アメリカ経済問題-1


2024.04.18-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240418-FLDANPJIRVOKJAFG7MQS4PJ7MI/
対中鉄鋼関税3倍増も 米大統領、検討を表明 USスチールは「米企業」

  バイデン米大統領17日、米東部ペンシルベニア州ピッツバーグの全米鉄鋼労働組合(USW)本部で演説し、中国製の鉄鋼とアルミニウムの制裁関税を3倍に引き上げることを検討すると表明した。日本製鉄が買収を提案したUSスチールは「米国の企業であり続けるべきだ」と強調し、買収に反対するUSW寄りの姿勢を改めて示した

  トランプ前大統領と再び対決するのが確実な11月の大統領選で、ペンシルベニア州は激戦州となる。バイデン氏は「鉄鋼の街」として発展したピッツバーグを舞台に、支持層の労組票を固める狙いがあるとみられる
  バイデン氏は、中国政府が鉄鋼会社に多額の補助金を支給し、過剰生産によって鉄鋼価格の下落を招いているとして「彼らはだましている」と批判。中国とは「戦いを望んでいるのではない。公正な競争を求めている」とし、「公正な競争である限り、米国は勝つことができる」と訴えた。(共同)


2023.09.16-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230916/k10014198031000.html
米 サンフランシスコ オフィス空室率高く小売店も“集団脱出”

  アメリカではコロナ禍の影響が長引き、オフィスの空室率がこの30年で最も高い水準になっています。主要都市の中で空室率が最も高いサンフランシスコの中心部では、人流の低下に加え、治安の悪化も重なって小売店が相次いで撤退し、「集団脱出」と呼ばれる事態が起きています。

オフィス空室率は31.6% 主要都市で最悪水準
  不動産会社が今月12日に発表した報告によると、全米のオフィスの空室率は18.2%と、コロナ禍で定着した在宅勤務などの影響でこの30年で最も高い水準になっています。
  西部カリフォルニア州のサンフランシスコでは、オフィスの空室率がコロナ禍前の2020年が4%だったのに対し、最新の数字は8倍近い31.6%になり、アメリカの主要都市で最悪の水準となっています。こうした中、オフィスワーカーが減った街の中心部では小売店の撤退が相次ぎ、町の一等地や大通り沿いも空き店舗だらけになっています。
  地元メディア「サンフランシスコ・クロニクル」によりますと、中心部のある地域では営業している小売店が2019年に203店舗だったのに対し、2023年5月には107店舗に減少したということです。先月27日には、ショッピングモールで35年間営業してきた大型デパートの旗艦店も閉店し、アメリカのメディアがサンフランシスコの状況について小売店の「集団脱出」と呼ぶ事態となっています。
  アメリカの不動産サービス大手CBREのアナリスト、コリン・ヤスコウチさんは「オフィスワーカーが以前のように職場に戻っておらず、中心部の小売業は顧客の激減で営業の継続が難しくなっている。また、犯罪の増加や、その他多くのことが街に影響を及ぼしている」と指摘しています。
テック企業が集積 大半の従業員は在宅勤務に
  ヤスコウチさんは、テック企業が集積する街の特殊事情を指摘します。「従業員のリモートワークに最も積極的で、従業員の大半を在宅勤務に送り出したのはテック企業だ。テック企業の多くは、自宅からでも仕事ができるよう商品やサービスを開発してきた当事者で、『このようなライフスタイルが可能だ』と宣伝することに利益を見いだしている」
  ヤスコウチさんは、テック企業がリモートワークからオフィスへの出勤に大きくかじを切ることは考えにくいという見方を示しました。そのうえで「従業員がオフィスに来て共同作業をしないことで生産性やイノベーション、企業文化が損なわれていることに多くの企業は気付いている。オフィスに戻ってくる人は増え始めている。この傾向は今後も続くと思うが、おそらくゆっくりと時間がかかるだろう」と指摘しました。
治安悪化で小売店の撤退に拍車
  小売店の撤退に拍車をかけているとされるのが、治安の悪化と窃盗被害です。家賃の高騰が主な原因でカリフォルニア州はホームレスが増え続け、政府の統計ではアメリカ全体の30%が集中しています。
  サンフランシスコの中心部では、歩道にテントが張られてホームレスが暮らしている光景や薬物中毒者とみられる人が地面に突っ伏していたり、声を上げていたりする姿が、人通りの多い通りからあまり離れていない場所でも少なからず見られます。また、非営利のシンクタンク「カリフォルニア公共政策研究所」が今月発表した分析によりますと、サンフランシスコ周辺では人口当たりの商業施設での万引きや強盗の件数が、この数年で大幅に増えています
  カリフォルニア州では、州の法律で盗んだものが950ドル相当、日本円でおよそ13万9000円相当以下の場合は軽犯罪に分類されることになっていて、犯罪を助長しているという批判も出ています。
  サンフランシスコで80年以上続く、家族経営の雑貨店では万引きが恒常的に起きていて、一日に5人が商品をとっていったこともあるということです。このため、店では多数の監視カメラを店内に設置し、不審な客がいないか監視を続けています。また、店の入り口に従業員を配置して、入ってくる人にさりげなく声をかけて、万引きの抑制を試みているということです。取材中も、大きな酒の瓶とふとんを持ったホームレスとみられる男性が、店に入ろうとする様子が見られました。
  店主のテリー・ベネットさんは「小売業は1ドルの商品から1セントの利益しか出ないので、商品を一つ盗まれたら100倍売らなければ取り返せず、心が折れます」としたうえで、小売店の撤退が続いていることについては「私は地域のために商売をしています。万引きを恐れて商売のしかたを変えるということは考えられません」と話していました。
にぎわい回復目指し遊園地設置も
  サンフランシスコ市は、中心部のイメージアップやにぎわいの回復を目指して先月24日から3日間、薬物の売買が頻繁に行われていた広場に移動式の遊園地を設置しました。初日にはブリード市長みずから広場を訪れ、地域の子どもたちとアトラクションを楽しんでアピールしました。
  ブリード市長は、中心部の再生のためにこうした公共スペースの活用に加えて、新しいビジネスに対する優遇策などの支援や、警備体制の強化、建物の用途に柔軟性を持たせ、オフィスビルを住居用のビルに変えるなどの施策を打ち出しています。


