医 療-1



2022.06.23-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220623/k10013686091000.html
サル痘 WHO 専門家緊急委で検討 「緊急事態」か数日以内に判断

  欧米などを中心に報告が相次ぐ「サル痘」について、WHO=世界保健機関は日本時間の23日夜、専門家による緊急の委員会を招集し「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」にあたるか検討しました。
  委員会での検討結果を踏まえ、今後、テドロス事務局長が緊急事態を宣言するかどうか数日以内に判断を示すとしています。

  欧米などでは「サル痘」の報告が相次いでいて、WHOのヨーロッパ地域事務局によりますと、今月21日までに確認された感染者はヨーロッパを中心とした29の国と地域だけで2746人に上るということです。
  こうした事態を受けてWHOは日本時間の23日夜、各国の専門家による緊急の委員会を招集し、最新の状況などを踏まえ、今回の感染の広がりが「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」にあたるか検討しました。
  WHOは、委員会での検討結果を踏まえ、今後、テドロス事務局長が緊急事態を宣言するかどうかを、数日以内に判断を示すとしています。
  緊急事態の宣言は、現在は新型コロナウイルスとポリオの感染拡大で出されています
国内での備えは
  国内でサル痘の患者が見つかった場合に備えて、厚生労働省は検査やワクチン接種などを速やかに行う体制の整備を進めています。
  サル痘は1970年に海外で人での感染が確認されて以降、厚生労働省は動物から人への感染症を指す4類の感染症に指定していますが、国内でこれまで患者は報告されていません。
  しかし、欧米を中心に感染が拡大していることを受けて厚生労働省が体制の整備を進めています。このうち検査は現在、国内で実施できるのは東京の国立感染症研究所の1か所だけのため、全国におよそ80か所ある地方衛生研究所でも検査ができるよう準備を進めています。

  ワクチンについては、天然痘ワクチンがサル痘にもおよそ85%の発症予防効果があるとされていて、国内でもメーカーが生産し、備蓄されています。しかし、1976年以降定期接種は行われておらず、もともと天然痘のワクチンとして薬事承認されているため、原則サル痘には使うことができません。
  このため厚生労働省は、東京の国立国際医療研究センター病院で研究目的として例外的に患者の家族などを対象に接種できる体制を整えました。対象となるのは患者に接触してから14日以内の濃厚接触者で、21日後までの発症の有無を調べます。
  ワクチン接種は新型コロナでは原則、感染前ですが、サル痘では感染後の接種でも発症や重症化予防の効果があるとされ、濃厚接触者も接種の対象となります。治療薬については日本では承認されておらず、確保もされていないため、厚生労働省は海外からの輸入と薬事承認の検討を始めています。
  このほか全国58の指定医療機関に入院体制の確保を求めていて、感染が疑われる患者が見つかった場合は速やかに報告するよう医療機関に求めています。
木原官房副長官「WHOとも連携して対応」
  木原官房副長官は、記者会見で「世界的な感染状況について、韓国での1例目の確認も含めて注視している。WHO=世界保健機関が本日、緊急委員会を開催すると承知している。ここでの議論を踏まえて適切に対応したい」と述べました。
  また「現時点で国内での感染は確認されていない。感染が疑われる場合は医療機関から保健所に相談していただくよう依頼し、必要な検査などを行う体制を整えている。政府としてはWHOともよく連携しつつ、国内外の感染症の発生動向の監視など必要な対応を講じていきたい」と述べました。
  さらに「疑い例については個人情報への配慮の観点から、検査で感染が確定するまで公表しないこととしている。検査で確定した段階で個人情報に配慮しつつ、適切な行為を行う」と述べました。


2022.05.29-NHK NEWS WEB(関西)-https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20220529/2000061685.html
別のたんぱく質が原因か “新たなパーキンソン病発見”

  体が動かなくなる難病パーキンソン病は、脳に異常なたんぱく質がたまることが原因とされていますが、大阪大学などのグループは、これとは別の物質が原因と見られる新しいタイプのパーキンソン病を見つけたと発表しました。

  この研究は、大阪大学大学院医学系研究科の別宮豪一特任講師などのグループが行いました。
  パーキンソン病は、手足が震えたり体が動かなくなったりする難病で、脳の一部に「αシヌクレイン」という異常なたんぱく質がたまることが原因とされています。
  グループでは、パーキンソン病と診断された1人の患者から死後に脳の提供を受け、詳しく調べたところ、「αシヌクレイン」ではなく「TDPー43」と呼ばれる別のたんぱく質がたまっていることが分かりました。
  「TDPー43」は、ほかの神経難病との関連は指摘されていましたが、パーキンソン病を引き起こすことは知られておらず、グループでは新たなタイプのパーキンソン病と考えられるとしています。
  別宮特任講師は、「1例の解析ではあるが、パーキンソン病の原因を解明する研究に一石を投じる発見と考えている」と話していました。


2022.05.27-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220527/k10013646771000.html
原因不明の小児肝炎 国内で新たに7人 同様症状で入院 厚労省

  欧米で幼い子どもを中心に報告が相次いでいる、原因不明の急性肝炎について、厚生労働省は国内で新たに7人が、同様の症状で入院していたことが確認されたと発表しました。

  厚生労働省によりますと、国内で16歳以下の子ども7人が原因不明の急性肝炎と診断されて入院していたことが、自治体からの報告で新たに分かったということです。
  先月以降、国内で原因不明の急性肝炎の疑いがあるとして報告された子どもは合わせて31人になりました。肝臓移植をしたケースはなかったということですが、詳しい病状や居住地、年齢などは明らかにしていません。
  ECDC=ヨーロッパ疾病予防管理センターのまとめでは、今月19日時点でイギリスやアメリカなど31か国で合わせて614人の原因不明の急性肝炎の患者が報告されていて、厚生労働省は引き続き自治体に対して、同様の症状の患者がいれば報告するよう求めています。


2022.05.20-BBC NEWS Japan-https://www.bbc.com/japanese/61518234
「サル痘」の感染報告、欧米などで相次ぐ 保健当局が調査

  ヨーロッパ各国やアメリカ、カナダ、オーストラリアなどで、「サル痘」の報告例が相次ぎ、調査が進められている。保健当局と地元メディアが次々と発表した。

  サル痘は非常にまれなウイルス性感染症で、天然痘などと同じ科に属する。中央アフリカや西アフリカに最も多く、それ以外の場所での感染例は通常、この地域への渡航歴と関連があるという。
  イギリスの国民保健サービス(NHS)によると、軽症のまま終わる場合が多く、大半の感染者が数週間で回復する。
  また、ヒトからヒトへの感染もしにくいため、市中感染のリスクは極めて低い

サル痘に感染すると発疹(ほっしん)、発熱、頭痛、筋肉痛や背中の痛み、リンパ節の腫れ、寒気、倦怠(けんたい)感などの症状が出る

  イギリスでは5月7日に、最初のサル痘の感染が報告された。患者は最近、ナイジェリアへの渡航歴があり、保健当局は、感染してからイングランドへ移動したとみている。
  イギリス国内の患者は現在9人。感染源は特定されていないが、世界保健機関(WHO)は「地元での感染」だとみている。
  アメリカでは18日、マサチューセッツ州の保健当局が、1人の感染を確認した。この患者は最近、カナダへの渡航歴があるという。保健当局は、患者の状態は「良好」で、「公共へのリスクはない」としている。
  カナダもこの日、13件の感染疑いがあると明らかにした。さらに、スペインとポルトガルでも、それぞれ7人と5人の患者が確認された。
  翌19日には、フランスとイタリア、スウェーデンで、それぞれ感染者が1人見つかった。スウェーデン当局は、感染経路が明らかではないとしている。イタリアの感染者は最近、スペインのカナリア諸島から戻って来たばかりだと報じられた。
  ヨーロッパでは、サル痘に対するワクチンが承認されていない。しかしスペイン紙「エル・パイス」によると、スペイン当局は急激な感染拡大に備え、数千回分のサル痘ワクチンを購入したという。
  オーストラリアは20日に、ヨーロッパへの旅行から戻ってきた男性がサル痘に感染していたと発表した。
(英語記事 Monkeypox investigated in Europe, US, Australia


2022.05.16-読売新聞-https://www.yomiuri.co.jp/national/20220516-OYT1T50271/
手術動画を無断で外部に提供、医師10人が総額700万円受領…国が調査開始

  全国五つの病院に勤務する医師が、白内障の手術動画などを患者や勤務先に無断で医療機器販売会社「スター・ジャパン」(千葉県浦安市)に提供していたことがわかった。医療機関には患者の個人情報の適切な管理が求められており、国の個人情報保護委員会が事実関係の調査を始めた。

  各病院への取材によると、医師は帯広協会病院(北海道)、済衆館病院(愛知県)、福井赤十字病院(福井県)、府中病院(大阪府)、JA広島総合病院(広島県)に勤める5人。2019年以降、動画を同社に提供しており、約200事例について渡したケースもあった。
  いずれも患者や勤務先からの承諾を得ておらず、帯広協会病院は「患者データを許可なく持ち出すことを禁じている就業規則に抵触しており、当該医師を厳重に注意し、文書で指導した」とコメントするなど各病院が管理上の不備を認めている。

   関係者によると、同社はこの5人以外にも複数の医師から動画の提供を受け約10人の医師に総額約700万円を渡したという。

   同社は読売新聞の取材に、「当社で販売する眼内レンズを使用した外科技術などを共有するための教材を作成するために実施していた」と説明。「コンプライアンスの問題がある可能性があり、現在調査している。事態を重く受け止め、医療従事者や患者、家族にご迷惑をおかけしたことをおわび申し上げる」とコメントした。


2022.05.13-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220513/k10013625401000.html
原因不明の急性肝炎の疑い 新たに子ども5人が入院 厚労省

  欧米で幼い子どもを中心に報告が相次いでいる原因不明の急性肝炎について、厚生労働省は国内で新たに16歳以下の子ども5人が同様の症状で入院していたと発表しました。

  国内で原因不明の急性肝炎の疑いの患者は合わせて12人になりました。
  厚生労働省によりますと、国内で新たに16歳以下の子ども5人が原因不明の急性肝炎と診断され、入院していたことが自治体からの報告で分かったということです。
  国内で原因不明の急性肝炎の疑いがあるとされた患者は先月25日以降、合わせて12人になりました。いずれも詳しい居住地や年齢、関連性の有無などは明らかにしていません。
  ECDC=ヨーロッパ疾病予防管理センターの報告では、今月10日時点でイギリスやアメリカなど27か国で合わせておよそ450人の原因不明の急性肝炎の患者が報告されているということです。
  WHO=世界保健機関によりますと、海外で報告された患者のおよそ70%から下痢やおう吐などを引き起こすアデノウイルスが検出されていて、国内でも今のところ1人から検出されているということです。
  
また、1人からは新型コロナウイルスの陽性反応が出ているということです。厚生労働省は関連を調べるとともに、引き続き自治体に対して同様の症状の患者がいれば報告するよう求めています。


2022.05.07-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220507/k10013614741000.html
原因不明の肝炎疑い 米で109人 うち5人死亡 CDCが明らかに

  欧米などで幼い子どもを中心に報告が相次いでいる原因不明の急性肝炎について、アメリカCDC=疾病対策センターは6日、同様の肝炎と疑われる患者がこれまでに109人見つかり、5人が死亡したと明らかにしました。

  WHO=世界保健機関によりますと、今月1日現在で10歳以下の子どもを中心に20か国から少なくとも228人の原因不明の急性肝炎の患者が報告されています。これについて、アメリカCDCは6日、去年10月までさかのぼって調べた結果、同様の肝炎と疑われる患者が109人見つかったと明らかにしました。
  このうち90%以上が入院し、14%が肝臓の移植を受けたほか5人が死亡したということです。また、年齢の中央値は2歳で、患者の半数以上からのどの痛みや下痢などを起こすアデノウイルスが検出されたということです。

  CDCの専門家はアデノウイルスについて「一般的に、健康な子どもでの肝炎の原因としては知られていない」としながらも多くの患者から検出されていることから関連を調べるとともに新型コロナウイルスとの関連なども幅広く調べるとしています。
  一方、イギリスの保健当局も6日、新たな報告書を発表しました。それによりますとことし1月から今月3日までの間に163人の患者が報告され、このうち11人が肝臓移植を受けたということですが死者は報告されていません。
  また、アデノウイルスは検査をした126人中、91人から検出されたということです。


2022.05.06-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220506/k10013614111000.html
“原因不明” 子どもの急性肝炎 国内で新たに4人が同様の症状

