アメリカと中国の問題-1



2022.01.09-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220109-AEZD32UXPZJ75I3Y5477UNSUBU/
中国「アフリカの角」で影響力拡大図る 特使任命へ

  【北京=三塚聖平】中国が「アフリカの角」と呼ばれるアフリカ東部地域との関係強化を図ろうとしている。王毅国務委員兼外相は今年最初の外遊先に同地域を選び、担当特使を任命して紛争など地域が抱える問題の解決を支援する方針を表明した。アフリカ重視を打ち出すバイデン米政権をにらんで影響力を拡大させる考えとみられ、アフリカでも米中の角逐が激化するのは必至な情勢だ。

  王氏は、4~7日にアフリカのエリトリア、ケニア、コモロを訪問した。中国外相は年初にアフリカを外遊するのが恒例で、今年で32年連続になる。
  ただ、例年と違ったのは、6日のケニアのオマモ外相との共同記者会見で、アフリカの角の担当特使を任命する方針を表明したことだ。特使の具体的な役割は明らかでないが、中国外務省の発表によると、王氏は同地域に「必要な支援を提供する」と強調した。
  アフリカの角は、地中海とインド洋を結ぶ海上交通の要衝に位置し、王氏が訪問したケニアとエリトリアのほかソマリア、エチオピア、ジブチが含まれる。
  エチオピアは紛争、ソマリアはイスラム過激派のテロという懸案を抱える。王氏は「地域の国が安全、発展、統治という三重の難題に対処するのを支援する」と関与姿勢を強調した。
 中国の念頭にあるのは米国の存在だ。バイデン大統領は昨年10月、訪米したケニアのケニヤッタ大統領と直接会談し、新型コロナウイルスのワクチン1700万回分の追加支援を発表。両国が治安対策で協力を強化する考えも強調した。
  王氏は、ケニア訪問中、「アフリカの角の国や人民は、大国による争奪から脱却し、団結、自強の道を歩むべきだ」と述べ、米欧を牽制(けんせい)する姿勢も示した。

  中国人民解放軍は2017年に初の海外拠点となる基地をジブチに創設するなど、安全保障面でも同地域の注目度は増している。従来は経済・貿易が中心だった中国とアフリカとの協力関係が、担当特使の設置でで外交・安全保障分野にも力点が置かれるようになるかが注視されそうだ。



2021.12.18-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/f9ee5db05145d3cff9bcfd2978f848390f0b9bc3
中国にらみ相互運用性向上へ オーカス本格始動

  【ワシントン=大内清米ホワイトハウスは17日、インド太平洋における米英豪の新たな軍事協力の枠組み「AUKUS(オーカス)の司令塔となる統合運営グループが同日までに国防総省で発足会合を行ったと発表した。

  中国の覇権主義的な行動の抑止に向け、サイバー戦能力や人工知能(AI)、量子コンピューターなどの先端技術をめぐる協力に加え、オーストラリアへの早期の原子力潜水艦配備に向けた協力強化などを確認した。
   発表によると、3カ国は9日に先進的な能力に関する会合、14日に原潜に関する会合をそれぞれ開催。中国をにらんだ相互運用性の向上や、インド太平洋地域などでの安全と安定の強化に取り組むほか、来年初めまでに作業計画をまとめることで一致した。
  3カ国はまた、核拡散や原子力の平和利用をめぐる懸念が出ていることを踏まえ、国際原子力機関(IAEA)との継続的な協議を含め、核不拡散での長年の主導的役割を維持するための取り組みについても話し合った。
  3カ国はその上で核拡散防止条約(NPT)体制への揺るぎない支持を表明し、核不拡散義務の順守と可能な限り強力な不拡散の基準を履行することを確認した。


2021.12.13-JETRO日本貿易振興機構-https://www.jetro.go.jp/biznews/2021/12/1b248487dff1307b.html
米財務省、新疆ウイグル自治区での人権侵害関与を理由に中国AI企業など制裁、世界人権デーに発表
(藪恭兵)

  米国財務省外国資産管理局(OFAC)は12月10日、中国の新疆ウイグル自治区での人権侵害に関与したとして、中国の人工知能(AI)大手の商湯科技(センスタイム)に対する投資規制を発表した。国連が制定する世界人権デーに合わせて、ほかにも中国やバングラデシュ、北朝鮮、ミャンマーに関係する個人や主体を制裁対象に指定している。

  センスタイムは、中国の複数都市のほか、国外ではシンガポールや日本、アラブ首長国連邦(UAE)などにも拠点を構える。OFACによると、同社は中国・深センにある子会社を100%所有し、サングラスやマスクを着用しても個人が属する民族を特定可能な顔認証技術を開発しているという。
  センスタイムは、OFACの「非・特別指定国民 中国軍事・産業複合企業リスト(NS-CMIC List)」に追加され、米国人(注)による証券投資が禁止される。同リストは2020年11月に当時のトランプ大統領が導入し、バイデン政権も対象範囲を広げている(2021年6月7日記事参照)。センスタイムは12月17日に香港取引所への上場を計画していたが、同計画を遅らせる意向で、目論見書の修正が必要と指摘されている(ブルームバーグ12月9日)。同社については2019年、米商務省が輸出管理規則(EAR)のエンティティー・リストに指定していた(2019年10月9日記事参照)。
  OFACはまた、新疆ウイグル自治区の共産党書記(代行)を務めた経験のある個人2人について、在任中に100万人以上のウイグル族やその他の少数民族の拘束があったとして、在米資産の凍結や米国への入国禁止を発表した。
  中国以外でも、バングラデシュ政府が薬物撲滅運動の中で数百人が失踪または法的手続きを経ずに殺害されたとの報告を踏まえ、同運動を組織する団体や関与する個人6人に制裁を科している。このほか、北朝鮮で「政治的な悪事」を働く個人を罰する現地司法当局や、ミャンマー国軍の権力掌握に関与したとされる地域首相4人、同国で武器の製造・調達などを所管する3主体への制裁を発表した。
  (注)米国市民、永住者、米国の法律または米国内の管轄権に基づいて組織された事業体(外国支社も含む)または米国内にいる個人が含まれる。
(藪恭兵)


