アメリカの問題-1


226.03.25-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20260325-2YYI5SMKOJLDPE3L6MIIF6TYYQ/
「すべての国民を平等に守る」米国土安保長官にマリン氏 強硬な不法移民取り締まり抑制へ

  【ワシントン=塩原永久】米国土安全保障省の長官に指名されたマークウェイン・マリン前上院議員24日、就任した。トランプ米大統領に事実上、更迭されたノーム前長官の後任に指名され、議会上院が23日に承認していた。マリン氏はホワイトハウスで宣誓式に臨み、「私の仕事はすべての米国民を平等に守ることだ」と述べた

  トランプ氏が重視する不法移民対策でノーム氏は厳しい取り締まりを実施。中西部ミネソタ州で市民2人が取締官に射殺されるなどして批判された。マリン氏は強硬な取り締まり方針を抑制する意向を示している。
  国土安保省の支出を手当てするつなぎ予算を巡っては、射殺事件を受け野党・民主党が移民摘発の適正化を要求。与野党が対立し、2月中旬につなぎ予算が失効した。
  同省傘下で、空港の保安検査を担う運輸安全局(TSA)職員への給与支払いが滞り、離職や欠勤が増えて、全米の空港で混乱。国土安保省のつなぎ予算案に関して与野党が協議を続けている。
  マリン氏は先住民出身で、格闘家を経て南部オクラホマ州選出の上院議員を務めた上院本会議が23日にマリン氏の人事案を賛成多数で承認した。これに先立って行われたマリン氏への上院国土安保・政府活動委員会の公聴会では、共和党のポール委員長がマリン氏の粗暴な振る舞いを問題視して非難する場面があった。ポール氏は人事承認の採決で反対に回った


2026.03.24-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20260324-6OETSIOAQFOAVN2XD77U3M6NGY/
米国防総省が取材規制強化 記者拠点を別棟に移転、施設では記者に職員付き添い

  米国防総省のパーネル国防長官補佐官(広報担当)23日、施設内の取材ルールを改定したとX(旧ツイッター)で発表した。施設内にあった取材拠点を閉鎖して別棟に移すほか、施設内に記者が立ち入る際には職員が付き添うことを義務付けた。従来の取材ルールを連邦地裁が違憲だと判断したことに対抗し、さらなる規制強化に踏み切った

  パーネル氏は投稿で、地裁の決定が、記者らの「安全保障上のリスクについて審査を可能にしていた全ての条項を削除した」と主張。制限の厳格化を正当化した。
  ワシントンの連邦地裁は20日、国防総省が昨年導入した取材規制のルールは報道や言論の自由を保障する憲法修正第1条などに違反しているとの判断を示した。提訴していた米紙ニューヨーク・タイムズの記者の記者証を復活させることも命じた(共同)


2026.03.06-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20260306-XC2USA6EIJKQHEOMUTP5XA76LQ/
米2月就業者9万2000人減 増加見込んだ市場予想を大きく下回る 失業率悪化4・4%

  米労働省が6日発表した2月の雇用統計(速報、季節調整済み)によると、景気動向を敏感に示す非農業部門の就業者数は前月から9万2000人減った。5万9000人程度の増加を見込んだ市場予想を大きく下回った。失業率は4・4%となり、前月の4・3%から悪化した。

  2月の就業者数は民間部門で8万6000人減った。教育・医療が3万4000人の減少。建設は1万1000人、製造業は1万2000人それぞれ減った。政府部門も6000人の減少だった。
  民間部門の就業者平均時給は、前年同月に比べて3・8%上がった。 1月の非農業部門の就業者数は当初の13万人増から12万6000人増に、2025年12月は4万8000人増から1万7000人減に修正した。
  連邦準備制度理事会(FRB)は今後の利下げ時期を巡って雇用の動向を注視している(共同)


2023.03.02-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20260302-7ZYX4CFFWBIPBFGQBWHJYOLAPY/
クウェートの米軍機墜落は誤射 イランからの攻撃に対応中、乗組員6人は脱出し無事

  米中央軍2日、クウェートでF15戦闘機3機が墜落したと発表した。クウェート側が誤射したという。乗組員6人は全員脱出し、無事だった。イランからの攻撃に対応中だったという。ロイター通信によると、クウェート側は墜落を認めており、調査が進行中だとしている。

  また、クウェートの国営石油会社は、国内の製油所で、イランからの攻撃を迎撃した際に落下した破片によって作業員2人が軽傷を負ったと発表した。


2026.03.01-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20260301-RKETKKEDHVPCBJNNNES3MTAPGI/
イラン最高指導者ハメネイ師の関連施設で複数の建物破壊 衛星画像で確認と米紙

  米紙ワシントン・ポスト電子版28日、イランの首都テヘランにある最高指導者ハメネイ師の関連施設の敷地内で、複数の建物が破壊されているのが衛星画像で確認されたと報じた。

  政府機関も入居しているとされ、周辺では黒煙が立ち上っていた(共同)


2026.02.28-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20260228-G22CS3DGAZIKLEAIQWEJ5WS7LA/
米・イスラエル両軍がイラン攻撃 首都テヘランで大規模爆発 米の直接攻撃は昨年6月以来

  【ワシントン=坂本一之、塩原永久】米主要メディアは28日、米軍とイスラエル軍がイランへの攻撃を実施したと報じた。イランの首都テヘランで大規模な爆発があった。米軍によるイラン本土への直接攻撃は昨年6月の核関連施設への空爆以来。米軍は空母打撃群を中東海域に展開するなど攻撃準備を進めていた

  イスラエルのカッツ国防相は28日、イランに対する攻撃を実施したと明らかにし、イランからの報復に備えて非常事態宣言を発令すると発表した。米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は米政府関係者の話として、米国も攻撃に参加し空爆を実施していると報じた。
  トランプ米大統領は27日、イランとの核問題を巡る交渉の進捗(しんちょく)に「不満だ」と述べていた。前日の26日の高官協議でイランが米側の要求に歩み寄る姿勢をみせなかったとし、イランに対する軍事行動について、「しないで済めばよいが、時には必要だ」と強調した。
  トランプ氏は「(イランが)誠意と良心をもって交渉するのであれば本当に素晴らしいが、彼らはそこまでいたっていない」と話した。
  イラン側の交渉姿勢に「感心しない」と言及した上で、「イランは核兵器を保有してはならない」と改めて強調した。ただ今後の協議を見極める意向も示していた。
  トランプ氏は昨年6月、イラン中部の核施設への攻撃を実施今年1月にイランで反政府デモが拡大して死傷者が出ると、イランを攻撃する可能性を示唆。その後、イランの体制転換が望ましいと言及するなど強硬な姿勢を示した


2026.02.27-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20260227-LYGM6BWPPFNCDLLGRCOLML35NU/
エプスタイン事件でヒラリー氏が宣誓証言 司法省がトランプ氏に関する文書隠匿疑惑も

  【ワシントン=大内清】少女らへの性的人身取引などの罪に問われた米富豪ジェフリー・エプスタイン元被告(勾留中の2019年に死去)の事件を巡り、下院監視・説明責任委員会は26日、元被告と交友があったクリントン元大統領(民主党)の妻、ヒラリー元国務長官への宣誓聴聞会を開催した。ヒラリー氏は、元被告とは面識がなかったとした上で、元被告とかつて親密だったトランプ米大統領について、「宣誓下で(元被告との関係を)証言すべきだ」と主張した。

  27日にはクリントン氏が聴聞会に出席する予定。宣誓下での虚偽証言は偽証罪に問われる可能性がある。野党・民主党側は、クリントン夫妻への召喚を呼び水としてトランプ氏にも追及の手を伸ばしたい考えだが、与党・共和党は召喚の必要はないとしている。
  司法省が1月末までに公表した事件に関する数百万件の文書には数千カ所でトランプ氏への言及があり、同氏に説明を求める声が強まっている
  一連の文書公開は、昨年11月に成立した法律で義務付けられたもの。司法省は、公開作業はすべて終了したと説明している。
  だが、この問題では米公共ラジオ(NPR)が26日までに、司法省が約50ページ分の文書を公開せずに隠し持っていると報道。そこには、元被告による斡旋(あっせん)で1980年代にトランプ氏から性的虐待を受けたと主張する被害者女性(当時13歳ごろ)を連邦捜査局(FBI)が事情聴取した際の調書も含まれるという。
  報道を受け、司法省の記録を調査した監視・説明責任委のガルシア下院議員(民主党)は声明で「司法省が違法に文書を隠していることを確認した」と述べた。トランプ氏は犯罪行為への関与を否定している。


2027.02.27-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20260227-NYHQWQ6Z5FIVRP65HV6KB5TPII/
中国当局関係者、高市首相の評判落とす助言をチャットGPTに求める 米社が悪用事例公開

  【ワシントン=坂本一之】米オープンAI25日、同社の対話型生成人工知能(AI)「チャットGPT」を悪用した事例報告書を公開し、中国当局と関わりのある人物が高市早苗首相を標的とした影響工作を試みたことを明らかにした。

  報告書が紹介した悪用事例では、中国当局の関係者が昨年10月中旬、首相の評判を落とす計画を作成するための助言をチャットGPTに求めた。首相に関する否定的なコメントを投稿し増幅させることや、在留外国人を巡る首相の姿勢を批判し、偽メールアカウントから日本の政治家に苦情を送信することなどに関して計画をつくるよう指示した。保守的な政治姿勢を巡り中傷する狙いもあった。
  チャットGPTは利用者からの不適切な指示に応じないよう設計されているため、協力を拒否したという。ただ、同じ人物は同年10月末に計画の実施状況の文章を推敲(すいこう)するよう指示した。オープンAIはこの人物のアカウントを停止した。
  報告書は首相に対する影響工作のほか、中国に批判的なX(旧ツイッター)のユーザーに対する嫌がらせ事例なども紹介した。


2026.02.25-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20260225-4L66V3SOHJJGRAWKDS5HGVYQP4/
米関税率、将来的には「従来の水準戻す」 通商代表が見解、対中は合意維持

  米通商代表部(USTR)のグリア代表は25日、米FOXビジネスのインタビューで、各国、地域に対する関税率は将来的に、「相互関税」などが適用された従来の水準に戻す考えを示した。一方で、対中国の関税は「(合意した)水準を維持する。これ以上、引き上げることは考えていない」と話し、米中首脳会談を前に一定の配慮を示した。