2023.06.03-JP 時事通信ニュース-https://sp.m.jiji.com/article/show/2956532
「経済危機を回避」=債務上限法案、3日に署名―米大統領

  【ワシントン時事】バイデン米大統領は2日、ホワイトハウスで演説し、連邦政府の借入限度額である「債務上限」の効力を停止する法案上下両院で可決されたことを受け、「経済危機を回避した」と強調した。5日にも財政資金の枯渇が迫る中、バイデン氏は法成立のため「3日に署名する」と明言。米史上初のデフォルト(債務不履行)は瀬戸際で避けられる見通しだ。 
[時事通信社]


2023.06.02-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230602-EIZALD2AZNL4DEL76AHNRNLTDI/
米債務上限「薄氷の合意」 米ドル信認低下再来も

  【ワシントン=渡辺浩生】米政府の債務上限の効力を一時的に停止する法案が上下両院で可決され、史上初の米国債のデフォルトは土壇場で回避された。ただし米政治の二極化が深まる中、債務問題が再燃して米国の指導力やドルの信認を揺るがす事態が到来する可能性は捨てきれない

  「交渉で得ようとした全てを得る者はいないが、間違いなくこの超党派合意は米国と国民の勝利だ」
  バイデン大統領は1日深夜、「財政責任法案」の上院可決を受けて訴えた。だが、政府資金が枯渇する5日の「Xデー」を前にした決着は、与野党双方に不満分子を抱えたままの「薄氷の合意」だった。
  米国は政府の借入可能額の枠を法律で定める。「大きな政府」志向の民主党政権にとり、「小さな政府」の共和党に議会の主導権を握られれば、上限引き上げで衝突するのは不可避だ。クリントン、オバマの歴代政権も交渉に苦み、そのたびに世界は米国のデフォルト危機に翻弄された。ただ今回は様相が異なる。
  政治の二極化を背景に民主党は財政支出拡大や富裕層向け増税で弱者支援を手厚くしたい左派が伸長。共和党は社会保障費にメスを入れて財政規律を取り戻したい保守派の影響力が増したからだ。バイデン政権はコロナ対策に1・9兆ドルを投じる米救済計画法、1兆ドルのインフラ投資法、再生可能エネルギー投資に過去最大予算を投じるインフレ抑制法を実現。債務の上限到達が迫っていたが、左派に背中を押された。
  しかし、昨秋の中間選で共和党が下院多数派を奪うと、強硬派の要求を受けてマッカーシー下院議長が上限引き上げを「政治的武器」に大胆な歳出削減を政権に迫る構図となった。

  法案について民主党は「共和党案の最悪の部分は外された」(シューマー上院院内総務)とし、共和党は「民主党の無責任な支出体質の抑制」(マコネル院内総務)をアピール。ただし、民主党左派の代表格サンダース、ウォーレン両上院議員は削減に不満を表し反対。多数が反対した共和党ではグラハム上院議員らが、中国が覇権追求を強める中で国防費の伸びが今後抑制される可能性に危機感を唱えた。
  米デフォルト危機はバイデン外交の手足を縛る事態になった。マッカーシー氏との交渉のため5月の外遊日程を直前で短縮。広島の先進7カ国首脳会議で同行の高官は本国との調整に追われ、バイデン氏の存在感も薄かったとの声もある。ロシアのウクライナ侵略でエネルギー価格が上昇する中、基軸通貨ドルの信認が揺らいだことは世界経済の先行きに禍根を残した。
  米世論調査で約6割の国民は政府債務が過大だとみる。来秋の大統領選の重要争点となり、翌2025年1月まで適用が「棚上げ」された債務上限をめぐる攻防が再び激化するのは必至だ。


2023.05.28-東京新聞(KYODO)-https://www.tokyo-np.co.jp/article/252919
米、債務上限上げで基本合意 2年分、デフォルト回避へ

