大阪都構想-1



2020.11.11-産経新聞 THE SANKEI WEB-https://www.sankei.com/west/news/201111/wst2011110022-n1.html
二重行政有無、5県首長で認識に差 12市長が「特別自治市」目指す 本紙アンケート
(1)
  僅差で否決された大阪都構想の住民投票を受け、産経新聞社は、大阪府・市を除く全国の政令市長と政令市がある道府県知事の計33人に都市制度のあり方などを尋ねた。所管業務が重複する「二重行政」の有無をめぐり、5県で知事と市長の間に認識の差があることが判明。また12政令市長が道府県から独立し、国所管以外の全ての事務を担う「特別自治市」を目指すとの考えを示した。
  アンケートは10月下旬以降、各市長と知事に書面で実施した。
  二重行政解消をめぐっては大阪府・市が都構想を掲げ、政令市の大阪市廃止や特別区設置を目指したが、2度の住民投票で否決された。
  アンケートでは、千葉市の熊谷俊人市長や横浜市の林文子市長、神戸市の久元喜造市長らが二重行政が「ある」と回答。これに対し、千葉県の森田健作知事や神奈川県の黒岩祐治知事、兵庫県の井戸敏三知事らは二重行政が「ない」「どちらかといえばない」と答え、同一県の首長間で認識が異なるケースが5県であった。
  政令市側からは「図書館や公営住宅など双方で設置する類似施設の議論が必要」(熊谷・千葉市長)、「事務・権限が重複するものがある」(久元・神戸市長)との意見があった。
  また岡山県・市は両トップが二重行政の存在を認めた。新型コロナウイルス対応や産業政策の役割分担などを理由とした。
  さらに二重行政があるとした大半の市を含む12市が、今後目指すべき都市像として「特別自治市」を掲げた。特別自治市は政令市側の権限を強めて道府県から独立する大都市制度構想。二重行政の解消を目的とし、住民サービスの効率化と充実を目指す。ただ実現には法整備などが必要だ。
(2)
  11月1日に実施され、約1万7千票差で否決された大阪都構想の住民投票の結果について、影響が自らの自治体に「ある」「どちらかといえばある」と答えたのは6首長。ただ都構想への賛否を問わず、大半の首長が住民投票を機に、大都市制度や地方自治のあり方の議論が進むことを望んだ。


2020.11.02-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/west/news/201102/wst2011020022-n1.html
【大阪都構想】橋下氏「3度目はない」側面支援も及ばず

  大阪都構想の2度目の住民投票否決から一夜明けた2日朝、都構想を提唱した大阪維新の会前代表の橋下徹氏は民放の情報番組に出演し、否決の要因を「変化に対する不安を解消することができなかった」と述べた。1日夜に出演した番組では「市民の皆さんの判断。(3度目は)もうないと思う」と語った。
  「10年前は府と市の対立がひどい状況だったが、二重行政の解消を進めてきた。若い世代がこのままでいいと思ってくれたのはある意味、改革が成功した」
  橋下氏は2日朝の情報番組ですがすがしい表情でこう話し、「元のようになれば、大阪都構想という運動はまた盛り上がってきますよ」と推測。「大阪市役所を残したい反対派は、昔のような府と市に戻さないでしょうね。『都構想運動を盛り上がらせないため、府と市の対立をやめさせなければ』という抑止力になればいい」と話した。
  平成27年5月の前回住民投票は、橋下氏が前面に出て活動。否決を受けて同年12月、当時務めていた大阪市長の任期満了をもって政界を引退した。
  その後、現市長の松井一郎代表や吉村洋文代表代行(大阪府知事)との関係を維持しつつ、表向きは維新から距離を置いた。今回の住民投票告示前に都構想推進派の団体が開いた講演会に登場し、都構想関連の著書を出版したが、応援演説に入ることはなかった。「住民の投票行動に少しでも影響があったらいけない」と、1日はレギュラー出演している朝の民放報道番組も欠席した。
  それだけ神経を使う橋下氏が住民投票期間の最終盤、怒りの矛先を向けたのが「コスト増加」報道だ。


2020.11.2-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201101/k10012691571000.html
「大阪都構想」再び否決 松井大阪市長 任期全うし政界引退へ