  欧米で幼い子どもを中心に報告が相次いでいる原因不明の急性肝炎について、厚生労働省は、国内で新たに16歳以下の子ども4人が同様の症状で入院していたことを明らかにしました。

  国内で原因不明の急性肝炎の可能性があると確認された患者は7人になりました。
  WHO=世界保健機関によりますと、イギリスやアメリカなど、12か国で10歳以下の子どもを中心に、少なくとも169人の原因不明の急性肝炎の患者が報告され、このうち1人が亡くなっています
  厚生労働省によりますと、国内で新たに16歳以下の子ども4人が原因不明の急性肝炎と診断され、入院していたことが自治体からの報告で分かったということです。
  厚生労働省は、先月25日に原因不明の急性肝炎の可能性がある患者が国内で初めて確認されたと発表していて、これまでに確認された患者は合わせて7人になりました。

  7人の詳しい居住地や年齢、関連性の有無などは明らかにしていません。
  WHOによりますと、海外で報告された患者からは一般的な肝炎ウイルスは検出されていませんが、患者の4割余りから、下痢やおう吐などを引き起こすアデノウイルスが検出されています。
  これまでに国内で報告された7人のうち、1人からもアデノウイルスが検出されましたが、海外で主に報告されているものとは型が異なるということです。
  厚生労働省は、肝炎との関連を調べるとともに、引き続き自治体に対して同様の症状の患者がいれば、報告するよう求めています。


2022.04.26-NHK NEWS WEB-https://www.nhk.or.jp/shutoken/newsup/20220426c.html
国内初 原因不明の肝炎か 報告相次ぐ海外 症状などわかっていること

  イギリスを中心に主に10歳以下の子どもで原因不明の急性肝炎の報告が相次いでいます。
厚生労働省は25日、国内でも16歳以下の子ども1人が同様の症状で入院していることを明らかにしました。この肝炎の可能性がある患者が国内で確認されたのは初めてです。この肝炎について海外の状況や症状などわかっていることをまとめました。


国内でも海外で相次ぐ原因不明の肝炎か
  厚生労働省によりますと、国内でも16歳以下の子ども1人が原因不明の急性肝炎と診断され、現在、入院して治療を受けているということです。海外で報告されている原因不明の肝炎の可能性がある患者が国内で確認されたのは初めてです。
  厚生労働省は詳しい年齢や性別、住居地などは本人が特定されるおそれがあるとして明らかにしていません。
幼い子ども中心に12か国169人が症状
  欧米では幼い子どもを中心に原因不明の肝炎が相次いで報告されています。WHO=世界保健機関によりますと、4月21日までに欧米を中心に12か国から169人で症状が出たと報告されているということです。内訳は、イギリスが114人、スペイン13人、イスラエルで12人、アメリカで9人、デンマークで6人などとなっています。
  患者からは一般的な肝炎ウイルスは検出されておらず、原因は分かっていないとしています。

  その症状です。子どもたちは肝臓の酵素の値が上がっていて、尿の色が濃くなったり、便の色が薄くなったりするほか、皮膚などが黄色くなるおうだんや、下痢、おう吐、腹痛、関節痛や筋肉痛といった症状が出る一方、発熱した子どもはほとんどいないということです。
  症状が出ているのは生後1か月から16歳までの子どもで、およそ10%にあたる17人で肝臓移植が必要になり、1人が亡くなったとしています。
WHO “アデノウイルスが原因に関わるか”
  肝炎の原因となる、A型からE型まで5種類の肝炎ウイルスは検出されていませんが、74人からアデノウイルスが検出されていて、18人がアデノウイルスのうち41型と呼ばれるウイルスに感染していたということです。
  また、19人についてはアデノウイルスとともに新型コロナにも感染していたということです。
  一般にアデノウイルスは接触や飛まつを通じて感染し、主に、喉の痛みなど呼吸器の症状が出ますが、アデノウイルス41型は呼吸器の症状とともに下痢やおう吐などの症状が出るということです。
  ただ、免疫の状態が落ちている子どもたちが感染した場合に肝炎になったとする報告はあるものの、健康な子どもたちに肝炎の症状が出るという報告はないとしています。
  WHOは、アデノウイルスは病気の原因に関わるとみられるものの、それだけでは重症度などについて十分説明ができないとしていて、原因についてさらに詳しく調べています。
また、WHOは、肝炎の症状が出た子どもの大多数は新型コロナのワクチンを接種していないため、ワクチンの副反応とは考えにくいとしています。
“幼い子どもの原因不明の肝炎 発生動向を注視”
  国内でもこの肝炎の可能性がある患者が初めて確認されたことについて、後藤厚生労働大臣は26日午前、国内での情報収集と分析を行い、発生動向を注視していく考えを示しました。


2022.04.13-mbs news-https://www.mbs.jp/news/kansainews/20220413/GE00043368.shtml
塩野義製薬のコロナ飲み薬『動物実験で胎児の骨格に異常』妊婦への使用は非推奨に

  塩野義製薬が実用化を目指す新型コロナウイルスの飲み薬について、動物実験で胎児の骨格に異常が確認されていたことがわかりました。

  塩野義製薬によりますと、今年2月に国に承認申請した新型コロナの飲み薬について、妊娠したウサギに人の治験で使うよりも濃度の高い薬を投与する実験を行ったところ、胎児の骨格に異常を及ぼす「催奇形性」が確認されたということです。これまで治験で目立った副反応は報告されていませんが、妊婦を対象とした治験データは無く、動物実験で胎児の骨格異常が確認されていることから、塩野義製薬は「妊婦への使用は推奨されないと考えている」としています。
   新型コロナの飲み薬をめぐっては、すでに国内承認されたアメリカ・メルク社の「モルヌピラビル」も胎児の奇形が生じる可能性があり、妊婦へは投与しないこととされています。


2022.04.04-東京新聞-https://www.tokyo-np.co.jp/article/169702
ダウン症、9割は「健康」 家族や本人に生活実態調査

  日本ダウン症協会とダウン症学会は、ダウン症のある人や保護者を対象にした生活実態調査の結果を発表した。本人について計約9割が「おおむね健康」と回答。10歳以上では約7~8割が食事や衣服の着脱を「ほぼ自分でできる」と答えた

  妊婦の血液から胎児のダウン症など染色体異常を調べる新出生前診断が拡大されるため、生活状況を知ってもらおうと調査した。協会は「ダウン症の人が実際にどんな暮らしをしているか、医療職はあまり知らない。検査を受ける人に判断材料にしてほしい」としている。
  調査は2020年7月、協会の会員を対象に実施し、1581通の回答を得た(回収率35%)。


2022.02.04-JIJI.COM.-https://www.jiji.com/jc/article?k=2022020400383&g=soc
母の名記さず出生届提出へ 国内初「内密出産」―熊本・慈恵病院

  熊本市の慈恵病院は4日、記者会見を開き、昨年12月に10代女性が病院の担当者だけに身元を明かして出産する「内密出産」を希望して出産したことに関し、母親の名前を記さずに出生届を提出する方針を明らかにした。退院後1カ月たっても変わらない女性の意向を踏まえた対応で、国内初の事例とみられる。

  同病院によると、女性は家族に妊娠を伝えられない状況で、「自分では育てられない」として退院。その後も担当者がメールなどでやりとりを続けていたが、女性は「自分が育てるよりも、厳しい審査を通った両親が育てる方が、赤ちゃんが幸せになる」とした上で「特別養子縁組でお願いしたい」との希望を変えなかったという。母の個人情報を子どもに開示する時期は、18歳か20歳を希望している。
 蓮田健院長は「内密出産の第1例になると思われるが、これからシステムを構築しなければならない。改めて病院の覚悟が問われる」と話した。赤ちゃんは今月、同病院から乳児院に移されている


2022.01.21-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220121-FBSMUX2S5NOQVEMCEUQJOIC2ZY/
「ダメ。ゼッタイ。」の限界 市販薬過剰摂取の実態は

  市販のせき止めや風邪薬、処方された睡眠導入剤などを過剰摂取(オーバードーズ)し、依存してしまう若者が増えている不安やいらだちが解消される錯覚に陥るというが、内臓へのダメージは大きく、過剰摂取とみられる薬物中毒で高校生が死亡する事件も起きている。「購入は1人1箱」とする国の規制も抜け道が多く、歯止めにはなっていない。

1日30錠、強い酒で
  昨年12月、滋賀県守山市のアパートの一室で、19歳の女子高校生が死亡しているのが見つかった。司法解剖で判明した死因は薬物中毒。抗不安薬や睡眠導入剤を大量に使用した痕跡があった。いずれも市販のものや医師の処方箋があれば入手可能な薬物だった。
  現場のアパートは30代男の自宅。会員制交流サイト(SNS)を通じて女子高生と知り合い、部屋に連れ込んだ。「(女子高生とは)オーバードーズ仲間だった」。男は滋賀県警の調べにこう供述した。
  県警は、過剰摂取目的で知り合った別の20代女性に対する準強制わいせつ容疑で男を逮捕しており、女子高生が死亡した経緯も慎重に調べている。
  若者たちはなぜ過剰摂取に走るのか。「睡眠導入剤を服用すると、言いたいことが言えた」。過剰接種の経験がある女性(33)がその理由を明かす。
  きっかけは人間関係の悩みに端を発した不眠症だった。医師の指示通り服用していたが、悩みは解決しない。「何も考えたくない。寂しさを感じたくない」。昼夜を問わず薬を飲むようになり、1日で30錠ほどをアルコール度数の高い酒で流し込んだこともある。
  過剰摂取を機にトラブルも増えた。喜怒哀楽が激しくなり、友人との約束も破るように。生活が乱れる中、親の勧めもあって、薬物やアルコール依存などに悩む女性を支援する一般財団法人ワンネスグループ傘下の奈良県の施設「フラワーガーデン」に入所した。
  苦しみながらも、スタッフや仲間に支えられ、次第に薬物と距離を置くことができるようになった。昨年10月からは施設スタッフに転身、「ここに来てよかった」と語る。
自由手にした気分
  「過剰摂取により感情や理性のコントロールが外れる。ストレスもなくなり、自由を手に入れたような気分になる」。近畿大薬学部の細見光一教授(医薬品情報学)は依存の背景をこう解説する。
  違法薬物ではないといっても、大量に服用すれば心身への弊害は大きい。「体は異物が入れば尿や便として排出しようとするが、内臓には大きな負担がかかる。肝臓や腎臓に障害を及ぼす可能性がある」(細見教授)。薬には依存性があり、中枢神経に影響を与えることもある

  厚生労働省研究班の令和2年の調査によると、薬物依存などの治療を受けた10代患者が最も使用した薬は「市販薬」(56・4%)だった。平成26年の調査では市販薬はゼロだったが、その後急増した。一方、同年の調査で約5割を占めた「危険ドラッグ」は30年調査からはゼロに。規制強化が影響したとみられる。
「支援の対象に」
  厚労省は26年、市販薬などに含まれる成分のうち、依存しやすい6種類を「乱用のおそれがある医薬品の成分」に指定。薬局などが販売する際は原則1人1箱(1本)とし、状況に応じて氏名や年齢、購入理由の確認を義務付けた。
  だが規制の効果には疑問符が付く。厚労省が毎年実施している覆面調査によると、ルールを守っていた店は73・3%(令和2年度)。厚労省医薬・生活衛生局の担当者は「複数の店を回ったり、インターネットを使ったりすることで、複数購入が簡単な環境がある」と話す。
  国立精神・神経医療研究センター薬物依存研究部の松本俊彦部長は、長引くコロナ禍の影響を指摘する。在宅時間が長くなったことで夫婦や家族間の衝突が増え、しわ寄せが子供に行く家庭もあるとし、「生きづらさや心の痛みを抑えるため、市販薬を乱用する若者が増えた」とみる。

  「ダメ。ゼッタイ。」と薬物乱用防止を呼びかける標語は有名だが、松本氏は薬物の負の側面を強調しすぎすることで、逆に相談や治療の機会を遠ざけてしまうとし、「市販薬を含む依存者を犯罪者のようにみるのではなく、何か困りごとを抱えている人と位置付け、支援の対象にしていくことが必要だ」と訴えている。


2022.01.14-日本経済新聞-https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC136K00T10C22A1000000/
慶応大学、脊髄損傷にiPS初移植 治療法に高まる期待