  【ワシントン共同】バイデン米大統領は27日、債務上限引き上げを巡って野党共和党のマッカーシー下院議長と電話会談し、引き上げで基本合意に達した。米メディアによると、2年分の資金を確保できるよう上限を引き上げることで一致。議会での法案審議が残るが、懸念されたデフォルト(債務不履行)は回避できる可能性が高まった。

  バイデン氏は声明を出し、デフォルトを避けられるとして「国民にとって朗報だ」とアピール。上下両院に対し、上限引き上げの関連法案を「すぐに可決することを強く求める」とした。
  関連法案は上下両院で可決し、バイデン氏が署名する必要がある。バイデン、マッカーシー両氏は合意内容を党内に説明し、法案に賛成するよう説得する。
  マッカーシー氏は記者団に対し、関連法案について28日にもバイデン氏と協議し、31日に採決する意向を表明した。「米国民にふさわしい合意だと信じている」と強調。「まだやるべきことはたくさんある」とし、法案作成を急ぐ考えも示した。


2023.05.27-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230527-6O23SLM62BMFTDN5LGOGP2GYEQ/
「Xデー」は来月5日 米デフォルトの予測修正、債務上限引き上げなければ

  【ワシントン=大内清】米政府の借入限度額である債務上限の引き上げ協議が難航しデフォルト(債務不履行)の危険性が高まっている問題で、イエレン財務長官は26日、野党・共和党のマッカーシー下院議長に宛てた書簡で、このまま債務上限が引き上げられなければ「6月5日」デフォルトに陥ると明らかにした。最新の財務状況に基づき、早ければ「6月1日」としてきたこれまでの予測を修正した。

  米メディアによると、デフォルト回避に向けたバイデン政権と共和党の協議は妥結に近づきつつある。ただ、債務上限引き上げとセットで行う歳出削減に関連し、低所得層向け医療保険の要件を厳格化するか否かなどでなおも対立政権側との交渉に参加する共和党のマクヘンリー下院議員は26日、記者団に、交渉妥結は「手の届くところにある」と語り、6月5日までの債務上限引き上げは可能だとの見方を示した。


2023.05.11-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/b51741224fdacad6ac4cf79cc4173ef7a30d6159
米、初のデフォルト現実味 債務上限の協議難航 ドル信認低下も

  【ワシントン=大内清】米政府の債務上限引き上げを巡ってバイデン大統領と野党・共和党の協議が難航し、米ドルの信認が揺らぐことへの懸念が強まっている。政府の運営資金が来月1日にも払底するのを前に協議がまとまらなければ、米国史上初のデフォルト(債務不履行)が現実味を増す。米主導の世界秩序を支えてきた「ドル一極体制」はさらに揺らぐことになる

【グラフ】変動相場制に移行して50年、ドル円相場の推移と主な出来事
  7日、イエレン財務長官は米テレビで、債務上限を引き上げられなければ、経済と金融の両面で「破滅的な結果」になると強い警告を発した。 どのような影響が予想されるのか。
  米メディアによると、政府職員の給与や高齢者向け健康保険、年金、退役軍人の恩給、州への補助金といった各種支払いが停滞するほか、国債の利回り上昇に連動してローン金利が高くなることが予想される。
  金融市場への打撃は避けられず、急速な景気後退や社会不安の引き金となる可能性もある。
  政府が額面1兆ドル(約134兆円)のプラチナ硬貨を発行して当面の資金を調達するといったデフォルト回避案も浮上しているが、実現性は不透明だ。
  さらに懸念されるのは、米国の威信に対する長期的な打撃だ。トランプ前政権で大統領副補佐官を務めたマット・ポッティンジャー氏らは米外交専門誌フォーリン・アフェアーズへの寄稿で、デフォルトの可能性が取り沙汰されること自体が米国の信用低下や各国のドル離れを招き、ドルを基軸通貨とする金融システムの弱体化につながると指摘。「中国やロシアが米国の弱みを突こうと狙っているときに米国の力を損なうことになる」と警鐘を鳴らした。
  米国がデフォルトの危機に直面するのはこれが初めてではない。 バイデン氏が副大統領だったオバマ政権期の2011年にも、与野党対立の激化で債務上限を引き上げる立法措置が難航し、デフォルトまで数日の崖っぷちに追い込まれた
  米格付け大手S&Pは米国債の長期信用格付けを最高水準の「トリプルA」から「ダブルAプラス」に1段階引き下げ。世界の外貨準備に占める米ドルのシェア低下に拍車がかかったと指摘される。 当時、下院の過半数を握る共和党で債務上限の引き上げに抵抗したのは、草の根保守運動「ティー・パーティー(茶会)」系の議員グループだった。現在の共和党で、デフォルトのリスクを盾にして影響力を振るう保守強硬派は、その流れをくむ。
  バイデン氏とマッカーシー下院議長ら与野党幹部は12日に再協議に臨む予定だが、互いに歩み寄る姿勢はみえていない。 米国では、連邦政府が国債の発行などで借り入れられる金額の上限が法律で定められている
  債務が上限に達した場合、新たに国債を発行するには議会での立法措置による上限の引き上げが必要となる。直近では2021年末、債務上限が2兆5千億ドル引き上げられて約31兆4千億ドルとなった。
  今年1月にこの上限に達したことから、現在は財務省の特別措置などによる資金繰りが続いているが、同省は6月1日には資金が枯渇すると予測。新たに債務上限を設定して国債を発行できなければ、発行済み国債の利払いが不可能となり、デフォルト(債務不履行)に陥る可能性が高いとみられている。


