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SDGs-持続可能な開発-1


2023.09.18-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20230918-U4LRKPGHTZM3HAVSVTD2YPBZPY/
SDGs「危機的状況」 国連 政治宣言採択

  国連は18日、2030年までの持続可能な開発目標(SDGs)に関する首脳級会合を開き、「達成は危機的状況にある」と強調し、各国が政策の推進と国際協調を約束する政治宣言を採択した。新型コロナウイルスやロシアによるウクライナ侵攻の影響で進展が妨げられており、政治宣言の採択で取り組みの機運を再び高め、挽回を図る

  政治宣言に拘束力はない。宣言は「貧困撲滅が最大の課題だ」とし、発展途上国で新型コロナ流行の影響が長期化しているため、財政支援が急務だとしている。
  会合冒頭、グテレス国連事務総長は「SDGsは単なる目標の羅列ではない。人々の希望と夢、期待が込められている」と述べ、各国に一層の努力を要請した。
  SDGsは貧困と飢餓の撲滅、教育の普及、ジェンダー平等など17分野で169項目の目標を定める。15年に採択され、今年は達成に向けた15年間の中間年に当たる。(共同)


2021.04.24-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/premium/news/210424/prm2104240002-n1.html
使い捨てカイロ捨てずに再利用 大阪発SDGsな水質浄化
(1)
  寒い冬に欠かせない使い捨てカイロを再利用し、海や川、湖の水をきれいにしようとしているベンチャー企業がある。カイロの袋に入っている鉄分が、水質の環境改善に役立つという大学の研究成果を実用化。2025(令和7)年の大阪・関西万博の会場となる人工島、夢洲(ゆめしま、大阪市此花区)周辺の水質浄化も視野に入れる。(西川博明)

鉄粒が秘める力
  「これがカイロの鉄分を固めた粒で、水をきれいにしてくれるんです」
  環境ベンチャー「GoGreenGroup」(ゴーグリーングループ、大阪市中央区)の山下崇社長(46)が見せてくれたのは、ペットフードのような黒い粒。これこそ、水質を改善する“魔法の鉄粒”の正体だ。
  社名から「GoGreenCube(ゴーグリーンキューブ)」と名付けられたこの鉄粒は、カイロの袋に入っている鉄と炭の粉に有機酸を混ぜ、粒状に圧縮加工したもの。水に入れると鉄が硫化水素やリン酸などと化学反応し、海や川、湖などのヘドロや悪臭を減らしたり、プランクトンの大量発生(富栄養化)を防いだりする効果があるという。
  東京海洋大の佐々木剛教授が、こうした化学反応の仕組みを解明。同社は教授から技術協力の約束を取り付けて事業化した。
  同社は平成30年4月創業で、社員は山下社長ただ一人。鉄粒の水質浄化の効果を確かめる実証実験を兵庫県内のゴルフ場で重ねてきた。広さ160平方メートルの池に投げ込んだ鉄粒の量は計約200キロ。「地中のヘドロが4分の1に減るなどの効果がみられた」といい、山下社長は小さな鉄粒が持つ力に自信を深める。

量産体制構築へ
  創業のきっかけは平成27年ごろにさかのぼる。当時は父から経営を引き継いだコンビニエンスストアのオーナーを務めており、アルバイトの中国人留学生の女性がある日、母国へ帰省する前に大量に使い捨てカイロを購入していたのが目に留まった。
  「寒い中国なので、母が喜んでくれます」 「親孝行やね」 そんな会話をきっかけにカイロのことが気になり、インターネットで調べ始めたという。
(2)
  コンビニ経営では日々、弁当など食品の廃棄ロスがあり「罪悪感があった。バチが当たるなと思い、地球に良いことをしたいと思っていた矢先だった」と山下社長。29年にはネットで知った佐々木教授のもとを訪ね、技術協力の約束が得られたことから事業化を決断した。
  山下社長は、(1)カイロの回収(原材料の仕入れ)(2)鉄粒の加工(製造)(3)鉄粒の販売-というビジネスモデルを考案。企画書を携えてビジネスセミナーなどに顔を出し、アイデアを披露することで協力者が増え、会社の資本金を寄付してくれる人も現れた。早ければ4月中にも、東大阪市にある協力者の工場の空きスペースを間借りする形で新工場を立ち上げ、量産体制を整える予定だ。
  事業化に向けては、鉄粒の原材料となる使い捨てカイロをいかにして仕入れるかが課題だ。山下社長は「メーカーから不要なカイロを引き取ったり、コンビニやドラッグストアの店頭で使用済みカイロを回収したりできるよう交渉を進めている」と明かす。
学校から寄付も
  同府東大阪市の樟蔭高校では今年2月、ボランティア団体の生徒らの呼びかけでカイロ628個を回収。同社へ寄付した。3年の酒井結菜(ゆいな)さん(17)と大平洸(ひかる)さん(17)は「大阪湾や道頓堀川をきれいにしてほしい」と語り、今後も協力を続ける考えだ。
  同社にはこうして50校以上の学校からカイロの寄付が寄せられており、山下社長は「生徒の学びになるとは想像しておらず、感謝しかない。事業を行う意義を感じている」と喜ぶ。今後は学校や自治体などと手を組んで水質浄化のプロジェクトを具体化させ、鉄粒の販売によって収益化を図る経営計画を立てている。
  目標の一つとして、大阪・関西万博への貢献を掲げる山下社長。会場の夢洲が浮かぶ大阪湾の「水質浄化に役立てないか」と模索しながら、大阪発の技術を世界へ発信しようと考えている。
  同社によると、使い捨てカイロには目立った再利用方法がなく、これまでは文字通り廃棄処分されるだけだった。しかし、同社の事業が徐々に知られるようになると、国連が提唱する持続可能な開発目標「SDGs」にもつながる取り組みとして、全国の自治体や学校などから問い合わせが相次いでいる。