  慶応義塾大学の岡野栄之教授(生理学)と中村雅也教授(整形外科学)らは14日、iPS細胞から作った細胞を脊髄損傷の患者に移植する世界初の手術をしたと発表した。計4人に移植する臨床研究の1例目で、経過は順調だという。1年かけて安全性や有効性を検証する。

  同日午前に開いたオンライン記者会見で、岡野教授は「やっと一例目の手術ができて、うれしく思う。様々な難関を乗り越え、ここまでやってこられた」と話した。臨床研究の計画は2019年2月に厚生労働省の専門部会で了承されたが、新型コロナウイルス感染症の対応などで開始が遅れていた。
 脊髄損傷は交通事故などによって脊髄が傷つき、重症だと手足のまひなど運動や感覚の障害が残る。現在はリハビリでわずかに残る機能の回復を目指すくらいしかない。
  慶大の臨床研究の対象となるのは、脊髄が損傷してから2~4週間経過し、運動と感覚が完全にまひした「亜急性期」の患者だ。手術は慶大病院で21年12月に実施した。通常のリハビリもしながら、安全性や運動機能の改善などの有効性を詳しく調べる。中村教授は14日の記者会見で「世界初の手術であり、有効性が認められる可能性もあるが、安全性の確認を第一としたい」と話した。
  臨床研究では、京都大学iPS細胞研究所が第三者の細胞から作って保管しているiPS細胞を利用した。iPS細胞から神経のもとになる細胞(神経前駆細胞)を作製して凍結保存しておき、患者1人当たり200万個の細胞を脊髄の損傷部に注射で移植する。患者本人のものではなく他人の細胞を移植するため、拒絶反応を抑える免疫抑制剤を使う。
  まずは最小限の数の細胞を移植し、安全性を中心に検証する。その後、細胞数を増やした場合の有効性や、脊髄の損傷から時間がたった慢性期の患者に対する安全性や有効性を調べるための臨床試験(治験)などの実施も検討する。
  脊髄損傷の国内の新規患者は年約5000人、全国で10万人以上の患者がいるといわれる。再生医療が実現すれば、まずは特に亜急性期の患者で有効な治療法となることが期待される。
  iPS細胞を使った再生医療では、目の難病「加齢黄斑変性」やパーキンソン病、重症心不全など臨床応用の対象が広がってきている。事故などで傷ついた神経細胞を修復することができれば、失った臓器や組織を再生する医療の可能性が広がる。


2022.01.11-BBC NEWS Japan-https://www.bbc.com/japanese/59947468
遺伝子操作したブタの心臓を男性に移植、世界初 アメリカ

  アメリカ米メリーランド大学医療センターは10日、遺伝子操作したブタの心臓を人に移植する手術を実施したと発表した。
  メリーランド州ボルティモアで、7時間にわたる実験的な移植手術を受けたデイヴィッド・ベネットさん(57)は、術後3日が経過。容体は良好で、自発呼吸も確認されたという。
  ベネットさんはこの移植を受けなければ命が危険な状態だったため、米医療当局は特別許可を医師団に与えたという。ただし、長期的な生存率は分かっていない。AFP通信によると、心臓の提供元となったブタは、ベネット氏の免疫反応が心臓を拒絶しないよう遺伝子操作されたもの。

  「死ぬか、この移植を受けるか、どちらかだった」と、ベネットさんは手術の前日に話していた。「成功の可能性が低いのは分かっているが、自分にとってこれが最後のチャンスだ」。ベネットさんは状態が悪く、人間の心臓の移植には適さないという医師団の判断を受けていた。
  担当した医師団にとって今回の手術は、数年間の研究が結実したもので、世界中の患者の人生に大きな影響を与えるかもしれないと期待されている。メリーランド大学の声明で、執刀したバートリー・グリフィス外科医は、「臓器不足の危機解消に(世界が)一歩近づく」ことになると期待を示した。

  移植用の臓器が不足している現状では、待機リストで10万人が順番を待っているとされ、アメリカでは臓器提供を待ちながら1日に平均17人が死亡しているという。
「異種移植」への期待
  「異種移植と呼ばれる治療のために人間以外の臓器を使う技術は、長年にわたり研究が重ねられてきたブタの心臓弁の移植はすでに治療法として広く定着している。昨年10月には米ニューヨーク大学の医師団が、ブタの腎臓を人間に移植する手術に成功したと発表。当時はこれが異種移植の分野で最先端の研究成果だったが、移植を受けた人は脳死状態で、回復の見込みはなかった。

  一方のベネット氏は、ブタの心臓を移植されたことで、今後も生き続けたいと期待している。ベネット氏は手術の6週間前に末期症状の心臓疾患と診断されて以来、生命維持装置につながれた状態で寝たきりだった。先週には「回復したらベッドから起き上がりたい」と話していた。
  医師団はベネット氏の術後の容体を注視している。10日には自発呼吸ができるようになっていたという。ただし、今後どうなるのかは不透明だ。ベネット氏の息子、デイヴィッド・ベネット・ジュニア氏はAP通信に対して、現時点で家族は「未知の領域にいる」と認めた上で、「(父は)今回の手術がいかに大変なもので、いかに重大なものか認識している」と話した。
  グリフィス医師は、「人間に対しては初めての処置だった。ベネット氏には、これまでのセラピーを続けるよりも、良い選択肢を提供できたと思っている」とした上で、「ただし、あとどれくらい生きられるのか、1日か1週間か、1カ月か1年なのか、それは分からない」と認めた。


2022.01.04-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220104/k10013415251000.html
「内密出産」希望の女性が出産 熊本 慈恵病院 国内初の可能性

  熊本市の慈恵病院は、病院以外に身元を明かさない内密出産を希望する女性が先月病院で出産していたことを明らかにしました。病院は「女性が今後身元を明らかにする可能性もある」として、相談を続けていきたいとしています。
  慈恵病院は自宅などでの孤立出産を防ぐため、病院以外に身元を明かさない「内密出産」を3年前に独自に導入しています。

  4日に会見を開いた病院によりますと、去年11月、西日本に住む10代女性から名前や住所などを明かさずに出産したいという相談があり、その後女性は病院に保護され、先月出産したということです。
  女性はいまも身元を明らかにしていませんが、子どもが親の情報を知りたいと希望した時などのために、看護師ひとりに名前や住所などの個人情報を伝えたほか、健康保険証などのコピーを渡したということです
  女性はすでに退院し、赤ちゃんは病院で一時的に保護されていて、病院はこのままだと内密出産になる可能性があるとしています。

  厚生労働省によりますと、これまで内密出産が国内で実施されたケースは報告されていないということです。
  慈恵病院の蓮田健院長は会見で「女性は赤ちゃんへの愛情が強く、今後身元を明らかにする可能性もある」と述べて相談を続けていきたいとする一方、内密出産になった場合は赤ちゃんの戸籍の取り扱いなどに課題があるとして、行政には現実的な対応を求めたいとしています。



2021.12.27-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20211227-SYRT6BODINP67DKDX3YUDNTH4E/
<独自>医薬治験完了前に承認 緊急時での発動想定

  緊急時に医薬品を迅速に承認するため、政府が創設を目指す「緊急承認制度」の全容が27日、判明した。臨床試験(治験)の最終結果が判明する前でも有効性が推定できれば承認を可能とする新型コロナウイルス感染症のワクチンの実用化が遅れたことへの反省を踏まえた。感染拡大時に加え原子力事故や放射能汚染、バイオテロなどの緊急時での発動を想定している。来年の通常国会に医薬品医療機器法(薬機法)の改正案を提出する

  現行の薬事承認制度は平時を前提にしており、治験を実施し、有効性と安全性を確認する作業を行うため、承認までに一定の期間が必要となる。
  海外の薬事当局が認めた医薬品などについては、審査を簡略化し早期に承認する「特例承認制度」があるが、日本人への有効性や安全性を確認するため、国内で治験を行わなければならないという課題があった。
  このため、米ファイザーや米モデルナ、英アストラゼネカの新型コロナワクチンはいずれも特例承認だが、欧米と比較して実用化までに2~5カ月遅れた。最近では、今月24日に米メルクが開発した新型コロナの飲み薬「モルヌピラビル」が特例承認された。

  新たに導入する緊急承認制度は、医薬品などを承認する場合に確認する安全性と有効性のうち、安全性については従来の薬事承認と同じ水準での「確認」を必要としながらも、有効性に関しては「確認」ではなく「推定」の段階で承認を可能とする。緊急時で治験を完了する余裕がない場合は、完了していなくても、治験の成績に関する資料を基に有効性が推定できれば承認する方針だ。
  同制度の対象は、幅広い状況に対応できるようにするため、ワクチンや治療薬にとどまらず、医療薬全般、医療機器、再生医療製品などを含める
  承認の期限は2年程度とする見通し。必要に応じて延長を可能にする方向だ。承認後、一定の期間までに有効性の確認を求め、確認できない場合は承認を取り消すことも可能にする。健康被害が発生した場合は既存の救済制度の対象とする
  特例承認制度は「海外向け」という制度の性格から、国内企業が世界に先駆けて開発しても適用されることはなかった。塩野義製薬など日本の製薬会社もワクチンや治療薬の開発を進めているが、欧米に後れを取る一因ともなっている。緊急承認制度が導入されれば、国内産が欧米並みに迅速に承認されることが予想される。


2021.11.18-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/88935656768fc09321ab3487919bc334dcdc06bf
アルコール消毒は「ほぼ無効」、ノロウイルスにご注意

  本格的な冬の到来を前にし、注意が必要なのが激しい下痢などを引き起こすノロウイルスだ。今秋以降、各地ではすでに集団感染が相次いでいる。手洗いは新型コロナウイルスと同様に有効とされるが、アルコール消毒はノロウイルスにはほぼ効かないとの指摘もある

  どのように警戒・対応すればいいのか。専門家に聞いた。 「飲食店を利用した生徒のうち、複数人に下痢や嘔吐の症状がみられる」。
  今月4日、大阪府内の高校から池田保健所(大阪府池田市)に連絡が入った。 府によると、2日に池田市内の焼き肉店を利用した16~18歳の高校生男女21人が症状を訴え、うち7人からノロウイルスが検出された。
  従業員1人からも検出されたことなどから、府は食中毒が起きたと断定。この焼き肉店を3日間の営業停止処分とした。生徒らはいずれも快方に向かっているという。
  北海道旭川市の保育所でも10月下旬以降、ノロウイルスの集団感染が相次ぐ市内12施設で園児や職員ら390人以上の感染が明らかに。
  ただ市によると、施設間の関連性などは明らかになっていない。
■乳幼児や高齢者は重篤化も
  厚生労働省によると、ノロウイルスは例年11月から発生が増える傾向にあり、12月~翌年1月にピークを迎える。令和2年の感染者は全国で約3600人に上り、特に冬に急増した。 感染症に詳しい近畿大医学部教育センターの藤田貢(みつぐ)准教授によると、感染経路は、ウイルスに汚染された食品を加熱が不十分なまま食べる
  感染者が調理した食品を食べる
  感染者の便や嘔吐物に接する
-などが想定される。 どんな症状に見舞われるのか。発症までの潜伏期間は1~2日激しい嘔吐や下痢、発熱が特徴だ。健康な人であれば1~2日で回復することがほとんどだが、脱水に陥りやすい乳幼児や高齢者は重篤化することがある。

  多くの人がコロナを警戒し、手洗いやマスク着用が当たり前になった。だが、そんな中でもノロウイルスには油断が禁物といえる。 コロナ対策として有効とされるアルコール消毒だが、ノロウイルスには「ほぼ無効」(藤田氏)。ウイルスの性質上、消毒用アルコールが効きにくいという。 さらにコロナや季節性インフルエンザと異なりワクチンなどはなく、治療は点滴などの対症療法が中心だ

  このため家庭で療養する際には、脱水を防ぐためにスポーツドリンクや経口補水液を少しずつこまめにとることが大切。下痢止め薬はウイルスが体外に排出されにくくなり回復を遅らせるという説もあり、使用の際には医師に相談するのが望ましい。
■調理や食事前のこまめな手洗いを
   感染防止に重要なのは、調理や食事前などのこまめな手洗いだ指輪は外し、せっけんを泡立てて爪や指の間、手首も洗う。流水で十分すすぎ、清潔なタオルやペーパータオルで拭く
  また、カキやアサリといった二枚貝などは中心部を85~90度で90秒以上加熱するとウイルスは不活化する。 身近な人が発症した場合はどうすればよいか。 便や嘔吐物などは部屋を換気し、手袋やマスクを着用した上で慎重に処理する。掃除や衣類の消毒には次亜塩素酸ナトリウムを含む家庭用塩素系漂白剤を水で薄めたものを使い、感染者が触れてウイルスが残りやすいドアノブや蛇口は特に念入りに清掃することを心掛けたい。 藤田氏は「ノロウイルスは感染力が強い。コロナ禍で手洗いなどが習慣化した人も多いと思うが、改めて気を引き締めて対策を」としている。