2021.12.09-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20211209-OUKWV774I5NCDJDCDPLCXFIOBE/
米下院がウイグル禁輸法案可決 全物品対象、強制労働を防止

  【ワシントン=塩原永久】米議会下院は8日、強制労働が疑われるとして、中国新疆ウイグル自治区からの物品輸入を原則禁止とする「ウイグル強制労働防止法案」を、超党派の賛成多数で可決した。輸入企業が「強制労働によるものではない」との証明を義務づけられる厳しい内容となっている。日本企業を含め、同自治区に調達網を持つ多国籍企業が対応を求められる可能性がある。

  バイデン米政権が中国による人権抑圧などを理由に、来年2~3月の北京冬季五輪・パラリンピックに政府代表を派遣しない「外交的ボイコット」を発表したばかり。米政府と議会の双方が、改めて中国への厳しい姿勢に傾いている。
  法案は、同自治区で100万人以上の少数民族ウイグル族らが強制収容されていると批判強制労働を助長している海外の団体や個人に対し、制裁を科すよう米大統領に要求している。
  同自治区をめぐっては、すでにトランプ前政権が、綿花など一部の産品を輸入禁止にした。バイデン政権も、太陽光パネル部材の中国メーカーに制裁措置を発動し、圧力を強めている。禁輸措置を受け、今年1月、日本の衣料品店「ユニクロ」による米国へのシャツ輸入が差し止められた
  法案は、同自治区の輸出品すべてが「強制労働のもとで生産された」と仮定して、全面的な輸入禁止の対象とした。法案成立には、上院も可決した上で、バイデン米大統領の署名が必要だ。同自治区からの物品輸入を規制する法案は昨年にも下院で可決されたが、上院との調整が難航した経緯がある。

  下院は7日、中国政府によるウイグル族への行為が「ジェノサイド(民族大量虐殺)」だとする決議も賛成多数で採択した。


2021.12.06-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20211206-FCRBDOPXAFNU5PHLMZ4O4YPCBY/
90年前の「中国国恥地図」、米軍が利用 「失地回復」掲げる膨張主義を警戒
-河崎真澄-

  台湾海峡や東・南シナ海をめぐって米中間で軍事的緊張が高まる中、中国で1930年前後に発行された「国恥(こくち)地図」を、米軍が教育用の資料として用いていることが分かった。当時の中国が、台湾のみならず沖縄や東南アジアまで「諸外国に奪われた自国領」と主張し、その歴史を「国の恥」と断じた地図だ。版図は「伝統的な勢力範囲」として、現在も中国で幅広く意識されている。

  「国恥地図」の利用が分かったのは、グッドフェロー空軍基地(テキサス州)に所属する偵察・情報担当士官の教育訓練機関。詳細は不明だが今年7月、教官が同地図を基に「議論」している写真がサイト上で公開された。教官は、台湾や中国大陸の沿岸部に線を引いて何かを説明している

  東京国際大の村井友秀特命教授(国際紛争論)はこの写真について、米空軍が「中国人民解放軍が〝失地回復〟を旗印に動きを加速させる懸念について検証した」とみる。背景には、中国で軍や人民に、過去の〝領土〟を取り戻すことこそが中国を正常な状態に戻す、との一方的な高揚感が広がれば「犠牲やコストをいとわず、軍事行動への本気度を高める」との警戒感があるという。

  米在住で「中国『国恥地図』の謎を解く」(新潮新書)の著書があるノンフィクション作家の譚璐美(たん・ろみ)氏によると、国恥地図は少なくとも10種類あるという。譚氏が所蔵している33年版「中華国恥図」は「実際の中国の2倍はあろうかという荒唐無稽な代物」(譚氏)で、当時、小学校の教科書に収録されていた
  北はロシアのサハリンやシベリアから、モンゴル各地、西はカザフスタンやアフガニスタン、南はマレーシアやシンガポール、そして南シナ海、台湾から沖縄全域までを赤い線で囲って「旧国境」とした。
  村井氏によると、習近平指導部には「国恥地図」を政治的に利用し、台湾や南・東シナ海での拡張主義的行動も「失地回復に過ぎない」と正当化を図る狙いも見え隠れするという。

  安倍晋三元首相は今月1日、台湾の研究機関が主催したオンライン会議で「台湾への武力侵攻は地理的、空間的に必ず、日本の国土に重大な危険を引き起こす」と述べ、「日米同盟の有事でもある」と指摘した。村井氏は「日本も改めて『国恥地図』の戦略研究を急ぐべきだ」と話している。
河崎真澄


2021.12.02-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/a0928519fe77fd5a95cee0f706ba033d7a1cf640
米中が対北軸に韓国の取り込み図る 米韓は対北作戦更新へ