  同府東大阪市の樟蔭高校では今年2月、ボランティア団体の生徒らの呼びかけでカイロ628個を回収。同社へ寄付した。3年の酒井結菜(ゆいな)さん(17)と大平洸(ひかる)さん(17)は「大阪湾や道頓堀川をきれいにしてほしい」と語り、今後も協力を続ける考えだ。
  同社にはこうして50校以上の学校からカイロの寄付が寄せられており、山下社長は「生徒の学びになるとは想像しておらず、感謝しかない。事業を行う意義を感じている」と喜ぶ。今後は学校や自治体などと手を組んで水質浄化のプロジェクトを具体化させ、鉄粒の販売によって収益化を図る経営計画を立てている。
  目標の一つとして、大阪・関西万博への貢献を掲げる山下社長。会場の夢洲が浮かぶ大阪湾の「水質浄化に役立てないか」と模索しながら、大阪発の技術を世界へ発信しようと考えている。



持続可能な開発目標
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


持続可能な開発目標英語: Sustainable Development Goals: SDGs〈エスディージーズ〉)とは国連持続可能な開発のための国際目標であり、17のグローバル目標と169のターゲット(達成基準)から成る
  2015年9月の国連総会で採択された我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ』と題する成果文書で示された2030年に向けた具体的行動指針で、2015年までの達成を目指していたミレニアム開発目標 (MDGs: Millennium Development Goals)が継承されている。

概要
  2015年9月25日の国連総会において、持続可能な開発のために必要不可欠な、向こう15年間の新たな行動計画として「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択された。
  この中に持続可能な開発目標 (SDGs)と17のグローバル目標・169のターゲットが示され、次のようなものであるとされている。
  ・ミレニアム開発目標 (MDGs)を基にして、MDGsが達成できなかったものを実現することを目指す。
  ・すべての人々の人権を実現し、ジェンダー平等と全ての女性と女児の能力強化を達成することを目指す。
  ・統合され、不可分のもので、持続可能な開発の三側面、経済・社会・環境を調和させる。
  ・人類及び地球にとり極めて重要な分野で、向こう15年間にわたり行動を促進する。
各国がこれらの目標とターゲットを実施するために、次のローカライズ(地域化)の前提やプロセスを必要とする。
  ・目標を地域化する上で、SDGsとグローバル目標・ターゲットは一体のもので分割できない。
  ・地球規模、全ての国に対応が求められる。
  ・ターゲットは各国政府が定める。その際、地球規模レベルでの目標を踏まえつつ、各国の置かれた状況を念頭に行う。
  ・各々の政府は、これら高い目標を掲げるグローバルなターゲットを、具体的な国家計画プロセスや政策、戦略に反映していく。
  ・持続可能な開発が経済、社会、環境分野の進行中のプロセスとリンクしていることをよく踏まえておく。
  ・最も脆弱な国々が直面している特別な課題とともに、中所得国が直面している特有の課題、 紛争下にある国々も特別な配慮が必要である。
  ・それぞれの国が置かれた状況及び優先事項により、アプローチ、ビジョン、モデルや利用可能な手段が変わる。
実施手段については以下が示されている。
  ・世界的連帯、特に、貧しい人々や脆弱な状況下にある人々に対する連帯の精神の下で機能する「グローバル・パートナーシップ」が必要。
  :「グローバル・パートナーシップ」の下、政府や民間セクター、市民社会、国連機関、その他の主体等全てを動員する。
  ・アディスアベバ行動目標の十分な実施が不可欠。
  ・国家・政府・公共機関・国会議員・民間セクター(小規模企業から多国籍企業、協同組合、市民社会組織や慈善団体等)ODA・国際金融機関それぞれの役割がある。
グローバル目標(17の分野別の目標と、169項目のターゲット(達成基準)が盛り込まれている。)
 17の目標(以下の17の目標がある。)
  1貧困をなくす…「あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる」
  2飢餓をゼロに…「飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する」
  3人々に保健福祉を…「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」
  4質の高い教育をみんなに…「すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する」
  5ジェンダー平等を実現しよう …「ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う」
  6安全なトイレを世界中に …「すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する」
  7エネルギーをみんなに、そしてクリーンに…「すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する」
  8働きがいも経済成長も … 「包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する」
  9産業技術革新の基盤をつくろう …「強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る」
  10人や国の不平等をなくそう …「各国内及び各国間の不平等を是正する」
  11住み続けられるまちづくりを「包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する」
  12つくる責任つかう責任 …「持続可能な生産消費形態を確保する」
  13気候変動に具体的な対策を …「気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる
  14の豊かさを守ろう …「持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する」
  15の豊かさも守ろう …「陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣  16化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する」
  17平和公正をすべての人に …「持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する」
  18パートナーシップで目標を達成しよう (Partnership)…「持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する」
各目標に付随する169のターゲット項目(アジェンダ:)
あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる
  1 2030年までに、現在「1日1.25ドル未満で生活する人々」と定義されている極度の貧困を、あらゆる場所で終わらせる。
  2 2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、すべての年齢の男性、女性、子どもの割合を半減させる。
  3 各国において最低限の基準を含む適切な社会保護制度及び対策を実施し、2030年までに貧困層及び脆弱層に対し十分な保護を達成する。
  4 2030年までに、貧困層及び脆弱層をはじめ、すべての男性及び女性が、基礎的サービスへのアクセス、土地及びその他の形態の財産に対する所有権と管理権限、相続財産、 天然資源、適切な新技術、マイクロファイナンスを含む金融サービスに加え、経済的資源についても平等な権利を持つことができるように確保する。
  5 2030年までに、貧困層や脆弱な状況にある人々の強靱性(レジリエンス)を構築し、気候変動に関連する極端な気象現象やその他の経済、社会、環境的ショックや災害に暴露や脆弱性を軽減する。

