したピョートル大帝湾は日本海で最大の湾で、ウラジオストクに面し、ロシア海軍太平洋艦隊の拠点がある。
  この海域に関するロシアの領海の主張は旧ソ連時代にさかのぼる。米国はロシアの主張を認めておらず、前回は2018年に旧ソ連の解体来初めて、この海域で航行の自由作戦を実施していた。
  米国で次期大統領に選出されたバイデン前副大統領の就任を約2カ月後に控え、米ロの緊張は高まっている。トランプ大統領と良好な関係にあったロシアのプーチン大統領は、まだバイデン氏に祝意を伝えていない。


2020.10.20-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/201020/wor2010200039-n1.html
新START交渉大詰め 米大統領選にらみ米露駆け引き
(1)
  米国とロシアの間に唯一残る軍備管理・軍縮の枠組み「新戦略兵器削減条約」(新START)が来年2月に期限切れを迎える。同条約の延長をめぐり、トランプ米政権とプーチン露政権との協議が大詰めを迎えた。トランプ米政権は、11月3日の米大統領選を前に外交成果を上げたい思惑から、ロシアに条件付きでの暫定延長を提案。プーチン露政権は、米国との核軍拡競争を避けるために新START延長を望みつつ、大統領選の行方もにらんで駆け引きに出ている

  【ワシントン=黒瀬悦成】新STARTの延長問題では、トランプ政権がロシアに対し、条約を1、2年間暫定的に延長する一方、その間は米露の全ての核弾頭の保有数を増やさないとする提案を行った。
  これに対しプーチン大統領は16日、核弾頭の凍結には言及せず、条約を無条件で1年間延長することを提示したものの、オブライエン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は同日、これを「全く話にならない」と拒絶した。
  トランプ政権は国際軍備管理に関し、新STARTが対象とする戦略核弾頭およびその運搬手段だけでなく、短中距離核や、極超音速ミサイルなど新型兵器も含めた、包括的な核軍縮・軍備管理の枠組み構築を目指すべきとの考えだ。
  それ以上に、米露が中距離核戦力(INF)全廃条約(昨年8月に失効)を順守している隙を突いて中国が短中距離核およびミサイルを中心とする核戦力を着々と増強させ、米国およびインド太平洋地域への重大な脅威となっていることをにらみ、中国を条約に組み入れるのが不可欠との認識を強めている。

共和党のレーガン政権下で国家安全保障問題担当の大統領補佐官を務めたロバート・マクファーレン氏は19日、政策研究機関「大西洋評議会」での講演で、新STARTは「時代遅れだ」と切り捨て、現行の枠組みにこだわるロシアの態度は「見当はずれで頑迷だ」と非難した。
(2)
  トランプ政権とその周辺には、現在の戦略的環境の実態に合わない新STARTをこのまま葬り去るべきとの議論も存在する。
  一方で米政権による最近の動きは、現行の条約を将来、中国も含めた包括的な新条約に発展させる土台にしたい思惑がにじむ。
  仮にロシアが今回、米政権が提案した「核弾頭の凍結」に応じれば、たとえ暫定的にせよ米露が保有する全ての核弾頭に史上初めて制限の網がかかる「歴史的合意」(ビリングスリー米大統領特使)となる。
  ただ、プーチン氏がこれに応じない考えを示唆したことで、米政権内には協議の行方に悲観論が浮上しているのも事実だ。
  トランプ大統領は、米大統領選の民主党候補、バイデン前副大統領が新STARTを現状のまま5年間延長する立場を示しているのを視野に、最後まで野心的な提案で大型合意を目指し、外交成果につなげたい考えとみられる。

  【モスクワ=小野田雄一】国力で米国に大きく劣るロシアは、新STARTを延長したいのが本音だ。その一方でロシアは、大統領選を控えたトランプ米政権の焦りを見越し、できるだけ有利な形での交渉妥結を探る。新START延長に前向きとされるバイデン前副大統領が当選する可能性を視野に、硬軟両様の対応で様子見をしている感もある。
  ロシアは、音速の20倍以上で飛行する極超音速兵器「アバンガルド」や、南極回りの飛行ルートでも米国を攻撃できるとされる新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「サルマト」など新型戦略兵器の開発や配備を急いできた。航続距離が「無制限」とされる原子力推進の巡航ミサイル「ブレベスニク」や大型核魚雷「ポセイドン」の開発も進めている。
  米国のミサイル防衛(MD)網を突破ないしは回避する能力を備えると同時に、それを米国との軍備管理交渉の取引材料に使う狙いからだ。ラブロフ露外相は昨年12月、新STARTが延長される場合にはアバンガルドとサルマトを規制対象に含める用意がある、と水を向けていた。
(3)
  世界銀行によると、2019年のロシアの国内総生産(GDP)は米国の10分の1以下で、真っ正面からの軍拡競争では米国に太刀打ちできない。ロシアは新兵器開発を誇示しつつ、米国との間で落としどころを探るのが得策だと考えている。核超大国の地位を維持しつつ、米国との際限ない軍拡競争は抑えるのがロシアの政策目標だ。
   米露が全ての核弾頭数を凍結する代わりに新STARTを暫定延長する-。この米提案をロシアはいったん拒絶したが、露外務省は20日になって、米国が追加要求を持ち出さないとの前提で「核弾頭数の凍結に応じる用意がある」と譲歩の姿勢を見せた。
   一方、米国が求める中国の軍縮枠組みへの参加について、ロシアは「中国が望んでいない」と否定的だ。ロシアには中国の軍拡を潜在的脅威と認識する面があるものの、米欧と中露の対立が激しくなる中で、ロシアとしては中国に配慮し、良好な関係を維持せざるを得ない事情がある。