  大阪市を廃止して4つの特別区に再編するいわゆる「大阪都構想」は、1日の住民投票で、5年前に続いて再び否決されました。日本維新の会と大阪維新の会の代表を務める松井市長は、「けじめをつけなければならない」と述べ、2年半残る任期を全うして、政界を引退する意向を表明しました。
  「大阪都構想」の賛否を問う住民投票の結果です。
▽「反対」69万2996票。
▽「賛成」67万5829票。

  反対多数で「都構想」は否決されました。

  今回の住民投票では、大阪市の有権者、220万人余りを対象に、5年後、令和7年の1月1日に政令指定都市の大阪市を廃止して4つの特別区に再編することの賛否が問われました。
  賛成派の大阪維新の会と公明党は、「大阪市を廃止して、府と市の二重行政を解消し、大阪全体の成長につなげるべきだ」と訴えました。
  一方、反対派の自民党や共産党などは、「大阪市をなくせば、大阪の都市力や、住民サービスの低下につながる」と主張し、激しい論戦が繰り広げられました。
  その結果、「都構想」への賛同は、大阪維新の会の支持層以外には大きく広がらず、5年前に続いて再び否決され、今後も、大阪市が存続することになりました。

  「都構想」を推進してきた日本維新の会と大阪維新の会の代表を務める松井市長は記者会見し、「大阪維新の会の先頭で旗を振ってきた。僕自身、政治家としてけじめはつけなければならない」と述べ、令和5年4月までの任期を全うしたうえで、次の市長選挙には立候補せず、政界を引退する意向を表明しました。
  また、大阪維新の会の代表代行を務める大阪府の吉村知事は「1丁目1番地の都構想が否決された。重く受け止め、僕自身が都構想に再挑戦することはない」と述べました。
  維新の会にとっては、看板政策とも言える「大阪都構想」が2度にわたって否決された上、結党当時から、中心メンバーとして党を率いてきた松井氏が政界引退の意向を表明したことで、ダメージは避けられない情勢です。


2020.10.26-zaqzaq by 夕刊フジ(産経新聞)-https://www.zakzak.co.jp/soc/news/201026/pol2010260003-n1.html
大阪都構想で菅首相「沈黙」 水面下で「蜜月」維新側面支援 自民府連は反対
(1)
  大阪市を廃止し、4つの特別区に再編する大阪都構想の住民投票(11月1日投開票)をめぐり、菅義偉(すが・よしひで)首相が沈黙を続けている。首相は日本維新の会の松井一郎代表(大阪市長)らと近く、維新の政策に共鳴してきた。都構想を側面支援する動きも見せているが、自民党大阪府連は都構想に反発しており、微妙なバランスを取っている。
  首相は8日、首相官邸で自民党府連会長の大塚高司衆院議員らと面会し、府連が反対の立場でまとめた報告書を受け取った。首相は「頑張ってください」と大塚氏らを激励したが、自身の賛否には触れなかった。
  首相と維新の親密な関係は周知の事実だ。維新の生みの親である橋下徹元大阪市長とは平成20年の府知事選から親交があり、橋下、松井両氏とは現在も定期的に会合を重ねる。
  カジノを含む統合型リゾート施設(IR)や、2025年大阪・関西万博の誘致など維新肝いりの政策も支援してきた。維新幹部は「首相は維新に自民党の本来あるべき姿を重ねているのだろう」と語る。
  ただ、自民党府連は住民サービスが低下するとして都構想に反対の立場をとる。都構想の実現で二重行政を解消すると主張する維新との勝負は拮抗(きっこう)しているが、府連幹部は「少なくともボロ負けにはならない」と気を吐く。
(2)
  自民党総裁でもある首相は、府連が反対する都構想に表立って賛成することはできないが、9月の党総裁選期間中には「大阪はすごく問題がある」と語った。
  水面下では維新を支援する動きもある。今月18日、公明党の山口那津男代表が大阪入りした。公明党は27年の住民投票で反対したが、今回は松井氏らと街頭演説に臨み、賛成への投票を訴えた。公明党は大阪の衆院4選挙区に現職を抱え、次期衆院選で維新との衝突を避けたいのが本音だ
  首相は公明党の支持母体・創価学会と太いパイプを持つ。学会の選挙実務を事実上、差配する佐藤浩副会長と頻繁に連絡を取り合う関係だ。佐藤氏と松井氏も「本音で話し合える間柄」(維新幹部)だが、2人をつないだのが首相だった。
  自公両党は国政選挙で協力関係にあるとはいえ、公明党は都構想に関しては維新を選んだ。これに気を強くした維新幹部はこう強調する。
  「さようなら、自民党大阪府連ということや」(千田恒弥、産経新聞)