   6-a あらゆる次元での貧困を終わらせるための計画や政策を実施するべく、後発開発途上国をはじめとする開発途上国に対して適切かつ予測可能な手段を講じるため、開発協力の強化などを通じて、さまざまな供給源からの相当量の資源の動員を確保する。
   6-b 貧困撲滅のための行動への投資拡大を支援するため、国、地域及び国際レベルで、貧困層やジェンダーに配慮した開発戦略に基づいた適正な政策的枠組みを構築する。
2: 飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する
     1 2030年までに、飢餓を撲滅し、すべての人々、特に貧困層及び幼児を含む脆弱な立場にある人々が一年中安全かつ栄養のある食料を十分得られるようにする。
    .2 5歳未満の子どもの発育阻害や消耗性疾患について国際的に合意されたターゲットを2025年までに達成するなど、2030年までにあらゆる形態の栄養不良を解消し、若年女子、妊婦・授乳婦及び高齢者の栄養ニーズへの対処を行う。
    .3 2030年までに、土地、その他の生産資源や、投入財、知識、金融サービス、市場及び高付加価値化や非農業雇用の機会への確実かつ平等なアクセスの確保などを通じて、女性、先住民、家族農家、牧畜民及び漁業者をはじめとする小規模食料生産者の農業生産性及び所得を倍増させる。
    .4 2030年までに、生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象現象、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する。
    .5 2020年までに、国、地域及び国際レベルで適正に管理及び多様化された種子・植物バンクなども通じて、種子、栽培植物、飼育・家畜化された動物及びこれらの近縁野生種の遺伝的多様性を維持し、国際的合意に基づき、遺伝資源及びこれに関連する伝統的な知識へのアクセス及びその利用から生じる利益の公正かつ衡平な配分を促進する。

    .a 開発途上国、特に後発開発途上国における農業生産能力向上のために、国際協力の強化などを通じて、農村インフラ、農業研究・普及サービス、技術開発及び植物・家畜のジーン・バンクへの投資の拡大を図る。
    .b ドーハ開発ラウンドの決議に従い、すべての形態の農産物輸出補助金及び同等の効果を持つすべての輸出措置の並行的撤廃などを通じて、世界の農産物市場における貿易制限や歪みを是正及び防止する。
    .c 食料価格の極端な変動に歯止めをかけるため、食料市場及びデリバティブ市場の適正な機能を確保するための措置を講じ、食料備蓄などの市場情報への適時のアクセスを容易にする。
3: あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する
  3.1 2030年までに、世界の妊産婦の死亡率を出生10万人当たり70人未満に削減する。
  3.2 すべての国が新生児死亡率を少なくとも出生1,000件中12件以下まで減らし、5歳以下死亡率を少なくとも出生1,000件中25件以下まで減らすことを目指し、2030年までに、新生児及び5歳未満児の予防可能な死亡を根絶する。
  3.3 2030年までに、エイズ結核マラリア及び顧みられない熱帯病といった伝染病を根絶するとともに肝炎、水系感染症及びその他の感染症に対処する。
  3.4 2030年までに、非感染性疾患 (NCD)[注釈 4]による若年死亡率を、予防や治療を通じて3分の1減少させ、精神保健及び福祉を促進する。
  3.5 薬物乱用やアルコールの有害な摂取を含む、物質乱用の防止・治療を強化する。
  3.6 2020年までに、世界の道路交通事故による死傷者を半減させる。
  3.7 2030年までに、家族計画、情報・教育及び性と生殖に関する健康の国家戦略・計画への組み入れを含む、性と生殖に関する保健サービスをすべての人々が利用できるようにする。
  3.8 すべての人々に対する財政リスクからの保護、質の高い基礎的な保健サービスへのアクセス及び安全で効果的かつ質が高く安価な必須医薬品ワクチンへのアクセスを含む、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ (UHC)を達成する。
  3.9 2030年までに、有害化学物質、ならびに大気、水質及び土壌の汚染による死亡及び疾病の件数を大幅に減少させる。

  3.a すべての国々において、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約の実施を適宜強化する。
  3.b 主に開発途上国に影響を及ぼす感染性及び非感染性疾患のワクチン及び医薬品の研究開発を支援する。また、知的所有権の貿易関連の側面に関する協定 (TRIPS協定)及び公衆の健康に関するドーハ宣言に従い、安価な必須医薬品及びワクチンへのアクセスを提供する。同宣言は公衆衛生保護及び、特にすべての人々への医薬品のアクセス提供にかかわる「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定 (TRIPS協定)」の柔軟性に関する規定を最大限に行使する開発途上国の権利を確約したものである。
  3.c 開発途上国、特に後発開発途上国[注釈 5]及び小島嶼開発途上国において保健財政及び保健人材の採用、能力開発・訓練及び定着を大幅に拡大させる。
  3.d すべての国々、特に開発途上国の国家・世界規模な健康危険因子の早期警告、危険因子緩和及び危険因子管理のための能力を強化する。
4: すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
  4.1 2030年までに、すべての子どもが男女の区別なく、適切かつ効果的な学習成果をもたらす、無償かつ公正で質の高い初等教育及び中等教育を修了できるようにする。
  4.2 2030年までに、すべての子どもが男女の区別なく、質の高い乳幼児の発達・ケア及び就学前教育にアクセスすることにより、初等教育を受ける準備が整うようにする。
  4.3 2030年までに、すべての人々が男女の区別なく、手の届く質の高い技術教育・職業教育及び大学を含む高等教育への平等なアクセスを得られるようにする。
  4.4 2030年までに、技術的・職業的スキルなど、雇用、働きがいのある人間らしい仕事及び起業に必要な技能を備えた若者と成人の割合を大幅に増加させる。
  4.5 2030年までに、教育におけるジェンダー格差を無くし、障害者、先住民及び脆弱な立場にある子どもなど、脆弱層があらゆるレベルの教育や職業訓練に平等にアクセスできるようにする。
  4.6 2030年までに、すべての若者及び大多数(男女ともに)の成人が、読み書き能力及び基本的計算能力を身に付けられるようにする。
  4.7 2030年までに、持続可能な開発のための教育及び持続可能なライフスタイル、人権、男女の平等、平和及び非暴力的文化の推進、グローバル・シチズンシップ、文化多様性と文化の持続可能な開発への貢献の理解の教育を通して、全ての学習者が、持続可能な開発を促進するために必要な知識及び技能を習得できるようにする。