2021.11.13-Yahoo!Japanニュース(KYODOU)-https://news.yahoo.co.jp/articles/e368b8bb073510e28f381677a0d01284a90a6c4d
手足口病、季節外れの流行 新型コロナも影響か

  夏に乳幼児で流行することが多い手足口病ヘルパンギーナの感染者の報告が西日本を中心に季節外れの高水準となっている。国立感染症研究所によると、8月中旬ごろから報告者数がじわじわ増え、10月25~31日の1医療機関当たりの報告者数は手足口病が1.5人、ヘルパンギーナが0.6人と過去5年間の同期で比べて今年は多い

  新型コロナウイルス対策の徹底で、これらの感染症の患者が減り、十分な免疫を獲得していない子どもが多い可能性がある。大阪府済生会中津病院の安井良則感染管理室長(感染症疫学)は「感染経験のない人が増えると一気に広がることがある」と注意を呼び掛けている。


2021.11.07-日本経済新聞-https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE071RZ0X01C21A1000000/
横浜点滴中毒死、9日に判決 元看護師の責任能力が焦点

  横浜市の旧大口病院(現横浜はじめ病院・休診中)で2016年、入院患者3人の点滴に消毒液を入れて中毒死させたとして、殺人罪などに問われた元看護師、A被告(34)の裁判員裁判で、横浜地裁(家令和典裁判長)は9日、判決を言い渡す。
  検察側は死刑を求刑。弁護側は被告が事件当時、統合失調症の影響で心神耗弱状態だったとして、無期懲役が相当と主張しており、刑事責任能力の程度と量刑の判断が焦点となる。

  起訴状によると、16年9月、いずれも入院患者の興津朝江さん(当時78)、西川惣蔵さん(同88)、八巻信雄さん(同88)の点滴に消毒液「ヂアミトール」を混入し、殺害。殺害目的で点滴袋5個に消毒液を入れたとされる。
  被告は初公判で「全て間違いありません」と起訴内容を認めた。
  その後の被告人質問で、他の看護師らが亡くなった患者の家族に叱責されるのを目撃した経験から「勤務中に患者が亡くなって家族に責められるのを避けるため、自分の勤務時間外に死亡するようにした」などと動機を語った。
  検察側は論告で、被告には完全責任能力があったと主張。一方、弁護側は最終弁論で、起訴後の精神鑑定結果を踏まえて「善悪を判断する能力が著しく阻害されていた」と述べた。〔共同〕

▼横浜の点滴連続中毒死事件 
  横浜市神奈川区の旧大口病院で2016年9月、点滴を受けた入院患者3人が相次いで死亡した。遺体や点滴などから消毒液に含まれる界面活性剤の成分が検出され、神奈川県警は殺人事件として捜査。3人の点滴に消毒液を混入し中毒死させたとして、A被告を18年7~8月、3度逮捕した。旧大口病院は17年、事件のイメージを払拭するため「横浜はじめ病院」に改称。19年から休診している。〔共同〕


2021.11.07-東京新聞-https://www.tokyo-np.co.jp/article/141356
機会逃した女性に無料接種 子宮頸がんワクチンで厚労省検討

  子宮頸がんの原因となるウイルスの感染を防ぐHPVワクチンについて、接種の積極的な勧奨が止まった間に無料で打てる時期を逃した女性にも改めて無料で接種できる機会を設ける方向で厚生労働省が検討していることが6日、分かった。今月半ばに専門家の会合を開いて現在の対象年齢への積極的勧奨再開を正式に決め、その後、さかのぼった救済措置の対象者や実施する時期を議論する。

  厚労省は2013年、小学6年~高校1年の女子を原則無料接種としたが、同年に積極的勧奨を中止。
  副反応を訴える女性らは16年、損害賠償を求めて国などを一斉提訴。HPVワクチンの積極的勧奨再開に反対している。



2021.10.15-Yahoo!Japa(読売新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/aeb5a0fe7f8fcc8ec21173e15c729ab03c121030
京大霊長類研が解体へ…「ヒトとは何か」解明目指し、国内外の研究をリード

  研究資金の不正支出が発覚した京都大霊長類研究所(愛知県犬山市)について、京大が来年度からの組織再編を検討していることがわかった。研究機能は当面維持するが、将来的に解体し、半世紀以上の歴史を持つ「霊長類研究所」の名称もなくなる。10月中に正式決定する。

  関係者によると、組織再編では、専門分野の中核的な研究拠点である「附置(ふち)研究所」の位置付けから外す。その上で、現在の研究員は新たに発足させる研究センターのほか、野生動物研究センターなど既存の機関に移し、これまでの研究を続けるが、研究規模や研究費は今後縮小する方針だ。
   霊長研を巡っては、京大が昨年6月、チンパンジー飼育施設の整備で約5億円の不正支出が発覚したと発表。会計検査院は同年11月、京大の調査分を含めて約11億円の不適切な支出があったと指摘していた。
   これを受け、京大は今年3月、国内外の研究者が利用する研究拠点として、文部科学省が認定する「共同利用・共同研究拠点」の更新申請を見送るなど、霊長研の組織の見直しを進めてきた。
   霊長研は、1967年に発足。「ヒトとは何か」の解明を目指し、国内外の霊長類研究をリードしてきた。年報によると2019年度末時点で約150人の研究者らが所属し、約1100頭のサル類を飼育している。


2021.09.29-Yahoo!Japanニュース(デイリ-新潮)-https://news.yahoo.co.jp/articles/7a948022f0705574d4370acfbeb3eb56199f54dd
小児ホスピスの奇跡 コロナ禍で命限られた子供ためにやった新たな取り組み
石井光太
(1)
  大阪市鶴見区にある、「TSURUMIこどもホスピス」。ここは、命の限られた難病の子供たちを受け入れる、日本初の民間こどもホスピスだ

  こどもホスピスの役割は、成人のホスピスとは異なる。成人のホスピスは末期がんなど終末期の患者が、痛みや苦しみを取り除いてもらいながら、安らかな死を迎えるための施設だ
   一方、こどもホスピスの役割は、病院で厳しい治療を受けている子供たちが、一時的にでもそこから解き放たれ、看護師や保育士の資格のあるスタッフに支えられて家族と好きな遊びをしたり、友達とパーティーを開いたり、ホスピスの開催するお祭りやキャンプに参加したりする施設だ。いわば、治療に明け暮れていた難病の子供たちの人生に光を与えるための空間なのだ。
   私は『こどもホスピスの奇跡 短い人生の「最期」をつくる』(新潮社)で、その成り立ちから取り組みまでをノンフィクションとしてまとめた。
   ところが、2020年春から本格化したコロナ禍は、こどもホスピスの活動を制限することになった。これまで行っていたイベントの開催や、ボランティアとの交流が、すべて中止になったのである。
   だが、難病の子供たちに残された時間は限られている。今しか向き合える時間はないのだ。そんな中で、ホスピスはどうやって子供たちの命に輝きを与えようとしたのか――。
「今この瞬間しか」
  2020年4月、1回目の緊急事態宣言が発令された後、社会では飲食店だけでなく遊園地や温泉、学童に至るまで様々なところが休業に追い込まれた。特に難病の子供が遊べる場所はことごとく失われたと言っていい。
   そんな中、TSURUMIこどもホスピスには、難病の子供を持つ家族から問い合わせがひっきりなしに寄せられた。ホスピスは開いているのか、利用はできるのか、といった相談だった。
   同ホスピスのアシスタントケアマネージャーの市川雅子は言う。 「世間はコロナ一色で多くの活動が休止に追い込まれていましたが、余命の限られた子供たちに残された時間は長くはありません。今この瞬間しか何かをしてあげることができないという子だっているのです。
   そういう家族にしてみれば、子供を一度でいいから病院の外へ連れて行って、好きに遊ばせてあげたいと願います。コロナ禍で多くの施設が閉まっている中、そういう家族がうちを利用させてくれないかと相談してきたのです。うちのように専門知識のあるスタッフがいて、設備が整っているところなら、安心できるという期待もあったのでしょう

(2)
幕を開けた緊迫した日々
  余命の限られた子供は体調の波が激しく、今日は安定していても、翌日には危篤に陥っているということが珍しくないだから、家族はできる時にできることをしたいと願う。ホスピスはそんな家族の気持ちを理解していたからこそ、コロナ禍での受け入れを決意した
   市川はつづける。 「ご家族が求めていたのは、家族みんなで安心して過ごせる場だったはずです。逆に言えば、うちとしてはご家族の期待に応えられるだけの安心な場を提供しなければならなかった。コロナ禍ということもあり、それをどう実現していくか普段以上に話し合いました
   ホスピスではまずスタッフを二チームにわけて、勤務日を完全に別々にすることにした。片方のチームに感染者が出ても、もう片方によって運営を継続できる体制を整えたのだ。その上で、消毒など感染予防策を徹底し、写真展や夏祭りなどイベントは全面的に中止し、家族単位の個別利用だけに限定した。
   終末期の子供は体が弱いため、感染すれば命取りになりかねない。新型コロナの感染を防ぎつつ、難病の子供たちに幸せを届けるという緊迫した日々が幕を開けた。
複数の家の子供をつなげる「オンラインフレンズ」
  ホスピスでの活動は、家族同士の接触を避けるため、スケジュールが時間ごとに細かくわけられた。この時間はこの家族というようにスケジュールが決められ、その時間内で家族はパーティーをしたり、ゲームをしたり、水遊びをしたりするのだ
   むろん、これはこれで家族の願いを叶えることにはなったが、ホスピスとしては複数の家族で集まれるイベントを完全になくすのには抵抗があった。同年代の患者同士がつながり、親同士が知り合って得られるものも大きいからだ
   そこでホスピスは、オンラインによるイベントを開催することにした。
   たとえば、動物テーマパークのアドベンチャーワールドと協同で「わくわくスマイルDAY」というオンラインイベントを開催し、イルカショーを披露したり、動物クイズをしたりした。 「オンラインフレンズ」というイベントでは複数の家族の子供をつなげ、折り紙やお絵描きをしたりして交流を深め、「きょうだいさんのお話@オンライン」では難病の子供のきょうだい支援団体「しぶたね」と一緒にきょうだい支援のあり方を考える機会を提供した。
(3)
「みんな、きいて。つるみのこと」
  こうしたオンラインイベントの中で、スタッフらの印象に残っているものがある。「みんな、きいて。つるみのこと」と題されたイベントだ。
   発案は、小学四年生の白血病の女の子だった。彼女がホスピスのことをより多くの人に知らせるイベントをやりたいと言い出したのだ。そこでスタッフがサポートして、YouTubeのライブ配信をすることになった。女の子がホスピスの良いところや、利用の仕方や、スタッフの紹介などをする。ライブの間、閲覧していた医療者や他の家族から次々にコメントが寄せられ、彼女は喜びを隠しきれない様子だった。
   市川は次のように語る。 「うちを利用するお子さんの多くが、これをしたい、あれをしたいという思いを抱いています。うちは、それを実現させる場なんです。だから、私たちが主導して何かをやるというより、お子さんたちの思いが実現するようなものをやりたいと思っています
   利用する子供たちの満足を第一に考える、ホスピスらしい取り組みだ。
病室の子とオンラインツールで
  オンラインツールの活用方法は、イベントだけに留まらない。終末期が近づきホスピスを利用できなくなる子供たちに対する支援にも役に立った
   ある八歳の女の子は、体調が安定している時はホスピスを利用していたが、病状が悪化するにつれて通うことが難しくなり、長い入院生活を余儀なくされた。
   これまでならホスピスに来られなくなった時点で、スタッフと女の子の距離は開いてしまいかねない。だが、オンラインツールを活用したことで、病室の女の子とスタッフがつながることが可能になった。スタッフは、病室のベッドにいる女の子に連絡をし、オンラインでおしゃべりをしたり、遊んだり、励ましたりした