  【ソウル=桜井紀雄】米韓の国防相らが2日、ソウルで米韓定例安保協議(SCM)を開いた。この日は中国の天津で中韓の高官会談も行われた。米中対立が深まる中、韓国の文在寅ムン・ジェイン)政権が最優先課題とする北朝鮮問題での協力を軸に、米中それぞれが韓国を自国サイドに取り込もうとする思惑がうかがわれる。
   オースティン米国防長官や韓国の徐旭(ソ・ウク)国防相らが参加したSCMでは、北朝鮮の核・ミサイルの脅威の高まりに対応するため、作戦計画の更新に向けた新たな指針が承認された。
  バイデン政権にとっては、中国との対立を前提にした日米韓の安保協力の強化策の一環であり、中朝双方が反発する可能性がある。 指針の承認は11年ぶり。対北有事を想定した米韓の軍事計画には「作戦計画5027」や「同5015」があるが、北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)開発などに対応し切れていないとの懸念が持たれていた。 SCM後に発表された共同声明には「台湾海峡での平和と安定維持の重要性」も明記され、対中牽制(けんせい)をにじませた。

  一方、中国外交担当トップの楊潔篪(よう・けつち)共産党政治局員と韓国大統領府の徐薫(ソ・フン)国家安保室長は天津で会談した。徐氏は会談に先立ち、「来年が韓中国交正常化30年であり、両国関係について全般的に議論する」と記者団に語った。 中国側にとっては、来年2月の北京冬季五輪に対する文政権の支持取り付けが急務だ。
  バイデン米政権や英国などは中国の新疆(しんきょう)ウイグル自治区の人権問題などを理由に北京五輪に政府高官らを派遣しない「外交的ボイコット」を検討している。 会談では楊氏が文大統領の五輪開会式出席を招請した可能性がある。文政権は経済的関係から中国の人権問題への言及を避けてきており、中国が文政権から支持の言質を取れば、米国主導の対中包囲網の切り崩しにもつながる。
  さらに文大統領は来年5月までの任期内に南北関係で外交的成果を残そうと、休戦状態にある朝鮮戦争(1950~53年)の終戦宣言実現に全力を傾けている。米政府とも協議を重ねてきたが、戦争の当事国の一つである中国の支持も取り付けたい考えで、中国高官も「建設的な役割を果たしたい」と言及していた。
   だが、宣言が在韓米軍の撤収論を呼び、北東アジアの安全保障態勢を緩めかねないと日米や韓国内で反対意見が根強い。肝心の北朝鮮が米国の対北敵視政策の撤回が先決だとして宣言に難色を示している。
  北朝鮮は東京五輪への不参加を理由に北京五輪への参加資格を停止されており、北京五輪を対北対話の舞台にするという文政権の構想は実現する可能性が薄い。


2021.11.18-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20211118-WRTDR7FKDFMS5FAWDSQK3HLALU/
中国、台湾侵攻能力を確保 「最小限核抑止」から離脱 米報告書

  【ワシントン=渡辺浩生】米議会の超党派諮問機関「米中経済安全保障調査委員会」は17日、中国の軍事経済情勢をめぐる年次報告書を発表した。中国軍が台湾侵攻の初期能力を確保した可能性を示し、米通常戦力による抑止が困難と警告。また、中国が「限定的な核兵器先制使用」という新戦略を進めていく可能性にも言及した。

  報告書は台湾情勢をめぐり、「中台間の紛争抑止が危うい不確実性の時期にある」と初めて指摘。2020年を人民解放軍が台湾侵攻の能力を確保する重要な節目と指導層が位置づけてきたとし、同軍は台湾に対する空中・海上の封鎖、サイバー攻撃、ミサイル攻撃に必要な能力をすでに獲得したと分析した。特に侵攻の初期段階で2万5千人以上の部隊を上陸させる能力、民間船を軍事作戦に動員する能力があるとの見方を示し、軍事侵攻は中国指導層に依然として高リスクの選択肢としつつ「米国の通常戦力だけで台湾への攻撃を思いとどまらせることが不確かになってきた」とした。

  米国に軍事介入の能力や政治的な意思がないと中国指導層が確信すれば、米国の「抑止策は破綻する」と警告。台湾も過去数十年の軍事への過小投資のつけで重大な課題に直面しているとし、封鎖に耐えられる重要物資の備蓄が不足していると分析した。台湾関係法上の義務を果たすため軍事的抑止力の信頼性を強化する緊急措置も提言した。 
  報告書は一方、中国の核戦力に関する項を新設。「1960年代に最初に核兵器を保有して以来、核戦力の拡大・近代化・多様化のため最大級の取り組みを実行している」と強調した。
  大陸間弾道ミサイル(ICBM)、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)、戦略爆撃機の「3本柱」の進展、機動的かつ精密な核兵器システムの配備、著しい核弾頭備蓄の拡大に言及し、2030年までに中国が配備する地上発射型の戦略ミサイルの数が量的に米国と「対等」になる可能性があると警鐘を鳴らした。
  中国は従来、敵国の核攻撃に対する報復に最小限必要な核戦力を維持する戦略をとってきたが、報告書はこの「最小限核抑止」からの脱却を指摘。「限定的な核兵器の先制使用という新戦略を支持しようとしている」可能性も示した。
  また、中国指導層は台湾侵攻の際、米国の介入を阻止するなど政治的な目的達成のために核戦力を活用でき、介入を阻止できると確信した場合には米国の同盟国との通常紛争を誘発しかねないと警告した。