  トランプ政権は、米連邦最高裁が相互関税などの関税措置を違法と判断したことを受け別の法律の通商法122条を根拠に全世界に10%の関税を発動した。グリア氏は関税措置について、これまでとの「継続性を持たせたい」と主張。今後、一部の国には122条が上限とする15%を超える関税率を課す可能性を指摘した。
  政権は通商法301条に基づく追加関税を視野に入れている
(共同)


2026.02.25-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20260225-STORLE2465PTROA6KANQOOWWDU/
「中国信用していない」ヘルバーグ米国務次官 対抗するためAIや半導体の供給網を再構築

  米国のヘルバーグ国務次官(経済担当)24日、下院外交委員会公聴会で、トランプ政権の対中政策について「建設的な関係を築きたいが、中国を信用していないのも事実だ」と述べた。中国に対抗するため、日本や台湾、オーストラリアなどと人工知能(AI)や半導体のサプライチェーン(供給網)を再構築する重要性を訴えた。

  ヘルバーグ氏は、中国が過剰生産によって電気自動車(EV)や通信機器などを安価に輸出し、国際市況の悪化につながっていると批判。トランプ政権の関税措置は中国の輸出攻勢に対抗するためだと正当化した。
  トランプ大統領と中国の習近平国家主席良好な関係を維持しているとしつつ、米国が先端技術分野の競争で譲歩することはないとの姿勢を示した。(共同)


2026.02.24-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20260224-EOKY6H742JJDHC3C6YEKIDIGRI/
米国務省がレバノンから職員や家族の国外退避命じる イラン情勢めぐり攻撃懸念か

  米国務省23日、在レバノン米大使館で緊急性の低い業務を担当する一部職員やその家族に国外退避を命じたと明らかにした。AP通信などが伝えた。治安情勢を考慮したとしているイラン核協議をめぐり、米国が軍事圧力を強めて地域情勢が緊迫するなか、米国の関連施設などが攻撃を受ける事態を懸念しているとみられる。

  APによると、米政府は昨年6月のイラン核施設攻撃の前にもレバノンなど中東の一部の国から職員らを退避させた。(共同)


2026.02.24-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20260224-AXHFCZVZZ5P7BDNNV2BCXFJNRM/
米国とイランが26日に核問題の高官協議、スイスで「最後の機会」 攻撃回避模索

  米政府当局者は23日、イランの核問題を巡る米イラン高官協議を26日にスイス・ジュネーブで開くと明らかにした米側はウィットコフ和平交渉担当特使とトランプ大統領の娘婿クシュナー氏が参加する。イラン側は譲歩姿勢を示しながら米国による攻撃の回避を模索している。

  米国は中東海域に大規模な戦力を展開。米ニュースサイトのアクシオスは次回協議について「トランプ氏がイランに与える最後の機会になるとみられる」と伝えた。
  米紙ワシントン・ポスト電子版は23日、米軍制服組トップのケイン統合参謀本部議長がトランプ氏に対し、米国の武器備蓄はイスラエルやウクライナへの支援で大幅に減少しており、イランへの大規模攻撃には困難が伴うとの認識を示したと報じた作戦の長期化で米側に死傷者が出るとの懸念も示した。(共同)


2026.02.24-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20260224-2CDUINYEQ5NNRBXDEULIJUC6P4/
AIの軍事利用条件で協議 ヘグセス国防長官と米新興企業CEO、制限緩和めぐり対立

  米ニュースサイトのアクシオス23日、ヘグセス国防長官が24日に米新興企業アンソロピックの最高経営責任者(CEO)と国防総省で会談する予定だと報じた。同社が開発し、国防総省が導入している対話型の生成人工知能(AI)「クロード」の軍事利用条件をめぐって協議国防総省側が制限緩和を求めて圧力をかけるとみられる。

  「クロード」は米軍の機密システムで利用可能な唯一のAIモデル。セーフガード(安全策)の全面撤廃を拒否する同社と、用途を広げたいトランプ政権との駆け引きが激化している。
  アンソロピックは兵器開発や検閲などに自社製AIを使うことを規約で禁じる一方、政府顧客向けに制限の調整が可能としている。
  アクシオスによると、国防総省との協議では特に「米国民に対する大量監視」と「人間の関与なしに発射される兵器(自律型兵器)の開発」に関して制限を維持したい意向という。(共同)


2026.02.20-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20260220-REHVNHPNJFLOZNXFV2ACUC3KTE/
米国が国連分担金支払い 未納の一部の250億円 一定の歩み寄り

  国連事務総長の報道官室19日、米国が未払いだった国連通常予算の分担金の一部、約1億6千万ドル(約250億円)を支払ったと明らかにした。国連軽視の姿勢を続けてきた第2次トランプ政権が通常予算の分担金を支払ったのは初めてで、一定の歩み寄りを見せた形だ。米国の通常予算の未納額は21億9600万ドルに上っていた

  グテレス事務総長は1月下旬、分担金の未払いなどにより国連の「財政破綻」が差し迫っていると訴える書簡を各国の国連大使らに送っていた(共同)


2026.02.18-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20260218-DV4DFE5O3NJHJA3D2424BHLG2M/
宇宙人は「実在する」 オバマ元米大統領が発言、エリア51での収容は否定
(ロイター)

  オバマ元米大統領14日、宇宙人について「実在する。だが私は見たことはない」と述べた。ジャーナリスト兼ポッドキャスターのブライアン・タイラー・コーエン氏のインタビューで語った。

  地球に飛来した未確認飛行物体(UFO)や宇宙人の研究がひそかに行われているという説の舞台となってきた西部ネバダ州の「エリア51」に収容されている可能性については、「大統領にも隠すほどの巨大な陰謀があるなら別」としつつ、地下施設の存在を否定した。
(ロイター)


2026.02.15-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20260215-WU2AHLVZHVL4PLT7DMSK26LT2M/
移民収容「違法」4000件 トランプ米政権「司法軽視」で続行、ロイター通信報道

  ロイターによると、移民・税関捜査局(ICE)に収容された人は今月の時点で約6万8千人に上る昨年1月の第2次トランプ政権発足後、釈放を求めて2万件以上の訴訟や申し立てが起こされたという。

  昨年10月以降、4421件について400人以上の連邦判事が、ICEによる移民の収容は違法との判断を示した。判決や仮処分などが含まれるとみられる。長年米国に住んでいる移民は最終的な判断が下されるまでの間、保証金を払えば釈放が認められるとの法解釈に政権が反していると指摘するものがほとんどだという。(共同)


2026.02.10-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20260210-3D3J3FIONRO7TBYY2BAH7SXMYE/
「不当で悲劇的な結論」米国務長官、黎智英氏への懲役20年非難 苦痛味わったと釈放要求

  ルビオ米国務長官9日、香港高等法院が蘋果日報(リンゴ日報)創業者、黎智英氏に懲役20年を言い渡したことを「不当で悲劇的な結論だ」と非難する声明を出した。黎氏や家族が十分な苦痛を味わったとして、釈放するよう要求した。

  ルビオ氏は、中国が香港で基本的自由を追求する人々を沈黙させるために極端な手段を取ったとの認識を表明した。(共同)


2026.02.05-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20260205-35MRUG3A7ZMRFLIDOS2YIQSBXY/
米、重要鉱物で「貿易圏」 中国対抗へ日本、インド、EUなどに呼びかけ

  ルビオ米国務長官4日、ワシントンで重要鉱物のサプライチェーン(供給網)強化に向けた初の閣僚級会合を主催した。日本やインド、欧州連合(EU)など55カ国・地域が参加バンス米副大統領は冒頭で演説し、重要鉱物の適正な市場価値を反映した「最低価格」を設定し、同盟・友好国と共に「貿易圏」の構築を目指すと表明した

  トランプ政権は、レアアース(希土類)などの市場を事実上独占する中国が重要鉱物を「圧力や交渉の道具」(ルビオ氏)にしているとの危機感を強めている。中国に対抗するための国際枠組みを主導し、ハイテク製品や軍事産業に不可欠な資源の供給網再編を狙う。
  会合には韓国やドイツといったアジアや欧州各国のほか、希少鉱物が豊富なコンゴ(旧ザイール)などの閣僚らが出席。中国は参加していない
  米側は外部の事情に左右されない「貿易圏」を形成すれば重要鉱物の安定供給が実現するとして、計画への参加を呼びかけた(共同)


2026.02.04-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20260204-AOYJVITRWNMBXPRMHY7GCNNACE/
米露ウクライナが第2回高官協議へ 和平に向け領土の扱いが焦点に、進展あるかは不透明
(小野田雄一)

  ロシアによるウクライナ侵略の終結に向けた米国露ウクライナ3カ国の第2回高官協議4日、アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビで開かれる協議は5日までの2日間の予定。和平案の最大の争点の一つであるウクライナ領の扱いなどが主な議題になる見通しだが、ロシアとウクライナの主張の溝は埋まっておらず、和平実現に向けた具体的な進展が得られるかは不透明だ

  ロシアは停戦に応じる条件として、ウクライナに東部ドンバス地域(ドネツク、ルハンスク両州)全域からの撤兵と両州の割譲を要求。ウクライナは撤兵と割譲には応じないとしている。ルハンスク州はほぼ全域がロシアの支配下にあるものの、ドネツク州ではウクライナがなお州面積の2割超を保持している。  ウクライナのゼレンスキー大統領は3日、首都キーウで記者会見し、今回の協議に臨むウクライナ代表団について「(ロシアとの)対話を模索する必要があると考えているが、誰一人降伏するつもりはない」と表明。安易な譲歩には応じない姿勢を改めて強調した。
  今回の協議では、互いのエネルギー関連施設への攻撃を停止する合意の再開も議論される可能性がある。米国を介して事実上成立していた合意について、ロシアは有効期間が1日までの1週間だったと主張。2日以降、ウクライナの電力インフラに対する攻撃を再開したとみられている。
  3カ国は先月23、24日、ウクライナ侵略後で初となる高官協議をアブダビで実施。ウクライナメディアによると、和平成立後の停戦監視の仕組みなどで議論の進展があったものの、領土を巡る問題では結論が出なかった3カ国は2月1日に第2回協議を開くことで一致したが、その後協議が延期されていた。
(小野田雄一)