    スタッフが彼女とよくやったのは、「脱獄ごっこ」という携帯ゲームだった。以前なら病室で一人でやるだけだったのが、ネットでホスピスとつながることで、スタッフと遊べるようになった。
   2021年に入り、この女の子は亡くなってしまったものの、コロナ禍で面会もままならない中で、気心の知れたスタッフと楽しい時間を過ごせたことは、大きな喜びだったにちがいない。
(4)
小学生の姉が一人取り残されて
  また、在宅で最期を迎えた子供もいた。悪性腫瘍を抱える五歳の女の子だ
   彼女は大阪の病院で治療を受けていたものの、回復の見込みがなくなり、他県の家に戻っていた。家では、親が必死になって最期が迫る娘の介護をしていたことで、小学生の姉が一人取り残されてしまっていた。親が看病にかかりきりになり、きょうだいが孤立することは珍しくない
   以前なら、距離が離れていたことから、スタッフにできることは限られていただろう。だが、オンラインツールを利用することで姉に声を掛けることができるようになった。親が看病に当たっている間、代わりにスタッフが姉とおしゃべりをしたり、クイズを出し合ったりしたのだ
   信頼できる大人が自分のことを気にかけてくれて連絡をくれる。姉にしてみれば、どれほど心強かったことだろう。これもまた、オンライン時代ならではの新たな支援の方法だ。
「支援の幅を広げることができた」
  市川は言う。 「これまで私たちは素晴らしいホスピスの建物があるからこそ、そこを利用してもらうことにばかり力を入れてきました。でも、コロナ禍でオンラインのツールが広まったことで、これだけ支援の幅を広げることができるんだと気がついたのです。コロナ禍は大変ですが、前向きに捉えれば、新しい支援の方法に気づかせてくれたと言えると思います
   TSURUMIこどもホスピスの建物は、難病の子供にとってはこれ以上ないというほど安心と喜びに満ちた空間だ。ここに来さえすれば、どんな夢だって叶えることができるように思える。
   ただ、状況によって、常に行ける場所というわけではない。ホスピスで遊べなくても、スタッフと言葉を交わしたい、病院のベッドでおしゃべりをしたい。そう願う子もたくさんいる。
   コロナ禍は、そんな子供たちへの新しい支援のあり方を気づかせてくれた。それがホスピスが目指す、子供たちの人生を輝かせることへのエンジンとなるのは確かだ。
   もっとも弱い立場にある人たちを支えられる社会資源がどれだけあるか。それが豊かな社会か、そうでない社会かを分ける指標ではないだろうか。
   ホスピスは一般の人々からの支援によって成り立っている民間の施設だ
。それがコロナ禍においても、難病の子供とその家族に大きな役割を果たしていたことを、同じ日本人として誇りに思いたい

石井光太 1977(昭和52)年、東京生れ。国内外の文化、歴史、医療などをテーマに取材、執筆活動を行っている。ノンフィクション作品に『物乞う仏陀』『神の棄てた裸体』『絶対貧困』『遺体』『浮浪児1945-』『「鬼畜」の家』『43回の殺意』『本当の貧困の話をしよう』『近親殺人』など多数。
  また、小説や児童書も手掛けている。文中でも紹介した『こどもホスピスの奇跡』第20回新潮ドキュメント賞を受賞。 デイリー新潮取材班編集 2021年9月29日 掲載新潮社


2021.07.14-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210714/k10013139531000.html
「子宮移植」条件付きで容認の報告書を公表 日本医学会 検討委

  子宮が生まれつきない女性などに親族などから提供された子宮を移植して出産を目指す「子宮移植」について、日本医学会の検討委員会は臨床研究の実施を少数例に限って条件付きで認めるとする報告書をまとめました。

  「子宮移植」は、子宮が生まれつきない女性や、がんで摘出した女性などに親族などから提供された子宮を移植して出産を目指すもので、2014年以降、スウェーデンやアメリカなど各国で少なくとも40人が生まれたと報告されています。

  慶応大学の研究チームが臨床研究の計画を示したことを受けて、日本医学会は実施が認められるか、おととしから移植医療や倫理などの専門家で作る委員会で検討を進め、14日に開いた記者会見で「少数例に限って臨床研究として生体からの子宮移植の実施は認められる」とした報告書を公表しました。
  報告書では、臨床研究が認められる条件を示し、子宮を提供する女性や移植を受ける女性の手術などの負担が大きいうえ、生まれてくる子どもを含めて長期的な影響が十分明らかになっていないため、リスクを含めて十分な説明を行うこと、当事者が自由な意思で移植を望んでいることを確実に担保すること、長期的な健康観察を行うことなどを挙げています。

  さらに、臓器移植は脳死からの提供をもとに行うのが原則だとして、現在は認められていない脳死からの子宮の提供が行えるよう法令を改正することや、子宮のない女性に対して医師による説明やケアを徹底するよう提言しています。
  検討委員会の飯野正光委員長は「当事者が十分リスクを理解したうえで強く希望するときには、それを排除できないという考え方が多くを占めた。実際に子宮移植を行う研究グループには、子宮を持たない女性に対し、移植以前に行うべきケアがあることを認識してもらいたい」と話しています。
医学的 倫理的な側面から多くの課題
  日本医学会の検討委員会がまとめた報告書では、子宮移植については医学的、倫理的な側面から多くの課題があると指摘しています。
  報告書では、子宮を提供する女性のリスクとして、摘出した子宮が体内で機能することを目指すため、慎重な手術で出血量が多くなり、手術時間も長時間に及んで大きな負担がかかるほか、子宮を失うことで女性としての精神面での影響が起きる可能性もありえるとしています。

  また、子宮の提供を受ける女性のリスクとして、移植した子宮が機能しない可能性があるほか、拒絶反応を防ぐため免疫抑制剤を受け続ける必要があること、強い免疫抑制剤を使った場合に胎児に影響が出る可能性が否定できないことなどを指摘しています。
  さらに、妊娠、出産に至らなかった場合、子宮を提供した女性、移植を受けた女性ともに精神的な苦痛が大きくなることが指摘されているとしたほか「何としても子どもを産むべきだ」などと子どもを産むことを女性の必須の役割と見るような家族内や社会での圧力が増す可能性があるとし、配慮や対策が必要だと強調しています。

  報告書では、子宮移植の対象となる、生まれつき子宮のないロキタンスキー症候群」の女性たちからヒアリングを行った結果も示していて、本人に告知が行われず、支援を受けられなかったケースや、相談できる専門医やカウンセラーが紹介されなかったケースがあったとしています。
  このため、報告書では、生まれつき子宮のない人に対して子宮移植だけが解決策だと考えるのは不十分で、患者本人や家族への精神的なサポートや相談などについて関係学会で直ちに対策を進めるよう提言しています。
  検討委員会のメンバーで医療に関する法律が専門の早稲田大学の横野恵准教授は「当事者に対する診断のあとのケアが非常に重要で、カウンセリングや相談など、さまざまなプロセスを経て移植を希望するかどうか選択が行われるべきだ」と述べました。
慶応大学など 臨床研究の実施目指す
  「子宮移植」については、慶応大学などのグループが国内で初めてとなる臨床研究の実施を目指しています。
  14日に日本医学会の検討委員会が子宮移植の臨床研究を限定的に容認する報告書をまとめたことについて、グループのメンバーで慶応大学の木須伊織特任  助教は「日本では早く子宮移植を実現してほしいという声は多くいただいていたので、国内でも実施が容認されたことはうれしい知らせだと思っている。提供者の負担やリスクを考えると脳死からの臓器提供が原則だと思うが、今の日本では子宮は提供の対象となっていない。まずは生体ドナーでの臨床研究を行い、有効性や安全性を確認したい」と話しています。
  グループでは、生まれつき子宮がない「ロキタンスキー症候群」などを対象に臨床研究の実施を検討しているということで、準備が整えば、できるだけ早く大学病院の倫理委員会に申請する方針だということです。
  木須特任助教は「子宮移植が認められれば養子制度などに加え、子どもを持つ選択肢が増えることになる。ドナーや生まれてくる子のリスクや倫理的課題にも十分配慮して準備を進めたい」と話していました。


2021.06.26-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20210626-YDYNH6WAJFJ3VBPJRBRWHBXNLY/
<独自>塩野義の国産ワクチン 年明け6千万人分供給可能

  塩野義製薬が開発中の新型コロナウイルスワクチンを生産・供給できる量が、来年1月から年間最大6千万人分へ倍増することが26日、分かった。これまで「3千万人」としていた。手代木(てしろぎ)功社長が産経新聞のインタビューで明らかにし、「国産ワクチンを安定的に供給したい」と述べた。

  塩野義のワクチンは現在、第1、2段階の臨床試験(治験)を国内で行っている。ワクチンの効き目などから供給量を拡大できる見通しになったという。さらに治験を進めて確認する。
  同社は提携先である医薬品製造会社「ユニジェン」の岐阜県池田町の工場で生産設備を整備中。これまで年内に3千万人分のワクチンの生産体制を整えるとしていた。
  また手代木氏は、最終段階の大規模な治験について「アフリカや東南アジアでの実施に向けて調整中」と明らかにした。
  塩野義は国内でも千例規模の治験を検討している。これを踏まえ、一定の条件を満たせば承認を受けられる国の「条件付き早期承認制度」が適用されれば「年内の実用化が可能」としているが、並行して最終段階の大規模な治験を世界の流行地域で実施する。


2021.06.17-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20210617-EACQLCPLTFOU7BW6DYN4Z4M2KA/
微粒子、細胞に有害な活性酸素 肺の炎症原因に

  近年生産量が増加している人工微粒子を吸い込むと肺に炎症が起きる仕組みが分かったと、名古屋大と大阪府立大の研究チームが17日付の国際科学誌に発表した。細胞の中に取り込まれ、分解されずに蓄積し、有害な活性酸素が発生していた。

  微粒子の大きさが小さいほど、炎症が悪化しやすいことが知られている。名古屋大病院の阪本考司病院助教(呼吸器内科)は「発がん性が指摘されているPM2・5でも同じ仕組みが働いているかどうかを調べたい」と話した。

  チームは、食品や化粧品にも使われ、化学的に安定な微粒子「シリカ」に着目。直径50ナノメートル(ナノは10億分の1)の微粒子をマウスに吸い込ませ、3日後に肺を調べた。すると吸い込んでいないマウスと比べ、炎症の範囲が約10倍になっていた。
  体内で異物を取り込んで分解するマクロファージと呼ばれる免疫細胞を調べると、微粒子を取り込んで、活性酸素や炎症を起こすタンパク質を大量に作っていた。微粒子を分解できないのが原因とみられる。


2021.06.08-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210608/k10013072991000.html
アルツハイマー病の新薬 米FDA承認と発表 エーザイが共同開発

  アルツハイマー病の治療薬としてアメリカの製薬会社と日本のエーザイが共同で開発した新薬について、アメリカのFDA=食品医薬品局は原因と考えられる脳内の異常なタンパク質を減少させる効果を示したとして治療薬として承認したと発表しました。

  アメリカの製薬会社「バイオジェン」と日本の「エーザイ」が開発したアルツハイマー病の新薬「アデュカヌマブ」は症状の進行を抑えることを目的とした薬で、脳にたまった「アミロイドβ」と呼ばれる異常なたんぱく質を取り除き、神経細胞が壊れるのを防ぐとしています。
  これについてFDAは7日「臨床試験の結果、『アミロイドβ』の減少が確認され、患者の症状への効果が合理的に予測される」と評価し治療薬として承認したと発表しました。
  FDAによりますとアルツハイマー病の新薬が承認されたのは2003年以来18年ぶりで、アミロイドβに作用する治療薬は初めてだということです。

  今回の承認は深刻な病気の患者に早期に治療を提供するための「迅速承認」という仕組みで行われたため、FDAは追加の臨床試験で検証する必要があるとしていて、この結果、効果が認められない場合には承認を取り消すこともあるとしています。
  この薬については去年11月、FDAの外部の専門家委員会が承認に否定的な結論をまとめていて、FDAが追加のデータを求めて審査期間を延長していました。
  FDAは7日の会見で「専門家委員会の意見を慎重に検討し、データを詳細に検証した結果、迅速承認すべきだという結論に達した」としています。
病の進行抑える効果期待される初めての薬
  アメリカのFDA=食品医薬品局が承認すると発表した「アデュカヌマブ」は、日本のエーザイアメリカの製薬会社バイオジェン共同で開発したアルツハイマー病の治療薬です。
  アルツハイマー病は異常なたんぱく質、「アミロイドβ」が脳にたまって、神経細胞を壊すことが原因と考えられています。
  「アデュカヌマブ」はこの異常なたんぱく質、「アミロイドβ」を取り除く薬で、神経細胞が壊れるのを防ぐことでアルツハイマー病が進行するのを抑える効果があると期待されています。
  これまでのアルツハイマー病の治療薬は、残った神経細胞を活性化させるなどして症状の悪化を数年程度、遅らせるもので、病気によって脳の神経細胞が壊れていくこと自体を止めることはできませんでした。このため病気の進行自体を抑える根本的な治療薬が待ち望まれていました。