  国防総省が今月発表した年次報告書でも、中国が約10年後の30年までに少なくとも千発の核弾頭を保有する可能性を指摘しており、中国の核戦略の行方に対する米国政府・議会の危機感は高まりそうだ。


2021.11.20-JIJI COM^-https://www.jiji.com/jc/v4?id=20211119uschina0001
米中首脳オンライン会談からのぞく思惑 ~狙いは「G2」回帰と危機管理~【識者に聞く】
(2021年11月19日掲載)
(1)
  覇権争いが深まり、衝突の不安が高まる米国と中国。中国が軍事的圧力を強め、台湾有事のリスクがささやかれる中、バイデン米大統領と中国の習近平国家主席は11月16日(米時間15日)、初めてのオンライン形式での会談を行った。会談をめぐる背景や双方の狙い、思惑について、中国外交に精通する興梠一郎(こうろぎ・いちろう)神田外語大教授(現代中国論)と米国政治に詳しい小谷哲男(こたに・てつお)明海大教授(国際関係論)に話を聞いた。
時事通信中国総局・平原紀子、外信部・原田憲一

◇「G2」回帰が最大の成果 (興梠一郎教授
会談で注目したポイントは
  全体の印象は冒頭のあいさつに集約されている。バイデン氏は習氏との仲の良さをアピールし、習氏も「古い友人に会えてうれしい」と応じた。中国メディアは二人が並んで手を上げている写真を流したが、それが中国側の一番言いたいことを象徴している。演出したいのは、二大大国が世界の問題を語り合っているというイメージだ。
  トランプ前政権では中国は相手にされず、存在感が低下していた。バイデン氏が二大大国に引き上げたことで、あたかも「G2」の時代に逆戻りしたかのようにみえる。これが中国側にとっての最大の成果だ。
  個別の議題を見ると、中国側は、バイデン氏が「米側は中国の体制転換を求めない」ことを確認したと発表しているが、米側の発表にはない。ただ、サリバン米大統領補佐官が事前にCNNテレビで同様の趣旨の発言をしており、会談でも言及した可能性はある。台湾問題では、米側は「一つの中国」政策の維持を明確にし、一方的な現状変更には反対すると表明した。米側の発表を見る限り、新型コロナウイルスについてバイデン氏は「国家を超えた課題である」として起源の問題を追及していない。人権にも懸念を表明しただけだ。実際には議論したかもしれないが、発表では触れておらず、中国側は、会談前と違って「強硬的な言葉がなかった」(「環球時報」11月16日社説)と評価している。
 