2026.02.02-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20260202-F5CUTJQ4RFKTXDY3T34LDHTTDM/
米政府閉鎖3日までに解除か 下院議長が再開の予算案成立に自信、天候影響の可能性

  米共和党のジョンソン下院議長1日放送のNBCテレビのインタビューで、連邦政府の一部機関が閉鎖状態に陥った問題に関し、再開のための予算案成立に自信を示し「遅くとも3日までに」閉鎖が解除されると確信していると述べた。週明け早期の成立を目指すが、天候が影響する可能性を指摘した。

  連邦政府のつなぎ予算が1月31日未明に失効し、閉鎖が生じた。上院は30日に2026会計年度(25年10月~26年9月)予算案などを可決。成立には下院での再可決が必要で、週明けに採決され閉鎖が速やかに解除されるか注目されている。
  ジョンソン氏は野党民主党が可決に反対していると批判した上で、共和党票は確保していると強調した。南東部の悪天候を念頭に「(議員)全員を集められるかという課題がある」と述べた。(共同)


グランドオバーゲン…1. 「グランド・バーゲン(Grand Bargain)」

国際政治の専門用語である。 リアリズムに基づいた「大国間の取引」の意味である。 米国のジョージ・ワシントン大学国際関係大学院のチャールズ・グレイザー(Charles Glaser)教授 が10年前の2015年の論文で「グランド・バーゲン」と称した。2026/01/05

1. 「グランド・バーゲン(Grand Bargain)」「グランド・バーゲン(Grand Bargain)」
  という聴きなれない言葉がある。これは、なにもクリスマスのバーゲンセールの意味ではない。国際政治の専門用語である。
  リアリズムに基づいた「大国間の取引」の意味である。米国のジョージ・ワシントン大学国際関係大学院のチャールズ・グレイザー(Charles Glaser)教授 が10年前の2015年の論文で「グランド・バーゲン」と称した。
  そして、台湾が米国と中国を大規模な戦争へと引きずり込む可能性が最も高い争点であるとの認識から、米国は中国との「グランド・バーゲン」によって、米国は、台湾防衛から手を引き、中国は、東アジアにおける米国の安全保障上の役割を認めることで、相互宥和を図るべきだと主張した。
  トランプ第2期政権は、まだ台湾防衛から手を引いてはいないが、先日2025年12月19日のシンガポールの「聯合早報」が「トランプと習近平は台湾平和統一に関して合意する」と報じている。すでに経済分野については、今年の大統領就任以来展開してきた攻撃的な高額関税による強制外交から、米中二国の「グランド・バーゲン」へと政策を変えつつある。そして、来年2026年4月のトランプ氏の訪中と、同年後半の習氏の国賓としての訪米について習氏と合意している
  現在のトランプ政権は、中国に対し対中経済圧力の強化よりも米中の合意形成に政策の基軸を移している。その理由は明白で、相手の行動を変える手段に経済を使う強制外交は有効性が低く、中国のように競争力が高い相手国に関税戦争のような圧力を加えても効果は少ない気付いたからである。米中経済関係は対立から限定的合意の模索に変わらざるをえなかったのである日本政府も、この底流に流れる微妙な本質的変化に鈍感であってはなるまい
[2] チャールズ・グレイザー(Charles Glaser)
  は、ジョージ・ワシントン大学国際関係大学院教授(政治学・国際関係学)で同大学院安全保障・紛争研究所所長。論文は『国際政治の合理的理論』等多数。
[3] チャールズ・グレイザー(Charles Glaser)教授
  は、台湾は、米国と中国を大規模な戦争へと引きずり込む可能性が最も高い争点であると認識。台湾への米国の関与は、この地域における米国の意図に対する中国の懸念を増幅させ、東アジアのシーレーン(SLOC)をめぐる競争を激化させていると指摘。そして、米国は、台湾に関する宥和を中国側の譲歩と結び付けるべきであると提言。具体的には、中国が南シナ海および東シナ海における紛争を平和的に解決し、かつ東アジアにおける米国の長期的な軍事的プレゼンスを公式に受け入れることが条件となるとしている。仮に米中が「包括的な大取引(グランド・バーゲン)」に到達した場合、米国は東アジアの同盟国を防衛するという自国のコミットメントを強化するための措置を講じることが可能となるとしている。Charles L. Glaser(2015)”Time for a U.S.-China Grand Bargain”(Harvard Kennedy School)https://www.belfercenter.org/publication/time-us-china-grand-bargain
[4] 2025年12月19日、台北では「中国戦略学会、国立政治大学国際問題学院・両岸政治経済研究センター、中国民族統一協会、中華民国忠誠同志協会」などの共催で「2026年世界情勢フォーラム」が開催された
  「聯合早報」はその日のフォーラムで、台湾の林中斌元国防部副部長が「トランプと習近平は両岸平和統一に関して合意する」と指摘したと報道した。
[5] 米国のトランプ大統領と中国の習近平国家主席
  は、今年2025年10月30日韓国で会談し、追加関税率の修正や輸出管理措置の1年間の停止で合意した。
  米国は、来年2026年11月3日の米国中間選挙を視野に、米中の合意形成に政策の基軸を移している。今回の合意を経て、米中関係はいったん小康状態にある。トランプ氏の中国に対する強硬にみえる姿勢は、中国と「ディール」をしたいためで、J.D.バンス副大統領やマルコ・ルビオ国務長官などのような対中タカ派ではない。
  むしろ、トランプ氏は台湾に対する関心が高くないとの評価もある。政権内から安全保障上の問題を指摘されてもエヌビディアの半導体の対中輸出を許可し、中国の人権問題を指摘せず、民主主義の価値を啓発しないことなどから、「中国にとって史上最もよい大統領」との指摘すらある。
  しかし、方や、今後も緊張と緩和を繰り返すとの予測もある。首都ワシントンの業界団体やシンクタンク、大学の研究者、連邦議会スタッフなどの米中合意に対する評価は、米国の対中依存を緩和するために時間を買っただけで、米中間にある課題は「何も解決していない」との声が多く、両国関係は1年間の停止期間を待たずに再度緊張すると予測している。米中関係は、むろん依然として予断は許されない状況にあることには一定の留意が必要である


2026.01.27-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20260127-EZNPJJW54ZPKDFAVCUU62PWAKI/
米政権、射殺事件調査へ 移民摘発デモで沈静化図る 国境警備責任者を派遣

  米中西部ミネソタ州ミネアポリスで移民を取り締まる捜査官が抗議中の男性を射殺した事件で、トランプ大統領は26日、国境警備責任者ホーマン氏を同日現地に派遣すると発表した。移民取り締まりを巡る抗議活動の参加者が相次いで射殺される事態に与党共和党内からも懸念が噴出政権として調査する姿勢を見せて沈静化を図る狙いとみられる

  ンプ氏は26日、ミネソタ州のウォルズ知事と電話で協議した。トランプ氏は交流サイト(SNS)で「いい話し合いだった」と述べた。ウォルズ氏によると、トランプ氏は同州に派遣した移民取り締まりの連邦捜査官の削減を検討する意向を示した。トランプ氏はウォルズ氏らが抗議活動をあおっていると批判してきたが、態度を軟化させた。
  ウォルズ氏によると、トランプ氏は、ミネソタ州当局が単独で事件を捜査できるよう政権内で協議することも承諾。政権が暴力をあおっているのはデモ参加者側だと非難する中、連邦政府主導では公平な捜査ができないとの懸念が出ていた(共同)


2026.01.26-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20260126-YTJYLZB6PNKO3FXI24USF6QSNU/
クリントン元米大統領「恐ろしい光景」 捜査官による男性射殺事件を非難

  米民主党のクリントン元大統領25日、ミネアポリスで男性が捜査官に射殺された事件で声明を発表し「米国では決して起こらないと思っていた恐ろしい光景が繰り広げられている」と非難した。平和的な抗議活動家や市民が逮捕されたり、催涙ガスを浴びせられたりしたほか、銃撃され死亡した事例が続いたとして問題視した。

  民主党のオバマ元大統領夫妻も25日、「胸が張り裂けるような悲劇だ」とする声明を発表。「米国民の核心的価値観の多くが攻撃にさらされている」とし、共和党のトランプ政権下で民主主義が揺らいでいると訴えた。
  男性が銃を所持していたことによる捜査官の正当防衛だったとするトランプ政権の説明についてオバマ氏夫妻は「映像証拠と矛盾しているように見える」と指摘した。(共同)


2026.01.24-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20260124-FS7BOHFH2VJRNJWFEX5XS6I244/
米がキューバ海上封鎖を検討か 石油輸入を阻止、体制転換狙う

  【ワシントン=塩原永久】米ニュースサイトのポリティコ23日、トランプ米政権がキューバの体制転換を狙い、キューバへの石油輸入を阻止する海上封鎖を検討していると報じた。複数の関係者の話としている。米政権は年初に攻撃したベネズエラに続き、キューバを次の標的にするとの見方がある

  報道では、海上封鎖案は米政権内で、共産党一党独裁のキューバに対する強硬派であるルビオ国務長官が支持している。
  キューバは石油輸入を頼るベネズエラからの搬入が激減し、経済が崩壊の瀬戸際にあるとの分析もある。米政権内には、さらに海上封鎖を実施する必要があるのかといった意見もあり、最終決定されていないという。
  米政権の対キューバ政策を巡り、米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は、年末までにキューバの体制転換を実現するため、同国政府内の協力者を探していると報じていた。
  米軍は3日にベネズエラを攻撃し、マドゥロ大統領を拘束・連行した。米政権が重視する南北米大陸などの「西半球」への介入姿勢を強めていく可能性がある


2026.01.24-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20260124-Z2JKWNLXLFK7BBIJFWSKSY4NWQ/
米次世代ミサイル防衛「ゴールデンドーム」構想にカナダが反対…トランプ大統領が不満示す

  トランプ米大統領23日、SNSで、カナダが米国の次世代ミサイル防衛システム「ゴールデンドーム」構想に反対していると不満を示した。構想実現には米国がデンマーク自治領グリーンランドを領有する必要があると主張する中、カナダのカーニー首相が米国の領土拡大意欲をけん制していることに反発したとみられる。