  「アミロイドβ」を取り除く薬は以前から研究されていましたが、「アミロイドβ」はアルツハイマー病を発症する10年以上も前からゆっくりと脳の中にたまっていくことや、薬の効果を確認するのが難しいことなどから思うように開発が進まない状況が続いていました。
  こうした中で、「アデュカヌマブ」は、「アミロイドβ」を取り除く効果が認められ、アルツハイマー病の進行そのものを抑える効果が期待される初めての薬となります。
  一方で、「アミロイドβ」を取り除くことができても一度壊れてしまった脳の神経細胞を元に戻すことは難しいことから、治療はできるだけ早い段階で始める必要があるとされていて、この薬も認知症を発症する手前の「軽度認知障害」の人やごく初期の認知症の人を対象として臨床試験が行われていました。
  「アデュカヌマブ」は日本でも去年12月に厚生労働省に承認の申請が出されていて、今後の審査の行方が注目されます。
患者や家族の支援を行う団体「歴史的なこと」
  アメリカでアルツハイマー病の患者やその家族の支援を行うアルツハイマー協会のジョアン・パイク博士は、「アデュカヌマブ」の承認について、「アルツハイマー病の治療にとって歴史的なことだ」と述べたうえで、「この薬によって患者と、家族や介護者が、治療の在り方や、何をして過ごしたいかを考える時間が与えられると信じている」と述べました。
  また、「アルツハイマー病の診断に人々の関心が高まり、多くの人が早期の診断を受けることで、人生や治療についての話し合いを持つ機会をもたらすだろう」と述べ、承認をきっかけにアルツハイマー病に対する人々の意識が高まることへの期待を示しました。
開発主導の製薬会社「薬の価値はコストに見合う」
  アメリカの製薬会社「バイオジェン」で、「アデュカヌマブ」の開発を主導してきたアルフレッド・サンドロック博士は、FDAの承認について「アルツハイマー病は、家族を認識できなくなったり、自立した生活が送れなくなったりと、患者と社会にとって影響の大きい病気で、この薬の価値は、コストに見合うと考えている」と承認の意義について述べました。
  また「これまでの臨床試験で患者の認知機能への効果を示す結果も示されている」と述べたうえで、追加の臨床試験が行われることについては、「FDAなどと議論をしている。臨床試験の詳しい内容については今後明らかにする」と話しました。
エーザイ株が「ストップ高」 東京株式市場
  8日の東京株式市場では、エーザイの株式に買い注文が殺到し、一日の値上がり幅の上限となる「ストップ高」の水準まで値上がりして、取り引きを終えました。
  東京株式市場ではエーザイの株式に買い注文が殺到し、売り注文が少なかったことから売買が成立せず、午前の取り引きでは値がつきませんでした。
  その後、取り引き時間の終了と同時に一日の値上がり幅の上限であるストップ高で取り引きを終え、エーザイの株価は7日の終値より1500円高い、9251円の値を付けました。
  市場関係者は、「新薬が、アルツハイマー病の治療薬として効果をあげていけば、会社の収益力が大きく高まるという投資家の期待が先行した」と話しています。
治験の結果は
  アルツハイマー病を根本的に治療する新薬はこれまでも盛んに研究されてきましたが、候補となる薬ができても有効性の評価が非常に難しいことなどから実用化に至った薬はありませんでした。
  今回、アメリカ・FDAが承認した「アデュカヌマブ」も申請に至るまでにいくつもの壁がありました。
  「アデュカヌマブ」は薬の効果や安全性を確認するための最終段階の「治験」として2つの臨床試験が行われ、それぞれ認知症の前段階とされる「MCI=軽度認知障害」やアルツハイマー型認知症のごく初期の人などおよそ1600人が参加しました。
  治験では、アデュカヌマブを少ない量で投与するグループと多い量で投与するグループ、それにアデュカヌマブが含まれていない偽の薬を投与するグループに分け、月に1回、1年半にわたって投与して認知機能の変化などを調べました。
  そして中間解析が行われましたが、結果は有効性があると確認するのは難しいというものでした。
  これを受けて、治験は中止となりましたが、会社によりますと、その後、最終的に試験を終えた人たちのデータを加えたうえで詳細な解析をしたところ、2つの試験のうち1つの試験で認知機能の低下が22%抑制されたという結果がでたということです。
  また、脳内にたまったアルツハイマー病の原因とされる異常なたんぱく質「アミロイドβ」が、59%から71%減少していることが確認されました。
  会社によりますと治験では、途中で計画が一部変更され、多い量を投与する人が増えたため、効果の確認につながったとしています。


2021.06.04-NHK NEWS WEB -https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210604/k10013067361000.html
75歳以上の医療費の窓口負担 2割に引き上げの改正法 成立

  原則1割となっている75歳以上の医療費の窓口負担を、年収200万円以上の人を対象に2割に引き上げる改正法は、4日の参議院本会議で、賛成多数で可決され、成立しました。改正法は、現役世代の負担の上昇を抑えるため、原則1割となっている75歳以上の医療費の窓口負担を年収200万円以上の人を対象に2割に引き上げるものです

  急激な負担の増加を抑えるため、引き上げの実施から3年間は、1か月の自己負担の増加額を最大3000円までとする配慮措置が設けられています。
  引き上げの時期については、来年10月から半年以内とし、具体的な日程は、今後、政令で定めるとしています。
  4日の参議院本会議で採決が行われた結果、改正法は、自民・公明両党のほか、日本維新の会、国民民主党などの賛成多数で可決・成立しました。
  一方、立憲民主党と共産党は「後期高齢者の負担が増える一方、現役世代の負担軽減には全く寄与しない」として反対しました。
2割負担が求められる対象は75歳以上の20%
  75歳以上を対象とする後期高齢者医療制度は、患者の窓口負担を除いて、財源の4割が会社員らが加入する健康保険組合からの支援金で賄われています。
  高齢化の進展で、年々、支援金は増え続け、健康保険組合の財政を圧迫していて、現役世代の負担軽減を求める声が上がっています。
  さらに、いわゆる団塊の世代が75歳になり始める来年以降、支援金のさらなる増加が見込まれるとして、政府は、今回、見直しを行いました。


2021.05.07-BBC NEWS JAPAN-https://www.bbc.com/japanese/57004950
ドイツ、ワクチンの特許放棄に反対 知的財産の保護主張

  新型コロナウイルスワクチンを途上国に広める目的でワクチンの特許を放棄することについて、ドイツ政府は6日、特許がワクチンの生産を妨げてはいないとして反対の姿勢を示した。
  ドイツ政府は「知的財産の保護は技術革新の源泉であり、今後もそうありつづけなければならない」とした。
  新型ウイルスワクチンの知的財産権の放棄は、インドと南アフリカが世界貿易機関(WTO)で提案したもの。両国は約60カ国とともに、世界中のワクチン生産量を拡大できるとして、過去半年間にわたりワクチンの特許の無効化を求めていた。
  5日には、アメリカ政府がこの提案への支持を表明した。

  欧州連合(EU)は先に、特許放棄について協議する用意があるとしていた。一部加盟国は全面的な支持を示した。
  賛成派は特許放棄によって、より多くのメーカーが新型ウイルスワクチンを生産できるようになり、貧困国で予防接種にアクセスできる人が増えると主張している。一方で医薬品メーカーなど反対派は、期待するほどの効果が得られない可能性があると主張している。

   インドと南アフリカの提案をめぐっては、アメリカのドナルド・トランプ前政権やイギリス、欧州連合(EU)から強い反発があがっていた。
  しかし、トランプ氏の後任のジョー・バイデン政権が5日に支持を表明したことを受け、提案を後押しする気運が高まった。
  WTOのンゴジ・オコンジョ=イウェアラ事務局長はBBCの番組ニューズアワーで、アメリカの支持を歓迎すると述べた。そして、現在の不公平感は「正しくない」とし、加盟国はワクチン生産に関する現実に即した合意に至るよう交渉すべきだと述べた。
  オコンジョ=イウェアラ氏は現場で必要な原材料や技術的な専門知識が不足していることを認めたうえで、世界のワクチン供給量を増やすにはとにかく取り組みを始める必要があるとした。
  こうした中、ドイツのイェンス・シュパーン保健相はアストラゼネカ製ワクチンについて、全成人への接種を認めると述べた。同国は当初、同ワクチンを接種した人の一部に血栓がみられたことを受け、接種対象を60歳以上に限定していた
ドイツの主張
  ドイツ政府は6日、声明を発表し、アメリカが支持する提案は「ワクチン生産全体に大きな影響を与える」と主張した。
  同政府は「ワクチン生産を制限するのは生産能力と高い品質基準であり、特許ではない」とし、製薬会社はすでに関係各所と連携して生産を強化していると述べた。ドイツはEU最大の経済大国であり、最も広く使用されている新型ウイルスワクチンの1つを開発した製薬会社ビオンテックなど、主要な製薬部門が集まっている。今回のドイツ政府の表明は、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長が特許放棄に関する提案について「議論する用意がある」と発言したことを受けたもの。

  フォン・デア・ライエン氏はこれまで、知的財産権の放棄に反対の立場を表明していた。わずか数週間前には米紙ニューヨーク・タイムズに対し、「特許放棄には全く賛成できない」と述べていた。

各国の反応
  一方、フランスやイタリアなど他の加盟国はこの提案を全面的に支持した。特許放棄については、今週2日間の日程で行われるEU首脳会議で議題にあがると報じられている。
  欧州以外では、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領も支持を表明した。イギリス政府は「問題解決のためにWTO加盟国と連携している」とし、新型ウイルス感染症「COVID-19ワクチンの生産と供給の増加を促進するため、アメリカとWTO加盟国と協議している」と明らかにした。
貧困国のワクチン不足
  多くの発展途上国は、特許や知的財産の保護を義務付ける規則が、パンデミックに対処するのに必要なワクチンやその他製品の生産拡大を妨げていると主張している。低所得国が深刻なワクチン不足に直面する中、ワクチンの特許放棄を求める声が上がっている。
  一方で、製薬業界を中心とした反対派は、特許放棄ではこの問題は解決しないと主張している。
  国際製薬団体連合会(IFPMA)のトマス・クエニ理事長はBBCのラジオ番組「トゥデイ」で、「現在のようなワクチンの品質と安全性を損なうことになるのではと深く懸念している」と述べた。
  「対処すべきはサプライチェーンにおける不足や欠乏だ。また現在、富裕国が貧困国へのワクチンの早期分配に消極的であることも残念だ」
  実際に有益な効果を得るには、製薬会社が生産技術などのノウハウを貧困国と共有する必要があると指摘する専門家もいる。


2021.04.23-m3.com-https://www.m3.com/open/iryoIshin/article/906710/
歯科医師もワクチン接種可能に、GW前にも事務連絡へ
医師・看護師が確保できない集団接種で2021年4月23日
岩崎雅子(m3.com編集部)

  厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症のワクチン接種に係る人材に関する懇談会」(座長:田上順次・東京医科歯科大学名誉教授、中谷晴昭・千葉大学理事・副学長)は4月23日、医師の予診を経た上で歯科医師による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン接種を認める厚労省案に合意した。 医師や看護師が確保できない場合の集団接種に限定し、筋肉注射の経験や研修を必要とする。厚労省はゴールデンウィーク前にも事務連絡を発出する方針(資料は、厚労省ホームページ)。

  今回歯科医師によるワクチン接種が認められるのは、(1)迅速なワクチン接種を進める必要性がある中で必要な医師・看護師等の確保ができず、歯科医師の協力なしには集団接種が実施できない、(2)歯科医師が筋肉注射の経験を有している、またはCOVID-19ワクチン接種のための研修を受けている、(3)歯科医師による接種について患者の同意がある──の3点を満たした場合。集団接種の予診は医師が担当するため、医師の指示の下で接種を行う形となる。