2023.05.01-JIJI COM.-https://www.jiji.com/jc/article?k=2023050100320&g=int
米ファースト銀が破綻 3行目、預金大量流出で―JPモルガンが買収

  【ニューヨーク時事】米カリフォルニア州を地盤とする中堅銀行のファースト・リパブリック銀行が1日、経営破綻した。連邦預金保険公社(FDIC)は同行を管理下に置いた。米大手行のJPモルガン・チェースが、ファースト銀の大部分の資産を買収し、全預金を引き継ぐ3月のシリコンバレー銀行(SVB)破綻以降の信用不安を背景とした多額の預金流出が判明し、経営不安が再燃していた。

  米銀の破綻は3月以降、SVB、シグネチャー銀行に続き3行目。資産規模でSVBを上回り、リーマン・ショック後では最大、米史上でも2番目の規模の銀行破綻となった。スイス金融大手クレディ・スイスの経営危機に発展した米国の信用不安が依然、収束していないことが浮き彫りとなった。
  FDICによると、ファースト銀の全84店舗は1日午前から、JPモルガンの支店として営業する。預金保険の上限(25万ドル=約3400万円=)を超える分も含め、ファースト銀の預金全額を買収するため、全預金が保護された。JPモルガンは、ファースト銀の住宅ローンを含む不動産関連融資で損失が発生した場合、FDICがその一部を負担する契約を結んだ。
  今回の破綻処理による預金保険基金の負担額は130億ドル(約1兆7800億円)の見通し。


2023.04.29-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230429-F6T564MINBOYNCLEXNTHODRCGY/
米ファースト銀、3行目の破綻か 「公的管理準備」と報道
(共同)

  巨額の預金流出に伴い株価が急落した米中堅銀行のファースト・リパブリック銀行が近く公的管理下に置かれると、ロイター通信が28日報じた。実際にそうなれば、3月のシリコンバレー銀行(SVB)などに続く3行目の米銀破綻で、2008年の金融危機「リーマン・ショック」後で最大の破綻規模となる。

  ファースト銀の同日の株価は前日終値比43%下落し、3・51ドルだった。SVB破綻前と比べ9割超の下落となる。米紙ウォールストリート・ジャーナルは28日、公的管理下に入った後にJPモルガン・チェースなど複数の大手銀行が買収することを検討中だと報じた。
  ファースト銀は、SVBやシグネチャー銀の破綻の余波で信用不安が拡大。預金引き出しが続き、3月末の預金残高は昨年末比4割減っていた。ファースト銀はカリフォルニア州サンフランシスコを拠点とし、資産規模は昨年末時点で2126億ドル(29兆円)と全米14位。(共同)


2023.03.17-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230317-AWS4HTIPCZKBJFANQVFCOAEL2U/
経営難の米銀に資金支援 金融大手11社が4兆円

  【ワシントン=坂本一之】米国の財務省や中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)などは16日、経営難に陥っている米サンフランシスコが拠点の中堅銀行「ファースト・リパブリック銀行」を支援するため、米金融大手11社が計300億ドル(約4兆円)を預け入れる支援策が実施されると発表した。

  財務省などは声明で「大手銀行の支援表明を大いに歓迎している」と強調。支援策は「銀行システムの耐久性を示している」とアピールした。金融システムへの不安が世界的に広がっていることから、金融大手が連携して信用を補完する資金支援を示すことで市場の安定化を図る
  ファースト・リパブリック銀行を支援するのは、バンク・オブ・アメリカやシティグループ、JPモルガン・チェースなどの11社。米シリコンバレー銀行(SVB)の経営破綻などで信用不安が広がり、ファースト・リパブリック銀行でも株価急落や預金流出の動きが出ていた。
  また、ジャンピエール米大統領報道官は16日の記者会見で、シリコンバレー銀行や米シグネチャー銀行などの経営破綻が相次いだことを受け、近く金融システムの安定化に向けた銀行の規制強化案が公表されるとの見通しを示した。


2023.03.13-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20230313-VPVIVXJT7ZOR5B6NJ37DX4VPCE/
米NY州の銀行も破綻 SVBに続く史上3位規模

  米ニューヨーク州の金融当局は12日、同州に拠点を置く米シグネチャー銀行を同日付で閉鎖したと発表した。シリコンバレー銀行(SVB)に続く経営破綻FRBによると、資産規模は2022年末時点で全米29位に当たる約1103億6400万ドル(約14兆8千億円)。ロイター通信によると米銀破綻としてSVBに次ぐ史上3番目の規模という。