中国にとって対内的、対外的の両面で成功か
  そうだ。中国は民主化を仕掛けられるのが一番嫌で、体制を転換しないというのは大きい。国際的にはバイデン氏が二大大国のイメージをつくってくれた。
米側にとって会談の利益は何か
  経済だ。米財界は経済関係を正常化したい思いが強く、政権にプレッシャーをかけている。新型コロナで受けた経済の打撃回復はバイデン氏の一つのテーマでもあり、それを考えたとき、中国との関係は切り離せない。今回の会談は成果のためではなく、「仲直り」のためのものだ。
バイデン政権は対中強硬路線を示してきた
 当初から「対立ではなく競争」「協力が必要」と言ってきた。バイデン政権の対中関係は、絶対に紛争にしないというところから始まっている。今回の会談でも「常識のガードレール(防護柵)」という言葉で対立と協力を分けようと提案した。米側が協力を求めれば、その分中国は手持ちのカードが増える。対話のルートができた時点で中国ペースだ。
  政権発足時から強硬姿勢との見方は違うと言ってきたが、今回表に出てきた。米国ではインフラ投資法が成立し、中国では共産党の第19期中央委員会第6回総会で歴史決議が採択された。お互いに権力を固めたタイミングでの会談だ。
同盟・友好国と組んで中国に対抗する姿勢も強めていた
  二大大国として米中がお互いに協力する一方、日米、オーストラリア、インドの4カ国の連携枠組み「クアッド」や米英豪の安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」などインド太平洋で中国に対抗する構図は大きく矛盾する。同盟国は中国に本気で対抗するだろうか。中国は、米国と関係を強化すれば他国は全部なびいてくると考えており、それを望んでいる。
  米国は同盟国には中国カードを切り、中国には同盟国カードを切っている。自分が一番有利な位置に立てる「オフショア・バランシング」政策で、それに同盟国が気づけば、距離をとるようになるだろう。
今回の会談を機に、関係改善に向かうか
  首脳会談の発表だけを見るとそう感じるが、アメリカの世論は別だ。9月の電話首脳会談から始まり、中国通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟副会長の解放、スイス・チューリヒでの米中高官会談、気候変動の共同宣言などを全部つなげれば明らかに関係改善モードに入っている。しかし、米国の議会や世論は、依然中国に対して厳しい。首脳同士で関係を改善しても、世論に押され、再び強硬姿勢に転じるかもしれない。中国は、今回の会談で「国際世論を誘導できる」と期待する一方で、予断は許さないと警戒している。
(2)
◇危機管理で一定評価 (小谷哲男教授
バイデン政権の会談の狙いをどうみているか
  米側の狙いは一言で表現すれば「危機管理」だ。バイデン政権は発足当初から、米中の戦略的競争を管理することを強調していて、競争はするけれども、それが紛争にならないようにすると言い続けていた。
  米国は必ず強い立場を取り戻してから中国と向き合うとも強調していた。新型コロナ感染の拡大での拡大で打撃を受けた米経済をバイデン氏が掲げる「ビルド・バック・ベター(より良き再建)」を通じて立て直し、「クアッド」や「AUKUS」を含め、同盟国や友好国との関係修復や連携深化を通じ、中国と向き合うと。その計画通りに(会談開催は)進んだようには見える。
  ただ、オンラインでも良いからとバイデン政権が米中首脳会談にこだわるようになったのは、8月のアフガニスタン駐留米軍撤収が一つ大きな要素になった。バイデン政権はアフガン撤収で国際的な評価を下げたとされているが、あの直後に気候変動問題を担当するケリー大統領特使やシャーマン国務副長官が訪中した際、中国側が「上から目線」で接し、適切なカウンターパートにも会わせず、非常に冷遇をした。
  さまざまな実務者レベルの協議が立ち行かず、中国側が自分たちの立場だけを強調して、まったく交渉にならない事態が9月以降続いた。トップダウンで物事を動かさないと、米中は動かないという評価になった。首脳同士が会わずにいくら実務協議を続けてもらちが明かないし、台湾問題をめぐってもかなり緊張が高まっている。紛争が起こる恐れもあり、2国間関係の危機管理のためにトップ会談を行うことが米側の最大の狙いだった。
米側は狙いを達成できたのか
  現段階で評価を下すのは難しい。バイデン氏と習近平国家主席がそれぞれの国の代表として初めて今回顔を合わせたが、それが今後、紛争を管理する上で役立つのかどうかはもう少し時間がたってみないと分からない。中国が米国に対する傲慢(ごうまん)な態度を改め、実務レベルの協議に応じるようになるのか、それとも今回の会談で自分たちは強い立場であると確認して、さらに強圧的な行動を取るのか。
  バイデン氏は、外交は指導者の個人的関係なんだと言っている。オバマ政権での副大統領時代、国家副主席だった習氏と長時間一緒に過ごしている。自分が一番習氏と長く時間を過ごした米国人だという自負もあり、中国はそこをうまく突いてきた。だが、ここで中国側が一切行動を改めないなら、バイデン氏はメンツを失い、米国内における立場が悪くなる。
  来年には米中間選挙もあり、紛争を責任を持って管理しようというバイデン政権より、中国との対立を重視するであろう共和党、トランプ前大統領が(政権に)戻ってくることもあり得る。バイデン政権の足元をあまり崩さない方が中国の利益になると考える可能性もある。
今回の会談では共同声明が出なかった
  そもそも今回の会談について、ホワイトハウスは「サミット(首脳会談)」という単語を使わずに、単なる「ミーティング(協議、会合)」と事前に言葉を変えた。これは格下げと言っても良い。首脳会談が決まり、実務レベルでいろいろと折衝はしていたが、どうも中国側に妥協する気がない。会談の前週の段階でホワイトハウスは今回は成果があるようなものではないとかなり期待値を下げる発言を繰り返していた。米側は紛争を回避する危機管理として今回の会談を位置付けたのだろう。

  評価はもう少し時間がたたないと難しいが、普通、首脳会談であれば何かしらの成果がないと成功とは言えない。首脳会談と位置付ければ成果は乏しく、失敗という評価になるが、これが危機管理のための会合だったと位置付ければ、首脳同士が会うこともなく、両国の緊張が高ぶっているような状態は望ましくなく、一定の評価はできる。
今後、米中関係はどう展開していくか
  米国からすれば首脳同士で会い、紛争を防ぐための「ガードレール」をつくる目的があったので、中国側が台湾や周辺国に対する圧力を緩めることや、気候変動や感染症の問題でもさらなる協力ができることを期待していると思う。核兵器やミサイルの問題も含めて軍備管理に関する何かしらの協議が立ち上がることへの期待も含め、今後、中国がそうしたことにどこまで応じてくるのか見極める必要がある。
  他方で習氏にとっても、これから1年かけて前例のない(国家主席の)3期目を目指していくわけだから、米中関係があまりに悪化してしまうと、3期目を目指す上では恐らくマイナスに作用する。協力できるところは協力する、行動を控えるところは控えるということになれば、今回の会談は意味があったということになる。
今後、対面での会談の可能性はあるか
  一つは今回、事前に伝えられていた来年2月の北京冬季五輪への招待がなかった。北京五輪での対面は恐らくないだろう。習氏としても3期目を固めるまでは、新型コロナ感染などでなかなか国を空けられないという事情もあり、来年以降、対面会談はバイデン氏が中国に行く形でないと実現しない。当面は難しいのではないか。
(2021年11月19日掲載)


2021.11.11-Zaqzaq by 夕刊フジ-https://www.zakzak.co.jp/soc/news/211111/for2111110005-n1.html
米議員団が軍用機で訪台 蔡総統と会談、対中見据え緊密さ強調か 中国「断固反対する。中国人民の決意を見くびるな」