  これまでワクチン接種は「医科」の範疇であることから、「医師でなければ、医業をなしてはならないとする医師法第17条に基づき、医師または医師の指示を受けた看護師等(保健師や助産師、准看護師)に限られており、歯科医師はワクチンを接種することができなかった。しかし、行為が正当化されるだけの事情が存在するかの検討の結果、正当化されるときには違法性が阻却されるとする「実質的違法性阻却」に、歯科医師によるCOVID-19のワクチン接種が当てはまると判断した。
  歯科医師による接種を容認する背景として、厚労省は自治体アンケートの結果、医師や看護師の確保に苦労している現状を提示。3月25日時点では、医師については6.5%、看護師は8.7%の自治体が「確保に至っていない」と回答。特に集団接種を行う特設会場においては、医師は18.1%、看護師は22.8%の自治体が「不足している」と回答していた。厚労省は「現状で接種者が足りていない認識はない」としつつ、5月上旬にもワクチン供給量の増加が見込まれる中、今後接種者が足りなくなる可能性に備えた。

  また、歯学部で筋肉注射やアナフィラキシーショックなどに関する基本的な教育が行われていることや、口腔外科や歯科麻酔に従事する歯科医師は筋肉注射を行うことがあることなどから、歯科医師は「筋肉内注射という行為のみに着目すれば、技術的には一定の安全性を持って実施することが可能と考えられる」とした。
  研修は各自治体が主体で実施するが、厚労省が大枠を示す方針。案として(1)COVID-19ワクチンに関する基礎知識(副作用に関する内容を含む)、(2)COVID-19ワクチンの接種に必要な解剖学の基礎知識、(3)COVID-19ワクチン接種の実際(接種時の注意点を含む)、(4)COVID-19ワクチンのアナフィラキシーとその対応──等を含み、講義と実習の2軸で約2時間の研修を提示した。
  患者の同意については、個別に取るのではなく、会場内に歯科医師が接種する可能性があることを明示の上、歯科医師であると認識できる名札を付けるなどの形で許可を取る方向。

「国民が認めるかが重要」説明求める声
  懇談会では、医師、歯科医師の委員ともに、歯科医師によるワクチン接種への反対は出ず、「歯科医師に協力いただき国民になるべく早くワクチンを打っていただくことは大賛成」「歯科医師の協力が必要ならば前向きに取り組みたい」など賛同の意見が相次いだ。

  一方で、「国民が認めるかが重要。十分に理解を得られるようにきちんとした報道をしてほしい」など、丁寧な説明を求める声が複数上がった。また、「まずは看護師の確保について、平均的給与ではなく手当を付けるなど処遇を改善するべきではないか」との指摘もあった。
  歯科麻酔学講座を担当している東京歯科大学副学長の一戸達也氏は、筋肉注射を行う頻度は最近減っているとしつつ、「教育は行われている。慣れているのは病院歯科の口腔外科が多いのではないか」と指摘。大阪歯科大学歯学部教授の中嶋正博氏は、「口腔外科学会の専門医資格として全身麻酔、集中治療室での研修が義務付けられている。口腔外科であれば筋肉注射の経験があると判断しても良いと思う」と述べた。一方で、日本医師会常任理事の羽鳥裕氏は「集団接種の場に出動するのは、一般の診療所の先生ではないか。eラーニングのシステムを使うなどある程度学習してやってほしい」と要望した。
  「実質的違法性阻却」は、非医療従事者によるAEDの使用や、科学災害・テロ時における非医療従事者による解毒剤自動注射器の使用、COVID-19のPCR検査のための鼻腔・咽頭拭い液の歯科医師による実施などで認められている。PCR検査の際に事前研修に応じた歯科医師は約2000人に上り、要請があり出動した歯科医師はこれまで48人。


2021.04.09-BBC NEWS Japan-https://www.bbc.com/japanese/56685096
新型ウイルス感染者に世界初の生体肺移植 京大病院

  京都大学病院で、新型コロナウイルスに感染した女性患者に対する、世界初の生体肺移植手術が成功した。同病院が8日、明らかにした。
  新型ウイルスの感染症COVID-19の患者に対する肺移植は、中国や欧米で、亡くなった臓器提供者の肺を使って数多く実施されている。しかし、生体肺移植は世界で初めてとされる。京都大学病院によると、移植された肺は、患者の息子と夫の肺の一部。患者の肺は、COVID-19で機能しなくなっていたという。手術は11時間近く続いた。患者と肺を提供した家族は全員、体調が安定しているという。
  手術にあたった医師団は、患者の体調が数カ月で完全に回復することを期待していると述べた。
生体肺移植は世界初
  京都大学病院によると、今回の患者に基礎疾患はなかった。生存には肺移植が欠かせないと判明すると、患者の息子と夫が肺の一部提供を決心したという。2人は手術前に、肺機能が落ちることによる健康上のリスクについて説明を受けていたという。
  日本などの国々では、死者の臓器を使う肺移植は長い順番待ちの状態が続いている。

  手術で責任者を務めた呼吸器外科医の伊達洋至教授は記者会見で、今回の生体肺移植について、「新しい選択肢ができたという意味では、患者さんにとって希望のある治療法だと考えている」と話した。


2021.03.12-Yahoo!Japanニュース(webum-北日本新聞)-
日医工が薬8品目供給停止へ 業務停止、駆け込み注文で在庫不足

  ジェネリック医薬品(後発薬)メーカーの日医工が、高脂血症や糖尿病の治療薬など4成分8品目の供給を順次、停止することになった。違法な製造・品質管理で32日間の業務停止命令を受けた富山第1工場(滑川市)で製造していた品目で、処分によって新たな製造ができない上、在庫が限られる中で駆け込みによる大量注文があったことが原因という。
   同社によると、品目によってケースは異なるが、通常は市場に供給できる数カ月分の在庫があるという。
   田村友一社長は3日の会見で製品の供給について「大きな混乱はないと考えている」と述べたが、欠品を懸念した薬局などが大量発注したことで一部に在庫不足が生じた。
   4成分8品目は今月上旬から4月中旬にかけて順次、供給を停止する。供給再開は工場稼働後の5月中旬を見込む。卸売業者や医療機関には代替品となる他メーカーの先発薬や後発薬を案内した。
   同社は処分期間中に工場からの出荷はできないが、全国各地の物流センターに保管されていた製品は出荷できる。


2021.03.04-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/9c28a5a203c53760d4e8fc61bc1aad787066bdbe
くも膜下出血から回復の小6、好きな野球をもう一度

  くも膜下出血に見舞われながらも回復し、元気にリトルリーグで野球を続けている小学生がいる。大阪府岸和田市の市立修斉小6年、米盛瑛斗(よねもりえいと)君(12)。「また野球がしたい」という強い思いと、仲間たちの励ましに支えられ、グラウンドに復帰した。白球を追う姿は周囲の人たちに勇気を与えている。(牛島要平)

  「走れ、走れ!」「すべり込め!」  よく晴れた2月下旬の日曜日、同市内のグラウンド。プロ野球で活躍した清原和博さんもかつて所属した岸和田リトルリーグの練習が行われ、子供たちの弾む声が飛び交っていた。
   2人の兄に付いて小さいころからボールに親しみ、チームに1年生から参加している瑛斗君。最高学年となった今、ショートやキャッチャーを任される。試合では土壇場で仲間に指示を出せるほど、チームの中心的存在に成長した。
   「チームに貢献し、勝てたときが一番うれしい」 そう話す瑛斗君を突然の病が襲ったのは5年生のとき。令和元年12月13日朝、集団登校の途中で急に頭痛と吐き気がして、動けなくなった。周りの児童たちが連携して学校の先生に連絡、駐在所の警察官も駆け付け、病院に運ばれた。
■「長い人生、やりたいことを」
  検査を受けたが問題は見つからず、痛み止めの薬をもらって帰宅した。ところが数日後、詳しい検査を受けると「くも膜下出血です。動脈瘤(りゅう)がいつ破裂してもおかしくない」と診断された。大阪大学医学部付属病院(同府吹田市)に搬送され、緊急手術に。倒れてから5日後のことだった。
   母親の久美子さん(41)は突然のことに涙が止まらなかった。瑛斗君はそんな久美子さんを気丈に慰めた。「いけるから、大丈夫だから」。約3時間にわたる手術は無事に終わった。麻酔が解けたとき、口から漏れた最初の言葉は「野球がしたい」だった。
   入院中、チームの仲間は千羽鶴を折って回復を祈り、「一緒に野球しような」などの寄せ書きをしたボールを届けてくれた。以前にチームを訪れたことのあるプロ野球楽天の村林一輝(いつき)
  内野手も「早く元気になって一緒にまた野球しましょう」とビデオレターを送ってくれた。気持ちは奮い立った。「うれしかった。不安だったけど、また野球やろうと思った」  術後の経過は順調で、後遺症もなく、12月末には退院。
  原因は分からず、久美子さんは野球をさせるのに不安もあったが「これからの長い人生、やりたいことをやらせたい」と判断した。担当医からも定期検査をしっかりすれば、普段通りに生活して大丈夫」と説明があり、気候が暖かくなるのを待ってグラウンドに復帰した。
■3本のホームラン  
  「瑛斗がお母さんと元気に歩いてきたのをみて泣きそうになった」と野内勇司(のうちゆうじ)監督(52)は振り返る。「たとえ後遺症があっても最後まで面倒見ます」と久美子さんに約束していた。
   チームは新型コロナウイルスの影響で昨年2月末から5月にかけて練習を自粛したが、各家庭の判断でキャッチボールをするためにグラウンドに集まることもあり、瑛斗君も様子を見に出かけた。本格的に練習に加わったのはチームが練習を再開した6月ごろ。少しずつ感覚を取り戻した。
   復帰以来、土日祝日にある練習には毎回参加。仲間たちは以前と変わらず接してくれているといい、今月下旬に控える小学生最後の試合を楽しみにする。  2月20日の練習で3本のホームランを打った。ぐんぐん空を切って飛ぶ打球にチームメートや周囲の大人は息をのんだ。「病気が遠い昔のようです。まさか野球がまたできるとは」と久美子さん。
   もうすぐ卒業。瑛斗君は「みんなで楽しめる野球を中学に入っても続けたい」と話す。仲間とともに、確実に成長している。


2021.02.06-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/life/news/210206/lif2102060031-n1.html
急激に重症化のおそれ 低酸素状態に気づけない「ハッピー・ハイポキシア」に注意

  新型コロナウイルス感染症では、自宅療養中に容体が急変し、死亡する事例が相次いでいる。症状がないから、軽症だから、と思い込んで過ごしているうちに、重篤な事態となってしまうケースの中で、医療関係者が注意を呼びかけるのは「ハッピー・ハイポキシア(幸せな低酸素症)」と呼ばれる病態だ。

  厚生労働省によると、自宅療養者数は全国で1万7092人(3日午前0時時点)。3万人を超えた1月20日時点よりも減少したものの、依然として多い。自宅療養中に注意しなければならないのが「ハッピー・ハイポキシア」と呼ばれる病態だ。血中の酸素が不足しているにもかかわらず、呼吸困難や苦しさを感じず、普段通りふるまっている状態のことだ。
  埼玉医科大総合医療センターの岡秀昭教授(感染症)は「本来は酸素が少なくなると息苦しくてつらくなる。100メートルを全力疾走した後のように、呼吸が速くなり、肩で息をしたり、ゼーゼーしたり、せき込んだりといった呼吸困難の症状がでる」と説明する。
  だが、新型コロナウイルスに感染すると、肺炎によって血中の酸素が不足し、体は呼吸不全の状態になっているが、目に見える症状が出にくくなるという。
  健康な人の血中の酸素濃度「酸素飽和度」は98%くらいだが、90%以下になると生命を維持するのに必要な酸素が体に入っておらず、危険な状態となる。

  察知のため、酸素飽和度を測る医療機器「パルスオキシメーター」が有効だ。だが、個人需要拡大で品不足になると病院などに行き渡らなくなるため、購入は控えるべきだとし、岡教授は「高齢者や基礎疾患があって重症化しやすい人や、熱が発症から1週間以上続く場合はパルスオキシメーターの貸し出しや医師へ相談をしてほしい」とする。
  そうした医療機器がない場合は、言葉が滑らかにでるか、軽い屈伸運動をして息切れが出ないかを確認するのも有効だという。また、通常1分間の呼吸数は成人で12~16回程度のため、15秒間の呼吸数を数え、4倍して20回を超えていないかを目安にすることもできる。


2021.01.27-Yahoo!Japanニュース(毎日新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/ea4d6e48d0909d1f8cd87e81b7c6c903ceb3c810
小林化工に116日間の業務停止命令へ 過去最長の見通し 皮膚治療薬混入