  シグネチャー銀は米連邦預金保険公社(FDIC)の管理下に入る。米財務省、米連邦準備制度理事会(FRB)、FDICの共同声明に基づいて預金は全額保護される。
  シグネチャー銀は暗号資産(仮想通貨)関連の取引が多いことで知られる。SVBの破綻によって信用不安から預金流出が加速したとみられる。
(共同)


2023.03.11-KYODO-https://nordot.app/1007039271015923712
シリコンバレー銀行が破綻 28兆円、米史上2番目の規模-© 一般社団法人共同通信社

  【ニューヨーク、ワシントン共同】米連邦預金保険公社(FDIC)は10日、カリフォルニア州に拠点を置く金融持ち株会社SVBファイナンシャル・グループ傘下のシリコンバレー銀行が経営破綻したと発表した。事業を停止し、預金を管理下に置く。昨年末時点の総資産は約2090億ドル(約28兆2千億円)で、米銀行の破綻では2008年の金融危機リーマン・ショック時以来、最大。金融危機以前を含めても2番目の規模となる。

  米連邦準備制度理事会(FRB)によると、シリコンバレー銀の総資産は全米で16位。主に新興IT関連企業への融資を手がけてきた。FRBの急激な利上げに伴う債券価格の下落で、保有していた米国債などに含み損が出ていたほか、利上げで取引先のIT関連企業の資金繰りが悪化したのを背景に預金の流出が相次いだことも響いた。
  破綻を巡りFDICやFRBと10日に協議したイエレン米財務長官は「銀行システムは引き続き耐久性があり、規制当局はこのような場合に有効な対応手段を持っている」と強調した。
© 一般社団法人共同通信社


2022.04.01-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220401/k10013562211000.html
アメリカ 石油備蓄放出 再実施を発表 一日100万バレルを半年間

  アメリカのバイデン政権は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻をきっかけに記録的な高値になっているガソリン価格を抑えるため、過去最大の規模で追加の石油備蓄の放出を実施すると発表しました。日本などとも協調して進めたい考えで、4月1日に開かれるIEA=国際エネルギー機関の会合で、各国と協議することにしています。

  アメリカのバイデン政権は3月31日、記録的な高値になっているガソリン価格を抑える対策を発表し、その柱として石油備蓄の放出を再び実施することを明らかにしました。具体的には、一日当たり100万バレルの放出を、5月以降、半年間続けるとしていて、規模は過去最大となります。
  ロシアによる軍事侵攻のあとの3月1日、アメリカは日本やヨーロッパ各国などのエネルギー消費国でつくるIEA=国際エネルギー機関の加盟国とともに石油備蓄を放出することを決めたばかりですが、今回の追加措置も協調して進めたい考えで、4月1日に開かれるIEAの会合で各国と協議することにしています。
  ただ、国際的な指標となるニューヨーク原油市場のWTIの先物価格は、3月、一時、13年8か月ぶりの水準まで値上がりし、その後も高値が続いています。
  さらにサウジアラビアなど主な産油国は同じ31日、5月の追加の増産を見送ることを決めていて、アメリカが主導する今回の措置が価格の抑制にどれくらいの効果があるかは不透明です。
バイデン大統領「同盟国や友好国と調整」
  バイデン大統領は3月31日、記者会見で、追加の石油備蓄の放出について「全米のガソリンの小売価格は、プーチンの戦争のせいで、3か月たらずで1ガロン当たり1ドル近く上昇した。今回の措置は史上最大の国家備蓄の放出となる」と述べ、国民生活の負担となっているガソリン価格の抑制に力を入れる姿勢を強調しました。
  そのうえで「今回の追加の放出は同盟国や友好国と調整していて、すでにいくつかの国が約束してくれた」と述べ、前回と同様に各国と協調して進めていく方針を示しました。
  バイデン大統領はロシアに対して原油の輸入禁止など厳しい経済制裁を相次いで打ち出していますが、国内への跳ね返りの影響でインフレが加速し、支持率も依然低迷していて、今回の行動の背景には、こうした事態の打開につなげたい考えもあるとみられます。
岸田首相 価格の推移注視し対策講じる方針
  原油価格の高騰をめぐり、岸田総理大臣は、自民党の麻生副総裁や茂木幹事長らと会談し、アメリカが過去最大規模の石油備蓄の放出を発表したことも踏まえ、今後の価格の推移を注視しながら対策を講じていく方針を確認しました。
  岸田総理大臣は、1日午後、東京都内で、自民党の麻生副総裁や茂木幹事長と食事をとりながら、およそ1時間会談し、松野官房長官も同席しました。
  会談では、アメリカのバイデン政権が、ガソリン価格を抑えるため、過去最大の規模で追加の石油備蓄の放出を実施すると発表したことを踏まえ今後の価格の推移を注視しながら対策を講じていく方針を確認しました。
松野官房長官「国際的な動向見極め 適切に対応」
  松野官房長官は閣議のあとの記者会見で「アメリカと歩調を合わせて対応するのか」と問われ「アメリカやIEA=国際エネルギー機関とは日頃から緊密に連携しており、国際的な動向を見極めつつ、適切に対応していきたい」と述べました。