  4.a 子ども、障害及びジェンダーに配慮した教育施設を構築・改良し、すべての人々に安全で非暴力的、包摂的、効果的な学習環境を提供できるようにする。
  4.b 2020年までに、開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国、ならびにアフリカ諸国を対象とした、職業訓練、情報通信技術 (ICT)、技術・工学・科学プログラムなど、先進国及びその他の開発途上国における高等教育の奨学金の件数を全世界で大幅に増加させる。
  4.c 2030年までに、開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国における教員研修のための国際協力などを通じて、質の高い教員の数を大幅に増加させる。
5: ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う
  5.1 あらゆる場所におけるすべての女性及び女児に対するあらゆる形態の差別を撤廃する。
  5.2 人身売買や性的、その他の種類の搾取など、すべての女性および女子に対する、公共・私的空間におけるあらゆる形態の暴力を排除する。
  5.3 未成年者の結婚、早期結婚、強制結婚、および女性器切除など、あらゆる有害な慣行を撤廃する。
  5.4 公共のサービス、インフラ、および社会保障政策の提供、ならびに各国の状況に応じた世帯・家族内における責任分担を通じて、無報酬の育児・介護や家事労働を認識・評価する。
  5.5 政治、経済、公共分野でのあらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な女性の参加および平等なリーダーシップの機会を確保する。
  5.6 国際人口開発会議 (ICPD)の行動計画および北京行動綱領、ならびにこれらの検討会議の成果文書に従い、性と生殖に関する健康および権利への普遍的アクセスを確保する。

  5.a 女性に対し、経済的資源に対する同等の権利、ならびに各国法に従い、オーナーシップ、および土地その他の財産、金融サービス、相続財産、天然資源に対するアクセスを与えるための改革に着手する。
  5.b 女性のエンパワーメント促進のため、ICTをはじめとする実現技術の活用を強化する。
  5.c ジェンダ平等の促進、ならびにすべての女性および女子のあらゆるレベルでのエンパワーメントのための適正な政策および拘束力のある法規を導入・強化する。
6: すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する

  6.1 2030年までに、すべての人々の、安全で安価な飲料水の普遍的かつ平等なアクセスを達成する。
  6.2 2030年までに、すべての人々の、適切かつ平等な下水施設・衛生施設へのアクセスを達成し、野外での排泄をなくす。女性および女子、ならびに脆弱な立場にある人々のニーズに特に注意を向ける。
  6.3 2030年までに、汚染の減少、有害な化学物質や物質の投棄削減と最小限の排出、未処理の下水の割合半減、およびリサイクルと安全な再利用を世界全体で大幅に増加させることにより、水質を改善する。
  6.4 2030年までに、全セクターにおいて水の利用効率を大幅に改善し、淡水の持続可能な採取および供給を確保し水不足に対処するとともに、水不足に悩む人々の数を大幅に減少させる。
  6.5 2030年までに、国境を越えた適切な協力を含む、あらゆるレベルでの統合的な水資源管理を実施する。
  6.6 2020年までに、山地、森林、湿地、河川、帯水層、湖沼などの水に関連する生態系の保護・回復を行う。

  6.a 2030年までに、集水、海水淡水化、水の効率的利用、廃水処理、リサイクル・再利用技術など、開発途上国における水と衛生分野での活動や計画を対象とした国際協力とキャパシティ・ビルディング支援を拡大する。
  6.b 水と衛生に関わる分野の管理向上への地域コミュニティの参加を支援・強化する。
7: すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する
  7.1 2030年までに、安価かつ信頼できる現代的エネルギーサービスへの普遍的アクセスを確保する。
  7.2 2030年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合[注釈 6]を大幅に拡大させる。
  7.3 2030年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる。