  台湾を訪問中の米上下両院議員団は10日、蔡英文総統と総統府で会談した。台湾のTVBSテレビが報じた。議員団は、国防部(国防省)関係者とも面会した。会談内容は不明だが、軍事的な統一圧力を強める中国に対峙(たいじ)するため、対中政策を協議した可能性がある。
  「一連の日程は米国側が手配したものだ」台湾の外交部(外務省)はこう説明した。会談の詳細は明らかにしていない。
  米誌ニューズウィーク(電子版)によると、議員団は米軍輸送機「C-40A」でマニラから到着した。一行は13人で、共和党上院議員のマイク・リー氏、ジョン・コーニン氏らの名前が挙がっている。
  米国防総省のジョン・カービー報道官は、一行は国防総省の派遣団ではなく、「議員団訪問はまったく定期的なもので、今年に入って2回目だ」と説明。米軍機使用についても、「珍しいことではない」「(一行の訪問は)台湾関係法に基づく米国の義務に沿ったものだ」と強調した。
  米議員団の訪台に、中国は激しく反応した。中国国務院(政府)台湾事務弁公室の朱鳳蓮報道官は10日の記者会見で、「米台のすべての公的往来や軍事関係に断固反対する。国家主権を守る中国人民の断固たる決意を見くびるな」と述べた。
  中国軍は9、10両日、台湾海峡に向けた「戦闘準備のための警戒パトロール」として、戦闘機「殲16」や対潜哨戒機「運8」など計12機を台湾の防空識別圏(ADIZ)に進入させた
  米中首脳は15日にもオンライン会談を控えており、硬軟織り交ぜた駆け引きが展開されている。


2021.10.27-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20211027-ZI2MDGVVEBIIXCFOQLZAK77Y6E/
米の台湾国連参加支持に中国猛反発「絶対に認めず」

  【北京=三塚聖平】在米中国大使館は26日に発表した報道官談話で、ブリンケン米国務長官が台湾の国連組織への参加を支持するとした声明を同日発表したことに対し、「中国は強烈な不満を示し、絶対に認めない」と猛反発した。既に米側に厳正な申し入れを行ったことを明らかにした。

  談話は、台湾は中国の不可分の一部であるとする一つの中国原則について国際社会の普遍的な共通認識だ。米国が一方的に挑戦、曲解することは許さない」と非難。台湾が国連などの国際組織の活動に参加するには「必ず一つの中国原則によって処理されなければならない」と強調した。

  台湾への支援姿勢を強めている米国に対し台湾に関する問題は厳粛な政治問題であり、いわゆる価値観の問題ではないと訴え、「全くの徒労であり、決して目的を達することはない」と牽制(けんせい)した
  一方で、台湾の蔡英文政権に対しては「頑迷に台湾独立の分裂の態度を堅持している」として「台湾海峡の平和と安定の最大の現実的な脅威だ」とし、事態の緊張を招いている責任は台湾側にあると主張した。


2021.10.25-Yahoo!Japanニュース(Wow!Korea)-https://news.yahoo.co.jp/articles/cf7faba0311eb4b4d2d42c9967f2bbaf369f6986
米国「台湾の国連参加拡大」を “公論化”…中国「国連加入50周年」を控え “けん制”

  米中覇権競争による緊張が高まる中、米国は国連をはじめとした国際機関における台湾参加の機会拡大に対して支持する意思を公開した。

  米国務省は「今月22日、台湾駐在の米大使館格である米国在台湾協会(AIT)と米国駐在の台湾大使館格である台湾経済文化代表部(TECRO)は、両国外務省の高位級代表団が参加する中、オンラインフォーラムを開いた」と23日(現地時間)明らかにした。
  米国務省は「双方は今回、保健・環境・気候変動・開発援助・技術標準・経済協力など国際的挑戦への対応において台湾が国連において意義のある参加をし、台湾の大切な専門知識により貢献する能力を支援することに焦点を合わせた」と説明した。
  また「米国側の参加者たちは、WHO(世界保健機関)・国連気候変動協約における台湾の意義のある参加に関する約束を改めて強調した」と語った。

  台湾は2009~2016年、WHOの最高意思決定機関である「世界保健総会(WHA)年例会議」にオブザーバーとして参加していたが、「脱中国」性向の蔡英文政権となってからは中国の反発により参加できていない。 今回のフォーラムが関心を集めているのは、米中間の全方位的な衝突の核心要素である「台湾問題」が激しい対立事案として浮上している状況で、開かれたためである。
  特に、今月25日「中国の国連加盟50周年」を迎えることで予定されている記念行事で習近平中国国家主席による演説を目前に控えている時期であることから、なおさらである。
  中国は「台湾は中国の様々な省のうちの一つであるため、国連加盟の資格はない」と主張しているが、台湾は「自分たちは民主政府を選んだので、加盟の資格がある」と反論している。
  ロイター通信は「台湾外交部(外務省)は今回のフォーラムについて、米国の強い支持に感謝を表した」と報道した。 一方、中国外務省の報道官は定例会見で「台湾問題は純粋な内政だ」として米国側に「言動を慎重にすることを求める」と不快感を表した。


2021.10.22-Yahoo!Japanニュース(jiji news-AFP BB news)-https://news.yahoo.co.jp/articles/226fc0bda1bd63bae52b286ccbc366f6ff294a28
米国は台湾を中国侵攻から守る バイデン氏が見解、中国は反発

  【AFP=時事】米国のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は21日、テレビ局が企画した住民対話集会で、もし中国が台湾を攻撃すれば、米国は台湾を防衛するとの見解を示した。これを受けて中国は、台湾統一の決意を過小評価すべきではないと警告した。