  トランプ氏はこれまでゴールデンドームがカナダの安全保障にも資すると説明してきた。カーニー氏は20日、スイスの世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)で演説し、グリーンランドに対するデンマークの主権を支持すると述べていた。
  カナダのアナンド外相は記者団に23日、トランプ氏が主導するパレスチナ自治区ガザの暫定統治機関「平和評議会」に参加しなくても、ガザへの人道支援は継続すると表明。「先進7カ国(G7)の外相らとは常に連絡を取り合っている」と述べ、懸念払拭を試みた。
  カーニー氏は16日、中国の習近平国家主席と北京で会談し、経済や貿易で協力する姿勢を打ち出したトランプ氏は23日の投稿で、中国がすぐにカナダを「食い尽くすだろう」と〝口撃〟した(共同)


2026.01..23-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20260123-JFA5ZTDFPZKILMGHNDX5FODVM4/
新「エアフォースワン」今夏引き渡し 米、634億円でカタール王室から受領の見通し

  米紙ウォールストリート・ジャーナルは22日までに、トランプ政権がカタール王室から受け取り改修していた航空機について、今夏にも大統領専用機エアフォースワンとして引き渡される見通しだと報じた。米メディアによると推定約4億ドル(約634億円)相当で、外国からの高額の贈呈品には法的、倫理的な問題を指摘する声が出ていた

  同紙によると、トランプ氏が好む赤と白、濃紺の塗装が施され、7月に予定される米建国250周年の記念行事で披露される可能性もある。(共同)


2026.01.19-産経新聞(KYOD)-https://www.sankei.com/article/20260119-QJW3R5ZMV5P7LAUGDDD6LJQKYU/
米、欧州追加関税を正当化 ベセント財務長官「経済力で戦争回避」

  ベセント米財務長官18日、米国によるデンマーク自治領グリーンランド領有に反対する欧州8カ国からの輸入品に追加関税を課すとしたトランプ大統領の方針を正当化した。「米国の経済力を使い(ロシアや中国との)戦争を回避しようとしている」と述べた。同日放送のNBCテレビのインタビューで答えた。

  北極圏の安全保障を確保する上でグリーンランドが重要だと指摘した上で「米国の一部にすれば紛争は起きない」と主張。領有について「欧州各国が最善策だと理解してくれると信じている」と語った。
  米国が追加関税を課す根拠について「国家的な緊急事態」を回避するためだと説明。将来的に北極圏で衝突が起きる可能性をトランプ氏が見据えているとして、西半球の安全保障を「他国に委ねるつもりはない」と言及した。
  トランプ氏は17日、米国のグリーンランド領有に反対するデンマークや英国など欧州8カ国からの全輸入品に2月1日から10%の追加関税を課すと表明した。(共同)


2026.01.14-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20260115-CFQGNNXWIRNDBDXNSIUB4OIIT4/
米、75カ国の移民ビザ停止 露やイラン、アフガニスタン、タイなど 「富の搾取防ぐ」

  米国務省14日、75カ国からの移民ビザ発給手続きを停止すると発表した。移民制度の乱用による米国の「富の搾取」を防ぐためだと説明。トランプ米政権が看板政策に掲げる強硬な移民対策を一段と強めた。ロシアやイラン、アフガニスタン、タイなどが対象。日本は含まれていない米政府関係者によると、21日から実施する。

  トランプ大統領は昨年11月、ワシントンのホワイトハウス近くの路上でアフガン国籍の男が州兵2人を銃撃した事件などを受け、移民審査を厳格化したほか、治安改善を名目に移民の取り締まりを強化している。
  国務省のピゴット副報道官は今回の措置について「米国民の寛大さを悪用する移民申請者を不適格とする」と強調。移民希望者への審査を見直す間、手続きを一時停止するとした。
  75カ国には中東のエジプトやアフリカのソマリアのほか、パキスタンやモンゴルなどアジア、ブラジルなど南米の国々も含まれている(共同)


2026.01.13-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20260113-XK72PFIOYZMEPB27WU22EYN73I/
防衛産業「リスク回避文化」批判、米国の能力活用されず ヘグセス長官がスペースXで演説

  ヘグセス米国防長官12日、南部テキサス州にある実業家マスク氏が率いる宇宙企業スペースX社の拠点で演説した。冷戦後に米国で防衛産業基盤の集約が進み、新興企業の参入が難しくなったことで「リスク回避の文化が生まれ、米国の能力が最大限活用されなくなった」と批判した。

  ヘグセス氏は人工知能(AI)や量子、極超音速兵器などの先端技術分野で、米国が優位に立つ必要があるとも述べた。
  国防総省は、トランプ大統領が掲げるミサイル防衛システム「ゴールデンドーム」構想のため、ミサイルや航空機を探知する衛星開発でスペースXと巨額の契約を結ぶと報じられている。
  ヘグセス氏はこれに先立ち、テキサス州にある航空防衛機器大手ロッキード・マーチン社の拠点も視察した。(共同)


2025.06.24-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250624-62R7FMWT2FNNHGVUCQ5S65PJYE/
米、イランが短距離・中距離弾道ミサイルで米軍基地攻撃と説明 「死傷者報告なし」

  【ワシントン=坂本一之】米国防当局者23日、イランによるカタールのアル・ウデイド米空軍基地へのミサイル攻撃に関し「短距離と中距離の弾道ミサイルで攻撃を受けた」と明らかにした。

  同基地に駐留する米兵に関し現時点で死傷者の報告はないとしている。当局者は「状況を注意深く監視している」と述べた。


2025.06.23-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250623-L2USPBZBDZN63NA34N2RSZHX7Q/
バンス米副大統領「イランの核開発計画と戦っている」全面戦争望まず、「限定的攻撃」強調

  バンス米副大統領は22日、NBCテレビの番組で、米軍によるイラン核施設攻撃について「イランと戦争をしているのではなく、イランの核開発計画と戦っている」と述べ、全面戦争は望まない考えを示した。ヘグセス国防長官も同日の記者会見で攻撃の標的を「意図的に限定した」と強調した。一方、トランプ政権が攻撃の目的とした主要核施設の完全破壊が達成されたかどうかは不透明だ。

  ニューヨーク・タイムズ紙は22日、大型の特殊貫通弾(バンカーバスター)GBU57で攻撃を受けたイラン中部フォルドゥの地下核施設は完全な破壊には至らなかったとする米イスラエル両当局者の見方を報じた。トランプ大統領やヘグセス氏は攻撃の目的を果たしたと主張していた。
  バンス氏は番組で、核施設の完全な破壊を確信しているかと問われ「イランの核兵器開発を大幅に遅らせた」と述べるにとどめた。ヘグセス氏の会見に同席した米軍のケイン統合参謀本部議長は核施設に極めて深刻な損害を与えたとしつつ、核開発能力が維持されるかどうかの判断は「時期尚早だ」と明言を避けた。(共同)


2025.05.17-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250516-LRB6YCTU3ZLMPLD2VCFNEVNZIE/
「米とサウジの関係強化は対イランの地ならし」 日本国際問題研究所の中川浩一氏
(聞き手 桑村朋)

  トランプ米大統領の中東歴訪について、日本国際問題研究所の中川浩一氏に話を聞いた。詳細は以下の通り。

  トランプ米大統領が事実上の初外遊先に1期目と同じサウジアラビアを選んだ意味は大きい米国経済にも資する原油価格引き下げを促し、巨額の対米投資を取り付けたことで、人権問題などを理由にバイデン政権時代に冷え切っていた両国関係の「黄金時代」の始まりを印象付けた。
  「脱石油」を見据えて産業多角化を図るサウジのムハンマド皇太子にとっても「新しい中東」をアピールする機会となった。「アラブの盟主」として米国と過去最大規模の防衛契約も結び、長年対立してきたイランへの牽制(けんせい)にもなった
  トランプ氏は中東の安定を目指しているが、イランの核開発や武装組織への支援はこれに逆行する動きだ。今回のアラブ諸国訪問は経済連携の側面が強いが、イランとの核協議合意に向けた地ならしともとれる。
  ただ、米国は対イランで有用な外交カードがなく、交渉成功の可能性は低い。もし交渉が失敗すれば、イスラエルが米国をたきつけてイランを再攻撃してもおかしくはない。地域の緊張が相当に高まる危険性がある。

  対シリア制裁の全面解除も驚きだった。オバマ政権以降、米国はシリアに関与しない姿勢だったが、政情安定化を支援するとのメッセージだろうか。だが、過去のイラクのように米国的統治を押し付ければ、シリアは泥沼化する。ロシア・イランとの代理戦争に発展する恐れもあり、中東の安定が遠のきかねない。
  今後はガザ侵攻を止めないイスラエルに対するアラブ諸国の態度が注目される。トランプ氏はイスラエルとサウジの国交正常化を実現し、自身のレガシー(遺産)にしたい。サウジが今回のディールの恩返しとして関係改善に動けば、中東のパワーバランスは大きく動くことになりそうだ
(聞き手 桑村朋)


2025.05.06-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250506-N2JXQRNQTRML5PLPCMJ5YWBYHU/
米ヘグセス国防長官、米軍の大将ポスト2割削減を指示 「指導力を最適化、合理化する」

  【ワシントン=坂本一之】ヘグセス米国防長官5日、米軍の再編成として大将クラスのポストを最低でも2割削減するよう指示した。国防総省が同日、発表した。ヘグセス氏は指示書で「余剰ポストを削減することで指導力を最適化、合理化する」と説明した。

  ヘグセス氏は大将クラスに加え、司令部の再編などを通し将官ポストとして最低1割削減することも求めた。また、州兵に関しては将官ポストで最低2割削減する。AP通信によると、大将クラスは約44のポストがあり、将官に関しては約800のポストがある。
  ヘグセス氏は米軍の幹部ポスト削減があっても、「世界で最も殺傷力の高い戦闘部隊としての地位を維持し、力による平和を達成する」と強調。「高い効率性、革新性」を重視する姿勢を示した。


2025.05.02-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250502-JDXY3724BJNUPL5B4SMBLUKAKA/
ウォルツ米大統領補佐官が1日に退任か、米報道 空爆計画協議のアプリに編集長を〝招待〟

  【ワシントン=塩原永久】複数の米メディアは1日、ウォルツ米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が退任する見通しになったと報じた。ウォルツ氏は、イエメン攻撃計画が通信アプリから米メディアに情報流出した問題で、批判を浴びていた