  7.a 2030年までに、再生可能エネルギー、エネルギー効率、および先進的かつ環境負荷の低い化石燃料技術などのクリーンエネルギーの研究および技術へのアクセスを促進するための国際協力を強化し、エネルギー関連インフラとクリーンエネルギー技術への投資を促進する。
  7.b 2030年までに、各々の支援プログラムに沿って開発途上国、特に後発開発途上国および小島嶼開発途上国、内陸開発途上国のすべての人々に現代的で持続可能なエネルギーサービスを供給できるよう、インフラ拡大と技術向上を行う。
8: 包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する
  8.1 各国の状況に応じて、一人当たり経済成長率を持続させる。特に後発開発途上国は少なくとも年率7%の成長率を保つ。
  8.2 高付加価値セクターや労働集約型セクターに重点を置くことなどにより、多様化、技術向上およびイノベーションを通じた高いレベルの経済生産性を達成する。
  8.3 生産活動や適切な雇用創出、起業、創造性、およびイノベーションを支援する開発重視型の政策を促進するとともに、金融サービスへのアクセス改善などを通じて中小零細企業[13]の設立や成長を奨励する。
  8.4 2030年までに、世界の消費と生産における資源効率を漸進的に改善させ、先進国主導の下、持続可能な消費と生産に関する10カ年計画枠組みに従い、経済成長と環境悪化の分断を図る。
  8.5 2030年までに、若者や障害者を含むすべての男性および女性の、完全かつ生産的な雇用およびディーセント・ワーク、ならびに同一労働同一賃金を達成する。
  8.6 2020年までに、就労、就学、職業訓練のいずれも行っていない若者の割合を大幅に減らす。
  8.7 強制労働を根絶し、現代の奴隷制、人身売買を終わらせるための迅速で効果的措置の実施、最も劣悪な形態の児童就労の禁止・撲滅を保障する。2025年までに少年兵の徴募や利用を含むあらゆる形態の児童就労[注釈 7]を撲滅する。
  8.8 移住労働者、特に女性の移住労働者や不安定な雇用状態にある労働者など、すべての労働者の権利を保護し、安全・安心な労働環境を促進する。
  8.9 2030年までに、雇用創出、地元の文化・産品の販促につながる持続可能な観光業を促進するための政策を立案し実施する。
  8.10 国内の金融機関の能力を強化し、すべての人々の銀行取引、保険、および金融サービスへのアクセス拡大を促進する。

  8.a 後発開発途上国のための拡大統合フレームワークなどを通じて、開発途上国、特に後発開発途上国に対する貿易のための援助を拡大する。
  8.b 2020年までに、若年雇用のための世界的戦略および国際労働機関 (ILO)の仕事に関する世界協定の実施を展開・運用化する。
9: 強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る
  9.1 質が高く信頼できる持続可能かつレジリエントな地域・越境インフラなどのインフラを開発し、すべての人々の安価なアクセスに重点を置いた経済発展と人間の福祉を支援する。
  9.2 包摂的かつ持続可能な産業化を促進し、2030年までに各国の状況に応じて雇用およびGDPに占める産業セクターの割合を大幅に増加させる。後発開発途上国については同割合を倍増させる。
  9.3 特に開発途上国における小規模の製造業その他の企業の、安価な資金貸付などの金融サービスやバリューチェーンおよび市場への統合へのアクセスを拡大する。
  9.4 2030年までに、資源利用効率の向上とクリーン技術および環境に配慮した技術・産業プロセスの導入拡大を通じたインフラ改良や産業改善により、持続可能性を向上させる。すべての国々は各国の能力に応じた取り組みを行う。
  9.5 2030年までにイノベーションを促進させることや100万人当たりの研究開発従事者数を大幅に増加させ、また官民研究開発の支出を拡大させるなど、開発途上国をはじめとするすべての国々の産業セクターにおける科学研究を促進し、技術能力を向上させる。

  9.a アフリカ諸国、後発開発途上国、内陸開発途上国および小島嶼開発途上国への金融・テクノロジー・技術的支援の強化を通じて、開発途上国における持続可能かつレジリエントなインフラ開発を促進させる。
  9.b 産業の多様化や商品への付加価値創造などに資する政策環境の確保などを通じて、開発途上国の国内における技術開発、研究およびイノベーションを支援する。
  9.c 後発開発途上国において情報通信技術へのアクセスを大幅に向上させ、2020年までに普遍的かつ安価なインターネット・アクセスを提供できるよう図る。10: 各国内及び各国間の不平等を是正する
  10.1 2030年までに、各国の所得下位40%の所得成長率について、国内平均を上回る数値を漸進的に達成し、持続させる。
  10.2 2030年までに、年齢、性別、障害、人種、民族、出自、宗教、あるいは経済的地位その他の状況に関わりなく、すべての人々のエンパワーメント、および社会的、経済的、および政治的な包含を促進する。
  10.3 差別的な法律、政策、および慣行の撤廃、ならびに適切な関連法規、政策、行動の促進などを通じて、機会均等を確保し、成果の不平等を是正する。
  10.4 税制、賃金、社会保障政策をはじめとする政策を導入し、平等の拡大を漸進的に達成する。
  10.5 世界金融市場と金融機関に対する規制とモニタリングを改善し、こうした規制の実施を強化する。
  10.6 グローバルな国際経済・金融制度の意思決定における開発途上国の参加や発言力を拡大させることにより、より効果的で信用力があり、説明責任のある正当な制度を実現する。
  10.7 計画に基づき良く管理された人の移動政策の実施などを通じて、秩序の取れた、安全で一定的かつ責任ある移動やモビリティーを促進する。