  CNN主催の集会でバイデン氏は、もし台湾に中国が侵攻したら、米国は防衛に向かうかとの質問に「イエス」と答え、「われわれにはそうする義務がある」と明言した。
   バイデン氏が示した見解は、米国が長年維持してきた「戦略的曖昧さ」と矛盾する。これは台湾の防衛力強化を支援しながらも、有事の際に援護するとは明確に約束しないという方針だ。
   これには、中国の侵攻を抑止しつつ、台湾に対しても、中国が最後の一線と見なす正式な独立宣言を思いとどまらせる狙いがある。
   台湾は22日、バイデン氏の見解を歓迎した。一方、中国政府は同日、この見解は「中米関係を損ねる」恐れがあり、米政権に対し「台湾問題では慎重に行動し、発言する」よう警告した
   中国外務省の汪文斌(Wang Wenbin)報道官は定例会見で「国益が関わる中核的な問題において、譲歩する余地はない」と強調。
   さらに、国家主権への脅威と見なすものから防御する際の、中国の「堅強な決心、確固たる意志、強大な能力」を米国は過小評価すべきではないとくぎを刺した。
   バイデン氏は、ABCが8月に行った取材の際にも、米国は台湾をはじめ主要な同盟相手を常に守るとする同様の約束を口にしていた。同氏は、米国はカナダや欧州諸国など北大西洋条約機構(NATO)加盟国を防衛するという「神聖な誓い」を立てており、「日本や韓国、台湾についても同じだ」と述べていた。
   米政権は、バイデン大統領によるこの2度の見解表明の後に行われた記者会見で、米国の台湾に対する方針は「変わっていない」と繰り返した。
   ローウィ国際政策研究所(Lowy Institute)で東アジア問題を専門とするリチャード・マグレガー(Richard McGregor)上級研究員はAFPに対し、バイデン政権は「戦略的曖昧さ」を守ると「改めて断言した」と指摘。 「バイデン氏には、方針転換を発表する意図はなかったと思う。失言だったか、あるいは台湾への軍事的嫌がらせの頻度を高めている中国のやり方を受けて、意図的に若干強い語調にしたのかもしれない」と分析した。【翻訳編集】 AFPBB News


2021.10.08-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/211008/mcb2110081754013-n1.htm
CIAが中国専門部局「最大の地政学的脅威に対応」

  【ワシントン=大内清】米中央情報局(CIA)は7日、中国に関する情報収集と分析を専門に担う「中国ミッションセンター」を設置するなどの組織改編を発表した。バーンズCIA長官は声明で、台湾への威圧や東・南シナ海での覇権的な海洋進出など「敵対的な態度を強める21世紀最大の地政学的脅威である中国」への対応を強化するための措置だと強調した。

  CIAは2001年の米中枢同時テロ以降、アフガニスタンやイラクをはじめとする中東諸国、アフリカ、東南アジアなどでのイスラム過激派の動向分析、無人機によるテロ掃討作戦に主な関心と資源を振り向けてきた。8月末にアフガンからの米軍撤収が完了した直後のこのタイミングで中国専門部局を設けるとの決定には、「脱中東」を進めつつインド太平洋での安全保障体制構築に本腰を入れるとするバイデン政権の方針が色濃く表れている。
  CIAはこのために中国語ができる人材の採用を積極的に進めると表明。バーンズ氏は「CIAとして、新しい大国間競争の時代の最前線に立つ」と述べた。
  このほかにもCIAは、科学技術の急速な発展や気候変動、公衆衛生といった地球規模の問題を扱う別のミッションセンターも設置する。
  バイデン政権は、中国が人工知能(AI)やサイバー分野での技術革新をリードすることを強く警戒しているほか、同国が新型コロナウイルスの起源に関する国際的な調査を拒絶していることを批判。その一方で温暖化対策などでは中国との協力を模索するともしており、同センターにはこうした政権の姿勢が反映されている形だ。
  また、トランプ前政権時代に設けられたイランと北朝鮮に関するミッションセンターの機能が、それぞれの地域担当部局に組み込まれる予定だ。


2021.09.17-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20210917-IKASV5ZBDZKUHPB7DOXWQPVWKY/
米英豪安保枠組み 対中抑止強化を歓迎する

  覇権的な海洋進出を続ける中国に対する抑止力の強化を歓迎したいインド太平洋地域の安定に向けて、米国、英国、オーストラリアが新たな安全保障の枠組みを創設した。米英は、豪州の原子力潜水艦保有を技術面などで支援する。アフガニスタンから手を引いた米国が安全保障政策の重点を「対中国」に置くリバランス(再均衡)政策である。加藤勝信官房長官が「インド太平洋地域の平和と安全にとって重要だ」と歓迎したのは妥当だ。

  3カ国の頭文字を組み合わせた「AUKUS(オーカス)」と名付けられた枠組みについて、バイデン米大統領は演説で「急速に増大する脅威に対し最新の防衛能力を確保するためだ」と語った。
  米政府高官は「インド太平洋でルールに基づく国際秩序を維持し、平和と安定を推進する」と説明した。米政府が「唯一の競争相手」と位置付ける中国を念頭に置いたのは明らかだ。
  モリソン豪首相は「核兵器の保有を目指すものではない」と述べた。核搭載の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を積む戦略原潜ではなく、通常兵器を積む攻撃型原潜保有を目指すとみられる長期間の潜航が可能な原潜を豪州が持てば、南シナ海や太平洋で活動を活発化させる中国海軍に対する強力な抑止力となる。
  AUKUSは、人工知能(AI)やサイバー、量子テクノロジーでの協力を推進し、安保・国防関連の科学技術や産業基盤、サプライチェーン(供給網)の統合も進める。
  日米豪印4カ国の枠組み「クアッド」を推進する米国は、AUKUSによって、有数の海軍国で国際的な発言力の大きい英国をインド太平洋の安全保障に密接に関与させたい考えだ。英国は、新鋭空母「クイーン・エリザベス」打撃群の派遣などインド太平洋への関与を強めている豪州は、新型コロナウイルスの起源の調査を中国に要求し、南シナ海などへの中国の覇権主義的振る舞いを批判している。米英との協力で、中国からの圧力に対抗する狙いもある。
  加藤長官は「同じ志を持つ国々と引き続き緊密に連携したい」とも述べた。英米豪と価値観や対中抑止の課題を共有しているのが日本だ。AUKUSに加わってもおかしくない。近い将来の参加を視野に協力を推進すべきだ。