  米CBSテレビは、ウォン大統領筆頭副補佐官もトランプ政権を離れると伝えた。ウォン氏は第1次トランプ政権で米朝交渉を担当し、北朝鮮問題に詳しい。ウォルツ氏は1日にも退任するとしている。
  ウォルツ氏を巡っては今年3月、イエメンの親イラン民兵組織フーシ派への空爆計画について、政権幹部らが共有する通信アプリ「シグナル」のグループチャットを立ち上げたが、ウォルツ氏とみられるアカウントから誤って米誌編集長が招待され、計画が共有されていた


2025.04.03-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250403-4RU4IRR4XJOTFIEJ3LSHDP5RCU/
ウォルツ米大統領補佐官 一般アプリを日常利用 安保政策巡る機微情報協議も 米報道

  米ニュースサイト、ポリティコは2日、ウォルツ大統領補佐官が率いる国家安全保障チームウクライナやパレスチナ自治区ガザ、中国などに関する政策を巡り、日常的に一般アプリ「シグナル」でやりとりしていたと報じた。少なくとも20以上のチャットグループがあり「機微な情報」も含まれていたとしている。

  ウォルツ氏はシグナルのチャットグループに米誌記者を誤って招き、イエメンの武装組織フーシ派への空爆計画を協議したことが発覚。その後も情報管理の甘さを指摘する報道が続いており、批判が強まるのは確実だ。
  ポリティコによると、ウォルツ氏らは欧州やアフリカに関する政策も協議していた。グループに入っていた関係者は「国家安全保障に関するあらゆる話題でチャットを立ち上げることは日常茶飯事だった」と話している。(共同)


2025.04.03-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250403-2LTUXGA5WZMRHPFACCHEZ2U3QE/
米自動車関税が発動へ 25%の追加措置 日本車に逆風強く 米国産の使用促進も目指す

  【ワシントン=塩原永久】米国への自動車と主要部品の輸入品に25%の追加関税を課す措置が、米東部時間3日未明(日本時間3日午後)に発効する。日本からの輸出品も対象になり、自動車を基幹産業とする日本経済への打撃が見込まれるトランプ米大統領は米国の自動車産業の再興を目指す意向で、今後、米国製部品を優遇する仕組みの導入にも取り組む

  米国は普通車に2・5%の関税を課しており、新たな関税の発効後は税率が11倍になる。一部のトラックは現在の25%が50%になる。対象の部品にエンジンやトランスミッション(変速機)などが含まれたが、徴税は最大1カ月遅らせる。
  米政府は、第1次トランプ政権の2019年に輸入車の流入を「安全保障上の脅威」と認定した判断を根拠にして、新たな関税措置を発動した。
  自由貿易協定「米国・メキシコ・カナダ協定」で無税となる部品は、当面、追加関税の適用外とする。米政府は関税対象部品を拡大する検討を1カ月以内に進める。米国産の使用割合が低い部品に高い税率を課す仕組みにするとしている。
  米政府によると、2024年の新車販売台数の半数近い800万台程度が輸入車だった。最多がメキシコからの約296万台。日本は約138万台を持ち込んでいる


2025.03.04-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250304-WTL76RZQ5VI3XJH2VMASOHTFRA/
ルビオ米国務長官が和平交渉への意欲を強調 英、チェコの外相に電話で伝える

  ルビオ米国務長官3日、ラミー英外相と電話し、米国にはウクライナとロシアの和平交渉を仲介する意欲があると改めて強調した。英国と連携を続ける方針を確認した

  ルビオ氏はチェコのリパフスキー外相とも電話し、戦争終結に向けたトランプ大統領の決意を伝達した(共同)


2025.02.21-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250221-FSXWPYUYLNOAXJ2VMWQKURZBEI/
ゼレンスキー氏に「不満」 トランプ氏、希少資源供与に合意なく 米特使は会見拒否

  ウォルツ米大統領補佐官20日、ウクライナのゼレンスキー大統領が米国への希少な鉱物資源供与に合意せず、トランプ大統領が不満で「非常にいら立っている」と記者会見で述べた。ウクライナとロシアを担当する米国のケロッグ特使は20日、キーウ(キエフ)でゼレンスキー氏と会談したが、会談後の共同記者会見を拒否した。

  トランプ氏は19日、ロシアとウクライナの戦争終結に向けた米ロ主導の和平交渉を批判するゼレンスキー氏を「選挙をしない独裁者」と呼んだばかり。米国とウクライナの亀裂が広がっている。
  ウォルツ氏は記者会見で「ウクライナの将来と安全保障のためには、米国の長期的な投資ほど良いものはない」と主張し、ゼレンスキー氏は希少鉱物資源の交渉に戻るべきだと訴えた。  
  ケロッグ氏とゼレンスキー氏が会談したウクライナ大統領府には国内外の記者が集まったが、会談の冒頭撮影だけが許可され、質問は禁じられた。ウクライナの大統領報道官は「米側がこの形式を決めた。記者会見はせず、声明もすぐには出さない」と述べた。(共同)


2025.02.15-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250215-JNC25466MBAAHNAI364GRKVPVQ/
「群衆に車突っ込み地域を粉々に」「制御不能な移民に終止符を」バンス氏演説移民問題全文

  バンス米副大統領は14日、ドイツでのミュンヘン安全保障会議で行った演説で、前日13日にアフガニスタン人の男が車で群衆に突っ込み約30人が負傷した事件に触れて移民問題を「政治家の意思決定の結果だ」などと批判。欧州側は猛反発した。演説の主要部分の概要や、移民問題に関する部分の全文は次の通り。

懸念するのは欧州の「内なる脅威」だ
  本日お話ししたいことの一つは、われわれが共有する価値観だ。昨日の恐ろしい攻撃に動揺している中で、ドイツの人々のもてなしには、とても感銘を受けた。私が初めてミュンヘンへ来たのは、本日ここに一緒にいる妻との個人的な旅行だった。それ以来、私はミュンヘンの街を愛し、人々を愛している。
  われわれは非常に動揺しており、われわれの思いと祈りはミュンヘンと共にある。この美しい地域社会で悪の影響を受けたすべての人と共にある。
  もちろん、この会議は安全保障を議論するために集まったものだ。安全保障というと通常、外部の脅威を意味するだろう。本日、とても多くの偉大な軍の指導者が集まっている。だが、トランプ政権は欧州の安全保障を非常に懸念している。
  ロシアとウクライナは合理的な解決に達することができるだろうし、今後数年間で欧州が自国の防衛力を強化することも重要だ。だが、私が欧州に対して最も懸念する脅威とは、ロシアではない。中国でもなく、他の外部の面々でもない。
  懸念するのは、内なる脅威だ。欧州が、米国と共有すべき最も基本的な価値観から後退していることだ。
  これは安全保障会議であり、皆さんは、新たな目標に沿って今後数年間で国防費をどの程度増やすつもりかについて議論の準備をしてきただろう。だが、そもそもわれわれが何を守っているのかを知らずに、予算編成の問題について考えられるだろうか。
  自国民を導く声や意見、良心を恐れるとき、安全保障などあり得ない。欧州は多くの課題に直面している。だが、欧州が直面している危機、われわれ全員が共に直面している危機は、われわれ自身が作り出したものだ。
あと何度挫折しなければならないのか
  この会議に集まった国々が直面しているすべての差し迫った課題の中で、大量移民ほど緊急な課題はない。現在、ドイツに住むほぼ5人に1人が海外から移民してきた。もちろん、史上最高数だ。米国でも同様で、過去最高を記録した。欧州連合(EU)域外からEUへ入国した移民の数は、2021年から22年の1年間だけで倍増した。もちろん、それ以降もはるかに高くなっている。
  現在の状況は決して何もないところから現れたわけではない。10年といった期間に、欧州や世界中の政治家が行った一連の意思決定の結果だ。われわれは昨日、まさにこのミュンヘンで、彼らの決定がもたらした恐怖を目の当たりにした。ミュンヘンの美しい冬の一日を台なしにされた無残な犠牲者のことを考えずに、再びこの話を持ち出すことはできない。われわれの思いと祈りは彼らと共にあり、これからも彼らと共にあり続ける。
  だが、そもそもなぜ、このようなことが起こったのだろうか。
  今回の事件はひどい話だが、欧州ではあまりにも何度も耳にしてきたことであり、残念ながら米国でも何度も繰り返されてきた。難民申請者の多くは20代半ばの若者で、すでに警察は認識していることだが、その一人が群衆に車で突っ込み、地域社会を粉々にした。
  連帯とは。われわれは、こんな恐ろしい挫折をあと何度経験しなければならないのか。われわれは進路を変え、共有すべき文明社会を新たな方向へと導くことはできないのか。
難民に門戸を開く投票した人はいない
  欧州の有権者の中で、難民審査を待つ何百万人もの移民に門戸を開くために投票した人はいなかった。有権者は何に投票したのか。英国ではEU離脱(ブレグジット)に投票した。賛成か反対か意見表明した。
  欧州全土で、制御不能な移民に終止符を打つと約束する政治指導者に投票する有権者が増えている。私はたまたまこれらの懸念の多くに同意するが、もちろん、あなたがたが私の意見に賛成する必要はない。
  ただ、人々は自分の故郷を大切にしていると私は思う。人々は自分の夢を大切にしている。自分たちの安全や、自分自身と子供たちが生活していけるかどうかを気にかけている。
  人々は賢明だ。私が政治に携わった短い期間に学んだ最も重要なことの一つだが、ダボス会議が開かれる山の向こう側での議論とは裏腹に、すべての国民は、一般的に自分たちを「教育を受けた動物」だとか「グローバル経済の交換可能な歯車」とは考えていない。彼らが指導者に振り回されたり、容赦なく無視されたりしたくないのは当たり前のことだ。こうした大きな問題に投票で決着をつけることが、民主主義の役割だ。
民意無視なら民主主義は生き残れない
  米国であれドイツであれ欧州であれ、何百万人もの有権者に対し、彼らの考えや懸念、願望、救済を求める訴えは無効であり、考慮する価値さえない―そう人々に告げるなら、民主主義は生き残れない。
  民主主義を信じることは、市民一人一人が知恵を持ち、発言権を持っていることを理解することだ。もしわれわれがその声に耳を傾けることを拒むなら、われわれの最も成功した戦いでさえ、ほとんど何も保証しないだろう。
  欧州でも世界でも最も並外れた民主主義の擁護者の一人だった教皇、故ヨハネ・パウロ2世はかつてこう言われた。「恐れるな」と。われわれは、国民が指導者に賛成しない意見を表明したときでさえ、恐れるべきではない。皆さま、ありがとうございました。幸運を祈ります。神のご加護を