2020.9.4-関西 NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20200904/2000034534.html
「都構想」住民投票へ運動本格化

  政令指定都市の大阪市を廃止して4つの特別区に再編するとした、いわゆる「大阪都構想」の協定書が議会で承認されたことで、大阪市の有権者による2度目の住民投票の実施が決まりました。賛成派、反対派の各党が、運動を本格化させる方針で、住民投票に向けて激しい論戦が繰り広げられる見通しです。政令指定都市の大阪市を廃止して4つの特別区に再編するとした、いわゆる「大阪都構想」の協定書が議会で承認されたことで、大阪市の有権者による2度目の住民投票の実施が決まりました。賛成派、反対派の各党が、運動を本格化させる方針で、住民投票に向けて激しい論戦が繰り広げられる見通しです。
  いわゆる「大阪都構想」の協定書は、先の大阪府議会に続いて、3日、大阪市議会でも大阪維新の会と公明党の賛成多数で承認され、大阪市の有権者による2度目の住民投票の実施が決まりました。
松井市長と吉村知事は、住民投票をことし11月1日に実施したい考えで、新型コロナウイルスの感染状況や国政をめぐる情勢などを見極めた上で、最終決定することにしています。
これに関連して、吉村知事は、「住民投票で可決になれば新しい大阪都と特別区という再編に動いていくし、否決になれば都構想については終了だ」と述べ、5年前の前回に続いて否決された場合は都構想を断念するとした上で、可決を目指し、全力をあげる考えを示しました
これに対し、都構想に反対する自民党や共産党などは、「新型コロナウイルス対策に集中すべき時に、大阪市廃止の住民投票を行うのは大きな間違いだ」などと批判を強めています。
このうち、自民党は、住民投票に向けて、5日から大阪市内で本格的な街頭活動を始めるほか、SNSなどを使って、党の考えを広く発信することにしています。
また、共産党は、昨夜、大阪市内で開かれた都構想に反対する市民団体の会合に議員が出席し、住民投票での否決を目指し、連携して街頭での活動などを強化する方針を確認しました。
このように賛成派、反対派の各党が、運動を本格化させる方針で、住民投票に向けて激しい論戦が繰り広げられる見通しです。

いわゆる「大阪都構想」の協定書は、先の大阪府議会に続いて、3日、大阪市議会でも大阪維新の会と公明党の賛成多数で承認され、大阪市の有権者による2度目の住民投票の実施が決まりました。
松井市長と吉村知事は、住民投票をことし11月1日に実施したい考えで、新型コロナウイルスの感染状況や国政をめぐる情勢などを見極めた上で、最終決定することにしています。
これに関連して、吉村知事は、「住民投票で可決になれば新しい大阪都と特別区という再編に動いていくし、否決になれば都構想については終了だ」と述べ、5年前の前回に続いて否決された場合は都構想を断念するとした上で、可決を目指し、全力をあげる考えを示しました。
これに対し、都構想に反対する自民党や共産党などは、「新型コロナウイルス対策に集中すべき時に、大阪市廃止の住民投票を行うのは大きな間違いだ」などと批判を強めています。
このうち、自民党は、住民投票に向けて、5日から大阪市内で本格的な街頭活動を始めるほか、SNSなどを使って、党の考えを広く発信することにしています。
また、共産党は、昨夜、大阪市内で開かれた都構想に反対する市民団体の会合に議員が出席し、住民投票での否決を目指し、連携して街頭での活動などを強化する方針を確認しました。
このように賛成派、反対派の各党が、運動を本格化させる方針で、住民投票に向けて激しい論戦が繰り広げられる見通しです。


2020.6.19-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200619/k10012477211000.html
「大阪都構想」協定書案が賛成多数で可決 2度目の住民投票へ