  福井県あわら市の製薬会社「小林化工」が製造する爪水虫などの皮膚治療薬に睡眠導入剤の成分が混入し、服用者が死亡するなどした問題で、県が同社に116日間の業務停止命令を出す方針を固めたことが27日、関係者への取材で明らかになった。既に会社側に処分方針を通知しており、弁明の機会を与えた上で2月上旬にも処分する見通し。製薬会社への業務停止命令としては、2016年に化学及血清療法研究所(熊本市)が厚生労働省から受けた110日間を上回り過去最長となる。
  睡眠導入剤が混入したのは経口抗真菌剤のイトラコナゾール錠50「MEEK」。製造過程で目減りした原料をつぎ足す際に容器を取り違え、睡眠導入剤「リルマザホン塩酸塩水和物」を混ぜたという。厚労省に承認された製造手順では、つぎ足しは認められていなかった。さらに出荷前の検査で異常の可能性を示すデータが検出されたにもかかわらず、詳しい検査をせず出荷していた。

  一方、同社は27日、新たに別の医薬品22製品を自主回収すると発表した。高脂血症などの治療薬で、重い健康被害の恐れはないとしている。厚労省と県が20年12月に立ち入り調査した結果、厚労省が承認していない手順で製造した製品などがあったことが判明。承認された規格に不適合だったり、安定性試験が未実施だったりした。2製品ではイトラコナゾールと同様に原料のつぎ足しをしていたという。

  同社によると、睡眠導入剤が混入した製品を処方された患者は全国30都道府県で344人。意識消失や記憶喪失などの健康被害の報告は25日時点で215人に上り、1人は死亡した。22人が服用による意識障害が原因とみられる交通事故を起こすなどした。【岩間理紀、大原翔】


2021.01.26-朝日新聞-https://mainichi.jp/articles/20210126/k00/00m/040/277000c
「大変な時期に」 旭川医大、コロナ巡り学長と対立の病院長解任 関係者に衝撃

  海道旭川市の旭川医大病院で起きた突然の院長解任吉田晃敏学長らは26日に開いた記者会見で解任の正当性を強調したが、古川博之元院長は「結論ありき」と反論した。【渡部宏人、横田信行】
  会見の冒頭、一連の騒動について吉田学長らは頭を下げて謝罪。解任に至る経緯に関係しているなどとして吉田学長に代わり、大学の顧問を務める福田俊彦弁護士が中心に経緯を説明した。
  解任の理由になった運営会議などを無断で録画・録音し、内容を外部に漏えいした点について、院長が否定したが、複数の関係者の証言や目撃で確認できたと説明した。
  新型コロナ患者の受け入れを巡る学長と院長の対立については、院長が受け入れを求めた時点では、感染症対策が十分な専用病床が確保されていなかったと説明。軽症者の受け入れがないことは「市幹部と協議し了解を得ていた」とした。
  その上で、院長が「学内で協議しないまま受け入れを進めようとした」と指摘。学長側の主張に沿った事実認定をした。
  学長の発言を巡っては、文部科学省がパワーハラスメントの可能性があるとして事実確認中。こうした中、一方の当事者の処分に踏み切ったことに記者から質問が集中した。
  福田弁護士は、25日の全学説明会でも出席者から「拙速ではないか」との指摘が出たことを認めたうえで「手続きに不備があったとは考えていない」と答えた。
  古川氏と大学側の主張にずれがあるまま処分を出した点を疑問視する質問も出たが、十分な説明をしないまま会見は打ち切られた。


2021.01.26-gooニュース(朝日新聞)-https://news.goo.ne.jp/article/asahi/nation/ASP1V3HMTP1VUTIL002.html
文科相、旭川医大に苦言「冷静な対応を」 院長解任騒動
  国立の旭川医科大学(北海道旭川市、吉田晃敏学長)が付属病院の院長を解任した問題で、萩生田光一文部科学相は26日の閣議後会見で「トップの方たちがこういう形で言い争うことそのものが、道民や利用される患者さんたちに不安を与えると思う。冷静な対応を学内でしてもらいたい」と述べた。

  関係者によると、大学は25日、学内の会議の内容を外部に漏らしたなどの理由で古川博之院長を解任した。古川氏は昨年、新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生した市内の吉田病院からの患者受け入れを巡って吉田学長と対立し、「受け入れるなら、代わりにお前がやめろと言われた」などと朝日新聞の取材に証言していた。
  吉田学長は昨年11月の学内の会議で、「コロナを完全になくすためには、あの病院が完全になくなるしかない、ということ」などと発言したとされる。文春オンラインが翌12月に発言を音声データとともに報じ、旭川医大は吉田学長名で「不適切な発言だった」などとコメントしていた。



2021.01.26-Yahoo!Japanニュース(北海道ニュースUHB)-https://news.yahoo.co.jp/articles/5f47393b2ad078ad30d6ff16d3999c2fbe911e8a
突然の解任理由は…学長の”音声データ外部流出” 旭川医大病院長は関与「一部否定」

  旭川医科大学の吉田晃敏学長と旭川医大病院の古川博之病院長は、新型コロナウイルスの患者の受け入れをめぐり対立していました。1月26日、旭川医大は古川病院長を解任したと発表しました。 1月26日午後、旭川医大が開いた緊急記者会見。会見場には騒動後、初めて報道陣の前に姿を現した吉田晃敏学長も。冒頭、深々と頭を下げました。
  旭川医大 吉田 晃敏 学長:「大変不快な思いをさせたことを、心からおわび申し上げます」 騒動の舞台となっているのは、北海道第二の都市・旭川市の基幹病院・旭川医大病院。
   1月26日の会見で病院のトップ、古川博之病院長の解任が発表されたのです。大学側が解任の理由の一つにあげたのは…。
   旭川医大 松野 武雄 理事:「秘密録音をしました。録画、録音情報を外部に漏洩させたことであります。病院長たるに適さない」、その音声データに収められていたのは吉田学長の発言でした。
   旭川医大 吉田 晃敏 学長(11月17日):「コロナを完全に無くすには、あの病院が完全に無くなるしかない。吉田病院があるということ自体が、ぐじゅぐじゅぐじゅぐじゅとコロナをまき散らして…」  これは2020年11月、クラスターが起きた旭川の吉田病院への発言。会見で吉田学長はその真意を説明しました。
   旭川医大 吉田 晃敏 学長:「吉田病院がなくなれば良いといったのは、吉田病院のコロナウイルスはなくなれば良いという意味でそれを切り取られてしまった」
   そして旭川医大は、この音声データなどの流出に古川博之病院長が関与しているとして、1月25日付で病院長職を解任したのです。

  一方、古川病院長は関与を一部否定した上で、「感染がまん延する中での解任は病院と地域医療をないがしろにするものだ」と反論しました。
   道北全体の高度医療を担う基幹病院で起きたゴタゴタに市民らは…。
         ・ 学生:「そういうの(騒ぎ)で全国区になったのは学生として恥ずかしい」
         ・ 通院する人:「もう少ししっかりしてほしい」
         ・  通院する人:「(学長の)言葉がもう少し、言い方があったのでは?」
   さらに新型コロナ患者の受け入れをめぐってもトラブルが…。古川病院長はコロナ患者の受け入れを主張した際、吉田学長から「受け入れるならお前が辞めろ」と言われたとしています
   旭川医大病院 古川 博之 病院長:「(コロナ患者を)受け入れるなら『辞めてください』と言われました。学長の方針で受け入れないとなった」
  一方、大学側は当時、「コロナ患者を受け入れる状況が整っておらず、医療崩壊につながる恐れがあった」と説明。現在、文部科学省がやりとりの事実関係を確認中です。  新型コロナの感染拡大が懸念される中、騒動を収束することができるのか。事態の行方に注目が集まっています。


2021.01.26-Yahoo!Japanニュース(FRIDAY DIGITAL)-https://news.yahoo.co.jp/articles/0a7066f58970241f9404ed015d171231aee19bde
パワハラ調査に揺れる旭川医大「病院長電撃解任」の深層

  1月25日付で、旭川医科大学病院の病院長が電撃解任された。昨年来問題が指摘されてきた「学長」が、ではない。学長から「(コロナ患者を)受け入れるなら、代わりにお前が辞めろ」と言われた「病院長」の古川博之氏が解任されたのだ。

  「こんな暴挙がまかり通るとは…学内は驚き、呆れています」(旭川医科大病院の職員のひとり)
  ◆突然の、一方的な「説明会」の果てに 昨年12月に発売された「週刊文春」(12月24日号)で「学長の暴言」が報じられたことが発端となった「旭川医大パワハラ疑惑」問題。
  簡単に経緯を説明すると、旭川市内の民間病院・吉田病院から新型コロナの患者受け入れ要請を受けた旭川医科大病院長の古川氏が、吉田晃敏学長に受け入れを提案したところ「(吉田病院が)コロナをぐじゅぐじゅと撒き散らして」と問題発言したうえに、患者を受け入れるなら「代わりにお前が辞めろ」と暴言を吐かれた。
   吉田学長の一連の言動に対して、文部科学省が「パワハラの疑いがある」として、異例の調査に入ってた。その騒動の渦中での「解任」であるから、普通は、調査の対象となっている吉田学長が解任されたと思うところ。
  しかし、実際に解任されたのは、「被害者」の立場にある病院長。驚きが広がるのも当然だ。 関係者によると、1月25日昼前、学内一斉メールで「一連の報道に関する、職員への説明の会」を開催するという連絡があったという。
  なにごとかとかけつけたおよそ400人の医師や職員の前で、大学役員会のメンバーからあった「説明」は「学内の情報を外部に流し、病院を混乱させた古川病院長を解任する」というものだった。
   「役員会からは、吉田学長が病院長に『辞めろ』と言ったのはその時点でコロナ受け入れの体制が整っておらず、職員を守るための選択だった』という旨の説明がありました。
  だから『パワハラにはあたらない、と役員会議が判断した』と。 こんな説明で納得できるわけがありません。問題のすり替えだし、ハラスメントかどうかは、受けた側が判断することでしょう」(病院関係者)
   ◆いくらなんでも… 説明会では「院長解任」の発表に、驚きと同時に諦めの空気もあったという。そんななか、ひとりの教授が質問に手をあげた。 「『この解任は納得できません。決定の経緯が不透明すぎるのでは』という質問でした。

  みんなが諦めかけていた中で、この質問をするのは勇気がいったと思います」(出席者) この問いに対し、役員会は「4時間にわたって話し合った、その結果である」とあっさり返答。しかし、「病院長の解任という重大事案について、たった4時間の会合で決めること自体おかしい」という声も聞こえてくる。
  病院長「だった」古川氏は、昨年からの新型コロナ対策の先頭に立ち、スタッフの信頼も厚かった。年頭の挨拶で、 「我々は地域の病院として、患者さんたちを守っていかなきゃならない。ここまで職員みなさんほんとうに頑張ってきた。あと一歩、頑張りましょう」 と話し、これを聞いた職員は「涙が出た」という。

  現場のスタッフは「古川先生の働きを知っています。土日も出てきて、病院を支えてました。古川先生だから、私たちも踏ん張ってこられたんです」と悔しさをにじませながら語った。別の医師は、 「今は病院にとってだけでなく、旭川、北海道にとって『有事』のときです。こんな内部事情で混乱している場合じゃない。これまでもこの組織でやりづらさを感じていましたが、今回は本当に『辞めたい』と思いました」 と本音を明かしたうえで、 「目の前に患者さんがいる。だから、手を抜くことも辞めることもできないんです。私たち医療者はそうやって仕事をしています。
  組織としてダメだからといって、質を落としたり量を落としたりすることはできませんから…。
  役員会はさまざまな『理由』をつけて説明をしている。しかし、医療は、ルールの前に倫理。なんだったら、仮にルールにそえなくても、倫理を優先する。それが私たちの仕事なんです」 と苦悩を漏らした。
  説明会では「当事者なので今回の決定には関与していない」と繰り返しアナウンスされ、壇上に座っていた吉田学長。しかし、最後にはマイクをもって「職員を守る。みなさんはファミリーですから」と発言したという。 「今、この切迫した時期にこんなことをして…そのうえで『家族』と言われてぞっとしました」(出席した関係者)
   同大学は26日に記者会見を開き、解任に至る経緯を外部に向けても説明。古川氏が内部の情報を外部に漏らしたと結論づけたことや、マスコミの取材を受け学内を混乱させたことなどを解任の理由として挙げた
  旭川医科大病院は、日本最北の医療の砦といわれる。今日も、多くの患者がここを頼り、命をつないでいる。そんな旭川医科大病院の院長室は今、無人になっている。混乱が収束し、大学と病院が正常に機能し続けることを願うばかりだ。








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