2020.10.17-TBS NEWS-https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4104294.html
「無条件で1年延長」提案、新STARTめぐりプーチン氏

  来年2月に期限が切れる米ロの新戦略兵器削減条約について、ロシアのプーチン大統領は無条件で1年延長することを提案しました。
   プーチン大統領は16日、安全保障会議で来年の2月に期限が切れる米ロの新戦略兵器削減条約=「新START」について、無条件で最低1年延長することを提案。ラブロフ外相に対し、アメリカ側から早期に回答を得るよう指示しました。
   新STARTをめぐっては、アメリカ側が延長の条件として、短距離、中距離の核兵器も対象にすることを求めていましたが、ロシア側が難色を示していました。今回のプーチン大統領の提案は条約をこのまま延長させ、交渉を継続するというもので、来月3日のアメリカ大統領選を前に、外交面での成果をアピールしたいトランプ政権から譲歩を引き出す狙いがあるものとみられます。
   一方、ホワイトハウスで国家安全保障問題を担当するオブライエン大統領補佐官は16日、声明を出し、「アメリカは、米ロ両国がすべての核兵器を制限の対象とすることを条件に、条約の1年延長を提案した。ただ条約を延長するというプーチン大統領の反応は検討に値しない」と指摘しました。その上で、「軍拡競争が続く前にロシアが自身の立場を見直すことを期待している」として、逆に、アメリカ側の提案を受け入れるよう求めています。


2020.8.25-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/200825/wor2008250040-n1.html
米副長官、ベラルーシへの露介入を牽制 露外相らと協議

  【モスクワ=小野田雄一】ルカシェンコ大統領の6選が発表された大統領選への抗議デモで混乱するベラルーシをめぐり、ビーガン米国務副長官は25日、モスクワを訪れ、ロシアのラブロフ外相らと会談した。在モスクワ米国大使館によると、ビーガン氏は会談で「ベラルーシの主権と、国民の自己決定権への支持」を表明し、ロシアの介入を牽制(けんせい)した。
  ビーガン氏は、毒物を使用されて重体に陥った疑いが出ているロシア反体制派指導者のアレクセイ・ナワリヌイ氏の状況に懸念も示したという。ナワリヌイ氏はドイツに搬送され、治療を受けている。


2020.6.24-Yahoo!!Japanニュース(時事通信)-https://news.yahoo.co.jp/articles/b581c6eb80966b1c406b92d2eeb5e7f76c615ef2
新START、1カ月後に再協議 米代表「あらゆる核兵器対象」

  【ワシントン時事】ビリングスリー米大統領特使(軍縮担当)は23日、新戦略兵器削減条約(新START)延長などをめぐる米ロの核軍縮交渉について、7月下旬か8月上旬に第2回の高官級協議を開催すると明らかにした。
  ビリングスリー氏は第1回協議が開かれたウィーンで記者団に「新たな軍縮協定は戦略核兵器だけでなく、あらゆる核兵器を対象にしなければならない」と強調。中国についても参加を呼び掛け続けると語った。 


2020.1.11-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200111/k10012242191000.html
アラビア海で米駆逐艦にロシア艦艇が異常接近

中東情勢をめぐる緊張が続く中、アメリカ軍はアラビア海北部に展開していた駆逐艦にロシア海軍の艦艇が異常接近したことを明らかにし、ロシアを強く非難しました。ロシア海軍は先月末にイランと合同軍事演習を行うなど、イランへの圧力を強めるアメリカへのけん制を強めています。
  中東地域を管轄するアメリカ中央軍は10日、声明を発表し、9日にアラビア海の北部に展開していた駆逐艦「ファラガット」にロシア海軍の艦艇が異常接近したことを明らかにしました。
  海軍の当局者によりますとロシア側は「ファラガット」が進路を変更するよう信号を送ったあとも進路を変えず、およそ54メートルの距離にまで接近したということで、声明で中央軍は「攻撃的な接近で衝突の危険を高める」としてロシアを強く非難しました。
  アラビア海の北部にはイランの脅威に対応するため原子力空母「ハリー・トルーマン」が派遣されており、「ファラガット」も空母に随行する空母打撃群の一隻として現場海域に展開していました。
  イランと良好な関係にあるロシアは先月末に、イランと中国の海軍とオマーン湾などで合同軍事演習を行うなど、イランへの圧力を強めるアメリカへのけん制を強めています。
ロシア国防省「ルール違反はアメリカ」
これについてロシア国防省は10日声明を発表し、「ロシア軍の艦船が進もうとする航路をアメリカ軍の駆逐艦がさえぎった。国際ルールに違反しているのはアメリカのほうだ」と反論しました。








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