2022.02.22-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220222-KBKRLEFDFFPN7ELLGCNZ6Y7JXY/
米、対中依存脱却へ投資 レアアース国内生産に

  【ワシントン=塩原永久】バイデン米大統領は22日、レアアース(希土類)など重要鉱物の国内生産を後押しするための投資計画を発表した。中国に調達を依存する戦略物資のサプライチェーン(供給網)を見直し、経済安全保障面のリスクを下げる狙いだ。供給網を強靱(きょうじん)化する大統領令から約1年たち、対策の進展をアピールしている。

  北米唯一のレアアース鉱山を米西部カリフォルニア州で運営するMPマテリアルズに対し、国防総省の支援プログラムから3500万ドル(約40億円)を投資。同州のマウンテンパス鉱山で採掘から分離・精製まで自前でできるようにする
  MPマテリアルズは、さらに7億ドルを2024年までに投資する計画を表明。米国内でモーターの磁石などに用いられるレアアースを、自社生産できる態勢の整備を急ぐ。350人以上の雇用を創出するという。
  米国はレアアース調達の8割近くを中国に頼っており、対立国の制裁に揺さぶられる懸念がある。そのためバイデン大統領が21年2月、重要鉱物や半導体などの戦略物資をめぐる供給網の強靱化を、政府一体となって進める大統領令に署名していた。
  またエネルギー省は、鉱物廃棄物からレアアースなどを回収する実証プロジェクトに乗り出す。さらに同省は、蓄電池のリサイクルや、リチウムやコバルトといった鉱物資源の精製技術を高め、国内供給力の向上につなげる計画だ。
  バイデン政権はレアアースや半導体などの供給網強化に向け、日本とオーストラリア、インドを加えた4カ国の枠組み「クアッド」や、先進7カ国(G7)などを通じた対策にも注力する方針だ。

  ただ、一部の重要物資は中国以外で採掘が難しく、対中依存の脱却を目指す施策には限界があるとみられている。また、最終的に製品を作るまでの全工程を米国や同盟国だけで確保するには、多額の投資を必要とするため容易ではなく、課題も多い。


2022.02.08-朝日新聞デジタル-https://www.asahi.com/articles/ASQ287KCRQ28UHBI00W.html
21年の米貿易赤字、8591億ドルで過去最大 景気が回復し輸入増
ワシントン=青山直篤

   米商務省が8日発表した2021年の貿易統計によると、モノとサービスの取引を合わせた貿易赤字は国際収支ベースで前年比約27%増の8591億ドル(約100兆円)となり、過去最大となった。モノの貿易赤字も1・1兆ドルと過去最大だ。コロナ危機後の景気回復で輸入が増えた。

   米国では飲食や旅行などのサービス消費が妨げられたことにより、モノに対する輸入需要が強まっている。中国とのモノの貿易赤字(通関ベース)は、前年より450億ドル増え、3553億ドルに上った。バイデン政権もトランプ前政権がかけた中国への制裁関税を引き継いだが、米国が貿易赤字を抱える構造は変わっていない。米中両政府が20年1月に署名した「第1段階の合意」では、中国が20~21年の2年間で計2千億ドル輸入を増やす目標が設定された。コロナ禍もあって中国は実現できておらず、改めて争点になりそうだ。
   米国の日本とのモノの貿易赤字は602億ドル。国別では中国やメキシコ、ベトナム、ドイツに次ぐ大きさだった。(ワシントン=青山直篤


2021.12.16-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20211216-VW3HJPQ3MFPUHMZCPHER5KAKPY/
米が1800万バレル放出 石油備蓄、価格抑制へ

  【ワシントン=塩原永久】バイデン米政権は計5千万バレルの石油備蓄の市場放出計画のうち、17日に1800万バレルを実施する。残る3200万バレルも数カ月以内に放出する方向で、米国の消費者を直撃するガソリン価格の抑制を目指す

  自動車社会の米国ではガソリン価格上昇が物価高につながっている。支持率低下を招くと警戒するバイデン政権は、主要消費国に呼びかけ、11月下旬に日本や中国などと協調した備蓄放出計画を発表していた。
  一方、国際エネルギー機関(IEA)は14日、新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」の影響が出るため、2022年にかけた原油需要の見通しを下方修正した。足元の原油先物相場も一時の過熱感からは落ち着きをみせている。
  米エネルギー省が発表した17日の放出分1800万バレルは、議会がすでに承認したもので、同日から市場で売却して供給を増やす。残り3200万バレルは石油企業に貸し出される分となり、将来的には備蓄への返還を求めるとしている。
  同省は10日、備蓄放出に17日から着手すると発表。貸し出しについても、米石油大手エクソンモービルへの480万バレル分の実施を明らかにしていた。

  同省のグランホルム長官は10日の声明で「世界がパンデミック(感染症危機)からの回復期にある中、石油備蓄の放出は供給混乱に対処するための重要な手段だ」と指摘。同省は石油企業からの貸し出し要請を歓迎する姿勢を示している。