  いわゆる「大阪都構想」の設計図を検討する法定協議会が開かれ、今の大阪市を廃止し4つの特別区に再編するとした協定書案が、賛成多数で可決されました。大阪市の松井市長は、ことし11月1日に2度目の住民投票を実施したいという考えを示しました。

  大阪府知事や大阪市長、それに府議会と市議会の主要会派の代表者で構成する法定協議会では、政令指定都市の大阪市を廃止して、4つの特別区に再編するとしたいわゆる「大阪都構想」の協定書案を審議してきました。
  19日の協議会で、協定書案の採決が行われ、二重行政の解消などを掲げる大阪維新の会のほか、公明党や自民党大阪府議団の賛成多数で可決・決定されました。
  一方、共産党と自民党大阪市議団は、「今、必要なのは新型コロナウイルスへの対応であって、大阪市の廃止ではない」などとして反対しました。
  協定書案は、総務省の審査を経て、大阪府議会と大阪市議会に諮られます。両議会で承認されれば、5年前の平成27年に続いて、大阪市の有権者を対象とした2度目の住民投票が行われますが、両議会とも賛成派の大阪維新の会と公明党が過半数の議席を占めていることから、住民投票の実施が事実上、決まりました。
  大阪維新の会の代表を務める大阪市の松井市長は、記者団に対し「今の時点で11月1日に住民投票を実施したいという思いで、国との協議や議会での議決を目指す。新型コロナウイルスの状況は加味しないといけないが、今の状況であれば、11月がベターな日程だと思っている」と述べました。
協定書案の中身は
  いわゆる「大阪都構想」は、東京23区をモデルに政令指定都市の大阪市を廃止して4つの特別区に再編し、この特別区が子育てや福祉など住民に身近な行政を担う一方、成長戦略や消防などの広域行政を大阪府に一元化する構想です。
  協定書案では、今の大阪市を廃止して、新たに「淀川区」「北区」「中央区」「天王寺区」の4つの特別区を設置するとしていて、特別区への移行日は「大阪・関西万博」が開催される令和7年の1月1日としています。
  4つの特別区には、淀川区に新大阪、北区には梅田、中央区はミナミ、天王寺区には阿倍野とそれぞれ拠点となる商業地などが組み込まれています。
  また、住民の利便性を維持するため、大阪市役所をはじめ現在の24区の庁舎を、特別区の本庁舎や行政窓口などとして活用することにしています。
  財政面では、安定した住民サービスを提供できるよう、最初の10年間は、大阪府から毎年、特別区に一定額を支出するとしています。
  また、4つの特別区のすべてに児童相談所を設置するほか、大阪府に、特別区との調整業務を担う特別区連携局や、消防を統括する「消防庁」などの新しい組織を新設するとしています。
  さらに、各特別区の区議会議員の定数は、「淀川区」が18人、「北区」と「中央区」が23人、「天王寺区」が19人となっています。
   一方、特別区への移行にかかる当初のコストは、システム改修費に182億円、庁舎の整備費に46億円、まちの案内表示などを変更する費用などに13億円の合わせて241億円を見込んでいます。
  これに対し、反対派からは、大阪市の廃止で福祉や教育など住民サービスが低下するおそれがあるという指摘や、特別区の設置に伴い新たなコストが発生するほか、特別区が財政的に成り立つのか疑問だといった意見が出ています。
自民 府議団幹事長「府域全体の最適化期待し賛成」
  自民党大阪府議団の杉本幹事長は、記者団に対し「府議団の中では、広域行政の一元化や大阪市の権限や財源、人材が大阪府に移ることで、府域全体の最適化が期待できるなどの賛成意見が多数を占めたことから、協定書案に賛成の立場を取った。ただ、すべての府議会議員が賛成ということではない」と述べました。
自民 市議団副幹事長「市民にとって大変なことに」
  自民党大阪市議団の川嶋副幹事長は、記者団に対し「こういう状況で住民投票に進み大阪市が廃止分割されることになったら、市民にとって本当に大変なことだ。これからの経済情勢や国、地方の財政状況も考えたときに、『都構想ですか』というと違う。論点を整理して、市民に分かりやすく伝える努力をしたい」と述べました。
立民 府連副代表「住民投票やるべきではない」
  立憲民主党は、協定書案の決定を受けて記者会見を開き、大阪府連の尾辻副代表は、「住民が集まって議論することもままならない今の状況で、大阪市をなくすかどうかを決めるのはあんまりだ。新型コロナウイルス対策で足りないことをやるべきで、暮らしを支える自治体を作らなければならないなか、住民投票をやるべきではない」と述べました。
国民 府連委員長「安全安心こそ急務」
  国民民主党大阪府連の「都構想対策委員会」の中村委員長は、「新型コロナウイルスの感染拡大の第2波、第3波が懸念され、社会経済活動が未曽有の危機的状況にあるなか、今は都構想に多大な費用と人員を割くべきときではない。健康・暮らしの安全、安心対策、経済の安定化に取り組むことこそが急務だ」とするコメントを発表しました。
公明 府議団幹事長「丁寧誠実に説明」
  公明党大阪府議団の肥後幹事長は、記者団に対し「この1年間、真摯(しんし)に議論を重ねてきた。公明党が要望した4つの改善点も盛り込まれてよりよい協定書案になり、賛成多数で可決されたことはよかった。今後は、市民にどこまでも丁寧に誠実に説明していきたい」と述べました。
共産 市議団団長「デメリット訴える」
  共産党大阪市議団の山中団長は、記者団に対し「こんな理不尽なことが議会でまかり通ったとしても、市民に通用するはずはない。住民投票が行われたときは必ず勝利できるように、大阪市廃止が市民にとってデメリットしかないということを強調していきたい」と述べました。