  10.a 世界貿易機関 (WTO)の協定に従い、後発開発途上国をはじめとして、開発途上国に対する差異のある特別な待遇の原則を実施する。
  10.b 後発開発途上国、アフリカ諸国、小島嶼開発途上国および内陸開発途上国をはじめとするニーズが最も大きい国々を対象に、各国の計画やプログラムに従って、政府開発援助 (ODA)および外国直接投資を含む資金フローを促進する。
  10.c 2030年までに、移動労働者による送金コストを3%未満に引き下げ、コストが5%を超える送金経路を撤廃する。
11: 包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する
  11.1 2030年までに、すべての人々の、適切、安全かつ安価な住宅および基本的サービスへのアクセスを確保し、スラムを改善する。
  11.2 2030年までに、脆弱な立場にある人々、女性、子ども、障害者、および高齢者のニーズに特に配慮し、公共交通機関の拡大などを通じた交通の安全性改善により、すべての人々に、安全かつ安価で容易に利用できる、持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する。
  11.3 2030年までに、包摂的かつ持続可能な都市化を促進し、すべての国々の参加型、包摂的かつ持続可能な人間居住計画・管理の能力を強化する。
  11.4 世界の文化遺産および自然遺産の保全・開発制限取り組みを強化する。
  11.5 2030年までに、貧困層および脆弱な立場にある人々の保護に重点を置き、水害などの災害による死者や被災者数を大幅に削減し、国内総生産比で直接的経済損失を大幅に減らす。
  11.6 2030年までに、大気質、自治体などによる廃棄物管理への特別な配慮などを通じて、都市部の一人当たり環境影響を軽減する。
  11.7 2030年までに、女性・子ども、高齢者および障害者を含め、人々に安全で包摂的かつ利用が容易な緑地や公共スペースへの普遍的アクセスを提供する。

  11.a 各国・地球規模の開発計画の強化を通じて、経済、社会、環境面における都市部、都市周辺部、および農村部間の良好なつながりを支援する。
  11.b 2020年までに、包含、資源効率、気候変動の緩和と適応、災害に対するレジリエンスを目指す総合的政策および計画を導入・実施した都市および人間居住地の件数を大幅に増加させ、仙台防災枠組2015 - 2030に沿って、あらゆるレベルでの総合的な災害リスク管理の策定と実施を行う。
  11.c 財政および技術的支援などを通じて、後発開発途上国における現地の資材を用いた、持続可能かつレジリエントな建造物の整備を支援する。
12: 持続可能な生産消費形態を確保する
  12.1 持続的な消費と生産に関する10年枠組みプログラム (10YFP)を実施し、先進国主導の下、開発途上国の開発状況や能力を勘案し、すべての国々が対策を講じる。
  12.2 2030年までに天然資源の持続可能な管理および効率的な利用を達成する。
  12.3 2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食品廃棄物を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品の損失を減少させる。
  12.4 2020年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じて化学物質やすべての廃棄物の環境に配慮した管理を達成し、大気、水、土壌への排出を大幅に削減することにより、ヒトの健康や環境への悪影響を最小限に留める。
  12.5 2030年までに、予防、削減、リサイクル、および再利用(リユース)により廃棄物の排出量を大幅に削減する。
  12.6 大企業や多国籍企業をはじめとする企業に対し、持続可能な慣行を導入し、定期報告に持続可能性に関する情報を盛り込むよう奨励する。
  12.7 国内の政策や優先事項に従って持続可能な公共調達の慣行を促進する。
  12.8 2030年までに、あらゆる場所の人々が持続可能な開発および自然と調和したライフスタイルに関する情報と意識を持つようにする。

  12.a 開発途上国に対し、より持続可能な生産消費形態を促進する科学的・技術的能力の強化を支援する。
  12.b 持続可能な開発が雇用創出、地元の文化・産品の販促につながる持続可能な観光業にもたらす影響のモニタリングツールを開発・導入する。
  12.c 破壊的な消費を奨励する非効率的な化石燃料の補助金を合理化する。これは、課税の再編や該当する場合はこうした有害な補助金の段階的廃止による環境影響の明確化などを通じ、各国の状況に応じて市場の歪みを是正することにより行うことができる。また、その際は開発途上国の特別なニーズや状況を考慮し、開発への悪影響を最小限に留め、貧困層や対象コミュニティを保護するようにする。
13: 気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる
  13.1 すべての国々において、気候変動に起因する危険や自然災害に対するレジリエンス(強靭性)および適応力を強化する。
  13.2 気候変動対策を国別の政策、戦略および計画に盛り込む。
  13.3 気候変動の緩和、適応、影響軽減、および早期警告に関する教育、啓発、人的能力および制度機能を改善する。

  13.a 重要な緩和行動や実施における透明性確保に関する開発途上国のニーズに対応するため、2020年までにあらゆる供給源から年間1,000億米ドルを共同動員するという、UNFCCCの先進締約国によりコミットメント(誓約)を実施し、可能な限り速やかに資本を投下してグリーン気候基金を本格始動させる。
  13.b 女性、若者、および社会的弱者コミュニティの重点化などを通じて、後発開発途上国における気候変動関連の効果的な計画策定や管理の能力を向上するためのメカニズムを推進する。
14: 持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する
  14.1 2025年までに、陸上活動による海洋堆積物や富栄養化をはじめ、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に減少させる。
  14.2 2020年までに、海洋および沿岸の生態系のレジリエンス強化や回復取り組みなどを通じた持続的な管理と保護を行い、大きな悪影響を回避し、健全で生産的な海洋を実現する。
  14.3 あらゆるレベルでの科学的協力の促進などを通じて、海洋酸性化の影響に対処し最小限化する。
  14.4 2020年までに、漁獲を効果的に規制して、乱獲や違法・無報告・無規制 (IUU)漁業および破壊的な漁業慣行を撤廃し、科学的情報に基づいた管理計画を実施することにより、実現可能な最短期間で水産資源を、少なくとも各資源の生物学的特性によって定められる持続的生産量のレベルまで回復させる。
  14.5 2020年までに、国内法および国際法に則り、入手可能な最適な科学的情報に基づいて、沿岸・海洋エリアの最低10%を保全する。
  14.6 2020年までに、開発途上国および後発開発途上国に対する適切かつ効果的な、差異のある特別な待遇がWTO漁業補助金交渉*の不可分の要素であるべきことを認識したうえで、過剰生産や乱獲につながる漁業補助金を禁止し、IUUにつながる補助金を撤廃し、同様の新たな補助金の導入を抑制する。
  14.7 2030年までに、漁業、水産養殖、および観光の持続可能な管理などを通じた、小島嶼開発途上国および後発開発途上国の海洋資源の持続的な利用による経済的利益を増加させる。