2021.08.11-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20210811-SFAUKWQR5NLKJMPALAOQV34PEA/
米上院、インフラ投資可決 110兆円、下院難航も

  米議会上院は10日累計1兆ドル(約110兆円)規模の超党派のインフラ投資法案を賛成多数で可決した。バイデン大統領による成長戦略の目玉の一つで、政権は経済成長を加速させたい考え。ただ、続く下院での審議が難航する可能性もあり、成立は見通せていない

  与党民主党に加え、野党共和党の一部が賛同し、賛成69、反対30だった。バイデン大統領は可決について、ツイッターで「大ニュースだ」と歓迎。「(署名するため)議会ができるだけ早く、法律を私に送ってくれることを望む」とし、下院での早期審議を求めた。
  米政権は3月にインフラ投資を柱とする「雇用計画」を発表。与野党で一致できる部分を切り出して合意を目指してきたが、6月に上院の超党派議員と大枠で合意していた後も異論が相次ぎ、修正が続いた。
  与野党の合意によると、法案は5500億ドルに上る新規投資が柱。老朽化した橋や道路の再建に1100億ドルを充てるほか、電気自動車(EV)用の充電器の整備には75億ドルを投じる。(共同)


2021.06.17-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210617/k10013088901000.html
米FRB ゼロ金利政策の解除 2023年中に前倒しの見通し

  アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会は金融政策を決める会合を開き、景気の回復と物価の上昇を受けてこれまで2024年以降としてきたゼロ金利政策の解除の時期を2023年中に前倒しする見通しが示されました。
  FRBは16日までの2日間、金融政策を決める会合を開き、ゼロ金利と量的緩和からなる今の大規模な金融緩和策を維持することを決めました。
  一方、注目された会合の参加者18人による今後の政策金利の見通しでは、再来年・2023年中にゼロ金利が解除されると予測した人が13人と3か月前の時点の7人から大幅に増え、2024年以降としていた利上げの時期の見通しが前倒しされました。

  アメリカでは新型コロナウイルスのワクチンの普及や政府の経済対策を背景に景気の回復が進み幅広いモノやサービスの価格が上昇していて、今回の参加者の予測はこうした経済状況を反映した形です。

  参加者による物価や経済成長率の予測はいずれも3か月前から上向きに修正され、ことしの第4四半期時点の物価の上昇率は3.4%とFRBが目安としている2%を大きく上回っているほか、経済成長率は7.0%と見込まれています

  記者会見したパウエル議長は「一部の物価上昇の要因は一時的なものである可能性が高い」と述べ、当面は粘り強く金融緩和を続ける姿勢を強調しました。
  今回の会合ではゼロ金利と並ぶ金融緩和の柱である量的緩和をめぐって、規模の縮小を始める時期についてどのような議論があるかも注目されていました。
  これについてパウエル議長は会合の中で議論を始めたことを認めたうえで「縮小の時期を語るのはもっと多くの経済指標を確認してからになる」などと述べました。


2021.06.10-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/210610/mcb2106100540002-n1.htm
米富裕層上位25人「ほぼ納税せず」 調査報道、当局の記録入手

  非営利の米報道機関プロパブリカは8日、米内国歳入庁(IRS)の機密情報に当たる富裕層の納税記録を入手したと発表した。アマゾン・コム創業者のジェフ・ベゾス氏ら上位25人を分析した結果、資産が2014~18年に計4010億ドル(約43兆円)増えたのに対し、連邦所得税は136億ドルにとどまった。「莫大な富と比べほぼ納税していない」と指摘した。

  ホワイトハウスのサキ報道官は8日、「アクセス権限を持つ人物が政府機密情報を許可なく開示する行為は違法」と述べる一方、「企業や高所得者の納税を確実にするためにまだやるべきことがある」と強調した。バイデン米政権は格差是正を政策の柱に掲げている。
  調査対象はほかに電気自動車(EV)大手テスラ創業者のイーロン・マスク氏や著名投資家ウォーレン・バフェット氏、報道機関のブルームバーグ創業者のマイケル・ブルームバーグ氏ら。
  富裕層が持つ会社株式や不動産などの資産は売却して利益が確定しない限り、課税所得とみなされない。プロパブリカは相場上昇などによる資産増加を推計し、連邦所得税の支払額と比較。富の増加に対する「真の税率」を割り出した。
  25人の14~18年の真の税率は3.4%と指摘した。ベゾス氏は資産増加が990億ドルなのに対し、所得税の支払額は9億7300万ドルで0.98%。マスク氏は3.27%、バフェット氏は0.10%、ブルームバーグ氏は1.30%とした
(ニューヨーク 共同)


2021.05.20-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/
米油送管、身代金認める 4億8000万円支払いと報道

  サイバー攻撃を受け石油パイプラインが一時稼働停止に追い込まれた米コロニアルパイプラインのブラント最高経営責任者(CEO)は、ハッカー側からの身代金要求に応じ440万ドル(約4億8000万円)を支払ったことを認めた。ウォールストリート・ジャーナル紙電子版が19日報じた。