2020.6.9-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/200609/mca2006091330025-n1.htm
大阪都構想、制度案決定へ再始動 11日に法定協で最終審議 (1/2ページ)
(1)
   新型コロナウイルスの感染拡大防止に警戒が続く中、大阪都構想の制度案(協定書)をめぐる動きが再始動する。11日には、制度案を議論する法定協議会で最終審議が行われ、19日に制度案が決まる見込み。大阪維新の会代表の松井一郎・大阪市長は当初の予定通り11月の住民投票実施を目指しているが、感染が拡大に転ずれば延期する考えで、依然不透明な状況は続いている。
   大阪府では6月1日に休業要請が全面解除され、人の動きが徐々に活発化している。現在は、再び自粛を要請するかを判断する「大阪モデル」の基準値を下回っていることから、松井氏は「今の状況なら11月にやれるが、最終判断は9月となる」と言及。府市両議会で制度案を議決する9月の状況を見て、判断する構えだ。
   もっとも、感染拡大に伴う緊急事態宣言の期間中でも、各地では予定通りに地方選挙や国政選挙が行われており、松井氏も「民主主義の根幹である選挙はやるべきだ」との立場だ。都構想の住民投票で慎重な姿勢を見せる背景には、住民投票の手続きを定めた大都市地域特別区設置法(大都市法)で、府市は住民に「理解を促進するよう、協定書の内容について分かりやすい説明をしなければならない」と規定されていることがある。
   府市によると、平成27年5月の前回住民投票では、議決後、13日間で市内計39カ所で市民説明会を開催。当時の橋下徹・大阪市長も毎回出席し、約3万2千人の市民が参加したという。
   ただ、こうした説明会は「3密」になりやすい。維新幹部は「なるべく広い会場で感染防止対策を徹底した形で行いたい」とするが、感染拡大の「第2波」が襲来していれば、説明会の形式を変える必要も出てくる。
   ある市幹部は「法律上、直接説明するとは規定されていないので、紙やインターネット上での動画配信なども考えられる」と推測。ただ、「幅広い人に制度案を理解してもらいたいので、難しい面もある」とした。
推進派も慎重
   大阪都構想をめぐっては、各党とも今春から活動を本格化させる計画だったが、新型コロナウイルスの影響で、3月以降は実質ストップしたまま。制度案(協定書)決定が迫る中、活動再開を模索する動きもあるが、推進派の大阪維新の会公明党からも「慎重を期すべきだ」との声は根強く、本格再開は当分先となりそうだ。
(2)
   維新内部では現状について、「吉村知事を司令塔に、スピーディーな意思決定ができた」(維新幹部)と、“追い風”とみる見方もある。一方、コロナ禍の中で都構想を語ることのハレーションを恐れる声があるのも事実だ。維新市議は「コロナで仕事を失い生活に困窮している人にとっては、制度改革よりも目の前の生活支援。コロナと都構想を結び付けて賛否は問えない」と話す。
   ある維新府議は、本格的な活動再開は「松井代表が11月の実施を明言してからだろう」と推測する。当初の予定から相当先延ばしとなるが、戦略本部メンバーの府議は「5年間都構想の準備を進めてきた。3カ月あれば十分な活動ができる」と自信も見せる。
   公明も、活動再開には慎重だ。公明府本部関係者は「(公明の)支持層に改めて都構想を説明するのに、世の中が通常モードになってから3、4カ月はかかるだろう」と話す。
   これに対し、自民市議や共産市議は法定協の動画で「都構想よりコロナ対策を」と訴え、住民投票に反対する姿勢を明確に打ち出した。コロナ対応で吉村氏の露出が増え、支持が広がっていることに「今は『吉村バブル』」(自民市議)との危機感もある。一方、自民府議団には都構想に理解を示す声もあり、自民の対応がどうなるかはまだ不透明だ。