2025.01.07-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250107-TK3MZSKTZFLS3COJPUXVH4NUZQ/
米議会がトランプ氏勝利を認定 就任初日に大統領令連発へ 議会襲撃4年

  【ワシントン=坂本一之】米連邦議会6日、上下両院合同会議で2024年大統領選の結果を確定し、共和党のトランプ氏が勝利したと公式に認定した。トランプ氏は第47代大統領として20日に就任し公約実現に向け初日から多数の大統領令を出す方針だ。4年前は20年大統領選での不正を主張したトランプ氏の支持者らが議会を襲撃する事件が起きたが、今回は混乱なく大統領選の最終手続きを終えた

  合同会議では大統領選で敗れた民主党のハリス副大統領が上院議長として進行役を務め、トランプ氏の当選を宣言。共和党のバンス上院議員の副大統領当選も確定した。
  大統領選は人口に基づき各州と首都ワシントンに割り当てられた選挙人計538人の過半数270人を獲得した候補が当選する。確定結果はトランプ氏が312人で、ハリス氏は226人だった。結果に異議を訴える声はなく、ハリス氏は同会議後、「平和的な権力移行は民主主義における最も重要な柱の1つだ」と述べた。
  トランプ氏は会議に先立ち、自身の交流サイト(SNS)で「議会は偉大な大統領選の勝利を認定する。大事な瞬間だ」と強調した。就任初日にトランプ氏は不法移民・国境問題やエネルギーなどに関する多数の大統領令に署名する見込み。さらに、4年前の議会襲撃事件で訴追された支持者らを恩赦する考えも示している。
  トランプ氏は20年大統領選での敗北後、「大規模な不正があった」と主張し続け、21年1月6日に支持者たちが選挙結果を覆そうと、勝者を認定する上下両院合同会議が開かれていた議会を襲撃した。議会襲撃事件を巡っては、トランプ氏に対する起訴を特別検察官が昨年11月に取り下げている


2024.12.23-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241223-BX2U5WIFEFKAFHG4VSPCRPANUQ/
マスク氏、独クリスマス市死傷事件で「首相は退任を」とX攻撃 欧州、政治介入を警戒

  【パリ=三井美奈】ドイツ東部マクデブルクで移民男性がクリスマス市に車で突入した事件を受け、トランプ次期米大統領の側近で実業家イーロン・マスク氏が、独政府をX(旧ツイッター)で攻撃している。ショルツ首相に「すぐに辞めよ」と促し、移民排斥を訴える右派政党を支持した。マスク氏の「X砲」は欧州各国に広がり、政治介入への警戒感が高まっている。

  この事件では9歳の子供を含む5人が死亡し、サウジアラビア出身の男(50)が逮捕された。マスク氏は事件後まもなく、ショルツ氏を「無能なバカ」と呼び、移民政策をなじった。そのうえで、ドイツ人右派インフルエンサーの投稿に反応し、「ドイツを救えるのは、ドイツのための選択肢(AfD)だけ」と書き込んだ。AfDは移民排斥を掲げ、政界で「極右」と異端視される政党。近年は支持率が急伸しており、ショルツ氏の中道左派与党、社会民主党(SPD)を脅かす存在だ
  ドイツでは来年2月に総選挙を控えており、欧州連合(EU)のフランス人元欧州委員は「外国による介入ではないか」とXで疑念を示した。するとマスク氏は「米国の介入のおかげで、あなたは今、ドイツ語やロシア語を話さずにいられる」と反論した。第二次大戦で米軍がフランスを独ナチスの占領から救い、西側の一員とした歴史を忘れるな、という意味だ。
  マスク氏の標的はドイツに留まらない。英労働党のスターマー政権にも矛先が向く。英政府が今秋、農業資産の相続で課税強化を打ち出すと、「英国はスターリンでいっぱい」と発信。旧ソ連の独裁者を引用して、増税を批判した
  独英の中道左派政権をたたく一方、移民削減を掲げるイタリアの右派政権は擁護する。伊裁判所が先月、メローニ首相の移民対策に人権侵害の恐れがあるとの判断を下すと、「判事は出て行け」と反発した。
  マスク氏は電気自動車(EV)大手テスラなどを率いる大富豪で、世界的な人脈を持つ。その影響力の大きさから、今月22日付仏紙ルモンドは社説で「第二の米大統領になる」と予測。「どんな事象にも発言し、不安を招く影響力ではトランプ氏を上回る」と論じた。独誌シュピーゲルはマスク氏を「自由民主主義の脅威」と位置付けた。
  マスク氏はトランプ次期政権で「政府効率化省」トップに就任する予定国務長官にはルビオ上院議員が起用される予定だが、欧州では「マスク氏は外交でも重責を担う」との見方が強いトランプ氏が先月、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談をした際、同席させたと報じられたことが背景にある


2024.12.15-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241215-HKL3N6Y4V5KKVCJJWTNQGW5DRM/
米国は露の延命に手を貸すな-日曜に書く 論説委員・斎藤勉
(さいとう つとむ)

「チキン・キーウ演説」
  冷戦末期の1991年8月1日、ブッシュ米大統領(父)が演説でとんだ妄言を吐いた。ソ連からの独立機運が高揚していたウクライナの首都キーウ(キエフ)を訪れ、最高会議の演壇からこう訴えかけたのだ。
  「米国は遠く(モスクワ)から押し付けられた専制政治を地方の専制政治に置き換えるために独立を求める人々を助けることはない。独立と自由は同じではない。ロシアへの民族的憎悪から生まれた自殺的な民族主義の推進者は支援しない」・・・要するに、「ウクライナは独立するな」とクギを刺したのだ。この演説は猛烈な批判を呼び起こした。米国の名コラムニスト、サファイア氏はブッシュ演説をウクライナ伝統の鶏肉料理の名前を取って「チキン・キーウ(キエフ風カツレツ)演説」と呼び、「ウクライナの独立を認めることの恐怖心が現れた」と指弾した。チキンには「臆病者」の意味もある

  ブッシュ氏はキーウ訪問の前日、モスクワで会談したゴルバチョフ・ソ連大統領から「ウクライナの独立要求は自殺に等しい民族主義だ」と警告され、演説でそのまま引用したのだ。
  ウクライナ出身の歴史学者、ホダルコフスキー氏はその著書『ロシアの二〇世紀』で「核武装国家であるソ連が暴力的に分裂する可能性を憂慮した米国と英国がゴルバチョフを支援して連邦維持に手を貸すことにした。(ブッシュ)演説は米政府が(ウクライナ)現地の実情を全くわかっていないことを示していた」とあきれている。
「テロ」指定の脱露運動
  果たして、歴史はブッシュ演説直後から「連邦維持」とは真逆の道へ急ピッチで動いた。8月24日、ウクライナは独立を宣言、12月1日の独立の賛否を問う国民投票では90%超が賛成した。そして12月25日、ソ連自体があっけなく消滅した。
  ところが、ソ連崩壊から31年後の2022年2月、「ロシアとウクライナは一体」との歴史的妄執に憑(つ)かれたプーチン露大統領がウクライナに侵攻した。
  ブッシュ政権の最大の失敗は「核大国分裂の恐怖心」に目が曇り、ソ連共産党統治下で独裁者スターリンによる大粛清やハンガリー動乱、「プラハの春」弾圧…と数知れぬ「国家・国際犯罪」に手を染め続けてきた「巨悪・ソ連」を救う方向へかじを切っていたことだ

  ソ連からの独立へ次々と立ち上がったバルト三国やウクライナなどの国民の民主化要求の実態を真剣に知ろうとも支えようともしていなかったのだ。その政治的、道徳的怠慢が21世紀初め、「スターリンの再来」ともいうべきプーチン氏の独裁・恐怖体制を生んだといえる
  しかし、ロシア内部で虐げられ続けた少数民族や先住民族の民主的な独立国家を希求する声は息絶えてはいなかった。
  ウクライナ侵攻から3カ月後の22年5月、国外に亡命中の反露政権活動家らが「脱露・独立」を唱える露史上初の運動体『ロシア後の自由な民族フォーラム』を立ち上げた。「侵略戦争でロシアが敗北、崩壊することを前提に、露連邦内で新たに41の諸民族の自由で民主的な独立国を誕生させる」と訴え、各国の協力を求めて世界を巡っている。プーチン政権は今年11月、このフォーラムを「テロ組織」に指定した。いかに神経を尖(とが)らせているかの証左だ。
「諸民族民主化を支えよ」
  来年1月20日、ウクライナ戦争停戦仲介に意欲的なトランプ氏が米大統領に再登板する。ロシアは交渉を睨(にら)み、有利な戦況を作り出そうと北朝鮮の援軍まで得て攻勢に拍車をかける。国内の労働力不足やインフレ、優秀な若者の国外流出も深刻だ。
  問題は、軍事・経済的苦境からプーチン政権が戦争でいよいよ追い詰められ「ロシア崩壊」に傾き始めた時、トランプ氏が「チキン・キーウ演説」の二の舞いを演じ、「露連邦維持」に手を貸してしまう危険性だ
  在日ウクライナ人国際政治学者、グレンコ・アンドリー氏はその懸念は口にしながらも、米・西側にこう提言する。
  「米国にはプーチン氏打倒に賛成でも露連邦分裂はノーという人は多い。やはり世界一の核大国内部の暴発、新興独立国の独裁化や中国への隷属化の恐怖が主な理由だが、私の考えでは何の根拠もない。米・西側は露国内の諸民族民主化を全力で支援すべきだ。そうすることで分裂後の独立諸国は進んで核を差し出すと思う。世界にとって最も危険なのはロシアの存続だ」
(さいとう つとむ)


2024.11.14-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241114-PXX74R6SYFNKJHZ36TY77ILJNA/
米司法長官に「反民主」急先鋒ゲーツ氏 国家情報長官はギャバード元下院議員

  【ワシントン=大内清】トランプ次期米大統領は13日、次期政権の司法長官にマット・ゲーツ下院議員(43)=フロリダ州選出=を指名すると発表した。ゲーツ氏はトランプ氏を熱烈に信奉する民主党批判の急先鋒。トランプ氏が主張してきた政敵への報復を主導する可能性がある。