  コロニアルが身代金支払いを明らかにするのは初めて。(共同)


2021.05.20-Yahoo!Japanニュース(JIJI.COM-時事通信社)-https://news.yahoo.co.jp/articles/3db24989b940021a4a185002925845f91378054d
ロシア送ガス管、制裁猶予 ドイツ反発、「国益考慮」 米国務長官

  【ワシントン時事】ブリンケン米国務長官は19日、ロシアから欧州へ天然ガスを供給するパイプラインノルドストリーム2」に絡み、運営するロシア国営企業ガスプロム子会社とその経営者への制裁を猶予すると明らかにした。

  米国はかねて同パイプライン建設に反対していたが、ドイツなどが制裁に反発する中、「米国の国益を考慮」して猶予を決めた。  ブリンケン氏は声明で、猶予について「欧州のエネルギー安全保障に関与するとともに、欧州の同盟国・パートナー国との関係再構築を目指す(バイデン)大統領の方針」を反映したものだと説明。一方、「パイプライン建設に反対する米国の姿勢は揺るがない」とも強調した。 


2021.01.20-LiveDoorNews-https://news.livedoor.com/
日米、脱炭素で連携へ=TPP早期復帰見通せず―米新政権

  米国のバイデン新大統領は地球温暖化対策を政権運営の重点課題に掲げており、日本側は「脱炭素」を経済政策での日米連携の柱と位置付ける考えだ。
   一方、バイデン氏は国内雇用や議会対策を当面優先するとみられ、トランプ政権が離脱した環太平洋連携協定(TPP)への早期復帰は見通せない。為替政策をめぐる新政権の動向も焦点だ。

  バイデン氏は就任100日以内に二酸化炭素(CO2)の主要排出国による首脳会議(サミット)を開き、各国に温暖化対策に取り組むよう呼び掛ける構え。日本は、CO2の排出量が多い石炭火力発電への依存や輸出などについて説明を求められる可能性がある。

  両国は既にCO2を燃料などに再利用する技術を共同研究している。日米首脳会談では協力分野の拡大も議題となりそうだ。
  一方、バイデン氏は新型コロナウイルス感染拡大で傷んだ自国経済の立て直しを重視し、労働組合などの反発が強い貿易自由化に慎重な姿勢を取る公算が大きい。みずほ総合研究所の菅原淳一主席研究員は「TPP復帰も日米貿易協定の再交渉も、しばらくは動かないだろう」と指摘する。

  為替政策をめぐり、米国第一主義を掲げたトランプ政権はドル高をけん制する発言を繰り返した。これに対し、バイデン氏が財務長官に指名したイエレン前連邦準備制度理事会(FRB)議長は「(為替)相場は市場で決まるべきだ」と、輸出での優位を狙った人為的な相場誘導に反対の立場だ。
  とはいえ、米国の製造業再生を選挙公約に掲げた新政権にとって、「過度な円安・ドル高は懸念材料」(経済官庁幹部)と指摘されている。



2020.12.04-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/201204/mcb2012041245020-n1.htm
ナイキ等がウイグル人強制労働防止法案に「反対」 ロビー活動に米与野党落胆

  【ワシントン=塩原永久】ナイキやコカ・コーラなどの米大手企業が、中国の新疆ウイグル自治区での強制労働を封じるため米議会が審議中の法案に、反対するロビー活動を展開していると報じられ、波紋が広がっている。人権問題に熱心な名門企業が、中国での抑圧阻止に後ろ向きだとして、与野党から落胆の声が上がっている。

  米紙ニューヨーク・タイムズは先月29日、9月に下院を通過した「ウイグル強制労働防止法案」について、ナイキやコカ・コーラ、アップルが議員に働きかけ、法律発効時の効果が弱まるように条文を修正しようとしていると伝えた。
  法案は新疆ウイグル自治区で、少数民族ウイグル族を強制的に働かせているとみられる中国企業の工場からの製品輸入を、米企業に禁じる内容。下院ではほぼ全会一致で可決し、今後、上院通過と大統領の署名を経て法案は成立する。
  同自治区の強制労働の実態を調べた米議会機関の3月の報告書は、問題がある工場と取引した疑いがある企業リストを掲載。ナイキやコカ・コーラ、パタゴニアなど服飾大手や飲料・食品大手が入った。
  ナイキは同紙に対し、法案に反対する趣旨のロビー活動を否定し、議会側との「建設的な議論」をしていると回答するなど企業側の歯切れは悪い。法案の一部条項は、強制労働に関与した企業に厳しい責任を負わせる内容だが、企業側には、調達網から完全に問題取引を排除するのは難しさもある

  ただ、パワー元国連大使は報道について、ツイッターで「良くない」と批判。共和党のルビオ上院議員もツイッターに投稿し、黒人差別問題を訴えるナイキの広告を引用しながら、「同じ企業が(強制労働阻止の法案に)反対のロビー活動をしている」と嘆いた。







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