  14.a 海洋技術の移転に関するユネスコ政府間海洋学委員会の基準・ガイドラインを勘案し、科学的知識の増進、研究能力の開発、および海洋技術の移転を行い、開発途上国、特に小島嶼開発途上国および後発開発途上国の海洋の健全性の改善と、開発における海洋生物多様性の寄与向上を目指す。
  14.b 小規模・伝統的漁業者に対する、漁業および市場へのアクセスを提供する。
  14.c 我々が望む未来のパラグラフ158にある通り、海洋および海洋資源保全・持続的利用のための法的枠組みを規定する海洋法に関する国際連合条約 (UNCLOS)に反映されている国際法を実施することにより、海洋および海洋資源保全・持続的利用を強化する。
15: 陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する
  15.1 2020年までに、国際協定の下での義務に則って、森林、湿地、山地、および乾燥地をはじめとする陸域生態系と内陸淡水生態系およびそれらのサービスの保全、回復、および持続可能な利用を確保する。
  15.2 2020年までに、あらゆる種類の森林の持続可能な管理の実施を促進し、森林破壊を阻止し、劣化した森林を回復し、世界全体で植林と森林再生を大幅に増加させる。
  15.3 2030年までに、砂漠化に対処し、砂漠化、干ばつ、および洪水の影響を受けた土地などの劣化した土地と土壌を再生し、土地劣化に対してニュートラル(正味ゼロ)な世界の達成に尽力する。
  15.4 2030年までに生物多様性を含む山地生態系の保全を確保し、持続可能な開発にとって不可欠な便益をもたらす能力を強化する。
  15.5 自然生息地の劣化を抑制し、生物多様性の損失を阻止し、2020年までに絶滅危惧種を保護および絶滅防止するための緊急かつ重要な対策を講じる。
  15.6 国際合意に従って、遺伝資源の活用による便宜を公正かつ公平に共有できるよう推進するとともに、遺伝資源への適切なアクセスを推進する。
  15.7 保護の対象となっている動植物種の密漁および違法な取引を撲滅するための緊急対策を講じ、違法な野生生物製品の需要・供給に対処する。
  15.8 2020年までに、侵略的外来種の移入を防止し、これによる陸・海洋生態系への影響を大幅に減少させる。対策優先種の駆除または排除を行うための対策を導入する。
  15.9 2020年までに、生態系と生物多様性の価値を、国家・地域の計画策定、開発プロセスおよび貧困軽減戦略、ならびに会計に組み込む。

  15.a 生物多様性と生態系の保全と持続的な利用のために、あらゆる供給源からの資金の動員および大幅な増加を行う。
  15.b あらゆるレベルにおいてあらゆる供給源から多大な資源を動員して持続可能な森林管理の資金を調達する。また、開発途上国に対して適切なインセンティブ(刺激策)を提供し、保全や森林再生などの持続的な森林管理の向上を図る。
  15.c 地域コミュニティの能力向上を通じた持続的な生計機会の追及などにより、保護種の密猟および違法な取引を撲滅するための取り組みに対する世界的支援を強化する。
16: 持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する
  16.1 あらゆる場所において、すべての形態の暴力および暴力に関連する死亡率を大幅に減少させる。
  16.2 子どもに対する虐待、搾取、人身売買およびあらゆる形態の暴力および拷問を撲滅する。
  16.3 国家および国際的なレベルでの法の支配を促進し、すべての人々に司法への平等なアクセスを提供する。
  16.4 2030年までに、違法な資金および武器の取引を大幅に減少させ、盗難された資産の回復および返還を強化し、あらゆる形態の組織犯罪を根絶する。
  16.5 あらゆる形態の汚職や贈賄を大幅に減少させる。
  16.6 あらゆるレベルにおいて、有効で説明責任のある透明性の高い公共機関を発展させる。
  16.7 あらゆるレベルにおいて、対応的、包摂的、参加型、および代表的な意思決定を確保する。
  16.8 グローバル・ガバナンス機関への開発途上国の参加を拡大・強化する。
  16.9 2030年までに、すべての人々に出生登録を含む法的な身分証明を提供する。
  16.10 国内法規および国際協定に従い、情報への公共アクセスを確保し、基本的自由を保障する。