  司法長官は連邦捜査局(FBI)を所管し特別検察官の任命権限も持つ。高い政治的中立性が求められるが、忠実なトランプ派のゲーツ氏が実際に就任すればトランプ氏の司法への影響力が強まりそうだトランプ氏は選挙戦で、自身が起訴されたことへの報復としてバイデン大統領ら民主党要人を「訴追する」と宣言していた。
  ゲーツ氏は未成年者への性的人身売買などの容疑でFBIの捜査対象となったこともあり、人事承認に向けた上院公聴会で追及を受けるのは必至だ。
  一方、トランプ氏は同日、情報機関を統括する国家情報長官(DNI)に、ハワイ州選出の元下院議員で民主党から共和党にくら替えしたトゥルシー・ギャバード氏(43)を指名すると発表。対中強硬派のルビオ上院議員(53)=フロリダ州選出=を国務長官に指名することも正式発表した。


2024.11.06-産経新聞(月刊正論)-https://www.sankei.com/article/20241103-C3RO34QH5JEHJNBPMMQRBKY3KU/?outputType=theme_monthly-seiron
トランプ氏、実は高学歴の白人富裕層も支持 ハリス氏はバラモンの娘、先祖に奴隷所有者 福井義高-正論12月号 「日本人が知らない大統領選」

  次の米大統領は前大統領のドナルド・トランプか現副大統領のカマラ・ハリスか、選挙戦終盤になっても、どちらとも言えない状況が続いている
  ここでは、本誌発売後、すぐにわかる選挙結果の予想ではなく、二人がどんな人物なのか、その支持基盤はどこにあるのか、さらには米国民の政治的関心はどの程度なのかについて述べてみたい

2人の生い立ち
  1946年に生まれたトランプは、ニューヨーク市の裕福な家庭の出ながら、父フレッドは学歴もなく一代で財をなした人物であり、トランプ家はブッシュ家のような名門ではない。トランプはアイビー・リーグの一角を担う名門ペンシルバニア大を卒業している。米国ではトップ校でも、有力OBなどの子弟を優先する「レガシー」入学が公然と行われているので、トランプもカネで入ったという主張がある。しかし、姉のメリアン(故人)が連邦高裁(控訴裁判所)判事だったことからみても、トランプは、本人が言うほどではないにせよ、かなり学力優秀だったのであろう。なお、ジョージ・W・ブッシュ(息子)元大統領は祖父(上院議員)や父(大統領)と同様、イェール大を卒業している。
  一方、1964年生まれのハリスは両親とも学者である。ジャマイカ出身の父ドナルドは経済学者で、西海岸を代表する名門カリフォルニア大バークレー校(UCバークレー)で博士号を取得し、スタンフォード大の教授を務めた(現在は名誉教授)。インド出身の母シャマラ・ゴプラン(故人)もUCバークレーで博士号を取得した生物医学者で、かつて原爆開発を担ったローレンス・バークレー国立研究所の研究員であった。
  極めて知的な両親のもとに生まれながら、ハリスはあまり学力優秀ではなかったようである。両親離婚後、母に育てられたハリスは、ハワード大という難関とはいえない大学に進学している。この大学はもともと黒人のために設立され、人種差別が公的に否定される前には学力優秀な黒人が入学したことで知られる。しかし、米国で「アファーマティブ・アクション」と呼ばれるマイノリティー、とくに黒人を優遇する政策が採用された後、つまりハリスの世代では、トップの黒人学生が目指す大学ではなくなっていた。

  ハリスは大学卒業後、ロースクールに進学するけれども、やはり一流とは言い難いカリフォルニア大ヘイスティングス(現サンフランシスコ)校に入っている。同じ「カリフォルニア大」といっても、両親の母校バークレー校やロサンゼルス校(UCLA)と比べ、かなり「格落ち」である。
  同い年でともに黒人女性のリーダーと目される存在ながら、ハリスとバラク・オバマ元大統領夫人のミシェルは、ある意味、対照的である。黒人労働者家庭出身のミシェル・ロビンソン(旧姓)はアイビー・リーグの名門プリンストン大を卒業後、ハーバード・ロースクールに進み、修了後に同窓のバラクと出会っている。ただし、『ニューズウィーク』(2008年2月25日号)が指摘しているように、アファーマティブ・アクションが採用されていたとはいえ、ミシェルの成績ではトップ校は無理と高校では判断されていた。成績優秀かつバスケットボールのスター選手だった兄クレイグがさきにプリンストン大に進学していたことが背景にあったと思われる。
  多感な青春時代、学力相応の黒人大学に進学したハリスと、自分より明らかに学力が高い白人・アジア系クラスメイトに囲まれたミシェルとどちらが幸せだったであろうか。また、そうした体験が二人の人生にどのような影響を及ぼしたのか、興味深い論点である。
  さて、ハリスは米国で差別されてきた黒人であることを強調するけれども、事実はそう単純ではない。まず、ハリスの父ドナルドは祖先に白人奴隷保有者がいることを父自ら認めている。ドナルドの世代で大学に進学しているということは、ジャマイカでは恵まれた家庭出身だったのであろう(米国に来る前ロンドン大にも留学している)。さらに、母シャマラはインドのカースト最上位バラモン(ブラーミン)出身である。インド本国では米国同様、差別されてきたグループを優遇する政策が取られ、バラモン出身者は逆に不利に扱われる。それを逃れるため、米国のインド系エリートにはバラモン出身が多くなっている。ハリスの母もその一例である。
  母はインドでは差別する側のバラモン、父は白人の血をひくジャマイカ人という、ともに米国の奴隷制とは無関係な、博士号を持つエリートであり、ハリスは到底逆境のなかで育ったとはいえない。そもそも、「ワンドロップ・ルール」すなわち一滴でも黒人の血が入っていれば「黒人」とみなす米国以外であれば、黒人の血が半分に満たないハリスは「黒人」とみなされない可能性がある。
  カリフォルニア州検察官だったハリスの政界への進出を語るうえで、カリフォルニア民主党の大立者ウィリー・ブラウンとの関係に触れないわけにはいかない。のちにサンフランシスコ市長となるブラウンが州下院議長を務めていた1990年代半ば、ハリスは、別居していたとは言え既婚者で30歳年上のブラウンと交際し、同時期に複数の公職に任命されている。ハリスが2020年大統領選に向けて、民主党有力候補として出馬表明する直前の2019年1月15日、ブラウンは『サンフランシスコ・クロニクル』に寄稿し、ハリスに便宜を図ったことを認め、「だからどうした」(So what)と述べている。
偶然が左右する大統領選
  米国政治の特徴としてまず挙げられるのが、その安定度の高さである。日本や欧州では既成政党が没落し、新たな政党が国政選挙で議席を得ることは珍しくない。フランスの国民連合やドイツのAfDのように、既成勢力からは目の敵にされながらも、大政党になった例もある。ところが米国では19世紀以来、民主・共和の二大政党制が強固で、別の政党が割り込む可能性はないといってよい。実際には両党以外の政党が存在し、大統領選挙にも複数が立候補しており、すべてが泡沫候補というわけでもない。たとえば、今回も出馬しているリバタリアン党候補は、2016年の大統領選では全米で3%、前回2020年の選挙でも1%の支持を得ており、後述する米国の選挙制度ゆえ、その影響は無視できない。
  米国の二大政党制は自然とそうなっているというより、政治を安定させるため、社会的合意の上に人為的に維持されているともいえる。大手メディアは両党以外の政党を無視し、他党の候補は討論会にも呼ばれない。
  そして、この二大政党それぞれへの支持も安定している。大統領選と同時に行われる、小選挙区制の下で全議席が改選(任期2年)される下院では、実際競い合っているのは全体の1割程度でしかない(『USニューズ&ワールド・レポート』2024年9月27日付電子版)。そのため、日本や欧州でみられるような大政党が大敗するという事態は生じない。