2021.08.07-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210807/k10013186821000.html
米 ブリンケン国務長官 中国の急速な核戦力増強に深い懸念

  アメリカのブリンケン国務長官は、中国が急速に核戦力を増強しているとして深い懸念を示すとともに、中国に対し、南シナ海での挑発的な行動をやめるよう求めました。アメリカのブリンケン国務長官は、日本時間の6日夜、日本やアメリカ、中国、それにASEAN=東南アジア諸国連合の国々などが安全保障問題を話し合うARF=ASEAN地域フォーラムにオンラインで出席しました。

  アメリカ国務省の発表によりますと、この中でブリンケン長官は「中国は、抑止のために核兵器を保有するという長年の自国の核戦略から逸脱し、急速に核戦力を増強している」と、深い懸念を示しました。
  中国の核戦力をめぐって、アメリカ国防総省は、去年の年次報告書で、中国は運用可能な核弾頭を200発以上保有し、今後10年間で倍増させる可能性があると指摘しています。

  さらに、ブリンケン長官は「新疆ウイグル自治区香港、それにチベットで、人権侵害が続いている」と懸念を示すとともに、中国に対し、南シナ海での挑発的な行動をやめ、国際法を順守するよう求めました。
  またブリンケン長官は、ほかの参加国とともに朝鮮半島の完全な非核化を求めたほか、軍による市民への弾圧が続くミャンマー情勢をめぐっては、ARFのすべての参加国に対し、暴力の停止に向けてミャンマー軍に圧力をかけるよう呼びかけました。
中国外相 アメリカを念頭に強く反発
  これに対し、中国外務省によりますと、王毅外相は「他国にみずからの好き嫌いを押し付けたり、民主主義と人権を装って、内政に干渉し、みずからの地理的な利益を求めたりしてはいけない。東アジア諸国の歴史では、ほとんどの国が大国にいじめられるという共通の経験を持っているが、今の時代に教師面をするものや、救世主は必要ない」と述べ、名指しは避けつつも、アメリカを念頭に強く反発しました。

  また中国外務省によりますと、王外相は、南シナ海問題についての国際的な仲裁裁判の判断について国家の同意という基本原則に違反し、事実認定と法律の適用において明らかな問題がある」として改めて、判断を認めないことを主張しました。
  そのうえで、王外相は「近年の南シナ海の平和と安定に対する最大の脅威は、地域外の国々の介入であり、『航行の自由の乱用は、沿岸国の主権と管轄権に対する挑発だ」と述べ、南シナ海の問題は、当事国どうしで解決するべきだという考えを強調しました。


2021.07.24-JIJI com.-https://www.jiji.com/jc/article?k=2021072400007&g=int
中国、前米商務長官らに報復制裁 反外国制裁法を初適用

  【北京、ワシントン時事】中国外務省は23日、外国による対中制裁に反撃するための「反外国制裁法」に基づき、米国のロス前商務長官らに制裁を科すと発表した。先月施行された同法が適用されるのは初めて。米中双方による制裁と報復の応酬が加速し、対立が一段と激しくなるのは必至だ。

  バイデン米政権は16日、香港の高度な自治を侵害したとして、中国政府の出先機関である香港連絡弁公室の幹部7人を制裁対象に指定した。
  中国外務省はこれに対し、「対等な対抗措置を取る」と表明。ロス氏や米議会諮問機関の代表、国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」の中国部門トップら計7個人・組織への制裁を決めた。その上で「香港は中国の内政問題だ」と改めて強調し、米国に干渉をやめるよう警告した。


2021.07.13-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20210713-TUQZ2WBSGJJ5PDYYUNFSHL7KF4/
中国の「大量虐殺」を初明記 米国務省が議会報告書発表

  米国務省は12日、大量虐殺や残虐行為の防止に関する年次議会報告書を発表し、中国による新疆(しんきょう)ウイグル自治区での人権侵害を「ジェノサイド(民族大量虐殺)」だと米政府として認定したことを明記した。

  ブリンケン国務長官は記者会見で「今年初めて報告書で特定の国の残虐行為を直接、詳細に記した」と説明した。
  報告書は、この1年間の米政府の取り組みを振り返る内容。ポンペオ前国務長官が1月に初めて認定した中国によるウイグルでのジェノサイドと人道に対する罪を、ブリンケン氏も追認した。
  具体例として「投獄、拷問、強制不妊手術、迫害」などを挙げた。米政府は英国やカナダ、欧州連合(EU)とともに制裁を科したと指摘した。(共同)







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アメリカと中国との問題-2019年~2021年6月のニュース
ここは2021年7月~のニュースです