  16.a 特に開発途上国において、暴力の防止とテロリズム・犯罪の撲滅に関するあらゆるレベルでのキャパシティ・ビルディングのため、国際協力などを通じて関連国家機関を強化する。
  16.b 持続可能な開発のための非差別的な法規および政策を推進し、実施する。
17: 持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する
  17.1 課税および徴税能力の向上に向けた国際的な支援などを通じて、開発途上国の国内資源の動員を強化する。
  17.2 先進国は、多くの国が達成することをコミットしているODA/GNI比0.7%を開発途上国に、うち0.15~0.20%を後発開発途上国に提供することを含むODAコミットメントを完全実施する。ODA供給国が、少なくともODA/GNI 比 0.20%を後発開発途上国に提供するというターゲットを設定することを考慮することを奨励する。
  17.3 複数の財源から、開発途上国のための追加的資金源を動員する。
  17.4 必要に応じた負債による資金調達、債務救済および債務再編の促進を目的とした協調的な政策により、開発途上国の長期的な債務の持続可能性の実現を支援し、重債務貧困国 (HIPC)の対外債務への対応により債務リスクを軽減する。
  17.5 後発開発途上国のための投資促進枠組みを導入および実施する。
  17.6 科学、技術、およびイノベーションに関する北南協力、南南協力および地域的・国際的な三角協力を強化するとともにこれらへのアクセスを向上する。また、国連レベルをはじめとする既存のメカニズム間の調整改善や、グローバルな技術促進メカニズムなどを通じて、相互に合意した条件において知識共有を進める。
  17.7 開発途上国に対し、譲許的・特恵的条件などの相互に合意した有利な条件の下で、環境に配慮した技術の開発、移転、普及、および拡散を促進する。
  17.8 2017年までに、後発開発途上国のための技術バンクおよび科学・技術・イノベーション (STI)キャパシティ・ビルディング・メカニズムを完全運用させ、情報通信技術 (ICT)をはじめとする実現技術の利用を強化する。
  17.9 北南協力、南南協力および三角協力などを通じて、開発途上国における効果的かつ的をしぼったキャパシティ・ビルディングの実施に対する国際的な支援を強化し、すべての持続可能な開発目標を実施するための国家計画を支援する。
  17.10 ドーハ開発アジェンダにおける交渉完了などにより、WTOの下での普遍的でルールに基づいた、差別的でない、平等な多角的貿易システムを促進する。
  17.11 開発途上国による輸出を大幅に増加させ、特に2020年までに世界の輸出に占める後発開発途上国のシェアを倍増させる。
  17.12 WTOの決定に従い、後発開発途上国からの輸入に対する特恵的な原産地規則が透明、簡略的かつ市場アクセスに寄与するものとなるようにするなど、すべての後発開発途上国に対し、永続的な無税・無枠の市場アクセスを適時実施する。
  17.13 政策協調や政策の首尾一貫性などを通じて、世界的なマクロ経済の安定を促進する。
  17.14 持続可能な開発のための政策の一貫性を強化する。
  17.15 貧困撲滅と持続可能な開発のための政策の確立・実施にあたっては、各国の政策空間およびリーダーシップを尊重する。
  17.16 持続可能な開発のためのグローバル・パートナーシップのマルチステークホルダー・パートナーシップによる補完を促進し、それによるナレッジ、専門知識、技術、および資金源の動員・共有を通じて、すべての国々、特に開発途上国の持続可能な開発目標の達成を支援する。
  17.17 さまざまなパートナーシップの経験や資源戦略を基にした、効果的な公的、官民、市民社会のパートナーシップを奨励・推進する。
  17.18 2020年までに、後発開発途上国および小島嶼開発途上国を含む開発途上国に対するキャパシティ・ビルディング支援を強化し、所得、性別、年齢、人種、民族、居住資格、障害、地理的位置、およびその他各国事情に関連する特性別の質が高く、タイムリーかつ信頼性のある非集計型データの入手可能性を向上させる。
  17.19 2030年までに、持続可能な開発の進捗状況を測るGDP以外の尺度を開発する既存の取り組みを更に前進させ、開発途上国における統計に関するキャパシティ・ビルディング(能力構築)を支援する。

前文
  このアジェンダは人間、地球と繁栄のための行動計画である。また、これは、より多くの自由のために世界の平和を統合することを目指している。私たちは、極度の貧困を含むあらゆる形態と側面の貧困を解消することが地球規模の最大の課題であり、持続的な発展のために不可欠な要件であると認識している。
進捗状況
  2017年7月 - 国際連合の事務総長であるアントニオ・グテーレスは、SDGsに掲げられている多くの分野の前進が2030年までに達成できるペースをはるかに下回っているとし、前進を加速すべく取り組みを強化する必要があるとする国連報告書を発表した。
  2019年5月 - 国際連合の事務総長であるアントニオ・グテーレスは、経済社会理事会ECOSOCに提出する「国連持続可能な開発目標SDGs進捗報告書」を公表。首脳レベルでのSDGs進捗状況は、4年に1度の発表であるため、2015年に採択されてから初の進捗報告となった。そのため、今回の進捗状況の報告は特別注目を集めることになった。目標1から17までの各々の課題が発表されたが、全体的には目標達成のペースには至っておらず、掲げている目標を達成するには、まだまだ課題が山積みであることが明らかになった。
日本での取り組み

  日本では、企業が積極的に経営に導入するなど、多様な主体による取り組みが行われている。2015年にSDGsが採択されたのち、政府は実施向け国内の基盤整備に取り組んだ。
  日本政府は、持続可能な開発目標 (SDGs) に係る施策の実施について、全国務大臣を構成員とする「持続可能な開発目標 (SDGs) 推進本部」を設置している。同本部は、2016年12月22日に「持続可能な開発目標 (SDGs) 実施指針」を決定した。そこでは優先課題として、2030アジェンダに掲げられている5つのP、すなわちPeople (人間) 、Planet (地球) 、Prosperity (繁栄) 、Peace (平和) 、Partnership (パートナーシップ) に対応した8項目が示されている。 また2019年12月の第8回推進本部会合では、2020年のSDGs推進のための具体的対策法を取りまとめた「SDGsアクションプラン2020」を決定した。
SDGs未来都市
  SDGs未来都市とは、自治体がSDGsの達成に向けた取り組み・提案を行い、国に選定されたものである。SDGs未来都市の取り組みについて、国の支援を得ながらモデルとして普及展開を図り、「持続可能なまちづくり」の実現を図っていくことを目的とする。
  安倍晋三首相のSDGs推進本部会合における指示を踏まえ、地方創世分野における日本の「SDGsモデル」を構築していくため、2018年平成30年)6月15日、公募の結果、自治体によるSDGsの達成に向けた優れた取り組みを提案する29都市を「SDGs未来都市」として選定した







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