  米国では大統領選は全国での得票数を競うのではなく、州単位で勝った候補が(ほぼ人口に比例にして)州に割り当てられる選挙人全員を獲得し、その総数で当落が決まるため、全国での得票数で勝っても当選できるとは限らず、その裏返しとして、得票数で負けても当選する可能性がある。実は、2000年から2020年までの6回で共和党候補が得票数で上回ったのは1回(2004年のブッシュ再選)だけで、共和党が勝った2000年(ブッシュ)と2016年(トランプ)も得票数では民主党候補が上回っていた。
  全国得票数ではなく選挙人の数で決まる制度の下、ほとんどの州でどちらの党の候補が勝つかほぼ確定しているので、実際の争いは両者の支持が拮抗する少数の激戦州で決まる。したがって、第三党候補の得票が勝敗を左右する可能性が大いにあるのだ。2020年の選挙では得票率1%未満の票差だった州が三つあり、すべてバイデンが勝った。もし逆にトランプが勝っていれば、選挙人の総数は同じであった。しかも、三州すべてで今回も立候補しているリバタリアン党候補の得票率は1%を超えていたのである。大接戦だった2000年選挙の勝敗は、わずか500票差でブッシュがフロリダ州を制したことで決まったけれど、緑の党のラルフ・ネーダーは10万票獲得しており、別の二人の候補の得票数もそれぞれ1万票を超えていた。
  要するに、米大統領選は第三党候補が選挙結果を左右する存在であるばかりでなく、全国得票数からみれば、誤差の範囲ともいえる票差で勝敗が決まるのである。
誰がトランプ支持者なのか
  さて、トランプは政界アウトサイダーとして、共和党エスタブリッシュメントに挑戦し、ある意味、「共和党をぶっ壊した」。しかし、のデータで示した通り、2020年にジョー・バイデンに再選を阻止されたトランプと、2012年に現職のオバマに敗れた共和党主流派で反トランプのミット・ロムニーは全体の得票率のみならず、カテゴリー別でみても得票率はほとんど同じであった。
  まず、ロムニーもトランプも、全体ではともに47%の得票率であった。以下「トランプ得票率(ロムニー得票率)」として記す。性別でみると、ともに男性53%(52%)が女性42%(44%)を10%前後、上回っている。また、結婚の有無では、結婚している有権者53%(56%)がしていない有権者40%(35%)を大幅に上回っている。
  人種別に見ると、白人は58%(59%)で6割が共和党候補に投票するものの、非白人では民主党候補の圧勝である。それでも、黒人は12%(6%)でトランプの得票率のほうが高く、ヒスパニックでも32%(27%)でやはりトランプの方が高かった。トランプは日本でも白人至上主義者であるかのように報道され、南部国境からの主にヒスパニックの移民制限を強く主張することから、ロムニーに比べて黒人やヒスパニックの得票率が大幅に低下したのかと言えば、全くそんなことはなく、むしろ支持を増やしているのである。
  家計収入でみると、10万ドル未満は43%(44%)、10万ドル以上は54%(54%)で、所得の低い層は民主党、高い層は共和党が強いという伝統的パターンは変わらない。トランプの支持者は白人貧困層というのが通説化しているけれども、豊かな白人はトランプ支持を公言しないだけで、実際には投票しているということである。ただし、通説も全く誤りというわけではない。白人の学歴別でみると、非大卒は67%(61%)でトランプの方が高い一方、大卒は48%(56%)でトランプの方が低かった。とはいえ、大卒でも半分はトランプを支持しているのである。所得が高く、学歴が高いほど、「隠れトランプ」が多いのだ。
  データが示すのは、米国有権者の投票パターンが候補者の個性や主張にそれほど影響されないという、米国政治の安定性である。
政治に無関心な米国人
  米国政治について語るうえで忘れてはならないのは、そもそも米国人は一般的に政治に興味がないことである。もっとも関心が高い選挙である大統領選でも、この半世紀で投票率が6割を超えたのは、前回2020年だけである。さらに、より重大な問題として、産経本紙拙稿(2021年12月30日付朝刊)で論じたように、米国人は自国政治について驚くほど無知なのだ。たとえば、オバマ政権下の2014年中間選挙前の世論調査での、上院・下院それぞれ多数党はどちらかという質問に、上院も下院も、正答4割、誤答2割、わからない4割であった(正答は上院が民主党、下院が共和党)。選択肢が二党しかないなか、正答の多くが当てずっぽうだったと思われるので、本当に知っていたのは2~3割であろう。より身近な経済問題でも、失業率はいくらかという4択の質問(3、6、9、12%)で、正答(6%)3割、誤答5割、わからない2割であった。誤答のほとんどが9か12%だったので、正答から当てずっぽうの分を差し引けば、有権者の大半が実態より経済状態が悪い(失業率が高い)と誤って認識していたか、どんな状況か知らなかったことになる。
  米国では憲法上、州そして議会や裁判所の権限が大きいため、内政における大統領の裁量の余地はそれほど大きくない。一方、米国以外にも大きな影響を与える軍事介入も含めた外交は、大統領の専権事項といってよい。しかし、その大統領が、ここで示したように、政治に無知な国民のパターン化された投票行動の下、ごく少数の有権者の気まぐれに左右されて選ばれるという現実を前提として、米国政治を語る必要があることだけは確かである。(敬称略)(月刊「正論」12月号から)

ふくい・よしたか
  青山学院大学教授。昭和37年生まれ。東京大学法学部卒業。米カーネギー・メロン大学Ph.D.。

月刊正論について
  日本の自由な社会と健全な民主主義を守るという信条に基づき、昭和48(1973)年10月に創刊した雑誌「正論」は、創刊50年を迎えました。「多数意見に迎合せず、また少数意見におもねず(ママ)、真に国民のための世論提起が本誌の願い」との創刊時の信念を受け継いできました。政治、経済、社会、国際問題から文化までの幅広い分野で、執筆陣が多角的な視点から主張を展開します。


2024.08.10.-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240810-6NEU2ESWDVOA7F2Q5XWVEQFHNQ/
米、対ベラルーシ追加制裁 大統領専用機差し押さえ 企業など14団体と19個人

  米政府は9日、ウクライナ侵攻を続けるロシアに軍事支援をしているとして、ベラルーシに拠点がある企業など14団体と19個人を制裁対象に追加した。米国内の資産を凍結する。強権支配を続けるルカシェンコ大統領の専用機1機を差し押さえの対象にした。

  米国と英国、カナダと欧州連合(EU)は、不正が指摘された2020年のベラルーシ大統領選から4年となった9日に共同声明を発表した。ルカシェンコ政権が「弾圧を続けている」と非難し、約1400人の政治犯の即時釈放を要求した。(共同)


2024.07.18-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240718-SVJH3G6DHBOKNMM5UMQWT4HCSY/
米共和党バンス氏の「英国は核保有したイスラム主義国家」発言に英与野党が猛反発

  【ロンドン=黒瀬悦成】米共和党全国大会で大統領選の同党副大統領候補に選ばれたバンス上院議員スターマー英労働党政権を「核兵器を持ったイスラム主義国家」と呼んだことに対し、英政界で反発が広がっている。11月の大統領選でバンス氏とトランプ前大統領が勝利した場合、これまで「テロとの戦い」やロシアに侵略されたウクライナへの支援で緊密に連携してきた米英の「特別な関係」に亀裂が入りかねないとの懸念も出始めた。

  バンス氏の発言は、ワシントンで先週開かれた保守派の会合で飛び出した。これに対し、パキスタン移民の子孫である保守党のワルシ上院議員は英紙インディペンデント(電子版)への寄稿で「バンス氏は無知な人種差別発言で英国をおとしめた」非難した。
  労働党のレーナー副首相はテレビ番組でバンス氏の認識を否定し「彼は過去にも多くの低俗な発言をしてきた」と一蹴した。
  影の退役軍人相を務める保守党のボウイ下院議員も「労働党の同僚たちに対して極めて侮辱的だ」と強く批判した。
  英メディアの間では労働党所属のイスラム教徒のカーン・ロンドン市長(労働党)が過去にトランプ氏を「差別主義者」と批判したことへの意趣返しだとする指摘もある。
  一方、トランプ氏の友人として知られる右派政党「リフォームUK」のファラージ議員はバンス氏の発言に同意しないとしつつ「労働党政権の外にイスラム主義者がいるのは事実だ」と主張した。


2024.07.17-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240717-W3NK4YQMTNOTFA23DZAH7TFNWE/
米軍、IS44人を殺害、166人拘束 イラクとシリアで1~6月

  米中央軍16日、イラクとシリアで1~6月に実施した過激派組織「イスラム国」(IS)に対する米主導の作戦が196回に上ったと発表した。ISメンバー44人を殺害し、166人を拘束した。(共同)


2024.07.16-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240716-NNWSXELZKFJZHGTYO2CHYHUBOY/
ヘイリー元国連大使が共和党大会出席へ トランプ氏銃撃事件で結束訴えか 米メディア報道

  【ミルウォーキー=渡辺浩生】米中西部ウィスコンシン州ミルウォーキーで15日開幕する共和党全国大会に、トランプ前大統領と大統領選の党候補指名を争ったヘイリー元国連大使が出席することが明らかになった。米ブルームバーグ通信など複数のメディアが報じた。

  トランプ氏は、13日に東部ペンシルベニア州の選挙集会で演説中に銃撃された事件を受け「結束がかつてなく重要なときだ」とSNS投稿を通じて訴えている
  ヘイリー氏の出席もトランプ氏が自ら要請したとされる。ヘイリー氏は大会2日目の16日にスピーチし、トランプ氏支持と党内融和を訴えるとみられる。
  ヘイリー氏は11月の大統領選に向けて1月から始まった予備選・党員集会でトランプ氏と候補指名を競い、3月に撤退。しかし、その後の予備選でも一定の得票を続けて存在感を見せた。トランプ氏にとり、無党派層を含めヘイリー氏を支持する「反トランプ票」の獲得が、本選の課題となっている。


2024.07.03-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240703-YJFAHXNQNFMFPIQC3OFWFRFS2I/
バイデン氏討論会の「衝撃波」 中露や北朝鮮などが挑発に出る危険も浮上 米専門家

  【ワシントン=渡辺浩生】バイデン米大統領が6月27日の討論会で顕著な衰えを露呈したことは、米国外交を指揮する大統領の指導力への対外的な信認の低下を招き、結託を強める中国やロシア、北朝鮮、イランといった現状変更勢力に新たな挑発や干渉の隙を与えかねない、との見方が出ている。

  討論会後、本人や家族、陣営幹部は選挙戦の継続を訴え、大口寄付者や民主党支持層に広がる選挙戦撤退論を抑えるのに躍起になっている。
  だが、同盟諸国にも不安は広がっている。米国際政治学者のウォルター・ラッセル・ミード氏は1日の米紙ウォールストリート・ジャーナルのコラムで、同盟諸国に「バイデン氏の討論会のパフォーマンスは衝撃波をも送った」と指摘した。
  ブリンケン国務長官は1日、米シンクタンクの行事に出演し、「世界中の世論調査をみれば、米国の指導力への信頼度は(現政権発足後の)過去3年半で劇的に向上した」と強調した。今回の討論会を契機に、世界秩序を主導する米国の指導力への不安払拭に努めた形だ。
  しかし、ミード氏は「討論はバイデン政権の耐久力と指導力の両方の信任をむしばんでいる」と指摘。大統領は脆(ぜい)弱(じゃく)だとの認識が拡散する最悪のシナリオとして「外国指導者が(軍事力を含む)米国のパワーに挑戦する」ことを挙げた。
  ミード氏が先例として挙げたのは、ブッシュ元大統領が2期目末期の2008年、金融危機への対処に追われていたさなかにプーチン露大統領が踏み切ったジョージア侵攻だ。大統領選があった年でもある。
  討論会で、バイデン氏はトランプ前大統領から外交・安全保障で追及を受けた。トランプ氏は「われわれは、第三次世界大戦に誰が想像するよりも近づいている。彼(バイデン氏)はわれわれをそこに追い込もうとしている」とたたみかけた。
  誇張は否めないが、狙いは、2021年のアフガニスタンからの米軍撤退が招いた混乱、翌22年のロシアのウクライナ侵略の抑止失敗から連想されるバイデン氏の「弱腰」の外交姿勢の危うさを追及することにある。
  ミード氏を含む保守系の外交専門家は、現政権下で中露、北朝鮮、イランの現状変更勢力に対する米国の抑止力が低下したことを一貫して問題視してきた。討論会後の米国政治と指導力を巡る未曽有の混乱が抑止力を一段と弱めた可能性がある。プーチン氏、中国の習近平国家主席、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記ら「悪の枢軸」の指導者が現状変更を狙って「劇的な動きに出る」(ミード氏)リスクは無視できない







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