2020.3.22-産経新聞 THE SANKEI NEWS WEB-https://www.sankei.com/west/news/200322/wst2003220017-n1.html
新型コロナの影響、都構想にも…維新、戦略練り直し

新型コロナウイルスの感染拡大が、大阪市を廃止して特別区に再編する大阪都構想にも影響を及ぼし始めた。11月1日にも想定される住民投票に向け、大阪府市の法定協議会で4月からの開催を予定していた市民向けの制度説明会「出前協議会」も延期論が浮上。都構想実現を目指す大阪維新の会は戦略の練り直しを余儀なくされている。ある維新議員は「いつまで続くのか、先が読めない」と頭を抱えた。
党大会が開けず
   22日、大阪市内の維新本部では、国政政党の日本維新の会の常任役員会が開かれ、都構想は党公約の「一丁目一番地」だと改めて強調、賛成多数の獲得に全力を挙げるとする新年度の活動方針が決定された。代表の松井一郎・大阪市長は終了後、記者団に対し「新型コロナウイルスの影響がどうなるか分からないが、都構想はスケジュール通りに進めたい」とし、11月1日にも住民投票を行う予定は変わらないとした。
   活動方針は本来、国会議員や地方議員ら約450人が集結する党大会で議決されるが、今年は新型コロナウイルスの感染予防のため中止。ある維新議員は「今年の党大会では、住民投票までの具体的戦略を党内で共有するはずだった」と明かす。
   今年は維新にとり、2度目の住民投票実施を予定する「決着の年」。維新は当初、3~4月には大阪市内選出議員が中心となっての座談会などを開催、前回(平成27年)の住民投票実施日の5月17日を起点に、全議員が街頭での広報活動を本格化させる計画を描いていた。
出前協議会は延期か
   だが、世界的に新型コロナウイルスの感染拡大が広がる中、計画は見直さざるを得ない状況となり、不確実性も増している。
   大阪府は、府主催のイベントや施設の休止期間を4月3日までに延長。「都構想の活動を行う時期ではない」(維新府議)状態は、当面続くとみられる。府市の法定協議会が来月から予定していた出前協議会も、週明けに改めて対応が協議される見通しで、延期となる可能性が高い。
   維新の都構想特命チームのメンバーの一人は、「街頭で都構想を語っても『それよりコロナはどないなっとんねん』と言われてしまう。影響はどこまで出るのか…」と困惑。ある維新府議は、2月に地元で都構想説明会を2回開いたものの、3回目は中止に。「情報発信したいが…」と焦りをにじませる。
不安解消どう伝える
   一方、新型コロナウイルスへの対応をめぐり、「府に(患者対応などの広域行政を)一元化したことで混乱しなかった。府市一体となる都構想の必要性が伝わったのではないか」とする維新幹部も。松井氏も22日、「危機管理の上でも、政令市と都道府県の役割分担が必要だと明確に分かった」と都構想の必要性を強調した。
   不確定要素を加味しつつも、維新は住民投票までの活動戦略を改めて練り直す方針だ。あるメンバーは「9、10月が活動のクライマックス。市民の不安解消のためにどう説明すればよいか、伝え方を考えたい」としている。









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